中身は悪魔。返品不可。
人生、思い通りにはならないものだ。
信じて就職した会社が社長の親族が好き勝手やって他の社員が生け贄になっているブラック企業だったなんて。
だが昨日、俺は一つのことを学んだ。思い通りにならないのは何も俺だけじゃないということを。要するに社員の就業表改竄やサービス残業強要、イジメ、資金横領その他諸々がお上にバレたのだ。誰かは分からないが同僚の内部告発だったらしい。俺もいろいろと聴取を受け、洗いざらい全部話した。会社は多分瓦解するだろうし、俺も再び就職先を探さなくてはいけないが、それを差し引いても気分がいい。ざまあ見ろ。
そういうわけで、次の仕事場が見つかるまではアパートで休息だ。
「えーと、こいつは燃えないゴミ、っと」
部屋中に散らかったペットボトルや空き缶などをゴミ袋に放り込み、整理整頓を行う。今まで徹夜仕事だの、電車が始発終電だの、人間の生活サイクルを完全に無視した生活をしていた。溜まりに溜まったゴミを処分して新生活に備えよう。新生活、いい響きだ。
缶詰の空き缶を分別しながら、今までの酷い食生活を改めて思い起こした。卵とベーコン、卵とランチョンミート、または卵とベーコンとランチョンミート、卵とベーコンとソーセージとランチョンミート。
その頃はまだマシだった。やがてランチョンミートとベーコンとソーセージとランチョンミートになり、次はランチョンミートと卵とランチョンミートとランチョンミートとベーコンとランチョンミートになった。さらに酷くなるとランチョンミートとランチョンミートとランチョンミートと卵とランチョンミートというもはやメニューとは言えない何かになってきた。
貯金はあるし、部屋を片付け終わったら今日はまともな物を食べよう。そう心に決めて缶詰の残骸を処分しているうちに、ふと手が止まった。中身のない軽い缶に慣れた手が、ずしっと重みのある缶を掴んだ。
「……何だこれ」
艶のある黒で塗られた、掌サイズの円柱型の缶詰があった。ランチョンミートのものではない。ラベルにはファンシーな文字で『三周年記念』と書かれているだけで、カロリーや内容量、そもそも何が入っているかも記されていない。いや、隅っこに小さく『開封後はお早めに召し上がられてください』と書いてあるから食い物なのだろう。召し上がられて、というのは敬語の用法としておかしいと思うが。
「こんな物買ったか?」
身に覚えのない怪しい代物だった。捨てた方がいいだろうが、まあ中身くらいは確認してみよう。食べるかどうかは別として、未開封で捨てたら後々気になりそうだし。
片付けを一時中断して、机の上に缶を置いた。タブに指をかけ、一気に開ける。カパッと小気味よい音がした……その瞬間。
「うおっ!?」
缶からぼわっと立ち上った、紫色の煙。食欲など当然削がれる不気味な煙に、思わず尻餅をついてしまう。この缶詰は手製の煙幕弾だったのかと思うほど濃密に、部屋中に広がっていく。
「か、換気! 換気!」
大慌てで滑りの悪い窓を開けた。煙が外へ流れていくが、近所迷惑は後で考えよう。だがその途端、煙は徐々に薄くなっていった。視界がよくなり、空気が澄んでくる。完全にクリアになったとき、机の上には、
「じゃじゃーん! 三周年きねーん!」
幼女が、立っていた。
「えへへっ、開封ありがとぉ」
「あ、うぁ……」
缶を蹴飛ばして俺に歩み寄って来る幼女に、俺は顔を引きつらせるしかなかった。缶詰の中身が幼女だったからではない。
まだ第二次性徴に達したかどうかという幼い女の子が、露出度では下着と変わらないほどの際どい服装をしている。その露出している肌はとても滑らかで、柔らかそうで、そして青い。青い火を連想させるような色合いだ。目は本来白いはずの部分が漆黒に染まり、瞳は血と同じ色だった。
そして何よりも、腰から生えている蝙蝠に似た翼。蛇のようにくねる艶やかな尻尾。コスプレの作り物では到底出せないリアリティがそこにあった。その翼のはためき、尻尾のくねり、俺に微笑みかける赤い瞳は間違いなく、血が通った生き物だ。
「よう……じょ……!」
「ようじょ? 幼女? 妖女? 本物のデビルを見るのは初めて?」
悪魔はニヤニヤ笑いながら、へたり込んでいる俺に覆い被さってくる。赤い瞳が間近に……頭がおかしくなりそうだ。
「美味しく食べてあげるね。せっかくの三周年記念だもん!」
意味不明な言葉の後、自分をデビルと呼んだ幼女は小さな唇をすぼめた。ふーっと、吐息を顔にかけられる。何か甘い、果物のような香りがした。
「ふぅ〜♪ ふぅ〜♪」
楽しそうな顔で、何度も甘い吐息を吹きかけられた。俺の顔の周りにその香りが漂い、気がつけば夢中で吸い込んでいた。胸一杯に吸い込むと、沢山のご馳走を目の前にしたような幸せな気分になってくる。
「あぁ……」
次第に眼前の小さな悪魔がたまらなく魅力的に見えてきた。赤い瞳といつまでも見つめ合っていたい。青い肌に触れていたい。目がとろんとしてくる俺を、小さく可愛らしい手が優しく撫でてくれた。ああ、何だろう。無性に跪きたい。
「にひひっ、可愛いお兄さん。ほぉら、三周年記念だよー」
悪魔は後ろ手に持っていた物をこちらに差し出してきた。籐か何かで編まれたバスケットだ。それが開かれると、中には沢山の缶詰が。
「さ、まずはどれがいい? 好きなの選んでね」
缶詰を床に並べて見せてくる悪魔様。缶詰のラベルには色や模様が入っているだけで、中身の名前などは書かれていない。だがその缶詰はどれも、何か心引かれるものがあった。開けてみたいと思ってしまうような。
悪魔様がどれか選ばせてくれると言うのだから、選ばなくてはならない。三周年記念というのが何のことなのか分からないが、とりあえず向かって一番右に置かれた薄いピンク色の缶詰にしてみよう。
「こ、これがいいです」
俺が指差した缶詰を手に取り、悪魔様はにんまりと笑った。
「にひひ♥ こういうのがイイんだ? じゃ、開けちゃいまーす!」
悪魔様の細い指が、缶詰の蓋を開けた。途端にぼわっと煙が吹き出て、彼女の姿を一瞬隠してしまう。本当に一瞬だった。
すぐに煙は晴れ……そこには。
「こんにちは。往診に来ましたー♥」
白衣の天使……いや、悪魔様がいた。一瞬のうちに、凄まじく際どい裸同然の服から、理知的な白衣姿へと変わっていた。首にかけた聴診器、手には医者の鞄という出で立ちが、幼い魔性の姿に不思議と似合っている。
「健康診断しましょうねー。服を脱いで椅子に座ってください」
「は、はいっ」
言われるままに上着を、そしてシャツを脱ぎ捨ててしまう俺。裸になった上半身を、赤い瞳が這うように見つめてくる。何故だ、気持ちいい。
「あ、パンツも脱いでくださいね♥」
「すっ、すみません!」
にこやかに告げられ、俺は反射的に謝りつつズボンを脱ぎ捨て、パンツも洗濯かごに放り込んだ。自分でも驚くほど躊躇いなく脱いでしまったが、それは即ち、彼女の前に股間のソレを晒すということだった。
「にひひっ。さあ、座ってください」
着席させられた。赤い瞳が、俺の体を舐めるように見ている。その視線だけで体がピリピリした。股間に血が集まり、ペニスがむくむくと肥大していく。
「それでは診察しますねー。先生の言う通りにしてください」
「はい……」
俺は逆らうことができない。彼女が本物の悪魔なら、先ほどの甘い吐息は何かの魔法だったのだろう。もうこの幼女に服従してもいいという気分になっている。
悪魔様……先生は聴診器を耳につけ、てくてくと近づいてきた。だがその目線は聴診器を当てる箇所ではなく、俺の下半身を、極限まで怒張したペニスを見つめていた。幼い顔に好色な笑みを浮かべ、聴診器のピース部分を押当ててくる。胸ではなく、ペニスの先端に。
「力抜いてー。楽にしていてくださいねー♥」
亀頭に触れる、冷たい人工物の感触。だが今ひとつ状況を理解できないうちに、その感触は変異し始めた。
うにゅり、とうねる聴診器。ゲル状の柔らかい物が亀頭にまとわりつき、ぷるぷる震えて刺激してくる。まるで先生の唇が触れているようにさえ思える。
「あ、こ、これは……!」
「おちんちんの調子を看るための、特製聴診器なんですよ♥ 気持ちいいですか?」
にこやかに言いながら、先生は青白い手で竿部分をむんずと掴んできた。柔らかな手の感触だけで感じてしまい、幼い手の中でペニスがぴくんと震えた。胸が高鳴って来る。こんな小さな女の子と、しかも悪魔の女の子と『いけないお医者さんごっこ』をしている……その背徳感が何よりも興奮するのだ。
さらに先生は聴診器のチェストピースを、亀頭にぐりぐりと擦り付けてきた。ぷるぷる、ヌメヌメの快感がより一層強くなる。
「ふ、う、ぁぁぁ……!」
「にひひっ。いい顔……♥」
先生が俺を見つめている。赤い瞳に俺の顔が映っていた。気持ちよすぎてだらしなく口を開け、快感に悶える顔だ。自分がこんな顔をして、しかも幼女に見られるなんて。
だがあの酷い会社で、仕事中にふと鏡を見たときの顔はもっと酷かった。げっそりとやつれ、絶望感漂う自分の姿。死体と対して変わらないあの姿に比べれば、今の快楽に蕩けている自分の何が恥ずかしいのか。これはあの地獄に耐えたご褒美だという思いさえ湧いてきた。
くちゅくちゅと卑猥な音が部屋中に響く。滲み出た先走の液が竿を伝って垂れてきた。幼女の手と聴診器による責めで無様に喘ぎながら、俺はどんどん高められていった。
「出そうですかー? ガマンしないで、オモラシしちゃいましょうねー♥」
先生のその言葉が引き金となった。快感と共にこみ上げてきたものが、尿道を通っていく。その瞬間、聴診器のゲル状部分が、みっちりと鈴口に吸い付いてきた。
「で、出る! 先生、出ちゃいます!」
恍惚に浸りながら、無我夢中で叫んだ。俺がとても気持ちいいのだと、彼女に伝えたかった。
「はーい♥ ぴゅっぴゅっ、ぴゅっー♥」
先生の声に合わせて、俺は聴診器に生臭い欲望を吐き出していた。じゅるじゅると音を立て、迸った精液を聴診器が吸い上げていく。
「ぁぁぁ……」
気持ちいい。終わりまでしっかりと、最高の快楽に浸りながら射精することができた。脈打ちがゆっくりと収まり、先生はじーっと俺を見て、ニコリと笑う。
「いい音で射精していましたね。おちんちん、健康です♥」
「あ、り、がとう……ございます……」
夢心地でお礼を言う俺。すると先生は俺に顔を近づけて、ふぅっと息を吹きかけてきた。あの不思議な甘い吐息だ。吹きかけられた瞬間、反射的に大きく吸い込んでしまう。悪魔が俺を虜にしようとしているのだと分かっていても、自分からそれを望んでしまうのだ。
彼女の息を吸った瞬間、気持ちよく出し尽くしたペニスがぴくんと反応し、むくむくと起き上がっていく。
「さあ、次はどの缶詰がいい?」
再び缶詰を指差す悪魔様。次は何をしてくれるのだろうか……期待しつつ、俺はその中の一つを指差した。
「じゃあ、これで……」
「にひひっ、おっけー♥」
水色のラベルが貼られた缶を指差すと、悪魔様は楽しげにそれを手に取る。カパッっという音の後、ぼわっと吹き出た煙が視界を覆った。先ほどと同じようにすぐにそれは晴れ、悪魔様の姿が見えてきた。
今度の衣装は清純な白衣と同じ色だったが、用途は大きく違うものだった。彼女の幼い体にぴったりフィットしている。滑らかそうな素材で作られたそれは、無性に情欲を誘う。
「じゃーん! スク水だよん♥」
笑顔で胸を張る悪魔様。ぴっちりした水着には幼い胸の小さな膨らみも、おへその可愛らしい窪みもちゃんと浮き出ている。純白に青い肌がよく生えていて蠱惑的だ。
だが同時に、その胸にマジックで書かれた『ニェムスアータ・ニェムリカ』という文字に目がいった。子供っぽい書体で大きく書かれ、最後の方は字が潰れている。俺の視線に気づいたのか、悪魔様はその部分を指で引っぱり見せつけてきた。
「これが私の名前! ニェム様って呼んでね!」
「は、はい。ニェム様……」
名をお呼びした瞬間、ニェム様は座っている俺の膝に飛び乗ってきた。幼く柔らかな体がのしかかってくる。
「よく言えました♥ ご褒美に抱っこさせてあげる」
彼女のお腹に、すっかり怒張したペニスがくっついた。ぷにぷにとした青白い肌と、滑らかな白スクの感触。お言葉に甘えてぎゅっと抱きしめ密着し、翼や尻尾、お尻の方までなで回す。ニェム様がもぞもぞ動くと、お腹とペニスが擦れ合った。
「ああ……気持ちいい……」
「にひひ……よだれ垂れてるよ♥」
ニェム様は俺の口元をぺろりと舐めた。舌の感触で感じてしまい、ペニスがぴくんと震える。俺は無我夢中で彼女の小さなお尻を揉み、柔らかさと背徳感に酔いしれた。水着の上から撫で擦り、中に手を入れて直接揉み、お尻の谷間を指でまさぐる。ぷにぷにのお尻といい、ペニスに押し付けられたお腹といい、いつまでも触っていたい気持ちよさだ。
「んぅ♥ お兄さんってばエッチぃ〜♥ そんなにお尻が好きなら……」
くるり、と体の向きを変えるニェム様。白スクの生地に包まれた小さなお尻がこちらに向けられ、そして襲いかかってきた。
「あぅぅっ!」
ぷにゅぷにゅのそれが、ペニスを押しつぶしてきた。小さいのに量感があり、白スクの布がなければペニスがどこまでもめり込んでしまいそうなほど柔らかい。
「にひひっ、お尻の下でおちんちんがピクピクしてるよ〜♥ 出そう? 出ちゃいそう?」
俺の上に腰掛けて笑う彼女を、俺は後ろから抱きしめた。いや、その小さな体にしがみついたと言った方がいいかもしれない。スク水の上からぷにっとした貧乳を揉み、青肌の温もりを体一杯に感じる。
気持ちいい、悪魔の体が気持ちいい。幼女悪魔が気持ちいい。スク水が気持ちいい。ニェム様が気持ちいい!
「で、出ますぅぅ! ニェム様ぁぁ!」
小さなお尻に敷かれたまま、ペニスは激しく脈打った。白スクにどろどろしたそれを撒き散らしていくと、ニェム様の腰の動きによって擦れ合い、いやらしい音を立てた。彼女の胸を掴み、悪戯っぽい笑みを浮かべる頬に自分の顔をすり寄せながら、俺は快感に打震えていた。
「沢山出てるねぇ♥ お尻がべとべとだよ♥ ほら」
ニェム様が腰を上げると、にちゃぁっ……と卑猥な音がした。白いスク水の上にさらに白い精液がまぶされ、いやらしく糸を引いている。まだ出し尽くしていなかったペニスから残りの白濁が飛び出し、さらにお尻を汚した。
ぼーっと彼女の媚態を眺めていると、ニェム様はまた甘い吐息をかけてくれた。再びわき起こる、彼女への情欲。もっとニェム様を味わいたい。悪魔の快楽を味わいたい。
「にひひ♥ 次の缶詰を選んでね」
……こうして俺は、次から次へと魔法の缶詰の中身を堪能した。缶が開けられる度に煙が立ち上り、ニェム様は新しいコスチュームを纏って気持ちよくしてくれる。俺が一回イけば、また次の缶。様々な服が出てきては、ニェム様は悪魔の魅力とその服の魅力を一緒に教えてくれた。
例えば……。
「あぃぃぃ……うぅぅ」
「ふん、情けない捕虜もいたものだなっ。ほれほれ〜♥」
黒い軍服を身に纏ったニェム様が、素足で俺のペニスを踏みにじる。バイザー付きの軍帽が赤い瞳の禍々しさを引き立てていた。だが軍服の下半身はミニスカートで、青く滑らかな太腿や可愛い足が丸出しになっている。彼女の捕虜である俺にできるのは、その幼女足拷問で悶えることだけだった。
「あう、で、出ちゃう……!」
「この早撃ちガンマンめ。こんな銃など、こうしてくれる♥」
「ひぎぃ!?」
足の指でペニスの根元を強く締め付けられ、迸りかけたそれが止められてしまう。震えながら懇願の視線を送る俺を、ニェム様は満足げに見下ろしてきた。
「我が軍門に下るなら、射精させてやっても良いぞ♥」
「はひぃ……く、下ります! ニェム様に忠誠を誓います!」
「にひひ……こんな幼女に下るとは♥ では私を讃えながらイけ!」
足指の拘束が緩んだかと思うと、今度は亀頭を軽く踏まれた。柔らかな彼女の足裏は凶器そのもので、それまで溜め込まれてきたものを一気に吹き出させる。
無意識のうちに「ニェム様万歳」と叫びながら、俺はその足を盛大に汚してしまった。
次の缶から出てきたのは、打って変わって清楚な巫女の衣装。先ほどまで得意満面でペニスを踏みつけていたニェム様だが、この格好になった途端おだやかな微笑みを浮かべた。
「さあ……気持ちよくして差し上げます」
小さな手が、ぴとっ、とペニスに触れた。柔らかく、とても優しい手つきで。それがすべすべと竿を撫で擦り、亀頭をくすぐったく可愛がってくれる。ペニス用聴診器とはまた違う、じわじわと来る気持ちよさだった。
「如何ですか? 出してもよいのですよ……♥」
俺に微笑みかけながら、ニェム様はペニスに息を吹きかけてきた。あの甘い吐息だ。勃起と欲情を誘うそれをペニスに直接かけられ、痺れるような快楽が走った。何より一転して献身的なニェム様の態度に興奮し、押さえきれない衝動がこみ上げてきた。
次の瞬間、その衝動は暴発した。俺はあろうことかニェム様の頭を掴み、その愛らしいお口に肉棒を押し込んだのだ。
「んむぅぅぅ♥」
苦しそうな声を出すニェム様だが、同時に楽しんでもいるようだった。何故なら俺の腰にしっかり手をまわし、じゅるじゅると音を立ててペニスを吸引してくれたのだから。
「うぁぁぁ……!」
小さな舌が鈴口をちろちろとくすぐり、丹念に吸い立ててくる。唇はもうぷるぷるだ。 腰をゆっくりと前後させ、唇の摩擦を味わっていく。ニェム様のお口の中は狭く、とても温かかった。
気持ちよさに酔いしれながら、俺は緩やかな速度で射精し始めた。口腔を精液で満たしたかと思うと、ニェム様が喉を鳴らして飲んでくれた。出し尽くした後も彼女の頭に手を添え、ペニスをお口に預けたまま恍惚感に浸った。
俺はそうやって、どんどんニェム様に、悪魔の快楽に溺れていった。空の缶詰がどんどん床に転がっていき、次の缶が開かれ、俺は犯される。本番はなくても、彼女の体を白く汚す快感は格別だった。幼くて青白い肌が白濁を浴びて、貪欲に次をねだってくる。止めどなく深みにはまっていった。もう彼女無しではいられないと思うくらいに。
だが。
「はぁ……はぁ……」
セーラー服姿のニェム様の、そのふとももに射精。むちむちした感触の余韻を味わっていると、ニェム様は俺の方へ向き直った。少し寂しそうな表情で。ぞくり、と嫌な予感がした。
「缶詰なくなっちゃったから……これで帰るね。たっぷり出してくれてありがと」
がつん、と脳天を金槌で叩かれたような気がした。ブラック企業で受けた嫌がらせの何倍もショックだった。
ニェム様がいなくなってしまう。あの快楽が、甘い吐息が、愛くるしさが、もう味わえなくなってしまうのか。絶望感に脚が震える。彼女のいない世界などもう考えられないほど、俺は悪魔の魅力に取り憑かれていたようだ。
「そんな顔しないの。ただの三周年だったんだし、本物のデビルに抜いてもらってよかったなー、って諦めなよ」
「嫌です!」
俺をなだめようとするニェム様に思わず叫んでしまった。心の、魂の叫びだ。
「俺はもっと……ずっとニェム様と一緒にいたいです! いつまでも、ずっと!」
「……本気で言ってるの? 私は悪魔だよ?」
むすっとした表情で問いかけられるが、俺は即座に答えた。
「悪魔だろうとなんだろうと、ニェム様がいいんです!」
「本当にずっと一緒にいたいの?」
「はい!」
「毎日あたしとエッチなことしたい?」
「はい!」
「あたしの玩具にされたり、あたしを玩具にしたり」
「はい!」
「あと毎日あたしの料理を食べたいとか?」
「食べたいです!」
連続で大声を出し、声が切れ気味になる。隣室の人から苦情が来るかもしれないが、今回ばかりは構っていられない。俺はニェム様を引き止めることに全力を尽くさなくてはならないのだ。
するとニェム様は最初のバスケットを再び開いた。中に入っていたのは小さな缶詰が一つ。彼女の幼い手に収まるくらいの、ミニチュアサイズの缶詰だった。
「これが最後の缶詰。あたしの返事は……これに入ってるの」
パカッ、と開けられる缶の蓋。たちまち視界を覆い尽くす、紫色の煙。辺り一面、何も見えない。ニェム様の姿が見えない。
煙が晴れたとき、また彼女は俺にエッチな悪戯をしてくれるのだろうか。それともいなくなっているのだろうか。
不安がこみ上げてくる中、徐々に視界が戻り……
俺は息を飲んだ。
そこにいるのは悪魔のはずなのに、その姿はあまりにも神々しい。純白のそれは神に祝福される日に着るもののはずなのに、ニェム様はそんな服さえも魅力的に着こなしていた。
美しく可愛らしい、ウェディングドレスを。彼女の手にしたブーケから放たれる花の香りで、俺の部屋をまるで結婚式場のような雰囲気で包み込む。そしてニェム様は潤んだ目で俺を見つめ、微笑み、左手を差し出してきた。
気がつくと俺の手には銀の指輪が一つ。小さな手に合ったサイズのそれを、震える手でニェム様の薬指にはめた。青い肌と銀色の輝きがよく似合っている。
「にひひっ♥ 三周年記念はもうおしまい。後は望み通り……永遠の愛、誓っちゃおうね♥」
「ああ……ああ……!」
指輪を掲げるニェム様のお姿に、俺は涙を流して感動するしかなかった。頬を伝う涙を、花嫁姿のニェム様は優しく舐め取ってくれた。そしてそのまま、唇が触れ合う。小さな舌で俺の口の中を犯された。唾液を交換させられ、器用にこちらの舌を絡めとられ、味わい尽くされる。
触られてもいない股間が、キスの刺激でぴくぴくと震え始めた。そのときニェム様が唇を離し、唾液がねっとりと糸を引いた。
「出しちゃダメ」
「! ッ、あ……!」
耳元に囁かれた瞬間下半身に勝手に力が入った。こみ上げていた射精感がせき止められる。強制的に我慢させられているのだ。
「にひひ……せっかくの初夜なんだから、私も気持ちよくして欲しいな。一緒にイこうよ♥」
ニェム様がドレスのスカートをまくりあげる。そして純白の下の黒いショーツを、見せつけるようにゆっくりと脱いだ。
「この中で、ね♥」
「……!」
俺は見た。悪魔のソコを。青白い割れ目からは果汁が滴るのを。淫猥な布地から汁がねっとりと糸を引くのを。ぴったりと閉じているのに愛液を垂れ流すそれには、俺の肉棒を中へ吸い込もうとするかのような貪欲さがあった。
今からニェム様のアソコでペニスを包んでもらえる。彼女とセックスができる。あの素晴らしい割れ目の中でなら射精させてもらえる。
そして何よりも、俺のペニスでニェム様を気持ちよくすることができる。
「そーれっ♥」
無邪気な笑みを浮かべながら、ニェム様は俺を押し倒してきた。小さな体なのに、悪魔である彼女は俺を簡単に床にねじ伏せた。ウェディングドレスの幼女に跨がられ、見下ろされ、そして犯される。その背徳感に俺はますます高ぶった。
ぽたり、とペニスに落ちた雫。ニェム様の女性器から滴り落ちたその愛液の感触だけで感じてしまう。彼女は体全身が、そして分泌物までもが男を虜にする兵器なのだと実感した。
「ほーら、挿れちゃうよぉ……♥」
ソコがゆっくりと、俺のペニス目がけて降りてきて……
「う……うぁぁ……!」
「きゃっはぁん♥」
ぐちゅっ、と卑猥な音を立てて、俺のペニスは飲み込まれた。青い肌とは裏腹に、彼女の中はとても温かく、柔らかな感触がぎゅぅぎゅぅと締め付けてくる。ただ挿入しただけ、それだけでも俺は達してしまった。だが射精はできなかった。
「はぁ……あんっ♥ 繋がっちゃったぁ♥」
赤い瞳を潤ませ、ニェム様は俺を見つめていた。向かい合わせで俺と手を繋ぎ、ニェム様はぐりぐりと腰を動かしてくる。
「あうっ、う……!」
ほんのちょっとした動きなのに、俺はひっきりなしに喘いでいた。ニェム様に何度もイかされたせいか、甘い吐息のせいか、俺のペニスは彼女の快楽に敏感になっていたのだ。
きついのに柔らかい悪魔の膣がくにゅくにゅとペニスをくすぐってくる。ニェム様の悪戯っぽい笑みがそのまま快感になったような刺激だ。腰の動きだけでなく、肉壁そのものが蠢いていた。ひだがぴったりペニスにまとわりつき、もう抜けないのではないかと思うほどに吸い付いてきている。
「あっ、ひぃっ、気持ちいい……!」
「にひっ♥ あたしも、すっごく気持ちよくて……お腹の中で、おちんちんがピクピクして……いいよぉ♥」
ニェム様もうっとりとした声を漏らす。彼女も気持ちいいんだ……俺のペニスで気持ちいいんだ!
「ニェム様ぁ!」
「ひゃぅぅぅん♥」
俺は腰を突き上げた。その途端にニェム様は仰け反って矯正を上げ、彼女の肉洞はその快感をペニスに跳ね返して来る。弾力が強くペニスを圧迫し、その熱さも、とろとろの愛液も、全て俺の射精感をかき立てる凶器だった。
だが、まだ射精できない。ニェム様のお許しがない限り、俺の体は溜まったものを吐き出せなくなっているのだ。
「ニェム様、ニェム様……」
俺は腰を突き上げる。彼女が気持ちよくなれるように。
「にひひっ……そう、そうだよぉ♥ 一緒に、一緒にぃ、気持ちよくなっちゃおうねぇ……♥」
彼女も腰を降る。俺を犯し尽くし、愛し尽くすために。
体がぶつかり合う最初はゆっくり、ぱん……ぱん……ぱん……。
リズミカルに、ぱんぱん、ぱんぱん。
やがては激しく、ぱんぱんぱんぱん……
膣の肉壁が亀頭に吸い付く旅たびに、熱い感触が擦れるたびに、絶頂に足る快楽が走る。
それでも射精できず、もどかしさのあまりさらに激しく腰を突き上げた。
「イイよぉ♥ おマンコに、このおちんちんがぁ♥ アナタのおちんちんが素敵なのぉ♥」
気持ちよさのあまりか涙まで流し、愛液とよだれを垂らしながら腰を降り続けるニェム様。清純なドレス姿のまま痴態をさらす彼女の瞳には、それ以上に蕩けた俺の顔が映っていた。ああ、俺は今幸せなんだなぁ。
感謝の気持ちを込めて、ニェム様の中をひたすら突き上げる。一番奥まで押し込んではニェム様が激しくよがり、その気持ちよさを俺に返してくれる。
長い間、ずっと交わっているような錯覚を受けた。射精を許されないままの最高に気持ちいいセックスという状況が、俺の時間感覚を狂わせていく。早く出したい、出したい……
「んっ、あっ、にひぃ♥ もう、もう少しだよぉ……ほら、ほらほらぁ♥」
ニェム様の体が小刻みに震え始め、膣内がきゅーっと締め付けられていく。ああ、もう少し……もう少しで……
「い、イく……あたし、あたしイっちゃう……♥ 素敵なおちんちんにイかされるぅ……アナタもイってぇ♥ あたしのおマンコに一杯出してよぉ♥」
その言葉が耳に入った瞬間。
止められていた物が、関を切ったかのように溢れ出した。
「ニェム様ぁぁぁぁっ!」
小さな体を強く抱きしめて、狭い肉洞の中で激しく迸らせた。頭が真っ白になっていく。一回分や二回分という量ではない、今まで蓄積されてきたものが一気に出ている。
「にひぃっ♥ きたぁ♥ 熱ぅい、おいしぃ♥ イイよぉぉ♥」
歓喜の声を上げながら、ニェム様は貪欲に膣で精液を吸い上げていく。俺はひたすら、無尽蔵に出てかと思うほどの精を捧げていった。ニェム様の中でペニスが溶け出し、一体化してしまったような感覚さえある。
嬌声を垂れ流す愛くるしい唇を吸い、ドレスに包まれた体を抱きながら快楽に浸った。抱きしめているというより、俺が彼女に甘えて抱きついていると言うべきかもしれない。魔性の膣はひっきりなしに蠢いて精を奥へ運び、ペニスをマッサージしてくれる。そのおかげで、最後の一滴まで最高に気持ちよく射精できた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
息を整えながら、自分がいつのまにか床の上ではなく、ふかふかのベッドに寝ていることに気づいた。いや、それどころか、辺りの風景が全く変わっている。ゴタゴタした自室が消え、ベッド以外何も存在しない白紙の空間になっていたのだ。
だが、それは大した問題には思えなかった。ニェム様が俺をこの空間へ連れてきたのだと分かったから。彼女以外、何も見なくていい空間に。
「……にひひ。ねぇ、とりあえずあと百回シない?」
ニェム様は花のような笑みを浮かべ、悪戯っぽく言う。
「はい。もっと、もっとニェム様と繋がりたいです……!」
俺は迷わず答えた。再び俺の耳元で「出しちゃダメ」と囁き、ニェム様は艶かしく腰を動かし始める。
もし百回交わった後で「あと一億回シよう」と言われても笑顔で頷けるだろう。揺れるウェディングドレス、躍動する幼い媚態。魔性の宿った赤い瞳。全てが俺の宝物だった。
それを与えてくれた存在……俺の部屋に転がっているであろう、三周年記念の空き缶に感謝しつつ、俺は彼女のソコを突き上げた。
―END
信じて就職した会社が社長の親族が好き勝手やって他の社員が生け贄になっているブラック企業だったなんて。
だが昨日、俺は一つのことを学んだ。思い通りにならないのは何も俺だけじゃないということを。要するに社員の就業表改竄やサービス残業強要、イジメ、資金横領その他諸々がお上にバレたのだ。誰かは分からないが同僚の内部告発だったらしい。俺もいろいろと聴取を受け、洗いざらい全部話した。会社は多分瓦解するだろうし、俺も再び就職先を探さなくてはいけないが、それを差し引いても気分がいい。ざまあ見ろ。
そういうわけで、次の仕事場が見つかるまではアパートで休息だ。
「えーと、こいつは燃えないゴミ、っと」
部屋中に散らかったペットボトルや空き缶などをゴミ袋に放り込み、整理整頓を行う。今まで徹夜仕事だの、電車が始発終電だの、人間の生活サイクルを完全に無視した生活をしていた。溜まりに溜まったゴミを処分して新生活に備えよう。新生活、いい響きだ。
缶詰の空き缶を分別しながら、今までの酷い食生活を改めて思い起こした。卵とベーコン、卵とランチョンミート、または卵とベーコンとランチョンミート、卵とベーコンとソーセージとランチョンミート。
その頃はまだマシだった。やがてランチョンミートとベーコンとソーセージとランチョンミートになり、次はランチョンミートと卵とランチョンミートとランチョンミートとベーコンとランチョンミートになった。さらに酷くなるとランチョンミートとランチョンミートとランチョンミートと卵とランチョンミートというもはやメニューとは言えない何かになってきた。
貯金はあるし、部屋を片付け終わったら今日はまともな物を食べよう。そう心に決めて缶詰の残骸を処分しているうちに、ふと手が止まった。中身のない軽い缶に慣れた手が、ずしっと重みのある缶を掴んだ。
「……何だこれ」
艶のある黒で塗られた、掌サイズの円柱型の缶詰があった。ランチョンミートのものではない。ラベルにはファンシーな文字で『三周年記念』と書かれているだけで、カロリーや内容量、そもそも何が入っているかも記されていない。いや、隅っこに小さく『開封後はお早めに召し上がられてください』と書いてあるから食い物なのだろう。召し上がられて、というのは敬語の用法としておかしいと思うが。
「こんな物買ったか?」
身に覚えのない怪しい代物だった。捨てた方がいいだろうが、まあ中身くらいは確認してみよう。食べるかどうかは別として、未開封で捨てたら後々気になりそうだし。
片付けを一時中断して、机の上に缶を置いた。タブに指をかけ、一気に開ける。カパッと小気味よい音がした……その瞬間。
「うおっ!?」
缶からぼわっと立ち上った、紫色の煙。食欲など当然削がれる不気味な煙に、思わず尻餅をついてしまう。この缶詰は手製の煙幕弾だったのかと思うほど濃密に、部屋中に広がっていく。
「か、換気! 換気!」
大慌てで滑りの悪い窓を開けた。煙が外へ流れていくが、近所迷惑は後で考えよう。だがその途端、煙は徐々に薄くなっていった。視界がよくなり、空気が澄んでくる。完全にクリアになったとき、机の上には、
「じゃじゃーん! 三周年きねーん!」
幼女が、立っていた。
「えへへっ、開封ありがとぉ」
「あ、うぁ……」
缶を蹴飛ばして俺に歩み寄って来る幼女に、俺は顔を引きつらせるしかなかった。缶詰の中身が幼女だったからではない。
まだ第二次性徴に達したかどうかという幼い女の子が、露出度では下着と変わらないほどの際どい服装をしている。その露出している肌はとても滑らかで、柔らかそうで、そして青い。青い火を連想させるような色合いだ。目は本来白いはずの部分が漆黒に染まり、瞳は血と同じ色だった。
そして何よりも、腰から生えている蝙蝠に似た翼。蛇のようにくねる艶やかな尻尾。コスプレの作り物では到底出せないリアリティがそこにあった。その翼のはためき、尻尾のくねり、俺に微笑みかける赤い瞳は間違いなく、血が通った生き物だ。
「よう……じょ……!」
「ようじょ? 幼女? 妖女? 本物のデビルを見るのは初めて?」
悪魔はニヤニヤ笑いながら、へたり込んでいる俺に覆い被さってくる。赤い瞳が間近に……頭がおかしくなりそうだ。
「美味しく食べてあげるね。せっかくの三周年記念だもん!」
意味不明な言葉の後、自分をデビルと呼んだ幼女は小さな唇をすぼめた。ふーっと、吐息を顔にかけられる。何か甘い、果物のような香りがした。
「ふぅ〜♪ ふぅ〜♪」
楽しそうな顔で、何度も甘い吐息を吹きかけられた。俺の顔の周りにその香りが漂い、気がつけば夢中で吸い込んでいた。胸一杯に吸い込むと、沢山のご馳走を目の前にしたような幸せな気分になってくる。
「あぁ……」
次第に眼前の小さな悪魔がたまらなく魅力的に見えてきた。赤い瞳といつまでも見つめ合っていたい。青い肌に触れていたい。目がとろんとしてくる俺を、小さく可愛らしい手が優しく撫でてくれた。ああ、何だろう。無性に跪きたい。
「にひひっ、可愛いお兄さん。ほぉら、三周年記念だよー」
悪魔は後ろ手に持っていた物をこちらに差し出してきた。籐か何かで編まれたバスケットだ。それが開かれると、中には沢山の缶詰が。
「さ、まずはどれがいい? 好きなの選んでね」
缶詰を床に並べて見せてくる悪魔様。缶詰のラベルには色や模様が入っているだけで、中身の名前などは書かれていない。だがその缶詰はどれも、何か心引かれるものがあった。開けてみたいと思ってしまうような。
悪魔様がどれか選ばせてくれると言うのだから、選ばなくてはならない。三周年記念というのが何のことなのか分からないが、とりあえず向かって一番右に置かれた薄いピンク色の缶詰にしてみよう。
「こ、これがいいです」
俺が指差した缶詰を手に取り、悪魔様はにんまりと笑った。
「にひひ♥ こういうのがイイんだ? じゃ、開けちゃいまーす!」
悪魔様の細い指が、缶詰の蓋を開けた。途端にぼわっと煙が吹き出て、彼女の姿を一瞬隠してしまう。本当に一瞬だった。
すぐに煙は晴れ……そこには。
「こんにちは。往診に来ましたー♥」
白衣の天使……いや、悪魔様がいた。一瞬のうちに、凄まじく際どい裸同然の服から、理知的な白衣姿へと変わっていた。首にかけた聴診器、手には医者の鞄という出で立ちが、幼い魔性の姿に不思議と似合っている。
「健康診断しましょうねー。服を脱いで椅子に座ってください」
「は、はいっ」
言われるままに上着を、そしてシャツを脱ぎ捨ててしまう俺。裸になった上半身を、赤い瞳が這うように見つめてくる。何故だ、気持ちいい。
「あ、パンツも脱いでくださいね♥」
「すっ、すみません!」
にこやかに告げられ、俺は反射的に謝りつつズボンを脱ぎ捨て、パンツも洗濯かごに放り込んだ。自分でも驚くほど躊躇いなく脱いでしまったが、それは即ち、彼女の前に股間のソレを晒すということだった。
「にひひっ。さあ、座ってください」
着席させられた。赤い瞳が、俺の体を舐めるように見ている。その視線だけで体がピリピリした。股間に血が集まり、ペニスがむくむくと肥大していく。
「それでは診察しますねー。先生の言う通りにしてください」
「はい……」
俺は逆らうことができない。彼女が本物の悪魔なら、先ほどの甘い吐息は何かの魔法だったのだろう。もうこの幼女に服従してもいいという気分になっている。
悪魔様……先生は聴診器を耳につけ、てくてくと近づいてきた。だがその目線は聴診器を当てる箇所ではなく、俺の下半身を、極限まで怒張したペニスを見つめていた。幼い顔に好色な笑みを浮かべ、聴診器のピース部分を押当ててくる。胸ではなく、ペニスの先端に。
「力抜いてー。楽にしていてくださいねー♥」
亀頭に触れる、冷たい人工物の感触。だが今ひとつ状況を理解できないうちに、その感触は変異し始めた。
うにゅり、とうねる聴診器。ゲル状の柔らかい物が亀頭にまとわりつき、ぷるぷる震えて刺激してくる。まるで先生の唇が触れているようにさえ思える。
「あ、こ、これは……!」
「おちんちんの調子を看るための、特製聴診器なんですよ♥ 気持ちいいですか?」
にこやかに言いながら、先生は青白い手で竿部分をむんずと掴んできた。柔らかな手の感触だけで感じてしまい、幼い手の中でペニスがぴくんと震えた。胸が高鳴って来る。こんな小さな女の子と、しかも悪魔の女の子と『いけないお医者さんごっこ』をしている……その背徳感が何よりも興奮するのだ。
さらに先生は聴診器のチェストピースを、亀頭にぐりぐりと擦り付けてきた。ぷるぷる、ヌメヌメの快感がより一層強くなる。
「ふ、う、ぁぁぁ……!」
「にひひっ。いい顔……♥」
先生が俺を見つめている。赤い瞳に俺の顔が映っていた。気持ちよすぎてだらしなく口を開け、快感に悶える顔だ。自分がこんな顔をして、しかも幼女に見られるなんて。
だがあの酷い会社で、仕事中にふと鏡を見たときの顔はもっと酷かった。げっそりとやつれ、絶望感漂う自分の姿。死体と対して変わらないあの姿に比べれば、今の快楽に蕩けている自分の何が恥ずかしいのか。これはあの地獄に耐えたご褒美だという思いさえ湧いてきた。
くちゅくちゅと卑猥な音が部屋中に響く。滲み出た先走の液が竿を伝って垂れてきた。幼女の手と聴診器による責めで無様に喘ぎながら、俺はどんどん高められていった。
「出そうですかー? ガマンしないで、オモラシしちゃいましょうねー♥」
先生のその言葉が引き金となった。快感と共にこみ上げてきたものが、尿道を通っていく。その瞬間、聴診器のゲル状部分が、みっちりと鈴口に吸い付いてきた。
「で、出る! 先生、出ちゃいます!」
恍惚に浸りながら、無我夢中で叫んだ。俺がとても気持ちいいのだと、彼女に伝えたかった。
「はーい♥ ぴゅっぴゅっ、ぴゅっー♥」
先生の声に合わせて、俺は聴診器に生臭い欲望を吐き出していた。じゅるじゅると音を立て、迸った精液を聴診器が吸い上げていく。
「ぁぁぁ……」
気持ちいい。終わりまでしっかりと、最高の快楽に浸りながら射精することができた。脈打ちがゆっくりと収まり、先生はじーっと俺を見て、ニコリと笑う。
「いい音で射精していましたね。おちんちん、健康です♥」
「あ、り、がとう……ございます……」
夢心地でお礼を言う俺。すると先生は俺に顔を近づけて、ふぅっと息を吹きかけてきた。あの不思議な甘い吐息だ。吹きかけられた瞬間、反射的に大きく吸い込んでしまう。悪魔が俺を虜にしようとしているのだと分かっていても、自分からそれを望んでしまうのだ。
彼女の息を吸った瞬間、気持ちよく出し尽くしたペニスがぴくんと反応し、むくむくと起き上がっていく。
「さあ、次はどの缶詰がいい?」
再び缶詰を指差す悪魔様。次は何をしてくれるのだろうか……期待しつつ、俺はその中の一つを指差した。
「じゃあ、これで……」
「にひひっ、おっけー♥」
水色のラベルが貼られた缶を指差すと、悪魔様は楽しげにそれを手に取る。カパッっという音の後、ぼわっと吹き出た煙が視界を覆った。先ほどと同じようにすぐにそれは晴れ、悪魔様の姿が見えてきた。
今度の衣装は清純な白衣と同じ色だったが、用途は大きく違うものだった。彼女の幼い体にぴったりフィットしている。滑らかそうな素材で作られたそれは、無性に情欲を誘う。
「じゃーん! スク水だよん♥」
笑顔で胸を張る悪魔様。ぴっちりした水着には幼い胸の小さな膨らみも、おへその可愛らしい窪みもちゃんと浮き出ている。純白に青い肌がよく生えていて蠱惑的だ。
だが同時に、その胸にマジックで書かれた『ニェムスアータ・ニェムリカ』という文字に目がいった。子供っぽい書体で大きく書かれ、最後の方は字が潰れている。俺の視線に気づいたのか、悪魔様はその部分を指で引っぱり見せつけてきた。
「これが私の名前! ニェム様って呼んでね!」
「は、はい。ニェム様……」
名をお呼びした瞬間、ニェム様は座っている俺の膝に飛び乗ってきた。幼く柔らかな体がのしかかってくる。
「よく言えました♥ ご褒美に抱っこさせてあげる」
彼女のお腹に、すっかり怒張したペニスがくっついた。ぷにぷにとした青白い肌と、滑らかな白スクの感触。お言葉に甘えてぎゅっと抱きしめ密着し、翼や尻尾、お尻の方までなで回す。ニェム様がもぞもぞ動くと、お腹とペニスが擦れ合った。
「ああ……気持ちいい……」
「にひひ……よだれ垂れてるよ♥」
ニェム様は俺の口元をぺろりと舐めた。舌の感触で感じてしまい、ペニスがぴくんと震える。俺は無我夢中で彼女の小さなお尻を揉み、柔らかさと背徳感に酔いしれた。水着の上から撫で擦り、中に手を入れて直接揉み、お尻の谷間を指でまさぐる。ぷにぷにのお尻といい、ペニスに押し付けられたお腹といい、いつまでも触っていたい気持ちよさだ。
「んぅ♥ お兄さんってばエッチぃ〜♥ そんなにお尻が好きなら……」
くるり、と体の向きを変えるニェム様。白スクの生地に包まれた小さなお尻がこちらに向けられ、そして襲いかかってきた。
「あぅぅっ!」
ぷにゅぷにゅのそれが、ペニスを押しつぶしてきた。小さいのに量感があり、白スクの布がなければペニスがどこまでもめり込んでしまいそうなほど柔らかい。
「にひひっ、お尻の下でおちんちんがピクピクしてるよ〜♥ 出そう? 出ちゃいそう?」
俺の上に腰掛けて笑う彼女を、俺は後ろから抱きしめた。いや、その小さな体にしがみついたと言った方がいいかもしれない。スク水の上からぷにっとした貧乳を揉み、青肌の温もりを体一杯に感じる。
気持ちいい、悪魔の体が気持ちいい。幼女悪魔が気持ちいい。スク水が気持ちいい。ニェム様が気持ちいい!
「で、出ますぅぅ! ニェム様ぁぁ!」
小さなお尻に敷かれたまま、ペニスは激しく脈打った。白スクにどろどろしたそれを撒き散らしていくと、ニェム様の腰の動きによって擦れ合い、いやらしい音を立てた。彼女の胸を掴み、悪戯っぽい笑みを浮かべる頬に自分の顔をすり寄せながら、俺は快感に打震えていた。
「沢山出てるねぇ♥ お尻がべとべとだよ♥ ほら」
ニェム様が腰を上げると、にちゃぁっ……と卑猥な音がした。白いスク水の上にさらに白い精液がまぶされ、いやらしく糸を引いている。まだ出し尽くしていなかったペニスから残りの白濁が飛び出し、さらにお尻を汚した。
ぼーっと彼女の媚態を眺めていると、ニェム様はまた甘い吐息をかけてくれた。再びわき起こる、彼女への情欲。もっとニェム様を味わいたい。悪魔の快楽を味わいたい。
「にひひ♥ 次の缶詰を選んでね」
……こうして俺は、次から次へと魔法の缶詰の中身を堪能した。缶が開けられる度に煙が立ち上り、ニェム様は新しいコスチュームを纏って気持ちよくしてくれる。俺が一回イけば、また次の缶。様々な服が出てきては、ニェム様は悪魔の魅力とその服の魅力を一緒に教えてくれた。
例えば……。
「あぃぃぃ……うぅぅ」
「ふん、情けない捕虜もいたものだなっ。ほれほれ〜♥」
黒い軍服を身に纏ったニェム様が、素足で俺のペニスを踏みにじる。バイザー付きの軍帽が赤い瞳の禍々しさを引き立てていた。だが軍服の下半身はミニスカートで、青く滑らかな太腿や可愛い足が丸出しになっている。彼女の捕虜である俺にできるのは、その幼女足拷問で悶えることだけだった。
「あう、で、出ちゃう……!」
「この早撃ちガンマンめ。こんな銃など、こうしてくれる♥」
「ひぎぃ!?」
足の指でペニスの根元を強く締め付けられ、迸りかけたそれが止められてしまう。震えながら懇願の視線を送る俺を、ニェム様は満足げに見下ろしてきた。
「我が軍門に下るなら、射精させてやっても良いぞ♥」
「はひぃ……く、下ります! ニェム様に忠誠を誓います!」
「にひひ……こんな幼女に下るとは♥ では私を讃えながらイけ!」
足指の拘束が緩んだかと思うと、今度は亀頭を軽く踏まれた。柔らかな彼女の足裏は凶器そのもので、それまで溜め込まれてきたものを一気に吹き出させる。
無意識のうちに「ニェム様万歳」と叫びながら、俺はその足を盛大に汚してしまった。
次の缶から出てきたのは、打って変わって清楚な巫女の衣装。先ほどまで得意満面でペニスを踏みつけていたニェム様だが、この格好になった途端おだやかな微笑みを浮かべた。
「さあ……気持ちよくして差し上げます」
小さな手が、ぴとっ、とペニスに触れた。柔らかく、とても優しい手つきで。それがすべすべと竿を撫で擦り、亀頭をくすぐったく可愛がってくれる。ペニス用聴診器とはまた違う、じわじわと来る気持ちよさだった。
「如何ですか? 出してもよいのですよ……♥」
俺に微笑みかけながら、ニェム様はペニスに息を吹きかけてきた。あの甘い吐息だ。勃起と欲情を誘うそれをペニスに直接かけられ、痺れるような快楽が走った。何より一転して献身的なニェム様の態度に興奮し、押さえきれない衝動がこみ上げてきた。
次の瞬間、その衝動は暴発した。俺はあろうことかニェム様の頭を掴み、その愛らしいお口に肉棒を押し込んだのだ。
「んむぅぅぅ♥」
苦しそうな声を出すニェム様だが、同時に楽しんでもいるようだった。何故なら俺の腰にしっかり手をまわし、じゅるじゅると音を立ててペニスを吸引してくれたのだから。
「うぁぁぁ……!」
小さな舌が鈴口をちろちろとくすぐり、丹念に吸い立ててくる。唇はもうぷるぷるだ。 腰をゆっくりと前後させ、唇の摩擦を味わっていく。ニェム様のお口の中は狭く、とても温かかった。
気持ちよさに酔いしれながら、俺は緩やかな速度で射精し始めた。口腔を精液で満たしたかと思うと、ニェム様が喉を鳴らして飲んでくれた。出し尽くした後も彼女の頭に手を添え、ペニスをお口に預けたまま恍惚感に浸った。
俺はそうやって、どんどんニェム様に、悪魔の快楽に溺れていった。空の缶詰がどんどん床に転がっていき、次の缶が開かれ、俺は犯される。本番はなくても、彼女の体を白く汚す快感は格別だった。幼くて青白い肌が白濁を浴びて、貪欲に次をねだってくる。止めどなく深みにはまっていった。もう彼女無しではいられないと思うくらいに。
だが。
「はぁ……はぁ……」
セーラー服姿のニェム様の、そのふとももに射精。むちむちした感触の余韻を味わっていると、ニェム様は俺の方へ向き直った。少し寂しそうな表情で。ぞくり、と嫌な予感がした。
「缶詰なくなっちゃったから……これで帰るね。たっぷり出してくれてありがと」
がつん、と脳天を金槌で叩かれたような気がした。ブラック企業で受けた嫌がらせの何倍もショックだった。
ニェム様がいなくなってしまう。あの快楽が、甘い吐息が、愛くるしさが、もう味わえなくなってしまうのか。絶望感に脚が震える。彼女のいない世界などもう考えられないほど、俺は悪魔の魅力に取り憑かれていたようだ。
「そんな顔しないの。ただの三周年だったんだし、本物のデビルに抜いてもらってよかったなー、って諦めなよ」
「嫌です!」
俺をなだめようとするニェム様に思わず叫んでしまった。心の、魂の叫びだ。
「俺はもっと……ずっとニェム様と一緒にいたいです! いつまでも、ずっと!」
「……本気で言ってるの? 私は悪魔だよ?」
むすっとした表情で問いかけられるが、俺は即座に答えた。
「悪魔だろうとなんだろうと、ニェム様がいいんです!」
「本当にずっと一緒にいたいの?」
「はい!」
「毎日あたしとエッチなことしたい?」
「はい!」
「あたしの玩具にされたり、あたしを玩具にしたり」
「はい!」
「あと毎日あたしの料理を食べたいとか?」
「食べたいです!」
連続で大声を出し、声が切れ気味になる。隣室の人から苦情が来るかもしれないが、今回ばかりは構っていられない。俺はニェム様を引き止めることに全力を尽くさなくてはならないのだ。
するとニェム様は最初のバスケットを再び開いた。中に入っていたのは小さな缶詰が一つ。彼女の幼い手に収まるくらいの、ミニチュアサイズの缶詰だった。
「これが最後の缶詰。あたしの返事は……これに入ってるの」
パカッ、と開けられる缶の蓋。たちまち視界を覆い尽くす、紫色の煙。辺り一面、何も見えない。ニェム様の姿が見えない。
煙が晴れたとき、また彼女は俺にエッチな悪戯をしてくれるのだろうか。それともいなくなっているのだろうか。
不安がこみ上げてくる中、徐々に視界が戻り……
俺は息を飲んだ。
そこにいるのは悪魔のはずなのに、その姿はあまりにも神々しい。純白のそれは神に祝福される日に着るもののはずなのに、ニェム様はそんな服さえも魅力的に着こなしていた。
美しく可愛らしい、ウェディングドレスを。彼女の手にしたブーケから放たれる花の香りで、俺の部屋をまるで結婚式場のような雰囲気で包み込む。そしてニェム様は潤んだ目で俺を見つめ、微笑み、左手を差し出してきた。
気がつくと俺の手には銀の指輪が一つ。小さな手に合ったサイズのそれを、震える手でニェム様の薬指にはめた。青い肌と銀色の輝きがよく似合っている。
「にひひっ♥ 三周年記念はもうおしまい。後は望み通り……永遠の愛、誓っちゃおうね♥」
「ああ……ああ……!」
指輪を掲げるニェム様のお姿に、俺は涙を流して感動するしかなかった。頬を伝う涙を、花嫁姿のニェム様は優しく舐め取ってくれた。そしてそのまま、唇が触れ合う。小さな舌で俺の口の中を犯された。唾液を交換させられ、器用にこちらの舌を絡めとられ、味わい尽くされる。
触られてもいない股間が、キスの刺激でぴくぴくと震え始めた。そのときニェム様が唇を離し、唾液がねっとりと糸を引いた。
「出しちゃダメ」
「! ッ、あ……!」
耳元に囁かれた瞬間下半身に勝手に力が入った。こみ上げていた射精感がせき止められる。強制的に我慢させられているのだ。
「にひひ……せっかくの初夜なんだから、私も気持ちよくして欲しいな。一緒にイこうよ♥」
ニェム様がドレスのスカートをまくりあげる。そして純白の下の黒いショーツを、見せつけるようにゆっくりと脱いだ。
「この中で、ね♥」
「……!」
俺は見た。悪魔のソコを。青白い割れ目からは果汁が滴るのを。淫猥な布地から汁がねっとりと糸を引くのを。ぴったりと閉じているのに愛液を垂れ流すそれには、俺の肉棒を中へ吸い込もうとするかのような貪欲さがあった。
今からニェム様のアソコでペニスを包んでもらえる。彼女とセックスができる。あの素晴らしい割れ目の中でなら射精させてもらえる。
そして何よりも、俺のペニスでニェム様を気持ちよくすることができる。
「そーれっ♥」
無邪気な笑みを浮かべながら、ニェム様は俺を押し倒してきた。小さな体なのに、悪魔である彼女は俺を簡単に床にねじ伏せた。ウェディングドレスの幼女に跨がられ、見下ろされ、そして犯される。その背徳感に俺はますます高ぶった。
ぽたり、とペニスに落ちた雫。ニェム様の女性器から滴り落ちたその愛液の感触だけで感じてしまう。彼女は体全身が、そして分泌物までもが男を虜にする兵器なのだと実感した。
「ほーら、挿れちゃうよぉ……♥」
ソコがゆっくりと、俺のペニス目がけて降りてきて……
「う……うぁぁ……!」
「きゃっはぁん♥」
ぐちゅっ、と卑猥な音を立てて、俺のペニスは飲み込まれた。青い肌とは裏腹に、彼女の中はとても温かく、柔らかな感触がぎゅぅぎゅぅと締め付けてくる。ただ挿入しただけ、それだけでも俺は達してしまった。だが射精はできなかった。
「はぁ……あんっ♥ 繋がっちゃったぁ♥」
赤い瞳を潤ませ、ニェム様は俺を見つめていた。向かい合わせで俺と手を繋ぎ、ニェム様はぐりぐりと腰を動かしてくる。
「あうっ、う……!」
ほんのちょっとした動きなのに、俺はひっきりなしに喘いでいた。ニェム様に何度もイかされたせいか、甘い吐息のせいか、俺のペニスは彼女の快楽に敏感になっていたのだ。
きついのに柔らかい悪魔の膣がくにゅくにゅとペニスをくすぐってくる。ニェム様の悪戯っぽい笑みがそのまま快感になったような刺激だ。腰の動きだけでなく、肉壁そのものが蠢いていた。ひだがぴったりペニスにまとわりつき、もう抜けないのではないかと思うほどに吸い付いてきている。
「あっ、ひぃっ、気持ちいい……!」
「にひっ♥ あたしも、すっごく気持ちよくて……お腹の中で、おちんちんがピクピクして……いいよぉ♥」
ニェム様もうっとりとした声を漏らす。彼女も気持ちいいんだ……俺のペニスで気持ちいいんだ!
「ニェム様ぁ!」
「ひゃぅぅぅん♥」
俺は腰を突き上げた。その途端にニェム様は仰け反って矯正を上げ、彼女の肉洞はその快感をペニスに跳ね返して来る。弾力が強くペニスを圧迫し、その熱さも、とろとろの愛液も、全て俺の射精感をかき立てる凶器だった。
だが、まだ射精できない。ニェム様のお許しがない限り、俺の体は溜まったものを吐き出せなくなっているのだ。
「ニェム様、ニェム様……」
俺は腰を突き上げる。彼女が気持ちよくなれるように。
「にひひっ……そう、そうだよぉ♥ 一緒に、一緒にぃ、気持ちよくなっちゃおうねぇ……♥」
彼女も腰を降る。俺を犯し尽くし、愛し尽くすために。
体がぶつかり合う最初はゆっくり、ぱん……ぱん……ぱん……。
リズミカルに、ぱんぱん、ぱんぱん。
やがては激しく、ぱんぱんぱんぱん……
膣の肉壁が亀頭に吸い付く旅たびに、熱い感触が擦れるたびに、絶頂に足る快楽が走る。
それでも射精できず、もどかしさのあまりさらに激しく腰を突き上げた。
「イイよぉ♥ おマンコに、このおちんちんがぁ♥ アナタのおちんちんが素敵なのぉ♥」
気持ちよさのあまりか涙まで流し、愛液とよだれを垂らしながら腰を降り続けるニェム様。清純なドレス姿のまま痴態をさらす彼女の瞳には、それ以上に蕩けた俺の顔が映っていた。ああ、俺は今幸せなんだなぁ。
感謝の気持ちを込めて、ニェム様の中をひたすら突き上げる。一番奥まで押し込んではニェム様が激しくよがり、その気持ちよさを俺に返してくれる。
長い間、ずっと交わっているような錯覚を受けた。射精を許されないままの最高に気持ちいいセックスという状況が、俺の時間感覚を狂わせていく。早く出したい、出したい……
「んっ、あっ、にひぃ♥ もう、もう少しだよぉ……ほら、ほらほらぁ♥」
ニェム様の体が小刻みに震え始め、膣内がきゅーっと締め付けられていく。ああ、もう少し……もう少しで……
「い、イく……あたし、あたしイっちゃう……♥ 素敵なおちんちんにイかされるぅ……アナタもイってぇ♥ あたしのおマンコに一杯出してよぉ♥」
その言葉が耳に入った瞬間。
止められていた物が、関を切ったかのように溢れ出した。
「ニェム様ぁぁぁぁっ!」
小さな体を強く抱きしめて、狭い肉洞の中で激しく迸らせた。頭が真っ白になっていく。一回分や二回分という量ではない、今まで蓄積されてきたものが一気に出ている。
「にひぃっ♥ きたぁ♥ 熱ぅい、おいしぃ♥ イイよぉぉ♥」
歓喜の声を上げながら、ニェム様は貪欲に膣で精液を吸い上げていく。俺はひたすら、無尽蔵に出てかと思うほどの精を捧げていった。ニェム様の中でペニスが溶け出し、一体化してしまったような感覚さえある。
嬌声を垂れ流す愛くるしい唇を吸い、ドレスに包まれた体を抱きながら快楽に浸った。抱きしめているというより、俺が彼女に甘えて抱きついていると言うべきかもしれない。魔性の膣はひっきりなしに蠢いて精を奥へ運び、ペニスをマッサージしてくれる。そのおかげで、最後の一滴まで最高に気持ちよく射精できた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
息を整えながら、自分がいつのまにか床の上ではなく、ふかふかのベッドに寝ていることに気づいた。いや、それどころか、辺りの風景が全く変わっている。ゴタゴタした自室が消え、ベッド以外何も存在しない白紙の空間になっていたのだ。
だが、それは大した問題には思えなかった。ニェム様が俺をこの空間へ連れてきたのだと分かったから。彼女以外、何も見なくていい空間に。
「……にひひ。ねぇ、とりあえずあと百回シない?」
ニェム様は花のような笑みを浮かべ、悪戯っぽく言う。
「はい。もっと、もっとニェム様と繋がりたいです……!」
俺は迷わず答えた。再び俺の耳元で「出しちゃダメ」と囁き、ニェム様は艶かしく腰を動かし始める。
もし百回交わった後で「あと一億回シよう」と言われても笑顔で頷けるだろう。揺れるウェディングドレス、躍動する幼い媚態。魔性の宿った赤い瞳。全てが俺の宝物だった。
それを与えてくれた存在……俺の部屋に転がっているであろう、三周年記念の空き缶に感謝しつつ、俺は彼女のソコを突き上げた。
―END
13/12/04 06:31更新 / 空き缶号