「ドラゴン相手に全裸装備だと！？！？！？」
「…絶対にやめておけ、オルド！！！！」
…心配と困惑と怒りの籠った怒鳴り声が部屋に響く。それもそのはず。
「ドラゴンを碌な鎧もつけず討伐するなんぞ、舐めてるとしか思えん！それに相手は『ネームド』だぞ！」
…『ネームド』。
魔物娘の中でも、特に戦闘能力が高く、驚異度が高いとされる個体。正面から倒すには兵士一万は必要という試算もある相手だ。男が怒鳴った相手…オルドはあろうことか、まともな防具無しで決戦に挑もうと言うのだ。
「…奴の攻撃は一撃必殺。故に防具など重量物でしかない。」
心配する男をよそに、男は淡々と話す。
「…世界中の防具とその伝承を当たってみたが、奴の攻撃を防げるものは無かった。故に、資金全てを武器と回復アイテムに充てるのが最善と判断した。」
「にしたってお前…限度ってもんが…！！というか、恐ろしくないのかよ…！相手は災害クラスのバケモンだぞ！！！」
「恐怖を遠ざけ安心する事は、必ずしも勝利への道ではない…準備すべき事は全て行い、祈りも済ませておいた。後は勝負に身を委ねるのみだ。」
「くっ…好きにしろ。俺は忠告したからな！」
「ああ…ありがとう、どうか達者でな。」
男は折れ、捨て台詞を吐いて去っていった。だがオルドは、彼が自分を本気で心配してくれていたのは分かっていた。
…怖くないと言えば嘘になる。しかし、恐怖から出た保身は少なからず破滅を呼ぶ。故に恐怖とは心に留めておくべきものだ。それが歴戦の若き剣豪、オルドの矜持であった。
…………
早朝、外套を身に纏ったオルドは彼の住む村を出て、ダンジョン「巨竜の住処」に向けて出発した。今から出発すれば、到着は日暮れ頃となるだろう。
ダンジョンといっても構造は単純でトラップもなく、魔物は一体しかいない。
…『災厄の竜』、彼の決戦の相手である。
旧魔王時代は当時の近隣諸国に壊滅的な被害を与え、繰り返し討伐隊が組まれたが、その全てを蹂躙したという。現魔王になってからはかつての凶暴さは無くなり、こちらから怒らせない限りは、たまに討伐に行った人間が返り討ちにされる程度に留まっている。しかし魔物が現在の姿になった経緯が反魔物側に広く周知のされないのもあって、依然危険視されているのだ。
無論魔物と繰り返し交戦経験を持つオルドはそんな事は承知の上だ。それでも彼には竜に挑まなければいけない理由があった。
彼が暮らす村はとりたてて産業もなく、村は自給自足と近いシステムで成り立っていた。しかし、かの竜の魔力活動が急激に活発になった事によって、村含む近隣一帯は酷い熱波に襲われた。農作物がダメになり、体力の無い老人や女子供が次々に倒れた。…このままでは暑さと飢餓で死人が出る。生まれ育った故郷に恩を返す為、オルドは竜退治に出向いたのだった。
戦わずに済めばそれでいい。命を奪わずとも、交渉で魔力活動を抑えるなり、どこかに引越して貰うなりして貰えたらそれに越した事はない。しかし、相手は地上の王者、それもあの『ネームド』だ。ちっぽけな人間如きの要求など聞き入れて貰えるだろうか。いざとなれば、自分より遥かに強大な相手に、力づくで立ち退きを要求する事になるだろう…
…………
道中魔物にちょっかいを出されたので、目的地に着く頃には辺りはすっかり夜になっていた。目の前に見える洞窟こそ「巨竜の住処」、ゆうに村の一番大きな建物が縦に3軒分は入りそうな入り口の奥からは灼熱の熱波が漏れ出し、周囲に陽炎を生んでいた。幸い、彼は熱避けのアミュレットをしているので焼け死ぬ事はない。オルドは覚悟を決めて、奥へと踏み入る。
…………
洞窟は横穴に入らなければ殆ど一本道で、決して深くはない。踏み入ってまもなく、洞窟の最奥にる主の元に到達した。
…そこにいたのは、赤い鱗を持つ女の姿をした火竜。自らを圧倒的上位と疑わず、侵入者を侮るように見ている。その威容に思わず身体が竦むが、すぐに主を見つめ返す。
…彼女こそ「災厄の竜」。旧魔王時代より生きる、悪名高きドラゴンである。
「…人間か。今は戦う気分ではない、そこに転がっているガラクタはくれてやるから、さっさと消えろ。」
オルドの近くにあった財宝の山を指差しそう言う。
…戦意がないという言葉とは裏腹に、竜は酷く機嫌が悪そうだ。鋭くも美しく整った顔はすこし赤く、どこか恨めしくこちらを睨みつけている。
「…悪いがそうもいかない。災厄の竜よ、貴女に折り入って頼みがある。貴女の魔力が発する熱波で、村の皆が死にかけている。悪いが、魔力活動を抑えては貰えんだろうか。」
「断る。帰れ。」
「そう言わずに頼む、俺に出来る事があればなんでもしよう。」
「なら今すぐ消えろ、二度は言わん。」
ばっさりと拒否され、取りつく島もない。覚悟はしていたが、こうなれば実力行使しかない。
「そうか、では仕方あるまい。悪いが貴女にはここから立ち退いてもらう。」
オルドが剣を抜く。その業物の名は不滅剣ドラゴンバスター。彼が竜を倒す為に新調した、竜の鱗も切り裂く大剣である。
そんな彼を、何の脅威も感じぬかのように、竜は鬱陶しそうにオルドを睨みつける。
「…そんなちんけな獲物で我を倒せると思っているのか。くだらん、貴様に付き合う暇はないと言っている。立ち去らないなら我が炎が貴様を焼き尽くしてくれよう。」
「構わん、元よりその覚悟だ。貴女がここから立ち去らない限り、何度焼かれてもここから退かん。」
そう言って、彼は外套を脱ぎ捨てる。
…そしてその格好に、竜は目を見開いた。
外套の下に、男は何も着ていなかったのだ。正確には、ステテコパンツ一丁。目の前の男は、大剣と下着姿で、自分に立ち退きを要求してきたのである。
「な、ななななななんだその格好は！！！！」
「お前を倒す為に考え抜いた装備だ。」
「ふ、ふざけているのか！！！！////」
竜は思わず顔を覆った。幾ら下着は着けているとはいえ、目のやりどころが無かったのだ。
…それもそのはず、竜は…いや彼女は、絶賛発情中だったのだ。
しかし、悪名高い彼女が男に恵まれているはずもない。その為魔物の本能が抑えきれない時は、独りで慰めるのが日課であった。魔力活動の急激な上昇は、彼女の身体が雄を求め上気していたが故に起きた事であった。
…そんな状態の彼女が、雄の半裸を見せつけられたのだから溜まったものではない。顔を覆った巨大な手の隙間からちらちら男を眺める。
「…世界中の何処にも貴女の攻撃を耐える鎧は存在しないし、下手に布など着れば燃えて大惨事になる。ならば最初から何も着ないのが懸命だ。」
「げ、限度というものが……あるだろう…////」
…頭部より太い首。
…発達した肩と胸板。
…逆三角形で８つに割れた胴体。
…カモシカのように発達した太もも。
…極太の脹ら脛と対比するような細い足首とくるぶし。
話しながら、上から下へ、舐め回すように男を眺める。
…とんだ屈辱である、自分を倒しに来た男なぞに欲情するとは。しかし、活発化した魔物の本能に彼女は抗う事ができない。否が応に身体が熱を帯び、更に高まった魔力活動が洞窟内を更なる灼熱に染めていく。
「この熱は…敵意と見做して良いのだな？」
温度上昇を敵意と勘違いしたオルドが臨戦体制を取る。一方で彼女の方も、我慢の限界であった。自慰の最中侵入者に踏み込まれた挙句、その侵入者に欲情させられたのだ。あまりにも理不尽である。もうこの男を心が折れるほど滅茶苦茶に凌辱しなければ気がすまない。
「いいだろう…ちょうどその辺で男を攫ってやろうかと考えてたところだ。今から貴様は我が贄となるのだ…我が住処に踏み入って事を後悔するがいい！！！」
「上等だ、かかってこい災厄！！！！」
…片方は村を救うため、片方は目下の欲求を解消するため、勘違いも含めた熾烈な闘いの火蓋が、今切って落とされた。
…………
竜が放った灼熱の業火を、豪剣が両断する。
火の粉を掻い潜り、炎が掻き消えた場所を駆け抜け間合いに入ったオルドが豪剣を竜に振り下ろす。
竜はそれを何なくいなして背後に回り、振り下ろした爪が悍ましい風切り音を伴いオルドの背後に迫る。
ガッキィィィィィィン！！！！！
武器が激しくぶつかり合って火花が散る。
オルドは渾身の回転斬りで竜の剛腕を弾き返しすと、ガラ空きになった動体に鋭い突きを叩き込む。
それを翼で飛んで回避した竜は射程外から再び灼熱のブレスを浴びせる。
爆音を伴って放たれたブレスは抉った地面を巻き上げ、薄暗い洞窟を深紅に照らしながらオルドに迫る。
しかしオルドはブレスの射程外に退避すると、何か呪文を唱えた。すると突如現れた多数の光の弾が竜に直撃する。
……爆発の中から現れた竜は、苦々しくオルドを睨みつけた。
「…貴様、魔法も使うのか。それでは剣士の名が泣くぞ？」
「使える物は使う。弾数が少ないのが難点だが。」
「小癪な、先程から何発も豆鉄砲みたいなものをぶつけておいてよく言うわ。どうせ手持ちの回復薬が尽きるまで撃ち続けられるのだろう。」
竜に魔法はさほど効いてないようだが、自分のブレスの射程外から攻撃されるのは不快らしく苛立ちを隠せないようだ。そして、痺れを切らして竜が近づいてたところに一太刀入れるのがオルドの狙いだ。
…圧倒的に実力差のある両者だが、様々な要因が影響して闘いは拮抗していた。
まず、洞窟は限られた大きさしかない為、竜が元の姿に戻って闘うには小さすぎる。その為竜は、全力を出せない人の姿で戦わざるを得ない。また、竜はあくまでオルドを夫に(本人は贄と言っているが)するつもりである為、不用意に傷つける訳にはいかない。その上オルドは全裸な為、まともに攻撃が入れば大怪我させてしまう、それは絶対に避けねばならない。よって竜はオルドに対して、ギリギリ傷つかないかどうかの手加減を強いられる事になってしまった。
次に、オルドは防具を殆ど付けず、代わりに大量のアイテムを購入した。これによってオルドは狙い通り回避がしやすくなり、体力消耗を抑える事ができた。熱避けのアミュレットと大量に買い込んだアイテムが、彼のスタミナを更に持続させる要因となった。
そして何より、竜はオルドの戦力を低く見積もり過ぎていた。オルドが防具を捨てたのは、回避に自信があった為である。彼は既に攻撃を何度か貰って力尽きていたが、買い込んだ蘇生薬を使いながら竜の攻撃パターンを全て把握していた。それだけではなく、竜が攻撃する時の僅かな目の動きや呼吸の音、殺気の増幅などを読み取り、次に来る攻撃のパターン化に成功していた。結果、オルドは竜の一撃必殺の攻撃を掻い潜りながら攻撃チャンスを見出す事に成功したのだった。
…しかし齢数百年の歴戦の竜は、格下の筈の男が自分と拮抗している理由を理解しつつあった。そしてそれに対する対策も今考えた。
…敢えての大振りの一撃で、オルドを後退させる。続く攻撃も大振りで、オルドに回避される。
ドゴォン！！！
空ぶった腕が地面に叩きつけられ、爆音と共に礫が飛び散る。幾ら礫でも高速で飛んでくれば全裸の身体には脅威となる。彼は一旦竜から意識を切り、礫の回避に集中する。
…その隙に、竜は予め息を吸い込んでおく。これはブレスの予備動作。しかし、オルドは礫を避けるのに集中していて気づかない。
ここで竜は、敢えてオルドが礫を回避し終わるのを待った。彼が改めて自分に意識を向ける猶予を作り、次の自分の攻撃チャンスを確実にする為である。
礫を回避し終えたオルドが竜に向き直る。次の瞬間、竜は目をちらと動かした。…これは竜が腕を振り下ろす前の、癖のような物である。オルドはそれを見抜き、回避に活用していた。しかしそれを見抜いた竜は、敢えてその動きでオルドの反撃を誘った。
竜の目の動きを見たオルドは、すぐさま開いた両足を地面につけて踏ん張り、打ち返す体制になった。予定通り振り下ろされた竜の腕に合わせ、オルドも剣を始動させる。
…しかし、それこそが竜の狙いだった。竜が振り下ろした腕を途中でストップしたのだ。
「何だと！？」
交差する筈だった渾身の一太刀が目標を大きく外れ、剣に振り回されたオルドの体勢が崩れる。
…そこで、竜が大きく口を広げた。
オルドは竜の狙いに気づいたが、この体制からは回避が間に合わない。大勢は決した。
破滅的なエネルギーのブレスが竜の口から放たれ、洞窟が爆音と閃光で満ちる………
…………
「…おのれ人間め、やってくれたな………！！！」
竜が顎を押さえながら、怒りに満ちた表情で呟く。してやられた。
ブレスを吐く瞬間、オルドは崩れた体勢のまま竜の顔面向けて蹴りを放っていたのだ。蹴りによって竜の顔の角度が変わったおかげで方向が逸れ、あの至近距離で直撃を免れたのだ。しかし、ブレスの風圧でオルドは激しく吹き飛び、掠った炎で少なくないダメージを負った。蘇生薬を使って復活してくるだろうが、自分の有利は動かない。
「……ぬかった、まさかフェイントとはな。長生きしてるだけあって悪知恵も回るらしい。」
「フン、その減らず口もいつまで続くだろうな？なんせ今不利なのは貴様………ァ…ッッッ！！！！！！！////」
悪態をつくオルドに余裕の返事をしようとした竜は、その光景に愕然とする。
男が、全裸になっていた。先程のブレスによって申し訳程度の下着まで吹き飛び、彼の陰茎が露わになっていたのだ。巨根を通り越し大根とでも言うべき極悪サイズは、見た魔物を雌に変えるには充分すぎる破壊力があった。竜のプライドでなんとか踏みとどまったが、彼女は目の前の男をまともに見れない。否、むしろその男の象徴に釘付けになっていた。
「…まだ負けたわけではない。お前を倒すまで、俺は決して諦めない。」
「あ…あぁ……」
…そこからの闘いは、先程の綿密で一進一退の攻防とは打って変わって酷いものだった。まともにオルドを見れない竜は見当違いな方にブレスを吐いたり、滅茶苦茶に腕を振り回したりしていた。
…そんな攻撃が剣豪に通じるはずもなく、オルドに次々に切り付けられ、竜は身体に傷を作っていく。しかし傷口から血が出ることはなかった。剣は魔界銀でできていたのだ。斬られた者は魔力に傷を負い、発情してしまうという代物である。人と魔物のカップルを増やす為に魔物が流通させた物を、オルドは知らずに掴まされたのだ。
…発情しきった上に極太魔羅を見せつけられ、止めに魔界銀で切付けまくられた彼女は戦意を放棄し、へなへなと力なく地面に座り込む。
「……勝敗は決した。約束通り、この熱をなんとかしてもらおう。」
「……できない…」
「…は？」
「できない…んだぁ……♡」
悩ましげにそう言うと、彼女は股の鱗を消し去り、自らの秘所を露にした。
「ここぉ…♡どんなに自分で掻き回しても…熱がおさまらないのぉ♡お願いぃ…貴様の極太ちんぽで、我のまんこをぐちゃぐちゃにしてぇ……♡♡♡」
突然の性的な懇願に、オルドは困惑する。
しかし、その懇願はあまりに甘美で、雄の本能を刺激する物だった。先程まで自分を見下していた女が、今は自ら秘所を見せつけながら慈悲を乞うている。込み上げる劣情を押さえつけながら、オルドは女に問う。
「……それは、熱波と、関係あるのか…？」
「熱波は…んっ♡我が発情してるせい…だからぁ…♡♡我の魔力を抑えたいなら…はやくぅうううううん！！？？！！！？？」
ぷっしゃあああああ♡
女が言い終わる前に、オルグは限界まで張り詰めていたイチモツを膣内に突き入れた。村を救う大義名分を貰った事で、オルドの理性のタガが外れたのだ。潮を吹きながらガクガク痙攣する女を他所に、オルドは激しく腰を打ちつける。
「かはっ♡♡おっ♡♡♡りゃめっまだイッたばかりだからああああん♡♡♡♡♡」
「お前がやれと言ったんだろう！ほらっ！これならっどうだっ！！」
「お"ほっおぉぉおお♡♡♡♡♡しょれしゅごいぃいいいいい！！！！もっどぉ！！！もっろひてえ♡♡♡」
オルドは殴りつけるように乱暴に腰を振り下ろす。女は激しい絶頂に悦び鳴きながらも、更なる快楽をねだる。それに合わせて彼女の膣内が媚びるように打ち付けられた剛直をねぶり、吸い付き、狂おしく締め上げる。与えられる人外の快楽に、一突きごとに射精感が高まるのを感じる。
「くっ…限界だ、もう出すぞ！！」
「ああんっ♡ぬいちゃだめえ♡♡なかがいいっ、きさまの精液で、我のあかちゃんのおへやたぷたぷにしてぇ♡♡♡」
中に出すのはまずいと理性が働いたが、女に中出しをねだられたオルドは剛直を思い切り子宮の入り口に突き立てる。
「オ"オッ♡」
「ぐっ…射精る！」
子宮口にペニスを密着させたまま、オルドは勢いよく射精した。
「ああっきたぁ♡♡♡いっぐう♡♡せーし注がれながらいっぢゃうううううん♡♡♡♡♡」
女も射精と同時に再度絶頂を迎える。
絶頂の凄まじさに、二人ともしばらく動けなかった。
…………
「…これでよかったか、災厄の竜よ」
絶頂の余韻がひと段落してから、オルドが尋ねる。
「災厄の竜ではない、我が名はビロサだ。妻の名前くらい、きちんと呼んでもらわないと困る。…して、お前の名前は何というのだ？我が夫よ。」
「…オルドだ。それでビロサ、貴女が起こした熱波はいつ収まるのだ。」
「…何を言っておるのだオルド？この程度で我が満足するとでも？」
「何…だと？」
「夜はまだ始まったばかりだ。これからじっくりと、数百年分の溜まった熱を冷まさせてもらうぞ、愛しの旦那様♡」
…その日の夜は熱帯夜となった。無論、性交する二人から発せられる魔力のせいである事は言うまでもない。しかし熱波は翌日の朝にはすっかり引き、村は平穏を取り戻した。
「ああっ、まだイッグう♡♡」
「うっ…まだ射精るっ！！」
だが二人のまぐわいは、熱が引いた後も終わらなかった。ドラゴンとインキュバスの体力は無尽蔵であり、体力が尽きたら大量に買い込んだ回復薬を口移しで飲ませ合った。村の人間が様子を見にくるまで、二人は2週間近く交わっていたのだった。
その後ビロサは大量の財宝と共に村に移り住み、オルドのメストカゲとして幸せに暮らしましたとさ。
…心配と困惑と怒りの籠った怒鳴り声が部屋に響く。それもそのはず。
「ドラゴンを碌な鎧もつけず討伐するなんぞ、舐めてるとしか思えん！それに相手は『ネームド』だぞ！」
…『ネームド』。
魔物娘の中でも、特に戦闘能力が高く、驚異度が高いとされる個体。正面から倒すには兵士一万は必要という試算もある相手だ。男が怒鳴った相手…オルドはあろうことか、まともな防具無しで決戦に挑もうと言うのだ。
「…奴の攻撃は一撃必殺。故に防具など重量物でしかない。」
心配する男をよそに、男は淡々と話す。
「…世界中の防具とその伝承を当たってみたが、奴の攻撃を防げるものは無かった。故に、資金全てを武器と回復アイテムに充てるのが最善と判断した。」
「にしたってお前…限度ってもんが…！！というか、恐ろしくないのかよ…！相手は災害クラスのバケモンだぞ！！！」
「恐怖を遠ざけ安心する事は、必ずしも勝利への道ではない…準備すべき事は全て行い、祈りも済ませておいた。後は勝負に身を委ねるのみだ。」
「くっ…好きにしろ。俺は忠告したからな！」
「ああ…ありがとう、どうか達者でな。」
男は折れ、捨て台詞を吐いて去っていった。だがオルドは、彼が自分を本気で心配してくれていたのは分かっていた。
…怖くないと言えば嘘になる。しかし、恐怖から出た保身は少なからず破滅を呼ぶ。故に恐怖とは心に留めておくべきものだ。それが歴戦の若き剣豪、オルドの矜持であった。
…………
早朝、外套を身に纏ったオルドは彼の住む村を出て、ダンジョン「巨竜の住処」に向けて出発した。今から出発すれば、到着は日暮れ頃となるだろう。
ダンジョンといっても構造は単純でトラップもなく、魔物は一体しかいない。
…『災厄の竜』、彼の決戦の相手である。
旧魔王時代は当時の近隣諸国に壊滅的な被害を与え、繰り返し討伐隊が組まれたが、その全てを蹂躙したという。現魔王になってからはかつての凶暴さは無くなり、こちらから怒らせない限りは、たまに討伐に行った人間が返り討ちにされる程度に留まっている。しかし魔物が現在の姿になった経緯が反魔物側に広く周知のされないのもあって、依然危険視されているのだ。
無論魔物と繰り返し交戦経験を持つオルドはそんな事は承知の上だ。それでも彼には竜に挑まなければいけない理由があった。
彼が暮らす村はとりたてて産業もなく、村は自給自足と近いシステムで成り立っていた。しかし、かの竜の魔力活動が急激に活発になった事によって、村含む近隣一帯は酷い熱波に襲われた。農作物がダメになり、体力の無い老人や女子供が次々に倒れた。…このままでは暑さと飢餓で死人が出る。生まれ育った故郷に恩を返す為、オルドは竜退治に出向いたのだった。
戦わずに済めばそれでいい。命を奪わずとも、交渉で魔力活動を抑えるなり、どこかに引越して貰うなりして貰えたらそれに越した事はない。しかし、相手は地上の王者、それもあの『ネームド』だ。ちっぽけな人間如きの要求など聞き入れて貰えるだろうか。いざとなれば、自分より遥かに強大な相手に、力づくで立ち退きを要求する事になるだろう…
…………
道中魔物にちょっかいを出されたので、目的地に着く頃には辺りはすっかり夜になっていた。目の前に見える洞窟こそ「巨竜の住処」、ゆうに村の一番大きな建物が縦に3軒分は入りそうな入り口の奥からは灼熱の熱波が漏れ出し、周囲に陽炎を生んでいた。幸い、彼は熱避けのアミュレットをしているので焼け死ぬ事はない。オルドは覚悟を決めて、奥へと踏み入る。
…………
洞窟は横穴に入らなければ殆ど一本道で、決して深くはない。踏み入ってまもなく、洞窟の最奥にる主の元に到達した。
…そこにいたのは、赤い鱗を持つ女の姿をした火竜。自らを圧倒的上位と疑わず、侵入者を侮るように見ている。その威容に思わず身体が竦むが、すぐに主を見つめ返す。
…彼女こそ「災厄の竜」。旧魔王時代より生きる、悪名高きドラゴンである。
「…人間か。今は戦う気分ではない、そこに転がっているガラクタはくれてやるから、さっさと消えろ。」
オルドの近くにあった財宝の山を指差しそう言う。
…戦意がないという言葉とは裏腹に、竜は酷く機嫌が悪そうだ。鋭くも美しく整った顔はすこし赤く、どこか恨めしくこちらを睨みつけている。
「…悪いがそうもいかない。災厄の竜よ、貴女に折り入って頼みがある。貴女の魔力が発する熱波で、村の皆が死にかけている。悪いが、魔力活動を抑えては貰えんだろうか。」
「断る。帰れ。」
「そう言わずに頼む、俺に出来る事があればなんでもしよう。」
「なら今すぐ消えろ、二度は言わん。」
ばっさりと拒否され、取りつく島もない。覚悟はしていたが、こうなれば実力行使しかない。
「そうか、では仕方あるまい。悪いが貴女にはここから立ち退いてもらう。」
オルドが剣を抜く。その業物の名は不滅剣ドラゴンバスター。彼が竜を倒す為に新調した、竜の鱗も切り裂く大剣である。
そんな彼を、何の脅威も感じぬかのように、竜は鬱陶しそうにオルドを睨みつける。
「…そんなちんけな獲物で我を倒せると思っているのか。くだらん、貴様に付き合う暇はないと言っている。立ち去らないなら我が炎が貴様を焼き尽くしてくれよう。」
「構わん、元よりその覚悟だ。貴女がここから立ち去らない限り、何度焼かれてもここから退かん。」
そう言って、彼は外套を脱ぎ捨てる。
…そしてその格好に、竜は目を見開いた。
外套の下に、男は何も着ていなかったのだ。正確には、ステテコパンツ一丁。目の前の男は、大剣と下着姿で、自分に立ち退きを要求してきたのである。
「な、ななななななんだその格好は！！！！」
「お前を倒す為に考え抜いた装備だ。」
「ふ、ふざけているのか！！！！////」
竜は思わず顔を覆った。幾ら下着は着けているとはいえ、目のやりどころが無かったのだ。
…それもそのはず、竜は…いや彼女は、絶賛発情中だったのだ。
しかし、悪名高い彼女が男に恵まれているはずもない。その為魔物の本能が抑えきれない時は、独りで慰めるのが日課であった。魔力活動の急激な上昇は、彼女の身体が雄を求め上気していたが故に起きた事であった。
…そんな状態の彼女が、雄の半裸を見せつけられたのだから溜まったものではない。顔を覆った巨大な手の隙間からちらちら男を眺める。
「…世界中の何処にも貴女の攻撃を耐える鎧は存在しないし、下手に布など着れば燃えて大惨事になる。ならば最初から何も着ないのが懸命だ。」
「げ、限度というものが……あるだろう…////」
…頭部より太い首。
…発達した肩と胸板。
…逆三角形で８つに割れた胴体。
…カモシカのように発達した太もも。
…極太の脹ら脛と対比するような細い足首とくるぶし。
話しながら、上から下へ、舐め回すように男を眺める。
…とんだ屈辱である、自分を倒しに来た男なぞに欲情するとは。しかし、活発化した魔物の本能に彼女は抗う事ができない。否が応に身体が熱を帯び、更に高まった魔力活動が洞窟内を更なる灼熱に染めていく。
「この熱は…敵意と見做して良いのだな？」
温度上昇を敵意と勘違いしたオルドが臨戦体制を取る。一方で彼女の方も、我慢の限界であった。自慰の最中侵入者に踏み込まれた挙句、その侵入者に欲情させられたのだ。あまりにも理不尽である。もうこの男を心が折れるほど滅茶苦茶に凌辱しなければ気がすまない。
「いいだろう…ちょうどその辺で男を攫ってやろうかと考えてたところだ。今から貴様は我が贄となるのだ…我が住処に踏み入って事を後悔するがいい！！！」
「上等だ、かかってこい災厄！！！！」
…片方は村を救うため、片方は目下の欲求を解消するため、勘違いも含めた熾烈な闘いの火蓋が、今切って落とされた。
…………
竜が放った灼熱の業火を、豪剣が両断する。
火の粉を掻い潜り、炎が掻き消えた場所を駆け抜け間合いに入ったオルドが豪剣を竜に振り下ろす。
竜はそれを何なくいなして背後に回り、振り下ろした爪が悍ましい風切り音を伴いオルドの背後に迫る。
ガッキィィィィィィン！！！！！
武器が激しくぶつかり合って火花が散る。
オルドは渾身の回転斬りで竜の剛腕を弾き返しすと、ガラ空きになった動体に鋭い突きを叩き込む。
それを翼で飛んで回避した竜は射程外から再び灼熱のブレスを浴びせる。
爆音を伴って放たれたブレスは抉った地面を巻き上げ、薄暗い洞窟を深紅に照らしながらオルドに迫る。
しかしオルドはブレスの射程外に退避すると、何か呪文を唱えた。すると突如現れた多数の光の弾が竜に直撃する。
……爆発の中から現れた竜は、苦々しくオルドを睨みつけた。
「…貴様、魔法も使うのか。それでは剣士の名が泣くぞ？」
「使える物は使う。弾数が少ないのが難点だが。」
「小癪な、先程から何発も豆鉄砲みたいなものをぶつけておいてよく言うわ。どうせ手持ちの回復薬が尽きるまで撃ち続けられるのだろう。」
竜に魔法はさほど効いてないようだが、自分のブレスの射程外から攻撃されるのは不快らしく苛立ちを隠せないようだ。そして、痺れを切らして竜が近づいてたところに一太刀入れるのがオルドの狙いだ。
…圧倒的に実力差のある両者だが、様々な要因が影響して闘いは拮抗していた。
まず、洞窟は限られた大きさしかない為、竜が元の姿に戻って闘うには小さすぎる。その為竜は、全力を出せない人の姿で戦わざるを得ない。また、竜はあくまでオルドを夫に(本人は贄と言っているが)するつもりである為、不用意に傷つける訳にはいかない。その上オルドは全裸な為、まともに攻撃が入れば大怪我させてしまう、それは絶対に避けねばならない。よって竜はオルドに対して、ギリギリ傷つかないかどうかの手加減を強いられる事になってしまった。
次に、オルドは防具を殆ど付けず、代わりに大量のアイテムを購入した。これによってオルドは狙い通り回避がしやすくなり、体力消耗を抑える事ができた。熱避けのアミュレットと大量に買い込んだアイテムが、彼のスタミナを更に持続させる要因となった。
そして何より、竜はオルドの戦力を低く見積もり過ぎていた。オルドが防具を捨てたのは、回避に自信があった為である。彼は既に攻撃を何度か貰って力尽きていたが、買い込んだ蘇生薬を使いながら竜の攻撃パターンを全て把握していた。それだけではなく、竜が攻撃する時の僅かな目の動きや呼吸の音、殺気の増幅などを読み取り、次に来る攻撃のパターン化に成功していた。結果、オルドは竜の一撃必殺の攻撃を掻い潜りながら攻撃チャンスを見出す事に成功したのだった。
…しかし齢数百年の歴戦の竜は、格下の筈の男が自分と拮抗している理由を理解しつつあった。そしてそれに対する対策も今考えた。
…敢えての大振りの一撃で、オルドを後退させる。続く攻撃も大振りで、オルドに回避される。
ドゴォン！！！
空ぶった腕が地面に叩きつけられ、爆音と共に礫が飛び散る。幾ら礫でも高速で飛んでくれば全裸の身体には脅威となる。彼は一旦竜から意識を切り、礫の回避に集中する。
…その隙に、竜は予め息を吸い込んでおく。これはブレスの予備動作。しかし、オルドは礫を避けるのに集中していて気づかない。
ここで竜は、敢えてオルドが礫を回避し終わるのを待った。彼が改めて自分に意識を向ける猶予を作り、次の自分の攻撃チャンスを確実にする為である。
礫を回避し終えたオルドが竜に向き直る。次の瞬間、竜は目をちらと動かした。…これは竜が腕を振り下ろす前の、癖のような物である。オルドはそれを見抜き、回避に活用していた。しかしそれを見抜いた竜は、敢えてその動きでオルドの反撃を誘った。
竜の目の動きを見たオルドは、すぐさま開いた両足を地面につけて踏ん張り、打ち返す体制になった。予定通り振り下ろされた竜の腕に合わせ、オルドも剣を始動させる。
…しかし、それこそが竜の狙いだった。竜が振り下ろした腕を途中でストップしたのだ。
「何だと！？」
交差する筈だった渾身の一太刀が目標を大きく外れ、剣に振り回されたオルドの体勢が崩れる。
…そこで、竜が大きく口を広げた。
オルドは竜の狙いに気づいたが、この体制からは回避が間に合わない。大勢は決した。
破滅的なエネルギーのブレスが竜の口から放たれ、洞窟が爆音と閃光で満ちる………
…………
「…おのれ人間め、やってくれたな………！！！」
竜が顎を押さえながら、怒りに満ちた表情で呟く。してやられた。
ブレスを吐く瞬間、オルドは崩れた体勢のまま竜の顔面向けて蹴りを放っていたのだ。蹴りによって竜の顔の角度が変わったおかげで方向が逸れ、あの至近距離で直撃を免れたのだ。しかし、ブレスの風圧でオルドは激しく吹き飛び、掠った炎で少なくないダメージを負った。蘇生薬を使って復活してくるだろうが、自分の有利は動かない。
「……ぬかった、まさかフェイントとはな。長生きしてるだけあって悪知恵も回るらしい。」
「フン、その減らず口もいつまで続くだろうな？なんせ今不利なのは貴様………ァ…ッッッ！！！！！！！////」
悪態をつくオルドに余裕の返事をしようとした竜は、その光景に愕然とする。
男が、全裸になっていた。先程のブレスによって申し訳程度の下着まで吹き飛び、彼の陰茎が露わになっていたのだ。巨根を通り越し大根とでも言うべき極悪サイズは、見た魔物を雌に変えるには充分すぎる破壊力があった。竜のプライドでなんとか踏みとどまったが、彼女は目の前の男をまともに見れない。否、むしろその男の象徴に釘付けになっていた。
「…まだ負けたわけではない。お前を倒すまで、俺は決して諦めない。」
「あ…あぁ……」
…そこからの闘いは、先程の綿密で一進一退の攻防とは打って変わって酷いものだった。まともにオルドを見れない竜は見当違いな方にブレスを吐いたり、滅茶苦茶に腕を振り回したりしていた。
…そんな攻撃が剣豪に通じるはずもなく、オルドに次々に切り付けられ、竜は身体に傷を作っていく。しかし傷口から血が出ることはなかった。剣は魔界銀でできていたのだ。斬られた者は魔力に傷を負い、発情してしまうという代物である。人と魔物のカップルを増やす為に魔物が流通させた物を、オルドは知らずに掴まされたのだ。
…発情しきった上に極太魔羅を見せつけられ、止めに魔界銀で切付けまくられた彼女は戦意を放棄し、へなへなと力なく地面に座り込む。
「……勝敗は決した。約束通り、この熱をなんとかしてもらおう。」
「……できない…」
「…は？」
「できない…んだぁ……♡」
悩ましげにそう言うと、彼女は股の鱗を消し去り、自らの秘所を露にした。
「ここぉ…♡どんなに自分で掻き回しても…熱がおさまらないのぉ♡お願いぃ…貴様の極太ちんぽで、我のまんこをぐちゃぐちゃにしてぇ……♡♡♡」
突然の性的な懇願に、オルドは困惑する。
しかし、その懇願はあまりに甘美で、雄の本能を刺激する物だった。先程まで自分を見下していた女が、今は自ら秘所を見せつけながら慈悲を乞うている。込み上げる劣情を押さえつけながら、オルドは女に問う。
「……それは、熱波と、関係あるのか…？」
「熱波は…んっ♡我が発情してるせい…だからぁ…♡♡我の魔力を抑えたいなら…はやくぅうううううん！！？？！！！？？」
ぷっしゃあああああ♡
女が言い終わる前に、オルグは限界まで張り詰めていたイチモツを膣内に突き入れた。村を救う大義名分を貰った事で、オルドの理性のタガが外れたのだ。潮を吹きながらガクガク痙攣する女を他所に、オルドは激しく腰を打ちつける。
「かはっ♡♡おっ♡♡♡りゃめっまだイッたばかりだからああああん♡♡♡♡♡」
「お前がやれと言ったんだろう！ほらっ！これならっどうだっ！！」
「お"ほっおぉぉおお♡♡♡♡♡しょれしゅごいぃいいいいい！！！！もっどぉ！！！もっろひてえ♡♡♡」
オルドは殴りつけるように乱暴に腰を振り下ろす。女は激しい絶頂に悦び鳴きながらも、更なる快楽をねだる。それに合わせて彼女の膣内が媚びるように打ち付けられた剛直をねぶり、吸い付き、狂おしく締め上げる。与えられる人外の快楽に、一突きごとに射精感が高まるのを感じる。
「くっ…限界だ、もう出すぞ！！」
「ああんっ♡ぬいちゃだめえ♡♡なかがいいっ、きさまの精液で、我のあかちゃんのおへやたぷたぷにしてぇ♡♡♡」
中に出すのはまずいと理性が働いたが、女に中出しをねだられたオルドは剛直を思い切り子宮の入り口に突き立てる。
「オ"オッ♡」
「ぐっ…射精る！」
子宮口にペニスを密着させたまま、オルドは勢いよく射精した。
「ああっきたぁ♡♡♡いっぐう♡♡せーし注がれながらいっぢゃうううううん♡♡♡♡♡」
女も射精と同時に再度絶頂を迎える。
絶頂の凄まじさに、二人ともしばらく動けなかった。
…………
「…これでよかったか、災厄の竜よ」
絶頂の余韻がひと段落してから、オルドが尋ねる。
「災厄の竜ではない、我が名はビロサだ。妻の名前くらい、きちんと呼んでもらわないと困る。…して、お前の名前は何というのだ？我が夫よ。」
「…オルドだ。それでビロサ、貴女が起こした熱波はいつ収まるのだ。」
「…何を言っておるのだオルド？この程度で我が満足するとでも？」
「何…だと？」
「夜はまだ始まったばかりだ。これからじっくりと、数百年分の溜まった熱を冷まさせてもらうぞ、愛しの旦那様♡」
…その日の夜は熱帯夜となった。無論、性交する二人から発せられる魔力のせいである事は言うまでもない。しかし熱波は翌日の朝にはすっかり引き、村は平穏を取り戻した。
「ああっ、まだイッグう♡♡」
「うっ…まだ射精るっ！！」
だが二人のまぐわいは、熱が引いた後も終わらなかった。ドラゴンとインキュバスの体力は無尽蔵であり、体力が尽きたら大量に買い込んだ回復薬を口移しで飲ませ合った。村の人間が様子を見にくるまで、二人は2週間近く交わっていたのだった。
その後ビロサは大量の財宝と共に村に移り住み、オルドのメストカゲとして幸せに暮らしましたとさ。
23/07/26 04:58更新 / 飢餓