バフォメットと変態探索者
儂はバフォメットである。名前はまだ無い。
真名はあるが人間に発音できるものではない。
だが、発音できる通り名ならある。
『ダンジョンマスター』。わかりやすいだろ?
その名の通り、儂はダンジョンに籠もっている。
無論、ラスボスじゃ。ドヤァ
今まで誰にも敗れたことはない。
いや、なかった、と言うべきか。
「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」
「いやぁぁぁぁぁぁ!」
何故なら──ついさっき、儂は常識外の変態に負けてしまったからだ。
「あ、う」
「御主人様」
どうやら、気を失っていたようだ。目の前に大きなおっぱいが見える。
メイドのショゴスのものだ。どうやら儂は膝枕されているらしい。
「む〜」プニプニ
妬ましい。いくらスライム種だからってデカすぎるだろう。突っついてやる。えいっ、えいっ。
「御主人様、そろそろ起きあがってください」
「…………」
デカ乳を見せられるのは不愉快だが、こいつの膝枕は気持ちがいい。
儂は渋々立ち上がる。
「って、何じゃこりゃ!?」
自分の体を見てみると。
大量の矢が刺さっていた。
「御主人様、どうやら憶えていないようで」
「いや、だって、速くて見えなかったし」
「御主人様はあの探索者に、超高速でボウガンの矢を大量に撃ち込まれたのです」
「ボウガンって連射がきくものだっけ!?」
そんな、あれって矢もセットしなければならないだろう?
儂は矢を一本一本抜いていく。
「ダンジョンルールが無かったら死んでたかもしれんのぉ」
魔物娘の人間界進出に伴い、ダンジョンルールというものが設けられた。
役所に申請すれば、いくらダメージを食らっても実際には死なないHP制になる、といったように人間界の『ゲーム』というものの感覚に近くなるのだ。
「いててて」
まぁ、痛いっちゃあ痛いのだが。
「しかし………あの少年は何だったんだ?」
「データによりますと……名前はマイムロ。年齢十八歳。職業は『走者(ランナー)』とのことです」
ショゴスは、自信の一部をコンピューターに変えて、情報を引き出している。
「『走者』?何だそれは」
「ダンジョンクリアのタイムを如何に縮めるか、という職業のようです」
「え…………儂のダンジョン、そんな軽いノリでクリアされたの?」
「本人にとっては重要なことのようです。さっきも『10分32秒07……まだ更新できるな』と大層悔しそうに言っていましたし」
「そうなのか…………いや待て待て。まさか、あいつまた来るの?」
「そうですね…………むむむ、なかなかに面白いデータがありましたよ」
ショゴスは作業を終え、コンピューターを身体の中にしまう。
「えふん───彼の何回も繰り返してそのダンジョンを隅々まで蹂躙していく…………そんな姿から付いた彼の二つ名が………」
「『ダンジョンマスター』、だ、そうですよ」
「………………」
『侵入者発見!侵入者発見!』
「来たか…………」
ショゴスの言うとおり、再び来てしまったようだ。
10分……いや、8分位で来るとみるべきか……
『ダンジョンマスター』の名にかけて、負けるわけにはいかない!
「……………でもやっぱり怖いな」
昨日は本当に何が起こったかわからなかった。
高速でジャンプ→急降下を繰り返し、超スピードで近づかれたと思った瞬間にはHP0にされていた。
何を言っているのかわからないと思うが、儂にもわからん。
本当に申し訳ない。
「今回は私も全力でサポートします」
儂と深くリンクし、高性能な鎧となったショゴスは脳内に直接語りかけてくる。
「しかし、どうも緊張しているようですね」
「うむ………」
「よく聞いてください、御主人様。
その恐怖を克服する方法を教えます。
まず『高速で上下移動する変態』という言葉を思い浮かべてください。
そして、唱えるのです。『存在しない』と」
「何その根性論!」
「魔物娘の脳内には恐怖を司る領域が存在します。そこに私の一部が侵入して、御主人様の脳内にあるマイムロ様への恐怖を削除いたしました」
「マスターを勝手に改造するな!」
ガゴン!
「残念だったな、(雑談は)そこまでだ」
「うわあ!」
速い早い速い!まだ5分しか経ってない!
「くっ─────ふ、ふはは、いいだろう!」
正直に言って、儂は今恐怖している(結局ショゴスは何もしていないのか……)。だが、精一杯、胸を張って虚勢を張る。
「儂は『ダンジョンマスター』のバフォメット!さぁ、戦いを始めようじゃないか!」
「デヤァ!」
マイムロは儂に向かって剣を振り下ろす。無論、着られても傷がつくことはなく、HPが減るだけだ。
痛いけども。
「うおおおおお!」
ショゴスのサポートもあってか、剣の軌道が読める!読めるぞ!
そのまま真剣白刃取り──────
スババババババババババババババババババババ
「ぎゃぁぁぁぉぁだだだぁぁぁぁぁ!」
何故か刃に触れただけでダメージが入る。
「秘技!残像剣!」
「ああああああああああああ!」
HP0。負けである。
その後も、幾度となくマイムロは訪れるのだった。
「剣」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ある時は、40発くらいの魔法を一度に受けたり。
「ドニィ」
「えっ、ちょっ!」
また、ある時は謎のボートに乗せられ、異空間に落とされた。
「……………………え?」
最悪の時には、何故か儂を倒さずにクリアされたときもあった。
「………もう、何がなんだか」
「御主人様……………折れてはなりませんよ」
どうやら、彼は他のダンジョンも並行して攻略しているらしく、友人のユニコーンや、ゲイザーまでもが秒殺されているようだ。
「はぁ…………何か飲ませてくれ………」
酒でも飲んでないとやっていられん。
「連日その調子なので、もう酒は尽きましたよ。コーヒーか、紅茶しかありません」
「ええい!とにかく何でもいいから淹れろ!」
『侵入者発見!侵入者発見!』
「ふんだ!もう知らんもん!マイムロのことなど知らん!」
もう、相手にしてやらんもんね!
「お待たせしました」
ショゴスはテーブルと椅子を身体から造り、その上にカップよ菓子を置いていく。
「コーヒーと紅茶、どちらにします?」
「………コーヒー」
「かしこまりました」
「お邪魔します!」
床からマイムロが出てきてももう驚かない。
何回もそんなものは見てきた。
「む、ティータイムですか」
「飲んどるのはコーヒーだがな………紅茶もあるぞ。今日は時間など忘れてゆっくりとしていけ」
「……………僕はドロッドロに甘いのしか飲めないんですよ………例えば……カフェオレとか」
「ショゴス」
「御意」
「…………………」
ん?何か様子がおかしい。一向に攻撃してこないぞ。
「………………あ、ありがとうございます、ショゴスさん」
マイムロの口調はどこか台本を読んでいるようでぎこちなかった。
そこで、儂に一筋の雷光が走る。
そうだ、今までこいつ、儂の会話中には襲ってこなかった!
いつもこいつが攻撃し始めるのは、戦闘が開始したときなのだ。
イベントムービー。スキップ不可のムービー。ショゴスにやらせてもらったゲームでそんなものがあった。
これはそれに該当するのでは?
この状況はスキップ不可能と判断されるのでは?
だとしたら───勝機はある。
「────」
暗殺、は駄目だ。戦闘と判断され、バトルフェイズに入ってしまうかもしれない。
「────あ」
これは───いけるかもしれない。
これなら、イベントムービーのまま倒せるかもしれない。
───この男も嫌いなタイプではない。
むしろ、好み──かもしれない。
ニヤリ。
「隙あり!」
儂は、マイムロに飛びかかる。
「うわぁ!」
ガシャン、とカップが床に落ちて割れる。
「っ!いてて…」
「ちょうど───男に飢えている時期でな──もう準備はできているぞ」
あんまり時間もかけていられない。さっさと再起不能にしてしまおう。
「えいやっと」
ぬぷ
「うああ」
はぁん───♥
先代魔王の時代では色々とヤっていたが──このような少女の姿になってからは初めてのセックスである。
あの頃に比べて、すごくみっちりとペニスをくわえ込んでいる気がする。
キッツキツだ。
儂は騎乗位の姿勢で、腰を上下させる。
「あぁん、き、きもちいぃ──♥」
「う、あうあ」
「今までよくも♥儂を♥いじめてくれたな♥」
ぺちん、ぺちんと肌がぶつかり合い、ジュプジュプと濡れた音が響く。
「そんないじわるペニスには♥お仕置き、しなきゃな♥」
「ぅうう、も、もう」
「なんだ?射精そうなのか♥?情けないなぁ♥こんなロリっこに責められて、射精すること自体限りなく情けないがなぁ♥」
「あああ!」
「ぅああん♥!」
暖かいものが、儂の下腹部を満たしていく。
何百年ぶりだろうか……この快感は。
「はぁ───こんな幼い幼女に子種を蒔くとは…孕んだらどうするつもり?」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「まあ、久しぶりに、孕んでみるのも──よいかもな♥」
「あああ!もう、やめて!」
再び、儂はマイムロを攻める。
何回でも、イかせてやる!
「あん♥あん♥やぁぅ♥」
膣内が疲れる度に、中の精子がシェイクされるのを感じる。どうだろう、今日一回で孕めるだろうか?
「もっとぉ♥ほらぁ、いつもみたく、速く速くぅ♥」
「う、があああ!」
「え?」
「きゃん!」
儂は、強引にマイムロにねじ伏せられる。
「え、な、なんで?」
「大方、イベントはスキップ不可だから襲っちゃえとか考えてたでしょう?当たりです。
でも、僕も男ですから。タイムアタックの対象を『ダンジョン』から『セックス』にして楽しむことにしました」
「う、うそ」
マイムロは、いつものように、だが、心底楽しそうに笑い。
「さて、僕の力はセックスではどう使えるんでしょうか───ねっ!」
容赦なく、儂を裂くかのようにバックで挿入する。
「い、ああああん♥!」
貫かれただけで、盛大にイってしまった。
全然、さっきと違っ───
「やぁ♥ちょっとぉ♥らめぇ♥おかひく♥らっひゃうぅ♥」
一突き一突き、間隔はまちまちだが、全て儂の気持ちいいところに、クリティカルにヒットする。
「ははは、そういうことになるんですか」
「い♥ぁぁぁぁぁ♥う♥あ゛♥う♥」
「孕むのも悪くないんですよね、じゃあ───」
ドプンドプン
また、大量に、精液が子宮に注がれる。もう、満杯だ。溢れた分は
「ぃぃぃぃぃ♥!やめて♥ほ、ほんとに♥はらんじゃうう♥」
「是非とも──孕んでください」
「僕が一緒に面倒見るんで」
「そ、それって───」
「実は、一目見たときから好きでした──結婚してください」
「あ、ああ───マイムロ───」
儂も、儂も結婚したい──マイムロと──一緒に──
「はぁ──もっとぉ♥もっとちょーだい♥おちんぽミルク注いでぇ♥」
「あれっ、今ので終わりのつもりだったんですけども───じゃあ、これでラストです」
「やぁん♥あ、あ、 ♥ちょーらい♥こだねミルクちょーらい♥あかひゃんつくりたいのぉぉ♥」
何という、有様だろうか。
これでその上なく幸せなのだから仕方ない。
「もう♥いっしょーここでくらそ♥?ずっとここでこづくりしてようよ♥」
「わ、わかりましたぁ!──で、でる!」
「ああぁぁん♥!」
数年後。
「…………うぐぅ、めっちゃ元気だよこの子」
「またお腹蹴ってるの?」
「うん」
この子、儂………私をサッカーボールとでも思ってるのかしら?
「元気いいことに越したことはないけどもね……ちょっと複雑かな?」
「ははは……一体、どんな子が産まれるんだろうか」
「さぁね、私も久し振りのことだし」
あの時代は、私の子供達も幸せには暮らせなかっただろう。その子達の分、という訳ではないけれども、この子には幸せに生きて欲しいな……
「…………ねぇ、名前はどうするの?」
「ん、一応考えてはあるよ。僕の上に立って欲しい、っていう願いを込めた名前が」
「お前の上に立つって………」
またあの変態人間が産まれるのか?やめてくれよ。
「もう、あれは引退したよ。どつしてあんなことしてたのか今でも謎だね」
「………で、名前は?聞かせて聞かせてよ!」
「その子の名前はね──────だ」
なるほど、それはいい名前だ。
真名はあるが人間に発音できるものではない。
だが、発音できる通り名ならある。
『ダンジョンマスター』。わかりやすいだろ?
その名の通り、儂はダンジョンに籠もっている。
無論、ラスボスじゃ。ドヤァ
今まで誰にも敗れたことはない。
いや、なかった、と言うべきか。
「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」
「いやぁぁぁぁぁぁ!」
何故なら──ついさっき、儂は常識外の変態に負けてしまったからだ。
「あ、う」
「御主人様」
どうやら、気を失っていたようだ。目の前に大きなおっぱいが見える。
メイドのショゴスのものだ。どうやら儂は膝枕されているらしい。
「む〜」プニプニ
妬ましい。いくらスライム種だからってデカすぎるだろう。突っついてやる。えいっ、えいっ。
「御主人様、そろそろ起きあがってください」
「…………」
デカ乳を見せられるのは不愉快だが、こいつの膝枕は気持ちがいい。
儂は渋々立ち上がる。
「って、何じゃこりゃ!?」
自分の体を見てみると。
大量の矢が刺さっていた。
「御主人様、どうやら憶えていないようで」
「いや、だって、速くて見えなかったし」
「御主人様はあの探索者に、超高速でボウガンの矢を大量に撃ち込まれたのです」
「ボウガンって連射がきくものだっけ!?」
そんな、あれって矢もセットしなければならないだろう?
儂は矢を一本一本抜いていく。
「ダンジョンルールが無かったら死んでたかもしれんのぉ」
魔物娘の人間界進出に伴い、ダンジョンルールというものが設けられた。
役所に申請すれば、いくらダメージを食らっても実際には死なないHP制になる、といったように人間界の『ゲーム』というものの感覚に近くなるのだ。
「いててて」
まぁ、痛いっちゃあ痛いのだが。
「しかし………あの少年は何だったんだ?」
「データによりますと……名前はマイムロ。年齢十八歳。職業は『走者(ランナー)』とのことです」
ショゴスは、自信の一部をコンピューターに変えて、情報を引き出している。
「『走者』?何だそれは」
「ダンジョンクリアのタイムを如何に縮めるか、という職業のようです」
「え…………儂のダンジョン、そんな軽いノリでクリアされたの?」
「本人にとっては重要なことのようです。さっきも『10分32秒07……まだ更新できるな』と大層悔しそうに言っていましたし」
「そうなのか…………いや待て待て。まさか、あいつまた来るの?」
「そうですね…………むむむ、なかなかに面白いデータがありましたよ」
ショゴスは作業を終え、コンピューターを身体の中にしまう。
「えふん───彼の何回も繰り返してそのダンジョンを隅々まで蹂躙していく…………そんな姿から付いた彼の二つ名が………」
「『ダンジョンマスター』、だ、そうですよ」
「………………」
『侵入者発見!侵入者発見!』
「来たか…………」
ショゴスの言うとおり、再び来てしまったようだ。
10分……いや、8分位で来るとみるべきか……
『ダンジョンマスター』の名にかけて、負けるわけにはいかない!
「……………でもやっぱり怖いな」
昨日は本当に何が起こったかわからなかった。
高速でジャンプ→急降下を繰り返し、超スピードで近づかれたと思った瞬間にはHP0にされていた。
何を言っているのかわからないと思うが、儂にもわからん。
本当に申し訳ない。
「今回は私も全力でサポートします」
儂と深くリンクし、高性能な鎧となったショゴスは脳内に直接語りかけてくる。
「しかし、どうも緊張しているようですね」
「うむ………」
「よく聞いてください、御主人様。
その恐怖を克服する方法を教えます。
まず『高速で上下移動する変態』という言葉を思い浮かべてください。
そして、唱えるのです。『存在しない』と」
「何その根性論!」
「魔物娘の脳内には恐怖を司る領域が存在します。そこに私の一部が侵入して、御主人様の脳内にあるマイムロ様への恐怖を削除いたしました」
「マスターを勝手に改造するな!」
ガゴン!
「残念だったな、(雑談は)そこまでだ」
「うわあ!」
速い早い速い!まだ5分しか経ってない!
「くっ─────ふ、ふはは、いいだろう!」
正直に言って、儂は今恐怖している(結局ショゴスは何もしていないのか……)。だが、精一杯、胸を張って虚勢を張る。
「儂は『ダンジョンマスター』のバフォメット!さぁ、戦いを始めようじゃないか!」
「デヤァ!」
マイムロは儂に向かって剣を振り下ろす。無論、着られても傷がつくことはなく、HPが減るだけだ。
痛いけども。
「うおおおおお!」
ショゴスのサポートもあってか、剣の軌道が読める!読めるぞ!
そのまま真剣白刃取り──────
スババババババババババババババババババババ
「ぎゃぁぁぁぉぁだだだぁぁぁぁぁ!」
何故か刃に触れただけでダメージが入る。
「秘技!残像剣!」
「ああああああああああああ!」
HP0。負けである。
その後も、幾度となくマイムロは訪れるのだった。
「剣」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ある時は、40発くらいの魔法を一度に受けたり。
「ドニィ」
「えっ、ちょっ!」
また、ある時は謎のボートに乗せられ、異空間に落とされた。
「……………………え?」
最悪の時には、何故か儂を倒さずにクリアされたときもあった。
「………もう、何がなんだか」
「御主人様……………折れてはなりませんよ」
どうやら、彼は他のダンジョンも並行して攻略しているらしく、友人のユニコーンや、ゲイザーまでもが秒殺されているようだ。
「はぁ…………何か飲ませてくれ………」
酒でも飲んでないとやっていられん。
「連日その調子なので、もう酒は尽きましたよ。コーヒーか、紅茶しかありません」
「ええい!とにかく何でもいいから淹れろ!」
『侵入者発見!侵入者発見!』
「ふんだ!もう知らんもん!マイムロのことなど知らん!」
もう、相手にしてやらんもんね!
「お待たせしました」
ショゴスはテーブルと椅子を身体から造り、その上にカップよ菓子を置いていく。
「コーヒーと紅茶、どちらにします?」
「………コーヒー」
「かしこまりました」
「お邪魔します!」
床からマイムロが出てきてももう驚かない。
何回もそんなものは見てきた。
「む、ティータイムですか」
「飲んどるのはコーヒーだがな………紅茶もあるぞ。今日は時間など忘れてゆっくりとしていけ」
「……………僕はドロッドロに甘いのしか飲めないんですよ………例えば……カフェオレとか」
「ショゴス」
「御意」
「…………………」
ん?何か様子がおかしい。一向に攻撃してこないぞ。
「………………あ、ありがとうございます、ショゴスさん」
マイムロの口調はどこか台本を読んでいるようでぎこちなかった。
そこで、儂に一筋の雷光が走る。
そうだ、今までこいつ、儂の会話中には襲ってこなかった!
いつもこいつが攻撃し始めるのは、戦闘が開始したときなのだ。
イベントムービー。スキップ不可のムービー。ショゴスにやらせてもらったゲームでそんなものがあった。
これはそれに該当するのでは?
この状況はスキップ不可能と判断されるのでは?
だとしたら───勝機はある。
「────」
暗殺、は駄目だ。戦闘と判断され、バトルフェイズに入ってしまうかもしれない。
「────あ」
これは───いけるかもしれない。
これなら、イベントムービーのまま倒せるかもしれない。
───この男も嫌いなタイプではない。
むしろ、好み──かもしれない。
ニヤリ。
「隙あり!」
儂は、マイムロに飛びかかる。
「うわぁ!」
ガシャン、とカップが床に落ちて割れる。
「っ!いてて…」
「ちょうど───男に飢えている時期でな──もう準備はできているぞ」
あんまり時間もかけていられない。さっさと再起不能にしてしまおう。
「えいやっと」
ぬぷ
「うああ」
はぁん───♥
先代魔王の時代では色々とヤっていたが──このような少女の姿になってからは初めてのセックスである。
あの頃に比べて、すごくみっちりとペニスをくわえ込んでいる気がする。
キッツキツだ。
儂は騎乗位の姿勢で、腰を上下させる。
「あぁん、き、きもちいぃ──♥」
「う、あうあ」
「今までよくも♥儂を♥いじめてくれたな♥」
ぺちん、ぺちんと肌がぶつかり合い、ジュプジュプと濡れた音が響く。
「そんないじわるペニスには♥お仕置き、しなきゃな♥」
「ぅうう、も、もう」
「なんだ?射精そうなのか♥?情けないなぁ♥こんなロリっこに責められて、射精すること自体限りなく情けないがなぁ♥」
「あああ!」
「ぅああん♥!」
暖かいものが、儂の下腹部を満たしていく。
何百年ぶりだろうか……この快感は。
「はぁ───こんな幼い幼女に子種を蒔くとは…孕んだらどうするつもり?」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「まあ、久しぶりに、孕んでみるのも──よいかもな♥」
「あああ!もう、やめて!」
再び、儂はマイムロを攻める。
何回でも、イかせてやる!
「あん♥あん♥やぁぅ♥」
膣内が疲れる度に、中の精子がシェイクされるのを感じる。どうだろう、今日一回で孕めるだろうか?
「もっとぉ♥ほらぁ、いつもみたく、速く速くぅ♥」
「う、があああ!」
「え?」
「きゃん!」
儂は、強引にマイムロにねじ伏せられる。
「え、な、なんで?」
「大方、イベントはスキップ不可だから襲っちゃえとか考えてたでしょう?当たりです。
でも、僕も男ですから。タイムアタックの対象を『ダンジョン』から『セックス』にして楽しむことにしました」
「う、うそ」
マイムロは、いつものように、だが、心底楽しそうに笑い。
「さて、僕の力はセックスではどう使えるんでしょうか───ねっ!」
容赦なく、儂を裂くかのようにバックで挿入する。
「い、ああああん♥!」
貫かれただけで、盛大にイってしまった。
全然、さっきと違っ───
「やぁ♥ちょっとぉ♥らめぇ♥おかひく♥らっひゃうぅ♥」
一突き一突き、間隔はまちまちだが、全て儂の気持ちいいところに、クリティカルにヒットする。
「ははは、そういうことになるんですか」
「い♥ぁぁぁぁぁ♥う♥あ゛♥う♥」
「孕むのも悪くないんですよね、じゃあ───」
ドプンドプン
また、大量に、精液が子宮に注がれる。もう、満杯だ。溢れた分は
「ぃぃぃぃぃ♥!やめて♥ほ、ほんとに♥はらんじゃうう♥」
「是非とも──孕んでください」
「僕が一緒に面倒見るんで」
「そ、それって───」
「実は、一目見たときから好きでした──結婚してください」
「あ、ああ───マイムロ───」
儂も、儂も結婚したい──マイムロと──一緒に──
「はぁ──もっとぉ♥もっとちょーだい♥おちんぽミルク注いでぇ♥」
「あれっ、今ので終わりのつもりだったんですけども───じゃあ、これでラストです」
「やぁん♥あ、あ、 ♥ちょーらい♥こだねミルクちょーらい♥あかひゃんつくりたいのぉぉ♥」
何という、有様だろうか。
これでその上なく幸せなのだから仕方ない。
「もう♥いっしょーここでくらそ♥?ずっとここでこづくりしてようよ♥」
「わ、わかりましたぁ!──で、でる!」
「ああぁぁん♥!」
数年後。
「…………うぐぅ、めっちゃ元気だよこの子」
「またお腹蹴ってるの?」
「うん」
この子、儂………私をサッカーボールとでも思ってるのかしら?
「元気いいことに越したことはないけどもね……ちょっと複雑かな?」
「ははは……一体、どんな子が産まれるんだろうか」
「さぁね、私も久し振りのことだし」
あの時代は、私の子供達も幸せには暮らせなかっただろう。その子達の分、という訳ではないけれども、この子には幸せに生きて欲しいな……
「…………ねぇ、名前はどうするの?」
「ん、一応考えてはあるよ。僕の上に立って欲しい、っていう願いを込めた名前が」
「お前の上に立つって………」
またあの変態人間が産まれるのか?やめてくれよ。
「もう、あれは引退したよ。どつしてあんなことしてたのか今でも謎だね」
「………で、名前は?聞かせて聞かせてよ!」
「その子の名前はね──────だ」
なるほど、それはいい名前だ。
19/11/05 23:24更新 / 鯖の味噌煮