触手の森のアリス
触手の森。
魔界の瘴気と魔力を栄養として、まるで環形動物のように這いずりまわって蠢く触手植物たちが群生する魔界の森林地帯。
その中心部、性に奔放で精力絶倫な魔物娘たちですら怖がって近づこうとしない場所。陽の光も満足に届かない深奥部に、一人の少女がいた。
凝縮された魔力の霧が常に充満する地に住んでいるのだから、無論人間ではありえない。白いエプロンドレスをまとった少女は、アリスと呼ばれる種だった。
しかし、呼ばれるというフレーズは不正確だろう。魔界の生き物たるサキュバスですらも寄り付かないその地に、彼女以外の意志ある者、名前を呼べる者など存在しないからだ。
彼女が一体何処からやってきたのか、なんという名前の両親から生まれたのか、何故このような魔境で一人ぼっちなのか、知る人は誰もいない。彼女自身も、自分の生い立ちや境遇については全く理解していなかった。
いつ建てられたのかも分からない古びた掘っ立て小屋に住まう彼女は、自分の名前どころか、果たしてそれが存在するのか、あるいは初めから名前などつけられていないのかということすら知らない。
そんな、絶対的に世界から断絶した少女は、しかし寂しさを感じることはなかった。彼女には、ちゃんと日々触れ合う相手がいたのだ。
生い茂った木々の枝葉、分厚い林冠に阻まれた薄暗い森の奥にも、朝は等しくやって来る。小屋の中で眼を覚ました彼女は、小さな体で伸びをすると、家の裏手へ出た。
そこには地下水の湧き出る泉がある。何者かによって深く掘り下げられた大穴は、原始的ながらも井戸としての役目を立派に果たす。
魔力をふんだんに含んだ、見た目だけは綺麗な湧き水で顔を洗うと、少女は軒下においてあったジョウロを取った。
人間で例えるなら10歳になるかならないか、幼く華奢な腕でちょっと大きめのジョウロを頑張って抱え、水を汲む。七分目ほどにまで水を満たすと、少女は水を入れたことでずいぶん重くなったそれを抱えて、えっちらおっちら歩いていった。
少女の家から徒歩ですぐ。森の中心部の、そのまた中心。他と比べても際立って触手植物の繁茂する箇所があった。
無防備な人間など言うに及ばず、武装した女聖騎士や加護を受けた主神教シスターですらも一分立たずに魔物化させてしまうであろう、見るからに貪欲な触手達。一本でも始末に困るそんな奴が、数えきれないくらい生い茂り、うねり、地面いっぱいに広がり跋扈している。
余りにおどろおどろしい光景を物ともせず、少女はジョウロを抱えて歩み寄る。触手たちも、何故か彼女を襲おうとはしない。脳も魂も持たない植物たちに、幼い女の子を愛でる心などありはしないはずなのに。
「はい、今日のお水だよ」
自分に相対しているものが一体どういうものなのか全く理解しないまま、少女はジョウロを傾けて周辺の蔓に水をやる。森の何処かにノームやウンディーネでも住んでいるのだろうか、高濃度の魔力が凝縮された地下水は植物にとってもまた美味なものらしく、降り注ぐ恵みの雨を浴びて、どこか満足気に蠢く。
触手全体の量からしてみれば、少女の運んでくる水などたかが知れている。それでも、触手たちは毎朝水をやりにきてくれるこの少女を愛し、歓迎する。
表面を潤されたことに反応してか、地面を這っていた細長い触手の一本が立ち上がり、先を曲げて端を彼女の顔に向けた。蛇が鎌首をもたげたような姿勢のそれに、アリスは微笑みかける。
「ありがとうって、言ってくれてるの？
ふふ。いいんだよ。わたしも、触手さんたちと一緒にいるの、楽しいから」
ストレートに放たれる親愛の言葉に、触手たちはウネウネ揺れて喜ぶ。言葉は一方通行だけれども、確かにそこにはコミュニケイションが存在していた。
毎日そんなやり取りを続けて、約一月経った頃。
いつものように水を汲んで触手たちを湿した少女は、何かいつもと違う雰囲気に気がついた。
ジョウロを空にしてもなお、触手たちが落ち着かない。ヌルヌル蠕動しては、頻りに少女にまとわりつき、身を寄せようとする。
不審を覚えた少女は、身を翻してその場を逃れようとしたが、叶わなかった。
背後から、見たこともないほど大量の触手が迫ってきていたのだ。
波か、あるいは壁にも見えるほどに殺到してくる触手植物。太い蔦が後から後から、彼女の矮躯を狙ってうねり来ているということは、性に無知な彼女にも理解できた。
「ひっ……」
慌てて逃げようとした所で、両脚を絡めとられた少女は敢え無く転倒した。倒れたところにも触手が這いまわっており、打撲は避けられたもののそのまま身体を拘束されてしまった。
細い手足に、生物的な触手が絡みつき動きを封じる。今のところ処女である少女は、醜い筋を浮かべたそれが一体何に酷似しているのか分からない。
「や、やめて、お願い……」
いつも楽しく遊んでくれていた触手たちの豹変。魔物娘としては例外的に、性の知識を失っている彼女は自分の何が狙われているのかも知らない。
地面に引き倒され、完全に動きを封じられた少女は非常な恐怖を感じていたが、こんなものはまだ序の口である。
脚に絡み付いていた触手たちのうち二本がアリスの股の方へ伸び出て、丈の長いスカートの中へ侵入したときに、彼女の背筋は凍りついた。
「そ、そこっ、ダメ、きたないよ……！」
フリルスカートの中、白くて綺麗な下着を粘液に塗れた触手たちは器用に剥ぎとる。
思考能力など持たないはずの植物が、どういうわけか今から犯そうとしている相手を丁重に扱っている光景は、滑稽と言うよりもむしろ悍ましいものだった。
恐怖と驚愕の余り声も出せなくなったアリスだが、たとえ叫ぶことが出来たとしても触手たちは退いたりしなかっただろう。森の産み出す瘴気だけでは飽きたらない魔界植物は、そこにある獲物を見逃すことなど決して無い。
エプロンドレスの下、白パンツを脱がした所から現れた未熟な女性器はぴっちり閉じていて、男性を迎え入れられるような状態にないことは明白だが、魂無き触手たちはそんなことに頓着しない。
が、腐っても魔界の生物ということなのだろうか、触手たちはいきなり挿入して幼女の膣を壊すような真似はしなかった。代わりに、控えめなスジを上下に優しくなぞり、彼女の中に眠る魔性を強制的に目覚めさせようとしている。
「うっ、やっ、な、なに、これ……？ これ、へんだよぉ……」
女性器に触れられると、彼女の中の無垢な部分は途端に鳴りを潜め、代わりに魔物らしい部分が現れてくる。ぬらついた触手で愛撫されてたちまち愛液を分泌し始めるその膣は、処女のものにしてはちょっと敏感過ぎるくらいだった。
魔物の魔力そのものといってもいい淫蜜が溢れ出してくると、陵辱者は更に活気づいた。
濡れた股間に自身の潤滑液を塗りこみ、バルトリン腺液と混ぜることで女性器の興奮を促す。
拘束されて犯されるアリスの顔には、恐怖とは全く逆の感情が浮かび始めていた。
一旦いけるとなったら止まらないのが触手。尖った先端で開き始めた膣口をほじり、幼いながらもしっかりと形作られたヒダをそっと撫でさすって、穢れを知らない少女を快楽へと導いていく。
少しづつ淫蜜の量が増し、触手先端と膣粘膜の間でクチュクチュという卑猥な水音が鳴るようになり始めると、暴行者は本格的に少女を貪る体勢に入る。
触手たちの中でも特に太い一本が、狭い膣道をじっくりと押し広げて挿入を始めたのだ。
大きさから言えば確実に入らない、膣の裂傷は避けられそうもないくらい凶悪なものが、大量の粘液をまとってじっくりと処女の身体を侵食していく。
一気に突き込んで壊してしまうような真似はせず、じっくりじっくり狭い肉筒を押し進み、括約筋をほぐしていくことで少女のおまんこを大人のそれへと塗り替えていく。
華奢で見発達な股に醜悪な触手が数cm埋まった頃になると、もうアリスの顔に嫌悪は全く無くなっていた。
むしろ、異形の者に強制される快楽を進んで楽しんでいるかのような、淫らで緩んだ娼婦のごとき顔がそこにある。余りにも早い堕落を、下品であると詰るだけの理性を持つものはこの森には住めない。
「はぁ、はぁ、なにこれ、すっごい……！ 触手さん、のお陰なの……？」
問いかけても、陵辱者は答えない。代わりに、もっと深く膣を犯すことで淫乱少女の要求に応えた。
完全に堕とし切ったのを悟ったか、触手は今までに倍する速度で挿入し始めた。
ずぶずぶと膣の奥、まだ誰にも汚されていない子宮の口まで犯し抜くために、暗緑色の蔓はたっぷりの油で処女膣の抵抗を鎮め、意思無き植物にすら胎内を自由にさせてしまうくらいにゆるい肉へと変えていく。
小さなおまんこが触手で一杯になり、先端が子宮口にコツンと触れた瞬間、囚われの淫少女は声にならない叫びを上げた。
「うっ……！？」
それが絶頂、エクスタシーであるということを、まだこのアリスは知らない。ただ喉を反らして、手足を震わせながら未知の感覚に翻弄されるばかりだ。
少女が絶頂しているのにも構わずに、あるいは絶頂しているのを感じていながらも更に深く彼女を感じさせるためにか、触手は肉壷から自身を引き抜こうとはしない。ぷるぷるした子宮の入り口にグロテスクな先端を執拗に押し当て、胎の中から少女をイかせようとする。
まだまだ幼いのに、魔性の生物によって強制的に女にさせられたアリスは、そんな異様な責めにとても耐え切れない。
絶頂につぐ絶頂、呼吸が止まって視界が真っ白に染まるくらい激しい感覚の只中に、更に腹の内側から激しく犯されることで、彼女の精神は完全に失調した。
「あ、ああ、ああああ、すご、しょくしゅさ、これ、しゅごいよぉっ！ もっ、もっろ、もっろ……」
何を言っているかすら意識できない唇からは、どこで知ったのかも思い出せない卑語が次から次へと飛び出す。耳を持たない筈の触手はそれをどう感じ取ったか、どこか嬉しげにうねり、一層多くの粘液を分泌する。
あまりに多すぎて潤滑液としての機能も失いかけている触手粘液は、勿論膣口から溢れ出る分もあるのだが、注がれる量が多すぎるせいで排出が追いつかない。
なにせ入り口はぶっとい触手それ自身によって栓されてしまっているのだから、溢れるにしてもだらだらと、雫を少しずつ垂らすようなものにしかならない。
結果アリスの膣内は粘液と愛液で満たされきって、収まり切らない分は子宮の方にまで流れこんでいった。
人間ならば初潮も来ていなさそうな幼い身体、その腹部だけが、淫らな液体によってぽっこり膨らまされる。悪趣味極まる光景を、彼女自身が最も楽しんでいた。
「う、へへ、これきもちいーい……しょ、しょくしゅひゃん、わらひのおまた、ずぽずぽしへぇ……？」
触手の汚液でボテ腹にされ、まるで妊婦のように下腹部を膨らまされた彼女の姿は余りに倒錯的で痛々しいものだったが、むしろ触手たちは彼女の異形を喜んでいるようだった。
粘液を注ぐだけでは飽きたらず、遂に先端が子宮に侵入すると、アリスは白目を向いて叫んだ。
「や、やぁぁぁっ！ しゅ、しゅごいのぉぉっ！ わらひ、トンじゃふぅっ！？」
スカートを完全に胸元まで捲り上げて、裸の下半身と薄い胸を全て晒した少女は、ひたすら森の凶行に狂っていった。
ふと目を覚ますと、もう夕暮れ。
自分が触手の上に寝転んでいることに気づいたアリスは、優しく撫でて礼を言った。
「いつのまにか、寝ちゃてたんだね。……ふふ。ありがとう触手さん。私のベッドになってくれて」
清らかな感謝の表情に、先ほどまであった淫婦の面影は全く無い。触手の方も、少女の生殖器を奥の奥まで犯していた時とは打って変わって優しげに、その先端を彼女の柔肌にすり寄せる。
「やん、くすぐったいてばっ。
……さて、夜になるといけないから、私もう帰るね。明日また、お水持ってきてあげるから」
そう言って立ち上がったアリスを、触手たちが先端を振って見送る。愛液の匂いも粘液の異臭も、陵辱の痕跡となりそうなものは全て消し去られていた。
アリスは忘れる魔物。何度触手たちに犯されたとしてもすぐにその記憶を失い、また元通り、触手植物をペットか何かのように慈しむ、優しく清楚な少女へと戻る。
そもそも、他の人も魔物もやってこない森の奥地で、一日一回水をやるだけで大量の蔓植物が生存できる筈も無い。生きるための魔力に飢えた触手たちはこうして、月に一回ほど少女を陵辱し、その渇きを満たすのだ。
何度繰り返しても、アリスが触手による陵辱劇を思い出すことは無い。魂無き植物が、それを思うことも無い。
彼女が生まれてから今まで何度となく繰り返され、これからも無限に続くであろう、アリスと触手の交歓。濃密な瘴気で守られた、彼女たちの王国は、こうして永久に愛を反復し、平和であり続けるのだろう。
魔界の瘴気と魔力を栄養として、まるで環形動物のように這いずりまわって蠢く触手植物たちが群生する魔界の森林地帯。
その中心部、性に奔放で精力絶倫な魔物娘たちですら怖がって近づこうとしない場所。陽の光も満足に届かない深奥部に、一人の少女がいた。
凝縮された魔力の霧が常に充満する地に住んでいるのだから、無論人間ではありえない。白いエプロンドレスをまとった少女は、アリスと呼ばれる種だった。
しかし、呼ばれるというフレーズは不正確だろう。魔界の生き物たるサキュバスですらも寄り付かないその地に、彼女以外の意志ある者、名前を呼べる者など存在しないからだ。
彼女が一体何処からやってきたのか、なんという名前の両親から生まれたのか、何故このような魔境で一人ぼっちなのか、知る人は誰もいない。彼女自身も、自分の生い立ちや境遇については全く理解していなかった。
いつ建てられたのかも分からない古びた掘っ立て小屋に住まう彼女は、自分の名前どころか、果たしてそれが存在するのか、あるいは初めから名前などつけられていないのかということすら知らない。
そんな、絶対的に世界から断絶した少女は、しかし寂しさを感じることはなかった。彼女には、ちゃんと日々触れ合う相手がいたのだ。
生い茂った木々の枝葉、分厚い林冠に阻まれた薄暗い森の奥にも、朝は等しくやって来る。小屋の中で眼を覚ました彼女は、小さな体で伸びをすると、家の裏手へ出た。
そこには地下水の湧き出る泉がある。何者かによって深く掘り下げられた大穴は、原始的ながらも井戸としての役目を立派に果たす。
魔力をふんだんに含んだ、見た目だけは綺麗な湧き水で顔を洗うと、少女は軒下においてあったジョウロを取った。
人間で例えるなら10歳になるかならないか、幼く華奢な腕でちょっと大きめのジョウロを頑張って抱え、水を汲む。七分目ほどにまで水を満たすと、少女は水を入れたことでずいぶん重くなったそれを抱えて、えっちらおっちら歩いていった。
少女の家から徒歩ですぐ。森の中心部の、そのまた中心。他と比べても際立って触手植物の繁茂する箇所があった。
無防備な人間など言うに及ばず、武装した女聖騎士や加護を受けた主神教シスターですらも一分立たずに魔物化させてしまうであろう、見るからに貪欲な触手達。一本でも始末に困るそんな奴が、数えきれないくらい生い茂り、うねり、地面いっぱいに広がり跋扈している。
余りにおどろおどろしい光景を物ともせず、少女はジョウロを抱えて歩み寄る。触手たちも、何故か彼女を襲おうとはしない。脳も魂も持たない植物たちに、幼い女の子を愛でる心などありはしないはずなのに。
「はい、今日のお水だよ」
自分に相対しているものが一体どういうものなのか全く理解しないまま、少女はジョウロを傾けて周辺の蔓に水をやる。森の何処かにノームやウンディーネでも住んでいるのだろうか、高濃度の魔力が凝縮された地下水は植物にとってもまた美味なものらしく、降り注ぐ恵みの雨を浴びて、どこか満足気に蠢く。
触手全体の量からしてみれば、少女の運んでくる水などたかが知れている。それでも、触手たちは毎朝水をやりにきてくれるこの少女を愛し、歓迎する。
表面を潤されたことに反応してか、地面を這っていた細長い触手の一本が立ち上がり、先を曲げて端を彼女の顔に向けた。蛇が鎌首をもたげたような姿勢のそれに、アリスは微笑みかける。
「ありがとうって、言ってくれてるの？
ふふ。いいんだよ。わたしも、触手さんたちと一緒にいるの、楽しいから」
ストレートに放たれる親愛の言葉に、触手たちはウネウネ揺れて喜ぶ。言葉は一方通行だけれども、確かにそこにはコミュニケイションが存在していた。
毎日そんなやり取りを続けて、約一月経った頃。
いつものように水を汲んで触手たちを湿した少女は、何かいつもと違う雰囲気に気がついた。
ジョウロを空にしてもなお、触手たちが落ち着かない。ヌルヌル蠕動しては、頻りに少女にまとわりつき、身を寄せようとする。
不審を覚えた少女は、身を翻してその場を逃れようとしたが、叶わなかった。
背後から、見たこともないほど大量の触手が迫ってきていたのだ。
波か、あるいは壁にも見えるほどに殺到してくる触手植物。太い蔦が後から後から、彼女の矮躯を狙ってうねり来ているということは、性に無知な彼女にも理解できた。
「ひっ……」
慌てて逃げようとした所で、両脚を絡めとられた少女は敢え無く転倒した。倒れたところにも触手が這いまわっており、打撲は避けられたもののそのまま身体を拘束されてしまった。
細い手足に、生物的な触手が絡みつき動きを封じる。今のところ処女である少女は、醜い筋を浮かべたそれが一体何に酷似しているのか分からない。
「や、やめて、お願い……」
いつも楽しく遊んでくれていた触手たちの豹変。魔物娘としては例外的に、性の知識を失っている彼女は自分の何が狙われているのかも知らない。
地面に引き倒され、完全に動きを封じられた少女は非常な恐怖を感じていたが、こんなものはまだ序の口である。
脚に絡み付いていた触手たちのうち二本がアリスの股の方へ伸び出て、丈の長いスカートの中へ侵入したときに、彼女の背筋は凍りついた。
「そ、そこっ、ダメ、きたないよ……！」
フリルスカートの中、白くて綺麗な下着を粘液に塗れた触手たちは器用に剥ぎとる。
思考能力など持たないはずの植物が、どういうわけか今から犯そうとしている相手を丁重に扱っている光景は、滑稽と言うよりもむしろ悍ましいものだった。
恐怖と驚愕の余り声も出せなくなったアリスだが、たとえ叫ぶことが出来たとしても触手たちは退いたりしなかっただろう。森の産み出す瘴気だけでは飽きたらない魔界植物は、そこにある獲物を見逃すことなど決して無い。
エプロンドレスの下、白パンツを脱がした所から現れた未熟な女性器はぴっちり閉じていて、男性を迎え入れられるような状態にないことは明白だが、魂無き触手たちはそんなことに頓着しない。
が、腐っても魔界の生物ということなのだろうか、触手たちはいきなり挿入して幼女の膣を壊すような真似はしなかった。代わりに、控えめなスジを上下に優しくなぞり、彼女の中に眠る魔性を強制的に目覚めさせようとしている。
「うっ、やっ、な、なに、これ……？ これ、へんだよぉ……」
女性器に触れられると、彼女の中の無垢な部分は途端に鳴りを潜め、代わりに魔物らしい部分が現れてくる。ぬらついた触手で愛撫されてたちまち愛液を分泌し始めるその膣は、処女のものにしてはちょっと敏感過ぎるくらいだった。
魔物の魔力そのものといってもいい淫蜜が溢れ出してくると、陵辱者は更に活気づいた。
濡れた股間に自身の潤滑液を塗りこみ、バルトリン腺液と混ぜることで女性器の興奮を促す。
拘束されて犯されるアリスの顔には、恐怖とは全く逆の感情が浮かび始めていた。
一旦いけるとなったら止まらないのが触手。尖った先端で開き始めた膣口をほじり、幼いながらもしっかりと形作られたヒダをそっと撫でさすって、穢れを知らない少女を快楽へと導いていく。
少しづつ淫蜜の量が増し、触手先端と膣粘膜の間でクチュクチュという卑猥な水音が鳴るようになり始めると、暴行者は本格的に少女を貪る体勢に入る。
触手たちの中でも特に太い一本が、狭い膣道をじっくりと押し広げて挿入を始めたのだ。
大きさから言えば確実に入らない、膣の裂傷は避けられそうもないくらい凶悪なものが、大量の粘液をまとってじっくりと処女の身体を侵食していく。
一気に突き込んで壊してしまうような真似はせず、じっくりじっくり狭い肉筒を押し進み、括約筋をほぐしていくことで少女のおまんこを大人のそれへと塗り替えていく。
華奢で見発達な股に醜悪な触手が数cm埋まった頃になると、もうアリスの顔に嫌悪は全く無くなっていた。
むしろ、異形の者に強制される快楽を進んで楽しんでいるかのような、淫らで緩んだ娼婦のごとき顔がそこにある。余りにも早い堕落を、下品であると詰るだけの理性を持つものはこの森には住めない。
「はぁ、はぁ、なにこれ、すっごい……！ 触手さん、のお陰なの……？」
問いかけても、陵辱者は答えない。代わりに、もっと深く膣を犯すことで淫乱少女の要求に応えた。
完全に堕とし切ったのを悟ったか、触手は今までに倍する速度で挿入し始めた。
ずぶずぶと膣の奥、まだ誰にも汚されていない子宮の口まで犯し抜くために、暗緑色の蔓はたっぷりの油で処女膣の抵抗を鎮め、意思無き植物にすら胎内を自由にさせてしまうくらいにゆるい肉へと変えていく。
小さなおまんこが触手で一杯になり、先端が子宮口にコツンと触れた瞬間、囚われの淫少女は声にならない叫びを上げた。
「うっ……！？」
それが絶頂、エクスタシーであるということを、まだこのアリスは知らない。ただ喉を反らして、手足を震わせながら未知の感覚に翻弄されるばかりだ。
少女が絶頂しているのにも構わずに、あるいは絶頂しているのを感じていながらも更に深く彼女を感じさせるためにか、触手は肉壷から自身を引き抜こうとはしない。ぷるぷるした子宮の入り口にグロテスクな先端を執拗に押し当て、胎の中から少女をイかせようとする。
まだまだ幼いのに、魔性の生物によって強制的に女にさせられたアリスは、そんな異様な責めにとても耐え切れない。
絶頂につぐ絶頂、呼吸が止まって視界が真っ白に染まるくらい激しい感覚の只中に、更に腹の内側から激しく犯されることで、彼女の精神は完全に失調した。
「あ、ああ、ああああ、すご、しょくしゅさ、これ、しゅごいよぉっ！ もっ、もっろ、もっろ……」
何を言っているかすら意識できない唇からは、どこで知ったのかも思い出せない卑語が次から次へと飛び出す。耳を持たない筈の触手はそれをどう感じ取ったか、どこか嬉しげにうねり、一層多くの粘液を分泌する。
あまりに多すぎて潤滑液としての機能も失いかけている触手粘液は、勿論膣口から溢れ出る分もあるのだが、注がれる量が多すぎるせいで排出が追いつかない。
なにせ入り口はぶっとい触手それ自身によって栓されてしまっているのだから、溢れるにしてもだらだらと、雫を少しずつ垂らすようなものにしかならない。
結果アリスの膣内は粘液と愛液で満たされきって、収まり切らない分は子宮の方にまで流れこんでいった。
人間ならば初潮も来ていなさそうな幼い身体、その腹部だけが、淫らな液体によってぽっこり膨らまされる。悪趣味極まる光景を、彼女自身が最も楽しんでいた。
「う、へへ、これきもちいーい……しょ、しょくしゅひゃん、わらひのおまた、ずぽずぽしへぇ……？」
触手の汚液でボテ腹にされ、まるで妊婦のように下腹部を膨らまされた彼女の姿は余りに倒錯的で痛々しいものだったが、むしろ触手たちは彼女の異形を喜んでいるようだった。
粘液を注ぐだけでは飽きたらず、遂に先端が子宮に侵入すると、アリスは白目を向いて叫んだ。
「や、やぁぁぁっ！ しゅ、しゅごいのぉぉっ！ わらひ、トンじゃふぅっ！？」
スカートを完全に胸元まで捲り上げて、裸の下半身と薄い胸を全て晒した少女は、ひたすら森の凶行に狂っていった。
ふと目を覚ますと、もう夕暮れ。
自分が触手の上に寝転んでいることに気づいたアリスは、優しく撫でて礼を言った。
「いつのまにか、寝ちゃてたんだね。……ふふ。ありがとう触手さん。私のベッドになってくれて」
清らかな感謝の表情に、先ほどまであった淫婦の面影は全く無い。触手の方も、少女の生殖器を奥の奥まで犯していた時とは打って変わって優しげに、その先端を彼女の柔肌にすり寄せる。
「やん、くすぐったいてばっ。
……さて、夜になるといけないから、私もう帰るね。明日また、お水持ってきてあげるから」
そう言って立ち上がったアリスを、触手たちが先端を振って見送る。愛液の匂いも粘液の異臭も、陵辱の痕跡となりそうなものは全て消し去られていた。
アリスは忘れる魔物。何度触手たちに犯されたとしてもすぐにその記憶を失い、また元通り、触手植物をペットか何かのように慈しむ、優しく清楚な少女へと戻る。
そもそも、他の人も魔物もやってこない森の奥地で、一日一回水をやるだけで大量の蔓植物が生存できる筈も無い。生きるための魔力に飢えた触手たちはこうして、月に一回ほど少女を陵辱し、その渇きを満たすのだ。
何度繰り返しても、アリスが触手による陵辱劇を思い出すことは無い。魂無き植物が、それを思うことも無い。
彼女が生まれてから今まで何度となく繰り返され、これからも無限に続くであろう、アリスと触手の交歓。濃密な瘴気で守られた、彼女たちの王国は、こうして永久に愛を反復し、平和であり続けるのだろう。
12/01/24 23:17更新 / ナシ・アジフ