黄昏ファームでおいしいミルクを
目が覚めたとき、そこは僕の部屋ではなかった。
ふかふかとしたベッドから起き上がり、周りを見回す。ログハウスだ。木の良い匂いがする。
僕がいるのはどうやら二階のようで、屋根の木は三角に組まれ、部屋の隅には下へ続く階段があった。部屋には机と椅子、大きな寝心地の良いベッドがあるだけ。窓はあるが、その外の光景も見覚えがない。茜色の空の下に、どこまでも広がる草原。所々に点在している木々。
知らない所なのに、何処か懐かしさを感じる。ここにいることが無性に落ち着くというか、良い気分になってくる。
ふっと、階段の下からコトコトと音がすることに気づいた。同時に鼻歌も聞こえてくる。女の子の声だ。しばらくそれにぼんやりと耳を傾けていると、やがて階段を誰かが上がってきた。足音が近づいてくる。それと同時に、食欲を唆る香ばしい匂いも。
「……あ、おにーさん起きてた」
顔を出した女の子が、僕に向けて微笑んだ。
「おはよう。って言っても、夕方だけどねー」
くすっと笑いながら、彼女は持ってきたお盆を机の上に置いた。湯気を立てるピザが二皿。白いチーズの下にトマトの赤みが見え、緑のバジルとオリーブが散らされている。大変に食欲を唆る匂いだが、それよりも目を引くのは彼女の出で立ちだった。長い緑のスカートに白いシャツ、黒のエプロンと派手な服装ではない。ポニーテールに結った白い髪と、少しそばかすの散った顔にくりくりとした大きな目は垢抜けない感じもするが、愛らしく親しみやすそうな印象だった。
だが薄い服をこんもりと盛り上げている大きな胸が嫌でも目を引く。階段を登りきったときに「ゆさっ」と揺れたほどだ。それに加え、頭とお尻から出ているものは何とも奇妙だった。
三日月型の角と毛に覆われた耳。そして細長く、先端に毛の集まった尻尾。
牛のそれだった。
不思議そうに見ている僕の態度が面白かったのか、彼女はくすっと笑った。
「ボクはナターニャ。おにーさんのお世話をするから、よろしくね」
屈託の無い笑顔だった。お世話とは何なんなのか、そもそも彼女は何者なのか、さっぱり分からない。だが机の上に置かれたピザを見ると、何とも空腹感が湧き上がってきた。そういえば、最後にまともな食事を食べたのはいつだったか。ずっと適当なもので済ませてきたような気がする。
「ほら、ちょっと早いけど晩ご飯作ったの。一緒に食べよ?」
ナターニャは椅子を引いて勧めてくる。コトコトという足音に視線を落としてみると、スカートの裾からは黒い蹄が覗いていた。
促されるがままに座ろうとして、初めて自分のことに気づいた。僕は服を何一つ着ておらず、素っ裸だったのだ。女の子の……それもこんな、綺麗な子の前で。
「あははっ。恥ずかしがらなくて大丈夫だよー。座って座って」
反射的に前を隠した僕に、ナターニャは平然とそう言った。着席してしまった方が机で下半身を隠せると思い、おずおずと腰掛ける。全裸の僕の目の前には熱いピザに、フォークとナイフ。そして反対側に、牛の角を持つ少女。不思議な食卓が出来上がった。
「ほらほら、冷めないうちに食べようよー。ボクのピザ美味しいんだから。恥ずかしさなんて吹っ飛んじゃうよ」
笑顔で促しながら、自分の分のピザをナイフで切る。本場ではこうやって一人一枚ずつ食べるものだと聞いた気がする。
チーズのまろやかな香りとバジル、そしてこんがりと焼けた生地の香ばしい匂いが鼻をくすぐる。空腹感がムクムクと肥大し、食欲が極限まで高まった。たまらずナイフとフォークを手に取り、ピザを一口大に切り取った。弾力のあるチーズが糸を引く。
ナイフで折りたたみ、フォークをぐっと刺して口へ運ぶ。こんがり焼けた小麦粉の香ばしさが広がった。そして噛み締めると、チーズの旨味が口いっぱいに溢れ出す。どちらかというと淡白でミルキーな味で、それが熱々のトマトの酸味ともよく合っている。それにバジルの風味が爽やかだった。
膨らんだ生地の端ももっちりとして柔らかい。オリーブオイルと一緒に滲み出る旨味を噛み締め、飲み下して、また食べる。量は多いのに飽きのこない味だ。
「美味しい?」
「うん、凄く」
正直な感想が、すっと口から出た。ナターニャも自分の分を頬張りながら嬉しそうに微笑む。とても可愛い。
「よかった。ボク、お料理は得意なんだ。まあここの子たちはみんな上手だけどねー」
彼女の態度はどこまでも朗らかだった。一緒にピザを食べ、空腹感を満たしていくに連れ、状況への疑問が再び湧いてきた。いつ、どこで、誰と、何故、ほぼ全てが不明なのだから。
「ここはどこ?」
「あ、黄昏ファームだよ」
自分のピザを飲み下し、ナターニャはさらりと答える。場所の名前は分かっても、一切聞いたことのない所ではあまり意味が無かった。
「ファームって、農場?」
「うん。でもどっちかっていうと、おにーさんみたいな人のお世話をするところ、かなー」
可愛らしい目を向けながら、彼女はまたよく分からないことを言った。
「僕みたいな……って?」
「疲れてる人。ボクみたいな魔物が癒してあげたいと思う人。ハイ、質問はそこまでー!」
さらに言葉を投げかけようとした僕を制止し、いたずらっぽく笑うナターニャ。
「説明が難しいけど、面倒だったら夢だと思ってくれればいいから。それに、冷めないうちに食べちゃわないとね!」
そう告げてピザを頬張る彼女の笑顔は、自然と目を惹きつけられた。よく世間から美女と呼ばれる人たちと違い、彼女のそばかすの散った顔は美しいのに眩しすぎない。たまにピクピクと動く牛の耳がまた可愛らしかった。
心が自然と和み、まともな食事をするのが久しぶりだということを思い出す。一度考えることを放棄して、ナターニャの言うとおりピザが冷めないうちに楽しむことにした。根拠は全く無くても、彼女が僕を陥れるようなことはしないと、何故か信じてしまえるのだ。
弾力のある生地、心地よいチーズの味わい。野菜の新鮮な美味しさ。こんなに美味しいものを食べるなんていつ以来だろうか。目の前で同じものを食べるナターニャもまた、何とも美味しそうに味わっている。それがますます僕の食欲を増した。
いつまでも噛み締めていたいと思うほど美味しいピザは、あっという間に無くなってしまった。
「じゃ、下へ行こっか」
皿をお盆に乗せて、階段を下りるナターニャ。お尻の尻尾がゆらゆらとしている。
僕も後に続いて一階に降りる。ピザを焼いたと思われる石窯や調理器具があった。他にあるのは質素な木のテーブルくらいだ。
井戸水を溜めた桶に食器を水に漬けた後、ナターニャは歯ブラシをくれた。別の桶を使い、二人並んで歯を磨く。ナターニャの歯は真っ白でとても綺麗だ。
それも終わると、彼女は僕の手を引いた。
「外に行こうよ。もうすぐ星が綺麗になるんだよー」
外、という言葉を聞き、ふと再び羞恥心が湧き上がってくる。彼女が言ったとおり、ピザの美味しさで吹き飛んでいた恥ずかしさが蘇った。僕は女の子の前に全裸でおり、しかも相手は……人間ではない、胸の大きな美少女。
股間のそれが、痛々しいほどに自己主張していた。
「……やっぱり、裸んぼさんだと恥ずかしいかなー?」
「う、うん」
ナターニャは察してくれた。
「何か、服を借りられないかな?」
「あー、女の子用しか無いかな……じゃあ」
彼女はにっこり笑い、ふいに自分のエプロンの紐を解き、脱ぎ捨てた。それを丁寧に畳むと、なんと今度はその下の服まで脱ぎ始めたのである。
「見てていいよー」
シャツを脱ぎ、布の下で自己主張していた大きな胸がぷるんと飛び出した。思わず息を飲む。その乳房は柔らかそうで、それでいて張りと弾力があり。また新鮮な果実のような艶があった。石窯の前でピザを焼いていたのだから、汗ばんでいて当然だ。乳首は健康的なピンク色。
白い肌を晒された途端、ほのかに甘い匂いを感じた。さらにスカートまで脱ぎ捨て、白と灰色の毛で覆われた下半身が露わになった。下着と言えるものは身につけていないが、股間の部分まで体毛で覆われているため、女の子の大事なところは隠れている。
しかしくるりと後ろを向くと、丸いお尻が丸出しだった。牛の尻尾の生えた、桃型の白いお尻。ナターニャが僕に見せつけるように左右へ揺らした瞬間、一瞬だけ谷間がやや開いて、すぼまった肛門が見えてしまった。
いけないことなのに、目が離せない。
「はーい、ボクも裸んぼさんだよー。みんなで脱げば恥ずかしくない!」
一方的に宣言し、ナターニャは手を引いてきた。胸の高鳴りと体の火照りに促されるかのように、僕はそれに従ってしまう。人間ではない女の子と二人で、揃って裸で、家の外へ飛び出していく。
ふわり、と心地よい風が頬を撫でる。裸になった肌にも寒すぎず、暑すぎない。草の揺れる音とともに、緑の匂いが運ばれてきた。
辺り一面に広がる、広大な牧草地。しかし靴を履いていなくても歩けるほど、足元の草は柔らかくて、小石すら落ちていない。
食事をしている間に陽は落ちて、紺色になった空に星が瞬き始めていた。ナターニャは空を見上げて微笑むと、その場に腰を下ろした。手を握られていた僕も、自然とその隣へ座ることになった。
彼女の可愛いそばかす顔が、綺麗な瞳が、たゆんと揺れる胸が、全て目と鼻の先に……
「ボクの体、好きに触っていいからね」
またしても、考えていることを読まれた。顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かる。同時に彼女の体の匂いが鼻をくすぐる。だんだん頭がぼんやりとしてくる。
「おにーさんは癒されるためにここにいるんだから。やって良い、悪いじゃなくて、やりたい、やりたくないでいいんだよ」
耳元で囁く、優しい声。その直後、ぷにっとした感触が頬に触れた。きめの細かい、吸い付くような肌の感触。ナターニャは大きな乳房をそっと、僕の顔に当てていた。
やりたいことをやっていい。彼女の言葉が頭の芯まで染みていく。汗の芳香にも誘われ、僕はその胸に手を添えた。
「あ……」
思わず声を出してしまったのは僕の方だ。軽く触っただけで、指先が膨らみの中へ沈み込む。蕩けるような感触。それなのにある程度指が沈むと、弾力をもって押し返してくる。再び指を沈ませ、また押し返される。
たまらない感触に、両手を二つの盛り上がりへ添える。揉むたびにその乳はひしゃげ、指の間からはみ出し、こぼれ落ちそうになる。そして甘い香りは次第に強くなっていった。
顔に温かい息がかかった。彼女の顔が触れ合いそうなくらい近くにある。目が合うと、ピンク色の唇がさらに近づいてきた。
「ん……っちゅ♥」
女の子に唇を奪われた。しかも互いに全裸で、僕は彼女の胸を揉んでいる。心臓の脈打ちが次第に大きくなっていった。
乳房とは違う、儚げな唇の柔らかさ。握手するように絡めてくる舌。そうしているうちに、胸の鼓動が二つ重なっていることに気づく。分厚い乳房の向こうで、ナターニャの心臓も大きく脈打っている。彼女もドキドキしているのだ。
「ちゅっ、んふぁっ……ふふっ……」
唇の隙間からナターニャの笑い声が漏れた、そのとき。怒張した男根が、優しい手でそっと握られた。
ぴくん、と震えるそれを、すべすべの手が優しく撫でさすってくる。
気持ちいい。
ちゅっ、と大きな音を立て、唇が離れた。ナターニャは呼吸を整えながら僕を見つめ、にこりと笑う。彼女の頬は赤らんで、右手は肉棒を撫で続けていた。
「ボクのおっぱい、好き?」
「……うん」
悪戯っぽく尋ねられ、素直に答えてしまう。彼女の前では自然と心が正直になってしまう。再び羞恥心が湧き上がったが、それでも両手で胸のボリュームを味わい、柔らかさを楽しむのを止められない。
その一方で、ナターニャは僕の答えに嬉しそうだった。
「じゃあお口で吸ってみて。きっと、もっと好きになっちゃうよ」
ぐいっと胸を押し付けるように、乳首を口の前に持ってくる。薄いピンク色の、ツンと勃った乳首。ほのかに甘い匂いがして、とても美味しそう。
股間を愛撫する手の感触に、淫らな気持ちも高まって、たまらず口に含んだ。少し吸った瞬間、口に何かとろりとした温かい物がにじみ出てきた。
「あんっ♥」
ナターニャが気持ち良さそうな声を上げ、肉棒を握る手にやや力が籠もった。温かくて、まろやかな味の液体……これは、母乳?
「んぅ、あはっ♥ 美味しいでしょ? さっきのチーズもこのミルクで作ったんだよ」
牛の耳をピクピクさせながら、頬を赤らめるナターニャ。それを聞いた瞬間、心臓が一際大きく鳴った。あのピザを彩っていた白チーズの原料が、この母乳。つまりナターニャのこうした奉仕はあのときから始まっていた……?
「いっぱい飲んでね」
優しく後頭部を撫でられ、このまま甘えたいという衝動が抑えきれなくなった。乳首を吸いたてるとさらに多くの母乳が溢れて、口いっぱいに広がる。美味しい。ただの牛乳とは違う、心地よい甘みがある。甘いと言っても口の中に残るようなくどい甘さではなく、いくらでも飲めてしまいそうだ。
「はーい、反対側もね」
乳首を離され、もう片方を吸うよう促される。ゴクゴクと飲み下していく間に、男根はゆっくりとした手の動きに追い詰められていた。
「あ、出そう?」
「ん……」
乳首をしゃぶったまま頷くと、口からこぼれた母乳が頬を伝う。快楽を我慢しようとは思わなかった。むしろその方がナターニャに対して失礼で、恥ずべき行為のように思えたからだ。
僕が素直になっているのを見てか、ナターニャは「いい子だね」と囁いてくれた。下半身がきゅんと疼いた瞬間、高められたものがこみ上げてくる。僕は夢中でおっぱいを飲みながら、全てを受け入れた。
「んんっ!」
快感が最高潮に達して、おっぱいで塞がれた口から声を漏らした。
びゅるっ。大きな音を立てて、股間からは精液が迸る。普段自分でするときより、大量に。
「わぁ!」
ナターニャが歓声を上げた。彼女の掌の中で男根は脈打ち続け、どくどくと吐き出していく。それがなかなか終わらない。
僕は乳首から口を離し、おっぱいの谷間に顔を埋めてしまった。彼女は嫌がるはずもなく、柔らかい塊でぎゅっと挟んでくれた。温かい感触に汗の滑りが何とも淫らで気持ちいい。
最後にとくん、とくんと大きく脈打って、僕の股間は大人しくなった。甘い快感の余韻が体に広がる。
「上手にお射精できたねー」
頭を撫でながら、額に優しくキスをしてくれるナターニャ。多幸感で頭がいっぱいになった。谷間に顔を埋めたまま、自然と頬が緩んでしまう。
こんな状況は考えられないことだった。自分と同い年くらいか、もしかしたら年下かもしれない女の子に身を任せ、子供のように甘えている。そればかりか授乳され、性器を刺激され……いや、こんな可愛い人外の女の子に料理を振舞ってもらうこと自体、考えられなかった。
夢なら、もう少し浸っていたい。
「ほら、おにーさん。空見て」
谷間から顔を出さずに、視線を上に上げる。
眩い、それでいて優しい光の粒が空を彩っていた。宝石箱をひっくり返したような、満点の星空が。
青、赤、金などに煌めく星々に、思わず息を飲む。この美しい夜空の下に全裸でいるということがなんとも不思議な気分だ。だがそれがまるで、自分が自然に還ったような心持ちにもなる。
ナターニャと二人で、暫くの間静かに星を見ていた。夫婦は互いに見つめ合うのではない、共に同じ星を見るものだ……そんな言葉を不意に思い出す。
「この星空も、牧草地も、ボクも。今夜はぜーんぶ、おにーさんのものだからね?」
僕を胸に抱いたまま、ナターニャは草の上にころんと寝転がった。二人で大地に身を預け、空を見上げる。
「夜が明けて、おにーさんがお家に帰っちゃうまで、ボクがずっと側にいてあげる。だから……」
ちゅっ。再びキスをしてくれた。唇が柔らかい。
「何も我慢しないで……自然なままのおにーさんで、いいんだよ」
ナターニャの声、匂い、母乳。それらは全て、ほのかな甘みを持っていた。そしてその甘みは全て、僕のためにあるのだろうか。
少なくとも、今はそうなんだ。
「ミルク、もっと飲む?」
「ありがとう。でももう、お腹いっぱい……かな」
「そっか。それじゃあ……」
ゆっくりと、胸の谷間から解放される。汗ばんだ肌がペリペリと音を立てて離れ、新鮮な空気を顔に感じた。名残惜しいが、彼女は僕に「ちょっと待ってね」と笑いかけ、大きな胸を自分で揉み始めた。先ほど僕の男根を愛撫してくれた手が、柔らかな双峰をムニムニと揉みしだいている。
そばかすの散った顔にうっとりとした表情を浮かべ、ナターニャはしばらくそれを続けた。やがて少し赤らんだ乳房を自分でぎゅっと搾ると、乳首から母乳が溢れ出る。僕が飲ませてもらったミルクとは違い、粘度のあるトロトロとした乳液だ。
「これはね、おちんちんに飲ませてあげるミルクなんだー」
得意げに胸を張り、その谷間へ母乳を塗りたくる。愛撫で赤くなった乳房に白いトロトロが塗りたくられ、なんとも淫らな光景を作り出す。
僕は彼女が何をしてくれるのか分かった。あれほど射精したにも関わらず、股間では男根が大きくそそり立っていた。
「ぱいずり、っていうのやってあげる。おっぱいでおちんちんを挟んでムニムニするんだよー」
朗らかに宣言された途端、男根がぴくんと反応した。あの谷間で、今度はコレを抱きしめてくれるのか。
「おちんちんさん、期待してるみたいだね」
震える肉棒を見て楽しげに笑いながら、ナターニャは僕の下半身の方へ移動する。そして左右に揺れる乳房を股間へ近づけてくる。
次の瞬間、肉棒が谷間へにゅるんと挟み込まれた。根元から亀頭まですっぽりと。
「ああ……」
甘美な感触に、思わず声が出てしまう。その胸の柔らかさは手と顔でたっぷりと味わったが、男根を刺激するにも最適な感触だった。
しかも、単に柔らかいだけでは終わらない。股間がジンジンと熱くなり、快楽が増していく。双峰に塗りたくられた母乳が性器へ染み込んでいるのだとすぐに分かった。ナターニャの言った通り、男性器へ授乳されているのである。
ただ気持ちいいだけではない。肉棒が彼女の胸の中で、少しずつ、少しずつ膨らみ始めた。乳房で完全に包まれていたのが、その柔らかさを押し広げて膨張していく。
やがて谷間から、赤っぽい先端がちょこんと顔を出した。
「あはっ、亀頭さんこんにちは〜」
ちゅっ。外気に触れた亀頭はナターニャのキスに出迎えられた。それだけで快感が広がり、大きく震えてしまう。ナターニャは僕の反応を楽しみながら、両方のおっぱいをぎゅっと押し付け、上下に擦り合わせてきた。
「はーい、ムニムニムニ〜♥」
彼女の手によって、二つの大きな膨らみが形を変えつつ、柔らかく男根を愛撫してくる。滑らかに擦れていく柔らかな塊がたまらなく気持ち良い。摩擦と同時に母乳が染み込み、肉棒はどんどん敏感になっていった。快感が増し、まるで男根が谷間で溶け出したかのような気持ちになる。
「おにーさん、蕩けた顔してるー」
綺麗な瞳でじっと僕を観察し、次いで胸の谷間に視線を落とす。魅力的な唇から顔を出した舌が、谷間から顔を出した亀頭へちょんと触れた。先ほどディープキスをしていた舌が、今度は男根の先端をくすぐってくる。母乳の影響で敏感になった亀頭を強すぎず、弱すぎない刺激で愛撫してくれる。それがたまらなく興奮を誘い、気持ちいい。
先ほど手で射精に導かれたばかりなのに、男根には疲れも痛みも無い。それどころか、染み込んだ母乳によって活力が満ちていた。
「お射精は我慢しちゃダメだよー。したくなったらいつでも、ね?」
優しい声に導かれ、射精感が込み上げてくる。頬が自然と緩んでしまう。
「うん、そうそう。おにーさんはボクのおっぱいとミルクで、トロトロになっちゃえー♥」
おっぱいの動く速度が上がった。激しく、それでいて優しく男根が刺激される。母乳でなめらかに擦れ合う膨らみ。亀頭は谷間から出たり潜ったりを繰り返し、まるでおっぱいに溺れているかのようだった。
そして僕の心はとっくに、ナターニャに溺れていた。
「あ……出る……!」
うわ言のように言葉が漏れた。するとナターニャは自分の谷間にぐっと顔を近づけ、亀頭をすっぽりと唇に加えた。
その温かく柔らかな刺激が最後の引き金となった。
「あ……あああ……」
どくん。谷間で竿が大きく脈打ち、二度目の精液が快感と共に迸る。亀頭にしっかりと吸い付いた、お口の中へ……
「んんっ♥」
ナターニャの唇から僅かに白濁が漏れた。母乳の効用か、二度目にも関わらず脈打ちは止まらない。それでも彼女は喉を鳴らして、ごくごくと飲み下していく。僕にはそれがまるで、彼女が僕の全てを受け入れてくれた証拠のように思えた。いや、実際にそうなのだろう。
僕の欲求も、疲れも、望みも、ナターニャは全て分かってくれる。その温かな胸で全て包み込んでくれる。
射精は続いた。乳房の柔らかな圧迫に促されるかのように、長く脈打つ。頭が真っ白になりそうなほど気持ちいい。夜空の星さえ霞んで見える。
でも。
そばかすの散った頬、牛の耳と角、大きなおっぱい。
美味しそうに白濁を飲んでいるナターニャだけは、はっきりと目に焼き付いていた。
…………
……
「んっ、はぁ♥ ふぅっ♥ もっ♥」
……可愛らしい喘ぎ声に、意識が覚醒していく。開けた目に窓から差し込む朝日が染みた。
柔らかなベッドの感触。あの寝室にいるのだと分かった。陽光は温かいが、股間部はまた別の温かさで包まれていた。
「あっ。おにーさん、あぅ、おはようっ!」
腰を弾ませながら、笑顔で挨拶してくれるナターニャ。僕の腰に跨り、彼女が何をしているのかはすぐに分かった。
ナターニャは昨晩と同じ素っ裸。下半身は体毛で覆われているが、股間部のみそれが消え、上半身と同じ白い肌になっていた。そこにある、つるりとした割れ目……女性器が、僕の男根をしっかりと咥えこんでいた。
性行為。昨晩行わなかった、子作りの儀式。
「えへへっ、びっくりした?」
悪戯っ子のように舌を出すナターニャ。膣内がぐにっと動き、きゅうきゅうと締め付けてくる。昨夜味わった胸や手、唇による刺激とはまた異なった快楽だ。状況を飲み込めないうちから性欲だけが高まっていき、気持ち良さに身を委ねてしまう。
「おにーさん、この場所にっ、魅入られちゃったんだよぉ……だから夜が明けても……はぁん♥ もう、お家、帰れな、いっ……!」
頬を紅潮させ、快感に悶えながら言葉を紡ぐ。告げられた事実よりも、彼女も気持ちよくなっているということに興奮してしまう。細かいことはどうでもいい。大事なのは僕がナターニャを好きで、ナターニャも僕を愛してくれている。そのことだけだ。
彼女の白い手を掴み、引っ張る。ナターニャは素直に僕の上へしなだれかかってきた。胸のふくらみが僕の上でぐにゃりとひしゃげ、赤らんだそばかす顔が目と鼻の先にある。熱い吐息が互いの顔にかかる。
「おにーさぁん……♥」
くりくりとした目を潤ませながら、ナターニャは僕の顔を覗き込んでくる。自然と唇が触れた。
「ちゅっ、くちゅ♥ ……ふぅ、んう♥」
舌を絡め合い、彼女の口の中を味わう。唾液の音と、股間から聞こえてくる水音が重なった。
僕はナターニャを抱きしめた。吸い付くような肌の感触、僕の胸板をマッサージしてくる乳房の感触。彼女の愛情。全てを自分のものにするつもりで。
体が密着したせいで、ナターニャは腰を上手く上下させることができなくなった。しかし膣内のヒダは意思を持っているかのように脈動し、ぬるぬると肉棒をくすぐってくる。その動きはナターニャ自身にも強い快感を与えているのが分かった。彼女の心臓の鼓動が早くなり、息も荒くなっている。
一緒にイこう……そんな声が心の中に聞こえた気がした。
昨日の射精を思い出しながら、全てを受け入れる。彼女をしっかりと抱きしめ、熱いキスを交わしながら、僕は快楽に身を任せた。
「んんんーっ、ふぅぅぅぅ♥」
先に絶頂を迎えたのはナターニャの方だった。ぎゅっと膣の締め付けが強くなり、プシュッと潮を吹く音がする。昨日あれだけ僕に奉仕してくれたナターニャが、今日は自分が絶頂している……その興奮が僕の快感を強めた。
どくどくと大きな音を立て、結合した性器から精液が迸る。
「んんっ!?」
僕の上でナターニャの体が大きく跳ねた。だが口と性器はしっかりと繋がったままだ。そして今度は彼女の方からもこれ以上ないくらい体を密着させ、射精を受け止めてくれた。
彼女の上下の口は音を立てて吸い付き、上の口は唾液を、下の口は精を啜る。その感触がたまらなく気持ちいい。僕の全てをナターニャに捧げて、彼女の全てを僕がもらう。その快感に頭が真っ白になっていく。
子宮に収まりきらなかった精液が溢れた頃に、律動はゆっくりと収まっていった。ちゅぽん、と唇が離れ、ナターニャは愛おしそうに頬ずりをしてくる。ほっぺたも汗ばんでいて熱く、柔らかい。
そのとき、股間のみならず胸にもぬるりとした感触を感じた。彼女の乳房から母乳が滲み出ていたのだ。しかも昨日手淫とともに飲ませてもらった母乳とも、男根に塗りたくられたものとも違う、もっと濃厚な匂いを放つとろりとしたミルクだ。
甘い香りが鼻をくすぐり、食欲を刺激される。思わず彼女の胸……僕の胸板で潰れた大きなおっぱいをプニプニと揉んでしまう。
「……えへへ。中にいっぱいお射精してくれたからねー」
ナターニャは照れ臭そうに笑いながら手をベッドに着き、上体を起こす。思わず目を見開いた。ただでさえ豊満な胸は先ほどまでより一回り大きくなって、丸みを帯びていたのである。そしてピンクの乳首からは、たらたらと母乳が滲み出ていた。
「おかげでミルクどんどんできちゃって、ボクのおっぱいパンパンだよー。飲んで飲んで!」
口に乳首を突きつけられたので、遠慮なく口に含む。その瞬間、天にも昇るような濃厚な味わいが口いっぱいに広がった。それは確かにミルクであり、甘みもあり、匂いもある。だがその濃さはまるでクリームがヨーグルトのようで、『朝食』と呼んでいいほどのボリュームがあった。
彼女の体臭……いや、体香と言うべきか? 甘い汗の匂いも混じっており、その風味がまた癖になりそうだ。
「んぅ……美味しい?」
たまらず、もう片方のおっぱいを引き寄せる。大きな胸だから、ぐっと寄せれば左右の乳首はぴったりくっつくくらいだ。
そして両方の乳首を一度に口に含み、吸う。
「ふああぁん♥ 両方、いっぺんに、なんてぇ♥」
乳首への刺激によがるナターニャ。いつの間にか肉棒は膣内から抜け、下半身に汚液の感覚だけがあった。しかし彼女は僕の頭を抱きしめ、授乳を続けてくれた。
美味しい。
体全身が元気になっていく。元いた場所での疲れなど吹っ飛んでしまう。これを毎朝飲めるなら、今までの倍働いても平気だとさえ思える。
だがもう、その必要さえないのだろう。
「……ごちそうさま」
乳首を離し、感謝の言葉を述べる。次いで「げふっ」という息が漏れてしまった。恥ずかしかったが、ナターニャは満足げに笑っている。おっぱいは元の大きさに戻っていた。
「お粗末さまでしたー」
ゆっくりと起き上がり、フラフラしながらもベッドから降りて立つ。蹄が硬い音を立てた。
そこで彼女は「あっ」と声を出す。僕があれだけ飲ませてもらったにも関わらず、おっぱいがまた膨らみ始めたのだ。白い肌がパンパンに張り、キャパオーバーした母乳が再び漏れ出す。
「やーん、まだおっぱいがミルク作ってるよー。おにーさんの精液、ボクの子宮とすっごく相性良いんだねー♥」
お腹を撫でながら照れるナターニャは何とも可愛らしい。けれどその溢れる母乳を飲むには、僕の胃の容量が足りなかった。
「じゃあおにーさん。えっちは一休みして、一緒にこのミルクでチーズ作ろうよ。きっとすっごく美味しいのができるよ!」
「……うん。一緒にやって作り方覚えるよ」
僕もフラフラと立ち上がった。彼女に腕を支えてもらったが、体は元気一杯である。一度立ってしまえばもう平気だった。
僕たちは手を繋いで階段を降りていく。互いに笑い合いながら、素っ裸で。
「終わったら、またぱいずりしてあげるねー。それともお手手がいいかなー? またおまんこにするー?」
乳房をぷるんと揺らしながら、朗らかに尋ねてくる、可愛いナターニャ。これからの生活への期待に、僕は胸を膨らませた。
END
ふかふかとしたベッドから起き上がり、周りを見回す。ログハウスだ。木の良い匂いがする。
僕がいるのはどうやら二階のようで、屋根の木は三角に組まれ、部屋の隅には下へ続く階段があった。部屋には机と椅子、大きな寝心地の良いベッドがあるだけ。窓はあるが、その外の光景も見覚えがない。茜色の空の下に、どこまでも広がる草原。所々に点在している木々。
知らない所なのに、何処か懐かしさを感じる。ここにいることが無性に落ち着くというか、良い気分になってくる。
ふっと、階段の下からコトコトと音がすることに気づいた。同時に鼻歌も聞こえてくる。女の子の声だ。しばらくそれにぼんやりと耳を傾けていると、やがて階段を誰かが上がってきた。足音が近づいてくる。それと同時に、食欲を唆る香ばしい匂いも。
「……あ、おにーさん起きてた」
顔を出した女の子が、僕に向けて微笑んだ。
「おはよう。って言っても、夕方だけどねー」
くすっと笑いながら、彼女は持ってきたお盆を机の上に置いた。湯気を立てるピザが二皿。白いチーズの下にトマトの赤みが見え、緑のバジルとオリーブが散らされている。大変に食欲を唆る匂いだが、それよりも目を引くのは彼女の出で立ちだった。長い緑のスカートに白いシャツ、黒のエプロンと派手な服装ではない。ポニーテールに結った白い髪と、少しそばかすの散った顔にくりくりとした大きな目は垢抜けない感じもするが、愛らしく親しみやすそうな印象だった。
だが薄い服をこんもりと盛り上げている大きな胸が嫌でも目を引く。階段を登りきったときに「ゆさっ」と揺れたほどだ。それに加え、頭とお尻から出ているものは何とも奇妙だった。
三日月型の角と毛に覆われた耳。そして細長く、先端に毛の集まった尻尾。
牛のそれだった。
不思議そうに見ている僕の態度が面白かったのか、彼女はくすっと笑った。
「ボクはナターニャ。おにーさんのお世話をするから、よろしくね」
屈託の無い笑顔だった。お世話とは何なんなのか、そもそも彼女は何者なのか、さっぱり分からない。だが机の上に置かれたピザを見ると、何とも空腹感が湧き上がってきた。そういえば、最後にまともな食事を食べたのはいつだったか。ずっと適当なもので済ませてきたような気がする。
「ほら、ちょっと早いけど晩ご飯作ったの。一緒に食べよ?」
ナターニャは椅子を引いて勧めてくる。コトコトという足音に視線を落としてみると、スカートの裾からは黒い蹄が覗いていた。
促されるがままに座ろうとして、初めて自分のことに気づいた。僕は服を何一つ着ておらず、素っ裸だったのだ。女の子の……それもこんな、綺麗な子の前で。
「あははっ。恥ずかしがらなくて大丈夫だよー。座って座って」
反射的に前を隠した僕に、ナターニャは平然とそう言った。着席してしまった方が机で下半身を隠せると思い、おずおずと腰掛ける。全裸の僕の目の前には熱いピザに、フォークとナイフ。そして反対側に、牛の角を持つ少女。不思議な食卓が出来上がった。
「ほらほら、冷めないうちに食べようよー。ボクのピザ美味しいんだから。恥ずかしさなんて吹っ飛んじゃうよ」
笑顔で促しながら、自分の分のピザをナイフで切る。本場ではこうやって一人一枚ずつ食べるものだと聞いた気がする。
チーズのまろやかな香りとバジル、そしてこんがりと焼けた生地の香ばしい匂いが鼻をくすぐる。空腹感がムクムクと肥大し、食欲が極限まで高まった。たまらずナイフとフォークを手に取り、ピザを一口大に切り取った。弾力のあるチーズが糸を引く。
ナイフで折りたたみ、フォークをぐっと刺して口へ運ぶ。こんがり焼けた小麦粉の香ばしさが広がった。そして噛み締めると、チーズの旨味が口いっぱいに溢れ出す。どちらかというと淡白でミルキーな味で、それが熱々のトマトの酸味ともよく合っている。それにバジルの風味が爽やかだった。
膨らんだ生地の端ももっちりとして柔らかい。オリーブオイルと一緒に滲み出る旨味を噛み締め、飲み下して、また食べる。量は多いのに飽きのこない味だ。
「美味しい?」
「うん、凄く」
正直な感想が、すっと口から出た。ナターニャも自分の分を頬張りながら嬉しそうに微笑む。とても可愛い。
「よかった。ボク、お料理は得意なんだ。まあここの子たちはみんな上手だけどねー」
彼女の態度はどこまでも朗らかだった。一緒にピザを食べ、空腹感を満たしていくに連れ、状況への疑問が再び湧いてきた。いつ、どこで、誰と、何故、ほぼ全てが不明なのだから。
「ここはどこ?」
「あ、黄昏ファームだよ」
自分のピザを飲み下し、ナターニャはさらりと答える。場所の名前は分かっても、一切聞いたことのない所ではあまり意味が無かった。
「ファームって、農場?」
「うん。でもどっちかっていうと、おにーさんみたいな人のお世話をするところ、かなー」
可愛らしい目を向けながら、彼女はまたよく分からないことを言った。
「僕みたいな……って?」
「疲れてる人。ボクみたいな魔物が癒してあげたいと思う人。ハイ、質問はそこまでー!」
さらに言葉を投げかけようとした僕を制止し、いたずらっぽく笑うナターニャ。
「説明が難しいけど、面倒だったら夢だと思ってくれればいいから。それに、冷めないうちに食べちゃわないとね!」
そう告げてピザを頬張る彼女の笑顔は、自然と目を惹きつけられた。よく世間から美女と呼ばれる人たちと違い、彼女のそばかすの散った顔は美しいのに眩しすぎない。たまにピクピクと動く牛の耳がまた可愛らしかった。
心が自然と和み、まともな食事をするのが久しぶりだということを思い出す。一度考えることを放棄して、ナターニャの言うとおりピザが冷めないうちに楽しむことにした。根拠は全く無くても、彼女が僕を陥れるようなことはしないと、何故か信じてしまえるのだ。
弾力のある生地、心地よいチーズの味わい。野菜の新鮮な美味しさ。こんなに美味しいものを食べるなんていつ以来だろうか。目の前で同じものを食べるナターニャもまた、何とも美味しそうに味わっている。それがますます僕の食欲を増した。
いつまでも噛み締めていたいと思うほど美味しいピザは、あっという間に無くなってしまった。
「じゃ、下へ行こっか」
皿をお盆に乗せて、階段を下りるナターニャ。お尻の尻尾がゆらゆらとしている。
僕も後に続いて一階に降りる。ピザを焼いたと思われる石窯や調理器具があった。他にあるのは質素な木のテーブルくらいだ。
井戸水を溜めた桶に食器を水に漬けた後、ナターニャは歯ブラシをくれた。別の桶を使い、二人並んで歯を磨く。ナターニャの歯は真っ白でとても綺麗だ。
それも終わると、彼女は僕の手を引いた。
「外に行こうよ。もうすぐ星が綺麗になるんだよー」
外、という言葉を聞き、ふと再び羞恥心が湧き上がってくる。彼女が言ったとおり、ピザの美味しさで吹き飛んでいた恥ずかしさが蘇った。僕は女の子の前に全裸でおり、しかも相手は……人間ではない、胸の大きな美少女。
股間のそれが、痛々しいほどに自己主張していた。
「……やっぱり、裸んぼさんだと恥ずかしいかなー?」
「う、うん」
ナターニャは察してくれた。
「何か、服を借りられないかな?」
「あー、女の子用しか無いかな……じゃあ」
彼女はにっこり笑い、ふいに自分のエプロンの紐を解き、脱ぎ捨てた。それを丁寧に畳むと、なんと今度はその下の服まで脱ぎ始めたのである。
「見てていいよー」
シャツを脱ぎ、布の下で自己主張していた大きな胸がぷるんと飛び出した。思わず息を飲む。その乳房は柔らかそうで、それでいて張りと弾力があり。また新鮮な果実のような艶があった。石窯の前でピザを焼いていたのだから、汗ばんでいて当然だ。乳首は健康的なピンク色。
白い肌を晒された途端、ほのかに甘い匂いを感じた。さらにスカートまで脱ぎ捨て、白と灰色の毛で覆われた下半身が露わになった。下着と言えるものは身につけていないが、股間の部分まで体毛で覆われているため、女の子の大事なところは隠れている。
しかしくるりと後ろを向くと、丸いお尻が丸出しだった。牛の尻尾の生えた、桃型の白いお尻。ナターニャが僕に見せつけるように左右へ揺らした瞬間、一瞬だけ谷間がやや開いて、すぼまった肛門が見えてしまった。
いけないことなのに、目が離せない。
「はーい、ボクも裸んぼさんだよー。みんなで脱げば恥ずかしくない!」
一方的に宣言し、ナターニャは手を引いてきた。胸の高鳴りと体の火照りに促されるかのように、僕はそれに従ってしまう。人間ではない女の子と二人で、揃って裸で、家の外へ飛び出していく。
ふわり、と心地よい風が頬を撫でる。裸になった肌にも寒すぎず、暑すぎない。草の揺れる音とともに、緑の匂いが運ばれてきた。
辺り一面に広がる、広大な牧草地。しかし靴を履いていなくても歩けるほど、足元の草は柔らかくて、小石すら落ちていない。
食事をしている間に陽は落ちて、紺色になった空に星が瞬き始めていた。ナターニャは空を見上げて微笑むと、その場に腰を下ろした。手を握られていた僕も、自然とその隣へ座ることになった。
彼女の可愛いそばかす顔が、綺麗な瞳が、たゆんと揺れる胸が、全て目と鼻の先に……
「ボクの体、好きに触っていいからね」
またしても、考えていることを読まれた。顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かる。同時に彼女の体の匂いが鼻をくすぐる。だんだん頭がぼんやりとしてくる。
「おにーさんは癒されるためにここにいるんだから。やって良い、悪いじゃなくて、やりたい、やりたくないでいいんだよ」
耳元で囁く、優しい声。その直後、ぷにっとした感触が頬に触れた。きめの細かい、吸い付くような肌の感触。ナターニャは大きな乳房をそっと、僕の顔に当てていた。
やりたいことをやっていい。彼女の言葉が頭の芯まで染みていく。汗の芳香にも誘われ、僕はその胸に手を添えた。
「あ……」
思わず声を出してしまったのは僕の方だ。軽く触っただけで、指先が膨らみの中へ沈み込む。蕩けるような感触。それなのにある程度指が沈むと、弾力をもって押し返してくる。再び指を沈ませ、また押し返される。
たまらない感触に、両手を二つの盛り上がりへ添える。揉むたびにその乳はひしゃげ、指の間からはみ出し、こぼれ落ちそうになる。そして甘い香りは次第に強くなっていった。
顔に温かい息がかかった。彼女の顔が触れ合いそうなくらい近くにある。目が合うと、ピンク色の唇がさらに近づいてきた。
「ん……っちゅ♥」
女の子に唇を奪われた。しかも互いに全裸で、僕は彼女の胸を揉んでいる。心臓の脈打ちが次第に大きくなっていった。
乳房とは違う、儚げな唇の柔らかさ。握手するように絡めてくる舌。そうしているうちに、胸の鼓動が二つ重なっていることに気づく。分厚い乳房の向こうで、ナターニャの心臓も大きく脈打っている。彼女もドキドキしているのだ。
「ちゅっ、んふぁっ……ふふっ……」
唇の隙間からナターニャの笑い声が漏れた、そのとき。怒張した男根が、優しい手でそっと握られた。
ぴくん、と震えるそれを、すべすべの手が優しく撫でさすってくる。
気持ちいい。
ちゅっ、と大きな音を立て、唇が離れた。ナターニャは呼吸を整えながら僕を見つめ、にこりと笑う。彼女の頬は赤らんで、右手は肉棒を撫で続けていた。
「ボクのおっぱい、好き?」
「……うん」
悪戯っぽく尋ねられ、素直に答えてしまう。彼女の前では自然と心が正直になってしまう。再び羞恥心が湧き上がったが、それでも両手で胸のボリュームを味わい、柔らかさを楽しむのを止められない。
その一方で、ナターニャは僕の答えに嬉しそうだった。
「じゃあお口で吸ってみて。きっと、もっと好きになっちゃうよ」
ぐいっと胸を押し付けるように、乳首を口の前に持ってくる。薄いピンク色の、ツンと勃った乳首。ほのかに甘い匂いがして、とても美味しそう。
股間を愛撫する手の感触に、淫らな気持ちも高まって、たまらず口に含んだ。少し吸った瞬間、口に何かとろりとした温かい物がにじみ出てきた。
「あんっ♥」
ナターニャが気持ち良さそうな声を上げ、肉棒を握る手にやや力が籠もった。温かくて、まろやかな味の液体……これは、母乳?
「んぅ、あはっ♥ 美味しいでしょ? さっきのチーズもこのミルクで作ったんだよ」
牛の耳をピクピクさせながら、頬を赤らめるナターニャ。それを聞いた瞬間、心臓が一際大きく鳴った。あのピザを彩っていた白チーズの原料が、この母乳。つまりナターニャのこうした奉仕はあのときから始まっていた……?
「いっぱい飲んでね」
優しく後頭部を撫でられ、このまま甘えたいという衝動が抑えきれなくなった。乳首を吸いたてるとさらに多くの母乳が溢れて、口いっぱいに広がる。美味しい。ただの牛乳とは違う、心地よい甘みがある。甘いと言っても口の中に残るようなくどい甘さではなく、いくらでも飲めてしまいそうだ。
「はーい、反対側もね」
乳首を離され、もう片方を吸うよう促される。ゴクゴクと飲み下していく間に、男根はゆっくりとした手の動きに追い詰められていた。
「あ、出そう?」
「ん……」
乳首をしゃぶったまま頷くと、口からこぼれた母乳が頬を伝う。快楽を我慢しようとは思わなかった。むしろその方がナターニャに対して失礼で、恥ずべき行為のように思えたからだ。
僕が素直になっているのを見てか、ナターニャは「いい子だね」と囁いてくれた。下半身がきゅんと疼いた瞬間、高められたものがこみ上げてくる。僕は夢中でおっぱいを飲みながら、全てを受け入れた。
「んんっ!」
快感が最高潮に達して、おっぱいで塞がれた口から声を漏らした。
びゅるっ。大きな音を立てて、股間からは精液が迸る。普段自分でするときより、大量に。
「わぁ!」
ナターニャが歓声を上げた。彼女の掌の中で男根は脈打ち続け、どくどくと吐き出していく。それがなかなか終わらない。
僕は乳首から口を離し、おっぱいの谷間に顔を埋めてしまった。彼女は嫌がるはずもなく、柔らかい塊でぎゅっと挟んでくれた。温かい感触に汗の滑りが何とも淫らで気持ちいい。
最後にとくん、とくんと大きく脈打って、僕の股間は大人しくなった。甘い快感の余韻が体に広がる。
「上手にお射精できたねー」
頭を撫でながら、額に優しくキスをしてくれるナターニャ。多幸感で頭がいっぱいになった。谷間に顔を埋めたまま、自然と頬が緩んでしまう。
こんな状況は考えられないことだった。自分と同い年くらいか、もしかしたら年下かもしれない女の子に身を任せ、子供のように甘えている。そればかりか授乳され、性器を刺激され……いや、こんな可愛い人外の女の子に料理を振舞ってもらうこと自体、考えられなかった。
夢なら、もう少し浸っていたい。
「ほら、おにーさん。空見て」
谷間から顔を出さずに、視線を上に上げる。
眩い、それでいて優しい光の粒が空を彩っていた。宝石箱をひっくり返したような、満点の星空が。
青、赤、金などに煌めく星々に、思わず息を飲む。この美しい夜空の下に全裸でいるということがなんとも不思議な気分だ。だがそれがまるで、自分が自然に還ったような心持ちにもなる。
ナターニャと二人で、暫くの間静かに星を見ていた。夫婦は互いに見つめ合うのではない、共に同じ星を見るものだ……そんな言葉を不意に思い出す。
「この星空も、牧草地も、ボクも。今夜はぜーんぶ、おにーさんのものだからね?」
僕を胸に抱いたまま、ナターニャは草の上にころんと寝転がった。二人で大地に身を預け、空を見上げる。
「夜が明けて、おにーさんがお家に帰っちゃうまで、ボクがずっと側にいてあげる。だから……」
ちゅっ。再びキスをしてくれた。唇が柔らかい。
「何も我慢しないで……自然なままのおにーさんで、いいんだよ」
ナターニャの声、匂い、母乳。それらは全て、ほのかな甘みを持っていた。そしてその甘みは全て、僕のためにあるのだろうか。
少なくとも、今はそうなんだ。
「ミルク、もっと飲む?」
「ありがとう。でももう、お腹いっぱい……かな」
「そっか。それじゃあ……」
ゆっくりと、胸の谷間から解放される。汗ばんだ肌がペリペリと音を立てて離れ、新鮮な空気を顔に感じた。名残惜しいが、彼女は僕に「ちょっと待ってね」と笑いかけ、大きな胸を自分で揉み始めた。先ほど僕の男根を愛撫してくれた手が、柔らかな双峰をムニムニと揉みしだいている。
そばかすの散った顔にうっとりとした表情を浮かべ、ナターニャはしばらくそれを続けた。やがて少し赤らんだ乳房を自分でぎゅっと搾ると、乳首から母乳が溢れ出る。僕が飲ませてもらったミルクとは違い、粘度のあるトロトロとした乳液だ。
「これはね、おちんちんに飲ませてあげるミルクなんだー」
得意げに胸を張り、その谷間へ母乳を塗りたくる。愛撫で赤くなった乳房に白いトロトロが塗りたくられ、なんとも淫らな光景を作り出す。
僕は彼女が何をしてくれるのか分かった。あれほど射精したにも関わらず、股間では男根が大きくそそり立っていた。
「ぱいずり、っていうのやってあげる。おっぱいでおちんちんを挟んでムニムニするんだよー」
朗らかに宣言された途端、男根がぴくんと反応した。あの谷間で、今度はコレを抱きしめてくれるのか。
「おちんちんさん、期待してるみたいだね」
震える肉棒を見て楽しげに笑いながら、ナターニャは僕の下半身の方へ移動する。そして左右に揺れる乳房を股間へ近づけてくる。
次の瞬間、肉棒が谷間へにゅるんと挟み込まれた。根元から亀頭まですっぽりと。
「ああ……」
甘美な感触に、思わず声が出てしまう。その胸の柔らかさは手と顔でたっぷりと味わったが、男根を刺激するにも最適な感触だった。
しかも、単に柔らかいだけでは終わらない。股間がジンジンと熱くなり、快楽が増していく。双峰に塗りたくられた母乳が性器へ染み込んでいるのだとすぐに分かった。ナターニャの言った通り、男性器へ授乳されているのである。
ただ気持ちいいだけではない。肉棒が彼女の胸の中で、少しずつ、少しずつ膨らみ始めた。乳房で完全に包まれていたのが、その柔らかさを押し広げて膨張していく。
やがて谷間から、赤っぽい先端がちょこんと顔を出した。
「あはっ、亀頭さんこんにちは〜」
ちゅっ。外気に触れた亀頭はナターニャのキスに出迎えられた。それだけで快感が広がり、大きく震えてしまう。ナターニャは僕の反応を楽しみながら、両方のおっぱいをぎゅっと押し付け、上下に擦り合わせてきた。
「はーい、ムニムニムニ〜♥」
彼女の手によって、二つの大きな膨らみが形を変えつつ、柔らかく男根を愛撫してくる。滑らかに擦れていく柔らかな塊がたまらなく気持ち良い。摩擦と同時に母乳が染み込み、肉棒はどんどん敏感になっていった。快感が増し、まるで男根が谷間で溶け出したかのような気持ちになる。
「おにーさん、蕩けた顔してるー」
綺麗な瞳でじっと僕を観察し、次いで胸の谷間に視線を落とす。魅力的な唇から顔を出した舌が、谷間から顔を出した亀頭へちょんと触れた。先ほどディープキスをしていた舌が、今度は男根の先端をくすぐってくる。母乳の影響で敏感になった亀頭を強すぎず、弱すぎない刺激で愛撫してくれる。それがたまらなく興奮を誘い、気持ちいい。
先ほど手で射精に導かれたばかりなのに、男根には疲れも痛みも無い。それどころか、染み込んだ母乳によって活力が満ちていた。
「お射精は我慢しちゃダメだよー。したくなったらいつでも、ね?」
優しい声に導かれ、射精感が込み上げてくる。頬が自然と緩んでしまう。
「うん、そうそう。おにーさんはボクのおっぱいとミルクで、トロトロになっちゃえー♥」
おっぱいの動く速度が上がった。激しく、それでいて優しく男根が刺激される。母乳でなめらかに擦れ合う膨らみ。亀頭は谷間から出たり潜ったりを繰り返し、まるでおっぱいに溺れているかのようだった。
そして僕の心はとっくに、ナターニャに溺れていた。
「あ……出る……!」
うわ言のように言葉が漏れた。するとナターニャは自分の谷間にぐっと顔を近づけ、亀頭をすっぽりと唇に加えた。
その温かく柔らかな刺激が最後の引き金となった。
「あ……あああ……」
どくん。谷間で竿が大きく脈打ち、二度目の精液が快感と共に迸る。亀頭にしっかりと吸い付いた、お口の中へ……
「んんっ♥」
ナターニャの唇から僅かに白濁が漏れた。母乳の効用か、二度目にも関わらず脈打ちは止まらない。それでも彼女は喉を鳴らして、ごくごくと飲み下していく。僕にはそれがまるで、彼女が僕の全てを受け入れてくれた証拠のように思えた。いや、実際にそうなのだろう。
僕の欲求も、疲れも、望みも、ナターニャは全て分かってくれる。その温かな胸で全て包み込んでくれる。
射精は続いた。乳房の柔らかな圧迫に促されるかのように、長く脈打つ。頭が真っ白になりそうなほど気持ちいい。夜空の星さえ霞んで見える。
でも。
そばかすの散った頬、牛の耳と角、大きなおっぱい。
美味しそうに白濁を飲んでいるナターニャだけは、はっきりと目に焼き付いていた。
…………
……
「んっ、はぁ♥ ふぅっ♥ もっ♥」
……可愛らしい喘ぎ声に、意識が覚醒していく。開けた目に窓から差し込む朝日が染みた。
柔らかなベッドの感触。あの寝室にいるのだと分かった。陽光は温かいが、股間部はまた別の温かさで包まれていた。
「あっ。おにーさん、あぅ、おはようっ!」
腰を弾ませながら、笑顔で挨拶してくれるナターニャ。僕の腰に跨り、彼女が何をしているのかはすぐに分かった。
ナターニャは昨晩と同じ素っ裸。下半身は体毛で覆われているが、股間部のみそれが消え、上半身と同じ白い肌になっていた。そこにある、つるりとした割れ目……女性器が、僕の男根をしっかりと咥えこんでいた。
性行為。昨晩行わなかった、子作りの儀式。
「えへへっ、びっくりした?」
悪戯っ子のように舌を出すナターニャ。膣内がぐにっと動き、きゅうきゅうと締め付けてくる。昨夜味わった胸や手、唇による刺激とはまた異なった快楽だ。状況を飲み込めないうちから性欲だけが高まっていき、気持ち良さに身を委ねてしまう。
「おにーさん、この場所にっ、魅入られちゃったんだよぉ……だから夜が明けても……はぁん♥ もう、お家、帰れな、いっ……!」
頬を紅潮させ、快感に悶えながら言葉を紡ぐ。告げられた事実よりも、彼女も気持ちよくなっているということに興奮してしまう。細かいことはどうでもいい。大事なのは僕がナターニャを好きで、ナターニャも僕を愛してくれている。そのことだけだ。
彼女の白い手を掴み、引っ張る。ナターニャは素直に僕の上へしなだれかかってきた。胸のふくらみが僕の上でぐにゃりとひしゃげ、赤らんだそばかす顔が目と鼻の先にある。熱い吐息が互いの顔にかかる。
「おにーさぁん……♥」
くりくりとした目を潤ませながら、ナターニャは僕の顔を覗き込んでくる。自然と唇が触れた。
「ちゅっ、くちゅ♥ ……ふぅ、んう♥」
舌を絡め合い、彼女の口の中を味わう。唾液の音と、股間から聞こえてくる水音が重なった。
僕はナターニャを抱きしめた。吸い付くような肌の感触、僕の胸板をマッサージしてくる乳房の感触。彼女の愛情。全てを自分のものにするつもりで。
体が密着したせいで、ナターニャは腰を上手く上下させることができなくなった。しかし膣内のヒダは意思を持っているかのように脈動し、ぬるぬると肉棒をくすぐってくる。その動きはナターニャ自身にも強い快感を与えているのが分かった。彼女の心臓の鼓動が早くなり、息も荒くなっている。
一緒にイこう……そんな声が心の中に聞こえた気がした。
昨日の射精を思い出しながら、全てを受け入れる。彼女をしっかりと抱きしめ、熱いキスを交わしながら、僕は快楽に身を任せた。
「んんんーっ、ふぅぅぅぅ♥」
先に絶頂を迎えたのはナターニャの方だった。ぎゅっと膣の締め付けが強くなり、プシュッと潮を吹く音がする。昨日あれだけ僕に奉仕してくれたナターニャが、今日は自分が絶頂している……その興奮が僕の快感を強めた。
どくどくと大きな音を立て、結合した性器から精液が迸る。
「んんっ!?」
僕の上でナターニャの体が大きく跳ねた。だが口と性器はしっかりと繋がったままだ。そして今度は彼女の方からもこれ以上ないくらい体を密着させ、射精を受け止めてくれた。
彼女の上下の口は音を立てて吸い付き、上の口は唾液を、下の口は精を啜る。その感触がたまらなく気持ちいい。僕の全てをナターニャに捧げて、彼女の全てを僕がもらう。その快感に頭が真っ白になっていく。
子宮に収まりきらなかった精液が溢れた頃に、律動はゆっくりと収まっていった。ちゅぽん、と唇が離れ、ナターニャは愛おしそうに頬ずりをしてくる。ほっぺたも汗ばんでいて熱く、柔らかい。
そのとき、股間のみならず胸にもぬるりとした感触を感じた。彼女の乳房から母乳が滲み出ていたのだ。しかも昨日手淫とともに飲ませてもらった母乳とも、男根に塗りたくられたものとも違う、もっと濃厚な匂いを放つとろりとしたミルクだ。
甘い香りが鼻をくすぐり、食欲を刺激される。思わず彼女の胸……僕の胸板で潰れた大きなおっぱいをプニプニと揉んでしまう。
「……えへへ。中にいっぱいお射精してくれたからねー」
ナターニャは照れ臭そうに笑いながら手をベッドに着き、上体を起こす。思わず目を見開いた。ただでさえ豊満な胸は先ほどまでより一回り大きくなって、丸みを帯びていたのである。そしてピンクの乳首からは、たらたらと母乳が滲み出ていた。
「おかげでミルクどんどんできちゃって、ボクのおっぱいパンパンだよー。飲んで飲んで!」
口に乳首を突きつけられたので、遠慮なく口に含む。その瞬間、天にも昇るような濃厚な味わいが口いっぱいに広がった。それは確かにミルクであり、甘みもあり、匂いもある。だがその濃さはまるでクリームがヨーグルトのようで、『朝食』と呼んでいいほどのボリュームがあった。
彼女の体臭……いや、体香と言うべきか? 甘い汗の匂いも混じっており、その風味がまた癖になりそうだ。
「んぅ……美味しい?」
たまらず、もう片方のおっぱいを引き寄せる。大きな胸だから、ぐっと寄せれば左右の乳首はぴったりくっつくくらいだ。
そして両方の乳首を一度に口に含み、吸う。
「ふああぁん♥ 両方、いっぺんに、なんてぇ♥」
乳首への刺激によがるナターニャ。いつの間にか肉棒は膣内から抜け、下半身に汚液の感覚だけがあった。しかし彼女は僕の頭を抱きしめ、授乳を続けてくれた。
美味しい。
体全身が元気になっていく。元いた場所での疲れなど吹っ飛んでしまう。これを毎朝飲めるなら、今までの倍働いても平気だとさえ思える。
だがもう、その必要さえないのだろう。
「……ごちそうさま」
乳首を離し、感謝の言葉を述べる。次いで「げふっ」という息が漏れてしまった。恥ずかしかったが、ナターニャは満足げに笑っている。おっぱいは元の大きさに戻っていた。
「お粗末さまでしたー」
ゆっくりと起き上がり、フラフラしながらもベッドから降りて立つ。蹄が硬い音を立てた。
そこで彼女は「あっ」と声を出す。僕があれだけ飲ませてもらったにも関わらず、おっぱいがまた膨らみ始めたのだ。白い肌がパンパンに張り、キャパオーバーした母乳が再び漏れ出す。
「やーん、まだおっぱいがミルク作ってるよー。おにーさんの精液、ボクの子宮とすっごく相性良いんだねー♥」
お腹を撫でながら照れるナターニャは何とも可愛らしい。けれどその溢れる母乳を飲むには、僕の胃の容量が足りなかった。
「じゃあおにーさん。えっちは一休みして、一緒にこのミルクでチーズ作ろうよ。きっとすっごく美味しいのができるよ!」
「……うん。一緒にやって作り方覚えるよ」
僕もフラフラと立ち上がった。彼女に腕を支えてもらったが、体は元気一杯である。一度立ってしまえばもう平気だった。
僕たちは手を繋いで階段を降りていく。互いに笑い合いながら、素っ裸で。
「終わったら、またぱいずりしてあげるねー。それともお手手がいいかなー? またおまんこにするー?」
乳房をぷるんと揺らしながら、朗らかに尋ねてくる、可愛いナターニャ。これからの生活への期待に、僕は胸を膨らませた。
END
19/06/09 17:58更新 / 空き缶号