All Nightmare Long
始まりは、何気ない一言だった。
ある夜。その気弱そうな外見とは裏腹に、一日たりとも愛する男の精無しではいられないほど好色なナイトメアを嫁に迎えた男、ラッシュは自分の妻、インカースにある提案をした。
「お前のその大きな胸で、俺のものを挟んでみてくれないか」
「……変態」
ナイトメアのご多分に漏れず、インカースも現実世界では自己主張の苦手なタイプではあるのだが、それでも夫のこの提案にはおいそれと賛同できない様子であった。
「……おっぱいは、赤ちゃんのためのものなんだよ……?それをえっちな事に使うなんて、おかしいよ……」
「じゃあ、お前が毎晩、俺にそのでかい乳を揉みしだかれてあんあん言ってるのは、あれは何だ？」
夫の指摘に、インカースの顔が真っ赤になる。彼女とて魔物娘、性的なことに対する嫌悪感は無い。だが、いくら乳房が大きかろうと柔らかかろうと、それに挟むだけで男が快楽を得るとは、彼女には到底信じられないのだった。
「……お口でしゃぶるのは、時々してるのに…… それじゃ、駄目なの……?」
「いや、俺もお前以外の女を知らんので確実なことは言えんのだがな。
柔らかい美巨乳に挟まれ嬲られることは、男にとってひとつの夢、到達点、マイルストーンとでも言うべきことらしいのだ」
「……わけ分かんない……」
夫が暗に自分の体を褒めたことに気付き、インカースの頬はより一層赤みを増す。ラッシュがこんな風に、甘言を弄して自分をその気にしようとしているのだ、と知ってはいるが、それでも喜ばずにはいられない、と言った風である。何より始末に悪いのは、夫の言葉が本心から出ているものだと、インカース自身理解してしまっていることだった。
「……なんで私が、パイズリなんか……」
「お、名前知ってるのか。実は前から興味あったとか?」
「……ばか」
最早拒絶は言葉の上のみ、と判断したラッシュは手早く衣服を脱ぎ、妻への愛と欲情に激った体を恥ずかしげもなく晒した。
「さあ、俺の脚の間においで!おっぱいの可能性を見せてみろ!」
「……一回だけだからね……？」
「HAHAHA、乳首立たせてそんなこと言っても説得力がないぜマイハニー！」
「!」
まだ上半身を晒しても居ないのに、どうしてラッシュは自分の体の状態を知っているんだろう。そう思いはしたが言葉には出さない。にもかかわらずラッシュは
「妻の発情を察知せずして、何が夫か!」
などと嘯いてみせるのだった。
結局、夫の勢いにインカースが押し切られる形で今夜の営みは始まった。いつものことといえばそうなのだが、毎度リードされっぱなし、翻弄されっぱなしというこの状況にいささか忸怩たる物があるインカースであった。
脚を折り、ラッシュの眼下に跪いて、両の乳房を晒す。散々夫の陰茎を見せつけられたせいで、触れられても居ない筈のその乳首は赤く、淫猥にしこり立っていた。
自分の肌の瑞々しさ、しなやかさにはそれなりの自信を持っていたインカースだが、胸乳で肉棒を愛するときには潤滑油となるものが必要なことも、また理解していた。生憎ローションの類は準備していないので -夫とペッティングしているだけで布団をじっとり濡らしてしまうほど、インカースが濡れやすく汁気の多い体質であるため- 、唾をたっぷりと口内に溜め、舌で夫のものに塗す事で、その代わりとした。
自身の唾液でぬらぬらと光る夫の男性器を見るだけで、インカースは堪らなくなってきた。今すぐ、この凶器を自分の女陰にぶち込んで、思うまま犯して欲しい。いつものように激しいピストンで責め立てて、膣の一番奥に精を放って欲しい。
しかし、夫はそんな妻の情欲を知ってか知らずか、いや確実に知っているのだろう、その上で動こうとはしない。
取り敢えず一回おっぱいで射精させないことには、事態は進展しないとインカースは否応なく理解させられた。両の手でその爆乳を横から支え、ラッシュの肉茎に添える。性欲に激った乳房に男性器を当てるその行為に、どうしようもなく性感を掻き立てられる。
夫のものを乳肉で包みこみ、亀頭より下はほとんど見えなくなってしまった。唾でぬめり、外に暴れ出ようとする陰茎を、乳房で挟み込み捉える。鈴口を顔の方へ向け、いつ旦那様が暴発してもちゃんと精を顔面で受け止められるようにして、インカースはパイズリを始めた。
おっぱいをえっちな事に使うなんて、などと言っていた筈の彼女の淫乳は、男の精を貪る魔物娘に相応しく陰茎にぴたりと張り付き、女陰とも口とも違った快感を与えていた。最初に塗った唾液に加え、いつの間にか漏れ出ていたインカースの母乳が更に摩擦係数を減らし、夫の精液を搾り取ろうとする。
「……こんなので、本当に気持ちいいの……?」
「ああ、これ、いい……おっぱい最高……」
「……やっぱり変態だ……この、おっぱいフェチ……」
揶揄するような言葉とは裏腹に、インカースは乳摺りが楽しくなってきていた。毎晩自分を激しく責め立て絶頂させ、思う様膣内射精するこの男が、おっぱい押し付けられただけで天にも昇るような顔をしているということで、 彼女の自尊心は大いに満たされた。
乳汁と先走りと汗と唾とで激しく滑る陰茎を、乳の谷間から逃がさないようにして刺激を与えるのは骨が折れたが、段々とインカースもコツを掴みつつあった。左右の乳房を互い違いに動かし、より不規則な快感を与える。時々、ガチガチに硬くなった肉棒が勢い余って乳の外へ飛び出そうになるが、そんな不意の動きすらも夫を快楽責めにするのに十分役に立つのだと、低く抑えた呻き声からインカースは既に理解していた。
フェラチオほど口や顎が疲れるわけでもないし、手コキよりも夫は激しくよがっている。何より自分が主導権を持って、愛する者を思うままに悶えさせるという経験は、現実世界では彼女にとって初めてのことだった。
「ん、インカースっ……もう……」
「……出るの?おっぱいとお顔に、いっぱい射精してね……」
乳房を両手で自ら揉みしだき、乳首を恋人の肉茎に擦りつけ続けたせいで、インカースの性感も限界まで高まっていた。胸だけでイくなんてはしたない、とも感じたが、今は寧ろ夫と一緒に絶頂に至れることを嬉しく思う。子種液を欲して、ラストスパートを掛ける。カリ首の辺りを舌でつついてやると、ラッシュのものは暴発した。
二度、三度と陰茎が白濁液を吹き上げ、淫乳女の顔と胸を白く染めていく。本日一度目ということを考慮しても規格外の射精量が、ラッシュの歓びを表していた。
同時にインカースも、母乳と淫蜜を吹き出しながらエクスタシーを感じていた。思うままに男を感じさせ射精させ、自身も同時に達することができたことに、深く満足していた。
精力旺盛な魔物娘とその夫の睦み合いが、一度や二度で終わるはずがない。普段ならばここからまた夫主導の性交が始まるのだろうし、インカースとしてもそれを期待していなかったわけではないのだが、先程のパイズリの成功により、彼女の内に今までに無い衝動が沸き上がってきた。
もっと、夫を自分の手で気持良くさせてあげたい。自由を奪って、否応なく快楽を味わわせたい。
射精する場所も選べず、ただ搾り取られる夫の悔しげな顔が見たい。
現実世界ではずっと鳴りを潜めていた彼女の凶悪な一面が、これを切っ掛けに一気に暴れだした。
「……ラッシュ」
「何だ……、!?」
催眠魔術を掛けてやると、ラッシュはすぐに眠りに落ちた。射精直後で虚脱した男を眠らせることなど、ナイトメアにとっては文字通り朝飯前の事である。夫の入眠を確認すると、一刻も待ちきれぬ様子で夢の世界へ飛び込んでいった。
突然意識を奪われ、何処ともしれぬ場所に放り込まれたラッシュは、しかし狼狽えることはなかった。ここがどこか、誰に連れてこられたのか、よく理解しているが故である。
「……インカース、どういうつもりだ?」
彼が呼びかけると、音もなくインカースがその姿を表した。一見先程までと何も変わらないが、長い前髪の奥に光る双眸は、いやにギラギラと好色な色を呈していた。
と、ラッシュは自分が全裸で、仰向けに寝ており、身動きがとれないことを知った。初めて妻と会った時とほぼ同じシチュエーションであるが、今から彼女と交わることになるのだろうか。ならばなぜ、わざわざこの夢の世界へ自分を連れてきたのだ。
「……貴方を、もっと気持ちよくしてあげるの」
愛する夫を自分の領域に引き込み、肉体の支配権を完全に奪ったインカースは、熱に浮かされたようにそう呟いた。衣を脱ぎ捨て胸乳を露出させると、先程のように跪き、陰茎を胸の谷間に挿し込んだ。
「お、お前、何を」
「……イキたくなったらいつでも射精してね。何回イってもずっとパイズリし続けてあげるから、おっぱい、精液塗れのべたべたにしてね」
そう言うと、インカースはラッシュの亀頭を口に含み、唇でカリ首を責めながら唾液を垂らし始めた。竿を濡らすと同時に敏感な部分を口全体で嫐るこの行為にラッシュは思わず腰を引こうとしたが、叶わない。
「……もう良いかな?」
十分に濡れた肉茎に、インカースはその美爆乳を宛てがってきた。既にパイズリの基礎スキルは先ほど身につけた。あとは、実践あるのみ。
両手で乳房を交互にこね回し、谷間から顔を出す亀頭に啄むような軽いキスの雨を降らせる。止めどなく溢れる我慢汁を残さず舌で掬い舐めとる。鈴口を舌先で軽く割り開いてやると、陰茎全体が引き攣るようにびくりと震えた。
「……やっぱり、パイズリフェラが気持ちいいんだね……そんなおっぱいフェチの変態さんの精液は、ちゅるちゅるっと吸い出しちゃいましょうね」
再び亀頭全体を口に含み、強く吸引する。竿への爆乳奉仕は絶えず快楽を送り込み、ラッシュはものも言えずただ精液を放つ他無かった。
尿道を通じて、精嚢から子種を残らず吸われるような感覚にラッシュは戦慄する。口調こそ丁寧だが、インカースは今ナイトメアとしての力を振るうことに一切の躊躇いが無い。どうして彼女の嗜虐心に火が着いたのかは理解できなかったが、こうなった以上、彼女が満足するまで自分は嫐られ搾られ続けるのだという確信はあった。
巨乳快楽攻めとバキュームフェラでの搾精量は、インカースの口腔を一杯に満たしてもなお収まりきらず、口の端から垂れた分で胸の谷間が真っ白に染まるほどであった。愛する夫のお情けを存分に味わいますます性欲を高めたインカースは、
「……また、おっぱい汚して……そんなに、乳搾りされたいの……?」
と、サディスティックな笑みを浮かべる。
たっぷり吐き出された白い汚液を乳肌にすり込むように自ら揉みしだき、昼間は浮かべたことの無い淫らな表情の彼女は、糸を引く程濃厚な精液をおっぱいの間に貯めて、愛しい旦那様を誘う。
「……おっぱい遊び、楽しいですねぇ。でも、ちょっと疲れてしまいました。今度は貴方が、動いてみてください」
言われるがまま、ラッシュは直立して硬くなったままの物を巨乳の谷間に沈める。やわやわした乳脂肪に上下左右から挟み込まれると、そのあまりの心地良さに、彼は半ば無意識的に腰を振っていた。
妻をバックから責めるのにも似た体勢だが、彼の肉棒に絡むのが膣肉ではなく乳肉であるという点が大きく異なっていた。所謂、縦パイズリという奴である。
「……はあ、はあ、なんで、腰が止まらない……」
「……なんだか、おっぱいがレイプされてるみたい……また我慢できなくなったら、イっていいからね……?」
ナイトメアの魔力によるものか、それとも自身が愛妻の媚乳に溺れてしまっているのか、ただラッシュはピストン運動をする以外なかった。見た目にはラッシュがインカースの女の象徴を陵辱しているようにも取れるが、実際には、豊満な乳肉の淫気に当てられたか弱い男が、ただただ精気を捧げようとしているに過ぎない。陵辱、と呼ぶならば、その被害者は男の方で間違いない。
パイズリフェラとは違い舌による刺激や吸引責めは無いが、赤く勃起した乳首が度々竿を軽く刺激してくるのがもどかしい。精液を啜り上げるのではなく、じわりじわりと感じさせて白濁を漏らさせる、そんなおっぱい遊び。カリ首が精液に塗れた乳肌と触れる度、ラッシュは一歩一歩自分が絶頂に近づいているのを感じていた。
「くっ、も、もう……」
ラッシュが限界を訴えると、インカースは両手に力を込め、乳房の圧迫を強めた。胸の中で出せ、ということだろう。そう考えたラッシュは腰の動きを早め、精が漏れ出るのに身を任せた。
陰茎が脈動し、白濁が胸の谷間に溢れてくる。パイズリフェラの時は乳房の上半分を主に汚してしまったが、今回ので下半分にもぶっかけたことになるのだろうか。
吐精が終わり、喉から臍の上辺りまで上半身で余さず精液を受け止めたインカースは、しかしまだ満足には程遠い、とでも言いたげに舌舐りをした。いかなる故にか未だに硬さを失わないラッシュの肉茎を見据え、
「……おっぱいで男の人の精液搾りとるのがこんなに楽しいなんて、知りませんでした……
子供が出来るわけでもないのに、気持ちいい気持ちいいってこんなに精液漏らして、情けないですね……
……決めました。今夜は、おまんこには入れさせてあげません。胸に挟んだだけでイっちゃう変態おちんちん、私が叩き直してあげます」
夢の中という、自身の最も得意とする領域にあって、媚乳ナイトメアの興奮は一向に収まる気配を見せない。
後何十回パイズリされれば、現実に戻れるのだろうか。いっそこのまま、ここでずっと妻とその胸に愛され続けたい。ラッシュはぼんやりと、考えるでもなく考えていた。
ある夜。その気弱そうな外見とは裏腹に、一日たりとも愛する男の精無しではいられないほど好色なナイトメアを嫁に迎えた男、ラッシュは自分の妻、インカースにある提案をした。
「お前のその大きな胸で、俺のものを挟んでみてくれないか」
「……変態」
ナイトメアのご多分に漏れず、インカースも現実世界では自己主張の苦手なタイプではあるのだが、それでも夫のこの提案にはおいそれと賛同できない様子であった。
「……おっぱいは、赤ちゃんのためのものなんだよ……?それをえっちな事に使うなんて、おかしいよ……」
「じゃあ、お前が毎晩、俺にそのでかい乳を揉みしだかれてあんあん言ってるのは、あれは何だ？」
夫の指摘に、インカースの顔が真っ赤になる。彼女とて魔物娘、性的なことに対する嫌悪感は無い。だが、いくら乳房が大きかろうと柔らかかろうと、それに挟むだけで男が快楽を得るとは、彼女には到底信じられないのだった。
「……お口でしゃぶるのは、時々してるのに…… それじゃ、駄目なの……?」
「いや、俺もお前以外の女を知らんので確実なことは言えんのだがな。
柔らかい美巨乳に挟まれ嬲られることは、男にとってひとつの夢、到達点、マイルストーンとでも言うべきことらしいのだ」
「……わけ分かんない……」
夫が暗に自分の体を褒めたことに気付き、インカースの頬はより一層赤みを増す。ラッシュがこんな風に、甘言を弄して自分をその気にしようとしているのだ、と知ってはいるが、それでも喜ばずにはいられない、と言った風である。何より始末に悪いのは、夫の言葉が本心から出ているものだと、インカース自身理解してしまっていることだった。
「……なんで私が、パイズリなんか……」
「お、名前知ってるのか。実は前から興味あったとか?」
「……ばか」
最早拒絶は言葉の上のみ、と判断したラッシュは手早く衣服を脱ぎ、妻への愛と欲情に激った体を恥ずかしげもなく晒した。
「さあ、俺の脚の間においで!おっぱいの可能性を見せてみろ!」
「……一回だけだからね……？」
「HAHAHA、乳首立たせてそんなこと言っても説得力がないぜマイハニー！」
「!」
まだ上半身を晒しても居ないのに、どうしてラッシュは自分の体の状態を知っているんだろう。そう思いはしたが言葉には出さない。にもかかわらずラッシュは
「妻の発情を察知せずして、何が夫か!」
などと嘯いてみせるのだった。
結局、夫の勢いにインカースが押し切られる形で今夜の営みは始まった。いつものことといえばそうなのだが、毎度リードされっぱなし、翻弄されっぱなしというこの状況にいささか忸怩たる物があるインカースであった。
脚を折り、ラッシュの眼下に跪いて、両の乳房を晒す。散々夫の陰茎を見せつけられたせいで、触れられても居ない筈のその乳首は赤く、淫猥にしこり立っていた。
自分の肌の瑞々しさ、しなやかさにはそれなりの自信を持っていたインカースだが、胸乳で肉棒を愛するときには潤滑油となるものが必要なことも、また理解していた。生憎ローションの類は準備していないので -夫とペッティングしているだけで布団をじっとり濡らしてしまうほど、インカースが濡れやすく汁気の多い体質であるため- 、唾をたっぷりと口内に溜め、舌で夫のものに塗す事で、その代わりとした。
自身の唾液でぬらぬらと光る夫の男性器を見るだけで、インカースは堪らなくなってきた。今すぐ、この凶器を自分の女陰にぶち込んで、思うまま犯して欲しい。いつものように激しいピストンで責め立てて、膣の一番奥に精を放って欲しい。
しかし、夫はそんな妻の情欲を知ってか知らずか、いや確実に知っているのだろう、その上で動こうとはしない。
取り敢えず一回おっぱいで射精させないことには、事態は進展しないとインカースは否応なく理解させられた。両の手でその爆乳を横から支え、ラッシュの肉茎に添える。性欲に激った乳房に男性器を当てるその行為に、どうしようもなく性感を掻き立てられる。
夫のものを乳肉で包みこみ、亀頭より下はほとんど見えなくなってしまった。唾でぬめり、外に暴れ出ようとする陰茎を、乳房で挟み込み捉える。鈴口を顔の方へ向け、いつ旦那様が暴発してもちゃんと精を顔面で受け止められるようにして、インカースはパイズリを始めた。
おっぱいをえっちな事に使うなんて、などと言っていた筈の彼女の淫乳は、男の精を貪る魔物娘に相応しく陰茎にぴたりと張り付き、女陰とも口とも違った快感を与えていた。最初に塗った唾液に加え、いつの間にか漏れ出ていたインカースの母乳が更に摩擦係数を減らし、夫の精液を搾り取ろうとする。
「……こんなので、本当に気持ちいいの……?」
「ああ、これ、いい……おっぱい最高……」
「……やっぱり変態だ……この、おっぱいフェチ……」
揶揄するような言葉とは裏腹に、インカースは乳摺りが楽しくなってきていた。毎晩自分を激しく責め立て絶頂させ、思う様膣内射精するこの男が、おっぱい押し付けられただけで天にも昇るような顔をしているということで、 彼女の自尊心は大いに満たされた。
乳汁と先走りと汗と唾とで激しく滑る陰茎を、乳の谷間から逃がさないようにして刺激を与えるのは骨が折れたが、段々とインカースもコツを掴みつつあった。左右の乳房を互い違いに動かし、より不規則な快感を与える。時々、ガチガチに硬くなった肉棒が勢い余って乳の外へ飛び出そうになるが、そんな不意の動きすらも夫を快楽責めにするのに十分役に立つのだと、低く抑えた呻き声からインカースは既に理解していた。
フェラチオほど口や顎が疲れるわけでもないし、手コキよりも夫は激しくよがっている。何より自分が主導権を持って、愛する者を思うままに悶えさせるという経験は、現実世界では彼女にとって初めてのことだった。
「ん、インカースっ……もう……」
「……出るの?おっぱいとお顔に、いっぱい射精してね……」
乳房を両手で自ら揉みしだき、乳首を恋人の肉茎に擦りつけ続けたせいで、インカースの性感も限界まで高まっていた。胸だけでイくなんてはしたない、とも感じたが、今は寧ろ夫と一緒に絶頂に至れることを嬉しく思う。子種液を欲して、ラストスパートを掛ける。カリ首の辺りを舌でつついてやると、ラッシュのものは暴発した。
二度、三度と陰茎が白濁液を吹き上げ、淫乳女の顔と胸を白く染めていく。本日一度目ということを考慮しても規格外の射精量が、ラッシュの歓びを表していた。
同時にインカースも、母乳と淫蜜を吹き出しながらエクスタシーを感じていた。思うままに男を感じさせ射精させ、自身も同時に達することができたことに、深く満足していた。
精力旺盛な魔物娘とその夫の睦み合いが、一度や二度で終わるはずがない。普段ならばここからまた夫主導の性交が始まるのだろうし、インカースとしてもそれを期待していなかったわけではないのだが、先程のパイズリの成功により、彼女の内に今までに無い衝動が沸き上がってきた。
もっと、夫を自分の手で気持良くさせてあげたい。自由を奪って、否応なく快楽を味わわせたい。
射精する場所も選べず、ただ搾り取られる夫の悔しげな顔が見たい。
現実世界ではずっと鳴りを潜めていた彼女の凶悪な一面が、これを切っ掛けに一気に暴れだした。
「……ラッシュ」
「何だ……、!?」
催眠魔術を掛けてやると、ラッシュはすぐに眠りに落ちた。射精直後で虚脱した男を眠らせることなど、ナイトメアにとっては文字通り朝飯前の事である。夫の入眠を確認すると、一刻も待ちきれぬ様子で夢の世界へ飛び込んでいった。
突然意識を奪われ、何処ともしれぬ場所に放り込まれたラッシュは、しかし狼狽えることはなかった。ここがどこか、誰に連れてこられたのか、よく理解しているが故である。
「……インカース、どういうつもりだ?」
彼が呼びかけると、音もなくインカースがその姿を表した。一見先程までと何も変わらないが、長い前髪の奥に光る双眸は、いやにギラギラと好色な色を呈していた。
と、ラッシュは自分が全裸で、仰向けに寝ており、身動きがとれないことを知った。初めて妻と会った時とほぼ同じシチュエーションであるが、今から彼女と交わることになるのだろうか。ならばなぜ、わざわざこの夢の世界へ自分を連れてきたのだ。
「……貴方を、もっと気持ちよくしてあげるの」
愛する夫を自分の領域に引き込み、肉体の支配権を完全に奪ったインカースは、熱に浮かされたようにそう呟いた。衣を脱ぎ捨て胸乳を露出させると、先程のように跪き、陰茎を胸の谷間に挿し込んだ。
「お、お前、何を」
「……イキたくなったらいつでも射精してね。何回イってもずっとパイズリし続けてあげるから、おっぱい、精液塗れのべたべたにしてね」
そう言うと、インカースはラッシュの亀頭を口に含み、唇でカリ首を責めながら唾液を垂らし始めた。竿を濡らすと同時に敏感な部分を口全体で嫐るこの行為にラッシュは思わず腰を引こうとしたが、叶わない。
「……もう良いかな?」
十分に濡れた肉茎に、インカースはその美爆乳を宛てがってきた。既にパイズリの基礎スキルは先ほど身につけた。あとは、実践あるのみ。
両手で乳房を交互にこね回し、谷間から顔を出す亀頭に啄むような軽いキスの雨を降らせる。止めどなく溢れる我慢汁を残さず舌で掬い舐めとる。鈴口を舌先で軽く割り開いてやると、陰茎全体が引き攣るようにびくりと震えた。
「……やっぱり、パイズリフェラが気持ちいいんだね……そんなおっぱいフェチの変態さんの精液は、ちゅるちゅるっと吸い出しちゃいましょうね」
再び亀頭全体を口に含み、強く吸引する。竿への爆乳奉仕は絶えず快楽を送り込み、ラッシュはものも言えずただ精液を放つ他無かった。
尿道を通じて、精嚢から子種を残らず吸われるような感覚にラッシュは戦慄する。口調こそ丁寧だが、インカースは今ナイトメアとしての力を振るうことに一切の躊躇いが無い。どうして彼女の嗜虐心に火が着いたのかは理解できなかったが、こうなった以上、彼女が満足するまで自分は嫐られ搾られ続けるのだという確信はあった。
巨乳快楽攻めとバキュームフェラでの搾精量は、インカースの口腔を一杯に満たしてもなお収まりきらず、口の端から垂れた分で胸の谷間が真っ白に染まるほどであった。愛する夫のお情けを存分に味わいますます性欲を高めたインカースは、
「……また、おっぱい汚して……そんなに、乳搾りされたいの……?」
と、サディスティックな笑みを浮かべる。
たっぷり吐き出された白い汚液を乳肌にすり込むように自ら揉みしだき、昼間は浮かべたことの無い淫らな表情の彼女は、糸を引く程濃厚な精液をおっぱいの間に貯めて、愛しい旦那様を誘う。
「……おっぱい遊び、楽しいですねぇ。でも、ちょっと疲れてしまいました。今度は貴方が、動いてみてください」
言われるがまま、ラッシュは直立して硬くなったままの物を巨乳の谷間に沈める。やわやわした乳脂肪に上下左右から挟み込まれると、そのあまりの心地良さに、彼は半ば無意識的に腰を振っていた。
妻をバックから責めるのにも似た体勢だが、彼の肉棒に絡むのが膣肉ではなく乳肉であるという点が大きく異なっていた。所謂、縦パイズリという奴である。
「……はあ、はあ、なんで、腰が止まらない……」
「……なんだか、おっぱいがレイプされてるみたい……また我慢できなくなったら、イっていいからね……?」
ナイトメアの魔力によるものか、それとも自身が愛妻の媚乳に溺れてしまっているのか、ただラッシュはピストン運動をする以外なかった。見た目にはラッシュがインカースの女の象徴を陵辱しているようにも取れるが、実際には、豊満な乳肉の淫気に当てられたか弱い男が、ただただ精気を捧げようとしているに過ぎない。陵辱、と呼ぶならば、その被害者は男の方で間違いない。
パイズリフェラとは違い舌による刺激や吸引責めは無いが、赤く勃起した乳首が度々竿を軽く刺激してくるのがもどかしい。精液を啜り上げるのではなく、じわりじわりと感じさせて白濁を漏らさせる、そんなおっぱい遊び。カリ首が精液に塗れた乳肌と触れる度、ラッシュは一歩一歩自分が絶頂に近づいているのを感じていた。
「くっ、も、もう……」
ラッシュが限界を訴えると、インカースは両手に力を込め、乳房の圧迫を強めた。胸の中で出せ、ということだろう。そう考えたラッシュは腰の動きを早め、精が漏れ出るのに身を任せた。
陰茎が脈動し、白濁が胸の谷間に溢れてくる。パイズリフェラの時は乳房の上半分を主に汚してしまったが、今回ので下半分にもぶっかけたことになるのだろうか。
吐精が終わり、喉から臍の上辺りまで上半身で余さず精液を受け止めたインカースは、しかしまだ満足には程遠い、とでも言いたげに舌舐りをした。いかなる故にか未だに硬さを失わないラッシュの肉茎を見据え、
「……おっぱいで男の人の精液搾りとるのがこんなに楽しいなんて、知りませんでした……
子供が出来るわけでもないのに、気持ちいい気持ちいいってこんなに精液漏らして、情けないですね……
……決めました。今夜は、おまんこには入れさせてあげません。胸に挟んだだけでイっちゃう変態おちんちん、私が叩き直してあげます」
夢の中という、自身の最も得意とする領域にあって、媚乳ナイトメアの興奮は一向に収まる気配を見せない。
後何十回パイズリされれば、現実に戻れるのだろうか。いっそこのまま、ここでずっと妻とその胸に愛され続けたい。ラッシュはぼんやりと、考えるでもなく考えていた。
11/08/08 09:42更新 / ナシ・アジフ