メアリー
――――――――――――――
探していた温もり それが今 目の前にある
両親が死んだ時に 一度だけ見た泣き顔が
いつまでも一緒にいたかった人が ここに
ベッドに組み敷いた兄はまるでテーブルに広げられたごちそうみたいだ。
どこから味わっていいのか、すぐに決めてはもったいない気がした。
掴んだ腕は農作業で鍛えられているはずなのに私を跳ね除ける事もできない。
またがったお腹からは男の熱気が絶えることなく上ってくる。
涙でぐしょぐしょの顔は驚きに固まり、荒い呼吸に震える唇が・・・
"うん まずは キスだよね"
体こと押し付けるように口付けた。幾分硬い唇に舌を這わせ執拗に舐る。
普段なら剃っているはずの不精ひげに頬をくすぐられるだけで
戸惑いを表すかのように控えめな唾を吸い上げるだけで
満たされる。
「む・・・んっ はぁ! メアリー!」
そろそろ舌を差し入れようと思った矢先、兄が首を振ってキスから逃れた。
その顔は上気し息も絶え絶えだが二つの目だけが理性を保っている。
「にいさん」
愛しい人に呼びかける。その揺ぎ無い眼差しも好きだけど、今はいらない。
「おまえ・・・どこ行ってたんだよ!心配したぞ!それにっ!」
ぎし ぎし ぎし
体ごと弾こうと暴れるが両腕を掴んでいるだけで兄はベッドに釘付けだ。
「何で裸なんだよ!その黒い髪はどうした!なぁ!答えてくれ!」
ぎっぎっぎ ぎし ぎし
兄が動くたびに聞こえるベッドの軋みが体を這い回るように響く。
異性が奏でる抵抗の音色がこれほど甘く熱いとは思わなかった。
あぁ 今 このひとは 私のものだ
――――――――――――――
「きのこを とっていたの」
硬く尖った乳首を舌で慰めると兄の体は面白いように跳ね回る。
そのまま歯を立てたり強く吸ったりして飽きるまで弄ぶ。
「そうしたら ウォルがきて『めずらしいきのこがある』っていうの」
兄の両腕を頭上に揃え左手だけで鷲掴み、右手でズボンの前を撫でる。
今までに無く抵抗したがそれでも私の左手から逃れる事ができない。
「ついていったら しらないおじさんがたくさんいて」
あまりに暴れるので癇に障り少し強めに布越しの肉棒を握りこむと
ぴたりと動きを止めて小刻みに息を吐いて耐えている。
「ウォルがいうの 『つれてきたぞ やくそくをまもってくれ』」
握る力を緩めたら同時に脱力して力なく喘ぎ始めた。
やや涙目になったがそれでも理性の火が消えない。
「『ぼくも まものたいじにつれていってよ』って」
まだ足りない と もっとできる が入り混じった感情が
右手でズボンを力任せに引き裂くという暴挙を許した。
「そしたら おじさんたちが」
下着ごと引き裂かれたズボンの中から濡れ光る肉棒が飛び出し
わたしのお腹に先走りで意味不明の文字を書き始める。
「『おまえ ばかか』ていって ウォルをさしたの」
言葉に反応したのか 肉棒の先がへそのくぼみにはまったからか
兄は一際大きく震えてそれっきり動こうとしない。
「ウォルがたおれて わたしはうでをつかまれて」
へそで亀頭を咥えさせるように肉棒を握る手と腰を操り
兄の意識を肉の刺激に振り向かせようと懸命に動かした。
「おじさんが『じょうだまだな』ってわらったの」
肉棒を握る手を下ろし期待に膨らんだ子種袋を優しく撫でる。
逃げようとする腰を追いかけて執拗に子種袋に愛撫を施す。
「かいどうまでひきずられて ばしゃにほうりこまれて」
子種袋と尻の穴の間を持ち上げるように指で押すと
兄は悶絶して身を強張らせた。
「てとあしをおさえられて ふくをやぶられたの」
溶けかけていた目に一瞬で光が戻り こちらを見上げてくる。
私は今 どんな顔をしているのだろう。
「ひとりずつ わたしのなかにはいってきた」
兄が歯を食い縛ってこちらを睨んでいる。
責めるというより 悔しそうな顔で
「やだっていってもやめてくれなくて」
怒りに震える兄に 一滴 二滴 雨粒が落ちる。
長く住んだ家だ。雨漏りをしてもおかしくない。
「ゆるしてっていっても だれもきかない」
声の震えで 自分が泣いている事に気付いた。
兄は再び目から涙を流している。
「『はらんじまえ』っていって みんな なかにだすの」
奥歯が軋むほど噛み締めて 兄が射精した。
へそを濡らす精液が温かい。全然不快じゃない。あの人たちとは 違う。
「それが ぜんぶまっくらになるまで つづくの」
体に纏わり付く精液を手の平で拭い、青臭い滴りを口に運ぶ。
そんな私のしぐさを兄は虚ろな目で眺めていた。
「それからは まっくらなときだけ やすめたの」
盛大に射精したにもかかわらず肉棒の硬さは更に増していて
子種袋も先程より重くなったのではないかと疑うほどの健在ぶりだ。
「まっくらがなくなると おじさんたちがいて やなことするの」
だらしなく脱力した太ももの間に体を入れて脚を閉じられないようにして
片手で掴んでいた兄の手首をもう一度分けて片方ずつ握りなおす。
「ふたりのおじさんにはさまれたり へんなぼうをいれられたり」
目の前で寂しげに震える肉棒は膨らみかけの胸を擦り付けると
それだけで歓喜に踊り喜びの涎をたれ流した。
「ぬれなくなったら くすりをむりやりぬりたくったり」
規則正しい水音と共に兄の腰が別の生き物のように勝手に跳ねる。
その度に胸の谷間をそれ乳首にかすれる肉棒が私に悦楽を与えた。
「おじさんたちとはちがうひとが なんにんもきたり」
淡々と語る言葉に答えるかのように兄が息を呑み肉棒がのたうちまわる。
苦しげな兄の目は私が村の男と雑談していた時に見せた暗い炎を宿している。
「あるときおじさんたちの一人が『ここはもうだめだ』っていって」
兄の苛立ちが肉棒に伝わったのか腰が更に力強く暴れだして
私が擦り付けているのか兄が突き上げているのかわからなくなってきた。
「そのときから やすむこともたべることもできなくて」
肉棒の先端が膨らみを増し、兄の絶頂が近い事を告げてくる。
それを見て私も興奮し、肌よ溶け合えとばかりに擦り付けた。
「くすりばかりのまされて いやなのにきもちよくて」
第一弾は顔を汚した。すかさず先を口に含み残りを舌で受け止めて
しばらく吸い付いて余すことなく頬張り音を立てて嚥下した。
「とつぜん まっくらになって もどれなくなったの」
――――――――――――――
"そろそろ うごけそうだね"
"ちゃんと とっておいたから"
"がんばってね"
――――――――――――――
他人事のように見つめていた劇の中に突然放り込まれたように
味も匂いも、肌触りさえめまいを覚えるほどに強くなる。
真綿を耳に詰めた時みたいに遠かった声もはっきりと聞こえる。
色もわからず眺めていた兄の顔が興奮に上気しているのが わかる。
しがみつくように兄の上を這いまわり、頭を抱え込んでキスをした。
始めから舌を差し込み力の抜けた口の中を丹念に舐る。
兄はもう抵抗する気が無いようで控えめに私の舌に応えるようになった。
しばらく互いの涎を混ぜ合わせては飲み込み、息を継ぐように離れた。
「耕した畑の匂いがすると思ったら、土の下だった」
逃げられたくないから掴んでいた肩が一つ大きく揺れた。
間が悪いかもしれないけど、どうしても伝えたかったから
それでも私は言葉を続ける。
「どうして生きているのかわからなかったけれど」
「嫌な事ばかり頭に浮かんできたけれど」
「汚されてしまったけれど」
「それでも 兄さんに会いたかった」
気がついたら両腕でベッドに縫い付けていたはずの兄が私を抱きしめていた。
キスも愛撫も無く 回した腕で引き寄せるだけの抱擁。
肌が溶け合うような、心臓の音すら重なりそうな『一緒』の感じ。
子供の頃から大好きだった兄の温もり。
「おかえり メアリー」
「ただいま 兄さ んっ」
言葉の最後はみっともなく震えていた。涙が抑えられなかった。
それ以上に体が 心が 求めていた。
目の前の男の精液を
今までだって無かったわけではない。
一人寝のベッドで何度、自らを慰めたかわからない。
頭をなでられただけで体が熱くなった時もあった。
それでもここまで露骨に『欲しい』と思った事はない。
不意に温もりが離れ、兄が私の目を覗き込んだ。
悲しいほどに大好きな、揺ぎ無い眼差し
暴れる呼吸を押さえつけるように、兄が告げる。
「あの夜できなかった事を しよう」
私が言おうとした事を
「もう二度と 離さない」
ずっと欲しかった言葉を
「愛してる」
――――――――――――――
『大好き』は星の数ほど言ってくれた。
それだけで十分だった。
だけど やっぱり違う。
こんなに嬉しくなるなんて思わなかった。
「私も愛しているわ 兄さん」
もう一度深くキスをして、ゆっくりと腰を上げる。
またがっていた兄の太ももが粘つくほどに濡れていた。
私の腰を誘導するように肉棒が規則的に揺れている。
元気すぎるそれに手を添えて自分の入り口にあてがい
ゆっくりと腰を落とした。
「ん っく」
「あ あぁぁぁっ!」
腰が一寸、また一寸下りるたびに兄が近づくのがわかる。
全てを飲み込むまでに何度も気をやってしまった。
兄の毛で淫核を撫でられてしまい一際大きく震える。
それと同時に兄が太ももに手を乗せてくる。
「そんなことしなくても逃げないよ?」
「わかってる わかってるけど・・・」
掴んだ太ももを更に引き寄せるように兄が動く。
私もそれに合わせて円を描くように腰を擦り付けた。
こうすれば不意に抜ける事も無いので兄も安心なのだろう。
兄の肉棒が子宮の位置を変えてしまう勢いで中をかき回す。
幾つかある弱い部分を代わる代わるこすられて体が意に反して跳ねる。
農耕馬に似た純朴な兄が今ではまるで暴れ馬と見紛うほどだ。
淫核と最奥を手加減無しでこすられて無理やりに絶頂させられる。
「あぁ メアリー メアリーっ!」
私の何度目かの絶頂のわななきに導かれたのか、兄がついに果てた。
出しながらも肉棒でこね回し印をつけるように擦り付けられる。
これでやっと 私は兄のものになった。
「兄さん・・・」
「まだだ まだ足りない」
兄の腰が先程よりも大胆に動き出す。少しだけだが抜き差しも始まった。
私も耳を食み首筋を吸って兄の行為に応える。
兄が射精するたびに
部屋にわだかまった闇が肥え太るように広がっていく
そうやって全てが真っ黒になって
私達を多い尽くしてくれたらいい
誰も邪魔できない所で
二人きり
"わたしもいるよ?"
うん そうだった 三人で
――――――――――――――
探していた温もり それが今 目の前にある
両親が死んだ時に 一度だけ見た泣き顔が
いつまでも一緒にいたかった人が ここに
ベッドに組み敷いた兄はまるでテーブルに広げられたごちそうみたいだ。
どこから味わっていいのか、すぐに決めてはもったいない気がした。
掴んだ腕は農作業で鍛えられているはずなのに私を跳ね除ける事もできない。
またがったお腹からは男の熱気が絶えることなく上ってくる。
涙でぐしょぐしょの顔は驚きに固まり、荒い呼吸に震える唇が・・・
"うん まずは キスだよね"
体こと押し付けるように口付けた。幾分硬い唇に舌を這わせ執拗に舐る。
普段なら剃っているはずの不精ひげに頬をくすぐられるだけで
戸惑いを表すかのように控えめな唾を吸い上げるだけで
満たされる。
「む・・・んっ はぁ! メアリー!」
そろそろ舌を差し入れようと思った矢先、兄が首を振ってキスから逃れた。
その顔は上気し息も絶え絶えだが二つの目だけが理性を保っている。
「にいさん」
愛しい人に呼びかける。その揺ぎ無い眼差しも好きだけど、今はいらない。
「おまえ・・・どこ行ってたんだよ!心配したぞ!それにっ!」
ぎし ぎし ぎし
体ごと弾こうと暴れるが両腕を掴んでいるだけで兄はベッドに釘付けだ。
「何で裸なんだよ!その黒い髪はどうした!なぁ!答えてくれ!」
ぎっぎっぎ ぎし ぎし
兄が動くたびに聞こえるベッドの軋みが体を這い回るように響く。
異性が奏でる抵抗の音色がこれほど甘く熱いとは思わなかった。
あぁ 今 このひとは 私のものだ
――――――――――――――
「きのこを とっていたの」
硬く尖った乳首を舌で慰めると兄の体は面白いように跳ね回る。
そのまま歯を立てたり強く吸ったりして飽きるまで弄ぶ。
「そうしたら ウォルがきて『めずらしいきのこがある』っていうの」
兄の両腕を頭上に揃え左手だけで鷲掴み、右手でズボンの前を撫でる。
今までに無く抵抗したがそれでも私の左手から逃れる事ができない。
「ついていったら しらないおじさんがたくさんいて」
あまりに暴れるので癇に障り少し強めに布越しの肉棒を握りこむと
ぴたりと動きを止めて小刻みに息を吐いて耐えている。
「ウォルがいうの 『つれてきたぞ やくそくをまもってくれ』」
握る力を緩めたら同時に脱力して力なく喘ぎ始めた。
やや涙目になったがそれでも理性の火が消えない。
「『ぼくも まものたいじにつれていってよ』って」
まだ足りない と もっとできる が入り混じった感情が
右手でズボンを力任せに引き裂くという暴挙を許した。
「そしたら おじさんたちが」
下着ごと引き裂かれたズボンの中から濡れ光る肉棒が飛び出し
わたしのお腹に先走りで意味不明の文字を書き始める。
「『おまえ ばかか』ていって ウォルをさしたの」
言葉に反応したのか 肉棒の先がへそのくぼみにはまったからか
兄は一際大きく震えてそれっきり動こうとしない。
「ウォルがたおれて わたしはうでをつかまれて」
へそで亀頭を咥えさせるように肉棒を握る手と腰を操り
兄の意識を肉の刺激に振り向かせようと懸命に動かした。
「おじさんが『じょうだまだな』ってわらったの」
肉棒を握る手を下ろし期待に膨らんだ子種袋を優しく撫でる。
逃げようとする腰を追いかけて執拗に子種袋に愛撫を施す。
「かいどうまでひきずられて ばしゃにほうりこまれて」
子種袋と尻の穴の間を持ち上げるように指で押すと
兄は悶絶して身を強張らせた。
「てとあしをおさえられて ふくをやぶられたの」
溶けかけていた目に一瞬で光が戻り こちらを見上げてくる。
私は今 どんな顔をしているのだろう。
「ひとりずつ わたしのなかにはいってきた」
兄が歯を食い縛ってこちらを睨んでいる。
責めるというより 悔しそうな顔で
「やだっていってもやめてくれなくて」
怒りに震える兄に 一滴 二滴 雨粒が落ちる。
長く住んだ家だ。雨漏りをしてもおかしくない。
「ゆるしてっていっても だれもきかない」
声の震えで 自分が泣いている事に気付いた。
兄は再び目から涙を流している。
「『はらんじまえ』っていって みんな なかにだすの」
奥歯が軋むほど噛み締めて 兄が射精した。
へそを濡らす精液が温かい。全然不快じゃない。あの人たちとは 違う。
「それが ぜんぶまっくらになるまで つづくの」
体に纏わり付く精液を手の平で拭い、青臭い滴りを口に運ぶ。
そんな私のしぐさを兄は虚ろな目で眺めていた。
「それからは まっくらなときだけ やすめたの」
盛大に射精したにもかかわらず肉棒の硬さは更に増していて
子種袋も先程より重くなったのではないかと疑うほどの健在ぶりだ。
「まっくらがなくなると おじさんたちがいて やなことするの」
だらしなく脱力した太ももの間に体を入れて脚を閉じられないようにして
片手で掴んでいた兄の手首をもう一度分けて片方ずつ握りなおす。
「ふたりのおじさんにはさまれたり へんなぼうをいれられたり」
目の前で寂しげに震える肉棒は膨らみかけの胸を擦り付けると
それだけで歓喜に踊り喜びの涎をたれ流した。
「ぬれなくなったら くすりをむりやりぬりたくったり」
規則正しい水音と共に兄の腰が別の生き物のように勝手に跳ねる。
その度に胸の谷間をそれ乳首にかすれる肉棒が私に悦楽を与えた。
「おじさんたちとはちがうひとが なんにんもきたり」
淡々と語る言葉に答えるかのように兄が息を呑み肉棒がのたうちまわる。
苦しげな兄の目は私が村の男と雑談していた時に見せた暗い炎を宿している。
「あるときおじさんたちの一人が『ここはもうだめだ』っていって」
兄の苛立ちが肉棒に伝わったのか腰が更に力強く暴れだして
私が擦り付けているのか兄が突き上げているのかわからなくなってきた。
「そのときから やすむこともたべることもできなくて」
肉棒の先端が膨らみを増し、兄の絶頂が近い事を告げてくる。
それを見て私も興奮し、肌よ溶け合えとばかりに擦り付けた。
「くすりばかりのまされて いやなのにきもちよくて」
第一弾は顔を汚した。すかさず先を口に含み残りを舌で受け止めて
しばらく吸い付いて余すことなく頬張り音を立てて嚥下した。
「とつぜん まっくらになって もどれなくなったの」
――――――――――――――
"そろそろ うごけそうだね"
"ちゃんと とっておいたから"
"がんばってね"
――――――――――――――
他人事のように見つめていた劇の中に突然放り込まれたように
味も匂いも、肌触りさえめまいを覚えるほどに強くなる。
真綿を耳に詰めた時みたいに遠かった声もはっきりと聞こえる。
色もわからず眺めていた兄の顔が興奮に上気しているのが わかる。
しがみつくように兄の上を這いまわり、頭を抱え込んでキスをした。
始めから舌を差し込み力の抜けた口の中を丹念に舐る。
兄はもう抵抗する気が無いようで控えめに私の舌に応えるようになった。
しばらく互いの涎を混ぜ合わせては飲み込み、息を継ぐように離れた。
「耕した畑の匂いがすると思ったら、土の下だった」
逃げられたくないから掴んでいた肩が一つ大きく揺れた。
間が悪いかもしれないけど、どうしても伝えたかったから
それでも私は言葉を続ける。
「どうして生きているのかわからなかったけれど」
「嫌な事ばかり頭に浮かんできたけれど」
「汚されてしまったけれど」
「それでも 兄さんに会いたかった」
気がついたら両腕でベッドに縫い付けていたはずの兄が私を抱きしめていた。
キスも愛撫も無く 回した腕で引き寄せるだけの抱擁。
肌が溶け合うような、心臓の音すら重なりそうな『一緒』の感じ。
子供の頃から大好きだった兄の温もり。
「おかえり メアリー」
「ただいま 兄さ んっ」
言葉の最後はみっともなく震えていた。涙が抑えられなかった。
それ以上に体が 心が 求めていた。
目の前の男の精液を
今までだって無かったわけではない。
一人寝のベッドで何度、自らを慰めたかわからない。
頭をなでられただけで体が熱くなった時もあった。
それでもここまで露骨に『欲しい』と思った事はない。
不意に温もりが離れ、兄が私の目を覗き込んだ。
悲しいほどに大好きな、揺ぎ無い眼差し
暴れる呼吸を押さえつけるように、兄が告げる。
「あの夜できなかった事を しよう」
私が言おうとした事を
「もう二度と 離さない」
ずっと欲しかった言葉を
「愛してる」
――――――――――――――
『大好き』は星の数ほど言ってくれた。
それだけで十分だった。
だけど やっぱり違う。
こんなに嬉しくなるなんて思わなかった。
「私も愛しているわ 兄さん」
もう一度深くキスをして、ゆっくりと腰を上げる。
またがっていた兄の太ももが粘つくほどに濡れていた。
私の腰を誘導するように肉棒が規則的に揺れている。
元気すぎるそれに手を添えて自分の入り口にあてがい
ゆっくりと腰を落とした。
「ん っく」
「あ あぁぁぁっ!」
腰が一寸、また一寸下りるたびに兄が近づくのがわかる。
全てを飲み込むまでに何度も気をやってしまった。
兄の毛で淫核を撫でられてしまい一際大きく震える。
それと同時に兄が太ももに手を乗せてくる。
「そんなことしなくても逃げないよ?」
「わかってる わかってるけど・・・」
掴んだ太ももを更に引き寄せるように兄が動く。
私もそれに合わせて円を描くように腰を擦り付けた。
こうすれば不意に抜ける事も無いので兄も安心なのだろう。
兄の肉棒が子宮の位置を変えてしまう勢いで中をかき回す。
幾つかある弱い部分を代わる代わるこすられて体が意に反して跳ねる。
農耕馬に似た純朴な兄が今ではまるで暴れ馬と見紛うほどだ。
淫核と最奥を手加減無しでこすられて無理やりに絶頂させられる。
「あぁ メアリー メアリーっ!」
私の何度目かの絶頂のわななきに導かれたのか、兄がついに果てた。
出しながらも肉棒でこね回し印をつけるように擦り付けられる。
これでやっと 私は兄のものになった。
「兄さん・・・」
「まだだ まだ足りない」
兄の腰が先程よりも大胆に動き出す。少しだけだが抜き差しも始まった。
私も耳を食み首筋を吸って兄の行為に応える。
兄が射精するたびに
部屋にわだかまった闇が肥え太るように広がっていく
そうやって全てが真っ黒になって
私達を多い尽くしてくれたらいい
誰も邪魔できない所で
二人きり
"わたしもいるよ?"
うん そうだった 三人で
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10/09/17 03:37更新 / Junk-Kids
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