いじわる、いちゃいちゃ
「コウキくん、おしりペンペンされてもボッキしてるんだね……」
「スケベさんですね……それとも、『まぞ』っていう人なんでしょうか……」
お尻ペンペンが終わると、僕の体は紐のような何かでグルグル巻きにされた。手足を何重にも巻いて拘束され、ただ勃起した哀れなペニスと、縮んだ睾丸だけが外に出ていた。
赤い瞳が妖しく煌めき、僕の顔を覗き込む。
「人間さんは、まっくらだとなにも見えなくて、かわいそう……」
「アカネたちには、ちゃんと見えているんですよ……コウキくんの、はずかしいかっこ」
つん、と指先が肉棒の先端に触れた。それだけでもたまらなく気持ちいい。恋焦がれて眠れなくなった、双子達の指先なのだ。
「じゃあ、コウキくんもオバケにしてあげよっか」
「え……?」
トモネちゃんの口から、予想外の言葉が飛び出した。
「トモネちゃん、そんなことできるの……?」
今のはアカネちゃんにとっても予想外だったらしく、興味深げに聞き返していた。
「カンタンだよ〜。ぐるぐる巻きにしたコウキくんを、こうやって……」
トモネちゃんの声が、上へ遠ざかる。そして僕の体が何かに引っ張り上げられ、宙に浮かび始めた。
「天井からつるして……はい、ミノムシさんのオバケ」
「あはははっ」
アカネちゃんが笑いながら手を叩いた。ミノムシそっくりに宙へ吊るされ、暗闇の中でぶらぶらと揺れる僕。ちんちんは丸出し。恐怖感と恥ずかしさで思わずもがいてしまうけど、僕を吊るしている紐は頑丈で、全く切れる様子がなかった。
そんな虚しい抵抗を、赤い瞳がじっと観察していた。
「ほどいてほしいんですか……? おしおきだからダメですよー」
「それとも……おちんちんに、さわってほしい?」
耳元で尋ねられ、背筋がゾクゾクする。ちんちんからはもう先走りが垂れていたと思う。
「さ……さわって……ほしい……さわって、ください……!」
恥も外聞もなく懇願した。それをしてもらいたくて、眠れなかったのだから。
双子たちはクスクスと楽しげに笑っていた。
「しょうじきに言えてエライね……でも、ダメ……♥」
「おしおきですからね……ふふっ……♥」
その言葉通り、二人は僕の股間に手を触れなかった。その代わり僕の耳に口を近づけ、ぺろぺろと舐め始めたのだ。綺麗に耳垢を掃除された耳は敏感になっていて、ぬめる舌が這い回る度に体がゾクゾクする。よだれがぺちょぺちょと音を立て、耳の穴に流れ込んでくる。
「ちゅ、れろっ……おいし……♥」
「ちょっとしょっぱい……じゅるっ……♥」
たまに歯を立てて甘噛みしながら、二人は耳を責め続ける。耳がどんどん気持ちよくなっていく。その間も、人のものではない手足が体を抱きしめ、ときにくすぐっていた。
さらに、指が乳首を弄ってきた。ぬるりとくすぐったい指先に、吊るされたまま身をよじってしまう。
「えへ……男の子おっぱいにも、よだれつけちゃいます……♥」
「危ないからあばれちゃダメだよぉ……♥」
たくさんの脚で僕を押さえつけながら、トモネちゃんの赤い瞳が僕の胸元へと移動してきた。
「男の子おっぱい、おいしそう……あむっ♥」
「うぁっ!?」
トモネちゃんは僕の胸に噛み付いてきた。歯を立てて、でも痛くはない優しい甘噛みだった。さらに乳首をペロペロと舐められて、それまで経験したことのない感覚が広がった。そういえばトモネちゃんとアカネちゃんも、おっぱいを触られて少し気持ち良さそうだった。
本当に不思議な感覚だった。好きな女の子に体をいたずらされるのが、こんなに気持ちいいなんて。触られていない股間にまでその快感が集まって……
気がつけば、暗闇の中に射精していた。
「えっ?」
「あれ……?」
どくどくと脈打つちんちんを、赤い瞳がじっと見つめていた。二人には迸る白濁が、はっきり見えているのだろう。後から知ったけれど、普通はこんなにたくさんの精液は出ないし、一度出した後は凄く疲れるものらしい。人の身でこの世界の食べ物や飲み物を口にしたことで、すでに体に変化が起きていたようだ。
畳を思い切り汚したであろう白濁を、二人は静かに観察し、僕へ向き直った。
「おちんちん、さわってないのに……」
「そんなに、きもちよかった……ですか……?」
双子たちとしては『お仕置き』として、焦らすつもりだったのだろう。それが耳と乳首を責めただけで射精してしまったので、びっくりしたようだ。
「……トモネちゃんと、アカネちゃんのこと、大好きだから……だから、きもちよかった……」
恥ずかしさを感じながらもそう言うと、赤い瞳は数回瞬き、暗闇の中は沈黙に包まれた。
すると、あの硬くてつるつるとした脚が、僕の胸をつついた。先の尖った、冷たい感触の脚だ。
「コウキくん、これ、トモネのあしだよ……? トモネたち、バケモノなんだよ……?」
「ほんとうに、こわくないですか……?」
そう尋ねる二人の声は、心配そうだった。二人がどんなオバケなのか、そのときには何となく勘付いていた。胸をつつく脚の感触も、あの足跡も。
そして何となく分かった。二人が自分たちの姿を見られたくないのは、怖がられるのが怖いのだと。
「バケモノでも、こわくても……やっぱり大好き、だよ……」
僕が口にしたのは、正直な気持ちだった。未知の存在が怖いのは事実だけど、それは好きか嫌いかには関係ない。二人のお父さんの話を聞いていたから、そのことに気づいた。人間とオバケでも、好きになれるんだって。
「……アカネちゃん……灯り、つけちゃおっか」
僕の言葉を聞いて、トモネちゃんがそんなことを言った。
「コウキくんが、トモネたちのすがたを見て……それでも大好きって言ってくれたら……おしおき、やめてあげようよ」
「……そうだね。もし、キライって言ったら……もっとヒドイことしちゃいましょ」
「うん。そのときは、泣くまでイジメちゃおう……」
静かな声で話し合い、二人はパンと手を叩いた。部屋の中にポツポツと光が灯る。囲炉裏と同じ、魔法の火。シャボン玉のような物に閉じ込められた火が、部屋の中にふわふわと漂って、中を照らす。使い込まれた畳も、二人の寝ていた可愛らしい花柄の布団も、畳を汚した僕の精液も。
そして、二人の姿。二人とも裸だった。白い肌に、赤い瞳、おかっぱ頭の黒い髪。ピンク色のかわいいおっぱい……トモネちゃんのには変わらず黒子もあった。違うのは耳が尖っていることと、目の下からほっぺたに赤い模様が走っていること。なんだか神秘的で、可愛い。
大きく違っていたのは、腰から下だ。裸足の白い二本の脚は、硬い表皮で覆われた、節のある細い脚に変わっていた。黄色の黒の縞模様が走る、八本の蟲の脚。そして同じ模様の蟲の腹……蜘蛛の体に、人の上半身が繋がっている形だった。
鮮やかな警戒色の外骨格は、光を浴びて妖しく輝いていた。固そうな蜘蛛の体に対し、おへそから上の肌は先ほどまでと変わらず柔らかそうだ。
トモネちゃんが再び、蜘蛛の脚で僕をつついて、反応を伺う。そんな仕草がかわいらしくて、思わず笑ってしまった。
「……ちょっと、コウキくん……何がおかしいの……?」
「何か言ってくださいなっ」
文句を言いながら、二人も微笑んでいた。
「やっぱり、トモネちゃんもアカネちゃんもかわいい!」
僕は大きな声で言った。二人は「ほんと?」「きもちわるくないですか?」と尋ねながら、目を潤ませていた。
トモネちゃんが僕の頭上へ手を伸ばしたかと思うと、僕を吊るしていた糸がぷつっと切れた。落ちた僕をトモネちゃんが抱っこして、自分たちの布団へと座らせた。そして彼女はウキウキした表情で、自分のお尻……縞模様の蜘蛛のお尻を向けてきた。
「ほんとにトモネたちのこと好きなら……このお尻に、ほっぺたスリスリしてみて?」
なんとなく興奮した様子のトモネちゃん。僕は躊躇なく、そのお尻へ頬を擦り付けた。すべすべと滑らかな感触で、人肌と違って冷たいけど、どこか血の通った感じがした。やっぱりこの蜘蛛の部分も、女の子の体なんだと思った。
「ふふっ、してくれた……♥」
「コウキくん、アカネにもしてくださいっ」
アカネちゃんもお尻を突き出してせがむ。同じように頬をすり寄せ、ちらりと表情を伺うと、とても嬉しそうだった。
「トモネも、コウキくんが好きっ♥」
突然、がばっと布団に押し倒された。上にトモネちゃんが覆いかぶさって、とろんとした笑顔で見下ろしている。体は相変わらず蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされていて、彼女が「見て」と指差したのは、おへその下。人の体と蜘蛛の体の境目あたりだ。
なんだろう、と思った瞬間、そこの外骨格が一部消えた。出てきたのは……割れ目。駅で見たアカネちゃんのと同じ、『だいじなトコロ』だった。違うのはその割れ目から、よだれのような液がヌルヌルと垂れていたことだ。それが僕の股間へぽたぽた落ちると、何だかすごくエッチな気分になってきて、さっき出したばかりのちんちんが起き上がる。
「トモネちゃん、するの……?」
「うん、もうガマンできない……今から、トモネの下のお口で……」
優しい指先が、ペニスの包皮をつるんと剥いてくれた。皮の中に残っていた白濁が垂れてくる。トモネちゃんの割れ目からは甘酸っぱい香りが広がり、むせ返りそうなほどだ。
「コウキくんのおちんちん、食べちゃうねっ……♥」
蜘蛛の脚が縮み、トモネちゃんの腰が降りる。『下の口』はぱっくりと、僕のちんちんを飲み込んでしまった。
ぎゅっと強い締め付けが股間を襲い、まさか本当に食い千切られるんじゃないかと思った。けれど。
「きゃぅぅん♥」
「うあ、ふぁ、なに、これぇ……!?」
僕は思わず、全身を痙攣させてしまった。トモネちゃんの中はたまらなく気持ちよかったのだ。ヌメヌメしたお肉が、ちんちんを食い千切りそうな力で締め付けてくるのに、とても温かくて、中に生えた粒がくすぐってくる。アカネちゃんの言った「男の子とつながる」というのは
これなんだと気付いた。このために、女の子のあそこには割れ目があるのだ。
「あぁんっ、キモチイイっ♥ コウキくんのおちんちん、キモチイイ♥」
「うぅ、あぅ、ぼくも、僕もキモチイイっ……!」
糸で縛られていなければ、トモネちゃんの体にしがみついていただろう。そのくらいの未知の快感だった。トモネちゃんの潤んだ目と、だらしなくよだれを垂らした口元が興奮を増した。今まで妖しくも上品な雰囲気だった女の子が、こんなに品の無い顔で悦んでいるなんて。
甘酸っぱい匂いが強まった。すぐ側でアカネちゃんが、自分の割れ目に指を入れていたのだ。
「トモネちゃんとコウキくん、つながってる……愛しあってる……きもちよさそう……♥」
うっとりとした声で呟くアカネちゃん。そちらに目をやっていた僕は、トモネちゃんによって強制的に顔を上に向けさせられた。
「ねっ、コウキくんっ♥ 出したい? トモネのナカに、あんっ、せーえき、出したい……?」
「と、トモネちゃんの、ナカ、に……ぃ……?」
そんなことをしていいのだろうか。何かとんでもないことをしているんじゃないか。そんな心配は、快楽の前にあっさりとかき消されてしまった。
「出したいっ! ナカに、出したい!」
「ふふっ、んんぅ、そっかぁ……じゃあ」
トモネちゃんは蕩けた顔に、ふと意地悪な笑みを浮かべた。
「やーめ、たっ♥」
ぬるり、と股間から離れる女性器。ふいに外気にさらされたペニスが、虚しげにピクつく。中途半端に快感を中断され、僕はある意味絶望に近い感情を抱いた。
「な、なんで……?」
「だってぇ……このナカにせーえきを出していいのは、旦那さまだけだもん」
「そうですよぉ……ケッコンする人、おむこさんになる人じゃないと……ナカ出しはいけないんですよぉ」
自分のそこを弄りながら、アカネちゃんも意地悪に笑っている。旦那様、結婚、お婿さん……僕が嫌いだった言葉だ。
「コウキくんがトモネと、アカネちゃんともケッコンしてくれるなら、ナカに出せるんだけどなぁ……」
「そうしたら、コウキくんは……二度とお家に、帰れないですね……」
二人は耳元で囁く。結婚すれば、中に射精できる。二度と帰れなくなる。
「ずーっとこのお家で、トモネたちといっしょに暮らして、おんなじお墓に入るんだよ……? それでもいいなら、ナカにせーえき、出せるよ……?」
「どうしますかぁ……? おむこさんに、なっちゃいますか……?」
二人はささやくだけで、また耳を舐めることはなかった。また先ほどみたいに、触れずに精液が暴発するのを防ごうとしていたみたいだ。結果、二人の目論見は上手くいって、ささやき声のゾクゾクした快感は僕を生殺しにするばかりで、このままでは射精などできなかった。
でも僕の頭の中には、精液を出すよりも大事なことが浮かんでいた。ずっとこっちの世界にいて、二人と一緒に生きて、一緒に死ぬ。それの何が悪いんだ。
生まれて初めて女の子を好きになって、その女の子たちも僕を好きだと言ってくれる。もっと楽しく生きていいんだと教えてくれたのは、親でも教師でもなく、この双子の蜘蛛たちじゃないか。
結論を出すまでに、時間なんてかからなかった。
「ケッコンする! ずっとここにいる!」
「……ほんと? ほんとにいいの?」
「トモネちゃんだけじゃなくて、アカネともケッコンしてくれますか?」
「する! 二人のことが大好きだから……!」
そう言ったら、二人は花のような笑顔を浮かべて、互いの顔を見て喜んで。
アカネちゃんは自分のあそこを弄り続け、トモネちゃんはまた僕の上に覆いかぶさって。
ペニスは再び、下の口に食べられた。
「ああああっ、あ、あっ」
「コウキくんっ、大好きっ♥ ナカに出してぇ……♥」
興奮したトモネちゃんは、僕の顔をペロペロと舐め回し始めた。僕と同じように、彼女も気持ちいいんだ。
後はもう、止まることなんてない。甘い匂いに溺れながら、欲望の赴くまま精液を解き放った。
「ふああああっ、出たぁ♥ あついの、トモネのナカ、入ってきてるのぉ……♥」
膣口がぴったりと締まり、精液を一滴も漏らすまいとばかりにペニスを締め付けてきた。狭い膣内にどくどくと射精し、トモネちゃんのすらりとしたお腹が若干膨らんだような気がした。
頭が真っ白になりそうな、あの快感。二、三分は続いた射精が、僕とトモネちゃんをまとめて幸せにしてしまった。
やがて脈打ちがゆっくり止まる、トモネちゃんは僕の頬にキスをしてくれた。
「えへへ……ありがとう、旦那さま♥」
そう言って微笑む彼女の頬には、キラキラと涙が伝っていた。悲しい涙ではないことは分かる。
このまま抱き合って寝たら、幸せだろうな。そう思ったけれど、トモネちゃんは僕の上から離れてしまった。
代わりに覆いかぶさってきたのは、アカネちゃん。自分で弄っていた割れ目はもうびしょびしょで、僕の股間に垂れてくる量も凄かった。白い頬を真っ赤にして、息も荒く、指先でちんちんを掴んでくる。
「休んじゃダメですっ……次はアカネの番、ですから……っ」
「旦那さまはがんばらなきゃダメなの……がんばれっ、がんばれっ♥」
ひどく興奮しているアカネちゃんに、隣に寝転がって応援してくれるトモネちゃん。僕も頑張らなきゃという気持ちになって、そのせいかちんちんはまだガチガチだ。
「でも、その前に……コウキくんに、いいもの作ってあげます」
そう言うなり、アカネちゃんは蜘蛛のお尻から、ぴゅっと糸を出した。手でそれを束ね、おり返し、平たい帯を作る。それをぼくの首に巻きつけ、そこから伸びた一本の糸を手に持って、笑って見せた。
「ほら、ワンちゃんの首輪です……♥」
「アカネちゃん、ひどーい……でも、にあってる♥」
クスクスと笑う二人。柔らかな首輪は苦しくなくて、でも何だか恥ずかしいような、照れくさいような気分になった。アカネちゃんはその首輪へ繋いだ糸を軽く引っ張りながら、僕の上に腰を下ろす。
駅で見た割れ目が迫ってきた。あのときはただつるっとした割れ目だったけど、今度はいやらしい汁が滴って、少し開いて中のピンク色が見えている。ちんちんはないけど、小さな突起があるのは見えた。
「それじゃ、ワンちゃんのコウキくんを……しつけちゃいます」
小さな割れ目が口を開け、上を向いたペニスを咥え込んできた。
「きゃ、はぁんっ♥」
「あ、アカネちゃんっ……ああ……!」
トモネちゃんの中と同じで、とても温かい。でも他の感触は違っていて、トモネちゃんほどぎゅうぎゅう締め付けてくる感じはなく、その代わり中の粒々がくにゅくにゅと動いていた。まるで飴をしゃぶっているかのように亀頭を刺激してくる。それがたまらなく気持ちいい。
気持ちいいのはアカネちゃんも同じで、トモネちゃんと同じく感極まって涙を流していた。
「つながっちゃったぁ……アカネも、コウキくんと、つながれたぁ……♥」
「あはは、コウキくんの顔……トロトロだね」
添い寝しながら観察してくるトモネちゃん。トロトロなのはアカネちゃんの中だ、と思った。自分でしていたせいか、いやらしい潤滑液が泡立つほどに溢れている。
そればかりか、アカネちゃんは蜘蛛の脚を動かして、下半身を上下させ始めた。繋がっている場所が、じゅぼじゅぼと卑猥な音を立てる。さらにちんちんに絡みつく粒々も、激しく、滑らかに擦れていく。
「あ、う、キモチイイ……! アカネちゃん、キモチイイ……」
「はっ、はっ、はっ、はっ……♥」
僕の声が届いているのかいないのか、アカネちゃんは一心不乱に腰を振っていた。トモネちゃんは自分そっくりな妹が乱れるのを、楽しそうに眺めていた。自分の、射精されたばかりのアソコを弄りながら、ぽつりと呟く。
「これじゃ……アカネちゃんも、ワンちゃんみたいだね……」
確かにそうだな、と思った。僕に首輪をつけてワンちゃん扱いしたくせに、自分もだらしなく口を開け、よだれを垂らし、舌を出してハァハァ言っていた。そんな姿がたまらなく可愛かった。
「はっ、はっ、はっ……♥」
片割れの言葉も耳に入っていないのか、恍惚としたまま腰を振り続けるアカネちゃん。赤い瞳はじっと僕を見下ろしたまま。さっきトモネちゃんの中を経験したから、僕の未熟な男性器もすぐには絶頂せず、女の子の穴の感触をじっくり楽しめた。もちろん、アカネちゃんのエッチな姿も。
「はっ、はっ……く、はあぁぁんっ……♥」
アカネちゃんが艶めかしい悲鳴を上げたかと思うと、彼女の中が凄い力で締まった。そればかりか、ちんちんを吸い上げてきた。
先に絶頂に達したのは、アカネちゃんの方だったのだ。
「あぁ、きゃぅぅ♥ アカネ、アカネ、い、イッてますぅ……♥」
「あ、ああ、あ……アカネちゃん……っ!」
吸い付いてくる膣に促され、込み上げてきたものをドクドクと注ぎ込む。その精液の感触に、アカネちゃんは甲高い声をあげて、上半身をのけぞらせた。蜘蛛の下半身は力が抜けたのか、僕の上に崩れ落ちる。
「アカネちゃん、かわいい……♥」
トモネちゃんが妹の体を抱きしめて、小さなおっぱいを揉み始めた。ツンと勃った乳首が可愛らしかった。
「あは……あ……ぁン……♥」
うっとりした声を出して、アカネちゃんも、僕も絶頂の余韻に浸った。首輪に繋がった紐を持ったまま、彼女は夢見るような笑顔で僕を見つめ、呼吸を整えていた。
「……おしっこ、します」
「え……?」
次の瞬間、しょわしょわと水の音がして、お腹にとても温かい感触が広がった。アカネちゃんの股間……僕のちんちんを咥えこんでいる穴のちょっと上、ごく小さな穴から、黄色いおしっこが迸っていたのだ。当然それは僕のお腹にバシャバシャとかかっていく。突然の倒錯した行為に驚きながら、目の前の光景から目が離せない。
「え!? アカネちゃん、何してるの!?」
トモネちゃんでさえ、妹の行動に驚いていた。それはそうだ、あんなに上品な女の子が、人の体に向けておしっこするだなんて。
「おしっこ、たまってたから……」
「なんでお手水行かないの!?」
「コウキくんのおよめさんになるんだし……どのくらいイジメたらおこるか、知りたいなって♥」
相変わらず微笑みを浮かべたまま、僕の様子を観察するアカネちゃん。赤い瞳の奥にある何かが、ちょっと怖くなった。
もわっと湯気を立てるおしっこは次第に勢いが弱くなり、やがて止まった。溜まったものを出し切ったアカネちゃんは、僕の顔をぐっと覗き込んで、「怒らないんですね」と呟いた。
確かに、屈辱とか汚いとか、そんな感情は不思議と浮かばなかった。アカネちゃんやトモネちゃんなら、別にいいか……そんな気分だった。それに何か、得体の知れない卑猥さも感じた。
「……アカネちゃん。明日のお洗濯、トモネが当番なんだけど」
「あぅ……!?」
「おしっこまみれのお布団、トモネが洗うんだけど」
「……ご、ごめんなさい……」
僕は怒らなかったけど、トモネちゃんが怒ってしまった。結構怖かった。
その後トモネちゃんは片割れを押しのけるようにして、僕に迫ってきた。
「ねえねえコウキくん。こんなひどいことするアカネちゃんより、トモネの方が好きだよね……?」
「そ、そんなことないですよねっ? アカネの方がキモチイイですよね……?」
二人に詰め寄られ、返答に困った。どっちも好きなのは変わらないし、どっちも気持ち良かったから。
「ねぇ、どっちがイイの? トモネだよね……?」
「きめてくださいな……アカネですよね……?」
「ふ、二人とも大好き、だよ……」
そう正直に答えると、赤い瞳にまた意地悪な光が宿った。
「きめられないんですか……? そんな男の子はカッコわるいんですよ……?」
「そ、そんなこと言ったって……」
「ふふっ……それじゃコウキくんがきめられるまで、シちゃおっか?」
近くにあった布巾でおしっこを拭いてくれながら、トモネちゃんが嬉しそうに提案する。
「何回も、何回も……ナカにせーえき出せば、どっちがイイか分かるんじゃない?」
「ふふ、そうだね……いっぱい、イかせちゃおう……」
捕食者の目で僕を見つめる二人。ああ、多分今夜は眠れないんだろうな……そんな諦めと期待に、股間はまた膨らんでいった。
「スケベさんですね……それとも、『まぞ』っていう人なんでしょうか……」
お尻ペンペンが終わると、僕の体は紐のような何かでグルグル巻きにされた。手足を何重にも巻いて拘束され、ただ勃起した哀れなペニスと、縮んだ睾丸だけが外に出ていた。
赤い瞳が妖しく煌めき、僕の顔を覗き込む。
「人間さんは、まっくらだとなにも見えなくて、かわいそう……」
「アカネたちには、ちゃんと見えているんですよ……コウキくんの、はずかしいかっこ」
つん、と指先が肉棒の先端に触れた。それだけでもたまらなく気持ちいい。恋焦がれて眠れなくなった、双子達の指先なのだ。
「じゃあ、コウキくんもオバケにしてあげよっか」
「え……?」
トモネちゃんの口から、予想外の言葉が飛び出した。
「トモネちゃん、そんなことできるの……?」
今のはアカネちゃんにとっても予想外だったらしく、興味深げに聞き返していた。
「カンタンだよ〜。ぐるぐる巻きにしたコウキくんを、こうやって……」
トモネちゃんの声が、上へ遠ざかる。そして僕の体が何かに引っ張り上げられ、宙に浮かび始めた。
「天井からつるして……はい、ミノムシさんのオバケ」
「あはははっ」
アカネちゃんが笑いながら手を叩いた。ミノムシそっくりに宙へ吊るされ、暗闇の中でぶらぶらと揺れる僕。ちんちんは丸出し。恐怖感と恥ずかしさで思わずもがいてしまうけど、僕を吊るしている紐は頑丈で、全く切れる様子がなかった。
そんな虚しい抵抗を、赤い瞳がじっと観察していた。
「ほどいてほしいんですか……? おしおきだからダメですよー」
「それとも……おちんちんに、さわってほしい?」
耳元で尋ねられ、背筋がゾクゾクする。ちんちんからはもう先走りが垂れていたと思う。
「さ……さわって……ほしい……さわって、ください……!」
恥も外聞もなく懇願した。それをしてもらいたくて、眠れなかったのだから。
双子たちはクスクスと楽しげに笑っていた。
「しょうじきに言えてエライね……でも、ダメ……♥」
「おしおきですからね……ふふっ……♥」
その言葉通り、二人は僕の股間に手を触れなかった。その代わり僕の耳に口を近づけ、ぺろぺろと舐め始めたのだ。綺麗に耳垢を掃除された耳は敏感になっていて、ぬめる舌が這い回る度に体がゾクゾクする。よだれがぺちょぺちょと音を立て、耳の穴に流れ込んでくる。
「ちゅ、れろっ……おいし……♥」
「ちょっとしょっぱい……じゅるっ……♥」
たまに歯を立てて甘噛みしながら、二人は耳を責め続ける。耳がどんどん気持ちよくなっていく。その間も、人のものではない手足が体を抱きしめ、ときにくすぐっていた。
さらに、指が乳首を弄ってきた。ぬるりとくすぐったい指先に、吊るされたまま身をよじってしまう。
「えへ……男の子おっぱいにも、よだれつけちゃいます……♥」
「危ないからあばれちゃダメだよぉ……♥」
たくさんの脚で僕を押さえつけながら、トモネちゃんの赤い瞳が僕の胸元へと移動してきた。
「男の子おっぱい、おいしそう……あむっ♥」
「うぁっ!?」
トモネちゃんは僕の胸に噛み付いてきた。歯を立てて、でも痛くはない優しい甘噛みだった。さらに乳首をペロペロと舐められて、それまで経験したことのない感覚が広がった。そういえばトモネちゃんとアカネちゃんも、おっぱいを触られて少し気持ち良さそうだった。
本当に不思議な感覚だった。好きな女の子に体をいたずらされるのが、こんなに気持ちいいなんて。触られていない股間にまでその快感が集まって……
気がつけば、暗闇の中に射精していた。
「えっ?」
「あれ……?」
どくどくと脈打つちんちんを、赤い瞳がじっと見つめていた。二人には迸る白濁が、はっきり見えているのだろう。後から知ったけれど、普通はこんなにたくさんの精液は出ないし、一度出した後は凄く疲れるものらしい。人の身でこの世界の食べ物や飲み物を口にしたことで、すでに体に変化が起きていたようだ。
畳を思い切り汚したであろう白濁を、二人は静かに観察し、僕へ向き直った。
「おちんちん、さわってないのに……」
「そんなに、きもちよかった……ですか……?」
双子たちとしては『お仕置き』として、焦らすつもりだったのだろう。それが耳と乳首を責めただけで射精してしまったので、びっくりしたようだ。
「……トモネちゃんと、アカネちゃんのこと、大好きだから……だから、きもちよかった……」
恥ずかしさを感じながらもそう言うと、赤い瞳は数回瞬き、暗闇の中は沈黙に包まれた。
すると、あの硬くてつるつるとした脚が、僕の胸をつついた。先の尖った、冷たい感触の脚だ。
「コウキくん、これ、トモネのあしだよ……? トモネたち、バケモノなんだよ……?」
「ほんとうに、こわくないですか……?」
そう尋ねる二人の声は、心配そうだった。二人がどんなオバケなのか、そのときには何となく勘付いていた。胸をつつく脚の感触も、あの足跡も。
そして何となく分かった。二人が自分たちの姿を見られたくないのは、怖がられるのが怖いのだと。
「バケモノでも、こわくても……やっぱり大好き、だよ……」
僕が口にしたのは、正直な気持ちだった。未知の存在が怖いのは事実だけど、それは好きか嫌いかには関係ない。二人のお父さんの話を聞いていたから、そのことに気づいた。人間とオバケでも、好きになれるんだって。
「……アカネちゃん……灯り、つけちゃおっか」
僕の言葉を聞いて、トモネちゃんがそんなことを言った。
「コウキくんが、トモネたちのすがたを見て……それでも大好きって言ってくれたら……おしおき、やめてあげようよ」
「……そうだね。もし、キライって言ったら……もっとヒドイことしちゃいましょ」
「うん。そのときは、泣くまでイジメちゃおう……」
静かな声で話し合い、二人はパンと手を叩いた。部屋の中にポツポツと光が灯る。囲炉裏と同じ、魔法の火。シャボン玉のような物に閉じ込められた火が、部屋の中にふわふわと漂って、中を照らす。使い込まれた畳も、二人の寝ていた可愛らしい花柄の布団も、畳を汚した僕の精液も。
そして、二人の姿。二人とも裸だった。白い肌に、赤い瞳、おかっぱ頭の黒い髪。ピンク色のかわいいおっぱい……トモネちゃんのには変わらず黒子もあった。違うのは耳が尖っていることと、目の下からほっぺたに赤い模様が走っていること。なんだか神秘的で、可愛い。
大きく違っていたのは、腰から下だ。裸足の白い二本の脚は、硬い表皮で覆われた、節のある細い脚に変わっていた。黄色の黒の縞模様が走る、八本の蟲の脚。そして同じ模様の蟲の腹……蜘蛛の体に、人の上半身が繋がっている形だった。
鮮やかな警戒色の外骨格は、光を浴びて妖しく輝いていた。固そうな蜘蛛の体に対し、おへそから上の肌は先ほどまでと変わらず柔らかそうだ。
トモネちゃんが再び、蜘蛛の脚で僕をつついて、反応を伺う。そんな仕草がかわいらしくて、思わず笑ってしまった。
「……ちょっと、コウキくん……何がおかしいの……?」
「何か言ってくださいなっ」
文句を言いながら、二人も微笑んでいた。
「やっぱり、トモネちゃんもアカネちゃんもかわいい!」
僕は大きな声で言った。二人は「ほんと?」「きもちわるくないですか?」と尋ねながら、目を潤ませていた。
トモネちゃんが僕の頭上へ手を伸ばしたかと思うと、僕を吊るしていた糸がぷつっと切れた。落ちた僕をトモネちゃんが抱っこして、自分たちの布団へと座らせた。そして彼女はウキウキした表情で、自分のお尻……縞模様の蜘蛛のお尻を向けてきた。
「ほんとにトモネたちのこと好きなら……このお尻に、ほっぺたスリスリしてみて?」
なんとなく興奮した様子のトモネちゃん。僕は躊躇なく、そのお尻へ頬を擦り付けた。すべすべと滑らかな感触で、人肌と違って冷たいけど、どこか血の通った感じがした。やっぱりこの蜘蛛の部分も、女の子の体なんだと思った。
「ふふっ、してくれた……♥」
「コウキくん、アカネにもしてくださいっ」
アカネちゃんもお尻を突き出してせがむ。同じように頬をすり寄せ、ちらりと表情を伺うと、とても嬉しそうだった。
「トモネも、コウキくんが好きっ♥」
突然、がばっと布団に押し倒された。上にトモネちゃんが覆いかぶさって、とろんとした笑顔で見下ろしている。体は相変わらず蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされていて、彼女が「見て」と指差したのは、おへその下。人の体と蜘蛛の体の境目あたりだ。
なんだろう、と思った瞬間、そこの外骨格が一部消えた。出てきたのは……割れ目。駅で見たアカネちゃんのと同じ、『だいじなトコロ』だった。違うのはその割れ目から、よだれのような液がヌルヌルと垂れていたことだ。それが僕の股間へぽたぽた落ちると、何だかすごくエッチな気分になってきて、さっき出したばかりのちんちんが起き上がる。
「トモネちゃん、するの……?」
「うん、もうガマンできない……今から、トモネの下のお口で……」
優しい指先が、ペニスの包皮をつるんと剥いてくれた。皮の中に残っていた白濁が垂れてくる。トモネちゃんの割れ目からは甘酸っぱい香りが広がり、むせ返りそうなほどだ。
「コウキくんのおちんちん、食べちゃうねっ……♥」
蜘蛛の脚が縮み、トモネちゃんの腰が降りる。『下の口』はぱっくりと、僕のちんちんを飲み込んでしまった。
ぎゅっと強い締め付けが股間を襲い、まさか本当に食い千切られるんじゃないかと思った。けれど。
「きゃぅぅん♥」
「うあ、ふぁ、なに、これぇ……!?」
僕は思わず、全身を痙攣させてしまった。トモネちゃんの中はたまらなく気持ちよかったのだ。ヌメヌメしたお肉が、ちんちんを食い千切りそうな力で締め付けてくるのに、とても温かくて、中に生えた粒がくすぐってくる。アカネちゃんの言った「男の子とつながる」というのは
これなんだと気付いた。このために、女の子のあそこには割れ目があるのだ。
「あぁんっ、キモチイイっ♥ コウキくんのおちんちん、キモチイイ♥」
「うぅ、あぅ、ぼくも、僕もキモチイイっ……!」
糸で縛られていなければ、トモネちゃんの体にしがみついていただろう。そのくらいの未知の快感だった。トモネちゃんの潤んだ目と、だらしなくよだれを垂らした口元が興奮を増した。今まで妖しくも上品な雰囲気だった女の子が、こんなに品の無い顔で悦んでいるなんて。
甘酸っぱい匂いが強まった。すぐ側でアカネちゃんが、自分の割れ目に指を入れていたのだ。
「トモネちゃんとコウキくん、つながってる……愛しあってる……きもちよさそう……♥」
うっとりとした声で呟くアカネちゃん。そちらに目をやっていた僕は、トモネちゃんによって強制的に顔を上に向けさせられた。
「ねっ、コウキくんっ♥ 出したい? トモネのナカに、あんっ、せーえき、出したい……?」
「と、トモネちゃんの、ナカ、に……ぃ……?」
そんなことをしていいのだろうか。何かとんでもないことをしているんじゃないか。そんな心配は、快楽の前にあっさりとかき消されてしまった。
「出したいっ! ナカに、出したい!」
「ふふっ、んんぅ、そっかぁ……じゃあ」
トモネちゃんは蕩けた顔に、ふと意地悪な笑みを浮かべた。
「やーめ、たっ♥」
ぬるり、と股間から離れる女性器。ふいに外気にさらされたペニスが、虚しげにピクつく。中途半端に快感を中断され、僕はある意味絶望に近い感情を抱いた。
「な、なんで……?」
「だってぇ……このナカにせーえきを出していいのは、旦那さまだけだもん」
「そうですよぉ……ケッコンする人、おむこさんになる人じゃないと……ナカ出しはいけないんですよぉ」
自分のそこを弄りながら、アカネちゃんも意地悪に笑っている。旦那様、結婚、お婿さん……僕が嫌いだった言葉だ。
「コウキくんがトモネと、アカネちゃんともケッコンしてくれるなら、ナカに出せるんだけどなぁ……」
「そうしたら、コウキくんは……二度とお家に、帰れないですね……」
二人は耳元で囁く。結婚すれば、中に射精できる。二度と帰れなくなる。
「ずーっとこのお家で、トモネたちといっしょに暮らして、おんなじお墓に入るんだよ……? それでもいいなら、ナカにせーえき、出せるよ……?」
「どうしますかぁ……? おむこさんに、なっちゃいますか……?」
二人はささやくだけで、また耳を舐めることはなかった。また先ほどみたいに、触れずに精液が暴発するのを防ごうとしていたみたいだ。結果、二人の目論見は上手くいって、ささやき声のゾクゾクした快感は僕を生殺しにするばかりで、このままでは射精などできなかった。
でも僕の頭の中には、精液を出すよりも大事なことが浮かんでいた。ずっとこっちの世界にいて、二人と一緒に生きて、一緒に死ぬ。それの何が悪いんだ。
生まれて初めて女の子を好きになって、その女の子たちも僕を好きだと言ってくれる。もっと楽しく生きていいんだと教えてくれたのは、親でも教師でもなく、この双子の蜘蛛たちじゃないか。
結論を出すまでに、時間なんてかからなかった。
「ケッコンする! ずっとここにいる!」
「……ほんと? ほんとにいいの?」
「トモネちゃんだけじゃなくて、アカネともケッコンしてくれますか?」
「する! 二人のことが大好きだから……!」
そう言ったら、二人は花のような笑顔を浮かべて、互いの顔を見て喜んで。
アカネちゃんは自分のあそこを弄り続け、トモネちゃんはまた僕の上に覆いかぶさって。
ペニスは再び、下の口に食べられた。
「ああああっ、あ、あっ」
「コウキくんっ、大好きっ♥ ナカに出してぇ……♥」
興奮したトモネちゃんは、僕の顔をペロペロと舐め回し始めた。僕と同じように、彼女も気持ちいいんだ。
後はもう、止まることなんてない。甘い匂いに溺れながら、欲望の赴くまま精液を解き放った。
「ふああああっ、出たぁ♥ あついの、トモネのナカ、入ってきてるのぉ……♥」
膣口がぴったりと締まり、精液を一滴も漏らすまいとばかりにペニスを締め付けてきた。狭い膣内にどくどくと射精し、トモネちゃんのすらりとしたお腹が若干膨らんだような気がした。
頭が真っ白になりそうな、あの快感。二、三分は続いた射精が、僕とトモネちゃんをまとめて幸せにしてしまった。
やがて脈打ちがゆっくり止まる、トモネちゃんは僕の頬にキスをしてくれた。
「えへへ……ありがとう、旦那さま♥」
そう言って微笑む彼女の頬には、キラキラと涙が伝っていた。悲しい涙ではないことは分かる。
このまま抱き合って寝たら、幸せだろうな。そう思ったけれど、トモネちゃんは僕の上から離れてしまった。
代わりに覆いかぶさってきたのは、アカネちゃん。自分で弄っていた割れ目はもうびしょびしょで、僕の股間に垂れてくる量も凄かった。白い頬を真っ赤にして、息も荒く、指先でちんちんを掴んでくる。
「休んじゃダメですっ……次はアカネの番、ですから……っ」
「旦那さまはがんばらなきゃダメなの……がんばれっ、がんばれっ♥」
ひどく興奮しているアカネちゃんに、隣に寝転がって応援してくれるトモネちゃん。僕も頑張らなきゃという気持ちになって、そのせいかちんちんはまだガチガチだ。
「でも、その前に……コウキくんに、いいもの作ってあげます」
そう言うなり、アカネちゃんは蜘蛛のお尻から、ぴゅっと糸を出した。手でそれを束ね、おり返し、平たい帯を作る。それをぼくの首に巻きつけ、そこから伸びた一本の糸を手に持って、笑って見せた。
「ほら、ワンちゃんの首輪です……♥」
「アカネちゃん、ひどーい……でも、にあってる♥」
クスクスと笑う二人。柔らかな首輪は苦しくなくて、でも何だか恥ずかしいような、照れくさいような気分になった。アカネちゃんはその首輪へ繋いだ糸を軽く引っ張りながら、僕の上に腰を下ろす。
駅で見た割れ目が迫ってきた。あのときはただつるっとした割れ目だったけど、今度はいやらしい汁が滴って、少し開いて中のピンク色が見えている。ちんちんはないけど、小さな突起があるのは見えた。
「それじゃ、ワンちゃんのコウキくんを……しつけちゃいます」
小さな割れ目が口を開け、上を向いたペニスを咥え込んできた。
「きゃ、はぁんっ♥」
「あ、アカネちゃんっ……ああ……!」
トモネちゃんの中と同じで、とても温かい。でも他の感触は違っていて、トモネちゃんほどぎゅうぎゅう締め付けてくる感じはなく、その代わり中の粒々がくにゅくにゅと動いていた。まるで飴をしゃぶっているかのように亀頭を刺激してくる。それがたまらなく気持ちいい。
気持ちいいのはアカネちゃんも同じで、トモネちゃんと同じく感極まって涙を流していた。
「つながっちゃったぁ……アカネも、コウキくんと、つながれたぁ……♥」
「あはは、コウキくんの顔……トロトロだね」
添い寝しながら観察してくるトモネちゃん。トロトロなのはアカネちゃんの中だ、と思った。自分でしていたせいか、いやらしい潤滑液が泡立つほどに溢れている。
そればかりか、アカネちゃんは蜘蛛の脚を動かして、下半身を上下させ始めた。繋がっている場所が、じゅぼじゅぼと卑猥な音を立てる。さらにちんちんに絡みつく粒々も、激しく、滑らかに擦れていく。
「あ、う、キモチイイ……! アカネちゃん、キモチイイ……」
「はっ、はっ、はっ、はっ……♥」
僕の声が届いているのかいないのか、アカネちゃんは一心不乱に腰を振っていた。トモネちゃんは自分そっくりな妹が乱れるのを、楽しそうに眺めていた。自分の、射精されたばかりのアソコを弄りながら、ぽつりと呟く。
「これじゃ……アカネちゃんも、ワンちゃんみたいだね……」
確かにそうだな、と思った。僕に首輪をつけてワンちゃん扱いしたくせに、自分もだらしなく口を開け、よだれを垂らし、舌を出してハァハァ言っていた。そんな姿がたまらなく可愛かった。
「はっ、はっ、はっ……♥」
片割れの言葉も耳に入っていないのか、恍惚としたまま腰を振り続けるアカネちゃん。赤い瞳はじっと僕を見下ろしたまま。さっきトモネちゃんの中を経験したから、僕の未熟な男性器もすぐには絶頂せず、女の子の穴の感触をじっくり楽しめた。もちろん、アカネちゃんのエッチな姿も。
「はっ、はっ……く、はあぁぁんっ……♥」
アカネちゃんが艶めかしい悲鳴を上げたかと思うと、彼女の中が凄い力で締まった。そればかりか、ちんちんを吸い上げてきた。
先に絶頂に達したのは、アカネちゃんの方だったのだ。
「あぁ、きゃぅぅ♥ アカネ、アカネ、い、イッてますぅ……♥」
「あ、ああ、あ……アカネちゃん……っ!」
吸い付いてくる膣に促され、込み上げてきたものをドクドクと注ぎ込む。その精液の感触に、アカネちゃんは甲高い声をあげて、上半身をのけぞらせた。蜘蛛の下半身は力が抜けたのか、僕の上に崩れ落ちる。
「アカネちゃん、かわいい……♥」
トモネちゃんが妹の体を抱きしめて、小さなおっぱいを揉み始めた。ツンと勃った乳首が可愛らしかった。
「あは……あ……ぁン……♥」
うっとりした声を出して、アカネちゃんも、僕も絶頂の余韻に浸った。首輪に繋がった紐を持ったまま、彼女は夢見るような笑顔で僕を見つめ、呼吸を整えていた。
「……おしっこ、します」
「え……?」
次の瞬間、しょわしょわと水の音がして、お腹にとても温かい感触が広がった。アカネちゃんの股間……僕のちんちんを咥えこんでいる穴のちょっと上、ごく小さな穴から、黄色いおしっこが迸っていたのだ。当然それは僕のお腹にバシャバシャとかかっていく。突然の倒錯した行為に驚きながら、目の前の光景から目が離せない。
「え!? アカネちゃん、何してるの!?」
トモネちゃんでさえ、妹の行動に驚いていた。それはそうだ、あんなに上品な女の子が、人の体に向けておしっこするだなんて。
「おしっこ、たまってたから……」
「なんでお手水行かないの!?」
「コウキくんのおよめさんになるんだし……どのくらいイジメたらおこるか、知りたいなって♥」
相変わらず微笑みを浮かべたまま、僕の様子を観察するアカネちゃん。赤い瞳の奥にある何かが、ちょっと怖くなった。
もわっと湯気を立てるおしっこは次第に勢いが弱くなり、やがて止まった。溜まったものを出し切ったアカネちゃんは、僕の顔をぐっと覗き込んで、「怒らないんですね」と呟いた。
確かに、屈辱とか汚いとか、そんな感情は不思議と浮かばなかった。アカネちゃんやトモネちゃんなら、別にいいか……そんな気分だった。それに何か、得体の知れない卑猥さも感じた。
「……アカネちゃん。明日のお洗濯、トモネが当番なんだけど」
「あぅ……!?」
「おしっこまみれのお布団、トモネが洗うんだけど」
「……ご、ごめんなさい……」
僕は怒らなかったけど、トモネちゃんが怒ってしまった。結構怖かった。
その後トモネちゃんは片割れを押しのけるようにして、僕に迫ってきた。
「ねえねえコウキくん。こんなひどいことするアカネちゃんより、トモネの方が好きだよね……?」
「そ、そんなことないですよねっ? アカネの方がキモチイイですよね……?」
二人に詰め寄られ、返答に困った。どっちも好きなのは変わらないし、どっちも気持ち良かったから。
「ねぇ、どっちがイイの? トモネだよね……?」
「きめてくださいな……アカネですよね……?」
「ふ、二人とも大好き、だよ……」
そう正直に答えると、赤い瞳にまた意地悪な光が宿った。
「きめられないんですか……? そんな男の子はカッコわるいんですよ……?」
「そ、そんなこと言ったって……」
「ふふっ……それじゃコウキくんがきめられるまで、シちゃおっか?」
近くにあった布巾でおしっこを拭いてくれながら、トモネちゃんが嬉しそうに提案する。
「何回も、何回も……ナカにせーえき出せば、どっちがイイか分かるんじゃない?」
「ふふ、そうだね……いっぱい、イかせちゃおう……」
捕食者の目で僕を見つめる二人。ああ、多分今夜は眠れないんだろうな……そんな諦めと期待に、股間はまた膨らんでいった。
23/02/22 21:41更新 / 空き缶号
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