連載小説
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『原種は堅物狼』
「…リン姉様……兄様は今……どこにいるのかな?」
「さぁ…どこだろうね。 でも、きっと元気にしてるわよ。」
「…だといいけど…。」
「きっとそうよ。 兄さんの事だから、元気過ぎて砂漠で遊んでるんじゃない?」
「………」
「もう…だから心配そうな顔しないの! 私達の兄さんよ? 一回死んだって生き返るわよっ!」
「……うん。」
「それに兄さん今頃…仲間にした魔物娘達に欲情しちゃってるのよ、きっと…。 ああ〜ん…もう! 何か腹立つ〜〜〜!!」

「………兄様…どうか御無事で………。」




「うう…あ〜〜〜〜〜あっちぃ〜〜〜………。 なぁフライヤ…町はまだかぁ〜…?」
「なんだよ、もうヘバったのかい? 情けねえなあ〜…。」
「まったくだ、この貧弱男が! エステルを見習ったらどうだ?」
「はぁ…んなこと言われてもよ〜……俺は人間…お前達は魔物…。 比べられたら堪んないよ…。」
「……そうですよ、お二人共…。 ルークさんは本調子ではないんですから…。」

エ、エステル…///

「…ペースがあまり速くないのは事実ですけど…」

大変申し訳ない………。

「まあでも、実際良く頑張った方だと思うぜ。 ほらよ、着いたぜ!」
「え……?」

俺の目の前に現れたのは…巨大な門。

「うお!? い、いつの間に…。」
「驚いたろ? これがこの砂漠の特徴なんだぜ!」
「特徴って…。 レビィ、エステル…2人は気付かなかったのか?」
「…はい…見えたら、ルークさんに知らせようと思ったのですが…」

同じだと頷くレビィ。(コイツは見えても知らせないだろうな…)

「アタイを頼って正解だったね。 この砂漠の蜃気楼は極端なんだ。 だから知らずに入り込んだ奴は…。」
「そ、そうか…。 フライヤ…改めて助かったよ、ありがとう。」
「なあに、気にすんなって! アタイにとっちゃこんな砂漠、朝飯前だぜ!!」

大きく胸を張る闘牛女。

「つっても、ただの蜃気楼じゃねえ…。 アタイも詳しい事は知らねえけど、恐らくこの砂漠に…誰かが呪いをかけてるって噂だ。」
「呪い? 何のために…?」
「さあな。 まあその呪いとやらも、本当かどうかハッキリしねえんだけどな。」

まあ確かに…。 
この砂漠に呪いを敷いて、そのメリットは何だ?と考えると呪いの線は薄くなる。
だけどこうまで極端な蜃気楼も逆に気になる。

「……とりあえず早く入ろう。 暑くて死にそうだよ…。」
「ん、ああそうだな。 つっても、町の中もたいして変わらねえけどな!」

マジかあああああぁぁぁぁぁぁ…………………。




宿屋を探して余分な荷物を置いた後、夜まで情報収集を兼ね自由行動となった。
(もっちのろん俺が指示。 一応リーダーだから。)
ゾルアクア程ではないが、ここも正真正銘立派な町だ。
砂漠に囲まれているとゆう過酷な状況の中でも、この町の住人は皆明るく陽気だ。
このような人達が集まればこんな町の1つや2つ、どんな場所にでも造作なく造ってしまうだろうな。
人間は実に強い……と、ちらほら魔物達の姿も見えるな……。
ハーピーにワーキャット、リャナンシー(人に化けているが何となくわかる)、マミーまでいる。
……………マミー?
いや前者3種類はわかるけど、マミーって……。
さすが血気盛んなアルビアータ、人種が幅広い。
それに良く見ると、マミーと一緒に歩いているのは人間男性が多い。 いや全カップルがそうか?
う〜む…気になるなぁ………、話を聞いてみるか…。
と言っても、訳有りなカップルに直接理由を尋ねるのも気が引ける。
商売歴が長そうな店主に聞くことにしよう。

ん〜どの店主に話しを聞こう……?
とゆうか路上販売の皆さん、良くこんな炎天下の下で商売できるよなぁ…。
っと、あの子なんかまだ子供じゃないか!?
………なにか買ってあげるか。(俺は女の子に弱いが…ロリコンじゃねえぞ!)

「えっとぉ、品を見せてもらってもイイかな?」

なるべく優しく声を掛ける。
すると…

「……構わん、好きなだけ見ていくが良いぞ。」

ん? 子供に似つかわしくない喋り方だな…。
まあいいか。 どれどれ…何が売ってるのかな〜?
………なんだ、コレ? 『魔界マムシの精力酒』?
それにコレは………『100%惚れ薬』?

「本来は魔物娘達が買っていくのじゃが…おぬし…物好きじゃのう?」
「………!? あ、あんた…まさか!?」

『バフォメット』
最上級の魔力を誇る、魔界の(ロリ?)覇者。
多数の魔女を率いて行動する。
人前に姿を見せることは滅多にないのだが……。

暑地に合った人間らしい服装をしているので気付かなかった。
頭の角も何かの飾りかと思った…。

「素質があるようじゃな、おぬし。 儂の姿は、普通の人間には見えぬからのう。」
「……………っ!?!?」
「む? なにを萎縮しておるのじゃ? そう怖がるでない……別に取って食おうと言うわけではないのじゃぞ?」

そ、そうか…良かった…。

「あ、あの……あなたのような上級種族が…何故こんな所で商売なんかを…?」
「男に悩む娘(魔物)達のためじゃ。 こうして定期的に店を出し、娘達を喜ばせてやろうと思ってのう。」
「そんなこと、魔女達に任せておけばイイんじゃ…?」
「まぁそうじゃが……。 いかんせん魔界は退屈でのう…。」
「ああ、なるほど…。 退屈凌ぎってわけですか…。」

魔物って、けっこう暇なのか………?

「…ところでおぬし、何か買わぬか?」
「え…でもこれぇ、魔物達専用なんじゃ…」
「む…なら何をしにきたのじゃ? まさか……冷やかしではあるまいな…?」
「か、買います!!」

怒らせるのは得策じゃないな………。
と言っても……なにを買う?

「う〜ん…………ん? これは?」
「ほう……おぬし、なかなかの目利きじゃのう。 それは『真性香(しんしょうこう)』と言ってのう、嗅いだ者の本性を引きずり出す代物じゃ。 普通は魔物達が気に入った男に対して使う物じゃが、もちろん魔物に対しても効果を発揮するぞ。 まぁ、たいていの男共は性欲の塊じゃからのう。 この香を嗅がせれば、たちまち生殖猿に豹変する……と言うわけじゃ!」

あ、あぶな……。

「なんじゃおぬし、気になる娘でもおるのか? 残念ながらこの香は、人間の女には効かぬのじゃ。」
「…なにかと都合のイイアイテムですね、コレ。」
「まぁそんなもんじゃろ。 ちなみに一度使い切りじゃ。 …で、買うかのう?」

NO!………とは言えないだろ。
結局購入する俺。

「毎度ありなのじゃ! 代金はおぬしの精……と言いたいところじゃが、今は止しておくかのう。 他の者達にも示しがつかぬしのう。」
「は、はぁ……。」

どうにか無事に買い物を済ませる。
っと、そういえば例のマミーの件…聞いても大丈夫かな…?

「あのぉ…1つお聞きしたいことが…。」
「む? なんじゃ? 遠慮せず申してみい。」

機嫌が良くてよかった…。

「えと…この町では、男とマミーのカップルを良く見かけるんですけど…何かご存じですか?」
「…うむ、良い質問じゃな。 それは恐らく…いや、間違いなく『アヌビス』の仕業じゃのう。」
「……アヌビス?」

聞く話によると、ここアルビアータの近くには、古くから伝わる遺跡があると言う。
その遺跡の最深部には、手に入れれば一生食うに困らぬ秘宝が眠っているらしい。
そしてその秘宝を狙って冒険者達が次々と遺跡攻略に出向いたと言うことだが…。

「あの遺跡はのう、『男と女』でなければ先に進めぬ仕掛けになっておるのじゃ。」

具体的にどういった仕掛けかは知らないとのこと。
さらに女性がマミーになってしまうとゆうことは、アヌビスが自ら女に『マミーの呪い』を投げ掛けているはずだとロリ店主は言う。

『マミーの呪い』。
簡単に説明すると…
男→外部からの刺激に対して異常なまでに敏感になってしまう。
女→マミーに変貌。(魔物は男と同様か又は効かない)

そしてさらに疑問が浮上。
女がマミーになってしまうのはわかる。
だが男は?
見ている分たいした外傷もなければ、呪いに苦しんでいるようにも見えない。

………?
謎は深まるばかり…。

「儂が知っておるのはここまでじゃ。 詳しいことは、被害者に直接聞いてみるがよいじゃろう。」
「いえ、十分ですよ! ありがとうございました!!」
「ふむ。 ……さてはおぬし、遺跡に挑むつもりなのか?」
「あ、いえ……少し気になっただけです。 でも、連れが行きたいと言うなら行ってみてもイイかと…。」
「連れの娘が人間なら止めているところじゃが……おぬしの場合は違うようじゃのう?」
「え? どうして…」
「それぐらい匂いでわかる。 だが連れが魔物娘であるのなら………挑戦してみる価値はありそうじゃな。 まぁ、行く行かないはおぬしの自由じゃがの。」

それはみんなと相談して決めるか。
っと、1つ気になることが……
「そういえば……あなたは普通の人からは見えないんですよね? とゆうことは俺…端から見たら、1人で喋ってる………ってことなんですか?」
「安心せい。 儂の周りは空間が歪んでおるのでな、当然おぬしの姿も見えんようになっておる。」
良かった………危うく不審者に祭り上げられるとこだった…。

丁寧にお礼を言って、ロリっ娘さんの店を後にする。

俺が去った後、
「…なかなか良い男じゃったのう。 もし次会う事があるなら……魔界へ連れ帰るのも、悪くないかもしれんのう……ククッ♪」
悪魔の微笑みここに有り………。




「へ〜…そんな事が起きてたのか、ここ。 全然気付かなかったぜ。」
「…なにが目的なのでしょうか…?」
「見当もつかんな…。 だが、『マミーの呪い』か……。 まぁ私には効かぬがな。」

宿屋に戻った俺は、早速先程の話を皆に聞かせた。

「男がまるで被害なし…ってのが気になるぜ…。」

同感だと頷く他2人。

「だから、実際に被害者カップルに話を聞いてきたってわけ。」
「…それで、何かわかったのですか…?」
「ああ、まあ……わかったと言えばわかったけど…わからない部分が多い。」
「「「???」」」」

3人の頭上に?マーク浮上。
だって仕方ないだろ……大半の被害者達は『今のままで十分幸せだから、あまり追求しないでほしい。』の一点張りで、なかなかイイ情報を得られなかった。
まぁ確かに、好きな人がマミーになっても一緒に居れないってわけじゃないし、気持ちはわかる。
だけど有益な情報もある。
アヌビスのいる最深部に到着するまでは楽勝らしく、手慣れた冒険者なら余裕で突破できる程度の仕掛けのみだと言う。
そして冒険者は秘宝を求めアヌビスに挑むのだが…『女のみ』を例の呪いによってマミーへ変えられてしまい、気づいた時には遺跡の外へ放り出されていた…とのこと。それも男女共に。(これも恐らく何かの術だと思う)
突然の出来事に混乱している男へ、先程まで人間だったマミーが空腹を満たすため男に襲い掛かり、遺跡の前でやらかしてしまった…と被害者は語る。
元は相棒だった女をマミーのまま放置するのも気が引けるとゆうことで、こうして共に生活するようになった………これが『マミー事件(テキトーに命名)』の一連の流れだ。
だがどうしても解せないのはやはり、『男が無傷』だとゆうこと。
それにマミーを自分の配下にしない事も…。

「…っと、言うわけ。 わかった?」
「………確かにわかる様でわからん説明だな…。」
「…結局、重要なところだけ謎のまま…ですね…」
「だったら確かめに行けばいいんじゃねえか? なあルーク?」

簡単に言ってくれるなぁ………だけど、一理ある。

「そうだなぁ……行ってみてもイイかな。」

親父ならこうゆうサブイベントに首を突っ込むだろうしなぁ…。

「…危険だと思いますが…」
「皆はともかく、俺は男。 男は無傷だって話だし、まぁ大丈夫なんじゃないか?」
「アンタのそうゆう怖い物知らずなところ……嫌いじゃねえぜ!」
「ははっ…怖い物知らずってわけじゃないけど…。」

となれば…誰を連れて行こうか…?
男女一対一ってゆう条件みたいだし。

「アタイが行く!!」
「…い、いえ…ここは小生が…!」
「いや、エステルの嬢ちゃんは残りな! トラップには慣れてねえんだろ?」
「…そ、そんなことは…」

もめてるなぁ…。
決まるのに時間かかりそうだな。
っと、
「…私が行こう。」
レビィが静かに名乗りをあげた。

「トラップには慣れている。 それに、私に『マミーの呪い』は効かんのでな。」

ああ、確かにさっき言ってたな、チラッと。

「呪いが効かねえだと? 何を根拠に言ってんだい?」
「私は幼い頃より、自らを鍛えるために各地を転々としてきた。 そして稀に魔物の巣窟に足を踏み入れては、自分の力試しをしたものだ。 それは遺跡でも例外ではない。 私の故郷の近くには、こことはまた別の砂漠が存在する。そしてそこにある遺跡に入り、数々のトラップを避けて自らを鍛えた。 だがその時の私はまだ未熟で、遭遇したアヌビスに敗北を喫してしまった…。 その原因は『マミーの呪い』だった。 悔しくてな…克服するまで何度も呪いを受け続けたものだ…。 懐かしいな………。」

思い出話になってるな…。
てゆうか、呪いって克服できるものなのか?
すごい根性だな……。

「よって、ここは私が適任だと思うのだが?」
「う〜ん…だけどよお〜………」
「………………っ…」

煮え切らない2人。
だが、
「…なら2人共、もし呪いがこの男に向けられたとしたら、一体誰が守ってやるのだ?」
この一言で決まった。




翌朝。
遺跡(ピラミッド?)へは簡単に到達することができた。
(炎天下の下エステルとフライヤを待たせるのも悪いので、2人には宿で待機するよう言った。)
町から意外と近い位置にあったのは驚いた。
もちろん同行者はレビィ。
ちなみにレビィにはカモフラージュのため、旅用のローブ着てもらっている。

「ここか。 貴様、準備はできているか?」
「あたぼうよ! お前こそどうなんだ?」
「愚問だな…。 私の心配は無用だ。」
「そりゃ頼もしいな。 ……さて、なら行きますか!」

長〜〜〜い石段を登り、入り口を前にする。
……どうやって開けるんだ? 
早速詰まったかと思ったが…

ゴゴゴゴゴゴゴゴ………
と、勝手に開く石扉。

「男女2人じゃないと開かないってことなのか?」
「恐らくそうだろうな。 では行くぞ。」

やはり遺跡だけあって、複雑に入り組んでいるのかと思ったが………意外に広く、見通しもイイ。 確かにこれなら楽勝かな。

「広く見通しが良いのは、冒険者を油断させるための罠だ。 貴様…油断するな…。」
「わ、わかってる!」

まったく……と言わんばかりに足を進めるレビィ。
ホント慣れてるなぁ…。

しばらく道なりに歩いてみるも、罠はほんの数カ所のみ。
前方から大岩……………………………横に移動して回避成功。
左右から矢の嵐…………………………しゃがみ移動で回避成功。
古代人オブジェの斧振り下ろし…………道の中央を歩いて回避成功。

………予想以上にお粗末な罠だなぁ…。
魔物にも遭遇しなかったし…。

「むむむ…………」

ん? なにやら不機嫌なトカゲ一匹。

「レビィ、どうした?」
「どうしたもこうしたも………この遺跡、完全に私をなめている…!!」

私『達』と言わないのは何故かな……?

「まぁ慣れた冒険者なら余裕だって言ってたしな。 それに楽に行けるんだから、それに越した事はないだろ?」
「それは…そうだが…。」
「それに、ここまで罠が見え透いてるんだ、この遺跡のBOSS(アヌビス)は余程自分に自信があるんだろうよ。」

とりあえずなだめておく。
こうやって平常心を失わせるのも、罠の一種かもしれないし。

「…そうだな。 フフッ……貴様も少しは考えているではないか。 見直したぞ、少しな。」
「そりゃどうも…。」

少しかよ…。
まぁコイツが俺を褒めるなんて滅多にないから、普通に嬉しいなぁ…少しね。


1時間くらい進んだところで、大きな部屋に出た。
謁見場に見える気もする。
グルリと広間を見渡してみるが、あるのは王座のようなものと、遺跡を支える太い石柱のみ。
そして、
「いるのはわかっている。 出てきたらどうだ?」
気配を悟ったのか、レビィが一言。

すると…
「わたしに気付くとは、そこの女……人間ではないな…?」
柱の影から姿を現す遺跡の守護者、『アヌビス』。

『アヌビス』
古代遺跡(ピラミッド等)を守る守護者。
魔物の中では珍しく、真面目で理知的な性格。
男を管理する能力に長けると聞くが………。

「バレていたか。 ならば、これは必要ないな…。」

そう言うと、レビィは着ていたローブを脱ぎ捨てる。

「今回は奇妙な組み合わせだな、連れが魔物とは…。 わたしは『アルクェイド=バサク』。 そこの男、名を聞こう。 興味がある。」

名前を聞かれたから答えるべきか…?

「…俺は………」
「私に倒される魔物なんぞに名乗る必要など無い! 今ここで切り捨ててくれる!」

そう言うや否や、レビィは剣を抜きアヌビスに襲いかかる。

「ふん……リザードマン風情が…。」

アヌビスは杖を逆手に持ち替え、腰に据えた剣を抜き構える。
隙の無い、イイ構えだ…。
剣士なら皆が口を揃えてそう言うだろう。

ギィィィン! ガッ! ギン! ガギギギ………

目にも止まらぬ速さで剣技を見舞うレビィ。
だが、それを簡単にいなすアヌビス。

「くっ……!?」
「……どれ程の手練れかと思えば…所詮はこの程度か、リザードマンの娘。 太刀筋は悪くない……が、動きが単調すぎる。 それでは次に何が来るか読まれてしまうぞ?」

なんて奴だ…小競り合いの最中に涼しい声で、しかもあのプライドの高いレビィに説教喰らわしたぞ…。
こりゃ怒るだろうなぁアイツ…。

「き、き、貴様あああ!! わ、私を愚弄するとは……許さん……許さんぞおおお!!!」

ほらね…。

「ならば、わたしを斬ってみるがよい。 無論、『できれば』の話だがな…。」
「っっっ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!???」

ああ、ありゃダメだ…。
完全に相手のペースにハマってる。
とゆうか戦い方が上手いな、あのアヌビス…。
レビィの性格にいち早く気づいて、その巧みな話術で相手の思考を切り、自分に有利な状況を作る。
敵ながらアッパレだな。
この遺跡を1人で守ってきただけの事はある。

「く、くそおお……何故動きが読まれる……!?」
「言ったはずだ。 動きが単調とな…。」
「だ、黙れえええ!! はあああああ!!!」
「まったく………いい加減諦めてはどうだ? わたしは、早くあの男と話をしたいのだが…」
「ええええい、黙れ黙れ黙れえええ!!」

………ダメだなアイツ。
俺も参戦するか…?
と思ったら、
「ぐっ……! あ、う……」
攻撃を受け流され、身体を強く地面に打ち付けてしまうレビィ。

「面倒だ………………」

そう言うと、アヌビスは何やら呪文のような言葉を詠唱し始める。

「…む、無駄だ。 私にその呪いは通用しない……。」

……もう見てらんねぇ!

「レビィ! 俺も一緒に……」
「来るな!! 私が…ケリを着ける……。」

あいつ………。
その時、アヌビスの詠唱が終わり…
「………消えろ!」
杖先から眩い光が放たれる。

「っ…………………!?」
「レビィーーーーーーー!!!」


…………………………………ようやく目が慣れた。
!? レ、レビィはどこだ!?

「さて、これで邪魔者は消えた。」
「お、おい! レビィは!? アイツをどこへやった!?」
「心配するな、遺跡の外へ追放しただけだ。 殺してはいない。」

よ、良かった………。
………いや…良くねぇか。
てか、しまったぁ………追放の術を使うことをすっかり忘れてた。
まんまとハメられた…。

「………俺を、どうする気だ?」
「そう警戒するな。 わたしはただ、お前と話をしたいだけだ。」
「は、話………?」

とゆうか、俺も外に出してくれるんじゃないのか…?

「わたしの名は……と、先程言ったはずだな。 お前の名を聞こう。」
「……………ルーク…。」
「ならばルークと呼ばせてもらおう。 わたしのことは…アルク、とでも呼ぶがいい。」

礼儀正しい…。

「いくつか質問をしよう。 きちんと答えてもらうぞ、ルーク。」
「あ、ああ…。」

凛とした口調で尋ねてくる。
逆らえない威圧感のある喋りだ…。

「この遺跡に来たのは、秘宝を求めてか?」
「いや、違う。」
「ならばなぜだ?」
「…アルビアータの町で良く見かける、男とマミーの組み合わせが気になったんだ。 ここへ来れば、その謎が解けると思っただけ。 秘宝なんかに興味はない。」
「ほう…。 ならば、その答えを教えてやろう。 ただし、わたしの質問が終わってからな。」
「…ああ、構わない。」

な、なんだ?
意外と話がわかるな。

「では…わたしと戦い、勝てると思うか?」
「やるなら勝つ。 負ける気は毛頭無い。」

俺の正直な心情だ。
散々レビィをバカにされたんだ、俺だって黙っちゃいない。

「良い答えだ。 だがお前と戦う気は無いから、安心するがいい。」

実際勝てるか微妙なところだな………。
フライヤ程じゃないだろうけど、この女にはまた違った強さがある。

「それでは最後の質問だ。」

今死ぬか、後で死ぬかって言われたら………どっちにしようか?
とか変なこと考えていると、
「ルーク。 お前には、わたしの婿としての資格がある。 わたしを…受け入れるか?」

またキターーーーーーーーーーーー!!!
いきなりプロポーーーーーーーーズ!!!
てかNOって選択肢あんのかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!??

………冷静に、冷静に………。

「…ちなみにNO………って言ったら…?」
「……………………………………………………………」

目を細め無言のプレッシャーをかけてくる。
なるほど………『YESのみ』ってわけね…。

だけど…俺だって男だ………。
可能性を自ら作り出すのも、立派な主人公の務めだろ?
なら…………………………………
「すいません。 NOでお願いします。」
「そうか、お前ならそう言う…と………………え?」
我ながら随分とあっさり断ってしまった。

「な…な…な…な…な…な…な…な…な…な…な…な…なぁあ!?!?!?」

あら珍しい。
アヌビスが混乱してるよ。
滅多に見れるもんじゃないよ、この光景。

「こ、こと…断る…だと……!? そんな…ま、まさか………?」

よっぽど予想外だったのかなぁ?
とか呑気に観察していると……… ガシリッ
「…お、お前……殺してやる…………殺してやる………!?」
胸ぐら掴まれて物騒なことを言われた。
とゆうか、殺してやるの後ろに『?』付ける奴初めて見たな…。
まだ混乱してんのか?

っと、片手で胸ぐらを掴んだまま、腰にある剣を抜いた…………ってヤバイ!!!

「し、し……………死ねええええええええええ!?」

まだ『?』付けてるぞ!?
てか危ねえ!!
こうゆう奴は、正気に戻った後に自分の行いの重さを実感するからタチが悪い。
剣を振り下ろしてきたので、アヌビスの手首を咄嗟に掴み止める。
そしてそのまま『いっぽんぜおい?』を決める。

「きゃんっ!!」

??
尻餅をついたアヌビスから聞き慣れない声が聞こえた。
てゆうか俺の出した今の技…なんだ?
誰かに教えてもらった覚えはないんだけど………まぁいいか。

「う、ううう………。」
「ああ…ご、ごめん…大丈夫…?」

先程とは違い女の子らしい声で痛がっているので、心配になってしまう。

「……………!? 私は…一体…?」

どうやら調子を取り戻した様子。

「……す、すまなかった。 予期せぬ事態に、少々我を忘れてしまっていた…。」
「あ、ああ…そう…。」

危険な性格だこと………。

「しかし………今の問いに『NO』と答えるとは…。 やはり、わたしの目に狂いはなかったようだ。」
「狂いがないって……婿の資格があるってことか?」
「そうだ。 ルーク………わたしの『もの』になれ。」
「すいません、NOで。」
「……………なぜだ?」
「なぜって………そりゃぁ、手一杯だから……かなぁ?」

ホントに手一杯なんだから仕方ないだろ…。
この調子だと『アヌビス が なかま に くわわった !』なんて表示が出るのは目に見えてるし。
ここはどうにか諦めてもらわないと………。

「………致し方ない。 男にこの呪いを使いたくなかったが……ルーク、お前は例外だ。」
「れ、例外ってなんだよ!? 俺だけ差別するつもりか!?」
「『資格』があると言ったはずだ。」

資格ってなんだよ…。
てゆうか、呪いって…まさか…?

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

詠唱始めちゃってるよ…。
あと俺の聞き間違いじゃなければ、さっきの追放の術と、今の詠唱が少し違う気がする。
たぶん『マミーの呪い』だと思う。
………くそ! アレを喰らったらマズイ………レビィがいれば…。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 

ヤバイな………。
どうする!?
…………………………………。
ってあれ?
じゃぁこうすればイイのか………。

ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ・・・ド〜ンッ!

アヌビスに低姿勢で勢い良くタックル。

「〜〜〜…!? きゃうん!?」

あ、またあの声。
てか詠唱してんなら止めちゃえばイイじゃんかなぁ。
なんで気付かなかったんだ…?

ちなみに今、俺がアヌビスを押し倒している形で固定されてる状況ね。
杖も落として、剣も没収。
もう何もできないはず…だよな?

「………う…不覚…。 だが…わたしに触れたからといって…自我を失うと思ったら大間違いだ!」

いや、別にそうゆう意図でタックルしたわけじゃないけど。
そういえば昔フランから………『アヌビスは男から触れてやると有効だぞ、ふふふっ………』みたいな事を聞いた覚えがある。
この女の言う通り、本来なら自我を失うのが定石のようだが…。

「こ、この程度のことで…我を忘れるわたしではない!」

強がってるようにしか見えないな。

「は、は…離れるのだ!!」

そう言うとすごい勢いで暴れ出す。
お、大人しくしてくれよ………ってぐはあああああ!!!
腹を蹴り上げられた。
たまらず離れる俺。
てか…いってぇ〜〜〜……。
あまりの痛さに片膝をついて激痛を堪える。

「まったく……危ないところだった………………ん? 何だ、これは?」

何かを拾いあげるアヌビス。
あれは……………はっ!? いつぞやの!?

「香…か? どれ………。」

そう言って不用心にも匂いを嗅ぎ始める。
おいおいおいおいおいおい!
ちょっとは怪しめよ!!
アヌビスなんだから!!!

「………む? ……う…あ……うぅ………………」

ああ…ああ…ああ…やっちゃった…。
何かフラフラし始めたよ…。
確かあの『真性香』、嗅いだ対象の本性を引き出すって話だけど…。
あいつの本性って………なんだ?
そういえばアヌビスはウルフ種だったから、本能赴くままの狼になるってことか。
………………え?
それ危険なんじゃ………。

「ハァ……ハァ……ハァ……」

冷静な姿が見る影もない。
犬のように舌を出しながら四つん這いになるアヌビス。
口から涎(よだれ)を垂らしている姿は、まるで狼。

「がぁ……ううううううう……………」

俺を獲物を見るような目で睨みつけてくる。(実際に獲物として見られてる)
ああぁぁ…今回はホンキでヤバイな…。
今度こそGAME OVERな気配…。
とか思っていると…
ダダダダダダダッ ドカッ ドサッ!
一瞬の内にマウントをとられた。(さっきと逆の状況)
とゆうか敢えて逃げなかった。
下手に逃げたら怪我しそうだったから。

「ハァッ…ハァッ………♪」

お気に入りの獲物を捕獲できて、とても嬉しそうな狼娘。
これから一体何をされるのかなぁあ?
今までの俺の経験からすると………………。

「って! あ、お、お、おい!!」

俺の軽装を根こそぎ脱がし始める。
それと同時に自らも生まれたままの姿に…。

「ハァッ…ハァッ…ハァッ…ハァッ………♪」

あらわになった俺の逸物に興奮?する狼。
狼のくせに、服の脱がし方と性交のやり方を心得ているから不思議だよ…。
すると、いきなり俺の唇を塞ぎ…
「はむ……ちゅぷ…んん……ちゅぱ……んちゅ………」
「ん!? んんん〜〜!!?」
吸い付くように舌を絡めたディープキス。
そして大量に唾液を流し込んでくる。
てか………息が……。

「ん…んじゅ……ん……ん…………ぷあっ♪」

はぁ…はぁ…苦しかった…。
マーキング完了ってか?
とゆうか………………………………ファーストキス奪われた!?
実は何だかんだ今まで守り続けて?きた俺の初めて?をこの狼女に奪われた!!!
(※今までしっかりと話を読んでいればわかるはずです。)

く、くっそ〜…狼のくせに……!
……………良く見ると、この狼女の体………エロイ……。
褐色の引き締まった肌に、張りのある豊満な胸。
でも、こんな狼なんかの体に欲情してたまるかあああ!
うおおおおおぉぉぉぉ…………………………………ダメだ、俺のある一点の防御力が急激に上がっていくのがわかる。
身体は正直だ………。

「うう? くぅぅん…♪」

防御力がMAXまで上がった逸物に、とろける様な視線を送る狼。
そして………
「がう……きゃううううんっ!? きゃうんっ………!」
下の口からゆっくりと捕食を開始する。
苦しいのか、犬とも狼ともとれる鳴き声をあげる。

「ハァッハァッ………くううぅぅん♪」

ようやく根本まで入り満足そうな声をあげる。

「ハァッ…ハァッ…………はむ! んちゅ…ちゅぷ…ちゅる…!!」

再び始まった激しいディープキスにより、
「むごっ…!? んむ!? んんんん!!」
主導権を握られる。
アヌビスの唾液がとめどなく流れ込んでくる…。

「ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………………ぺはぁっ♪」

全てを吸い尽くされた錯覚に陥る。
口を離した瞬間、呼吸を整える間もなく…
ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ………
「きゃんっ! きゃうっ! くううん! きゃうーーーん♪」 
自ら腰を上下に振り、快楽を得るアヌビス。

「くうっ…! はぁ…はぁ……うっ……く……!」

口から声として出る快感を必死に堪える。
そんな俺を気にする様子も無く、ただただひたすら腰を振る。

「がうっ…があぁ………! きゃうううん!!!」

アヌビスの膣は俺から子種を搾り取ろうと、ペニス全体を強い締め付けで包み込む。

もう……………ムリ………………。

びゅっ びゅるっ…びゅくん! びゅるるる〜〜!

俺のペニスから我先にと飛び出す多量の精子達。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「あ……ああ………」

相変わらず量が凄まじく、アヌビスの腹部が少し膨れる。
数え切れない精子が子宮を泳ぎ回る。

びゅくん…びゅくん…びゅくん………

止まらない…。
ペニスが脈打つ度に、結合部から精液が逆流してくる。


とぷ……とくん……ぴゅくっ………ぴゅる……………………

やっと止まる射精。
こんなに出したの初めてかもしれない……。
……うわあ……アヌビスのお腹が限界まで膨らんでる…。

「くうううん………がふっ……」

苦しそうに鳴く狼。
そして、ゆっくりと堅さを失ったペニスを膣から抜く。

どぼっ どぼぼぼ……

アヌビスの子宮に溜まったていた、白い塊のようなものを含む精液が次々と流れ出る。
ドロドロとした子種が、俺達の周りに小さな白い池をつくる。

「きゅうううん………………………。」

疲れたのか、狼は俺の胸に涎を垂らしながら眠ってしまった。
ああ………なんか………気力ごと持って行かれた気が…………。
そうして眠りに落ちる俺……………………………。




んん………あれ? 寝ちまったのか、俺……。
…………………ヤバ! 早くここから出ねえと!!
レビィが外で待ってるんだった!!!
勢い良く起きあがると、
ゴチンッ!
「「ぐはっっっ!!」」
何かに頭をぶつけた。

「ぐ…うう………起きて早々、わたしに頭突きを見舞うとは………」

何かはアヌビスだった。
俺の顔を覗き込んでいたらしい。

「い、いっつつつつ………す、好きで頭突いたんじゃない……!」

………そういえば、いつの間にか服が身に付いてる。
アヌビスが着せてくれたようだ。

「まぁ、そんなことはどうでもいい…。 おいルーク! お前、わたしに一体何を嗅がせた!?」

嗅がせた………?
……ああ! 真性香のことか。
仕方ない………一応説明しよう。

「………なるほど、本性を暴く香か。 どおりで嗅いだ瞬間、ウルフの血が騒いだと思ったが……そう言うことだったか。 我ながら不用心だった…。」
「で、俺を犯したこと………覚えてるのか?」
「無論、覚えている。 自我は失っていたが、記憶はそのまま残っている。 なかなかの『モノ』だったな……ふふっ♪」
「……………………どうも。」

これで犯されたの何回目だ俺?

「………俺はこれからどうなる?」
「契りを交わしたのだ。 わたしの婿になってもらう。」

言うと思った…。

「安心しろ。 朝から晩まで、しっかりとお前の面倒を見てやる。 ふふっ…楽しみだ…♪」

ああそう…………まぁそれはさておき、
「………1つ聞かせてくれ。 どうして女をマミーに変えたんだ? しかも、ご丁寧に男女共に遺跡の外に出してくれるオプション付きで…。」
「外に出してやったのは処理(生殖行為の後始末)が面倒だからだ。 そして女をマミーに変えたのは………まぁなんとなくだ。」
「え?? なんとなく?」
「強いて言うなら、羨ましかった…が正しい。 わたしを差し置いて、男とちちくりあう女がな…。」
「じゃぁなんで秘宝なんかで人を誘き寄せるんだ? しかも男女で。」
「婿探しだ。 2人に限定したのは、大勢で攻められると困るからだ。」
「男だけ……って条件じゃダメなのか?」

スルーしたけど、婿探しかよ………。

「言ったはずだ。 男と共にいる女が羨ましかったと。」
「男持ちの女に嫉妬していたと?」
「その通りだ。」

微妙に痛いな………。
だけど、なるほど……謎が解けてきた。

「男を傷つけなかったのは?」
「? 男を傷つけて、何の特になる?」

なるほど。
標的は男で、女は邪魔者ってことか。
こうして気に入った男が現れるまで、秘宝を餌にしてたってわけね。
で、運悪く俺が選抜されたと………。

「聞きたいことはそれだけか? ならば、この遺跡は用済みだ。 わたしとお前の新居を探しにいくとしよう。」

う〜ん……………このまま外に出れば、修羅場間違いなしだな。
恐らくレビィがエステルとフライヤを呼び寄せてると思うし……。
その場凌ぎだけど、ここは………。

「……レビィもそうだけど、俺には連れが3人いる。」
「あのリザードマンの他に、まだ2人いると言うのか? まさか…人間の女ではあるまいな…?」
「残念、全員魔物だよ。 俺達は訳あって旅をしてる。 それに、皆と別れたくない…。 だから……アルク! 俺達と一緒に旅をしてくれないか!?」
「…………」
「新居は旅をする最中に見つければイイんじゃないか? そうすれば、俺の旅も進むし、新居だって見つかるかもしれない……一石二鳥じゃないか?」
「………うむ。 要するに、ルーク。 お前はまだ旅を続けたいと言うことか?」
「ああ。」
「いいだろう。 どの道、お前はわたしに管理される運命にある。 ならば、それまで好きな様に振る舞えばいい。」
「アルク……………ありがとう。」
「っ………/// こ、これはわたしにとって最大の譲歩だ。 ありがたく思え。」

た………助かった………。

「そうと決まれば話は早い。 外に出るとしよう。」

そう言うとアルクは、例の追放呪文で俺達を遺跡の外へ送り出した。
…………………あの3人には、どうやって話をつけようか………。




「やるなあルーク! たった1人でアヌビスを手懐けちまうなんてよお!!」
「その言葉、聞き捨てならんな。 わたしは自らの意志でこの男の旅に同行している。 手懐けられたわけではない。」
「フライヤ…その女は強い。 足を引っ張ることはないだろう。 私なんて足下にも及ばなかったからな…。」
「へええ……レビィが他人の実力を認めるなんて、アルクって言ったか、アンタ。 今度アタイと一勝負してくれよ!!」
「いいだろう。 手加減は不要だ。」
「お、いいねええ。 楽しみだぜ!」
「アルク………私とも、もう一度戦ってくれ。」
「リベンジか………受けてたとう。」

「………………………………はぁ。」
「…大丈夫ですか、ルークさん…?」
「あ、ああ…。 ちょっと暑さにやられただけ。」
(頼むから皆……余計な事言わないでくれよ………!!)


〜〜アヌビア砂漠を歩く俺達の会話より一部抜粋〜〜




遺跡を出たら案の定、3人とも揃っていた。
隣にアルクがいたので、レビィが斬り掛かろうしたが、なんとか止めた。
俺とアルクの新居探しのため同行してくれるそうだ!……………なんて言ったら、間違いなく肉片になってただろうな俺………。
とりあえず皆には『観光』とゆう苦しい説明で同意させた。
だってある意味観光だろ?
いろんな場所を回って新居探すわけだから………。
まぁそれも、アルクが新居を見つけなければイイ話だけど。
………時間の問題だな、これは………。
(秘宝があるとゆうのは嘘だったらしい)




仲間が増えた。
アヌビスのアルク。
冷静な判断で俺達を助けてくれるだろう。
これからますます賑やかになりそうだ!

まぁ仲間が増えれば、俺の死亡率が高まるわけだけど………。




俺の旅は終わらない。




09/12/01 21:07更新 / HERO
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■作者メッセージ
少し長めになりました、第四章。
仲間の数に少しずつ限界を感じる私。

レビィとアルクがキャラ的にかぶってしまいそうだったので、
レビィ→私
アルク→わたし
と、使いわけました。
気休めですが………。

第五章ももちろん書こうと思っていますが、私に試験が近づいてきました。
少し間を空けるかもしれませんが、必ず書き上げます!

感想・改善点等ありましたら、どんどんご意見ください。
非常に喜びます。

それではまた。

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