女王な後輩様 〜私の奴隷になってください！〜
今の時代、人魔共学の高校なんて珍しくもない。
放課後の廊下では剣道の防具を持ったデュラハンたちが体育館へ向かい、びしょびしょの制服を着たぬれおなごが誰かを待っている。ダンボール箱を被って男子の後をつけるラミア（尻尾が見事にはみ出ている）や、彼氏に向かって超能力のまねをするマンティス（どこから持ってきたのかガスマスクまでつけている）など、高校生らしいアホ行動をする奴もいる。ごく当たり前の、俺たちの学校の日常。
だけど俺は本当のところ、魔物が嫌いだ。特にダークエルフやアマゾネスのような、身勝手で人間を見下したやつらは。そういうわけで、今日も俺は魔物どもに関わらず、さっさと部活へ行こうとしていた。幸い写真部には彼女持ちはいても魔物の部員はいない。
でも、そんなとき。
「あ、あの！」
どもった、しかし滑らかで奇麗な声で呼び止められた。声の主は一年生の女子で、魔物特有の尖った耳に褐色の肌をし、浮世離れした白い髪を短めにまとめた可愛い子だ。もじもじとした佇まいで頬を赤らめているが、魔物についての知識が必修である今の時代、俺でも彼女の種族は一発で分かる。
「私、一年三組の黒原麻月です。あ、種族は……ダークエルフです！」
少しためらいつつも、彼女はストレートに自己紹介する。そしてその次に続く台詞も、極めてストレートだった。
「ずっと前から先輩が好きでした！ 私の奴隷になってください！」
爽やかな夏服姿で、熱い言葉とともにお辞儀をするダークエルフの後輩。周囲が静かながらも歓声をあげ、固唾をのんで俺の反応を待っている。隣のクラスのマンティスがこちらに向かって念動力のポーズをしてきた。コントローラ端子をつなぎ替えろとでも言うのか。
先ほども言った通り、俺は魔物が嫌いだ。特にダークエルフやアマゾネスのような、身勝手で人間を見下した奴らは。
それを治す気はないし、そもそも治す筋合いもない。
だから俺は……
「……俺でよければ」
勢いで答えたことを後悔した。
………体育館の薄暗い倉庫で、俺は人生最初の「デート」というやつを経験することになった。裸に剥かれて跳び箱の上に座らされ、その目の前で黒原が笑みを浮かべているこの状況をデートと呼ぶのかは俺が一番知りたい。彼女は頬を赤らめつつ、それはもう楽しそうな笑顔でこちらを見つめている。眼差しはどう見ても「恋する乙女」のもの（魔物のいる学校では日常的に見ることができる）だが、手に持っている黒い鞭がその初々しさを台無しにしていた。
「えーと、黒原さん」
「言いたいことは分かります、先輩」
鞭をぴんと張りながら、彼女は俺の言葉を封じた。細長いそれは艶やかな皮で作られており、柄には恋のお守りであるデルエラ人形がぶら下がっている。カバンや携帯につける奴はよく見るが、鞭につけるのはダークエルフくらいだろう。
「でも、これが私たちダークエルフの愛なんです。奴隷っていうのは一番大事な男の人のことなんです！」
「黒原さんが本気で俺のこと好きなのは分かった。けどいきなりこれは……」
「だいじょーぶっ！」
可愛らしく断言しつつ、黒原は鞭で床をぴしゃりと叩いた。ダークエルフの鞭は相手に痛みを与えないと知っていてもやっぱり怖い。
「私の手で、この状況がご褒美だって思えるようにしてあげますから！」
「いや、そんな明るく調教宣言されても」
「知ってます？ 鞭って勢いよく振ると、先っちょが音速になるんですよ」
「そんな雑学はいいから……」
会話中も振られる鞭に恐怖を感じ、俺は思わず立ち上がった。だが次の瞬間……
「めっ！」
「うぉふっ!?」
俺の腹部に彼女の鞭が直撃した。激しい音が倉庫内に響いたが、苦痛は一切ない。ダークエルフの魔力は痛みを快楽に変えてしまうのだ。打たれた箇所からじんわりと広がる気持ちいい感覚に、股間のモノが反り返りはじめた。まるでやわらかい手に強く握られたような刺激を受け、俺は再び跳び箱に座り込んでしまう。
「先輩は奴隷なんですから、勝手に立っちゃダメですよ」
口を尖らせる黒原。この表情も可愛い……そう思った途端、再び鞭が風を切った。
「ぐはっ」
「立っちゃダメです！」
座っている俺の方を、胸を、太ももを、黒原は巧みな鞭さばきで攻撃してくる。その度に痺れるような快感が体を襲い、それがどんどん股間部に集中してくる。
嫌っていたはずの行為だというのに、魔物娘の確かな快楽は俺の体を責めたてていく。これだけでもう限界に達するかもしれない。
「だーかーらー！ 勝手に立っちゃダメなんです！」
「た、立たないから、やめ……！」
「勃ってるじゃないですか！」
ビシッと一際強く、最大限に勃起したペニスのすぐ脇に、快楽の鞭が直撃した。衝撃が快感に変換され、玉袋まで伝わる。強烈に気持ちいい……！
「ううっ……も、もう……！」
「……え？」
黒原が目を見開いた瞬間、俺は盛大に射精した。尿道口を押し広げるようにして、ゼリーのような精液が快感と同時に吐き出されていく。俺の肉棒は水鉄砲さながらの勢いで白濁を飛ばし……それは放物線を描き、黒原の腹部から下にべっとりと着弾した。
「はぁ……はぁ……」
快楽の余韻に荒く息を吐く俺に対して、黒原は自分の制服についた精液を静かに眺めていた。夏服のワイシャツとスカートにふりかかった多量の精液……自分でも一度にこれだけ出したのは初めてだ。
鞭を持つ手は振り上げた状態で止まっており、柄についたデルエラ人形が微笑んでいる。やがて黒原は顔を上げ、同じ微笑を俺に向けた。
「……早漏」
可愛らしい唇から漏れた、屈辱的な一言。返す言葉もない俺に、彼女は大股で一歩近づいた。吐息がかかるくらいに顔が近づく。
「安心してください、先輩。奴隷のおチンチンを鍛えてあげるのも、私たちの役目ですから……」
甘い、優しい声で黒原はささやいてくる。まずい、脳みそがとろけそうだ。
と、彼女が足をもぞもぞと動かしていることに気づいた。視線を落としてみると、上履きを脱いでいる。さらに片足立ちになって、右の靴下も脱いでしまう。すべすべした足の甲と指が露出するのと同時に、彼女の思惑に気づいた。
足コキ。魔物通を自称するクラスメイトから聞いた、ダークエルフが最も得意とする性技の一つ。
黒原の脚は太ももから膝にかけて緩やかな曲線を描いており、見ただけで柔らかな感触が伝わってくる。褐色の肌はつま先まで手入れされとても清潔そうだ。この足で肉棒を踏まれたら、しごかれたら……
「あーっ！ また勝手に勃った！」
情けないと言うべきか、出したばかりなのにもう肉棒が元気を取り戻してしまった。恋人と同じ意味とはいえ後輩から奴隷呼ばわりされ、鞭で叩かれてなおこの有様。自分がこんな性癖を持っていたのかと思うと悲しくなる。
だがそのとき、突然鼻の辺りをぺろりと舐められた。優しさとサディスティックさが入り交じったような笑顔で、黒原は俺を見つめている。
「何をされるか想像しちゃったんですか？ 先輩のえっち」
「こ、これは……」
つばをつけられた鼻に吐息が当たってくすぐったい。俺が弁明の言葉をまとめる前に、彼女は俺の手を引っ張った。
「立ってください。私が座りますから」
言われるままに、俺は彼女に跳び箱を譲った。逃げ出そうと思えばできる状況だったが、体のうずきがそれさえ許さない。拷問を受けた人間に後遺症が残ることは多いだろうが、もしかしたらこれが快楽鞭の後遺症だろうか。
黒原はカバンを手に跳び箱へ腰かけ、生足をぶらりと垂らした。
「先輩、シてほしいことを行動で示してください」
「え……？」
「先輩は寡黙な人ですから、いきなり言葉でおねだりするのは無理かもしれないですし」
俺としっかり目を合わせ、黒原は言う。股間うずきはその視線だけで最高潮に達しつつある。どうなってしまったんだ、俺の体は。
「私はダークエルフの中でも魔力は高い方らしいんです。だから無理矢理先輩を虜にして、好き勝手にすることもできるんですけど……」
もう十分好き勝手にしているんじゃないか、という気もしたが……考えてみれば彼女は最初から奴隷になってほしいと頼み、俺は承諾してしまったのだ。つまり先ほどのスパンキングも、合意の上での行動になってしまうのか。
「先輩の方から、私に体を差し出してほしいんです。その早漏おチンチンを私に預けてくれれば、望み通りメチャクチャにしてあげるんですよ？」
少し片足を上げて、美脚を協調しながら黒原は微笑む。張りのある褐色の肌、細くも柔らかそうなライン、可愛らしい指。体は明らかに欲していた。あとはプライドとモラルさえ投げ捨てれば、この美脚でこのうずきを鎮めてもらえるのだ。
足の指が悪戯っぽく動き、俺を誘っている。そのとき。
「……！」
足を上げたせいで、黒原のスカートの下が見えたのだ。履いている下着は白一色……少し意外だが、褐色の肌にこの上なく映えている。
彼女がわざとやったのか偶然かは分からない。だが俺の脳内から、「自重」というものは弾けとんだ。
彼女の前にひざまずき、見下ろされる位置に座った。黒原が少し足を動かせば、それが俺の股に触れる距離。それだけではない、彼女のスカートの中を、その純白の布を正面から見られる。しかも間近で見ることで、なんとその股間部にシミが広がっていることが分かってしまった。
「濡……」
口に出しかけた瞬間、視界が奪われた。急に跳ね上がった黒原の足が、俺の顔面をぺたりと踏んだのだ。
「先輩ってばどこ見てるんですかー？ スケベ〜」
少し軽蔑したような口調で黒原は笑う。だが顔を覆う生温かい足裏の感触はすぐに離れ……目の前で黒原はスカートの裾を少し持ち上げていた。
「でもまあ、見せてあげます。先輩の痴態見て濡れちゃった、私のお股……」
許可が出た瞬間、俺の目はそこに釘付けになった。白い下着は薄く、じんわりと広がった液体によって彼女の股間部に密着している。褐色の肌と割れ目が透けて、たまらない卑猥さを見せつけていた。何より黒原が、俺を見て股から愛液を滴らせている……そのことが何よりも興奮を誘う。不思議なニオイのする魔物の愛液は、その名の通り愛欲の証なのだ。
だが、見とれているのも束の間。
「えい」
「うぅっ!?」
黒原は俺の股間を、極限まで勃起した肉棒をおもむろに踏みつけた。痛みを一切感じず、それでいて生足の質量をしっかり味わうことのできる、絶妙な力加減だ。
「あはっ。先輩のおチンチン、踏み応えがあって気持ちいい！」
心から楽しそうに、というより幸せそうに、ぺたぺたと肉棒を踏む黒原。奇麗な足だけでなく、その笑顔にも目を奪われる。もしかしたらこれもダークエルフの力なのだろうか、彼女に『見下ろされている』ことへの屈辱感が、その笑顔を一層可愛らしく、一層淫らに見せているのだ。
「私、ずっとこうしたくてたまらなかったんです。先輩が部活でカメラを構えているのを見ながら、こうやって足奴隷にする日を夢見てました」
語っている間も、彼女の褐色の足は肉棒をいじめていた。土踏まずで亀頭をぐりぐり刺激したかと思うと、両足で竿を踏みつけてくる。すべすべとした足の甲と、奇麗に切りそろえられた爪が目も愉しませ、屈辱感と陶酔感がこみ上げてきた。
「先輩を虜にして、私の足が大好きな変態さんにしちゃうのを楽しみにしてたんですよ」
足の動きが少しずつ激しくなってきた。うかれてステップを踏むかのように、リズミカルな踏みつけを繰り返してくる。動きとしては単純だが、遠足にでかける少女のような足取りで責められると、その無邪気さに心拍数が上がっていくのだ。セックスの快感というものは物理的な刺激だけでは成り立たないと自覚した。
「ね、先輩。こうして欲しかったんですよね？ 変態おチンポを私に捧げて、足奴隷の誓いを立ててくれたんですよね？」
肉棒を足裏に挟まれた。そのまま擦り合わせるようにしごかれ、たちまち先端から先走りの液がにじみ出てくる。それが黒原の足にからみ、すべすべとした感触が次第にヌルつき始めた。彼女はそれを楽しむかのように、奇麗な足で俺を責め続ける。摩擦が肉棒を、言葉が聴覚を、彼女の笑顔が視覚を、あふれる愛液が嗅覚を、容赦なく刺激してくる。
「うわ。おチンポ汁、どんどん出てきますよ。私の足、そんなにイイんですか……？」
「あ、ああ……凄く気持ちいい……」
素直に応えると、黒原は照れくさそうに頬を掻いた。
「えへへ……嬉しいです」
可愛い。ダークエルフへの認識自体が変わってしまいそうなほど可愛い。こいつになら好きにされてもいいとさえ思ってしまう。
そして俺は快楽鞭に打たれ盛大に射精したにも関わらず、褐色の生足によってまたしても絶頂へ導かれようとしていた。優しくに踏まれ、丹念にこねくり回され、時々つま先で玉袋をくすぐられる。可愛らしい後輩に足で責められているという倒錯感が快感を増幅させる。
「く、黒原……」
「もう出そうなんですか？ やっぱり早漏さんですねっ♥」
俺が追いつめられて行く様子を楽しそうに見下ろし、黒原は小さな足の指で亀頭を圧迫してきた。握るような動きで柔らかに、時に強く刺激される。
「う、うあああ……」
「いいんですよ……いっぱいいっぱい、お漏らししてくださいね」
敏感な箇所への集中的な刺激に、俺はついに我慢の限界に達した。少し肉棒が痙攣したかと思うと、こみ上げてきた快感が一気に爆発する。
精液が尿道を押し広げ、次第に先端へ……黒原の足が密着する鈴口へと導かれ、解き放たれる。なおも亀頭を這い回る足裏に白濁がべっとりと塗り付けられていった。
「あははっ、すごい出てる……♥」
「ぐっ、ああっ、黒、原っ……ああああ……！」
射精している間も、グチュグチュと卑猥な音を立てながら足コキが続けられる。一滴残らず絞り出すと言わんばかりに。
激しい快楽に翻弄されながら、俺は彼女の褐色の肌に白濁をまぶしていくしかなかった。
「はぁ……はぁ……」
荒く息を吐きながら、恍惚に浸る。黒原が足を持ち上げると、精液がねっとりと糸を引いた。二回目だというのに、濃厚な白濁液を大量に放ってしまった。それが意味することはただ一つ、黒原への屈服である。
「どうでした？ ダークエルフの足技、最高だったでしょ？」
「あ、ああ……」
満足げな黒原の声に、俺はぼんやりと応えることしかできなかった。魔物の性技の凄まじさを骨の髄まで刻み込まれたのである。もう彼女から逃げることはできない。それが何よりも嬉しい。
黒原は水玉模様のハンカチを取り出すと、俺の股間にふわりと落とした。それを足で掴み、肉棒を丁寧に拭き始める。
「おチンチン、キレイキレイしてあげますね」
「ちょっ、黒原……！」
さらさらした布越しに伝わる、足の感触。やはり鞭で打たれた際に彼女の魔力に当てられたのか、肉棒は早くも元気を取り戻しつつある。
「黒原じゃなくて、下の名前で呼んでほしいなぁ……」
「ま、麻月ぃ……」
「はい、何ですか？」
「こ、こんなことをされたら、また……勃って……！」
「いいですよ、勃ってください」
黒原麻月は朗らかに言い放った。
「勃たなきゃ、私のおマンコに入らないでしょう……？」
「！」
麻月とのセックス。
そのフレーズだけで、目の前にある濡れぼそった割れ目に自分のモノが挿入される光景が目に浮かんだ。下着の染みはさらに広がっており、跳び箱の表面にまで粘液がたれている。下着の上からでも、その中がどれだけ気持ちいいかを想像させるのに十分な卑猥さだった。
肉棒が見る見るうちに盛り上がり、天井を指す。すると麻月はハンカチを足の指でつまみ上げ、拭くのを止めた。
「挿れたいですか？」
麻月も呼吸が荒くなっている。彼女もまた興奮して、体が疼いて仕方ないのが見て取れた。
「い、挿れたい……！」
「じゃあ、そこのマットを敷いて横になってください」
言われるや否や、俺は倉庫の隅に積まれているマットを引っ張り出しにかかった。数カ所がほつれているが、まだ比較的奇麗だ。股間の疼きに追い立てられるかのごとく必死に用意する。
「早く、早く♪」
精液のついた足をぱたぱたと動かしながら、麻月は子供のような笑顔を浮かべている。股の部分がこすれているせいか、微かに水音がした。
マットを床に敷くと、すぐさまその上に仰向けに寝転んだ。肉棒をそそり立たせた俺の姿を見て、麻月はぺろりと舌なめずりしている。
「よくできました。じゃ、犯してあげますねっ」
彼女の方ももう待ちきれないといった状態で、跳び箱からぴょんと降りた。
……しかし。しつこいようだが、彼女の褐色の足には俺の精液が付着している。特に足裏にべっとりと。
「きゃあっ!?」
足が床についた瞬間、麻月は可愛らしい悲鳴を上げて見事にスリップした。寝転がっていた俺は抱きとめることはできなかったが、彼女はなんとか手を着く。
「だ、大丈夫か？」
「ご、ごめんなさい先輩、みっともない所を……」
麻月は顔を上げ……俺と目が合った。
「先輩、笑いましたね？」
「い、いや、その……」
涙目になって俺を睨む麻月。この表情は反則ではないかと思う。
「か、可愛いなって……」
「〜ッ！」
魔物にも羞恥心というのはあるらしい。麻月は顔を真っ赤にして、側に置いてある自分の鞄に手を伸ばした。
中をがさごそとまさぐり、彼女が取り出したのは一本の鞭。ただ先ほどの鞭とは違い、馬に乗る際に使われる棒状の馬上鞭だ。
「そんなものまで持ってるのか……」
「鞭と名のつくものなら何でも持ってます。古代中国の鉄鞭とか」
「それ拷問器具じゃないから。鎧を叩き潰す武器だから」
そんなやり取りをしているうちに、麻月はスカートをまくり上げた。股間からあふれる愛液が褐色のふとももまでしたたっており、純白の下着はもう水浸し状態。片足を上げてショーツをゆっくり降ろすと、液体の源泉が露になった。同時にそのニオイが倉庫内にむわっと広がる。嗅覚を通じて脳を犯す、魔性のニオイだ。
「これ、記念にあげます」
完全に脱いだショーツを、麻月は俺の顔に向けて放った。びちょびちょの下着が鼻に覆い被さり、ニオイをダイレクトに流し込んでくる。
そしてスカートさえ脱ぎ捨て、下半身を完全に露出した麻月が俺の上にまたがった。彼女が腰を下ろせば、互いの股間部が触れ合う体勢……騎上位だ。
「さあ……先輩は今から、私のお馬さんになるんですよ……♥」
赤い瞳を妖しく煌めかせながら、麻月は俺の肉棒をむんずと掴む。その手の感触、そしてついに彼女と一つになるのだという想いに胸が高鳴る。
片手で肉棒の角度を調節し……麻月は一気に腰を降ろした。
「きゃっはぁん♥」
「う、うあ、あ、ああ……ッ！」
麻月の膣内は溶鉱炉のように熱かった。しかも柔らかな突起のある肉のチューブによって、ペニスがきゅっと締め付けられる。それがゆっくりと収縮し、蠢き、肉棒をいじめ始めた。ヌメヌメとしたつゆだくの感触と相まって、玉袋の中身を全て吸い出されそうな快感を覚える。
だが、それだけでは終わらなかった。
麻月は馬上鞭を振り上げ……俺の脇腹をピシャリと打ったのだ。
「ぬああっ！」
馬上鞭もまた、彼女の魔力が宿る快楽鞭だった。痛みは一切なく、衝撃と同時に叩き込まれた快感に腰が跳ね上がる。
「あぁん！ そう、その調子で暴れてください、お馬さんっ♥」
ビシッ、ビシッとリズミカルに、麻月は俺に鞭を当てる。その度に拷問的な快楽が全身を犯し、反射的に腰が動く。肉棒が麻月の膣内を突き上げる！
「ふあああん！ き、気持ちいいっ♥ 先輩のチンポぉ……♥」
麻月の嬌声に、彼女の愛液が飛沫になって飛び散る音が混じる。彼女の方も俺の跳ね上がりに合わせて腰を使い始め、膣内のヒダが肉棒表面を擦っていく。
「あうぅぅ……麻月ぃ……」
「あはっ♥ そんな声、出しちゃって……情けない、んっ、お馬さん……♥ ほらほら、もっと暴れて！」
一際強く、鞭が当てられる。跳ね上がった腰が、蜜壷の奥までずんと突き上げた。
「うううっ！」
「あはぁっ♥ やればできるじゃないですかぁ♥」
後輩に快楽鞭で打たれ、踏まれ、犯され、馬扱いされ……それでも俺の頭は多幸感で一杯だった。
麻月になら何をされても、麻月を可愛いと思える。愛してしまえる。
そんな後輩の蜜壷の中に閉じ込められ、俺は再び追いつめられていた。
「あ、ああぁっ……麻月、もう……！」
「んぁっ♥ 早漏種馬さんッ、もう少し、ガマン、ですよ……♥」
麻月の緩んだ口元から唾液が垂れる。
「わた、しも……もうすぐ、イっちゃいますからね……♥」
俺の上で腰を踊らせながら、彼女は楽しそうな笑みを浮かべる。尖った耳が微かに震えていた。
麻月と一緒に絶頂したいという思いで、必死に射精をこらえて膣内を突き上げる。麻月もまたよがり、喘ぎ、限界に近づいていることが分かった。蜜壷の締め付けはより甘美なものとなり、麻月のとろけた表情と嬌声が目と耳を犯す。
「ま、麻月ぃ……！」
「んっ、あぅぅ♥ もう、少し……」
少しでも気を抜いたら射精してしまう。そこまで追いつめられたときになって、麻月は急に腰をひねってきた。それも一気に、体の向きを百八十度変えるように。
蜜壷の中で、肉棒がひねられるような感触。ねじれる膣内に擦り上げられ、俺のリミッターは弾け飛んでしまった。
「あ、う、おおおおおおお！」
そして、麻月も。
「あ、あああ、あぅぅぅぅん♥」
俺に背を向けて艶かしい声を上げる麻月の中に、大量の精液を吐き出す。体を震わせながら強く蜜壷を締め付ける麻月の媚態に、肉棒の中身はどんどん吸い出されていった。彼女の膣内を満たすかのように。
「うああああっ……麻月、麻月、麻月！」
「先輩ぃぃぃぃ♥」
まさしく種馬、俺の出したものは彼女の胎内へ迸り、汚し尽くして行く。可愛らしいお尻の割れ目のむこうに、膣から溢れ出した白濁が見えた。
同時に絶頂することで得られた一体感。俺と麻月の体は快楽という糸で強く結ばれてしまったのだ。蜜壷の中でペニスが溶け出し、本当に融合してしまったかのような錯覚も覚える。
激しい絶頂に身を震わせ、俺たちはゆっくりと呼吸を整えて行く。
「はぁ……ぅぁ……」
「あふ……ァン……」
やがて麻月の手から馬上鞭が滑り落ちた。背を向けてまたがる彼女の体が、ゆっくりと倒れてくる。
仰向けで俺の上に寝転ぶ麻月。甘い吐息や汗のニオイが間近で感じられる。さらりとした白い髪が頬に触れて気持ちいい。思わず彼女を抱きしめ、服の上から胸を揉んでしまった。
「……やぁ……♥」
可愛い声を上げ、麻月はくすぐったそうに身をよじった。ぷにっとした胸の感触を楽しんでいると、彼女はゆっくり俺の方を振り向く。赤い瞳と目が合った。
「せーんぱいっ……♥」
その表情と同じく、甘くとろけた声で彼女が呼びかけてくる。
「……麻月」
俺も彼女の名を呼び……。
「んっ」
「ん……♥」
今日は麻月に責められっぱなしだったが、この瞬間だけ俺と彼女は対等だった。
俺たちは同時に顔を近づけ、同時に唇を触れ合わせたのだ……
……その後、事後の麻月の姿を撮った写真が、ダークプリーストが主催する『愛欲フォトコンテスト』で最優秀賞を受賞してしまったのだが……
それはまた、別の話。
……end
放課後の廊下では剣道の防具を持ったデュラハンたちが体育館へ向かい、びしょびしょの制服を着たぬれおなごが誰かを待っている。ダンボール箱を被って男子の後をつけるラミア（尻尾が見事にはみ出ている）や、彼氏に向かって超能力のまねをするマンティス（どこから持ってきたのかガスマスクまでつけている）など、高校生らしいアホ行動をする奴もいる。ごく当たり前の、俺たちの学校の日常。
だけど俺は本当のところ、魔物が嫌いだ。特にダークエルフやアマゾネスのような、身勝手で人間を見下したやつらは。そういうわけで、今日も俺は魔物どもに関わらず、さっさと部活へ行こうとしていた。幸い写真部には彼女持ちはいても魔物の部員はいない。
でも、そんなとき。
「あ、あの！」
どもった、しかし滑らかで奇麗な声で呼び止められた。声の主は一年生の女子で、魔物特有の尖った耳に褐色の肌をし、浮世離れした白い髪を短めにまとめた可愛い子だ。もじもじとした佇まいで頬を赤らめているが、魔物についての知識が必修である今の時代、俺でも彼女の種族は一発で分かる。
「私、一年三組の黒原麻月です。あ、種族は……ダークエルフです！」
少しためらいつつも、彼女はストレートに自己紹介する。そしてその次に続く台詞も、極めてストレートだった。
「ずっと前から先輩が好きでした！ 私の奴隷になってください！」
爽やかな夏服姿で、熱い言葉とともにお辞儀をするダークエルフの後輩。周囲が静かながらも歓声をあげ、固唾をのんで俺の反応を待っている。隣のクラスのマンティスがこちらに向かって念動力のポーズをしてきた。コントローラ端子をつなぎ替えろとでも言うのか。
先ほども言った通り、俺は魔物が嫌いだ。特にダークエルフやアマゾネスのような、身勝手で人間を見下した奴らは。
それを治す気はないし、そもそも治す筋合いもない。
だから俺は……
「……俺でよければ」
勢いで答えたことを後悔した。
………体育館の薄暗い倉庫で、俺は人生最初の「デート」というやつを経験することになった。裸に剥かれて跳び箱の上に座らされ、その目の前で黒原が笑みを浮かべているこの状況をデートと呼ぶのかは俺が一番知りたい。彼女は頬を赤らめつつ、それはもう楽しそうな笑顔でこちらを見つめている。眼差しはどう見ても「恋する乙女」のもの（魔物のいる学校では日常的に見ることができる）だが、手に持っている黒い鞭がその初々しさを台無しにしていた。
「えーと、黒原さん」
「言いたいことは分かります、先輩」
鞭をぴんと張りながら、彼女は俺の言葉を封じた。細長いそれは艶やかな皮で作られており、柄には恋のお守りであるデルエラ人形がぶら下がっている。カバンや携帯につける奴はよく見るが、鞭につけるのはダークエルフくらいだろう。
「でも、これが私たちダークエルフの愛なんです。奴隷っていうのは一番大事な男の人のことなんです！」
「黒原さんが本気で俺のこと好きなのは分かった。けどいきなりこれは……」
「だいじょーぶっ！」
可愛らしく断言しつつ、黒原は鞭で床をぴしゃりと叩いた。ダークエルフの鞭は相手に痛みを与えないと知っていてもやっぱり怖い。
「私の手で、この状況がご褒美だって思えるようにしてあげますから！」
「いや、そんな明るく調教宣言されても」
「知ってます？ 鞭って勢いよく振ると、先っちょが音速になるんですよ」
「そんな雑学はいいから……」
会話中も振られる鞭に恐怖を感じ、俺は思わず立ち上がった。だが次の瞬間……
「めっ！」
「うぉふっ!?」
俺の腹部に彼女の鞭が直撃した。激しい音が倉庫内に響いたが、苦痛は一切ない。ダークエルフの魔力は痛みを快楽に変えてしまうのだ。打たれた箇所からじんわりと広がる気持ちいい感覚に、股間のモノが反り返りはじめた。まるでやわらかい手に強く握られたような刺激を受け、俺は再び跳び箱に座り込んでしまう。
「先輩は奴隷なんですから、勝手に立っちゃダメですよ」
口を尖らせる黒原。この表情も可愛い……そう思った途端、再び鞭が風を切った。
「ぐはっ」
「立っちゃダメです！」
座っている俺の方を、胸を、太ももを、黒原は巧みな鞭さばきで攻撃してくる。その度に痺れるような快感が体を襲い、それがどんどん股間部に集中してくる。
嫌っていたはずの行為だというのに、魔物娘の確かな快楽は俺の体を責めたてていく。これだけでもう限界に達するかもしれない。
「だーかーらー！ 勝手に立っちゃダメなんです！」
「た、立たないから、やめ……！」
「勃ってるじゃないですか！」
ビシッと一際強く、最大限に勃起したペニスのすぐ脇に、快楽の鞭が直撃した。衝撃が快感に変換され、玉袋まで伝わる。強烈に気持ちいい……！
「ううっ……も、もう……！」
「……え？」
黒原が目を見開いた瞬間、俺は盛大に射精した。尿道口を押し広げるようにして、ゼリーのような精液が快感と同時に吐き出されていく。俺の肉棒は水鉄砲さながらの勢いで白濁を飛ばし……それは放物線を描き、黒原の腹部から下にべっとりと着弾した。
「はぁ……はぁ……」
快楽の余韻に荒く息を吐く俺に対して、黒原は自分の制服についた精液を静かに眺めていた。夏服のワイシャツとスカートにふりかかった多量の精液……自分でも一度にこれだけ出したのは初めてだ。
鞭を持つ手は振り上げた状態で止まっており、柄についたデルエラ人形が微笑んでいる。やがて黒原は顔を上げ、同じ微笑を俺に向けた。
「……早漏」
可愛らしい唇から漏れた、屈辱的な一言。返す言葉もない俺に、彼女は大股で一歩近づいた。吐息がかかるくらいに顔が近づく。
「安心してください、先輩。奴隷のおチンチンを鍛えてあげるのも、私たちの役目ですから……」
甘い、優しい声で黒原はささやいてくる。まずい、脳みそがとろけそうだ。
と、彼女が足をもぞもぞと動かしていることに気づいた。視線を落としてみると、上履きを脱いでいる。さらに片足立ちになって、右の靴下も脱いでしまう。すべすべした足の甲と指が露出するのと同時に、彼女の思惑に気づいた。
足コキ。魔物通を自称するクラスメイトから聞いた、ダークエルフが最も得意とする性技の一つ。
黒原の脚は太ももから膝にかけて緩やかな曲線を描いており、見ただけで柔らかな感触が伝わってくる。褐色の肌はつま先まで手入れされとても清潔そうだ。この足で肉棒を踏まれたら、しごかれたら……
「あーっ！ また勝手に勃った！」
情けないと言うべきか、出したばかりなのにもう肉棒が元気を取り戻してしまった。恋人と同じ意味とはいえ後輩から奴隷呼ばわりされ、鞭で叩かれてなおこの有様。自分がこんな性癖を持っていたのかと思うと悲しくなる。
だがそのとき、突然鼻の辺りをぺろりと舐められた。優しさとサディスティックさが入り交じったような笑顔で、黒原は俺を見つめている。
「何をされるか想像しちゃったんですか？ 先輩のえっち」
「こ、これは……」
つばをつけられた鼻に吐息が当たってくすぐったい。俺が弁明の言葉をまとめる前に、彼女は俺の手を引っ張った。
「立ってください。私が座りますから」
言われるままに、俺は彼女に跳び箱を譲った。逃げ出そうと思えばできる状況だったが、体のうずきがそれさえ許さない。拷問を受けた人間に後遺症が残ることは多いだろうが、もしかしたらこれが快楽鞭の後遺症だろうか。
黒原はカバンを手に跳び箱へ腰かけ、生足をぶらりと垂らした。
「先輩、シてほしいことを行動で示してください」
「え……？」
「先輩は寡黙な人ですから、いきなり言葉でおねだりするのは無理かもしれないですし」
俺としっかり目を合わせ、黒原は言う。股間うずきはその視線だけで最高潮に達しつつある。どうなってしまったんだ、俺の体は。
「私はダークエルフの中でも魔力は高い方らしいんです。だから無理矢理先輩を虜にして、好き勝手にすることもできるんですけど……」
もう十分好き勝手にしているんじゃないか、という気もしたが……考えてみれば彼女は最初から奴隷になってほしいと頼み、俺は承諾してしまったのだ。つまり先ほどのスパンキングも、合意の上での行動になってしまうのか。
「先輩の方から、私に体を差し出してほしいんです。その早漏おチンチンを私に預けてくれれば、望み通りメチャクチャにしてあげるんですよ？」
少し片足を上げて、美脚を協調しながら黒原は微笑む。張りのある褐色の肌、細くも柔らかそうなライン、可愛らしい指。体は明らかに欲していた。あとはプライドとモラルさえ投げ捨てれば、この美脚でこのうずきを鎮めてもらえるのだ。
足の指が悪戯っぽく動き、俺を誘っている。そのとき。
「……！」
足を上げたせいで、黒原のスカートの下が見えたのだ。履いている下着は白一色……少し意外だが、褐色の肌にこの上なく映えている。
彼女がわざとやったのか偶然かは分からない。だが俺の脳内から、「自重」というものは弾けとんだ。
彼女の前にひざまずき、見下ろされる位置に座った。黒原が少し足を動かせば、それが俺の股に触れる距離。それだけではない、彼女のスカートの中を、その純白の布を正面から見られる。しかも間近で見ることで、なんとその股間部にシミが広がっていることが分かってしまった。
「濡……」
口に出しかけた瞬間、視界が奪われた。急に跳ね上がった黒原の足が、俺の顔面をぺたりと踏んだのだ。
「先輩ってばどこ見てるんですかー？ スケベ〜」
少し軽蔑したような口調で黒原は笑う。だが顔を覆う生温かい足裏の感触はすぐに離れ……目の前で黒原はスカートの裾を少し持ち上げていた。
「でもまあ、見せてあげます。先輩の痴態見て濡れちゃった、私のお股……」
許可が出た瞬間、俺の目はそこに釘付けになった。白い下着は薄く、じんわりと広がった液体によって彼女の股間部に密着している。褐色の肌と割れ目が透けて、たまらない卑猥さを見せつけていた。何より黒原が、俺を見て股から愛液を滴らせている……そのことが何よりも興奮を誘う。不思議なニオイのする魔物の愛液は、その名の通り愛欲の証なのだ。
だが、見とれているのも束の間。
「えい」
「うぅっ!?」
黒原は俺の股間を、極限まで勃起した肉棒をおもむろに踏みつけた。痛みを一切感じず、それでいて生足の質量をしっかり味わうことのできる、絶妙な力加減だ。
「あはっ。先輩のおチンチン、踏み応えがあって気持ちいい！」
心から楽しそうに、というより幸せそうに、ぺたぺたと肉棒を踏む黒原。奇麗な足だけでなく、その笑顔にも目を奪われる。もしかしたらこれもダークエルフの力なのだろうか、彼女に『見下ろされている』ことへの屈辱感が、その笑顔を一層可愛らしく、一層淫らに見せているのだ。
「私、ずっとこうしたくてたまらなかったんです。先輩が部活でカメラを構えているのを見ながら、こうやって足奴隷にする日を夢見てました」
語っている間も、彼女の褐色の足は肉棒をいじめていた。土踏まずで亀頭をぐりぐり刺激したかと思うと、両足で竿を踏みつけてくる。すべすべとした足の甲と、奇麗に切りそろえられた爪が目も愉しませ、屈辱感と陶酔感がこみ上げてきた。
「先輩を虜にして、私の足が大好きな変態さんにしちゃうのを楽しみにしてたんですよ」
足の動きが少しずつ激しくなってきた。うかれてステップを踏むかのように、リズミカルな踏みつけを繰り返してくる。動きとしては単純だが、遠足にでかける少女のような足取りで責められると、その無邪気さに心拍数が上がっていくのだ。セックスの快感というものは物理的な刺激だけでは成り立たないと自覚した。
「ね、先輩。こうして欲しかったんですよね？ 変態おチンポを私に捧げて、足奴隷の誓いを立ててくれたんですよね？」
肉棒を足裏に挟まれた。そのまま擦り合わせるようにしごかれ、たちまち先端から先走りの液がにじみ出てくる。それが黒原の足にからみ、すべすべとした感触が次第にヌルつき始めた。彼女はそれを楽しむかのように、奇麗な足で俺を責め続ける。摩擦が肉棒を、言葉が聴覚を、彼女の笑顔が視覚を、あふれる愛液が嗅覚を、容赦なく刺激してくる。
「うわ。おチンポ汁、どんどん出てきますよ。私の足、そんなにイイんですか……？」
「あ、ああ……凄く気持ちいい……」
素直に応えると、黒原は照れくさそうに頬を掻いた。
「えへへ……嬉しいです」
可愛い。ダークエルフへの認識自体が変わってしまいそうなほど可愛い。こいつになら好きにされてもいいとさえ思ってしまう。
そして俺は快楽鞭に打たれ盛大に射精したにも関わらず、褐色の生足によってまたしても絶頂へ導かれようとしていた。優しくに踏まれ、丹念にこねくり回され、時々つま先で玉袋をくすぐられる。可愛らしい後輩に足で責められているという倒錯感が快感を増幅させる。
「く、黒原……」
「もう出そうなんですか？ やっぱり早漏さんですねっ♥」
俺が追いつめられて行く様子を楽しそうに見下ろし、黒原は小さな足の指で亀頭を圧迫してきた。握るような動きで柔らかに、時に強く刺激される。
「う、うあああ……」
「いいんですよ……いっぱいいっぱい、お漏らししてくださいね」
敏感な箇所への集中的な刺激に、俺はついに我慢の限界に達した。少し肉棒が痙攣したかと思うと、こみ上げてきた快感が一気に爆発する。
精液が尿道を押し広げ、次第に先端へ……黒原の足が密着する鈴口へと導かれ、解き放たれる。なおも亀頭を這い回る足裏に白濁がべっとりと塗り付けられていった。
「あははっ、すごい出てる……♥」
「ぐっ、ああっ、黒、原っ……ああああ……！」
射精している間も、グチュグチュと卑猥な音を立てながら足コキが続けられる。一滴残らず絞り出すと言わんばかりに。
激しい快楽に翻弄されながら、俺は彼女の褐色の肌に白濁をまぶしていくしかなかった。
「はぁ……はぁ……」
荒く息を吐きながら、恍惚に浸る。黒原が足を持ち上げると、精液がねっとりと糸を引いた。二回目だというのに、濃厚な白濁液を大量に放ってしまった。それが意味することはただ一つ、黒原への屈服である。
「どうでした？ ダークエルフの足技、最高だったでしょ？」
「あ、ああ……」
満足げな黒原の声に、俺はぼんやりと応えることしかできなかった。魔物の性技の凄まじさを骨の髄まで刻み込まれたのである。もう彼女から逃げることはできない。それが何よりも嬉しい。
黒原は水玉模様のハンカチを取り出すと、俺の股間にふわりと落とした。それを足で掴み、肉棒を丁寧に拭き始める。
「おチンチン、キレイキレイしてあげますね」
「ちょっ、黒原……！」
さらさらした布越しに伝わる、足の感触。やはり鞭で打たれた際に彼女の魔力に当てられたのか、肉棒は早くも元気を取り戻しつつある。
「黒原じゃなくて、下の名前で呼んでほしいなぁ……」
「ま、麻月ぃ……」
「はい、何ですか？」
「こ、こんなことをされたら、また……勃って……！」
「いいですよ、勃ってください」
黒原麻月は朗らかに言い放った。
「勃たなきゃ、私のおマンコに入らないでしょう……？」
「！」
麻月とのセックス。
そのフレーズだけで、目の前にある濡れぼそった割れ目に自分のモノが挿入される光景が目に浮かんだ。下着の染みはさらに広がっており、跳び箱の表面にまで粘液がたれている。下着の上からでも、その中がどれだけ気持ちいいかを想像させるのに十分な卑猥さだった。
肉棒が見る見るうちに盛り上がり、天井を指す。すると麻月はハンカチを足の指でつまみ上げ、拭くのを止めた。
「挿れたいですか？」
麻月も呼吸が荒くなっている。彼女もまた興奮して、体が疼いて仕方ないのが見て取れた。
「い、挿れたい……！」
「じゃあ、そこのマットを敷いて横になってください」
言われるや否や、俺は倉庫の隅に積まれているマットを引っ張り出しにかかった。数カ所がほつれているが、まだ比較的奇麗だ。股間の疼きに追い立てられるかのごとく必死に用意する。
「早く、早く♪」
精液のついた足をぱたぱたと動かしながら、麻月は子供のような笑顔を浮かべている。股の部分がこすれているせいか、微かに水音がした。
マットを床に敷くと、すぐさまその上に仰向けに寝転んだ。肉棒をそそり立たせた俺の姿を見て、麻月はぺろりと舌なめずりしている。
「よくできました。じゃ、犯してあげますねっ」
彼女の方ももう待ちきれないといった状態で、跳び箱からぴょんと降りた。
……しかし。しつこいようだが、彼女の褐色の足には俺の精液が付着している。特に足裏にべっとりと。
「きゃあっ!?」
足が床についた瞬間、麻月は可愛らしい悲鳴を上げて見事にスリップした。寝転がっていた俺は抱きとめることはできなかったが、彼女はなんとか手を着く。
「だ、大丈夫か？」
「ご、ごめんなさい先輩、みっともない所を……」
麻月は顔を上げ……俺と目が合った。
「先輩、笑いましたね？」
「い、いや、その……」
涙目になって俺を睨む麻月。この表情は反則ではないかと思う。
「か、可愛いなって……」
「〜ッ！」
魔物にも羞恥心というのはあるらしい。麻月は顔を真っ赤にして、側に置いてある自分の鞄に手を伸ばした。
中をがさごそとまさぐり、彼女が取り出したのは一本の鞭。ただ先ほどの鞭とは違い、馬に乗る際に使われる棒状の馬上鞭だ。
「そんなものまで持ってるのか……」
「鞭と名のつくものなら何でも持ってます。古代中国の鉄鞭とか」
「それ拷問器具じゃないから。鎧を叩き潰す武器だから」
そんなやり取りをしているうちに、麻月はスカートをまくり上げた。股間からあふれる愛液が褐色のふとももまでしたたっており、純白の下着はもう水浸し状態。片足を上げてショーツをゆっくり降ろすと、液体の源泉が露になった。同時にそのニオイが倉庫内にむわっと広がる。嗅覚を通じて脳を犯す、魔性のニオイだ。
「これ、記念にあげます」
完全に脱いだショーツを、麻月は俺の顔に向けて放った。びちょびちょの下着が鼻に覆い被さり、ニオイをダイレクトに流し込んでくる。
そしてスカートさえ脱ぎ捨て、下半身を完全に露出した麻月が俺の上にまたがった。彼女が腰を下ろせば、互いの股間部が触れ合う体勢……騎上位だ。
「さあ……先輩は今から、私のお馬さんになるんですよ……♥」
赤い瞳を妖しく煌めかせながら、麻月は俺の肉棒をむんずと掴む。その手の感触、そしてついに彼女と一つになるのだという想いに胸が高鳴る。
片手で肉棒の角度を調節し……麻月は一気に腰を降ろした。
「きゃっはぁん♥」
「う、うあ、あ、ああ……ッ！」
麻月の膣内は溶鉱炉のように熱かった。しかも柔らかな突起のある肉のチューブによって、ペニスがきゅっと締め付けられる。それがゆっくりと収縮し、蠢き、肉棒をいじめ始めた。ヌメヌメとしたつゆだくの感触と相まって、玉袋の中身を全て吸い出されそうな快感を覚える。
だが、それだけでは終わらなかった。
麻月は馬上鞭を振り上げ……俺の脇腹をピシャリと打ったのだ。
「ぬああっ！」
馬上鞭もまた、彼女の魔力が宿る快楽鞭だった。痛みは一切なく、衝撃と同時に叩き込まれた快感に腰が跳ね上がる。
「あぁん！ そう、その調子で暴れてください、お馬さんっ♥」
ビシッ、ビシッとリズミカルに、麻月は俺に鞭を当てる。その度に拷問的な快楽が全身を犯し、反射的に腰が動く。肉棒が麻月の膣内を突き上げる！
「ふあああん！ き、気持ちいいっ♥ 先輩のチンポぉ……♥」
麻月の嬌声に、彼女の愛液が飛沫になって飛び散る音が混じる。彼女の方も俺の跳ね上がりに合わせて腰を使い始め、膣内のヒダが肉棒表面を擦っていく。
「あうぅぅ……麻月ぃ……」
「あはっ♥ そんな声、出しちゃって……情けない、んっ、お馬さん……♥ ほらほら、もっと暴れて！」
一際強く、鞭が当てられる。跳ね上がった腰が、蜜壷の奥までずんと突き上げた。
「うううっ！」
「あはぁっ♥ やればできるじゃないですかぁ♥」
後輩に快楽鞭で打たれ、踏まれ、犯され、馬扱いされ……それでも俺の頭は多幸感で一杯だった。
麻月になら何をされても、麻月を可愛いと思える。愛してしまえる。
そんな後輩の蜜壷の中に閉じ込められ、俺は再び追いつめられていた。
「あ、ああぁっ……麻月、もう……！」
「んぁっ♥ 早漏種馬さんッ、もう少し、ガマン、ですよ……♥」
麻月の緩んだ口元から唾液が垂れる。
「わた、しも……もうすぐ、イっちゃいますからね……♥」
俺の上で腰を踊らせながら、彼女は楽しそうな笑みを浮かべる。尖った耳が微かに震えていた。
麻月と一緒に絶頂したいという思いで、必死に射精をこらえて膣内を突き上げる。麻月もまたよがり、喘ぎ、限界に近づいていることが分かった。蜜壷の締め付けはより甘美なものとなり、麻月のとろけた表情と嬌声が目と耳を犯す。
「ま、麻月ぃ……！」
「んっ、あぅぅ♥ もう、少し……」
少しでも気を抜いたら射精してしまう。そこまで追いつめられたときになって、麻月は急に腰をひねってきた。それも一気に、体の向きを百八十度変えるように。
蜜壷の中で、肉棒がひねられるような感触。ねじれる膣内に擦り上げられ、俺のリミッターは弾け飛んでしまった。
「あ、う、おおおおおおお！」
そして、麻月も。
「あ、あああ、あぅぅぅぅん♥」
俺に背を向けて艶かしい声を上げる麻月の中に、大量の精液を吐き出す。体を震わせながら強く蜜壷を締め付ける麻月の媚態に、肉棒の中身はどんどん吸い出されていった。彼女の膣内を満たすかのように。
「うああああっ……麻月、麻月、麻月！」
「先輩ぃぃぃぃ♥」
まさしく種馬、俺の出したものは彼女の胎内へ迸り、汚し尽くして行く。可愛らしいお尻の割れ目のむこうに、膣から溢れ出した白濁が見えた。
同時に絶頂することで得られた一体感。俺と麻月の体は快楽という糸で強く結ばれてしまったのだ。蜜壷の中でペニスが溶け出し、本当に融合してしまったかのような錯覚も覚える。
激しい絶頂に身を震わせ、俺たちはゆっくりと呼吸を整えて行く。
「はぁ……ぅぁ……」
「あふ……ァン……」
やがて麻月の手から馬上鞭が滑り落ちた。背を向けてまたがる彼女の体が、ゆっくりと倒れてくる。
仰向けで俺の上に寝転ぶ麻月。甘い吐息や汗のニオイが間近で感じられる。さらりとした白い髪が頬に触れて気持ちいい。思わず彼女を抱きしめ、服の上から胸を揉んでしまった。
「……やぁ……♥」
可愛い声を上げ、麻月はくすぐったそうに身をよじった。ぷにっとした胸の感触を楽しんでいると、彼女はゆっくり俺の方を振り向く。赤い瞳と目が合った。
「せーんぱいっ……♥」
その表情と同じく、甘くとろけた声で彼女が呼びかけてくる。
「……麻月」
俺も彼女の名を呼び……。
「んっ」
「ん……♥」
今日は麻月に責められっぱなしだったが、この瞬間だけ俺と彼女は対等だった。
俺たちは同時に顔を近づけ、同時に唇を触れ合わせたのだ……
……その後、事後の麻月の姿を撮った写真が、ダークプリーストが主催する『愛欲フォトコンテスト』で最優秀賞を受賞してしまったのだが……
それはまた、別の話。
……end
13/01/13 23:29更新 / 空き缶号