第2幕 ここにいる意味
ラミア 私たちってさ、今、何で生きとるん?
放送機 『人類は滅んでしまいました。』
ハーピ 僕らは、今、どうして生きているんだろう?
放送機 『もうこの地球に、人類はいません。』
アルラ ワシらは、今、何のために生きとんじゃろ?
放送機 『宇宙にも、もうどこにも人類はいません。人類は滅んでしまいました。』
ラミア …人類、滅んじったんやね。
ハーピ そう、らしい。
アルラ それじゃあ。
ラミア それじゃあ?
アルラ それじゃあ。
ハーピ それじゃあ?
アルラ それじゃあ…どないしたらええんじゃろ。
ラミア …せやな。
ハーピ …じゃあさ。
アルラ なん?
ハーピ とりあえず、戻ろうか。あっちに。
ラミア …せやな。ここにいても、仕方ないし。
アルラ 戻るか。
3人、扉から真っ暗い回廊に戻って、歩いていく。
アルラ …なあ?
ラミア どしたん?
アルラ 2人とも、おる?
ハーピ いるよ。
ラミア 隣におるやん。
アルラ …じゃな。
ラミア どしたん?
アルラ 分からん…なんか、聞きたくなった。
ハーピ そっか。
3人、元の部屋に戻ってくる。
ハーピ 戻ってきたね。
ラミア せやな。
アルラ じゃな。
ハーピ じゃあ…えっと。
ラミア とりあえず、寝よか。
ハーピ えっ?
アルラ そういえば、もう寝る時間じゃな。
ハーピ あ、ああ。うん、そうだね。
ラミア どしたん?
ハーピ いや、何でもないよ。
アルラ そっか。じゃあ、おやすみ。
ラミア おやすみ。
ハーピ おやすみー。
3人、寝床につく。
ハーピ …。
アルラ …。
ラミア …なあ。起きとる?
ハーピ …うん。
アルラ …起きとうよ。
ラミア そっか…なあ。
アルラ どした?
ラミア 私な、思うねんけど。
ハーピ どしたの?
ラミア 私、このまま寝たらあかん、気する。
アルラ …それな、ワシも思っとった。
ハーピ 僕も。
ラミア なんかな、色々話したいねん。それが、まとまらんくて。
アルラ 合理的な判断は下せとるんじゃ。
ハーピ 話さなくていい、ってこと。
ラミア 今日も目をつむって、明日朝起きて働いて、また寝る。
アルラ 当たり前のように、仕事をする毎日に戻ればええが。
ハーピ そうなんだよ。でも、なんかそれじゃいけないって思うんだ。
それが分からなくて。
ラミア …なあ。これが、考えるってことかな。
アルラ 悩むってこと、なんかいの。
ハーピ 疑問に思うってこと、なのかな。
アルラ …難しいのう。
ハーピ 難しいね。
ラミア そうやな。でも、なんかすっきりした。
アルラ ほんま?
ラミア いや、すっきりは、ホンマはしてないんやけど。考えることを
考えれたっていうんかな。
ハーピ …そっか。
ラミア すまん、私にも説明できひんわ。
アルラ …なあ、二人とも。明日、確認したいことがあるんじゃけど。ええか?
ハーピ アルラも、なにかあるの?
アルラ ああ、仕事のことじゃ。
次の日、3人とも仕事をせず、それぞれの現場に3人で居合わせている。
アルラ ここが、ワシの仕事場。
ラミア 野菜をむいとる場所?
アルラ そう。
アルラ、仕事をする作業スペースに近づく。すると、野菜が流れてくる。
ハーピ こうなってたんだ。
アルラ ああ。で。
アルラ、仕事の作業スペースから離れると、野菜の流れがなくなる。
ラミア 流れてこんよう、なったね。
アルラ なあ。
ハーピ なに?
アルラ これ、どういうことじゃと思う?
ラミア どういうことって?
アルラ どっから、野菜が来よるんじゃろ、って思って。
ハーピ それは、コンベアから流れてくるから…。
ハーピ、コンベアの流れを眺めている。
ハーピ …上?
アルラ じゃろ。でも、ワシ一人じゃ見えんくて。
ラミア でも、どうやってあそこまで。
ハーピ、腕を振ると体が浮いた。
ハーピ …ねえ。
ラミア …浮いとるね。
ハーピ …行ってこようか?
アルラ …うん。
ハーピ、近くまで飛んでいく。
アルラ、それを確認し、作業スペースに入る。
すると、野菜が流れてくる。
ハーピはそれを確認し、戻ってくる。
ハーピ ただいま。
ラミア おかえり。
アルラ どうじゃった?
ハーピ 生成、されてた。
ラミア …生成?
ハーピ なんか、ぽこぽこってなって、いっぱい出てくる、感じ?
アルラ 土から、じゃなくて?
ハーピ でっかい、カプセルのようなやつから。
アルラ そっか…。じゃあ、ラミアの方も?
ラミア 同じ、やろなあ。
アルラ ってか、ハーピ?
ハーピ うん?
アルラ 浮いとんな。ってか、飛んどるな?
ラミア 知らなんだ。
ハーピ うん、僕も今初めてやった。
ラミア なんで?
ハーピ なんか、飛びたいなってか。飛べるかなっていうか。そしたら、
…できた。
アルラ …ぼっけえな。
ラミア どえらいわ…・
ハーピ 二人は飛べないの?
アルラ 飛べんわ。てか、飛びたいとも思わん。
ラミア なんでそう思ったん?
ハーピ …なんでなんだろ。
アルラ そっか。とりあえず、ワシの確認したいことはできたし。
ラミア そうやね。そしたら。
『ポーピン、ポーピン、ポーピン…』
突然、アナウンスが響き渡る。
『午前中のノルマが達成されませんでした。有人モードから、無人モードに書き換わります。』
3人のもとにロボットが移動してくる。
ロボットは作業スペースにいたアルラにぶつかる。
アルラ 痛っ!な、なんじゃあ!
ロボット 『異物、異物、確認。排除する。』
ロボット、腕を振り上げ、目の前を薙ぎ払おうとする。
ラミア アルラ!危ない!
ラミア、アルラを抱え、薙ぎ払いを素早くよける。
ロボット、薙ぎ払いを済ませると、また進みだす。今度は何もぶつからず作業スペースに入る。
ロボットが作業スペースに入ると、野菜が流れ出した。
ハーピ 二人とも!大丈夫!?
アルラ なんじゃ!何が起きたんか!
ラミア と、とりあえず!いつものあの場所に!
3人、逃げるように部屋に戻ってくる。
アルラ はあ…はあ。
ラミア な、なんアレ…。
ハーピ と、とりあえず。状況を、整理しよう。
アルラ はあ…なんか、アナウンスが?鳴って。そしたら四角いのがやってきて。
ぶつかって。
ラミア 私は、なんか危なそうやって思ったから、アルラを助けようと思って。
ハーピ そしたら、仕事を…奪われたね。
ラミア 色々と…もう、訳分からんわ。
アルラ じゃなあ。ただ…。
ハーピ ただ?
アルラ ワシら、もうここにおっても意味ないんじゃないんか?
ラミア …うん。
ハーピ 私の仕事場も、取られてるみたいだったし。きっと、ラミアのも。
ラミア 仕事ができないんじゃ、私ら、どないせえっちゅう。
アルラ …ここを。ここを、出ようか。
ハーピ …そう、だね。
ラミア でも、じゃあどこに?
ハーピ それは…。
アルラ ワシに、もう一つ気になったことがある。そのためには。
ラミア …そのためには?
アルラ あの、暗いとこを進まんと、いけんのじゃけど…。
ハーピ いけんのじゃけど?
アルラ なんか、な。なんかな…。
ラミア じゃあ、手をつないで。いこう?
アルラ え?
ハーピ 僕もつなぐよ。3人でつなごう?
アルラ あ、ああ。…ありがと。
3人、暗い回廊を進んでいく。
アルラ …なんじゃろ。
ラミア どしたん?
アルラ 前より、歩きやすいわ。
ハーピ それはよかった。
3人、重い扉を開け、外の世界を再び見る。
『人類は滅んでしまいました。もうこの地球に、人類はいません。宇宙にも、もうどこにも人類はいません。人類は滅んでしまいました。』
ラミア まだ聞こえるね。
ハーピ ずっと鳴ってるんだ。
アルラ なあ。
ラミア うん?
アルラ このさ、うちから伸びてる太いパイプあるじゃろ?
ハーピ あるね。
アルラ これ、追いかけてみん?
ラミア 追いかけるって、向こうまで?
アルラ うん、向こうまで。
ハーピ …見えないね、先が。
ラミア 見えんなぁ。
アルラ ワシらがうちで、なんの仕事をやっとったんか分からんけど。
このパイプを追ったら分かるんじゃないかなあって、思って。
ラミア …それは、なんで?
アルラ …なんでじゃろうなあ。
ハーピ でも、それでいいんじゃない?ここにいても、もう何もやれる
ことはないし。
ラミア そう、やね。テレビでも、前流れてたなあ。
アルラ なんが?
ラミア 『なんのためーにーうーまれてー。
なーにをしーてーよーろこぶー。
わからないーまーまーおわるー。そーんなのーはー。』
…いや、なんだって。
アルラ そうだね。ワシらは、まだ何も分からないんじゃもの。
ハーピ 分からないまま終わるって、それって、なんだかね。
アルラ あの暗いとこ通ったのと、似た感じがする。
ラミア それが、いやってことなんじゃない。
アルラ …いや、か。いやじゃな。
ハーピ いやだ。
ラミア いやや。
アルラ …じゃあ、行くか。
ハーピ この家とも、お別れだね。
ラミア 分からんよ、また戻ってくるかも。
アルラ でも、しばらくはお別れかものう。
ラミア ハーピ、アルラ…
ハーピ うん?
アルラ どった?
ラミア 色んなことを話そう。そして、悩んで、考えて、そしたら。そしたら。
アルラ …じゃな。そしたら、なんか見つかるかもな。
ハーピ 今はまだわからないけど。分かるまで話そうか。
ラミア …うん。ありがとう。
ハーピ …じゃ、行こうか。
アルラ …行くかの。
ラミア …行ってきます。
放送機 『人類は滅んでしまいました。』
ハーピ 僕らは、今、どうして生きているんだろう?
放送機 『もうこの地球に、人類はいません。』
アルラ ワシらは、今、何のために生きとんじゃろ?
放送機 『宇宙にも、もうどこにも人類はいません。人類は滅んでしまいました。』
ラミア …人類、滅んじったんやね。
ハーピ そう、らしい。
アルラ それじゃあ。
ラミア それじゃあ?
アルラ それじゃあ。
ハーピ それじゃあ?
アルラ それじゃあ…どないしたらええんじゃろ。
ラミア …せやな。
ハーピ …じゃあさ。
アルラ なん?
ハーピ とりあえず、戻ろうか。あっちに。
ラミア …せやな。ここにいても、仕方ないし。
アルラ 戻るか。
3人、扉から真っ暗い回廊に戻って、歩いていく。
アルラ …なあ?
ラミア どしたん?
アルラ 2人とも、おる?
ハーピ いるよ。
ラミア 隣におるやん。
アルラ …じゃな。
ラミア どしたん?
アルラ 分からん…なんか、聞きたくなった。
ハーピ そっか。
3人、元の部屋に戻ってくる。
ハーピ 戻ってきたね。
ラミア せやな。
アルラ じゃな。
ハーピ じゃあ…えっと。
ラミア とりあえず、寝よか。
ハーピ えっ?
アルラ そういえば、もう寝る時間じゃな。
ハーピ あ、ああ。うん、そうだね。
ラミア どしたん?
ハーピ いや、何でもないよ。
アルラ そっか。じゃあ、おやすみ。
ラミア おやすみ。
ハーピ おやすみー。
3人、寝床につく。
ハーピ …。
アルラ …。
ラミア …なあ。起きとる?
ハーピ …うん。
アルラ …起きとうよ。
ラミア そっか…なあ。
アルラ どした?
ラミア 私な、思うねんけど。
ハーピ どしたの?
ラミア 私、このまま寝たらあかん、気する。
アルラ …それな、ワシも思っとった。
ハーピ 僕も。
ラミア なんかな、色々話したいねん。それが、まとまらんくて。
アルラ 合理的な判断は下せとるんじゃ。
ハーピ 話さなくていい、ってこと。
ラミア 今日も目をつむって、明日朝起きて働いて、また寝る。
アルラ 当たり前のように、仕事をする毎日に戻ればええが。
ハーピ そうなんだよ。でも、なんかそれじゃいけないって思うんだ。
それが分からなくて。
ラミア …なあ。これが、考えるってことかな。
アルラ 悩むってこと、なんかいの。
ハーピ 疑問に思うってこと、なのかな。
アルラ …難しいのう。
ハーピ 難しいね。
ラミア そうやな。でも、なんかすっきりした。
アルラ ほんま?
ラミア いや、すっきりは、ホンマはしてないんやけど。考えることを
考えれたっていうんかな。
ハーピ …そっか。
ラミア すまん、私にも説明できひんわ。
アルラ …なあ、二人とも。明日、確認したいことがあるんじゃけど。ええか?
ハーピ アルラも、なにかあるの?
アルラ ああ、仕事のことじゃ。
次の日、3人とも仕事をせず、それぞれの現場に3人で居合わせている。
アルラ ここが、ワシの仕事場。
ラミア 野菜をむいとる場所?
アルラ そう。
アルラ、仕事をする作業スペースに近づく。すると、野菜が流れてくる。
ハーピ こうなってたんだ。
アルラ ああ。で。
アルラ、仕事の作業スペースから離れると、野菜の流れがなくなる。
ラミア 流れてこんよう、なったね。
アルラ なあ。
ハーピ なに?
アルラ これ、どういうことじゃと思う?
ラミア どういうことって?
アルラ どっから、野菜が来よるんじゃろ、って思って。
ハーピ それは、コンベアから流れてくるから…。
ハーピ、コンベアの流れを眺めている。
ハーピ …上?
アルラ じゃろ。でも、ワシ一人じゃ見えんくて。
ラミア でも、どうやってあそこまで。
ハーピ、腕を振ると体が浮いた。
ハーピ …ねえ。
ラミア …浮いとるね。
ハーピ …行ってこようか?
アルラ …うん。
ハーピ、近くまで飛んでいく。
アルラ、それを確認し、作業スペースに入る。
すると、野菜が流れてくる。
ハーピはそれを確認し、戻ってくる。
ハーピ ただいま。
ラミア おかえり。
アルラ どうじゃった?
ハーピ 生成、されてた。
ラミア …生成?
ハーピ なんか、ぽこぽこってなって、いっぱい出てくる、感じ?
アルラ 土から、じゃなくて?
ハーピ でっかい、カプセルのようなやつから。
アルラ そっか…。じゃあ、ラミアの方も?
ラミア 同じ、やろなあ。
アルラ ってか、ハーピ?
ハーピ うん?
アルラ 浮いとんな。ってか、飛んどるな?
ラミア 知らなんだ。
ハーピ うん、僕も今初めてやった。
ラミア なんで?
ハーピ なんか、飛びたいなってか。飛べるかなっていうか。そしたら、
…できた。
アルラ …ぼっけえな。
ラミア どえらいわ…・
ハーピ 二人は飛べないの?
アルラ 飛べんわ。てか、飛びたいとも思わん。
ラミア なんでそう思ったん?
ハーピ …なんでなんだろ。
アルラ そっか。とりあえず、ワシの確認したいことはできたし。
ラミア そうやね。そしたら。
『ポーピン、ポーピン、ポーピン…』
突然、アナウンスが響き渡る。
『午前中のノルマが達成されませんでした。有人モードから、無人モードに書き換わります。』
3人のもとにロボットが移動してくる。
ロボットは作業スペースにいたアルラにぶつかる。
アルラ 痛っ!な、なんじゃあ!
ロボット 『異物、異物、確認。排除する。』
ロボット、腕を振り上げ、目の前を薙ぎ払おうとする。
ラミア アルラ!危ない!
ラミア、アルラを抱え、薙ぎ払いを素早くよける。
ロボット、薙ぎ払いを済ませると、また進みだす。今度は何もぶつからず作業スペースに入る。
ロボットが作業スペースに入ると、野菜が流れ出した。
ハーピ 二人とも!大丈夫!?
アルラ なんじゃ!何が起きたんか!
ラミア と、とりあえず!いつものあの場所に!
3人、逃げるように部屋に戻ってくる。
アルラ はあ…はあ。
ラミア な、なんアレ…。
ハーピ と、とりあえず。状況を、整理しよう。
アルラ はあ…なんか、アナウンスが?鳴って。そしたら四角いのがやってきて。
ぶつかって。
ラミア 私は、なんか危なそうやって思ったから、アルラを助けようと思って。
ハーピ そしたら、仕事を…奪われたね。
ラミア 色々と…もう、訳分からんわ。
アルラ じゃなあ。ただ…。
ハーピ ただ?
アルラ ワシら、もうここにおっても意味ないんじゃないんか?
ラミア …うん。
ハーピ 私の仕事場も、取られてるみたいだったし。きっと、ラミアのも。
ラミア 仕事ができないんじゃ、私ら、どないせえっちゅう。
アルラ …ここを。ここを、出ようか。
ハーピ …そう、だね。
ラミア でも、じゃあどこに?
ハーピ それは…。
アルラ ワシに、もう一つ気になったことがある。そのためには。
ラミア …そのためには?
アルラ あの、暗いとこを進まんと、いけんのじゃけど…。
ハーピ いけんのじゃけど?
アルラ なんか、な。なんかな…。
ラミア じゃあ、手をつないで。いこう?
アルラ え?
ハーピ 僕もつなぐよ。3人でつなごう?
アルラ あ、ああ。…ありがと。
3人、暗い回廊を進んでいく。
アルラ …なんじゃろ。
ラミア どしたん?
アルラ 前より、歩きやすいわ。
ハーピ それはよかった。
3人、重い扉を開け、外の世界を再び見る。
『人類は滅んでしまいました。もうこの地球に、人類はいません。宇宙にも、もうどこにも人類はいません。人類は滅んでしまいました。』
ラミア まだ聞こえるね。
ハーピ ずっと鳴ってるんだ。
アルラ なあ。
ラミア うん?
アルラ このさ、うちから伸びてる太いパイプあるじゃろ?
ハーピ あるね。
アルラ これ、追いかけてみん?
ラミア 追いかけるって、向こうまで?
アルラ うん、向こうまで。
ハーピ …見えないね、先が。
ラミア 見えんなぁ。
アルラ ワシらがうちで、なんの仕事をやっとったんか分からんけど。
このパイプを追ったら分かるんじゃないかなあって、思って。
ラミア …それは、なんで?
アルラ …なんでじゃろうなあ。
ハーピ でも、それでいいんじゃない?ここにいても、もう何もやれる
ことはないし。
ラミア そう、やね。テレビでも、前流れてたなあ。
アルラ なんが?
ラミア 『なんのためーにーうーまれてー。
なーにをしーてーよーろこぶー。
わからないーまーまーおわるー。そーんなのーはー。』
…いや、なんだって。
アルラ そうだね。ワシらは、まだ何も分からないんじゃもの。
ハーピ 分からないまま終わるって、それって、なんだかね。
アルラ あの暗いとこ通ったのと、似た感じがする。
ラミア それが、いやってことなんじゃない。
アルラ …いや、か。いやじゃな。
ハーピ いやだ。
ラミア いやや。
アルラ …じゃあ、行くか。
ハーピ この家とも、お別れだね。
ラミア 分からんよ、また戻ってくるかも。
アルラ でも、しばらくはお別れかものう。
ラミア ハーピ、アルラ…
ハーピ うん?
アルラ どった?
ラミア 色んなことを話そう。そして、悩んで、考えて、そしたら。そしたら。
アルラ …じゃな。そしたら、なんか見つかるかもな。
ハーピ 今はまだわからないけど。分かるまで話そうか。
ラミア …うん。ありがとう。
ハーピ …じゃ、行こうか。
アルラ …行くかの。
ラミア …行ってきます。
17/11/18 06:12更新 / パッチワーク
戻る
次へ