「おかえりー！」
　ドアを開けると甲高い羽音とともに居候のモスキート、アヤが僕の飛び込んでくる。
「ただいま、アヤ」
「ご主人！ご主人！今日もお疲れ！」
「ありがとう」
　僕は抱きついて頬ずりする彼女を抱っこし、リビングまで運ぶ。
「さぁて、アヤ。今日はお土産買ってきたぞ」
「？　なぁに？」
「これ、アルラウネの蜜だ」
　僕は彼女にボトルを見せてやる。かなりの高級品だ、滅多に買えるものではない。
　しかし。
「ありがと────でも今日は飲みたくない」
　彼女は首を横に振るのだった。
「あれ？これ好きじゃなかったっけ？」
「大好きだよ、でもね───今日は違うのが飲みたいの♥」
　彼女は指を咥え、おねだりしてくる。
　うぅ、仕事から帰ってきたばかりで疲れてるんだけどなぁ………
「……………しょうがないなぁ」
　僕は早速服を脱いで上半身裸になり、彼女に首筋を差し出す。
「♥　ありがとっ♥」
　彼女は僕に抱きつき。
　一番の大好物である僕の血を吸い始めるのだった。



「っ」
　アヤが魔法で作り出した針が僕の首筋に小さな穴を空ける。痛いという感覚はないのだが、何かが入ってきているという感覚は………正直に言うと少し気持ちのいい感覚はあった。
「♪」
　そこから血がじわりと湧き出てくるのが伝わってくる。それをアヤは鼻歌混じりで見つめている。やっとおやつにありつけた、そんなうれしそうな顔をしながら。
「ご主人………いただきます♥」
　上目遣いで手を合わせ、媚びるように可愛らしく言うアヤ。甘い彼女の言葉、動作が僕を高ぶらせる。今すぐ襲いかかってすべてを犯し尽くしてしまいたいくらいに………
　そんな僕の心中など知らないアヤはゆっくりと傷に口を近づけ────
「ん、ちゅ」
　僕の肌に吸いつく。少女の柔らかな唇の感触が僕の脳を少しだけ溶かす。
「んっ、ちう、ちゅっ、ちゅ〜〜っ」
　下品に音を立て溢れる血を吸い。
「んくっ、こくっ」
　喉を鳴らし飲み込む。
　これはどうやら血を飲んでいるところがよく見えない僕に対する嫌がらせらしい───こうやって視覚で誘えない分、いやらしい音を鳴らし聴覚に訴えることで僕の劣情を誘っているのだ。
「んっ、ごひゅひんのち………おいひいよぉ♥」
　喉が灼けそうなほどに甘ったるい声で僕の耳元に囁く。僕はとりあえず少しでも情欲を発散させるために彼女の頭を撫でてやる。
「んっ♥ごひゅひん─────っ♥」
　だが、逆効果だった。
　よほど気持ちよかったのか彼女は細かく羽ばたき始めたのだ。するとあの甲高い羽音が部屋に響き渡る。
　モスキート音なんて不快な音でしかないはずなのだが、彼女のは違う。
　興奮してしまうのだ。
　彼女を小さく細い肢体を犯し尽くしてやりたい、そんな欲望が溢れて止まらなくなってしまうのだ。
「ちゅぱっ、れろっ……………ご主人？息が荒いけど大丈夫♥？」
　血が止まったのだろうか、彼女は口を離し白々しく僕にそう聞いてくる。
　わかっているくせに。
　僕がこの羽音を聞いたらどういう風になってしまうか。
「大丈夫……………じゃ、ない」
「だよね♥───じゃあどうする？私、準備は出来てるよ♥？」
　そう言ってアヤは股間のあたりの外骨格を開き、十分に濡れた性器を見せつけてくる。
　ごくり、と僕は唾を飲む。
　シたい。
　彼女とシたい。彼女の幼いそこに僕の性器を突き立てて犯してしまいたい。
　ぐちゅぐちゅになるまで彼女の子宮に精液を流し込み、孕ませてしまいたい───
　僕は我慢できなくなり彼女にキスをする。
「んっ♥ちゅっ♥れるっ♥」
　鉄の味が残る彼女の口内を舐めまわす。粘膜をすべて舐めとってしまうくらいに激しく蹂躙する。
「ちゅ〜っ♥はふっ♥れろれろっ♥」
　彼女も負けじと僕の口内を犯してくる。淫毒でもある自身の唾液を僕の口の粘膜全部に擦り込むように。
「じゅっ♥ちゅるるっ♥」
　トドメに、彼女はありったけの唾液を喉の奥へと流し込んできた。
　頭がぼーっとし始めてくる。だが僕の性器ははっきりとギンギンに張り上げていた。
「ご主人………こっちもいただきます♥」
　どこから取り出したのか彼女はゴムを咥えていた。
　あぁ、今日もまた彼女を孕ませるという欲望は解消されないらしい。
　なんともむごいことだ。



「ご主人、入れるね」
　アヤは椅子に座っている僕の上に向かい合うように跨がる。彼女が一番好きな姿勢だ。僕がよがっている姿を間近で見ることができるのだとか。
　それをいうなら僕だって彼女の卑猥な表情を目と鼻の先で見ることができるのだが。
　もしかして、そんな姿を見せつけられてるのかもしれない。
「んんっ♥んっ♥はふっ♥………はぁ♥全部入ったよぉ♥」
　案の定彼女は大げさに顔を歪ませ、僕の興奮を煽ってくる。
　ロリコンという自覚はないのだが、やはり年端もいかない少女がエッチにご執心していやらしい表情を見せているという光景は背徳的で興奮する。
「動くよ……………はぁ♥ぁあん♥」
　文字通り身の丈が合わない彼女の狭い膣が、そのままの締まり具合で上下に動き始める。強く強く湿った粘膜が僕の肉棒を包み込む感触が、ゴム越しだが少しだけ伝わってくる。
　それはさっきの彼女の吸血のようでもあった。
　血を吸うかのように精を吸い上げる……まさしくそれは魔物娘の源流、サキュバスの技である。
「んひっ♥ぁはっ♥おちんぽっ♥おちんぽっ♥」
　食らいつき、吸い上げ、また食らいつく。その感覚が段々と短くなり、それにつれて彼女の表情も段々と惚けていく。
「きもひいいっ♥はっ♥はっ♥ごひゅじんのおちんぽきもひいいよぉっ♥！」
　彼女は舌を出し、犬のようにだらしない荒い息を吐く。熱く湿った息が僕の顔にかかった。
　なぜか息が僕の肌に触れるだけで痺れるように熱くなる。毒が含まれているのかもしれない。
　焦れったいほどにピリピリと、弱く僕をいじめてくる。
「ひっ♥あぁぁぁっ♥！そんにゃ♥突いたら♥はふっ♥らめぇっ♥！」
　無意識のうちに僕の腰は彼女を突き上げていた。そんな不意打ち気味の僕の動きにアヤは悲鳴のような喘ぎを上げる。
「はっ♥はっ♥ふっ♥やらぁ♥ゆさゆさしないれぇ♥！ずんずんしないれよぉ♥！ふひっ♥」
　感極まったのか、アヤは涙を流し始めた。もちろん口ではこんなことを言っているがこういうのはかなり好きなはずだ。きっと気持ちがよすぎたのだろう。
「ごめんなーアヤ」
　優しく声をかけ、僕は彼女を強く抱きしめる。小さくて包み込めてしまいそうなほどだ。
　それでも腰は降り続ける。
「ひぁっ♥ごひゅひんにぎゅ〜ってされるのしゅき♥もっともっとぎゅ〜ってして♥」
　さらに力を込めてやる。人間の女の子だったら苦しいと感じるくらいの力を。
　だが、アヤはそれで安心したのか少しだけ大人しくなった。
「はぁ♥はぁ♥ごひゅひん♥でそうなんれしょ♥わかるんだ♥もうごひゅひんのことはせんぶおみとおしだよ♥きもちいいところとか、せーえきだすタイミングとかもぜんぶつたわってくる…………だからいつでもだしていいよ♥」
　きゅっ、と一層彼女の膣の力が強くなる。
　僕も負けじと腰の振りを大きくする。
「いくっ♥いっちゃう♥いっちゃう♥！ごひゅひん♥！らいすきだよぉぉぉっ♥！」
　そう言ってアヤは、さっきの傷口を甘噛みした。
　痒みにもにた耐え難い疼きがずっとくすぶっていた傷口を───

　その瞬間、電撃のような快楽が僕の身体を貫いた。

　びゅるるっ！
　ゴムの中に大量の精液が放たれる。僕の肉棒の中をドロドロとした液体がどくどく、びゅるびゅると通っていくのを感じた。
「あっ♥あっ♥あっ♥────はぁ♥はぁ♥いっぱい出してくれたんだね♥はむっ」
　彼女はもう一噛み、同じところを甘噛みした。



「いただきます─────ちゅう」
　どこから取り出したのか、彼女の手には黒いストローがあった。それを使用済みのコンドームに差し込んで中の白濁液を吸い出す。
「ちゅー……………ごくっ、ごくっ」
　なんともアブノーマルなシチュエーションだ。
　これが魔物娘の魅力なのか。
　また少しだけ肉棒が硬さを取り戻しつつあった。
「ごくっ…………ぷはっ、ご主人のせーえきおいし〜♥」
　さすがにそこは到底理解できそうにないな。
「─────ご主人ごめんね。わかってるんだ、ご主人が私との赤ちゃん欲しいの」
「………………」
　そんなド変態な思考がバレていたとは…………
「でも、もう少し待って。まだご主人のせーえきをごっくんってしたいの……まだご主人のせーえきを味わいたいの♥」
「……なにか理由があるのか？」
「まだ私の身体は幼すぎて赤ちゃんを産むのが難しいの……だからこうやってミルクを飲んで早く成長できるようにしてるの」
「………あー、なんかごめんね」
　あんまり急いてはいけなかったか…………反省。
　それにまだそんなに幼い身体を僕は味わってしまっているのか………背徳的だなぁ。
「いいの♥だって私も早くご主人との赤ちゃん作りたいもん」
　彼女は笑って言った。



「そうだ、ご主人。赤ちゃんは何人欲しい？私はたくさん欲しいな────うん、そう♥じゃあいっぱい産めるようにこれからもたくさんエッチしようね♥」

■作者メッセージ
女性の虫さされを見る時………なんていうか………その………下品なんですが………フフ………

勃起………しちゃいましてね