カラオケ王に俺はなる!
「もぉぉぉぉん!もぉぉぉぉん!!!」
(なんつー地獄なんだ…………勘弁してくれ…………)
「なんや?また来たみたいやで!次の刺客や!」
失恋のショックからミルクを飲んで泣いているホルスタウロス娘のチチの隣には、いつの間にか身体が薄い緑色で、まるで髪の毛のように生えた長い海草を全身に巻き付けた魔物娘が座っていた。
歳はボンと同じく人間の10歳ほどに見える幼い見た目だった。
「うわ!いつの間に!?」
「おひやのみずわりひとつ!」
(ただの水じゃねーか!それ!)
「…………お、お前もなにか悩み事か?」
リーとボンは海草娘の隣に移って、話しかけた。
「ん〜そうだよ〜!……………あたちもね〜!こーみえてなやめるおとちごろなのよ〜
ところでおにいさんだぁれ?」
「俺はリーって言うんだ。ヨロシクな。」
「リーさん…………よろちく!」
ゴクゴクッ!
「んん♥このお水おいし♥…………………ふふっ、私はフロウケルプのワカメっていうの。
今日はお兄さんが私のお話し相手になってくれるのかしら?」
水を飲みながら自己紹介をしたフロウケルプ娘のワカメという魔物娘の身体は、いつの間にか大きくなっており幼子から成人女性へとなっていた。
幼くて可愛らしい姿から妖艶で美しい女性の姿へと変化していた。
(!?水を飲んで……大きくなった!?………………いったいどんな身体してるんだ!?)
リーが呆気に取られていると、ワカメは一人で明後日の方向を向きながら、話を続けた。
「ふふっ…私の旦那さんねぇ……………海にある養殖場でねぇ…………働いてるのよぉ。それでねぇ…………養殖場で色んな魔物娘のお世話をしてるのよ。
そのせいでねぇ…………家に帰ってきたらねぇ…………旦那さんからねぇ…………他の女の子の匂いがするのよ……………うぅ!
うわぁぁぁぁぁん!」
ポタポタポタポタ!!
「あたちのだんなさんなのに!あの人はあたちのだんなさんなのに!…………………それなのにほかのこと!なかよくちてるの!………うわぁぁぁぁぁん!!!」
(うわっ!?今度は縮んだ!?)
ゴクゴクゴクゴクッ!
「ふふっ!私って嫉妬深い女でしょ!?カッコ悪いでしょ!?でもね!あの人のことが大好きで…………気持ちに整理がつかないの!!うわぁぁぁぁぁん!!!」
ポタポタポタポタ!!
「うわぁぁぁぁぁん!エヴァンのばかぁ!あたちのばかぁ!うわぁぁぁぁぁん!」
「カッコ悪いことあるかい!!!わかる!ウチにはわかるで!ワカメはん!仕事と恋の両立っちゅうのはな………難しいんや!
頭では分かってても!……………それでも心では理解でけへん事ばっかりなんや!
ウチもそうや!仕事ばっかりで恋なんかしてる余裕あらへん!でもこの仕事は好きなんや!!!せやから気持ちに整理つかんねん!!!
ワカメはん!ウチがとことん付き合ったるで!!!マスター!オレンジジュースもう一杯や!」
なぜか涙をボロボロ流して元の小さい姿に戻ったワカメとボンは、お互いに肩を組み合い水とオレンジジュースを持ち交わした。
(………………や、やべぇ!なんだこの状況!相変わらず泣きわめいているチチ、なんか意気投合してるボンとワカメ、それになぜか楽しそうなハットちゃん…………
もう収拾がつかなくなってきちまったぞ!!)
全身から汗を吹き出しながら、リーはこの状況をどう打開するか考えた。
「……………………あれだ!
こうなったらあれしかねぇ!おい!ハットちゃん!カラオケはあるよな!?」
「え!?ああ!もちろんあるよ!」
「もうこうなったらやけくそだ!これ以上この状況をややこしくするわけにはいかねぇ!!
うぉぉぉぉぉ!!!」
ピピピピッ!
「ありったけのー!ゆーめをー!かきあつめー!さがしもの!さーがしーにーいーくーのーさー!!!」
「うわっ!なんやリーさん急に!?」
「あ!こ、この歌!私も知ってます!」
「お前ら!いつまでも泣いてるんじゃない!たとえ!嫌なことがあっても!死にたいほど辛いことがあっても!俺たちは希望を信じて!明日を生きていかなきゃ行けないんだ!
だから今は!全部忘れてとりあえず歌えー!!!
こーじーんー!てきなー!あーらしは!だーれかのー!バイオーリズム!のっかぁってぇー!思い過ごせばいい!じゃっじゃっじゃーん!」
「あたちもうたうー!」
「これは乗るしかないね!この勢いに!」
「はははっ!よっしゃ!みんなで歌うでぇ!」
ボンたちは、全員マイクをもった。
「「「「「しみったれた夜をー!ぶっ飛ばせー!宝箱に興味は無ーいーけーどー!」」」」」
「ポケットにロマン!」
「「「「それとユワナビーマイフレンド?」」」」
「うぃーあー!」
「「「「うぃーあー!」」」」
「オンザクルー!!!」
「「「「「うぃーあー!」」」」」
「なんやすっきりしたでぇ!」
「も、もっと歌います!」
「あたちもー!あたちもうたうー!」
「ふふっ!ボクも歌っちゃおうかな!一応マスターなんだけどね!」
「はー!…………はー!…………」
(な、なんとか助かった……………………)
こうして小洒落た静かなバーの、小洒落てない静かじゃない時間は過ぎていった。
(なんつー地獄なんだ…………勘弁してくれ…………)
「なんや?また来たみたいやで!次の刺客や!」
失恋のショックからミルクを飲んで泣いているホルスタウロス娘のチチの隣には、いつの間にか身体が薄い緑色で、まるで髪の毛のように生えた長い海草を全身に巻き付けた魔物娘が座っていた。
歳はボンと同じく人間の10歳ほどに見える幼い見た目だった。
「うわ!いつの間に!?」
「おひやのみずわりひとつ!」
(ただの水じゃねーか!それ!)
「…………お、お前もなにか悩み事か?」
リーとボンは海草娘の隣に移って、話しかけた。
「ん〜そうだよ〜!……………あたちもね〜!こーみえてなやめるおとちごろなのよ〜
ところでおにいさんだぁれ?」
「俺はリーって言うんだ。ヨロシクな。」
「リーさん…………よろちく!」
ゴクゴクッ!
「んん♥このお水おいし♥…………………ふふっ、私はフロウケルプのワカメっていうの。
今日はお兄さんが私のお話し相手になってくれるのかしら?」
水を飲みながら自己紹介をしたフロウケルプ娘のワカメという魔物娘の身体は、いつの間にか大きくなっており幼子から成人女性へとなっていた。
幼くて可愛らしい姿から妖艶で美しい女性の姿へと変化していた。
(!?水を飲んで……大きくなった!?………………いったいどんな身体してるんだ!?)
リーが呆気に取られていると、ワカメは一人で明後日の方向を向きながら、話を続けた。
「ふふっ…私の旦那さんねぇ……………海にある養殖場でねぇ…………働いてるのよぉ。それでねぇ…………養殖場で色んな魔物娘のお世話をしてるのよ。
そのせいでねぇ…………家に帰ってきたらねぇ…………旦那さんからねぇ…………他の女の子の匂いがするのよ……………うぅ!
うわぁぁぁぁぁん!」
ポタポタポタポタ!!
「あたちのだんなさんなのに!あの人はあたちのだんなさんなのに!…………………それなのにほかのこと!なかよくちてるの!………うわぁぁぁぁぁん!!!」
(うわっ!?今度は縮んだ!?)
ゴクゴクゴクゴクッ!
「ふふっ!私って嫉妬深い女でしょ!?カッコ悪いでしょ!?でもね!あの人のことが大好きで…………気持ちに整理がつかないの!!うわぁぁぁぁぁん!!!」
ポタポタポタポタ!!
「うわぁぁぁぁぁん!エヴァンのばかぁ!あたちのばかぁ!うわぁぁぁぁぁん!」
「カッコ悪いことあるかい!!!わかる!ウチにはわかるで!ワカメはん!仕事と恋の両立っちゅうのはな………難しいんや!
頭では分かってても!……………それでも心では理解でけへん事ばっかりなんや!
ウチもそうや!仕事ばっかりで恋なんかしてる余裕あらへん!でもこの仕事は好きなんや!!!せやから気持ちに整理つかんねん!!!
ワカメはん!ウチがとことん付き合ったるで!!!マスター!オレンジジュースもう一杯や!」
なぜか涙をボロボロ流して元の小さい姿に戻ったワカメとボンは、お互いに肩を組み合い水とオレンジジュースを持ち交わした。
(………………や、やべぇ!なんだこの状況!相変わらず泣きわめいているチチ、なんか意気投合してるボンとワカメ、それになぜか楽しそうなハットちゃん…………
もう収拾がつかなくなってきちまったぞ!!)
全身から汗を吹き出しながら、リーはこの状況をどう打開するか考えた。
「……………………あれだ!
こうなったらあれしかねぇ!おい!ハットちゃん!カラオケはあるよな!?」
「え!?ああ!もちろんあるよ!」
「もうこうなったらやけくそだ!これ以上この状況をややこしくするわけにはいかねぇ!!
うぉぉぉぉぉ!!!」
ピピピピッ!
「ありったけのー!ゆーめをー!かきあつめー!さがしもの!さーがしーにーいーくーのーさー!!!」
「うわっ!なんやリーさん急に!?」
「あ!こ、この歌!私も知ってます!」
「お前ら!いつまでも泣いてるんじゃない!たとえ!嫌なことがあっても!死にたいほど辛いことがあっても!俺たちは希望を信じて!明日を生きていかなきゃ行けないんだ!
だから今は!全部忘れてとりあえず歌えー!!!
こーじーんー!てきなー!あーらしは!だーれかのー!バイオーリズム!のっかぁってぇー!思い過ごせばいい!じゃっじゃっじゃーん!」
「あたちもうたうー!」
「これは乗るしかないね!この勢いに!」
「はははっ!よっしゃ!みんなで歌うでぇ!」
ボンたちは、全員マイクをもった。
「「「「「しみったれた夜をー!ぶっ飛ばせー!宝箱に興味は無ーいーけーどー!」」」」」
「ポケットにロマン!」
「「「「それとユワナビーマイフレンド?」」」」
「うぃーあー!」
「「「「うぃーあー!」」」」
「オンザクルー!!!」
「「「「「うぃーあー!」」」」」
「なんやすっきりしたでぇ!」
「も、もっと歌います!」
「あたちもー!あたちもうたうー!」
「ふふっ!ボクも歌っちゃおうかな!一応マスターなんだけどね!」
「はー!…………はー!…………」
(な、なんとか助かった……………………)
こうして小洒落た静かなバーの、小洒落てない静かじゃない時間は過ぎていった。
18/05/27 19:07更新 / J2
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