魔界軍師エバの囁き
しばらくしてシチィとハチロー
レスカティエ東門付近
「ハチロー!あったよ!熊のヌイグルミ!きっとこれがミミルって娘のヌイグルミだよ!」
「よし!こいつを中央の時計塔まで持っていけばミッションクリアだな!ここまでで意外と時間がかかっちまったな!急ごう!」
「そうだね!急ごう!」
そう言ってシチィとハチローは、熊のヌイグルミを持って中央の時計塔へ向かった。
「よし!もう少しで時計塔だ!」
地図を確認してハチローが言った。
「………………まってハチロー!目の前にハンターがいる!このままじゃハンターに見つかっちゃうよ!」
ハンターに気づかれる前にシチィがいち早くその存在を認識して言った。
「…………………よしシチィ!俺がハンターを引き付けるからお前はこのヌイグルミを時計塔へもっていくんだ!」
そう言いながらハチローは、担いでいたミミルのヌイグルミをシチィに渡した。
「ハチロー……………」
「頼んだぜ相棒!例の拠点で必ず後で落ち合おうな!」
「わかった!後でさっきの場所で落ち合おう!」
ふたりはグッと親指を立てた。
「よし…………………おらおらおら!ハンター!こっちだ!」
そう言ってハチローはハンターを引き付けて遠方へ、シチィはミミルのヌイグルミを持って時計塔へ
それぞれ進んでいった。
レスカティエ中央時計塔
「あー!ミミルのクマさん!」
シチが時計塔につくと、やたら露出度の高いピンク色の魔法着を着た幼い少女が駆け寄ってきた。
「えっと…………………キミがミミルって娘かな?はい!ヌイグルミ!」
「えへへへ♥️ありがとー!おにいさん!」
元気よくお礼を言ったミミルは、シチィからもらった熊のヌイグルミを力いっぱい抱き締めた。そして眩しいほどの満面の笑顔をクマにグリグリとこすり付けた。
「ミミルちゃんはこのクマさんが大好きなんだね。」
「うん!このクマさんはね!ミミルのおにいちゃんがプレゼントにってくれたの!!
ミミルの大好きなだーいすきな人からもらったミミルの宝物なの!!」
「………………………好きな人からのプレゼントか………………
それは確かに大切な宝物だね!ミミルちゃん!もう無くしたりしたらダメだよ!」
ミミルとそんな会話をすると、シチィはその場から離れようとした。
「………………………おや?今僕のペンダントに反応が………………
これは……………へぇ?」
しかし、その様子を見ているひとりの淫魔がいた。
このミッションにおいてミミルとパルシェの保護者役としてふたりに付き添っていた魔物娘
魔界軍師のエバだった。
「ちょっと待って!
えーっと……………キミはシチィくんだね?」
エバがシチを呼び止めた。
「あ…………………はい、そうですけどなにか?」
「ふふっ!シチィくん!」
呼び止められて不思議そうな顔をするシチィ、そんな彼をエバは好奇な目をしながらジロジロと舐め回すように見回した。
「な、なんですか?いったい…………………」
行きなりの事に驚いたシチィは、とっさに後退りした。
しかしそんな事お構いなしにエバはジロジロとシチィのことを観察し続けた。
そしてしばらくした後、口を開いた。
「ふふっ!単刀直入に聞くよ?
……………………キミ、好きな人がいるでしょ?」
とても意地悪な楽しそうな顔をしながら、エバがシチィに問いかけた。
「!!…………………………だからなんですか?僕だって年頃の男なんですから、好きな女の子くらいいてもおかしくないでしょう。
それだけですか?ならもうミッションはクリアしたのでゲームに戻りますね。」
少し声を荒げて、不愉快そうにシチィは答えた。
「ふ〜ん♥️好きな女の子?好きな女の子ねぇ?ふふっ♥️ホントかなぁ?」
そんな様子のシチを面白がるように、エバはますます好奇な目をしながら睨み付けた。
「な、なんですか!いったい!!」
「………………ふふっ♥️いやぁ、だだキミの好きな子ってホントに女の子なのかなぁって!」
「な!なにをそんなこと!と、当然でしょう!僕は男なんですから!だから女の子を好きになるのは当たり前でしょう!!」
「どうかなぁ?ボクは好きな人がいるかって聞いたのにキミは好きな女の子って訂正したよね?それも結構必死になってね。
キミが本当に男の子が女の子を好きになるって考えを当然と思ってるんなら、そこに強くこだわるのはちょ〜っとおかしいんじゃないかな?」
「うぐっ……………」
シチィが嘘がばれた子供のように顔をしかめた。
「ボクにはね…………………キミがなにか無理をしているように見えてるんだ。
まるでキミのさっきの言葉、これを自分自身に繰り返し言い聞かせてるように感じるんだよね。」
「………………………………」
「……………………キミ、ホントは羨ましかったんでしょ?ミミルちゃんやパルシェちゃんのことが妬ましかったんでしょ?
好きな人からプレゼントを貰ったミミルちゃんとパルシェちゃんが羨ましくてしょうがなかったんでしょ?」
「………………………………」
「いや、ふふっ♥️もっと単刀直入に言おうか?
キミの好きな人って男の子なんでしょ?」
とびっきりの悪い笑顔をして、エバは言った。
「なんだよっ!なんなんだよっ!さっきから!
あぁ!そうだよ!ボクが好きなのは男だよ!なんだよ!悪いのかよ!それが悪いのかよ!ボクが男を好きになっていけないのかよ!」
「おっとっと」
エバの言葉を聞いたシチィは、叫びながら彼女に掴みかかろうとした。
それをエバはそれをヒラリとかわした。
「わかってるよ!わかってるんだよ!自分がおかしいって!男なのに男を好きになって気持ち悪いって!
でも仕方ないじゃないか!ハチローは!ハチローはボクのことを必要としてくれたんだ!僕のことを認めてくれたんだ!弱気で内向的で友達が出来なかった僕のことを大切な仲間だといってくれたんだ!ボクの事を鳥かごの中から引っ張り出してくれたんだ!
カッコ良くて!強くて!優しくて!でもちょっとおバカで!僕がいないと危なっかしくて!目が離せなくて!
そんな彼のことが!ハチローのことが………………
…………………でも、でも…………僕は、ボクは…………」
「僕は……………………男の子だから?」
「………………………………」
うつむきながら、シチィは静かに頷いた。
「ふ〜ん………………………じゃあさ!なってしまえばいいじゃないか!」
「は?なってしまう?なにに!?」
「もちろん女の子にさ♥️ほら!そうすればぜ〜んぶ解決じゃないか♥️」
「そ、そんなこと……………出来るわけない……………」
「出来るさ♥️ボクならね♥️
なぜならボクは……………………………キミと同じだからさ♥️」
「あ……………ふわぁ♥️」
先ほどの性悪な笑顔は消え、慈愛に満ちた微笑みが彼女にはあった。
「ボクは魔界軍師エバ、種族はアルプ
ボクは男の子から変化を遂げた魔物娘なのさ。ボクに任せて♥️キミの願いを叶えてあげる♥️」
レスカティエ東門付近
「ハチロー!あったよ!熊のヌイグルミ!きっとこれがミミルって娘のヌイグルミだよ!」
「よし!こいつを中央の時計塔まで持っていけばミッションクリアだな!ここまでで意外と時間がかかっちまったな!急ごう!」
「そうだね!急ごう!」
そう言ってシチィとハチローは、熊のヌイグルミを持って中央の時計塔へ向かった。
「よし!もう少しで時計塔だ!」
地図を確認してハチローが言った。
「………………まってハチロー!目の前にハンターがいる!このままじゃハンターに見つかっちゃうよ!」
ハンターに気づかれる前にシチィがいち早くその存在を認識して言った。
「…………………よしシチィ!俺がハンターを引き付けるからお前はこのヌイグルミを時計塔へもっていくんだ!」
そう言いながらハチローは、担いでいたミミルのヌイグルミをシチィに渡した。
「ハチロー……………」
「頼んだぜ相棒!例の拠点で必ず後で落ち合おうな!」
「わかった!後でさっきの場所で落ち合おう!」
ふたりはグッと親指を立てた。
「よし…………………おらおらおら!ハンター!こっちだ!」
そう言ってハチローはハンターを引き付けて遠方へ、シチィはミミルのヌイグルミを持って時計塔へ
それぞれ進んでいった。
レスカティエ中央時計塔
「あー!ミミルのクマさん!」
シチが時計塔につくと、やたら露出度の高いピンク色の魔法着を着た幼い少女が駆け寄ってきた。
「えっと…………………キミがミミルって娘かな?はい!ヌイグルミ!」
「えへへへ♥️ありがとー!おにいさん!」
元気よくお礼を言ったミミルは、シチィからもらった熊のヌイグルミを力いっぱい抱き締めた。そして眩しいほどの満面の笑顔をクマにグリグリとこすり付けた。
「ミミルちゃんはこのクマさんが大好きなんだね。」
「うん!このクマさんはね!ミミルのおにいちゃんがプレゼントにってくれたの!!
ミミルの大好きなだーいすきな人からもらったミミルの宝物なの!!」
「………………………好きな人からのプレゼントか………………
それは確かに大切な宝物だね!ミミルちゃん!もう無くしたりしたらダメだよ!」
ミミルとそんな会話をすると、シチィはその場から離れようとした。
「………………………おや?今僕のペンダントに反応が………………
これは……………へぇ?」
しかし、その様子を見ているひとりの淫魔がいた。
このミッションにおいてミミルとパルシェの保護者役としてふたりに付き添っていた魔物娘
魔界軍師のエバだった。
「ちょっと待って!
えーっと……………キミはシチィくんだね?」
エバがシチを呼び止めた。
「あ…………………はい、そうですけどなにか?」
「ふふっ!シチィくん!」
呼び止められて不思議そうな顔をするシチィ、そんな彼をエバは好奇な目をしながらジロジロと舐め回すように見回した。
「な、なんですか?いったい…………………」
行きなりの事に驚いたシチィは、とっさに後退りした。
しかしそんな事お構いなしにエバはジロジロとシチィのことを観察し続けた。
そしてしばらくした後、口を開いた。
「ふふっ!単刀直入に聞くよ?
……………………キミ、好きな人がいるでしょ?」
とても意地悪な楽しそうな顔をしながら、エバがシチィに問いかけた。
「!!…………………………だからなんですか?僕だって年頃の男なんですから、好きな女の子くらいいてもおかしくないでしょう。
それだけですか?ならもうミッションはクリアしたのでゲームに戻りますね。」
少し声を荒げて、不愉快そうにシチィは答えた。
「ふ〜ん♥️好きな女の子?好きな女の子ねぇ?ふふっ♥️ホントかなぁ?」
そんな様子のシチを面白がるように、エバはますます好奇な目をしながら睨み付けた。
「な、なんですか!いったい!!」
「………………ふふっ♥️いやぁ、だだキミの好きな子ってホントに女の子なのかなぁって!」
「な!なにをそんなこと!と、当然でしょう!僕は男なんですから!だから女の子を好きになるのは当たり前でしょう!!」
「どうかなぁ?ボクは好きな人がいるかって聞いたのにキミは好きな女の子って訂正したよね?それも結構必死になってね。
キミが本当に男の子が女の子を好きになるって考えを当然と思ってるんなら、そこに強くこだわるのはちょ〜っとおかしいんじゃないかな?」
「うぐっ……………」
シチィが嘘がばれた子供のように顔をしかめた。
「ボクにはね…………………キミがなにか無理をしているように見えてるんだ。
まるでキミのさっきの言葉、これを自分自身に繰り返し言い聞かせてるように感じるんだよね。」
「………………………………」
「……………………キミ、ホントは羨ましかったんでしょ?ミミルちゃんやパルシェちゃんのことが妬ましかったんでしょ?
好きな人からプレゼントを貰ったミミルちゃんとパルシェちゃんが羨ましくてしょうがなかったんでしょ?」
「………………………………」
「いや、ふふっ♥️もっと単刀直入に言おうか?
キミの好きな人って男の子なんでしょ?」
とびっきりの悪い笑顔をして、エバは言った。
「なんだよっ!なんなんだよっ!さっきから!
あぁ!そうだよ!ボクが好きなのは男だよ!なんだよ!悪いのかよ!それが悪いのかよ!ボクが男を好きになっていけないのかよ!」
「おっとっと」
エバの言葉を聞いたシチィは、叫びながら彼女に掴みかかろうとした。
それをエバはそれをヒラリとかわした。
「わかってるよ!わかってるんだよ!自分がおかしいって!男なのに男を好きになって気持ち悪いって!
でも仕方ないじゃないか!ハチローは!ハチローはボクのことを必要としてくれたんだ!僕のことを認めてくれたんだ!弱気で内向的で友達が出来なかった僕のことを大切な仲間だといってくれたんだ!ボクの事を鳥かごの中から引っ張り出してくれたんだ!
カッコ良くて!強くて!優しくて!でもちょっとおバカで!僕がいないと危なっかしくて!目が離せなくて!
そんな彼のことが!ハチローのことが………………
…………………でも、でも…………僕は、ボクは…………」
「僕は……………………男の子だから?」
「………………………………」
うつむきながら、シチィは静かに頷いた。
「ふ〜ん………………………じゃあさ!なってしまえばいいじゃないか!」
「は?なってしまう?なにに!?」
「もちろん女の子にさ♥️ほら!そうすればぜ〜んぶ解決じゃないか♥️」
「そ、そんなこと……………出来るわけない……………」
「出来るさ♥️ボクならね♥️
なぜならボクは……………………………キミと同じだからさ♥️」
「あ……………ふわぁ♥️」
先ほどの性悪な笑顔は消え、慈愛に満ちた微笑みが彼女にはあった。
「ボクは魔界軍師エバ、種族はアルプ
ボクは男の子から変化を遂げた魔物娘なのさ。ボクに任せて♥️キミの願いを叶えてあげる♥️」
19/02/03 15:16更新 / J2
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