認めろにゃ
「どうしたにゃ…?」
自分のことをリンだという猫耳女は一人頭を抱えてる俺をゆさゆさと揺らす、つか若干つめがたってて痛い
「ご主人様!」
右肩を齧られた、でも痛くない。これは俺がリンに教えてものだ、俺は小さいときに魔物にさされ、それ以来右肩の感覚がない。そのために噛み付きたかったり、俺に何か文句があったらとりあえず右肩を噛めと。…偶然、偶然だよな…
「ご主人様…いい加減にしないとご主人様のいかがわしい本ばらまきますよ?」
背筋が凍った。たしかに俺のエロ本の隠し場所といえばリンしか知らない、別に俺はリンがいない限りは一人暮らしなわけだが、たまに母親が来て掃除をする、一人暮らしをするようになった成人男性が母親のそうじに対してびくつくとは情けないが、やめてくれとも言い出せず隠す日々が続いているのだ
「ご主人様の宝物の隠し場所は、食器棚の緑の小瓶の中に入っている鍵で玄関にあるオルゴールをひらいて鍵をだして、寝室の枕もとの一番下の引き出しを開けて、でてきた鍵を屋根裏の箱にさせば出てきます」
女が言い終わった瞬間立ち上がった
その通りだ、われながらめんどくさい仕組みだがその通りなのだ。
でもこれでこいつをリンだと認めなければいけなくなった
「ご主人様?」
「俺の背中にある黒子の数は?」
「2にゃ!」
はい決定
こいつリンだ
「なんつーか、猫じゃなかったら愛情冷めるな」
「ひどいにゃ!ご主人様!」
カプーと俺の肩に噛み付いて離れないリン
重いぞー猫のときも重かったのに余計重てーぞ
「はいはい」と適当に流しながら台所に向かう
今日の晩御飯は焼き鳥だ…
なんだか急に肩が軽くなった
「…っ…まさか!」
そのまさかだった。気づいたときにはもう遅くさばこうと思っていた小さな鳥は5羽中2羽いなくなっていた
「リン…?」
「にゃ♪」
何もいえなくなる、鳥好きなのは元からだったのをすっかり忘れていた。
つか、人間の姿なのに食ったのか…?
「お前よく食えたな…」
俺が着たので止めたのか台所から離れていった。
流しには丸々二匹分の骨が無残に捨てられていた
これには叱るどころかむしろ感心させられる
「リンー今から鳥焼いてやるから余計なもん食うなよ」
台所から出たリンに声をかける「なににゃー?」と首をかしげながらやってきたリンの手にはお菓子の箱をもっていた
「菓子は没収」
「何でにゃ!」
リンが文句を言うが食ってたのはチョコだ、ねこまたとは言えチョコをあげるのは怖い
「チョコは猫の耳とかすんだぞ」
ピロンッ
リンは逃げていった
12/03/25 04:47更新 / 珀磨
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