連載小説
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あつくこおる

 ああ、畜生め。
 頭が痛い。寒い、体が冷える。



「……大丈夫だよ、ほら。こうして、くっつけば……」

 ヒヨミさんの声がした。冷たいおっぱいが顔に押し付けられる。ああ、マジで柔らかい。確かに冷たいのに、なんか体の芯が温まってくる。
 手を伸ばし、無我夢中で胸を揉みまくる。柔らかさを感じているうちに、どんどん気分が良くなってきた。

「ぁん……あたしの父様と同じで……おっぱい、好きだね」
「好き……です……」

 胸の谷間に埋もれた口で、ぼんやり答える。ヒヨミさんはそれがおかしかったのか、胸に当たる息がくすぐったりのか、くすっと笑った。

「愛おしいなぁ……」

 おっぱいが顔から離れた。ぷるんと震える膨らみと乳首、俺を見下ろして微笑むヒヨミさん。今度は胸に代わって、唇が近づいてきた。
 唇もひんやりとして、ぷるぷると柔らかい。けど舌と一緒に入ってきた息は温かくて、寒さがすーっとなくなっていく。思わずヒヨミさんの後頭部を抱きしめて、夢中で舌を絡めあった。ああ、これがファーストキスだな、俺。

 唇が離れると、ヒヨミさんは幸せそうな顔で俺を見下ろしていた。俺の方も寒気やひもじさが無くなって、辺りの様子が分かってきた。

 畳の上に寝かされている……温泉からさっきの部屋へ戻ってきたみたいだ。またヒヨミさんが運んでくれたのか。いや、そもそもヒヨミさんに氷柱を突き刺されたはずなんだが、刺された胸に傷も痛みもない。けど確かに心臓まで冷たいものが突き通った、そんな感触はあった。

「……あたしら氷柱女は、まあ……悪い妖怪なの」


 ……俺の頰を撫でながら、ヒヨミさんはゆっくり話してくれた。

 風呂場で聞いた通り、氷柱女はいつも孤独感に苛まれている。氷の妖怪なのに寒さを感じて、凍えそうになるくらい。そしてそれを癒せるのは、人間の男の持つ熱なんだと。大抵の氷柱女は雪山の奥とかに住んでいるから、男と出逢えばその貴重な機会を逃すまいと襲いかかり、ムリヤリ手籠にしちまうんだと。

「あたしは商売してるから、まだ良かったの。他の人たちと繋がりがあるから、寂しさも和らいだ……だから、あんたもちゃんと、現世に帰すつもりでいたんだけど……」

 ヒヨミさんはなんだか、申し訳なさそうな顔だ。俺の胸……氷柱を突き刺された所に、そっと指を触れてくる。なんとなくだが、何をされたのか分かった気がした。
 さっきまでの寒さは、氷柱女が普段感じている寒さってことだろう。ヒヨミさんがそうであるように、俺の方もヒヨミさんが必要になっちまったんだ。

「ごめんね。あんたとくっついてみたら、手放すのが無性に惜しくなっちゃった」

 冷たいのに温かい手が、俺の股間に触った。さっきあれだけ出したのに、またギンギンになっているところへ。

「もしあんたが『帰りたい』なんて言ったら……氷漬けにするかも」

 すーっと、ヒヨミさんが俺の下半身へ移動した。お互いに裸のままで、今度はあの大きな胸が、股間へ近づいてくる。

 これって、まさか。そう思った途端、俺のナニが胸の谷間へ挟み込まれた。
 パ……パイズリってやつだ。実在したのか。いや、架空の行為だと思ってたわけじゃないが、まさか自分がしてもらえる日が来るとは。
 冷たいのに何故が気持ちよく感じる、柔らかくてずっしりしたおっぱい。それが俺のナニを挟み込んで、激しくむにゅむにゅしてきやがる。本当にやるならローションが無きゃ気持ちよくないって聞いたが、ヒヨミさんの胸はなんだか滑らかで、それこそ氷みたいにつるつると竿を滑っていく。

「やっぱり熱いね、コレ。胸が溶けて、ぺたんこになりそう」
「え!?」
「ふふっ、冗談冗談」

 つるん、つるんと竿を滑っていく、素晴らしすぎるおっぱい。ヒヨミさんは楽しそうに膨らみを上下させて、俺を気持ちよくしてくれる。

 ……なんか、俺のナニがデカくなってないか?
 同年代の中じゃ、まあ普通くらいのサイズだったと思うんだが、なんか胸の谷間から先が出るくらいになってる。何か術でもかけられたのか、これもあの氷柱の効果なのか。

 いや、もうどうでもいいわ。ヒヨミさんがこんなことしてくれているんだから、楽しむことに集中しなきゃ勿体無いわ。

「ヒヨミさん、さ、触らせてください……!」
「ん、いいよ」

 許しが出るか出ないかのうちに、俺は大きな膨らみに手を伸ばしていた。冷たさとモチみたいな感触とのギャップ、ずしっとした重み。夢中で揉んでいるうちに、その間に挟まれたナニがますます気持ち良くなってきやがる。青い瞳が、俺のナニと顔を交互に見つめてくる。

 やっぱり視線には力があるんだな。この目に見られてるだけで、気持ちよさが倍増して……

「ヒヨミさんっ、出るっ……」

 大きなおっぱいが、むにゅっと寄って。突き出た亀頭を包み込んだ。
 氷みたいな瞳が、溶けかけたように潤んで俺を見つめてくる。風呂場で抜いてもらったときより大きな、少し怖くなるくらいの快感が込み上げてきやがった……!

「う、あああっ!」

 ……叫びながらした射精は、最高に気持ち良かった。左右から柔らかく圧迫されたまま、ぴったり閉じられた谷間で、ドクドクと精が吐き出されていく。
 ヒヨミさんはそれを封じ込めるみたいに、ぎゅっと強く胸を寄せてきた。谷間でぺニスが激しく脈打つから、おっぱいまで小刻みに震えている。それがまたエロくて、射精が勢いを増した。

「あはっ、まだ出してる……」

 楽しそうに笑うヒヨミさん。ぴったり閉じられた谷間から、じわじわと白濁が滲み出てきた。生臭い臭いが広がっても、彼女おっぱいでナニを抱き続けてくれた。そのおかげで、俺は最後の一滴まで、胸の谷間は注ぎ込むことができた。

 ねちょっ……いやらしい音を立てて、おっぱいが離れた。おっそろしくエロい光景だ。左右の膨らみと肉棒、それぞれの間に精液が何本も白い糸を引き、ダラダラ垂れ落ちている。俺の金玉のどこにこんな精液が入っていたんだと思うくらい、凄い量だった。
 ヒヨミさんまで息が荒くなっていた。俺の股間……まだ上を向いている肉棒に、視線を落としながら。

「……ね。あたしの本性、覗いてみる……?」

 白い糸を引く胸が離れて、ヒヨミさんは後ろを向いた。つるつるの背中がこっちへ向けられ、そのままお尻を突き出して四つん這いになる。
 反射的に布団から起き上がった。やっぱり青白くて丸いお尻は、胸と同じくらいエロい。太ってるわけじゃないがしっかり膨らんで、桃型で、谷間からお尻の穴も少し見える。

 けどそれよりも、その下にある『割れ目』だ。透明な汁とタラタラ流して、何かを待っているみたいに少し開いている。毛が生えていないのは剃っているのか、妖怪は生えないのか。綺麗な背中越しに、俺にじっと視線を送ってくる。
 死んだじいちゃんから『据え膳食わぬは男の恥とは言うが、据え膳は大抵毒膳だから気をつけろ』なんて言われたが、こればっかりは食わないわけにいくか。もう毒ごと食らってやる。

 ヒヨミさんのお尻をぐっと掴んだ。弾力がある、でかすぎない、けどしっかり膨らんだお尻だ。いつまでも撫でていたいくらいだが、今はその時じゃない。
 俺のナニの先に、ヒヨミさんのアソコがある。肩越しにこっちを見るヒヨミさんも息が弾んでいた。ええと、まず前戯で濡らさなきゃいけないんだろうが、これだけトロトロになってりゃ大丈夫だろ。

「……シて、くれるんだ……?」
「そりゃ、もちろん……!」

 アソコの割れ目に、亀頭をぐっと押し当てる。入り口は冷たかったが、中に少し挿れると急に熱く感じた。口の中があんまり冷たくなかったのを思い出す。

 ヒヨミさんの本性。
 その言葉が頭を過ぎったとき、俺の肉棒はつるっと根元まで入っちまった。まるで、吸い込まれるみたいに。

「あ、ンっ……♥」
「うおっ、熱っ……!」

 ヒヨミさんの中。股間が溶けそうなくらい、本当に熱くて、きつく締め付けてくる。
 これが妖怪の体なんだ、って改めて思った。たった今まで童貞だった俺でも、これが明らかに人間のアソコとは違うって分かる。全力で精液を搾り取ろうとするような、『魔性』って言葉が浮かぶような、そんな女性器だ。

「入って、きたぁ……ふふっ」

 こっちを振り返るヒヨミさんの笑顔は、ゾクッとするほど綺麗で……汗だらけだった。

「あたしのナカ、どう……?」
「な、なんか、すげぇ熱いっす……!」
「へぇ……あたしには、んぅ、あんたのコレの、方が……火傷しそうなくらい、熱く感じるよ……♥」

 アソコの中が、ウネウネ動き出した。細かいヒダが肉棒をくすぐって、このまま漏らしそうなくらい気持ちいい。

 思わず、そのまま抜き挿しを始めた。

「ふあぁんっ♥」

 ヒヨミさんが甲高い声を出した。こんな声を出すのか、ってくらい可愛い声。二回、三回、四回、何度も突き入れる。

「ちょっ、それっ♥ ひゃぁっ♥」

 よがって、喘ぎながら、しっかりお尻をこっちへ突き出してくれるヒヨミさん。やっぱりこの人、めちゃくちゃエロい。青白くて、一見血の気のないお尻も無性にエロい。中がメチャクチャ熱いってのが尚更エロい。
 これがこの人の本性なんだ。

「ヒヨミ、さんっ……!」

 もっとこの感じを味わっていたい。けどさっきまで童貞だった俺に、その魔性の穴は気持ちよすぎた。出した後のせいで敏感になって、そのくせ玉が痛くなったりもしないで、いくらでも出せそうなくらい力が溢れてやがる。脈打ち始めたら、もう止まらなかった。

 狭く締まったその中へ、どくどく注ぎ込んでいく。ただ気持ちよくなることしか、ひたすら出すことしか考えられなかった。ヒヨミさんも声を上げているけど、何を言っているのかは分からない。
 それくらい、ただ気持ちよさに身を任せていた。



「……いっぱい、出してくれて、ありがと」

 そう言われて我に返ったとき、ヒヨミさんの体は汗まみれだった。まるで、溶け始めたみたいに。

「ヒヨミさん、だ……大丈夫、なんですか……?」
「……ふふっ。平気だよ」

 額に汗を垂らして、ヒヨミさんは笑顔を見せてくれた。肩で息をして、おっぱいが揺れている。どこまでもエロい。

「あたしの母様も、人間の父様と交わって、あたしを産んだから」
「え……?」

 人間と妖怪で子供ができる?
 つまり、俺が今出した精子も……

 ぬるっと、ナニがアソコから抜けた。綺麗な割れ目から、白いのが糸を引いている。ヒヨミさんは笑って俺を見ていた。

「何回もシなきゃ、簡単にはできないらしいけどね。もしできても、あたしがちゃんと責任取ってあげるから」
「い、いや、そんな! 責任だなんて!」

 責任取るとか、女の子に言わせていい言葉じゃない。いや、どっちに責任があるかと言えば確かにヒヨミさんかもしれないけど、俺だってヤリたくて受け入れたんだ。妖怪と子供ができるとか考えてなかったが、それで済む話じゃない。
 第一、ヒヨミさんとの子供とか……むしろ、できてほしい。

「俺だって取りますよ! 父親らしく……何か仕事もして、ヒヨミさんのためにも……」

 言いたいことがまとまらねぇ。ヒヨミさんにクスッと笑われた。

「帰りたくはないの?」
「……帰りたいって言ったら氷漬けなら、帰りたくないって言ったらどうなるんスか?」
「あはっ、そりゃ大変なことになるよ」

 青白い、汗まみれの体がゆっくり立ち上がった。おっぱいがぷるって揺れて、アソコからは白いのと透明なのが混ざって垂れている。それもゆっくりと固まって、汗と一緒に小さな氷柱になってきていた。
 そんなエロすぎる人外の裸体が、ふいに襲いかかってきた。ずっしりしたおっぱいが、のしかかるように俺を押し倒す。

「そんなこと言ったらあんた、毎朝あたしの作った味噌汁飲まされて、膝枕で耳掃除されて、旦那様って呼ばれて……」

 ヒヨミさんが状態を起こして、割れ目を俺の股間の上に持ってくる。二回出しても、まだまだ俺のナニは元気だし、性欲も治らない。

「毎晩、子作りする羽目になっちゃうよ?」
「帰りたくないっす!」

 他に答えは無え!

 その瞬間、ナニがアソコに飲み込まれた。さっきよりもっと熱くなってヌルついた、魔性のアソコに。ヒヨミさんは一心不乱に腰を上下させて、こっちの股間が溶けそうな、まるで溶鉱炉みたいな穴で俺を貪っている。

「あふっ、んっはぁぁ♥」

 無我夢中。そんな瞳で俺を見下ろして、とろけた笑顔を浮かべるヒヨミさん。あんなに綺麗な人が……いや、今も綺麗だけど、こんなに乱れるのかってくらい。見とれながら俺も下から突き上げて、そうするとヒヨミさんは身を仰け反らせてよがった。

「きゃっはぁ♥ すき、好きだよぉ……旦那様ぁ♥」
「俺もっ、俺も好きですっ! ヒヨミさん!」


 ……青白い裸体から氷柱がポロポロ溶け落ち、俺の体で水になっていく。俺は何回も射精して、ヒヨミさんも何度もイった。玉のどこにこれだけ精液が入っているんだか。

 もう俺は人間じゃなくなったのかもしれない。けど、それでいいんだ。


 人間の俺は、あのとき熱中症で死んだ。これからは、生まれ変わったつもりで……


 ずっと……
23/10/22 23:46更新 / 空き缶号
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