連載小説
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偽る者達









『起きなさい』

「zzz」

『起きなさい、テオフィル』

「zzzzzz」

『え?あ?違う?ああ、こっちはクラウディオね・・・・名前ややこしいのよあんた等』

「ZZZZZZ」

『起きろいうとるんじゃボケェ!!』


クラウディオの顔面にパンチが叩き込まれた、鼻提灯がパーンと割れて悶絶しながら転がった


「うぶおぼえあ・・・・な、なんですか貴方は」


顔面から鼻血を流しながらクラウディオが起き上がると・・・・そこには美しいベールに包まれた
一人の女神が佇んでいた(前話のセイレーンさんではありません)


『私は貴方の持つ斧の妖精です』

「よ、妖精さんですか・・・」

『本日・・・貴方にお伝えしなければいけない事があります』


鼻血を拭いながら頭に?マークを浮かべながら妖精さんに目線を送る


「なんですか?その・・・伝えなければならない事って・・・・」

『・・・・・あなた、おっぱい好きですか?』

「すみません、言葉のキャッチボールが一方通行なんですが・・・・そりゃあ男ですから好きです」

『今、貴方の周囲には六つのおっぱいがあります』

「ありますね」

『一つは・・・最も柔らかく最も包容力があり最も癒しがあります』

「はあ」

『一つは・・・最も心地よく最も弾力があり最もオーラ力があります』

「はあ(オーラ力?)」

『一つは・・・最も美しく最も陥没し最も我侭です』

「(ああ、なんかもう誰が誰のおっぱいか容易に想像できますね、陥没してるんですか・・・)
それで・・・それがどうかしたんですか?」

『何れ貴方はこのおっぱいを揉んだり吸ったりそのビッグマグナムを挟んだりするんですよ』

「はぁ・・・・それはまあ嬉しい限りですが」

『しかし、その前に貴方は問題に直面します』

「はあ・・・・」

『貴方は・・・魔物に対して未だ強い嫌悪感を持っています・・・・いえ、その嫌悪の境界は徐々に
薄れてきています・・・・種族の壁ですよ』

「・・・・・・・・・」

『まあ、それを壁と感じるのか・・・差と感じるのかは貴方次第ですよ』

「・・・・はあ・・・」

『今一度考えてください、魔物と言うものが・・・・自らに対してどのような存在であるのかを
さすれば・・・・』

「さすれば?」













『おっぱいが貴方をエデンに導きます』












「結局おっぱいなんですか?」


妖精さんは徐々に消えて小さくなっていった・・・・どうやら消えてくれるらしい


『最後に・・・』

「まだ何かあるんですか?」

『もげろ』


そう言って妖精さんは消えていった



















「もげるなぁ!!」


起き上がって目を開けると、すっかり辺りは朝になっていた・・・・どうやら夢だったようだ


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


なにやら左肩に激痛が走っている・・・・視線を横に泳がしてみると、ヴィオレットの頭がある
その大きく開いた口から垣間見える犬歯が自分の肩の肉を突きやぶり血を流している
それをヴィオレットは荒く甘い息を漏らしながら飲んでいる

結論から言うと・・・・血を吸われていた


「「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」






(#゚Д゚)⊂彡☆三))Д゚)パーン












「・・・・・・なんや?お兄さん、寝違えたんか?」


千代が首が45度程横に捩れているクラウディオに尋ねてきた
頬には見事なモミジ(平手打ちした時に出来る手形)が落ちている


「いえ、お気遣いなく・・・・」

「ヴィオちゃんはなんや不機嫌やし・・・・ああ、下り物かいな」

<違うわよ!!

「ほななんで・・・・・はっは〜ん」


顎を撫でながらニヤニヤと笑みを浮かべる千代


「なんやなんや〜、二人だけでお楽しみっちゅうことやったんやな?うちも起こしてくれれば
手伝ってあげたのにぃ〜ん」

「いえ、違います・・・なんでか殴られてしまいまして」

「なんやそれ?なんもしてへんのかいな?」

「ええ」

「なんもされてもないの?」


ヴィオレットはクラウディオに視線を向ける


「ええ、何もされてません」

「・・・・・・・」

「せやったら何で殴ったんや?ヴィオちゃん」

「なんでも・・・・ムシャクシャしてたのよ」

「やっぱり下り物かいな」

「ちがうってんでしょ!!」


クラウディオがこの三人と出逢って1週間が過ぎようとしていた。
デイヴの後を追って西を目指す四人であるが・・・・

国境を越え、森から出て来たところで見事に迷子になっていた。
本来ならば国境を越えてそのまま西に行くとテオフィルが初登場した町から西へ向うか
それともデイヴのように南に向うか、北へ向かうかという選択肢なのだが。

この四人、森を出た所で大きく町から外れて、随分北の方から出て来たもんだから
北から迂回するルートを行っているのである。


「ま、朝ごはん出来たから冷めんうちに早よぉたべーや」


四人、力を合わせて旅をしているわけなのだが・・・クラウディオは千代とウルスラのありがたみ
に手を合わせそうになる

ウルスラは長年生きて培ってきた知恵は、天気を予想し、風の流れを読み、水音を捉える
そして、森にいる小動物を捉えさばき、食料の獲得に一役を買って出てくれていた

千代も同様に、長年培った知恵と技術は、食物を調理して馳走に変え、薬草を煎じて薬を作り
そして、不思議な術を駆使して草を布団や服へと変えたりと家事全般を行ってくれた

彼女達も随分良く尽くしてくれてるし、友好的だ・・・・悪い気はしない

おかげで旅は随分快適なのだ・・・・

学者として生きてきて、騎士人生歩んできた自分にとっては遠征の知識はあってもサバイバルの
知識はないので彼女たちの存在はもはやライフラインと言って良い


「それじゃあ、いただきます」


正座して手を合わせて、食べ物に感謝を捧げて頂くのがジパングの流儀らしい
噂どおり誠実で感謝の念の上で成り立っている国のようだ、あやかりたいものである

食事をしている中、話を切り出してきたのはウルスラだ


「クラウディオよ」

「なんでしょう?」

「ここより西を目指すならば「白磁の海原」を通るわけだが・・・・準備は出来ているのか?」

「白磁の・・・海原?」

「知らないのか?」

「どうにも地理は専門外でして」


ウルスラは西の方角を見据えて話し出した・・・・


「白磁の海原、年中霧に包まれている場所だ、複雑な地形によって発生した霧が視界を閉ざし
方向感覚を狂わせるという・・・・無計画に行けば迷うぞ」

「ふむ・・・・そこを安全に踏破するにはどうすれば?」

「知らん」


ウルスラはシレっと言ってのけると、兎の肉を大きな口をあけて一口で飲み込んだ


「しら・・・・」

「だからどうするのかと聞いたのだ、少なくとも50年ほど前まではこうではなかったのだが・・・」


千代に視線を投げかけるが、彼女はお手上げをして早々に首を横に振った
さあ困った、方向感覚が狂うといえばエルフの結界が有名だが、自然天然のそれは彼女等のそれ
とはまた違った脅威を孕んでいる

エルフの結界のような人為的な結界はある程度法則をもっているし、エルフの里に近づこうと
しなければ自然と外に出れる仕組みになっている

だが、こうした天然自然の作り出した「魔境」というものはそういった法則性が無く
土地勘がなければ全くもって迷うのは必至だ、それに霧が立ち込めていれば夜は強烈に冷え
浮遊する水滴は体力を奪う・・・・ここを踏破するとなるとかなりの準備をしなければならない。

クラウディオが頭を捻っていると・・・・


「森」

「はい?」


森、とだけ呟いたヴィオレットはクラウディオの荷物の中から地図を取り出すと、広げてみせる


「私達がいるのが・・・・ここ、背後に聳える山脈の北側。ここからみて南西に大きな森があって
この森の北側にあるのが白磁の海原と呼ばれる難所よ・・・・」

「はい・・・・」

「森を常に左手に見ながら進めば、間違いなく西に抜けれるはずよ」

「ああ・・・・なるほど・・・・でも視界が悪いのに、常に森の位置を把握できますかね?」

「霧が閉ざすのはあくまで視界だけ、耳が良いのが二人もいるんだから常に森の葉の揺れる音は聞えるでしょう」

「なんやヴィオちゃん頭ええやないの!」


ヴィオはフンっと不機嫌そうにそっぽを向いてしまった・・・


「なんやさっきから不貞腐れてもーて・・・お兄さんは早漏やったんかいな?」

「違うって言ってるでしょ!誰が汚らわしい人間なんかと交わるものですか!!」

「あらら・・・」

「お前早漏なのか?」( ?_?)

「他の人と比較した事がありませんのでなんとも・・・・」


クラウディオは首筋をさする・・・・


「・・・・・」


どうにも先程から体中が熱い・・・・

最近気づいたのだが、4年の留置生活によって衰えた体が、なにやら一気に元の筋力が
戻ってきた気がしてならない・・・・はて、どうにかなってしまったのだろうか?

と・・・・ヴィオレットがじぃ・・・っとこちらを見ているのに気がついた


「何ですか?」

「・・・・・・・・別に・・・・」
















  〜白磁の海原〜


それから、四人はヴィオレットの提案どおり左手に森を捉えつつ白磁の海原を進む事になった

霧の中を歩くというのは中々体力を要するもので、服は湿気を吸って重くなり、身体はむくみ
保存食は次々とダメになっていった。予想以上の過酷さに四人の気力も徐々に削がれる


「クラウディオよ」

「なんでしょう・・・・ウルスラさん」

「この霧の道は何処まで続くのだ?」

「さあ・・・・でも地図から推測するに・・・・2日あれば抜けれる距離のはずなのですが・・・・」

「あと一日歩かなあかんのか・・・・気ぃ滅入るで・・・・」

「無駄口叩かないで・・・イライラするから・・・・」

「そんな年中イライラしとったらシワだらけになんでヴィオちゃんよ」

「そうね・・・・ストレスは溜め込んじゃいけないものね、動かないでね女狐、あんたぶっ飛ばして
ストレス解消するからさ・・・・」

「や〜んお兄さん助けて〜♪」

「ちょ!なんで私の後ろに」







霧の中に聞えた炸裂音・・・・・こんな調子で霧の中を進んでいった。






















「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」


四人が見上げるのはそれは見事な大きな古城・・・・


「・・・・・なんでこんな所に城が?」


ヴィオレットの質問に誰も答えられない・・・・白磁の海原を進んで二日目の朝
四人の目の前に突如として現れた謎の古城、その分厚い城壁に囲まれた城は悠然と佇む

白い世界にぼんやりと浮かび上がるそれは、魔界にある異型の城とも少し違う
まるで亡者の世界にある不気味な城だ・・・・ここに立ち入るのは少々気が引け



「丁度いい!ここで暫く休むとしよう!ずっと霧の中を歩いていて中々疲れていたところだ」



さすがドラゴン、周囲の不気味さを完全にスルーして片手でその重たい木の門を軽々と開けた


「さすが姐さん・・・なんか出るとは思わんのやろか・・・・」

「出ても力技でエイメンさせそうですねえ・・・・」

「・・・・・で、どうするの?」

「一人にさせるわけにも行かないでしょう・・・・連れて帰りましょう」

「ええ・・・・」


三人も門を潜っていく・・・・その不気味な雰囲気を醸しに醸しだしている城へ・・・・















入ったはずなのだが・・・・・どういう事か?

三人の目の前には・・・花々咲き乱れる美しい庭園に、澄み渡った青空から降り注ぐ暖かい陽気
花々から香る甘い香りが鼻腔をくすぐり、美しい造形の城が目の前に聳えていた


( ゚д゚)( ゚д゚)( ゚д゚)


三人ともポカーンである


( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )


こっち見んな


「ふむ、中々立派な城ではないか・・・・ここならば心置きなく休めそうだ」


ウルスラはそんな城に突っ込みを入れる事一切無く・・・・腕組みをしながら満足げである


「ええっと・・・ウルスラさ〜〜ん」

「なんだクラウディオ」

「なんだじゃなくて、ここ誰かのお城ですって、勝手に入ったら不味い類の」

「大丈夫だ」


やたらと自信に満ち溢れた笑顔で返してくるウルスラ、一体何が大丈夫なのか






「私はドラゴンだ、だから大丈夫だ」





「何一つ大丈夫な要素がありませんよ!!とりあえずあまり下手な事を

「おお、茶の準備も出来ているとはなかなか気の利いた古城じゃないか」


お茶のテーブルへ向って一直線なウルスラ。
クラウディオが慌てて彼女を羽交い絞めにしてずりずりと後ろへ引き離していく


「なんだ?こんな真昼間からか?まあ私達の初めてに選ぶにしては中々良い景観であるが
シュチエーションはイマイチだ、できれば星降る夜の下に甘い囁きをしながらだな・・・」


なかなかロマンチスト


「そうではなく、ここは恐らく誰か住んでるんですよ。そうじゃないとこんな所にお茶の準備
なんてしてないでしょう?」

「ふむ・・・そう観察できるか・・・・」

「誰がどう見てもそうとしか見えないでしょうが・・・・ここが人間の古城だったり
縄張り意識の強い魔物の城だったらどうするのよ・・・・早い所出たほうが良いわ」

「もし人間やったら・・・・城をもっとるゆう事は、それなりに権力もっとる奴っちゅーことやろ?
そんな相手が魔物さんにええ顔するわけないもんなあ」

「ふぅむ・・・・それは残念だ、折角良いダージリンの香りがしていると言うのに・・・・」

「折角だから・・・飲んで行きますか?美味しいんですよ?」

「あんたまで何言ってるの」

「うち、何も言うとらんよ?」

「は?」

「この霧の中歩いてきたんじゃ体が重いでしょ?折角だからゆっくり休んでいきなさい」


四人が声がした方向を見ると、そこには年老いた品の良い老婆がニコニコと微笑みながら
花々咲き誇る花壇の道の中心に、じょうろ片手に立っていた


「えっと・・・」


老婆はこちらまでやってくると丁寧に小さく一礼した


「初めまして・・・私はアイーダ・アルフォンス。この城に住んでいる者です」

「初め・・・・まして、クラウディオ・バンデラスという者です・・・・」

「変わった旅人さんねえ?魔物さんとご一緒に旅をされているのですか?」

「え、ええ・・・まあ」

「私以外にそんな変り種の人がいるなんて・・・・・世界は広いものねえ・・・・貴方がたのお名前
聞かせてもらっていいかしら?」


この老婆、見たところ魔物に警戒心を持っているようではない・・・・とても友好的な雰囲気を
もっているようだ、千代の予想は外れてしまったようだ


「うちは稲荷っちゅー魔物で、千代って名前や。よろしゅうなあアイーダさん」

「あらまあ、ジパングから来たんですか?」

「ぉ?知っとるんかいな?」

「昔同じような言葉遣いの人とであった事があるから、その人もジパングから来ていたのよ」


敵対心が無いと知るやいなや千代はすっかりその老婆に心を許してしまったようだ
友好的に握手も交わしている


「アイーダ・アルフォンス・・・・貴公の深き心遣い感謝の極み。私は誇れ高きは古のドラゴン、
父母よりいただいた名はウルスラと言う」

「ご丁寧にどうも・・・・ドラゴンさんを見るのは・・・生まれて初めてねぇ」


ウルスラはとても丁寧な言葉遣いで老婆に頭を下げた


「(なんや、姐さん・・・・随分きっちりしてはるなあ?ドラゴンって天上天下唯我独尊な
イメージあったんやけど・・・)」

「(実は私も・・・・)」

「礼を受けた、他種を迎えてくれた広き器に敬意を示しただけにすぎん。私は確かに誇りは
高く持つが傍若無人ではないぞ?」


地獄耳だったようだ・・・・


「・・・・初めまして、アイーダ婦人・・・・私はヴィオレット・アールストレームという者・・・
夜の支配者、ヴァンパイアの血統を受け継ぐ者」

「あらあら、ヴァンパイアさんを見るのも初めてだわぁ・・・・こちらこそよろしくね?」

「・・・・どうも」


恥をかきたくはないのだろう。
敬意を示したウルスラの手前、ヴィオレットも敬意を籠めた自己紹介を彼女に披露する・・・

だがやはり頭は下げなかった、そこはヴァンパイアとしてのプライドと言うべきか


「アイーダさんはこの城の御当主様であらせられるのですか?」

「形式上は、でもそんなに大した人間じゃあないわ。ただの・・・・お婆ちゃんよ」

「こんなゴツイ城にいるんやから一人っちゅうわけやあらへんやろ?」

「ええ、友達と一緒に住んでいるわ、お茶の準備をしたのは彼女なのよ、今お菓子を
持って来るといっていたわ」

<アイーダ?そろそろお茶の準備が出来るわよ?花壇に水をまくのは後にしなさいな〜


若い女性の声、アイーダは振り返って城の曲がり角に視線を移す


「もう待っているわ、オネルヴァ」

「それならそうと一言言ってくれれば・・・・・誰?そいつ等」


曲がり角を曲がって出て来た女性

オリエンタルブルーのロングヘアーが靡く、彫刻の如き見事な肌を妖艶な服に包み
絶世の美女と歌っても過言ではない美貌を秘めた顔立ち・・・・
真っ赤な両目が四人を捉えると彼女は強い警戒心をもったのが窺えた


「旅の方々よ、長旅をしてきて疲れているの。暫く休ませて上げる事にしましょう」


にこにこと笑いながらそう言うアイーダであるが、オネルヴァと呼ばれた女性は
警戒心を強くしながら四人に近づき、アイーダとクラウディオ達との間に入る込むように立つ


「ドラゴンに、ヴァンパイア・・・・見慣れないのも居るけれど、インキュバスにもなってない
人間が一緒に旅を・・・・ねえ」

「色々ありまして・・・・お邪魔でしたらすぐに出て行きますんで」

「・・・・・・」

「オネルヴァ」

「・・・・・はいはい、解ったわよ・・・・椅子とテーブルを持ってくるから。ちょっと待ってなさい」


オネルヴァは呆れた様子で身を翻し城の中へと飛ぶ


「ごめんなさいね、悪い子じゃないんだけど」

「あの人・・・・魔物ですよね?」

「ええ、彼女はオネルヴァ・アイロラ。もう70年来の友達よ」


空を飛ぶ彼女はこちらを睨みつけるように一瞥する・・・・
そう、彼女は背に黒い翼を、お尻に黒い尻尾を生やし、頭からは勇ましい角が突き出ていた
オネルヴァ・アイロラという女性は人ならざるもの、サキュバスであったのだ


















「つまり、アイーダさんとオネルヴァさんは・・・・二人でこの城で暮らしているんですか?」


クラウディオの質問に二人は頷く、香り高いダージリンの紅茶を一口してアイーダが
話を続けた


「私とオネルヴァが出逢ったのは8つの時よ、いつも一緒に遊んでいたのだけれど
オネルヴァってぇー・・・サキュバスでしょ?こっそり遊んでいたつもりが大人に見つかって
ねえ。オネルヴァを何とか逃がした後、大人たちに大目玉を食らったわ」

「その後、色々あってアイーダとは一緒に暮らすようになった・・・・それだけよ」


自分の過去を惜しげもなく話すアイーダとは対照的に、オネルヴァはなるべく会話には
入ってこずに必要最低限の相槌しかうたなかった、やはりまだ警戒されているようだ


「皆さんは、何処を目指して旅をされているんですか?」

「西にあるといわれている、魔物と人間が共存しあって生きている国です。本当にあるなら
行って見て見たいと思いまして」

「ああ、アバルの事ね?」

「アバル?」

「確か、そういう名前よね?オネルヴァ」

「ええ・・・・貴方達の目指している国は恐らく「アバル」の事よ、今から200年ほど前に
神の力を強く受け継いだ人間の青年と、サキュバス化しかけのエンジェルが紆余曲折の果て
に作り上げた国らしいわ・・・・・」

「へえ、ほなやっぱりあったんや」

「魔界ではそれなりに名の知れた町よ。でも、どういうわけか行った奴は殆ど居ないし
帰ってくる事もないらしいわよ」

「な、何よそれ・・・・怖い所なの?」

「知らないわ、誰も帰ってきた事がないんだもの・・・・」


その話しに一抹の不安を覚えたヴィオレットだが・・・・ちらりと視線を横に飛ばすと
クラウディオはキラキラと目を輝かせていた。まるで子供の様に


「面白そうですねえ!・・・学者魂が疼きますよ」

「(だめだこいつ・・・早く何とかしないと)」

「でも、皆さんはどうしてアバルに向うのかしら?」

「うちはお兄さんについて行ってるだけや」

「夫と共にあるべきが妻の務めと心得る」

「人間観察」

「あんた等何?」


オリヴィエは目を?にしながら困惑していたが、アイーダは上品に笑う


「いいじゃない、素敵だわ・・・・それじゃあクラウディオさんはどうしてアバルへ向うの?」

「愛を求めて」


(;^ω^)(;^ω^)(;^ω^)(((     (・ω・ )



すごい勢いでクラウディオの椅子だけ距離が開いていくのを感じた


「ねえ、あんた等の・・・その、あいつって・・・キt・・・・やk・・・えと・・・馬鹿?」

「いやいや、あいつは多分正気で本気だ」

「す、素敵だわ」

「アイーダ、無理にフォローしなくていいのよ・・・」

「そんなに可笑しな事ですかねえ」

「あんた等こんな奴のどこがいいのよ」

「フフフフフ・・・・」


それから話しは三人が出逢ったときの話しになった・・・・


「つまり、三人にとってクラウディオさんは白馬の王子様というわけね」

「そんな面?」

「面・・・・」

「うちはお兄さんの顔も結構気に入ってるよ?」

「恐縮です・・・・そういえば、お二人はどうして捕まっていたんですか?ドラゴンとヴァンパイア
といえば、魔物の中でもかなり力を持っている種族でしょう?」


ウルスラとヴィオレットに視線を飛ばすと、ヴィオレットはふんっと不機嫌にそっぽを向いた
ウルスラはと言うと紅茶を一口含み目を伏せた


「・・・・・私は元々、北国へ通じる山脈に住んでいたんだ・・・・」


カップをソーサーの上に置き、ウルスラは両手を絡ませ一息吐く


「だが、幼少の頃、教団の騎士団に住処を追われ各地を点々としていた・・・それが祟ったのだ
各地を巡っているうちに気候の変動や地域の温度差・・・それらは私の体に変化を与えた」

「変化・・・ですか?」

「別に、私もドラゴンは何体か見た事があるけれど。別段変化があるようには見えないわ」


オネルヴァの言葉をウルスラは首を振った、彼女は自分の胸に手を当てる


「体の内側にだよ・・・・」

「内側・・・ですか?」

「ドラゴンは元来その土地に住み着き、一生をその土地で終るものだ、しかし・・・・私は違った
私は風土の変動に耐えうるために魔力を使い免疫力を発生させたのだ・・・・だがその代償に、
ドラゴンが元々持っている魔力やドラゴンとしての能力は、発現できない程弱体化していた」

「じゃあ・・・今の姐さんって・・・」

「ああ、吐く火は石を焦がす程度、俊敏さも力も失われ、元の姿には戻る事すら出来ない」

「(弱体化してあの瞬発力かいな・・・・)」


牢屋であのメイドの腕を奪った動きを思い出してゾッとした。
しかしながらウルスラは自嘲気味の笑顔を浮かべて右手で顔を隠すように掴んだ


「同胞が今の私を見たならば笑うだろうよ、こんな半人前の竜は他に居ないだろうからな」

「・・・・ですが」

「?」


クラウディオはウルスラに微笑みかける


「ですが、私がオークション会場に忍び込んだときに振舞った貴方の言葉と姿は
間違いなく地上の覇者であったドラゴンの雄大さを感じました」




『・・・・・・私の値段は2000万だ、ギャアギャア吼える前に金を積め・・・!!』

『金がお前たちの力なのだろう?ヒューマン・・・私の力(ねだん)を上回って奪い取ってみろ』

『ふ・・・フハハハハハハハハハハ!!!アッハハハハハハハ!!!ハァッハッハッハッハ!』




「例え力が弱くなっても、ウルスラさんの魂は間違いなくドラゴンの魂でしょう?
私はそう感じましたよ」

「・・・・・・フフフ、お前にそう言ってもらえると救われるよ・・・・話を戻すと、力が弱体化した私は、
お前に助けられたあの町の近くの森で奴等に捕らえられた、まさかラージマウス程度に
遅れをとるとは思わなかったがな」

「それで捕まったと・・・・ヴィオレットさんは?」

「・・・・・なんだっていいでしょ」

「吸血鬼って昼間は殆ど力が出ないのよ、そこをつかまったんでしょう?」

「ぅぐ・・・」


飲んだ紅茶を喉で詰らせ咳き込む、どうやら図星だったらしい


「千代さんはどうして捕まったのかしらぁ?」

「うち?うちお腹がすいて動けへんようなった所を捕まってもーてん」

「あらあら、お腹がすくと力が出ないもんねえ」

「ほんまにねえ」


波長が合うのか千代とアイーダの周囲の空間には小さな花がぷかぷかと浮いているような
暢気さと言うものが漂っている・・・・


「それじゃあ、皆さん長旅で疲れたでしょう?今日はゆっくり休んで行きなさいな」

「ちょっとアイーダ!こいつらを泊める気!?」

「困ったときは助け合いよぉ、部屋なら幾らでも空いているんだし・・・・二、三日泊まって
いくといいですよ」

「・・・・・・」

「駄目かしら?」

「・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・好きになさい。ただし、妙な事をしたら即刻追い出すからね!」


オネルヴァはそう言い放ち椅子から立ち上がると、やはり不機嫌そうにその場から足早に去っていった


「ごめんなさいね、本当はとても良い子なんですけど・・・・今日は機嫌が悪いみたい」

「気にしてないですけど・・・・・すみません、無理を通してもらったようで」

「いいのいいの、お客さんなんて・・・何十年ぶりかしらね?」


アイーダはやはりニコニコと笑っていた・・・・・
















それからアイーダの意向で手厚く歓迎された・・・・
部屋も用意され、風呂にも入る事ができ、それは美味な料理も振舞われた・・・・

アイーダは終始ニコニコと笑顔を浮かべていたが、オネルヴァはやはり終始不機嫌だった

クラウディオは夕食を食べた後、用意された部屋でゆるりとベッドで寝転んでいた


「・・・・・」


久しく一人になったクラウディオはその安堵に心地よさを覚えた


「(随分長い事一人だったのに、少しばかり皆さんと一緒に居ると。忘れてしまいますよね
あの苦痛に似た孤独とか・・・・寒さとか、暑さとか・・・・)」


しかし、今感じている者は少し違う・・・・まるで友がすぐ傍にいるような心温まる感覚がする。
それはきっと千代達のお陰に違いないのだが・・・・


「(でも・・・彼女たちって、魔物なんですよね)」


夢に出て来た斧の妖精?は自分はまだ魔物を嫌悪しているという・・・・
そして、その種族の壁にしっかりと向き合わなければいけないと言っていた。


「(種族の壁・・・・差とも言っていましたか・・・・)」


改めて魔物と言う種族を考えてみる・・・・自分は教会の教義に従っていたので、魔物とは
人を喰らう恐ろしい存在であるといわれていた

任務中に魔物を討伐する事もあった、その最中に人間と性交を重ねている者を見たこともある
隊長たちはその様相を


『奴等は人間をレイプした後に殺すんだ、雌しかいないからな』


こう説明されてきた
まあ、その説明でその時は納得していたということは自分もどこか緩かったのだろう
その後にもその光景は間の渡りにしてきたが、魔物が人間を殺している場面は見た事が無い


「国に不都合な人間を消すときに「魔物に殺された」っていう書類は見た事がありますが」


それこそ、魔物が人間に対して敵対的である事は稀だ。エルフや・・・ヴァンパイアといった存在
は自らを人間とは格別した存在であると認識しているらしい。ヴィオレットを見ていると
確かにそういった印象を受ける

一体、人間と魔物とはどのような関係であるべきなのか、その答えは漠然と曖昧なものであった

と、その時・・・・ドアをノックする音が聞えてきた・・・・


<おっにいっさん♪


千代の声である・・・・

クラウディオは起き上がってドアを開けてやると・・・・そこには予想通り千代が立っていた
彼女はいつも来ている薄紫の着物ではなく、赤い花を撒き散らしたような美しい純白の着物を
上着に羽織り、下は白い着物を身に纏っている・・・・真紅の美しい帯がなんとも特徴的だ


「ど、どうしたんですか?」

「入ってええ?」

「え、ええ」

「おっじゃまっします♪」


彼女は口元を袖に隠した手で塞ぎながら嬉しそうに入ってきた、そしてくるりと背後を振り返り
クラウディオを見てにっこりと笑う


「・・・・どう?」

「とても・・・・美しいですよ」

「「絳唇白玉をふくみ、紅瞼明珠を曜かす」ってね」

「コウシンタマヲフクミ、コウケンメイジュヲカガヤカス・・・・何かの呪文ですか?」

「緋は白を引き立て、白は緋を引き立てるっちゅうことや。これがジパングの和の色っちゅう
ことやね」


そう言ってくれる彼女の表情はとても柔らかで、慎ましやかながら女の艶を振りまいている
思わず口元から出た言葉を手で押さえ込んで視線を外した


「どないしたん?」

「いえ・・・・とても、美しいと思って。思わず感嘆の声を上げそうになりました」

「〜♪ うれしい事言ってくれるやん」

「それを見せてくれるために・・・・態々?」

「ん〜?そないにとぼけんでええやん・・・・夜中に女が男の部屋訪ねてんねんで?」


・・・・・・・・・・・

今更ながら思考が停止する

確かにシュチエーション的には完全にそういう形である、彼女がおめかししている理由も
よく理解できた・・・・
しかしながら以前から彼女は自分に好意的でありはしたがこうやって迫ってくる事は無かった。


「・・・・以前から気にはなっていたのですが・・・・何故貴方がたは私に友好的なんですか・・・・?」

「友好的とはちょいとちゃうやな、好意的っていうんやで」

「・・・・・」

「別に、うちはそない尻の軽い女やあらへんよ?・・・・本気で自分がエエ男やって思た男を
じぃっくり見定めてるんやから・・・・」


彼女の両の眼がこちらの眼をとらえる・・・・それはまるで獲物を見つけた猛獣のような目である
魔物の本性とも言うべきものだろうか?彼女が自分に完全に狙いを定めていた


「クラウディオお兄さんは・・・・ええ人や」

「私は・・・・貴方が思っているような人間じゃありません」

「酷い男っちゅうことか?」


自分自身、自分がどんな人間なのかがよく分からないのに・・・・自分が良いか悪いかなど
わかるはずがないのだ


「・・・・・自分自身、自分がどんな人間なのか・・・・私自身分かっていないんですよ」

「・・・・・ええねんよ、うちがお兄さんを求めとるんや」


何時の間に彼女は近づいたのか?目を離さなかったはずなのに、いつの間にか目の前にまで
近づかれ、両腕がしゅるりと自分の首に絡みつく

まるで麻痺をしたかのように動かない体に、ゆっくりと彼女の体が近づいてきた


「お兄さん・・・・今日はうちの事、一杯可愛がって欲しいなぁ・・・・ん」

「んぅ・・・・」


唇から伝わる淫靡な気にあてられたのか・・・・彼の魔羅は女を求めていた














ランプの光が二人をかすかに映し出す・・・・窓を開ければ月明かりが差し込むだろうが
その手間さえも煩わしかった


「お兄さん・・・・まだ躊躇してるみたいやさかい・・・・うちがその気にさせたげるな」


千代はクラウディオをベッドに座らせると、その股の間に入り込み彼のズボンを引き下げた
トランクスはすっかり怒張した魔羅が張り詰めてテントを張っている状態だった


「あは♪」

「・・・・ぅく」


その滾りに嬉しくなったのか、千代は羨望と期待を籠めてトランクスをゆっくりと引っ張る
怒張した魔羅が引っかかりながら抵抗を見せる、4年もご無沙汰な状態であるのだ
布の摩擦さえも心地よい


「お兄さんったら、こんな所でいってもたあかんで?」

「それは男の沽券に関りますねえ」

「ふふふ、それじゃ・・・・旦那さんのおちんぽ・・・拝け〜〜〜・・・・・・」


トランクスを一思いに下げて、ぶるっと立ち上がった魔羅

千代は目の前に聳えるそれを見て口を開けたまま硬直している・・・・
尻尾と耳もピンと立ち上がり、沸いて出た冷や汗が彼女の頬を伝った


「(え・・・・ナニコレ・・・・・・え?)」

「あの・・・大丈夫ですか・・・・もしかして、変な形とか」

「(へ、変な形っていうかサイズが・・・・その、あれ?え?・・・・・ナニコレ)」


すすすっと目線をゆっくりと上げると、どどんと聳える立派な魔羅・・・・


「(・・・・デカ)」

「・・・・あの・・・・」

「あ?・・・ああ!!か、堪忍な、ちょっと・・・その・・・おっきいからびっくりしてもおてん」

「他人と比べた事がありませんので・・・・ちょっと解らないんですが」

「(こんなんで可愛がってもろたら・・・・うち、お兄さんのことしか愛せへんようなるかも・・・)」


背筋が急激に疼いた。そして体の心からこみ上げる期待と羨望に千代の女陰が濡れていく
そして、それを味わうために彼女は両手をゆっくりと添える


「・・・・・ぅふ・・・フフフフ・・・・あっつぃわぁ・・・・」


まるで絹が撫でたような滑らかな指先が軽く摩るだけで、亀頭からのカウパーがテラテラと光を
受けて流れ出てくる・・・・それを嬉しそうに指先で受けると、全体に塗るようにしてこすっていく


「ぅく・・・・ぁぅ・・・・・ぅ」

「ほんま・・・・まだちょっと擦っただけやのに・・・・もう爆発しそうやねえ」

「すみま・・・せん・・・・ご無沙汰な・・・物で」

「ほな・・・一回出してまおか?お兄さんに恥かいてもらいとおないし・・・ね?」

「千代さ・・・ぅう!」


千代はそのいきり立った魔羅に舌を這わし始める・・・・


「んはぁぁ・・・・あぅむ・・・・んんんん・・・・んぷ・・・・ちゅっ!」


慣れた舌使いでクラウディオが深く感じる場所を意図も簡単に見つけ出すとそこを的確に
攻め始めた・・・・裏筋、カリ首、根本・・・


「ふ・・・ぅ・・・・」

「・・・・ふふ・・・・ぁあ・・・ん」


くぷりと口に咥えると、熱い魔羅は彼女の口内で舌の蹂躙を受ける


「(すご・・・・熱くて・・・・大きくて・・・・)」

「千代・・・さん」

「(・・・・こんな凶悪なもんもってんのに、そんな顔すんの反則やで、お兄さん・・・・)
んぶ!! じゅる・・・・んぅ!んん・・・んぶぶ・・・じゅる・・・・あふ・・・・はぁああ・・・ん、ちゅぅう」

「・・・はっ・・・・ぁあ・・・ぅ」

「(・・・・かわええなあ・・・)んじゅう・・・じゅる・・・ちゅ、ちゅぶ・・・んんんんん・・・んんんん!」


千代は本気でクラウディオを絶頂へ導き始めた、口の中に溜めた唾液をたっぷりとローションの
代わりに使い、舌で裏筋を擦り上げながら爆発寸前の彼の一物を舐めあげる

びくりと、魔羅が一度大きく衝動する・・・クラウディオは耐え切れなくなり千代の頭を
押さえつけた


「!!!!  ぶぐぅ・・・・うぅう!!」


吐き出した・・・・四年も熟成させたそれを・・・・・

千代は待望しながらも口の中を凄まじい速度で蹂躙していく精液に驚きを隠せなかった
しかし頭をクラウディオに押さえつけられ引く事もできず、それを飲み干していくしかない
だが勢いは彼女が飲み込む量を超えて、口の端から漏れていく


「ごく! ごく! ごく・・・ごく!・・・・んんんんん!んぐう!ごく・・・・ごく・・・・」


・・・・何秒立ったのかは知らない・・・・射精を終えたクラウディオはゆっくりと彼女の口から
魔羅を引き抜いて荒い息で呼吸していく・・・・

千代はというと、焦点の会わない瞳で天井を見上げていた
開いた口の中で白いゼリー状の精液がどろどろとうねっている


「(あかん・・・・あかんて・・・・・こんなアホみたい濃くて凄い量の精液飲んでもたら・・・・一発や
頭アホになってまう・・・・・もう、お兄さんのモンやないとうち自身が満足でけへん・・・・)」


千代はビクビクと身体を痙攣させながら口の中に溜まった精液を飲み干した
と、その時だ


「(・・・・・せやな・・・・こんだけのもんもろたら・・・・・)」


千代の尻尾がざわりとうねったかと思うと・・・・突如彼女の尾の根本が金色に光だした


「ち、千代さん?」


光がまるで帯の様に収束していきながら・・・・それは他の尻尾の様にしなやかに動いた


「!」


一際目映い光を放ったかと思い目を閉じてしまった・・・・そして、再び目を明けたときには
千代の尻尾は六本に増えていた・・・・・


「んふ・・・・んふふふふふふふふ・・・・・」

「千代さん・・・・大丈夫ですか!?」

「やっぱお兄さん・・・最高や・・・・うちもこんな男に抱かれて光栄やで・・・」

「これは一体どういうことなんですか・・・・尻尾が増えてますよ」

「うん・・・・うち等稲荷は身体に蓄える魔力が増えたら尻尾の数も増えるんや・・・・
この尻尾の多さが魔力の・・・・力の多さっちゅうこっちゃ・・・・・」

「・・・・・」

「そんで・・・これに比例してうちの性欲も高こうなってく・・・・こうなったらお兄さん・・・・
責任とってもらうで?」


ぎらりと彼女の眼が光ったかと思うと、千代がいきなり獣のようにクラウディオに飛び乗った!


「ち、千代さん・・・・」

「堪忍な・・・・ほんまはもっとお兄さんを喜ばしてあげるつもりやったんやけど・・・・うちもう
我慢でけへん・・・・」


千代はばっと着物の裾を大胆に開けると、下着を穿いていない彼女の秘所は愛液が滴る程
びしょびしょに濡れていた

クラウディオの魔羅を掴むと、それを自分の秘所に当ててキスをさせる


「ぅあ・・・・」

「なあ・・・・もおええ?お兄さんのチンポ食べてもてええ?」


なんども秘所と亀頭を焦らすように擦り合わせている、いや待ちきれないのか・・・
クラウディオは荒い息を一度整えてぎゅっと千代を抱きしめる


「・・・・いいですよ」

「・・・・は♪」


躊躇なくそれを自分の中に捻じ込んだ





「く・・・・・ひ・・・・・ィィィィィィィィィぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」





クラウディオの魔羅は千代を文字通り貫いた・・・・

剛直なそれは膣内の肉壁をギチギチと広げ、千代の子宮を押し潰さんばかりに持ち上げた
まるで脳を真下から突き上げられるような感覚に千代の意識が一瞬切れてしまった


「か・・・・は・・・・ひぃ・・・・あ・・・・(・・・入れてただけでいってまうやなんて・・・)」

「すみません・・・・私ももう・・・・我慢が・・・」

「ひぃ!!あ!! ま、待って待って!!お兄さん!! !!!?  ヒィア!!」


別にクラウディオの魔羅だけが特別ではない・・・・千代の膣内も名器といえる程の物だ
これだけの快楽を持つ膣もそうはないだろう


「ああああ!!うああ!!あぐぅ!うあ!!あ!!いああ!ああああああ!!」


突き上げていく度、膣内をカリが抉る・・・・子宮口になんどもキスをして押し込み
持ち上げる。その度に千代には今まで感じた事のない程の快楽が突き抜けていく


「んんあああああ!!あが!ああひ!ひぃいい!!いあ!あぅうううあ!!あああん!!
んあああ!お、兄さぁあん!!や、やあああ!!」

「ごめん・・・なさい・・・・でも・・・く・・・・・・千代さんの中・・・よすぎてぇ!」

「ううあ!あああああああ!! あひ・・・ひぃいいいああああああ!!あかん!ごりごりってえ
抉ってるぅうぅううあ!! あかん!!こんなん!いってまう!!もういってまうって!!」


いつしか着物すら乱れ、胸が露出し、形の良い胸がぶるんぶるんと揺れ踊る





「いく!!いくぅううううううううううううううううう!!ヒィイイイイイイイイイイイ!」




激しいピストン運動をしている中、千代が身体を弓なりに曲げたまま激しく絶頂する!
結合部からは愛液がまるでぶしゅっと吹き出す・・・・

しかし、クラウディオは千代を犯す事をやめない

絶頂する彼女の膣内を更に突き上げて快楽を貪る・・・・


「お!・・・・・・ぉふぅあ・・・・ああああぁおお・・・・」


舌を口からピンと出し、目が上を向いている・・・・


「おほ・・・ぉほおおおおおおおおおおおおおおおおおおお・・・・・はあああああああああ!!」


声を上げる事で快楽をなんとか逃げさそうとするが、それは嬌声というより絶叫だ
ブシブシと潮を吹きながら激しく波打つ身体。すでにまともな理性や思考が働いてはいない


「ぅ・・・ぐぅ!!」


熱い滾りが再びこみ上げペニスを更に拡大させる・・・・その勢いを守ったまま
最後のスパートをかけた


「ぅあ・・・・あく・・・・・い、いきます・・・・」

「ああああああああああああああああ!!あ!あ!あ!あ!あっ!あ!あ!あっ!あひ!
いぃあ!ひあ!あぐ!あああああああ!!ああああああああああああああ!!」


「ぐ・・・・あ!!」






「!! ヒアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」







大絶頂・・・・そう表現しようか


まるで獣のような声を上げて千代は意識の先へと飛ばされる・・・・
熱い熱いマグマのような精液は一回目と変わらない濃さと量を千代の中へと注ぎ込んでいる

結合部からは収まりきらない精液がダラダラと流れてシーツへしみこんでいった


「「・・・・・・・・」」


射精がようやく終ったとき、千代はぐったりとクラウディオの体の上に倒れこんでしまった
二人とも荒い息を吐きながら、濃密な余韻を感じていた


「・・・・・・激しすぎやで・・・・お兄さん・・・・」

「すみません・・・・あんまり気持ちよくって、つい我を忘れてしまいました・・・・」

「ふふふふ・・・・ええよ、お兄さんの逞しい一面が見れてうちは嬉しいわ」


千代はクラウディオの首元に舌を這わせると、嬉しそうに身悶える


「やっぱ・・・・ええなあ、好きな男に抱かれたあとに、胸板の上で寝れるのって」

「・・・・・・」

「あ、ちょっとやきもち?」

「・・・・・かもしれませんね」

「堪忍堪忍・・・・今はうちはお兄さんの女や、お兄さんが死なんかぎりうちはお兄さんのもんや」


クラウディオの頬にキスをして嬉しそうに尻尾を振るう・・・・
そんな千代がたまらなく愛おしくて、クラウディオは彼女の体を強く抱きしめた


「もう一回・・・・いいですか?」

「何回でも・・・ええよ」








                                          




「・・・・・ぬぅ」


クラウディオ達がいる部屋の前でドアの前で腕組みをしているウルスラ


「夜這いをかけに来たのだが一足遅かったか」

「二足も三足も遅かったわね」


ウルスラが声のする方向を見ると、オネルヴァが腕組みをしながら歩いてきた


「人の城に泊まっておいて好き勝手に乱れるとはどういう神経しているのかしら」

「勇者一行が宿屋であっはんうっふんするのは珍しくあるまい・・・・
千代も一応気を使ったのか防音結界らしきものは張っているから声が漏れる事は無い」

「ここは出会い茶屋ではないわ・・・・シーツを洗濯する理由を考えなきゃいけないじゃない」

「別にアイーダ殿が情緒を知らぬわけではあるまい?非があるのはあの二人なのだから
堂々と盛ってましたとでも言えばいい」

「身も蓋もないわね・・・」

「それはそうと、何か用か?」


オネルヴァはふぅっと溜息吐き出して周りを見る


「見回りよ、あんた等が変な事しないか見に来たのだけど・・・・まあ、中で盛っているなら
どうでもいいことね・・・・あんたは参加しないの?」

「私もどちらかといえば二人でしたい・・・・今日は身も清められいい気分だったのだが・・・」


顎を摩りながら開かないドアを見据えたが、ふぃっと視線をオネルヴァに戻す


「・・・・・もう一泊していいか?」

「お断り、さっさと次の町を目指しなさい」

「(・・・・ふむ・・・・青姦も悪くは無いのだが・・・・)」

「・・・・・旅に必要な物は補給させてあげるわ」


そういうとオネルヴァはそこから歩いて行った・・・・ウルスラは彼女の背中を見てクスリと微笑む


「お前、存外いい奴ではないか」

「・・・・・五月蝿い」














 〜ヴィオレットがいる部屋〜


「・・・・・・・・」


ヴィオレットはクラウディオ達がいる部屋の隣にある部屋を使わせてもらっているのだが
彼女は眠るわけでもなくじっとクラウディオ達がいる部屋の方の壁にたって指を壁に立たせる


「・・・・・っち」


ガリィっと壁に爪を立てる・・・・彼女の鋭利な爪が少しばかりの傷を壁につけた


「(今日は・・・吸えないわね・・・・・・)」


マントを翻して静かにベッドに横になった・・・・そして窓から見える外の景色を横目でみる
先程までラピスラズリを薄く延ばしたような夜空が広がっていたのだが、いつの間にか
暗雲が立ち込め始めていた


「喉・・・渇いたな・・・・・」















 〜食堂〜


打ち付けるような雨音で皆は目を覚ました・・・・激しい豪雨が降り注いでいたのだ
食堂の中にいても雨音が聞えるのだ、その激しさが窺えた


「この様子じゃあ・・・出発は無理ねえ」


そういいながらも嬉しそうな顔をしているアイーダは食後の紅茶を楽しんでいる


「今日も泊まっていきなさいな、早々止むものではないわ」

「そうね・・・・流石にこれは仕方ないわ」


珍しくもオネルヴァが同位の色を示した、アイーダは彼女の同意に機嫌を良くしたのかほっこりと嬉しそうな笑顔を浮かべた

四人はお互いの顔を見合わせてこくりと頷いた・・・・


「すみません、ご迷惑をおかけします」

「迷惑だなんて思ってないわ、お客さんが来る事なんてそうそうないんですもの。賑やかで楽しいわ」

「あはは・・・・ありがとうございます」

「・・・・はぁ」


オネルヴァは溜息をついて立ち上がり、尻尾をゆらゆらと揺らしながらその場から歩いていく


「何処へ行くの?アイーダ」

「後片付けよ、すぐに戻るわ」


どうやら昨日の事はアイーダには気取られていないらしい・・・・


「(あれ、もしかしてばれてた?)」

「(見たいですねえ〜)」

「(後で敷布団変えたろおもたんやけど・・・・手間かけさせてもーたなあ)」


その横でウルスラが


「(よし、今日こそは)( ・ω・)=つ≡つ シュッシュッ! 」


ハッスルしていた


「それじゃあ・・・・貴方がたに見て欲しい物があるの」

「見て欲しい物・・・ですか?」

「昨日はつい嬉しくって放しこんでしまったから見せられなかったけれど、是非見て欲しい
物があるのよ・・・・・自慢の、私の宝物よ」

「宝物か・・・・ふむ、さぞ素晴らしい物だろう」

「解るかしらウルスラさん」

「貴方の眼の輝き方が違う、アイーダ殿・・・・実に嬉しそうな顔をしている」

「うふふふ」














「ここよ」


アイーダが案内したその部屋に入った四人・・・・


「ぉお・・・・」


クラウディオはそれを見て息を呑む・・・・その部屋には無数の絵画が一面に飾られていた
芸術には知識が無いクラウディオだがそこに飾られた物が名画の類であるということは
なんとなく解ったのだ


「ほぉ・・・・見事なものだ」

「ええ・・・・中々見事ね」

「ここまで素晴らしいものを集められると、さぞご苦労なさったでしょう」

「へえ・・・」


しかしアイーダはニコニコ笑いながら首を振った


「違うの、これは主人が描いたものよ」

「ご主人が・・・・ですか?」

「ええ、主人は随分前に亡くなっていたけれど・・・・私にこの絵を残してくれたわ」

「ご主人は画家だったのですね」

「元は街を治める貴族だったの、これは趣味の方ね」

「趣味・・・・これを趣味でされるとはそれは才能があったのだろうな」

「ありがとう、主人も喜ぶわ」


喜ぶアイーダの横を千代が通り抜けて、一枚の絵画に目を凝らす


「へぇ・・・・」


千代が一枚の絵画を見ているようだが・・・・なんとなくクラウディオは
その千代に違和感を覚えた


「・・・・・・・」

「なあ、アイーダさん・・・・この絵は?ジパングには無いもんやねん」

「それはメシュリアの城ね。ジパングに無くて当然よ・・・・昔招待された時に描いていたわ」

「へぇ・・・・ええなあ」


その後、千代は絵を訪ねてはアイーダが昔話を話すように説明するのが続いた
昔話をするのはやはり楽しいのかアイーダはニコニコと上機嫌だ・・・・


「そういえば、アイーダはずぅっとここでオネルヴァと住んでるの?」

「そうねえ・・・・であったのは確か8つか9つの頃だったけれど
もうここに住んで65年くらいになるかしら・・・・15の時に嫁いだから。
でも、オネルヴァと一緒に住み始めたのは丁度30を数える年だったから、彼女とは大体
50年近く一緒に住んでいるわ」

「50年も・・・えらい随分長い間おったんやね・・・」

「ええ、でもずぅっと楽しかったわ・・・・オネルヴァは色んな話をしてくれるし・・・私も趣味の
園芸が好きに出来たから満足しているわ」

「それは素敵な人生だな、私もそのような老後を送りたいものだ」

「あら、皆さんはまだまだじゃないですか。お若いのに今からふけた話をしたらだめですよ」

「なんの、アイーダ殿も未だ美しい・・・いや、今こそ確実に美しいでしょう」

「あらあら、お上手ね」


脇あいあいと話す傍ら、クラウディオは口を閉ざし直立していた


「・・・・・・・・」


クラウディオは部屋の真ん中で周囲を見渡している・・・・確かにそれは美しい絵画なのだが・・・


「(・・・・・・何なんでしょう、この強烈な違和感は・・・・)」




キィィィィィ――――――――――――ィィィィンン・・・・・・




深い耳鳴り・・・・・脳髄の奥が研ぎ澄まされていくような感覚


「・・・・・・・」


クラウディオが感じている違和感がより一層強烈になっている・・・・

と、クラウディオは一枚の絵が目にとまった

若い女性の肖像画・・・・その面影はアイーダに似ている。恐らくは彼女の・・・・


「・・・・・・!」


バシィっと電激が走ったように、一瞬目の前がブラックアウトしたかと思うと
絵画が無数に張られた部屋がぐらりと揺らぎ・・・・


「・・・・・・」

「?どうかしたの?」


ヴィオレットがふとクラウディオの様子がおかしい事に気づいた


「いえ・・・・すみません、何でもありません」

「長旅の疲れがたまっていたんでしょう」


ふと皆を見ると心配する表情でこちらをみていた・・・・


「明日出発なんですから、今日はゆっくりしてくださいな」

「申し解りません・・・折角素晴らしいものを見させていただいたのに・・・・」

「いいのよ、見ていただいただけでも嬉しいのですから」

「私が送っていくわ・・・」


ヴィオレットが珍しくクラウディオを労っている・・・・皆その事に目を丸くしているうちに
二人は部屋から出て行った


「珍しい事もあるものだ」

「なんやったかな?旅の途中で出会った女剣士さんが言ってたんやけど・・・・ああいうの」

「ツンデレというのですよ、千代さん」

「おお!アイーダは博学やなあ!」

「ツンデレが身近に居ますから」













「っくしゅ・・・・?誰か私の悪口を叩いているわね・・・・」


オネルヴァはクラウディオの部屋のベッドの後片付けを完了すると、腕を組んで窓を見る
相変わらず激しく叩きつけるような雨が窓にはめ込まれた木の板を叩きつけていた


「・・・・・・どうして雨なんて降らせてしまったのかしら・・・・まさか期待した・・・
・・・・・・そんなわけないか・・・・・・・・・?」


オネルヴァは足音に気づいて振り向くと、丁度ドアを開けてヴィオレットとクラウディオが
入ってきた。クラウディオはやや顔色が悪い事が窺える


「どうしたの?」

「すみません、少し気分が悪くなってしまいまして」

「そう・・・・頭痛薬なんてあったかしら、見てきてあげるわ」

「あ、大丈夫ですよ・・・・少し横になれば楽になると思うんで」

「・・・・・そう、それじゃあね」


オネルヴァは足元においてあった籠をもってクラウディオの横を通り過ぎて部屋から出て行った


「・・・・・」


彼女がもっていた籠の中には昨日の行為で汚してしまったシーツが入っていた・・・・
なんとも微妙な気分である


「っ・・・・・」


再び頭痛が走る・・・・
此処に来る間にも何度か違和感が脳天をつきぬけるような感覚がしたのだ
しかしながら・・・・その正体がいまいちわからない・・・・


「大丈夫なの?」

「え、ええ・・・・・・」

「しっかりしてよね、あなたは私の大切な・・・・」


ふっと、彼女が背中から抱きついてきた・・・・やんわりと、大きくふっくらとした感触がした










「食糧なんだから」


刹那、感じたのは首と肩の間を裂く激痛であった


















「・・・・・・・」


扉を閉めるヴィオレット・・・・しかし、何時までたってもドアノブから手を放そうとしない


「・・・・・・・・」

「あなたも気分が悪いの?」

「! ・・・・オネルヴァ・・・・」

「あの男の様子は?」

「ぐっすり寝ているわ・・・・」

「まあ、昨日寝れなかったみたいだからね・・・・・」

「・・・・」


ヴィオレットはドアノブから手を放し深い溜息を吐いてその場を後にした


「(何だったのかしら・・・・・まあ、とりあえず薬だけでも置いてあげようかしら)」


オネルヴァはドアノブに手をかけた瞬間・・・・オネルヴァは微かに香る匂いに気づいた


「・・・・・(血のにおい・・・・)」


ドアを空けて部屋の中に入ったが・・・・先程感じられた血のにおいは感じられなかった
しかし、ベッドに不自然な体制で寝ているクラウディオを見つける

うつ伏せで寝ている彼は先程よりも青い顔をしていた


「・・・・・そういうことね・・・・体調が悪いって言うのに無茶をするわね」


オネルヴァは彼が寝ているベッドの横に薬と水を置いてやり、シーツを被せてやる・・・
と、その時クラウディオの額にふっと触れた瞬間、オネルヴァは一つの事に気づいた


「? これは・・・・魔法の痕跡?」



















「ぅ・・・・・」


クラウディオが目を覚ますと、すっかり辺りは暗くなっていた・・・・
本当にずっと眠ってしまっていたようだ。のそりと右手を出して、掌で瞼を擦る


「・・・・・ええーと・・・・確か、部屋についた途端倒れてしまったんでしたっけ・・・・」

「うむ、まるで死んだように眠っていたぞ?」


何故気づかなかったのか・・・・ウルスラがまるで猫の様にゆっくりとクラウディオの身体に
覆いかぶさっていた


「ウ、ウルスラさん?」

「ああ、ウルスラさんだ」


彼女はにやりと笑って目を細め、嬉々とした表情で完全にクラウディオに覆いかぶさった
そして、自分の額とクラウディオの額をこつんとぶつける


「熱は無い、風邪じゃあないな」

「そ、のようで・・・・」


彼女の長い髪がすらりと流れて頬を掠めた機能の千代の香りと同じ香りがした
恐らくは同じシャンプーを使ったのか、あの甘い香りとウルスラの匂いが男をくすぐる


「ええっと・・・あの・・・・」

「どうした?まだ調子が悪いのか?」

「いえ・・・ええっと、どうしてそのような体勢に?」


クラウディオに質問にウルスラは溜息を一つ・・・・彼女の甘い息が吹きかかる


「・・・・・・そうだな、今は何時だと思う?」

「えっと・・・・夜の10時くらいでしょうか」

「おや驚いたな、その通りだ・・・・・では次、私の性別は?」

「女性・・・・」

「お前の性別は?」

「男性・・・・」

「女が夜に男の部屋に来たわけだ、しかも・・・・以前よりお前に色目を使い、お前を夫として
迎えるために日頃尽くしている女がだ」

「・・・・・つまり・・・・夜這いをかけにこられたと」

「わかっているではないか、朝からたっぷり溜めた精、半日眠って体力も回復しただろう?
さあ・・・・・楽しもうか?」


彼女の着ているブラのような上着を、首の後ろにあるホックを外すと・・・上着がはらり
ウルスラは左腕を豊満な胸の上で上着が落ちるのを止めていて悩ましい


「ちょ、ちょっと待ってください!それはそのとても嬉しいのですが・・・・」

「どうした?興が乗っている女に水を差すものではないぞ、ほーれチラリズム」


チラチラと彼女の形の良い胸が見え隠れする・・・此処までされたらいただきますが男というもの
そう思うだろう?画面の向こう側の諸君


「ちょ、ちょ、ちょちょっと待ってくださいな」

「むぅ・・・・一体なんだというのだ?・・・・は!もしや私では勃たんと言うのか!?・・・・・
いやそんなことはないな、お前の立派な一物がおっきっき・・・・」

「そりゃあおっきっきもしますが・・・・ウルスラさん、この城おかしくないですか?」


唐突な質問だがクラウディオは真面目な顔で訪ねる


「そうだな、おかしいな」


男を誘う表情のまま返された・・・・


「憂いがなくなったところで・・・・さぁ・・・」

「憂い無くなってません!無くなってませんよ!?おかしいって気づいているなら・・・・」

「良いではないか良いではないか」


クラウディオの着ているシャツのボタンを上機嫌に外していくウルスラ
跳ね除けるわけにも行かずクラウディオはどうしたらいいものかと頭を悩ませた


「そう気にする事も無いのだよクラウディオ・・・・これは私達にとってはどうでも良い事だ」

「え・・・・」

「そんなに気になるのであれば・・・・後で教えてやろう。お前が感じている違和感を」


その口ぶりからしてウルスラは何かを知っているようであった・・・・

クラウディオは今すぐにでも答えが欲しかったのだが、状況を見るに彼女は夜這いに来ている
これ以上水を差して愛想をつかされるのも困る、何より・・・・相手を欲しているのはクラウディオ
も同じ事であった。


「わかりました・・・・でも、絶対に教えてくださいね」

「ああ、解っている・・・・さあ・・・・私の最上の宝物よ・・・・」


ウルスラはすっと目を瞑って唇を薄く開いた・・・・キスを待っているのだろうか
クラウディオはすぐ目の前に見る彼女の顔へと近づいた


「ん・・・・・」

「・・・・ん・・・・・んん・・・・・」

「ふ・・・・は・・・・・」


触れ合うだけのキス・・・・何度か互いの唇で互いを認識すると、クラウディオは彼女の頭を両手で捕まえると。
軽く驚いた彼女の隙を見逃さずにするりと舌を彼女の口内に侵入させた


「んふ・・・フフフフ・・・・ちゅ・・・は・・・・んむ」

「・・・・・は・・・・ウルスラ・・・さん・・・・」

「んぁ・・・・あん・・・ちゅ・・・・んんん・・・・・・・・っは、妻になる女をさん付けか?悪くは無いが・・・
んうぅん・・・・んん・・・・・できれば呼び捨てて欲しい物だ」

「すみません・・・性分な物で・・・・」

「まあいい・・・・その内に、な・・・」


ウルスラは嬉しそうにクラウディオの目の前にその大きな胸をさらした・・・・・


「(これが・・・・・オーラ力・・・・)」


張りがあり、しかしなおも柔らかそうな胸は千代の物とはまた違ったものがあった・・・・
その魅力に喉をゴクリと鳴らす


「ふふふ・・・・昨日は随分千代を鳴かせていたではないか・・・・今度はその凶悪なもので
私を鳴かせてくれるんだろうが・・・・まずは妻としてお前に喜んでもらおうか」


ウルスラは身体を起こすと少しばかり後ろに下がる・・・・そして、クラウディオのテントを
みて嬉しそうに舌で唇を舐める

その荒々しい竜の手でズボンをずり下ろした!


「・・・・・・・・ふ・・・・フハハハハハハハハ!!これでこそ私の夫になるに相応しい!!」


ウルスラはそりたった魔羅を見ながら笑い声を上げて喜んだ・・・・


「あんまり恥ずかしい事言わないでくださいな」

「恥ずべき事ではない、寧ろ誇っていいぞ?私はとんでもない宝を手に入れたこの気持を
誰かに伝えたい気持で一杯だ」


私の夫の魔羅はヤヴァイとでも叫ぶつもりだろうか・・・・


「やめてください・・・まじで」

「ふふふ、本当にいうつもりなんかないさ・・・・これはなるべく私が独占したいのだから
変な虫がこれ以上たかってたまるものか」


ちゅっと裏筋にキスを送ると、ウルスラはその舌でべろーっと丁寧に舐めあげる・・・・


「んんん・・・・んはぁ〜・・・・・ふふふ・・・・いい感じだ・・・・この熱さ、そして硬さ・・・・疼くな
・・・・・さて・・・・時にクラウディオよ、昨日は千代は何をした?」

「何をって・・・・」

「前戯だよ、千代と同じ事をしては飽きてしまうだろう?」

「ええっと・・・・口でしゃぶってくれましたけど・・・・」

「そうか・・・・なら、こういうことはしていないだろう?」


ウルスラはその大きな胸で魔羅を挟み込む・・・・柔らかな感触が左右から魔羅を包み込む
しかし彼女の大きな胸をもってしてもその魔羅は大きく出ていた


「ふふふ・・・・」

「ぅぁ・・・・気持いい・・・」

「喜ぶのはまだまだ早いぞ?」


ウルスラは口の中にツバを溜め込み始めると、まるでマグマの様に熱い唾液を
クラウディオの魔羅へと垂れ流していく・・・・・

暖かさを失わない唾液は通常の物より粘土が高く、まるでローションのようである
胸と魔羅をぐちゃぐちゃのどろどろにしてしまった


「いくぞ・・・・楽しんでくれ」


上目遣いの彼女はゆっくりとその大きな胸を上下させ始めた


「ぅあ・・・・」


どろどろになったそれはまるで女の膣のように熱い、だがそれとはまた別の気持ちよさがあった
その心地よさに思わず声を上げると、ウルスラは上機嫌に両手で胸を押さえながら
体全体をグラインドさせてる


「気持良いだろう?・・・・そのとろんとした表情・・・・んぅ・・・やりがいがあるなぁ・・・・んん・・・
フフフ・・・・この熱い棒のせいで私まで感じてしまうよ」


体重をかけたながらも、左右からの乳圧はものすごい。ドラゴンの強靭な肉体と腕力が
通常の人間の女では味わえない程の強い快感を胸で生み出している・・・・


「すごい・・・・です・・・こんなの初めてで・・・すぐに・・・・」

「ふふ・・・そうかそうか・・・んぁ・・・・は・・・・っぁあ・・・・」


かなり強い乳圧を受けていると思ったが、更に彼女はその圧力を強くしてスピードを速める
ずりゅずりゅっと卑猥な水音が部屋に聞えてくるのが興奮を誘う


「っは・・・あは・・・っ・・っはあ・・・・」


ウルスラが呼吸するたびに熱い息が魔羅にふきかかる、それすらも快楽となってクラウディオを
せめて立てていくではないか


「ここまで大きいと・・・ほれ・・・おもったとおりら・・・しらがとろいた」


ウルスラが舌を伸ばすと、その舌はグラインドに合わせて裏筋を舐め上げてくる


「くぁ! それ・・・良いです!」


そり立つ魔羅が新たな快楽を受けた・・・・あまりに心地いいためにビクビクと脈打ち始める


「んん!すごいぞクラウディオ・・・・ん〜・・・んむ、ちゅっ・・・・熱さと・・・硬さと、大きさが
増していく・・・・これは素晴らしいぞ・・・・ん・・・チュルウウウウ・・・っは」


うっとりと目を細めながら、ウルスラはとろんとした甘い顔を浮かべ、
そんな彼女の表情を見れば更に興奮が高まるというものであった


「んふ・・・ああっ! は、ははは!私がしているはずなのに、お前の物で私が犯されて
いるようにすら思える! ぁああ・・・は・・・・良いぞ、お前は最高だ・・・・」


興奮しきったウルスラは無我夢中にパイズリを繰り返していく
ぐにゅぐにゅと形を変えては何度もクラウディオの魔羅を飲み込んではすりあげる

そして、魔羅の根元の方に熱い滾りがそろそろ堰を切らんとしていた


「ふふ・・・・いきそうなのか?良いだろう!!」


ウルスラはおもむろに亀頭をくわえ込むと、グラインドを辞めて自分の胸を強く抑えて
強烈な乳圧で魔羅を押し上げた


「うああ!」


亀頭を口の中で舌で転がしながら、なんと左右の胸を互い違いに上下させしごいていく!


「い・・・っく ぅ!」


突如荷して新たな強烈な快楽にクラウディオの堰はあっさりと切られた





「んぐ!!んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!ぷあああああああああ!」





白い白濁色の液体がウルスラの顔面に迸った・・・・・

あまりの心地よさに腰を浮かべ、滾りは放たれる

最初は飲み込まんとしていたウルスラだが、その勢いに驚いて思わず口を離したが故に
顔に精液を浴びるはめになってしまったのだ。


「んぶ・・・・ゴク・・・・コク・・・・・・んんんん・・・・ンウフウッフフ・・・・ンフフフフフフフ」


妖艶な笑みを浮かべつつ精液を飲んでいくウルスラはたいそう満足げである


「・・・・・ちゅ・・・ちゅううううううう、チュルルウルルル」


射精が終わると、精管の中にある精液すらも吸い出さんと激しいバキュム・・・・
そして、ようやく口を離した


「・・・・・・はは・・・・全く・・・・顔に掛けてくるとは・・・・いいか?あまり顔射と言うものはな
女子にとっては良いものではないのだ・・・・性の知識に乏しいものには・・・ん・・・・やらない
ほうがいいのだぞ」


そういいながら顔にかかった精液をすくっては飲んでいく・・・・顔が終れば胸にと・・・


「まあ、私はこういうのは悪くないがな・・・お前に染められているようでゾクゾクする」


クラウディオは荒い息を整えてウルスラと視線を合わせる・・・・


「どうした・・・・ん!!」


がばっと抱きつくように彼女を捕らえると、おもむろにキスをする・・・・


「んんん・・・・っは、まて・・・まだ精液が・・・」

「構いません・・・ウルスラさんにキスしたいんです」

「んん・・・ん、んんむ・・・・ちゅ・・・・は・・・・歯が浮くような事を・・・・んんん!言うなぁ・・・あん」


舌を交わらせながらお互いを求めるキス・・・・無骨な甲殻に覆われた彼女の手をしっかりと
握り締めながらキスをする・・・・


「ふ・・・・」


ウルスラはクスクスと笑っている・・・・とても楽しそうだ


「どうしたんです?」

「・・・・いや・・・・男と交わるというのはこういうことかとな・・・・」

「なんですか、改まって・・・・」

「別に改まっているわけではない、ただ噛み締めているだけさ・・・・何せ初めてなものだからな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」


クラウディオは一瞬耳を疑った、ウルスラは尻尾をゆらゆらと動かしながらきょとんとしている


「どうした、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして」

「え、初めてって・・・・」

「ああ、初めてだぞ?男と寝るのはこれが始めてだ・・・・」

「でも・・・なんかキスもパイズリもやりなれていたし・・・・」

「知識があれば出来るものだ・・・・それに、我々魔物はそういったものを本能として持っている
そう驚く事ではない」


にわかに信じられないのか、クラウディオはまだ驚いた表情をしていた・・・・
そんなクラウディオを見てウルスラはにやりと笑いコロンと寝転ぶと、ふとももを閉じながらも
クラウディオによく見えるように自分の秘所をさらした


「さあ、空けて見てみるが良い・・・・未だ誰も入った事のない・・・・聖域だ」


とろりと流れる愛液が、女の匂いを放ちながらクラウディオを待っていた・・・

誘われるがまま、クラウディオは彼女の秘所を覗き込む・・・・テラテラと僅かな月明かりに反射し
愛液がゆっくりと流動していくのがわかる

彼女の女陰はうっすら淡いピンク色・・・・そこにゆっくりと指の先で入り口を撫でる


「ん・・・」


ウルスラにすべすべとしてスラリとした美脚を這うようにして両手でなで上げると
ぴくんぴくんと震えながら感じている、膝を持って彼女の開かせた


「美しいですよ・・・ウルスラさん」

「っ〜〜〜・・・・っは、ゾクゾクさせてくれるなよ・・・・」

「失礼しますね・・・・」


またの間に顔をうずめて秘所へと顔を近づける・・・・・その男を知らない女陰に手を伸ばした


「ひぁ!」


軽いキスをおくると、彼女はなんとも可愛らしい声を発した
両手で優しく広げながら彼女の中へと舌を滑り込ませた・・・・


「んん!!い、きなり舐める奴が!ひあ!あ・・・・あああ!んんぐ・・・・んあぁ!ひ、ひいぃ・・・」

「可愛いですよ・・・ウルスラさん・・・・」

「バ・・・カァ・・・・・ぁあ!!」


舌で周りを解きほぐすように、または愛液をすくって飲むようにして動かしながら彼女の秘所
を動かしていく・・・・


「んんんんん!んあ!・・・・・・・ふ・・・・ぅう・・・・ぅん・・・・・い・・・・ふあ・・・・あぅ・・・・く」


その度に身悶えるウルスラが可愛らしい・・・今なら彼女を救い出した事を誇りにすら思える
彼女を下賎な輩に渡さずにすんだ事を心から嬉しく思えた

彼女を手に入れる事が出来た無上の喜びを感じている

何分彼女の秘所を舐めただろうか・・・・女陰はすっかり熱を持って愛液も大洪水となっていた


「・・・・ウルスラさん・・・良いですか?」

「ぁあ・・・・ああ・・・・さあ・・・お前の女にしてくれ・・・・」


ウルスラはそういいながらも若干の不安が顔色に目に取れる・・・・昨夜の様に無茶をすれば
ウルスラに酷い事をしてしまうかもしれないと考え、なるべく自制をきかせる事を誓った


「入れます・・・」


ゆっくりと秘所にあてがうと、クラウディオは腰を落し始めた・・・・


「ん・・・・ぐぅ・・・・・っは!」


感じた事のない痛みにウルスラは苦悶の声を上げている・・・・いっそ一気に貫いてあげたほうがいいのかもしれない、いや止めてあげたほうがいいのかもしれないと不安にもなる

それを感じ取ったのかウルスラはクラウディオの手首を掴んだ


「頼む・・・・一思いにやってくれ・・・・」

「でも・・・」

「いいから・・・・」

「・・・・・いきますよ」


亀頭が入ったくらいで止まっていた魔羅をぐっとねじり込む!!


「っ           か・・・・・          あ・・・・・・・・・・・あ ・・・・・・ぎ」


とんでもない痛みだったと言う事はよく分かる・・・・声にならない叫びを上げていた
クラウディオは咄嗟にウルスラを強く抱きしめた


「・・・・・・・・・・」

「ひ・・・・ぁ・・・・・・・・く・・・・フゥ・・・・・う・・・・・・」

「大丈夫・・・・ですか・・・・」

「・・・・・・想像を・・・・絶していた・・・・・これほど痛いとは・・・・」


彼女の言葉を証明するかのように破瓜の血が流れていた・・・・ウルスラはすがるように
抱きつくクラウディオにしがみつく

無骨な人間の物ではない掌の感触が背中に食い込むが、それすらも愛おしい


「・・・・・すまん・・・・頼みがある・・・・」

「抜きますか?」

「いや・・・・体位を変えてくれ・・・・この体勢はなんかキツイ・・・・」

「解りました・・・・」


ゆっくりと刺激を抑えるように挿入したまま体位を変える・・・・ウルスラは身体を半回転させて
バックからの体勢へ変えた


「・・・・・ぁ・・・・ぅ・・・・」

「この体勢・・・・楽ですか?」

「・・・・・ああ・・・・」


ウルスラは荒い息を整えているのだが、挿入した魔羅は絶え間なくギチギチ、ぐにぐにと動き
その感触だけでも達してしまいそうな心地よさがあった


「・・・・・・いいぞ・・・動いてくれ・・・・・」

「まだ傷むんじゃ・・・・」

「・・・・・お前がそれ以上の快楽を与えてくれると信じているさ・・・それに・・・・痛みというものは
悪くない物だ・・・・」

「・・・・・動きます」


ゆっくりと腰を動かし始める・・・・未だキツイ彼女の女陰は容赦なく締め付けてきてこちらも
痛いくらいだが、彼女はそれ以上の痛みを伴っているのだ

しかしながら・・・・


「(このピリピリとした痛みがなんとも・・・・・)」

「ぅああ・・・・はぁあああんっ んっ あぅう・・・・・・っは・・・・・あぁ・・・あああ! あくぅ・・・」


彼女が快楽を感じているかどうか不安になる・・・・


「どうですか・・・・」

「い、痛いのがピリピリ走り回っている・・・・っは・・・く、し、しかし・・・なんだ・・・・この感覚
痛みが走るたび・・・・・えもいえない心地よさが・・・・」


もしかしたら彼女はマゾなのかもしれない・・・・気がまぎれるかもしれないと思い
ピストン運動に細心の注意を払いつつ彼女の形の良いヒップをやや強めに揉んでみた


「うあ・・・・ああ! な にをして・・・・ひぃ! ひあ!! ぁああ・・・・あああああん!」


強く揉めば揉むほど彼女の声は大きくなる・・・・


「くふぅう! ああっ! はあぁ・・・あぅうううう・・・・ひああ!あ!んんんん!!・・・・んあ」


恐らくは痛みを感じるくらいにもんでやると、彼女の嬌声は大きくなり、膣内の愛液は
先程とは比べ物にならないほど溢れてきていた


「痛いの・・・・好きなんですね・・・・」

「ぅううあ!あぐ!!す、好きかどうかは・・・・あひぃ!ひいいいいいん!! んんんん!」


彼女の背中に覆いかぶさり耳元で呟く


「正直に言ってくれないと・・・・良いと思っちゃうじゃないですか・・・・もっと痛い事・・・
しちゃいますよ?」

「も、もっと痛い事?」


背中を通して体前面で彼女の体がゾクゾクと身悶えた事を感じられた・・・・
きゅんっと膣内が萎縮して愛液の量も増える・・・・彼女は期待していた


「それじゃあ・・・・」


パァアン!


「ヒィイアアア!!?い、一体何を ヒィイイ!」


胸の高さまで持ち上げた掌を振り下ろして彼女のヒップを叩く・・・・
叩くたびに甲高い音が部屋に響き、彼女の体は目に見えて感じている・・・彼女の声が甘い


「あ! あぅうう! うああ!あん!あああああああ!あひぃいいいい!ヒイイイイイ
し、尻を!叩きながらぁああん・・・・ああうっ!突くなどぉおおお・・・・・おおおお」

「気持良いんでしょう・・・・?さっきから叩くたびに中がどんどん溢れて気持よく
なっていますよ」


クラウディオのドSモードにスイッチが入ったようだ

何度も何度も叩いたり揉んだり・・・時には胸を強く抓ってみたり・・・・


「んんあああ!!あぅぐ・・・ひぃい!ひいいい!!や、やぁああ、ぁあん!!やああ!
ひぃいいいい!!ひあ・・・あああ!」


時には甘く彼女の肩を甘噛みしてみたり・・・・腰から足をゆっくり撫でてみたり


「んんんん!・・・・んはあぁあん・・・あぐ・・・・くふ・・・・・んんんん!! ひん・・・・いぁ」


緩急をつけて何度も彼女を楽しませてみる・・・・叩いたり、甘く噛んだりを繰り返して
彼女を感じさせた

おそらくもう痛みすらもあまり感じていないのだろう、苦悶の・・・痛みを上げる声は
なくなり、彼女の喜ぶ声だけが聞える


「あは・・・・はああ・・・・ああん!んあああああぁあ! あっ!はっ!あっ!ああぁああ!ああ!
はぅうん! あっ!んんぅう!あぁあ!んああ!  あああぁ・・・・あああああああああ!!」


彼女が一際大きな声を上げるたびに中が締まり愛液が溢れる、恐らくは何度も何度も絶頂
しているのだろう・・・・腰を動かすスピードは決して早くないとはいえ、彼女には
なんども果てるほどの心地よさがあった

腕の力もなくなり、だらしなく胸と肩でうつぶせている


「そろそろ・・・いっちゃいます・・・・」

「ひぃい!あああぁあ!あああん・・・ああは!はあぁ!!あぁあん!! んんんん!!!」


聞えているのかいないのか・・・・しかし、クラウディオはスパートをかけるように腰の動きを
早めていく、そしてお尻を叩く手のスピードも早く・・・・そして強くなる


「ヒィイアア!!?アアアアアアアアアア!!あん! ああぁああ!!あぐぅ・・・・
いき!!ヒィアアァアアアアアア!!あああああああん・・・・ングググググ!!!ぐあああ!」


突如力強くされたので驚いてはいたが、確実に彼女はその力強さに喜んでいた
クラウディオも彼女の中の心地よさと処女特有の締まりに限界を迎えていた

熱い欲望の渦が間欠泉が地表に吹き出るように精管をこみ上げてきた!!
最後の一振りを思い切り振り上げる


「あく!」



パァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!


「ひぃいいいいいいいい!イク!!イグウウウウウウゥウウウウウウウウウウウウウ!!!」




思い切り欲望をぶちまけた・・・・・




「はああ・・・・ったあ・・・・・イッたあぁあ・・・・ああん・・・・すご・・・・熱いのが・・・マグマが・・・・
流れ込んでくるぅ・・・・・」

「ぐ・・・ぁ」


凄まじい膣の吸引によって精液がどんどん流れていく。彼女の子宮を満たし、膣奥に収まらず
中を蹂躙していく精液


「まだぁあ・・・・出てる・・・・ぅうん♪お腹一杯・・・・一杯だぁ・・・・ああん・・・・」
















ウルスラはまるで機嫌のいい猫そのものだ・・・・こちらの二の腕にしがみついて離れようとは
しない・・・・もとよりこちらも離れるつもりはないわけであるが


「まさか・・・・処女相手にスパンキングしてくるとは中々の鬼畜だなぁクラウディオよ」

「すみません・・・・気がまぎれるかと思ったんですけど・・・・まだ傷みますか?」

「いいさ・・・・しかし、私がまさかマゾ体質だったとは思わなかった・・・・うむ
心地よかったぞクラウディオよ・・・・」

「はは・・・・」

「これからもお前に酷い事をされると思うと今でも濡れて来そうだ・・・・」

「・・・・・・・」


ウルスラはこちらの顔を覗き込んでくる


「何を憂いている?」

「いえ・・・・オークションから貴方を助け出す事が出来てよかったなって・・・・貴方が他の男に
抱かれなくてよかったなって・・・・・」

「・・・・・・・」


ウルスラは少し驚いた顔をしたあとクスリと笑って頬に口付けをした


「そうだ・・・・私を抱けるのは世界でお前一人だ・・・・これから先ずっとな・・・・」

「ウルスラさん・・・」

「だからしっかり捕まえておいてくれ・・・・そしてこれからも、私がお前の物である事を
刻み込んで証明してくれ・・・・・」

「・・・・・はい」


ウルスラの唇を奪うと・・・・濃厚なデュープキスを彼女に送った・・・・

クラウディオは切に思う、本気で彼女たちの愛にこたえても良いのでは、と




                                          








「あや?ヴィオちゃん」


クラウディオの部屋の前で腕を組んでいるヴィオレットを千代が見つけた


「なんやなんや〜?ヴィオちゃんもお兄さんに可愛がってもらいたいおもたんかいな?」

「冗談・・・・誰が人間なんかと」

「・・・・おもたんやけど、今の時代人間以外に雄なんかおらんけど・・・・ヴィオちゃんは百合の花
のほうがお好きかいな?」

「百合・・・・・?何の話」

「ああ、ええんよええんよ・・・・・」

「あんたはアレに抱かれに来たんでしょう?」

「ちゃうちゃう、ちょっと確かめておきたい事があってな?」


千代は口元を着物の袖で隠しながらクスクスと笑う、その素振りは正しくは女狐といった所か
ヴィオレットは彼女の言い方に少々興味がわいた


「確かめたい事?」

「まあちいとばかしな・・・・ほなお休みな、ヴィオちゃん」

「待ちなさいよ、一体何を確かめるというの?」

「んん?確かめる・・・・ぅん、いやちょっと興味がわいただけやねんけど・・・・まあええやろ
知りたかったら来るとええわ。どうやらヴィオちゃんも「見えてない」みたいやから」

「?」


千代はクスクスと笑いながら歩いていく・・・なにやらからかわれた様な気分になって
ヴィオレットは不機嫌に感じたが、彼女の言う何かに興味があったので
彼女の後をついていく事にした














「・・・・さて・・・・」


ウルスラはのそりと起き上がると、事前に用意していたのか。タオルで精液と愛液が塗れた身体を拭っていく


「どうしたんですか・・・・?」

「どうしたではない、お前も早く支度をするといい」

「支度?」

「ん?お前が言ったんじゃないかクラウディオ。この城はおかしいと・・・・その答えが知りたい
のだろう?」

「・・・・・・すっかり忘れていました」

「お前が至極頓着している物すら霞ませ忘れさせるだけの魅力が私にあると言う事だな」


ウルスラは上機嫌に身なりを整える、クラウディオも濃密な水分をふき取ると衣服を着なおす
千代がその辺の草を不思議な術で衣服にしてくれたのだがなんとも着心地がいい・・・・


「(これ・・・・あの術が解けたらまっぱに戻るとかありませんかね・・・・)」


葉っぱ一枚あればいい












千代とヴィオレットは、昼間アイーダが案内してくれた絵画が飾られた部屋へと訪れていた。
暗い部屋の中、彼女等は静かに部屋の中心へと歩んだ


「この部屋がどうしたのよ」

「・・・・・・なあ、ヴィオちゃん・・・・この絵は何に見える?」


千代が指差した絵は、青い花が咲いている絵であった。ヴィオレットは訝しげな表情を
しつつも答える


「デルフィニウムの花でしょう?」

「これは?」

「それは昼間あんたがアイーダに聞いていたじゃない、メシュリア城よ」

「・・・・・うちな、ここの絵・・・・全部見えへんねん」

「・・・・は?」

「ここには最初っから絵なんてあらへんよ」


千代はヴィオレットに振り返る、いや・・・・ヴィオレットではない。彼女よりも奥にいる人物


「せやろ?オネルヴァちゃん」

「・・・・・・・・・・」

「オネルヴァ?」


何時の間に現れたのだろうか、彼女はヴィオレットの背後。いつの間にか閉まっていたドア
にもたれ掛かりながら、真っ赤な紅玉のような目が暗闇に浮かんでいた


「やっぱり、貴方にはかからなかったのね・・・・私の幻」

「相手騙すんは狐の得意技やで?・・・・100年早いっちゅうねん」

「どういうことよ千代・・・・幻って・・・・」

「つまりな?」


千代はすっと左手でヴィオレットの両目を隠すと、静かに右手の人差指と中指を立て唇に当て何かを呟いた


「光雲無礙如虚空」

「?・・・・・・!?これは・・・・」


すらりと手を下げた瞬間。ヴィオレットの眼に映ったのは


「・・・・・・絵が・・・・ない?」


その部屋は、ただ夥しい量の白紙が飾られた額縁が乱雑に飾られた不気味な部屋だった・・・・
















「お前があの部屋で感じていた違和感は恐らくはそれだろう・・・・お前はオネルヴァの幻から
抜けかけていたらしいからな」


クラウディオとウルスラは大きく張り出したバルコニーで城の周囲を見渡していた
そこは美しい夜空が広がる夜景が広がる場所に見えるが


「意識を集中してみてみるといい」

「・・・・・・」





キィィィィィ――――――――――――ィィィィンン・・・・・・





痛みではない、望んでその感覚を引き出そうと意識を集中してみると。不思議と痛みは無く
感覚がどんどん鋭敏化していくのが解った。

ただの風の音さえ耳障りに思えてくるほどだ・・・・・そしてその鋭敏化が安定してくると
クラウディオはゆっくりと目を開けた


「・・・・・・・・これが、この城の正体ですか」


目の前に広がるのは、すでに荒れ果てた古城が周囲に広がっている・・・・
確かに一部の場所は草花があったり、アイーダが手入れをしていた花壇は本物であったが・・・
それ以外の場所は酷い具合に荒れ果てている。

空を見上げてみれば、そこは夜景ではなく。ピンク色の魔力の障壁のようなものが張られている


「あれは?」

「あれは結界だよ、あの結界で外界の霧を遮断し。そして流れる空や夜景を投影していたんだ
そして・・・・我々の意識をずらしていた」

「ずらしていた?」

「うむ・・・・概念の隠蔽か、それともズレを拡大化させていたのか・・・・」

「?」


ウルスラは荒れ果てたバルコニーのレンガを一つ外す・・・・
それをいとも簡単に彼女は握り潰した


「我々がこの城に入った時、お前達はこの城がおかしいという事を意識せず、この城は誰の城
であったかを問題としていただろう?」



『なんだじゃなくて、ここ誰かのお城ですって、勝手に入ったら不味い類の』

『誰がどう見てもそうとしか見えないでしょうが・・・・ここが人間の古城だったり
縄張り意識の強い魔物の城だったらどうするのよ・・・・早い所出たほうが良いわ』

『もし人間やったら・・・・城をもっとるゆう事は、それなりに権力もっとる奴っちゅーことやろ?
そんな相手が魔物さんにええ顔するわけないもんなあ』



「外は霧に包まれていたのにこの城の中は空が晴れ渡っている、
この広大な城をオネルヴァ一人が完璧に管理している
疑問と思うものは幾つも浮かんできたはずなのに。それを疑問と思わなかった・・・・
いや、そもそもそれすらも考えられなかった」

「・・・・・この城に張られている結界が、それ等を疑問と思わせなかったんですか?」

「ああ、それも限定的に・・・・恐らくはそれが幻とばれてしまっては不味かったのだろう
幻の存亡に関るような疑問は否定され消滅し、それ以外の些細な疑問は発生するという。
かなり高度な意識操作をする結界だ・・・・これほどの物を発生させるのは並大抵の事ではないぞ」

「なる・・・ほど・・・・」

「私が気づいたのはアイーダが主人の絵画を見たとき様子がおかしかったのでな・・・・
あいつは私達に気づかせようとおかしな質問をした」



『なあ、アイーダさん・・・・この絵は?ジパングには無いもんやねん』

『それはメシュリアの城ね。ジパングに無くて当然よ・・・・昔招待された時に描いていたわ』

『へぇ・・・・ええなあ』



「あいつでもそれが城であることは解ったはずだ・・・・それを態々あのような訪ね方をした」

「つまり、千代さんには最初からあの絵は見えていなかったと言う事ですか?・・・・
というより、あれも幻なんですか?」

「ああ」


それは前者と後者の両方の肯定なのだろう・・・・


「お前も恐らくは千代に違和感を感じたから。それを手繰り寄せて結界の効力から外れ
かけていたのだろう・・・・やはり私の夫となるべき男だ、人間の身でありながら大したものだ」


ウルスラは上機嫌に微笑を浮かべてはにかむ、しかし新たな疑問がクラウディオに浮かんだ


「しかし、何故オネルヴァさんはそのような事をするんですか?」

「さあな・・・それはあの女にしか・・・・」














「それは・・・・私の為なんです」

「・・・・・・・不味い相手に聞かれてしまったな」

「・・・・・アイーダさん・・・・」


アイーダは、ゆっくりとバルコニーの中心に歩いてくると。うっすらと目を開いて微笑んだ


「構いませんよ・・・もう随分前から知っていました」

「何?」


アイーダの反応にウルスラは少々驚いたようであった


「オネルヴァはお前の為に幻を掛けていたのではないのか?」

「ええ・・・・オネルヴァには随分良くして貰いました・・・・こうして、美しい幻をずっと・・・
見続けているんですから」


アイーダは、今となっては彼女にしか見えていない中天の満月を見上げてやはり笑った















オネルヴァはゆっくりと壁に飾ってある白紙が入っている額縁に爪を立てる・・・
カリカリと四本の斬り口が立った


「・・・・・どうして、幻を見せる必要があるのよ。見た感じ・・・あんた等は仲よさそうに
しているじゃない・・・・・まさか、アイーダに催眠従属の魔法をかけて・・・」

「アイーダにはなーんもかかっとらんよ」

「え?」

「かかってんのは周りのモンだけや、アイーダ自信には何も魔法も魔術も
かかってへん」


千代はアイーダが説明していたときに座っていた椅子に腰掛ける


「ほんまは黙って・・・・・見過ごそか思てたんやけど・・・ね」

「どうして?」

「嘘つくんしんどいやろ?」

「・・・・・・」

「なんで・・・・アイーダに幻を見続けさせるんや?そないなことせんとあかん
理由はあらへんのちゃうん?」

「それさっき私が言ったわよね」

「ばれた?」


オネルヴァは近くにある机にもたれかかり腕を組んだ


「・・・・・・ちょっと、昔話・・・・私達が出会った時の話からしようかしら」

「出会ったっちゅーと・・・8つん時ゆーとったな」

「そう、8つ・・・・私もあの子も8つの時・・・・」













お父様とお母様が私用で魔界から出てきたの、その時私も連れられていったんだけど。
途中お母様とお父様とはぐれてしまった・・・・
何日も飲まず食わずで辿り着いたのが、ある人間達がすむ村だった

幼い私でも、非力なサキュバスが人間に見つかるとどうなるか位は解っていたわ
だから近くの森に潜んで食料を盗んだりしてなんとか命をつないでいた・・・・

そんな生活が2週間位続いていたかしら、森の中で眠る私に声をかけた少女がいたわ


「・・・・・・っ・・・・」

「・・・・あなた、そんな所で寝てると風邪を引いちゃうわよ?」


それがアイーダだった

木苺狩りに来ていたところで私を発見したんですって・・・・彼女はまるで傷ついた子犬を
見るような目で私を見ていたのを忘れない


「・・・・・ちぃ!!」

「!?」


人間に見つかれば碌な事は無い、私はその場から逃げ出したのだけれど・・・・

翌日、あの子ったら本当に子犬みたいに私を見ていたんでしょうね。バスケットに一杯の
パンや果物を持ってもう一度私の前に現れたわ


「あなたでしょ?皆のご飯食べたりしたの・・・・これあげるからもう皆のご飯とっちゃだめだよ」

「・・・・・・・・」


それから、あの子は甲斐甲斐しく私に食料を届けてくれたわ・・・・毎日・・・・雨の日も風の日も
一日も欠かさずに・・・・ね

そして・・・・私もアイーダに心を開いていった・・・・友達になった

だけど・・・・何日も何日も、食料を持って何処かへ出かけるアイーダを大人たちは不審に思った
んでしょう・・・・大人達がアイーダをつけてきたの


「アイーダ離れなさい!!そいつは魔物だ!!食べられてしまうぞ!!」

「嫌!!オネルヴァは友達よ!!友達は大切にしなさいとシスターに教わったわ!!」

「アイーダ!!」


アイーダは私の手を引っ張って茂みに逃げ込んだわ・・・・茂みなら大人は上手く動けないと
知っていたんでしょう、私はアイーダにつれられて森を脱出したわ


「アイーダ・・・・」

「いいから逃げて・・・・わからないけど、みんなは貴方を殺そうとしている」

「でも、こんな事をしたらアイーダが・・・」

「大丈夫、私嘘がうまいから・・・・逃げている途中オネルヴァが突然襲い掛かってきて
命かながら逃げてきたとでも言うわ」


アイーダ、恐ろしい子だったわ

<ほんまによ

何はともあれ、私はあの子に命を救われた・・・また何日も歩く羽目になったけれど
なんとか魔界に帰る事も出来たし、お父様とお母様にも再会する事が出来たわ

それから10年くらい経ったかしら、私はまた魔界から出てきたのよ、サキュバスとして
男を捜すためにね・・・・・

で、ちょっとした好奇心から、アイーダが今どうしているかを見に行ったの。よければ
彼女をサキュバスにして一緒に男探しでもしようかと思ったのよ

<(うわあ・・・・はた迷惑)

でも、彼女はある土地の領主に見初められて、その領主に嫁いでいたわ・・・・
なんでも、周囲の反対を押し切ってのドラマがあったとかで、大分苦労したらしいわ・・・


「また絵を描いているの?」

「ああ」

「今度は何を描いているの?」

「おい、あまり動くなよ・・・・お前を描いているんだから」

「え・・・・・///// 上手く描いてね?」

「だから動くなって・・・」

「フフフ・・・・・」


・・・・・・そんな姿を見せられたらね、サキュバスにするなんて酷い事じゃない

彼女は幸せだった・・・・それを私の勝手で彼女の幸せの形を壊したくはなかった・・・・だから
アイーダをサキュバスにする事は諦めたわ・・・・
そして祈った、彼女が死ぬまで笑顔でありますようにってね

私は定期的に彼女の様子を見に行ったわ、遠くから見守るように、何時でも彼女は笑っていた
だからこれ以上彼女を見守る必要はないと思った・・・・彼女が26の誕生日を迎えるのを境に
私はそれから・・・・彼女を見守る事をやめて自分の道を歩いて行ったの・・・・

それなりにサキュバスとしての力がついていったし、色々な魔法や魔術も身につけた
多分一人前位にはなれた頃・・・・・私は何を思ったのか、ぶらりとアイーダの様子を見に行ったわ

きっと心のどこかで彼女ともう一度話をしたかったのでしょうね・・・・

また彼女は笑っている・・・・多分、その幸せの中で私の事なんて忘れてるかもしれない
もしかしたら拒絶されるかもしれない・・・・・それでも私は彼女に会って話をする事を決めたわ



でも・・・・彼女は笑ってなんかいなかった



「・・・・・アイーダ?アイーダいるの?」


荒れ果てた古城の中・・・・様々な者が乱雑に散らばり、とても生活環境が出来る状態じゃなかった


「アイー・・・・・っ・・・・」











「く・・・・・ふ・・・・フゥーーー・・・・ゥウウウ」


見つけたのはやせ細り餓死寸前だった・・・丁度・・・千代、貴方が座っている場所に一枚の
自分の肖像画を抱きかかえて、猛獣の様な目をして私を見つめる彼女の姿だったわ


「ゥウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」


歯茎から血を出す程噛み締めて、爪が割れる程絨毯を握って、その絵を必死に守っていたわ


「ガァア!! ギヒ・・・・カァアアアアアアア!!!」


アイーダの夫は死んでいたわ、私が彼女を見守るのに限りをつけたその日に・・・
よくは分からないけれど殺されたらしい


「ジュグ・・・・ゥウウウウウウウウウウウウウウ!!」


跡取りも居ない・・・・政治能力の無いとしての能力も無いアイーダに見限りをつけたんでしょう
私が訪れたときには使用人は居なかったし家財は全て強奪された、恐らくは使用人か親戚か
彼女は資産と言うものを奪いつくされ・・・・荒れ果てたこの古城に一人、おおよそ人の食べる物
じゃないものを食べて・・・・なんとか命をつないでいた・・・・いや・・・・


「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」


魂を削り続けていたのよ・・・・



其処までその絵を守りたかったのか・・・・あるいは過去の幸せにしがみつきたかったのか・・・
私は彼女が其処まで命を削り続ける理由はわからなかった・・・・

だけど、私はそんな彼女を見て誓ったわ・・・・


「貴方は忘れてしまったのかもしれないけれど、私は貴方に命を救われた・・・・
今度は私が貴方を救ってあげる・・・・あなたを、笑顔にしてあげる・・・・アイーダ・・・・」


私はアイーダの屋敷をまずこの年中霧に覆われた白磁の海原に転移させた・・・・
人間恐怖症に陥っていた彼女を他の誰かに触れさせたくは無かったし、何よりサキュバスの
私にとっては好都合だったわ。

そして私はこの城に幻をかけた・・・・・それがずれない様に結界も張った・・・・城から出さない為
城から出なくてもいいという暗示もかけたわ・・・・

全ては彼女が笑顔を取り戻してくれる事を信じてね

彼女の彼女が笑っていた頃の記憶を元に、私は全ての真実を偽りに塗りつぶしたのよ











「・・・・・そんなの・・・・そんなの、ただ事実を捻じ曲げた幻想じゃない」


ヴィオレットはまるで責めるような口調と睨む目でオネルヴァに言い放つ


「そんな幻想で・・・・そんな幻想に閉じ込めてアイーダは幸せだというの?」

「でも、あの子は事実笑ってくれているわ」

「!」

「彼女は私が後見人となって世話をして・・・生活環境も幻ではない分は大いに整えた・・・・
外の嫌な人間を拒絶させて、夫が居た頃の楽しい記憶をこの部屋に再生させ、彼女が
やりたい事は殆どやらせてあげた・・・・
夫の死と言う事実があるから夫を発生させられなかったけれど、私がその代わりとなった・・・・
確かに年月は掛かったのかもしれないけれど、私は彼女の笑顔を取り戻すことが出来た
・・・例え幻であったとしても、彼女の眼に映るものは幸せに溢れた景色であったはずよ」


オネルヴァはこの城を一つの楽園へと変えた・・・
千代は立ち上がって腕を組むと、静かに溜息を吐く・・・・


「世の中・・・・ついて良い嘘と悪い嘘がある言う、オネルヴァちゃんが言った嘘は・・・・
どっちやねんろうな」

「私は私の判断が間違っているとは思わないわ、アイーダが笑っているのが証明よ」


それを否定できないヴィオレットは悔しそうに下唇を噛み締めながら、周囲を見渡す。
白い絵がまるで恐ろしい化け物のようにもみえた・・・・・


「・・・・こんな部屋で楽しそうに笑うアイーダが・・・・惨めじゃない」

「・・・・クラウディオに記憶操作の魔法をかけている貴方が言えた義理かしら?」

「!!」

「千代・・・あんたも知っているわよね?その子がクラウディオに何をしているのか」

「知っとるとも・・・せやけどうちはそれでええと思ってるから、なんも言わん・・・・
愛したモンを失うっちゅうのは中々キツイから」

「・・・・・・・・・・」

「私はこれからも彼女に幻を見続けさせる・・・・彼女の笑顔を守り続けるわ・・・・・」


ヴィオレットはそんなオネルヴァに酷い寒気を覚えた・・・・
まるで狂っているようにすら思う彼女の行動と言動に理解を超えた恐怖を感じたからだ


「せやけど・・・・そんなんであんたの体が持つんかいな」

「・・・・・」


オネルヴァはふっと目を閉じる・・・・


「もう・・・・随分ガタがきとる・・・・溜め込んだ貯蔵魔力も使いこんで、今はもう自分の命を削って
魔力を搾っている状態やろ?そんなんアイーダが逝くより先にあんたが死んでしまうで?」

「・・・・・そうかもしれないわね」

「・・・・・どうして其処まで・・・・どうかしてるわ・・・・サキュバスがなんで、なんで人間にそこまで
するのよ!全部失ったのなら、貴方がサキュバスとして彼女を導いてあげる事だって出来た
はずでしょう!?」


オネルヴァは目を開いてヴィオレットに微笑んだ・・・まるで子供を笑うように





「人間の・・・・・人間の尊厳と誇りってのは、私達魔物が考えている以上に重いものよ」



「?・・・・意味わかんない・・・・どんな形でもそれはアイーダであったはずでしょう・・・・?」



「どんな形でも良いってのは、ただの心の暴走・・・・人は人の形をして、人の心を持ってこそ放つ
人間としての輝きと言うものがあるの・・・・・それは・・・・とても尊いものなのよ」





オネルヴァは静かに笑顔を浮かべる・・・・


「人間には人間の、魔物には魔物の笑顔があるの・・・・人間と魔物は違う生き物なのよ。
それは差であり壁でもある・・・・私はアイーダと言う人間を守りたい、私はその為に生きて死ぬ」


ヴィオレットは彼女の笑顔に、以前見た恐怖感を覚えた
それは紛れも無い、クラウディオが言ったあの言葉・・・・


『人間は人間を殺せるんですよ』


あの時の忘れもしない彼の表情が、オネルヴァと言うサキュバスに見て取れたのだ・・・・


「はぁ・・・・」

「千代、貴方も私の事を愚かと思うかしら?」

「いんにゃ?・・・・ここまで聞いてもたら・・・もう目つぶれへん・・・・あんな?オネルヴァちゃん」


千代はオネルヴァを見て言い放つ・・・酷く残酷な言葉を




「多分、アイーダはもう・・・・この幻には気がついとるわ・・・・」













「オネルヴァが焦燥しきった私の目の前に現れた時は、私はそれが彼女だとはわからなかった
でも、彼女の眼と声が本気で私を心配してくれた物だとわかったとき、オネルヴァが天使にも
見えたわ・・・・・」


アイーダは近くに設置してあるテーブルに備わった椅子に腰をかける・・・・


「彼女は私の為に色んな事をしてくれた・・・・それこそ、炊事洗濯身の回りの世話・・・・使用人が
やるような下賎な仕事まで文句一ついわずにやってくれたわ・・・・
人間不信に陥っていた私は最初は彼女の事も疑っていた・・・・でも、一緒に住み始めて3年程して私も徐々に彼女に心を開いたわ」

「オネルヴァさんにとって、アイーダさんに救われた事はそれ程の事なんでしょうね・・・・
人間で考えればそこまでいくと聖人に近いものがありますが」

「魔物とは純粋なものだ・・・・人間とは思考回路の辿り方が根本的に違う・・・・
魔物はそれと決めれば一途にそれを行うものだ・・・・私がお前を愛しているようにな」

「・・・・・私の拒絶は時に彼女を傷つけました・・・・でも、アイーダは優しく笑ってくれた・・・・
そんな彼女に心を開いたとき、オネルヴァに聞いたわ・・・・どうして私にそこまで尽くしてくれる
のかを・・・・すると彼女は、私に昔助けられた時の恩を返しているのだといったわ、
むっつりとした顔つきでね、ツンデレってやつ」

「はは・・・・」

「でも、私は彼女にそれ以上の恩を感じていた・・・そしてそれを返したくなったわ・・・・
でも、オネルヴァは首を横に振ってこう言ったわ・・・・
『貴方が笑っている事が、私の恩返しであり、私への恩返しなのよ』ってね・・・」


アイーダは二人を見て微笑む・・・・その微笑にクラウディオは決定的な違和感を覚えた

まるで張り付いたような彼女の笑顔・・・・いや、此処に来てから殆ど彼女は笑っている
クラウディオはそこに彼女の人間性と言うものを感じていた
ウルスラはそこに彼女の狂気と言うものを感じていた


「だから私は笑い続ける・・・・笑って彼女を愛していくわ」


笑う事がアイーダとオネルヴァを繋ぐ事になっているのだろう、笑い続ける
彼女の顔に張り付いたピエロの仮面はきっと


笑う事意外を許されない


誰が決めたわけでもない・・・・恐らくは彼女自身がそう決めたのだろう・・・・


「・・・・それで良いんですか?貴方が死ぬまでその笑顔を浮かべ続けて・・・・」

「いけないことかしら?私はそれで幸せ、彼女もきっと幸せなはずよ」


すでに妄信的にすらなっている・・・・答えを見つけてしまった彼女は思考停止に陥った
笑顔をその顔に張り続ける事が彼女の存在理由であり存在定義になった

彼女の存在そのものは笑顔と言う一点に収束され確立されるが故に希薄だが
その意思に自分の人生全てを使いきるほど彼女の意思は濃密にして強固だ・・・・


「・・・・・・言おうかどうか・・・・私は迷っていたが・・・・私は言わなければならないだろう」


ウルスラは静かに・・・そしてゆっくりとアイーダに近づいた


「アイーダ殿・・・・聞け、恐らくお前は気づいていないだろう・・・・」

「何がです?」


ニコニコと笑っていた彼女の笑顔


「オネルヴァはこの幻を貴方に見せ続ける為、自分の命を削り続けている」


「・・・・・・え?」


それはいとも簡単に壊すことが出来たのだ


「どういうことですかウルスラさん」

「クラウディオ、お前なら知っているだろう?我々魔物は人間の「精」を糧に生きる
ある程度は人間が食べるもので体力を回復させる事はできるが、それでも定期的に摂取を
しなければ私達は本来の力を行使する事は出来ない・・・・」

「でも、彼女はずっと幻を維持し続けていたのでしょう?」

「サキュバスともなればある程度蓄積した魔力を使うこともできるし、摂取した精を固形化
させて定期的に補給にする事も出来るだろうが、それでも限りはある・・・・
彼女の体は殆ど魔力が残っていなかった・・・そんな状態で魔力をひりだせば、命を削る事になる」


少しウルスラが話をすると・・・・アイーダは酷く動揺し、顔面蒼白の状態でオロオロとしている


「そんな・・・・だって・・・オネルヴァは・・・・」

「・・・・貴方を笑顔にするためずっと命を削り続けていた・・・・そういうことになりますね・・・」

「・・・・・!・・・・オネルヴァ!!」


アイーダは慌てて彼女を探して走り出した!


「アイーダさん・・・・」

「行こう・・・私達は彼女に事実を突きつけた責任がある・・・・見届けなければなるまい」

「はい・・・・このままにしていいはずがありませんからね・・・」
















「どういう事よ・・・アイーダが幻に気づいているって!!」


オネルヴァは怒りも顕に千代の胸ぐらを掴んで怒鳴りつける・・・千代は勤めて冷静に話す


「あんたゆうたやろ?この城を転移させて幻を張ったって・・・アイーダを外に出さない
ようにしたってな・・・・せやけど、最初アイーダに会った時こんなこといっていたんや。

『この霧の中歩いてきたんじゃ体が重いでしょ?折角だからゆっくり休んでいきなさい』

ってな・・・・」

「霧の中を・・・歩いてきた?そういったの?」

「アイーダの手前、あんたも町の宿に泊まれとは言えへんかったやろ、そら町なんて無いからな
アイーダは知っとたんや・・・・この城は白磁の海原の中にあるってな・・・・
それだけやない・・・・多分この風景が幻やって事にはもう気づいとるんちゃうか」

「・・・・・・・・」


オネルヴァはしきりに目を泳がせる・・・・胸ぐらから手を話して
やりきれない動揺をどこかにぶつけようとするのだが、苛立ちが募る・・・・

バンッと近くにおいてあった机を両手で叩いた・・・・ジンと両の掌に痛みが遅れて走る


「・・・・・そんなはず・・・・そんなはずない!!じゃあどうしてアイーダは笑っているのよ!」

「そんなんアイーダに聞いて見んとわからんやろ・・・・でも、アイーダはそれでも知らぬ振りを
しとるんはなんか理由があんのちゃうん?」

「何よ・・・・理由って・・・・」

「せやから、聞かんとわからんちゅうてんねん。アイーダに聞きにいけって」

「っ!」


オネルヴァは部屋から飛び出していく・・・・千代は溜息をつきながらその跡を追うように
歩き出した


「待ってよ」


ヴィオレットは千代の後を追う・・・


「さっきの話し本当?」

「ほんまや・・・・・ヴィオちゃんはもうちょっと物事を深く見る事に気ぃつけたらええわ」

「・・・・・・私は理解できないわ、オネルヴァの事も・・・アイーダの事も・・・・」

「そう?うちは・・・・・ヴィオちゃんの事がよーわからんわ」

「え・・・」

「なんで・・・お兄さんの記憶を消してるんか・・・うちにはちょいとわからへんわ」

「・・・・・・・・・」

「血吸ってくれんのは別にええよ、それでお兄さんがインキュバスになるんやったら
うちからすれば願ったりもあらへん・・・・せやけど、何で態々記憶まで消すんか・・・」

「・・・・・どうでも・・・・いいじゃない」

「・・・・・・・・・せやな、今はどうでもええ・・・・でも、そのうちケジメつけんといかんよう
なった時。向きあうんはヴィオちゃん自身やっちゅうこっちゃ」

「・・・・・・」

「ほな、急ごか」















「アイーダ!!? アイーダ!!」


向こう側から走ってくるアイーダをオネルヴァが見つけた


「オネルヴァ!」


オネルヴァの胸の中に飛び込んできたアイーダをオネルヴァがしっかりと受け止めた


「オネルヴァ・・・・よかった・・・よかった」

「アイーダ・・・・貴方・・・・!」


アイーダの背後からきたウルスラとクラウディオが目に入った


「何・・・どういう事・・・・」

「なんや・・・お兄さん等なにしとん」

「あれ?千代さん?」

「なんであんた等が・・・・」


四人も集まってきて全員目を丸くしていた















皆が食堂に集まった、とりあえず落ち着いて話ができる場所に行こうと言うクラウディオの
提案で食堂に集まったのだった。

千代がアイーダに変わってお茶を入れてきた


「とっておきのお茶やねんけど・・・・落ち着くから。ちょっち苦いけどな」


皆にお茶を配る・・・・紅茶ではない、恐らくは緑茶の類であろう・・・・
皆恐る恐る口に含みながら、その味を飲むと気持を落ち着かせていた

約一名吸血鬼を除いて


「(こんなの飲んで落ち着けるわけ・・・・・・・なんで皆落ち着いているのよ!)」


アイーダは、恐る恐るオネルヴァを見た・・・・その表情はもう笑っていない


「・・・・ごめんなさい・・・・オネルヴァ・・・・」

「アイーダ・・・ごめん、私も今混乱しているから・・・・」

「・・・・・・」

「とりあえず・・・お互いの状況を確認しましょう?お互いが何を知って何を知らないのか・・・」

「そうね・・・」


クラウディオが言うように、二人によって状況の整理を始めた


オネルヴァがアイーダが幸せな生活を送っている長い間見守っていた事・・・

オネルヴァが自分の力を使いこんで結界と幻を維持し続けていた事

アイーダが幻に長い年月の内に気づいていながら笑っていた事

そして、お互いがお互いを大切に思っているが故にお互いを偽っていた事・・・


「・・・・・・そう・・・・それじゃあ何もかも知っていたのね・・・・」

「・・・・・ええ・・・・ごめんなさいアイーダ、私のせいで・・・あなたの命を削ってしまう事に・・・」

「やめて・・・貴方にそんな事を言われたら・・・・私何のために・・・・」


会話が続かない・・・・二人の歯車が軋みをあげてずれているのが誰の眼にもわかった


「・・・・良いですか?」


そんな時、声を上げたのはクラウディオだった・・・二人はクラウディオに視線を注いだ


「客観的な意見を言っちゃうかもしれませんけど・・・・聞いてください」

「・・・・・ええ・・・」

「まず、お二人は勘違いをしていると思います・・・・」

「勘違い?」


クラウディオはまずオネルヴァを見た・・・


「貴方は・・・アイーダさんを癒すためにこの城に幻をかけたんですよね?アイーダさんが
幸せな時間を過ごしていたときの幻を・・・・そしてそれこそがアイーダさんの幸せなんだと」

「ええ・・・・」

「でも、それは違うんですよ。きっと」

「違う?」

「死にかけるまで命を削り続け、何も信じる者がなくなったアイーダさんを癒すことは
幻であったとしても生活環境を整えたくらいで回復させる事はできませんよ・・・・」

「・・・・・・」


オネルヴァはアイーダを見る・・・俯いて消沈しているアイーダにクラウディオの言葉から
うまれた疑問の回答は無かった


「じゃあ・・・どうしてアイーダは・・・笑ったの?私の幻は何の足しにもならなかったというの?」

「・・・・・結果から言えばそうじゃないんですか?」

「だったらどうして!!」







「貴方がいたからじゃないんですか?」



「!」






幻が意味のない物だったとするのならば・・・・一体アイーダは何のために笑い続けていたのか
それは、オネルヴァと言う友がいたという理由しか見当たらないのは明白でもあった


「一緒に生活をして、一緒に笑って、一緒に悲しんだり・・・共感してくれる人が居たから
アイーダさんは笑う事が出来たんじゃないんですか?」

「そう・・・・私は貴方いたからこそ笑う事が出来た・・・・貴方が好きで・・・大切に思っていたから
私は貴方のために笑っていようと思ったの!」

「・・・・・・・っは・・・」


オネルヴァは椅子の背もたれに頭をこつんと打つ


「オネルヴァさん・・・・私がこんなことを言うのはおこがましいかもしれません・・・・でも言います
あなたはアイーダさんを過小評価してしまっていたんじゃないんですか?」

「・・・・・・」

「あなたはアイーダさんの笑顔を取り戻すためにアイーダさんの過去を使った、それが当たり前
になってしまったまま50年という長い年月を費やしてしまった・・・・
でも、本当にアイーダさんの笑顔を取り戻すためには。あなた自身がアイーダさんの笑顔である
事に気づくべきだったんです」

「・・・・・・そう、そうね。貴方の言うとおりだわ・・・・クラウディオ・・・・アイーダ・・・ごめんなさい」

「・・・ごめんなさい・・・私も・・・・」


クラウディオは其処で一区切りをうち、今度はアイーダを見つめた


「アイーダさん・・・・もう、貴方にとって幻は必要ないはずですよね?」

「ええ・・・・私は・・・私はオネルヴァがいてくれればそれでいいの・・・それ以上の事なんて
私は望まない・・・・望んだりしないから・・・・もう、いいのよ・・・・」


文字通りアイーダはオネルヴァに懇願していた・・・・オネルヴァは深い溜息を吐き出す
まるで重い荷物を下ろしたかのような溜息を・・・・


「・・・・・・本当に・・・・50年も何やってたんだろうね・・・・馬鹿みたい・・・・」


右手で両目を多い静かに熱い息を吐き出す・・・・泣いているのだろうか・・・・彼女はしばらく
何も言わずに動けなくなった・・・・


「・・・・・・アイーダ・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・ごめんね?」

「うん・・・・これからも一緒に居よう?」

「ええ・・・・貴方が死ぬまで私は一緒にいるわ・・・・アイーダ」


アイーダはいてもたっても居られなくなったのか立ち上がりオネルヴァに抱きつく
まるで子供が抱きつくように


「オネルヴァ・・・・アイロラ・・・・」

「・・・・・・・・・アイーダ・アルフォンス・・・・私の大切な・・・・友達・・・・」


老婆とサキュバスは静かに喜びを感じて・・・・そして笑っていた








笑みを浮かべたピエロの仮面を被った老婆はようやくその仮面無しで笑っていた・・・・


















お茶を啜る音が聞える・・・・


「いやあ、これで一件落着と言うところですかね!」


クラウディオはニパーと笑いながらお茶の味を楽しんでいた


「何いってんねんな、まだ問題が一つのこっとるやろ?」

「え?」

「オネルヴァの身体は長年の無理で魔力がすっからかんの状態だ、そんな状態でこれから
どうするというのだ?まさか白磁の海原に無力なサキュバスと老婆を残してはいけまい」

「まあ、ええ話し聞かせてもらったんや、しゃーないから此処は目瞑っといたろ」

「私はもう寝るわよ・・・・すっかり昼型になってしまって眠たいったらありゃしないわ」


ヴィオレットは立ち上がって歩いていく


「そうだな・・・本来ならもう少し味わいたい所だが今日の処は我慢しよう、おやすみ
クラウディオ」


ウルスラが立ち上がってぽんっとクラウディオの肩を叩いて歩いていく


「あかんで?あんまりええからゆうてうちの事忘れたらアカンでお兄さん!信じとるで!
ほな、おきばりやす〜」


千代も肩をポンッと叩いて歩いて行った・・・


「クラウディオさん、本当に何から何までありがとうございます・・・それじゃあオネルヴァ
しっかりね!おやすみなさい」

「おやすみ、アイーダ」


アイーダはうきうきしながら出て行った・・・・・


食堂に残ったのはオネルヴァとクラウディオ・・・・


「さて・・・・と、それじゃあ始めましょうか?」

「始めるって何を・・・・・」





「そういうものは・・・言わせないものよ?」

「・・・・・・・・・それじゃあ私もそろそろ休ませていただきましょうか〜・・・・」



「逃げられると思う?」


( TДT)ですよね



食堂に残っていたのは捕食者とご馳走であった













「なるほど・・・ドラゴンと稲荷ともあろう魔物が堕ちる訳ね」


オネルヴァは感心したようにクラウディオのいきり立った魔羅を見て微笑を浮かべた・・・・


「私もここまで立派な物を見たのは初めて・・・・こりゃ下手すればトラウマレベルよ」

「あの〜・・・・お褒めいただき非常に恐縮なのですが・・・・・」

「何?」

「何故私は縛られているんでしょうか?」


クラウディオはロープによって後ろ手で縛られ、がっちりとベッドの足に繋いであった


「私が燃えるからに決まってるからじゃない」


そういう趣向の相手であった・・・・


( TДT)<トンデモナイセカイニキテシマッタ!

「はい、それじゃあこれを飲みなさい」


クラウディオを完全に無視してオネルヴァはなにやら真っ白な錠剤をクラウディオに渡す


「なんですか・・・・これ・・・・」

「私に当てられてインキュバスになってしまったら、貴方は私の虜になってしまうわ
別にそれでもいいなら飲まなくていいけど」

「いただきます」

「じゃあ口あけて、あ〜ん」

「あ〜ん」


あ〜んと口を開けたクラウディオの喉奥目掛けてピンっとオネルヴァがクスリを弾いた


「ゲッホゲホゲホ!!ゲホ!!ゴホゴホ!!ゲッホ・・・・オェ」

「吐かないでね、ばっちいんだから」

「だったら普通に入れてください!!」


クラウディオは舌の上に乗った錠剤をごくりと飲み込むんだ・・・・途端、体の芯から熱が込み上げてくるのがわかった・・・・ムラムラと性欲が拡大していく


「あの・・・・これ・・・・もしかして精力剤とか媚薬効果とかあったりします?」

「そうよ?」

「シレっとですか!?」

「はいはい、それじゃあまずは私が攻めさせて貰うわね?」

「順番なんてあるんですか?」

「セックスはリバが大切なのよ・・・・ずっと私のターンにならない事を祈っているわ」

「ライフポイントが残っていたら頑張ります・・・・」

「それじゃ・・・・ふん!」

「ぐ!?」


オネルヴァは突如クラウディオの肩を蹴ってベッドに横倒した、何をされたのかわからない
まま目をぱちくりとしている間に、股間をぎゅっと踏みつけてくる感触


「え、あの・・・・何してるんです?」


オネルヴァはにやりと笑いながら、その美脚でクラウディオの魔羅を踏みつけながら
なんども踏みつけるように足の裏でしごいてくる


「一々五月蝿いわよ、興が冷めるじゃない・・・・あんたは必死にイかないで耐えてれば
良いのよ・・・・」


彼女の顔色が完全にスイッチが入っている状態だ・・・・逆らえばもっと酷い事をされる
んじゃないのかとすら思うので逆らわないようにした


「ふふ・・・・踏まれる度にビクンビクンしてるじゃない・・・・感じてるのね」

「っ・・・・・」

「ほら、また硬くなって・・・・足の裏押し返してくる」


それすらもさせないといわんばかりに強く・・・しかし絶妙に加減をして踏みつける
やりなれている・・・・彼女は足の裏さえも武器に男を落とす事が出来るのだ


「貴方・・・変態の素質があるんじゃない?踏まれてここまでガチガチに出来る奴なんて
そうはいないわ・・・・」

「それは貴方が・・・・変なクスリを飲ませて・・・・」

「あら・・・・でも私の足の裏を濡らしてくるこの液体は何かしら?」


カウパーがぬらぬらと流れて足のすべりがよくなって気持ちよさがどんどん強くなる
不味いと思いながらも彼女の責めが気持ちよくなっていく


「ふふふ・・・・良い顔をしているわ・・・・」


ゾクゾクとした恍惚とした表情で見下ろしてくる彼女は自分の右手の小指をチロリと
舐める・・・・と、ふと彼女が踏みつける足を辿ると、魅惑的な太ももの奥にある彼女の股

サキュバス特有の衣服だろうが、まるで水着のような衣服を身に纏っているため
下着と密着したそこが濡れているのがよく分かった


「あなたも・・・・濡れているじゃないですか・・・・」

「そうよ・・・あなたのその感じている顔を見るとゾクゾクしてくるわ、だからもっと
見せて頂戴・・・・あなたの屈辱と快楽に必死に抗おうとしているその表情を・・・」


挑発的な言葉でこちらの言葉をひょいとかわしてくる・・・・
そうしている間にも彼女は足を擦るスピードを上げて快楽を容赦なく与えてくる


「ビクビクしてるわね・・・・いきそうになってきたかしら?」

「っ・・・・・」

「フフフフフフフフ!良い表情よ!さあ・・・・もういっちゃいなさい・・・・
男としての尊厳も誇りも投げ出して・・・・快楽に身を任せてイっちゃいなさいな!」


こんどは足の親指と人差指でぐぃっと魔羅を挟み込むと、心地よい感じに締め上げてくる
それがとても気持ちよい、情けないがビクビクと下半身は限界を超えようとしている


「後何回擦ればイっちゃうかしら?ほら・・・・ほら・・・・ほら、ほら、ほら!ほらほら!!」

「ぐぅ!」

「あは♪まだ頑張るんだ・・・・・フフフフフ・・・・良いわよ、そういう子は好きよ・・・・」


怒張する魔羅を踏みつける足が一瞬フワリと浮いた・・・・射精寸前で止められたそれはもどかしくも、どこか安心したようにすら思えた


「でも」

「っ!!」

「イっちゃえ」


思い切り踏みつけられると、その堰を蹴破られた・・・・・


「かぁっ!! ぅううう!!」

「アハハハハハハハハ!!凄いイキっぷり・・・・はぁ〜・・・・ゾクゾクしちゃうわ」


反り返るように踏みつけられた魔羅から出された精液は勢いよくクラウディオの身体に降り注ぐ
腹、胸、鎖骨・・・喉元・・・・その身体に付着した温かみが気持悪かった


「・・・・・・・・」


しかし・・・・それ以上の事をかんじることもなかった・・・・・

それが悔しい事は間違いないが、不思議と怒りと言うものが沸いてこない・・・・
荒い息を整えながらぼんやりと天井を見上げる

この無感動な空虚はどうすればいいのか・・・・答えを探そうにも出てこなかった


「ん・・・・ちゅる・・・・ちゅるるる・・・・」


と、そうしているうちにオネルヴァがいつの間にか身体に付着した精液を舐め始める・・・・
オネルヴァはまるで労るように優しく這うようにしてクラウディオの身体を舐めていく


「はぁ・・・・おいし・・・・精液なんて何十年ぶりかしら・・・・・それにとっても濃い・・・・
こんなに美味しい精液初めてよ・・・・」

「・・・・・・」


クラウディオの喉についた精液を舐め取って、吸い付くように首元にキスをする


「・・・・・ちょっと勿体無いな」

「持ったいない?」

「貴方が一人でこの城に現れたのなら、私は貴方を魅了していたのに・・・・だって
こんなに立派なモノと、極上の精液を持った人間なんてそうはいないもの・・・」

「はは・・・・ご遠慮いたします」

「わかっているわよ・・・・ごめんなさい、一夜限りの相手にこんな事を言うのは卑怯ね
さ・・・・今度は貴方が攻める番・・・・」


オネルヴァが指先に軽く魔力を籠めると、彼を縛っていたロープを切裂き彼の腕を
自由にしてやった


「さあ・・・・・・・来て」


髪を大きくすくと寝転び、魅惑的な表情と体勢でクラウディオを誘った・・・
クラウディオは誘われるがまま、彼女の上へと覆いかぶさる


「一夜だけの女にキスはダメよ」

「・・・・・それじゃ」


彼女の喉にキスをすると、舌を這わせる・・・そして彼女の胸へと手を伸ばす


「ぁん・・・・やっぱり胸が好きなのね」

「女性の感じるところ・・・・胸とココと位しか知らない物で・・・・」

「そ・・・まあ・・・・んんん・・・・・感じるところを見つけ出すのも醍醐味よ」


ふむ、と感心したクラウディオは右手で胸をもみながら左手で彼女の脇辺りからゆっくりと
腰に向けて撫でていく・・・・


「ん・・・フフ・・・・くすぐったいわ・・・」


腰から更に撫で下ろし、太ももまで辿り着くと内側へと手を伸ばす・・・・
あくまで内側であり彼女の女陰には触らず太ももの内側を丁寧に触れる
スベスベとしたシルクのような手触りの肌は何時までも触っていたいほどの一級品である


「んんんん・・・・」


ピクンと彼女の体が痙攣する・・・・「太ももの内側」に一つ・・・・

クラウディオは目の前で熱い吐息を漏らす彼女をみて微笑を浮かべると、彼女の右胸の乳首に
軽いキスを送った・・・・そして包み込むように吸い付く


「ぁん・・・・こんなの初めて・・・・おっきな赤ちゃんみたい・・・・」

「今までは・・・どうしていたんですか?」

「ふふ・・・ちょっと挑発してきただけで・・・・んん! 乱暴に犯してきた・・・・
こんなに優しくされるのは初めてよ・・・・・こんなに凄く感じるなんて・・・・」


きゅっと太ももの内側を左手で軽く掴んでみると、彼女は甘い息を漏らしながら声を抑える
乱暴にされる事になれている彼女が優しく愛撫される事になれてはいないのだろう

まるでマッサージするように両手と口で彼女の性感帯を愛撫すると彼女の声は大きくなる


「んんん!・・・・ふ・・・・ぅうん・・・・んぁ! あ・・・・くぅ・・・・ふー・・・・ぅん・・・・」

「可愛らしいですねオネルヴァさん・・・・そうやって悶えてる顔、とっても可愛いです」

「し、仕返しのつもり?ボウヤの癖に・・・」

「ええ仕返しのつもりです、貴方方から見れば私はボウヤなんですから。仕返しはボウヤのする
ことです」

「は・・・・生意気・・・・んくぅ・・・・っは・・・」


彼女の体の体温が上がっていくのが解る・・・・興奮しているのだろう
彼女の身体に自分の身体を密着させて優しく圧し掛かり太ももに魔羅を密着させると
いきり立った魔羅をぐいぐいと彼女の太ももへこすり付ける


「んんぅ・・・・我慢できないの?」

「私としてはこのままでもいいんですが・・・・ここ、気持ちよくって」

「・・・・・」


少しムっとした表情も実に可愛らしい・・・・クラウディオは名残惜しそうに胸から口と手を放し
上体を起こし左手と同じ位置に右手持ってくると、ゆっくりと足を開かせる・・・・

くらりとしそうなほどの女性の香りが鼻腔に充満する・・・・


「もう気が済んだでしょう?・・・・そろそろ本気で楽しませてくれないかしら」

「うーん・・・・・」

「何よ」

「味も見ておきましょう」


そういうとおもむろに股に顔を疼くめた


「ちょ、ちょっと!」

「なんです?」

「そんな所あんまりじっくり見ないでよ・・・・顔近いわよ!息当る!」


なにやら随分慌てているオネルヴァ・・・・・クラウディオは思考をフル回転させる




キィィィィィ――――――――――――ィィィィンン・・・・・・
  ↑
能力の有効活用




クラウディオはニッコリとオネルヴァに向って笑った


「何よその笑顔は」

「オネルヴァさん、もしかして普通のセックスした事ないんじゃないんですか?」

「な、何を言ってるのよ・・・・一度に何人も相手にした事だって・・・・」

「だって言ってたじゃないですか?挑発したら乱暴に犯してきたって、
こんなに優しくされるのは初めてだって・・・・」

「・・・・・」

「ここをじっくり見られる事だってなかったんじゃないんですか?」


クラウディオはオネルヴァの女陰をまじかで見ながら恥丘を指でくにくにと弄ぶ


「んん・・・・ぅあ・・・」

「ここを・・・愛撫されたことってありますか?」

「愛撫って・・・・ひァアア!?」


彼女らしかなる声をあげて衝動、体が弓なりになるほどの驚きだったのか。
クラウディオは彼女の女陰に舌を這わして小陰唇をなぞるように愛撫する・・・・


「ば・・・そんな所舐めるなんて・・・」

「ん・・・普通ですよ・・・ここを可愛がる事は別に特別な事じゃない」

「ンンンンンン!! ふ・・・アァウ・・・・ぅあ・・・・カ・・・ひぃ・・・・ンンンン!あぅう・・・ぅうううう」


丹念に小陰唇と大陰唇を舐めあげ堪能すると、膣口へ唇を上げた


「なに・・・・・ンンゥウアアアアアアアアア!!」


膣口にあてた唇から愛液を音を立てて吸い上げる・・・・未知の快感にオネルヴァは悲鳴をあげる


「バ、バカ!音を立てて飲むなんて何考えて・・・・ヒィイイイ!ンンアアアアッハ!!」

「美味しいですよ・・・・オネルヴァさんのいやらしい汁」

「へん・・・たい!!」

「その変態さんに舐められて感じているオネルヴァさんは何なんでしょうね?」


クラウディオのドSモードにスイッチが入った。愛撫と言葉攻めでオネルヴァを弄ぶ・・・・
完全に攻めと受けが入れ替わっているのは明白であった


「ド変態さんなんですか?」

「ちが・・・・この・・・調子に乗ってると・・・!!? ンウアアアアアアアアアアア!!」


彼女が反撃に移る事を許さない・・・・クラウディオはクリトリスにおもむろに喰らいつくと
舌で舐めあげて強烈な快楽をオネルヴァへと与えた

先程より体験した事のない快楽に彼女のクリトリスはかなり敏感になっており
舐めあげるたびに電撃のような快感を彼女に打ち込んでいた

オネルヴァは必死にシーツを噛みながら声を抑えようとするが・・・・


「ンンンンフゥウウウウウウウウ!!ゥウウウウウウウウウウ!ンゥゥゥゥウウウウ!!」


シーツでかみ殺せるような物ではない・・・それに、膣口からどんどん溢れてくる愛液は
感じているのを証明しているようなものだ

クラウディオはクリトリスを舐めながら、指を二本、彼女の膣口の中へと侵入させる
そして、入り口の比較的浅く、スキーン腺がある辺り・・・Gスポットを優しくなで上げる


「ンハアア!! アゥウウ・・・・ンンッ!!アゥ・・・・フゥンンンンンンンンンンン!!!」


必死に声を押し殺している彼女はたまらなく可愛く美しい・・・・
クラウディオは彼女を攻めるペースを速めた


「ンッッッッッッッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッハァアン!!アゥ!!ンンンンン!!
(・・・・ああもう・・・・調子に乗せすぎた・・・・こんな事されたら・・・・・・)」


視線を下げ、クラウディオの顔を確認すると・・・・オネルヴァは一気に堕ちた





「イ・・・・・・アッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
(・・・・・忘れられなくなっちゃうじゃないの・・・・・)」













彼女の愛液が手にべっとりとついているのをみて微笑む・・・・そして、それをオネルヴァの
口元へと持っていくと、とろりとした表情で指先を舐め始める・・・・


「・・・・ん・・・・チュパ・・・・・んんん・・・・っは・・・・」


愛液を舐め取ったのにもかかわらず・・・・まだ彼の手を舐めているオネルヴァ・・・・


「・・・・それじゃあ・・・・四つん這いになってください」

「・・・・」


心臓が早い・・・・クラウディオの言葉がまるで従属魔法をかけてきたように言いなりになる
オネルヴァは四つん這いになると、自ら女陰へと手を伸ばした


「・・・・・・・お願い・・・」


人差指と中指でビーナスの丘を広げて誘う・・・・まるで子犬が見るような瞳


「・・・・・」


クラウディオは彼女の秘所へとガチガチに怒張した魔羅を当てたゆっくりと腰を


「いただき♪」

「え? うわぁっ!!」


少し彼女の膣内へと進入した時、彼女が跳ねるようにこちらへと下がってくる
膣で魔羅を一気に飲み込んで、そのままクラウディオを背中前面を使って押し倒す

気がついたときにはちょうどクラウディオから見て彼女は背を向けて騎乗位になっていた


「散々遊んでくれたわねボウヤ・・・・この私をサキュバスだって忘れてるんじゃないでしょう?」

「・・・・・怒ってます?」

「怒ってないわ、ただスイッチが入っただけよ」

( TДT)オコッテル!コノセナカハオコッテル!!

「フフフフ・・・・それにしても、本当に大きいわね・・・・んぁああ・・・・今ので軽くイッちゃったわ
子宮が持ち上がって・・・・デュープキスしちゃってる」


オネルヴァはいきなりエンジンをフルスロットルに回し、腰を激しく動かし始めた!


「ぅああ!オネルヴァさん・・・・!!」


さすがサキュバスの肉壷・・・・男を喜ばせるために特化した中は容赦なく快楽を与えてくる


「んく・・・・ぁあん! 太ぉい・・・・っはあ・・・・アァン♪」

「ぅ・・・ぁ・・・・あ・・・・・ぅうぅ」


情けないが声が上がってしまう・・・・

千代もウルスラも、二人とも恐らくは魔物であるが故に内部は名器と呼ばれるそれに匹敵するが
サキュバスのそれは群を抜いている。男が感じる場所を一瞬で察知し、攻めるとあらば
膣内を自由に動かしているのではないかと思う程の動きを見せる


「フフフフフ!!アハハハハハハ!!良いわ!良いわよクラウディオ!!あなたの最ッ高!!
私が犯しているのに、ンハアァアア!!犯されているみたいだもの!!あなたがインキュバスになったら一体どうなるのか想像も出来ないわ!!」

「物騒な・・・・事いわないで・・・・くださいぃ・・・」

「ンハア!!アアアアアァアン!!ァアン!!あの三人とぉ!一緒にいれば何れインキュバスに
なるわ!」

「!!」

「魔物と人間が一緒に居れば起きる自然の摂理よ!アアアアァ!ッハァ・・・・」

「貴方とアイーダさんは・・・・ゥウ」

「私はあの子に魔力に侵されないように細心の注意を払ってきたわ!確かに普通の人間に比べれば内在する魔力量は大きいけど?
ンンンンフッフ・・・アァハ♪彼女はサキュバスには変わらせない
でも、貴方の周りにいる三人は貴方がインキュバスになって欲しいと願っているはずよ!
少なくとも千代とウルスラはね!」


激しく動きながら快楽を貪りつつオネルヴァは言葉を並べていく
クラウディオはそれに悪寒を覚えつつも


「っ・・・・」


ゾクゾクと・・・まるでそれを喜ぶような疼きが背中に走った


「そんな事・・・・ゥアアアア!!」

「ンウウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッハアアアアアアアアアア!」


思考が感覚を超越してしまっていたのだろうか・・・・オネルヴァは絶頂に身を震わせ
クラウディオは突如自覚した射精感に意識を飛ばした

彼女の腹の中へと思い切り精液をぶちまけた・・・・先程ウルスラを相手にしていた
のにも関らず、先に一度いかされていたのにも関らず・・・・彼女の中へと放った精液は
濃厚で大量であった


「ふ・・・・フフフフ・・・・初めて・・・・子宮にデュープキスされながら満たされるなんて・・・・
この感覚・・・・癖になるわ・・・・」

「・・・・っ・・・・っは・・・っは・・・・は・・・・・・」

「・・・・・フフ・・・・そうね、人間がインキュバスに変わるのは恐ろしい物だと思うわ
でも貴方はそれをどう捉えるかによってちがうのよ」

「どういうこと・・・です」

「貴方は・・・・あの三人の内誰かを愛している?」

「・・・・・千代さんとウルスラさんは・・・愛しく思っています
ヴィオレットさんは大切な仲間です」

「ふふ・・・・そういえば貴方は愛を求めて旅をしてるのね」


クラウディオは夢の中での斧の妖精に言われた事を思い出す


「私はどうすればいいんですか・・・・いや、人間と魔物は・・・」

「それは貴方がこの旅で答えを見つけなさい・・・・世界には、人間と魔物が沢山いるわ」


オネルヴァが魔羅を引き抜くとコポリと精液が彼女の女陰から溢れて漏れた


「さ・・・・今度は貴方の番・・・・」


また攻めて来いと言う事だろうか・・・・挑発的な笑みで後ろを向きながら微笑む


「・・・・・まさか、さっきの話しで萎えたわけじゃないでしょう?・・・・
今更魔物が恐ろしくなったかしら」

「・・・・・いえ、もっと魔物の事を知りたくなりました・・・・貴方の事も」

「フフ・・・・」


後ろから彼女に抱きつき押すと・・・四つん這いとなったオネルヴァに後ろから覆いかぶさった
そして再び怒張した魔羅を彼女の秘所を


「え・・・・ちょ、ちょっと」

「言ったでしょう?貴方の事をもっと知りたいと」


通過して、彼女の菊門へと魔羅を宛がった・・・そして、ぐぃいっと腰を押し込んでいく


「いああああああああああ!!アアアアアアアアアアアアアアアゥウウウウウウウウ!!」

「後ろから見えていました・・・ピクピクと物欲しそうに・・・・エッチな液体も流れてました」

「ぃぅううう・・・ちょ、ちょっと・・・お尻は弱いからぁ・・・・」

「そのようですね・・・・「優しく」しますよ」


そういって腰をゆっくり・・・・ねちこく動かし始める・・・・


「あぁあああああ・・・・あぁああああああ!!ダ、ダメぇ・・・・やっぱり無理ィイイイイ」

「何が無理なんです?」

「か、感じすぎるからぁあああああああああ・・・・ヘ、ヘンになっちゃう!!」

「気を紛らわせればいいですか?」

「? ィヒィイアアア!!ァアアアアアン!そ、それやめ・・・アアアアアアアアアアアア!」


クラウディオは腰を動かしながら彼女のうなじにキスをして、ぬらぬらと舌を這わした
なんとなくやってみたが、此処は彼女の性感帯だったらしい


「うなじ・・・良いんですね?二つ目です」

「ンンンゥウウウ!!ヒアアアアアアアア!!アアアアアッアアン!ァアアッハァア!!
やああああ!こ、こんな大きいのじゃぁめくれ上がる!!ンンゥウウウアアアアッ!!」

「逃げちゃ駄目ですよ・・・」


オネルヴァを逃がさないように彼女の腰に手を当てようとした時、ふっと彼女の背中を
右手が撫でてしまった


「ファアアアアアアアアン!!・・・・」


その甘い声が彼女の第三の弱点であることが解った・・・・・


「腰を撫でても弱いんですね・・・三つ目です」

「ッハアァア!! ヤアァアン・・・・アン・・・・フアアアアアアアアアアァアアアア!!」


さっきから何度も彼女は絶頂しているようだ・・・


「いいですね・・・ねっとりとして吸い付いてきて・・・おまんことは違う気持ちよさです」

「バカァアア・・・・アアアアアアアアアアッハ!!アアアアァアアァアア!!フゥウア・・・
アヒィ!は、早く・・・・早くイッテエエエエエエエェェェ!!」

「オネルヴァさんも・・・・いって下さい」

「お、御尻でいけるわけないじゃな・・・ヒァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

「手踏ん張ってくださいね?」


クラウディオは身体を彼女の背中に密着させ身体を完全に彼女に預ける
ピストン運動に合わせて体前面を使って背中を摩り、舌で項を舐めあげ、右手で胸を揉み
左手は彼女の髪をすくう


「ヒアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!ラメエエ!!
ソレラメエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」

「っは・・・・オネルヴァさん・・・」


耳元ささやくようにしたのだが、ゾクゾクと彼女の背筋が疼いた


「耳も弱いようで・・・・」


髪をすいていた左手が彼女の耳へと伸びる


「!!! やめ、止めて!!其処弄られたら私!!
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


絶叫に近い声が部屋に響き渡った、もしかしたら城中すら聞えるんじゃないかと思う程だ
こりこりと芯がはいった長い耳を左手が優しく撫でたりする


「ンンンォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
ラメェエエエエエエエエエ・・・・ラメナノオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
イッチャウカラぁぁあああああああああ・・・・オネルヴァイッチャウカラァアアアアアア!」


まるで壊れたようにだらしなくアヘ顔を晒し、唾液を口から流している・・・・
サキュバスである彼女が完全に「堕とされている」証明でもあった


「っ!!オネルヴァさん!!」









「!!キタァアア!!キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!



セイエキキタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!




イグゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」









生まれてこのかたサキュバスとしては自信があるほうだったのだが・・・


「(・・・・・・ヤヴァイ・・・・やばいよこの男・・・・クラウディオ・・・・)」














 ●  ●
( ;ω・)アラッテキマシタ


頭にたんこぶを二つ作ったクラウディオが帰ってきた・・・・AFをしたのだから
ペニスは洗浄して来いといわれてもう一度二人は風呂に入った

そして先に部屋で待っているオネルヴァの元へと帰ってきたのである


「全く・・・・私がサキュバスじゃなかったら脱肛していたわ、自分のちんぽのサイズ位
考えなさいよ・・・・」

「すみません、つい」

「その人畜無害な顔をしながら謝るのをやめなさい・・・・怒れなくなるから」

「はぁ・・・・」


クラウディオはベッドに腰掛けると脹れているオネルヴァを見る・・・・不機嫌のようだが・・・


「これから・・・貴方がたはどうするんですか?」

「・・・・そうね」


話を誤魔化すように話題を振ってみると、オネルヴァは以外にも普通に答えてくれた


「まず白磁の海原からこの城を別の・・・人里離れた場所に移すわ・・・・
太陽が出ていない場所は人間にとって毒だから・・・・」


それは、幻を見せる事も結界を張る事もないと言っているようなものだろう
クラウディオは安堵をついて目を伏せる


「そして・・・・これからもアイーダと共に過ごしていくわ・・・・もう、10年も一緒に
居られないでしょうけれど」

「・・・・・・」


随分長い間お互いを偽り続け、ようやく本当の意味でお互いと向き合うことが出来るというのに
その時間が僅かだというのは少々やるせない気持であった


「・・・・あんた達が来てくれた事は感謝している・・・・ありがとう」

「え、ええ・・・でも僕らが出来た事は・・・・ほんの些細な事です・・・・例え僕らが居なくても
貴方達は何時しかそのわだかまりを埋める事が出来たんじゃないんですか?」

「食堂で話をした時、私達は貴方の仲介がなかったらきっとお互いの事を信じられず
瓦解していたわ・・・・今だからこそ思うけれど、そうとう危ういバランスの上に成り立っていた」

「・・・・・お力添えが出来たのならば幸いです」

「ふふふふ・・・・良い男ね、あんた」


本当に嬉しそうな笑顔・・・・オネルヴァと言う女性が初めてクラウディオに向って微笑んだ


「なんです?藪から棒に・・・・」

「褒めてんのよ・・・・・さて」


オネルヴァはベッドから身を起こしてクラウディオの背中に抱きついてきた


「・・・・・えーーーーーーっと?オネルヴァさん?」

「まさかあの程度で満足すると思った?夜はまだまだ長いのよ・・・・」








( TДT)シヌ・・・・

















世が明けて・・・・四人は出発の門出に立っていた

雨が上がり・・・・最後の幻が四人の出発を祝福するように虹をかけている・・・・
もちろんそれを作り出しているのはオネルヴァであり、彼女の本心であろう


「そんじゃあお別れや、アイーダ」

「息災でな、天寿を全うしろよ」

「お元気で・・・・恩は返せないけれど感謝を捧げるわ」

「ええ・・・貴方達も道中お元気で・・・・アバルにつける事を祈っているわ」

「オネルヴァさんと仲良くしてくださいね」


昨日、徹夜で激しく交わったというのに平気な顔をしているクラウディオがいた
オネルヴァはそれを信じられないような目で腰を抑えて見ていた


「(何で平気な顔をしてるのよ・・・・私でもクラクラ来てるのに・・・・どういうことなの?)」


そんなオネルヴァを四人が見る、慌てて何時もの腕組みをして体勢を整えた


「ほな、オネルヴァちゃんも元気でな」

「世話になった、お前には随分よくしてもらったからな」

「・・・・一応、元気でいなさいな。その方が私も寝覚めがいいから」


オネルヴァはクスクスと笑って彼女たち三人を見た


「ええ、貴方達も元気でやりなさい。私達は寿命が長いから、また何処かで出会えるかも
知れないわね」

「そん時はこっちが持てなしたるわ、楽しみにしとき」

「ええ」

「ついでに私の子供の顔も見せてやろう」

「期待しておくわ・・・・この城を出たら白磁の海原から出るように導いてあげるわ」

「無理をなさらないようにしてくださいね」

「大丈夫よ、あんたに元気を一杯貰ったから」


クラウディオはなにやら照れくさいのか目を泳がす・・・・そんな二人を千代とウルスラが
冷やかしていた


「それじゃあ・・・お二人ともお元気で」

「ええ、クラウディオさんもお体には気をつけて。三人を大切にしてあげてね」

「ははは・・・それじゃあオネルヴァさんも」

「ええ、またね。クラウディオ」


こうして、四人は再び霧の海へと漕ぎ出した・・・・









城から出た後すぐ、城の天辺から青白い光線が目映く霧の海を突き抜けた
そして、霧が晴れた大きな道が一つ出来上がった、文字通り霧を裂いたのである

彼方にはうっすらと白い月が沈んでいくのが見えている・・・・西の方角だ


「よっしゃ!それじゃあ元気一杯になったところで気張ってアバル目指そか!」

「ええ」

「貴方・・・・一晩サキュバスの相手をしていたのに何でそんなに元気なのよ」

「まあ細かい事はいいじゃないですか」

「いいのか?」( ?_?)

海原を歩き出した四人の足並みは快調だ、霧が晴れていると言う事もあるだろう。しかし
何時もの調子で歩いているのだが、ヴィオレットは訝しげにクラウディオの背中をみていた


「(・・・・・・どうしよう、随分長い間彼らと居すぎた・・・・・このままじゃ・・・
記憶操作の保険はしてあるけど・・・・このままじゃあ私の方が・・・・)」

「?どうかしましたか?」


ヴィオレットの視線に気づいたのだろうか?クラウディオが振り向いて放しかけてくる


「大丈夫・・・・心配しないで」

「そうですか?・・・・・体調が優れないのなら、無理せず言ってくださいね?」

「・・・・・ありがとう」


別に、意識をして言った台詞ではないのだが・・・・彼女自身気づいていなかった
クラウディオに言った言葉に棘がなくなってきているのを








「んん?お兄さん、それなんや?」

「? ああ、これですか?」


クラウディオが歩きながら眺めている何かに目が入った千代・・・・覗き込んでくるウルスラ
クラウディオの手には一本の羽ペンが一本・・・髑髏の装飾がしてある


「オネルヴァさんに貰ったんです、大事なものだから無くさない様にしろって・・・・
お守りのようなものでしょう」

「へぇ・・・・でも髑髏の羽筆とはあんまり縁起のええモンやあらへんけどな」

「(・・・・・・これって・・・・ぅぅむ、紛れもなくアレだよな・・・・)」














「行ってしまったわね・・・・賑やかだったのが、なんだか寂しく思うわ」

「ええ、本当に賑やかだったわ・・・・でもこれまでの生活が帰ってきただけよ」


アイーダはくすりと笑う


「何?」

「違うわ、新しい二人の生活が始まるの・・・・やっとね?」


お茶目に笑うアイーダの笑顔が、オネルヴァには昔の彼女の笑顔と重なった・・・・ようやく
彼女が笑うようになったのだと自覚する


「フフフ、そうね・・・・その通りだわ・・・・」

「それじゃあ、まずはこの城を動かすのだっけ?何処へ行くの?」

「何処へ行こうかしら?」

「そうねえ・・・・今度は海が見てみたいわ、私、見た事がないのよ」

「そう・・・それじゃあ海が見える場所に行きましょうか」

「でも、無理はしないでね?魔力を使いすぎてなんて絶対にダメよ」


アイーダは心配そうにオネルヴァを見るが、オネルヴァはそれを嘲笑するかのように
笑い返した


「大丈夫よ・・・・もう魔力が切れる事なんてないんだから」

「そうなの?」

「ええ、足りなくなったら補給するわ・・・それじゃあお茶にしましょう?」


オネルヴァは・・・・アイーダに見えないようにチロリと舌を出して笑った


「(いつでも食べられるお菓子を見つけたんだから、もう大丈夫よ)」


サキュバスは笑った・・・・






『ええ、またね。クラウディオ』






つまり、そういう意味であった。






                                            To be continued_...
11/01/18 10:28更新 / カップ飯半人前
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■作者メッセージ
再び魔物娘を書くために!エッチな煩悩を開放するために!ソロ●ンよ!
私は帰ってきたぁああああああああああああああああああ!!


というわけでお久しブリーフ、そうでない人は始めまして・・・・カップ飯半人前です。
12月は卒論や就職活動におわれて、正月は狩りに追われて気がつけば1月の折り返し。
生存報告もかねてエロシーン増量で5話をうpです。

「女同士」はあるとおもうけど「老婆」は中々ないんじゃないのかと思い
異色の組み合わせに挑んでみました。
そうときめたら一途な純真さの魔物と、やはりどこか曲がっている人間の差という
物を表現した買ったのですが・・・・エロに食われている気がしますね
調子に乗りすぎました。

これからも続けていくので生暖かい視線で見守ってください・・・


ご意見ご感想、どしどし応募しています。短文でもよろしいのでお願いします。



因みに今日ってあの震災の日なんですよね。
亡くなられた方へご冥福を・・・生きている方には祝福を・・・・

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