「お兄様、こちらにおかけください」

　いつの間にか木の下に、花見で使うようなゴザと座布団、そして小さな盆が現れた。今更この程度では驚かず、勧められるままに座布団へ腰掛ける。真っ赤なモミジが風で揺れる下、シノちゃんは「失礼します」と言って、漆塗りのお盆を手に取った。
　ピンク色の幼い唇を窄ませ、お盆全体にふぅ〜っと息を吹きかける。その途端、食欲をそそる匂いが漂った。

「……どうぞ。朝ごはんです」

　屈託の無い笑みを浮かべるシノちゃん。何も無かったお盆の上には、湯気を立てる炊き込みご飯と茶碗蒸し……久しく口にしていなかった、まともな食事が並んでいた。

「……シノちゃんて、神様なのか？」

　そう尋ねたのは、昔読んだ日本神話を思い出したから。食物の女神が口や尻から料理を出して、それを下品だと思ったスサノオに殺されてしまう話だ。

「そんな！　私はただの樹の精ですよ」

　照れ臭そうに笑うシノちゃん。そう言われて何だか腑に落ちたというか、どことなく、この小ぶりなモミジの木とシノちゃんが似ている気がした。
　それにしても、俺にしては随分とファンタジックな夢だな。

　……いや、本当に夢なのか？
　夢でも飯の匂いがこんなに良い匂いで、こんなに腹が減るのか？

　そんなことを考えたが、とりあえず箸を取った。冷める前に食わなきゃいけない。
　熱い炊き込みご飯はほんのりと味が載っていて、キノコの香りやゴボウ、レンコンなんかの歯応えが良い。何かイモみたいな食感の、小さな粒も美味い。

「この小さいのは？」
「山芋のむかごです」
「ああ、これが」

　聞いたことはあるが、食べるのは初めてだ。一センチかそこらの粒なのに、何だか色々なものがギュッと詰まったような味と食感だ。

　スプーンを取って茶碗蒸しもいただく。卵は滑らかで、出汁の味が効いていた。銀杏も久しぶりに食べた気がする。

「美味い。久しぶりにちゃんとした飯を食ったわ」
「やっぱり。お疲れに見えましたから」

　シノちゃんは少し心配そうに俺を見ていた。顔に出ていたらしい……まあそりゃそうか、あんな生活はどう考えたって異常だったし。親父とお袋はそれが分かっているんだろうか。

「よく噛んで、食べてくださいね」
「うん、ありがとな」

　小さな女の子の優しさが身に染みて、ますます箸が進む。あっという間に茶碗が空になって、焙じ茶も全部飲んだ。
　ごちそうさま、と言うと、シノちゃんは満足げに微笑んだ。やっぱり可愛い子だ、と改めて思う。大きくなれば相当な美人になりそうだし、今でさえ肌の綺麗さとか、眼の輝きとか、髪の艶とか、人間離れした美貌が……いや、人間じゃないってさっき言ってたか。

「お腹いっぱいになりましたか？」
「うん、充分だったよ。本当に美味かった」
「よかったです。じゃあ、次は……」

　シノちゃんはにっこり笑い、手をパンパンと二回叩いた。
　その途端、空になった膳が消えた。強いてあったゴザも消えた。代わりに体をぬるめのお湯が包み込んだ。俺はいつの間にか裸になって、いつの間にか現れた、木製の小さな浴槽に浸かっていた。

「お疲れのときは、ぬるめのお湯に長く浸かるのが、良いそうです」

　浴槽の反対側で、シノちゃんが得意げな笑顔を浮かべている。ハッと下を見たが、お湯が淡い緑色に濁っているから、俺の体はほとんど見えていない。良かった、もう思春期になるだろう女の子に、こんなモノを見せていいわけがない。

「ありがとな。ここまでしてくれるなんて」
「いえ。せっかくお会いしたんですから、元気になってほしくて」

　本当に優しい子だ、涙が出てきそうになる。昔っぽい言い方だが、大人になったら良い嫁さんになれるだろうな……そのとき夫になるヤツが心底羨ましい。

　ふいに、ガサガサと音がした。見ると、シノちゃんに沢山のモミジの葉がまとわりついていた。首から下を覆い尽くすくらい、びっしりと。
　それが風に吹かれて、綺麗に飛んでいく。紅い葉の下から現れたのは、白い素肌だった。シノちゃんの着物がモミジの葉に変わって飛んでいった……そう頭が理解したとき、シノちゃんは全裸で浴槽へ入ろうとしていた。

「失礼しまぁす……」

　ほっぺたを赤らめて、少し恥ずかしがりながら、しかし楽しそうに笑いながら、浴槽のヘリを跨ごうとするシノちゃん。女の子の大事な所は両手で隠しているが、ピンク色の小さな乳首や、ツルツルの背中や、小さいのに丸く膨らんだお尻なんかが見えてしまう。
　いや、俺が目を逸らすべきなのに、できないんだ。美しすぎて。白い肌は見るからにスベスベだし、お尻や太もものラインはいつまでも見ていたいくらいだし。

「えへへ、お兄様」

　小さな浴槽だから、自然と間近に来てしまう。シノちゃんの息がかかって、駅でもらった飴玉に似た、甘い匂いがほんのりするくらい。

「お兄様のお身体、たくましい……」

　そればかりか、シノちゃんは大胆に、俺に抱きついてきた。全裸の体は柔らかくて、温かい。とくん、とくんと、小さな鼓動が聞こえる。それ以上に、俺の鼓動が早まっていた。

「し、シノちゃん……！」
「お兄様、シノのハダカで、ドキドキしてくれるんですね」

　俺の胸に耳を当て、うっとりとした様子のシノちゃん。湯気でしっとりとしたほっぺが、白いうなじが、幼いのに色っぽく見える。

「わたしたち……あやかしは、子供でも殿方の血を熱くする力があるんです。だからお兄様がドキドキするのも、恥ずかしいことじゃないんです」

　無邪気なのに色っぽい、そんな手つきで俺の胸板を撫でて、そのまま下半身へ。
　まずいだろ、コレは。いや……夢だから構わないんじゃないか？
　いやいや、だから……本当に夢なのか？

「お兄様、お兄様。シノのこと、抱っこしてくれますか？」

　……夢だ。夢じゃないけど夢だ。夢ってことにしてしまえ。どっちにしろ、シノちゃんは人間じゃないんだし。俺がロリコンというわけじゃないって趣旨のことも、いま言ってくれたような気がするし。

　抱っこしてしまえ。

「わ……！」

　小さな体をぎゅっと抱きしめると、シノちゃんは嬉しそうに笑う。
　柔らかい体だった。背中はすべすべとしていて、華奢な肩を腕の中に抱く感触も、髪の匂いも、ずっとこうしていたい気分にさせてくる。それに、自分の音に混じって小さな鼓動も伝わってきた。
　シノちゃんは神様じゃないと言ったが……神聖な子ではあるのかもしれない。少なくとも俺にとっては。

「えへへ、お兄様」

　間近で微笑んでいる唇が、ほっぺたが、とても可愛い。

「シノちゃんと会えて良かった」

　心からそう言って頭を撫でてやると、シノちゃんは自分のほっぺたを俺にスリスリしてきた。柔らかい。
　……ついでに、俺の股間も柔らかいモノに当たっていた。シノちゃんの太ももか、お尻か。

「……かたい」

　そっと肉棒を撫でて、呟くシノちゃん。さらに先端を指先でつつかれて、反射的にびくんと震えてしまう。

「わっ」

　驚きながらも、楽しそうに二回、三回と肉棒をつついてくる。くすぐったい感触に震えるたび、「わっ」「わぁ」と声を上げる。
　やばい、ムズムズしてきた。

「シノちゃん。あんまりエッチなことしてると、俺もシノちゃんの大事な所、触り返しちゃうぞ？」
「はいっ。優しく触ってくださいね」

　……恥ずかしがるか、もしくは「お兄様ならいいですよ」とか言われるのかと思ったが、すでに触ることが決定事項になっている返答だった。で、シノちゃんは湯船の中で立ち上がって、俺の向かいのヘリに腰掛けた。ミルク色の細い脚を左右に開いて、「大事な所」をよく見えるようにしてくれる。
　割れ目だ。毛は生えてなくて、つるつるの。ぴったり閉じた、女の子の大切な所。

　シノちゃんはほっぺを赤くしながらも、期待に満ちた目で俺を見てくる。その視線に引っ張られるように、指先でその小さな割れ目をつついた。表面はぷにっとしていて、柔らかい。少しだけヌルついているように感じるのは、多分気のせいじゃないだろう。
　両手で丁寧に、その割れ目を左右に広げてみる。

「う……⁉︎」

　その瞬間、甘い匂いがむわっと漂った。小さくてピンク色の、女の子の穴……そこから、駅でもらった飴玉と似た匂いが噴き出ていた。

「お兄様……？」

　シノちゃんの丸い目が、不思議そうに、ただし何かを期待するように見下ろしてくる。

　俺は一体何をやっているんだ……自分でそう驚くくらい自然に、小さな女性器に口を付けていた。

「ひゃぅん！」

　可愛い悲鳴を上げて、幼い体がぴくんと震える。
　シノちゃんのおまんこは、匂いの通り甘い味がした。酸っぱいとか塩っぱいとかいう話を聞いていたが、少なくともシノちゃんのは甘い。

「あっ、ひゃっ、お兄様っ……それ、きもちいい……！」

　頭を柔らかい物で締め付けられた。シノちゃんが綺麗な脚で、俺の頭をぎゅっと挟んできたからだ。当然、より一層股間に顔が密着することになる。その太ももを掴んで、柔らかくてスベスベの感触を楽しみながら、一心不乱に幼い割れ目をしゃぶった。

「お兄様ぁ、もっと、もっと……！」

　手と太ももで頭を抱き締められ、ひたすら割れ目と甘い汁を舐め続ける。うっかりすると鼻にも愛液が入りそうなくらい、沢山滴ってくる。小さな体がピクピクと震え始めた。

「んっ、きゃぁん」

　ぷしゅっ。
　炭酸の封を切ったように、音を立てて甘い液体が吹き出した。当然おしっことは違う。思いきり顔に浴びてしまったが、嫌な気分は全くない。

　シノちゃんの脚から力が抜け、荒い息遣いが聞こえる。

「えへへ……お兄様ぁ、気持ちよかった、です……♥」

　俺はこの子をイかせたんだ。
　まだ幼いおまんこを舐めて、イかせたんだ。
　そんな淫らな達成感を覚えた。子供だけど大人びたシノちゃんの顔は、別の意味で大人っぽいとろけた顔になっている。塩を吹いた割れ目はまたぴったりと閉じていたが、まだ少しトロトロが漏れていて、元の清楚な割れ目には戻っていない。

　そして、シノちゃんの淫らな液体を顔面に浴びて、俺の股間は最高潮に疼いていた。
　俺が立ち上がると、シノちゃんは反り返った肉棒を見て「わっ」と声を上げた。これを今し方舐めさせてもらった割れ目にいきなり挿れても、この世界ならきっと嫌がられないだろう。だけど、性欲に任せてそんなことをするのは気が引ける。

「今度は、シノちゃんがしてくれるか……？」
「はい！　がんばります！」

　シノちゃんは元気よく、嬉しそうに応じてくれた。浴槽の縁から降りて、小さな唇を俺の股間へ近づける。
　まずはちゅっと、亀頭にキスされた。それだけでたまらなく気持ちいい。唇が柔らかい。

　それから、味見をするように舌先で軽く舐めてくれる。そして俺を見上げてニコッと笑うと、口を開けて亀頭を咥えた。

「んっ、んもっ」

　少しだけ、カリッと歯が当たったが、痛くはない。小さなお口で一生懸命に肉棒をしゃぶって、吸ってくれる。舌や、ほっぺの裏側の温かくて柔らかい感触がたまらない。

「すげぇ、シノちゃん……気持ちいい……！」
「んふふっ」

　肉棒を頬張ったまま、楽しそうに笑うシノちゃん。さっきから出したくてたまらなくなっていたから、もう限界近い。
　すると苦しくなったのか、シノちゃんはちゅぽんと音を立てて、肉棒から口を離した。

「ぷはっ……えへへ」

　赤らんだ顔は、こんな小さな子がしちゃいけない、淫らに蕩けた顔だった。
　その目でじっと、爆発寸前の男性器を見つめる。

「何だか、おちんちんって……カワイイっ！」

　猫が猫じゃらしにじゃれつくように、俺の股間へ飛びついてくるシノちゃん。ほっぺたで肉棒にすりすりされた瞬間、全部決壊した。
　どくん、と音を立てて脈打った股間から、精液が一気に吹き出す。

「きゃっ♥」

　小さく悲鳴をあげるシノちゃん。その可愛いほっぺたに、白くて生臭いものがべっとりとかかった。
　気持ちいい。しかもいつもの射精とは違って、一瞬では終わらなかった。止まらずに精液が吹き出して、バシャバシャとシノちゃんの顔を汚してしまう。綺麗で良い匂いのする黒髪を、生臭い白い液体で汚していく……罪深いことだろうに、気持ちいい。

　それに、そんな目に遭わされたシノちゃんは、とても嬉しそうだ。

「わっ、あははっ。お兄様、すごぉい！」

　まるでシャワーでも浴びるみたいに、肉棒を掴んで、頭から精液を浴びていた。俺の精液を、だ。
　笑顔の口の中には、白い歯が綺麗に並んでいる。そして肉棒を舐めてくれた舌も、ピンク色で綺麗だ。

　その温かい口が恋しくて、まだ射精している肉棒をもう一度差し込む。

「んっ！」

　シノちゃんはすぐに、また吸ってくれた。射精の勢いが少し落ち着いた精液を、こくんこくんと、可愛い音を立てて飲んでくれる。
　気持ちよさが落ち着いてくると、シノちゃんは「ちゅっ」と音を立てて、中に残った精液まで吸いきった。抹茶を飲み干したときの作法をふと思い出した。

「……気持ちよかったよ、シノちゃん。ありがとうな」
「わたしの方こそ、ありがとうございます……お兄様ぁ」

　蕩けた笑顔のシノちゃんが、ほっぺや髪に着いた精液を指で取っては舐めている。こんな生臭いものを、美味しそうに。

「ん……わたしたち樹霊は、男の人の精を吸うと、もっと強く、綺麗な樹になれるんです」
「へぇ……」

　どうやら俺が気持ちよくなっただけじゃなくて、シノちゃんにとっても良いことだったらしい。

「シノちゃんのためなら、いっそ死ぬまで吸われてもいいかもな……」

　何となくそう呟いた途端、シノちゃんにほっぺを抓られた。

「お兄様、死んじゃうなんてダメですっ！」
「……ごめん」

　軽い気持ちで言ったが、シノちゃんは丸い目で真っ直ぐ俺を見て叱った。叱ってくれた。
　なんか、他人からこんな風に大切にされたのは、久しぶりな気がする。一番俺を大切にしてくれた人が、今や……。

「……お兄様」

　俺の隣に座り、シノちゃんは微笑んだ。

「もし、よかったら……このまま、わたしと一緒に……」