堕落論
愛する妻が待ってくれている家に帰宅するほど、心満たされることはない。
ジェンスはある一人の魔物娘と結婚して以来、常々そう思っていた。人生の墓場などと言う奴には言わせておけばよい。妻と共に居られるのならば、墓場だろうが地獄だろうが一向に構わない。そう言い切れるほど、ジェンスは妻に惚れ込んでいた。何より彼にとって嬉しいのは、妻の方もまた夫たる自分に惚れ込んでくれているという事実である。
自宅の扉を開けると、彼の予想に違わず、愛する妻、人間の上半身と蛇の下半身を持つ魔物娘、ラミアのアイファが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ。旦那様」
「ああ。ただいま」
端から見れば何ということのないやりとりだが、新婚夫婦にとってはこれから二人だけの甘い時間が始まる、その合図のようなものである。家に入り後ろ手にドアを閉めながら、ジェンスは今日は何分くらいアイファを待たせてしまっただろうか、帰宅時間を予め告げられる方法があればな、などと考えた。
「それでは、お風呂にしましょうね」
「もう湧いてるのか?」
「ええ。良い湯加減ですよ」
この家の風呂は、購入当初には備え付けられていなかったものを、アイファのたっての希望により増築したものである。多少の出費は強いられたが、これはこれでなかなかいいものであると、ジェンスは妻ともども満足していた。
脱衣所で服を脱ぎ、妻と共に風呂場へ入る。二人で浴槽に浸かり、一頻り体を温め合った後、毎日の儀式が始まる。
「それでは旦那様、今日一日の汚れを私が洗い落として差し上げますね」
そうアイファが言うと、石鹸を泡立て、お互いの下半身に塗り込め始めた。いい感じに泡だった後、アイファはジェンスの脚に自身の蛇を絡みつかせた。
同時に、両手でも石鹸を泡立て、ジェンスの上半身を丹念に洗浄する。乳首や項、耳たぶといった敏感な部位も容赦なく責め立て、愛撫する。
「今日、お外で浴びた他の女どもの臭い、全部こうやって消し去ってあげます」
きれい好きな彼女は下半身の洗浄も怠らない。自身の蛇部をスポンジのように使い、愛する夫の太もも、脹脛、足裏に至るまで余さず磨き上げる。鱗の向きに配慮し、動きを吟味することでジェンスにはほとんど痛みを与えず、さながら垢擦りのような奉仕を可能としていた。
心より愛する美しい妻に密着され、こうまで献身的にされては、ジェンスのものがいきり立つまでにそう時間は要らない。いつもの通り硬くなったジェンスの陰茎を見たアイファは、淫靡に微笑むと、しかし
「まだ駄目ですよ、旦那様。ここは最後に、じっくり洗ってあげます。下品な女どもの嗅覚を刺激してしまわないように、ね」
と、少し焦らしてみせるのだった。
手、脚、胴、頭と湯浴み奉仕が一通り終わり、未だ萎えていないジェンスの肉棒を見ると、アイファは嬉しげに微笑んだ。
「いつもいつも、こんなに硬くして……あなたを綺麗にするためにやっていることですと、ちゃんと言っているのに」
「そう言われても、お前みたいな美人にくっつかれたら、誰だってこうなる」
「まあ、お上手。じゃあ今日は……旦那様の好きな、このおっぱいでおちんちん洗ってあげます」
アイファが片手で乳房を下から掲げ、その大きさと深い谷間を強調するようにすると、ジェンスはより一層興奮した。洗われている間、アイファは股間にほとんど触れてくれなかったので、彼の辛抱ももう限界に達していた。
「それでは、失礼して」
潤滑油がわりの唾液をたっぷりと垂らし、両手で胸乳を夫の陰茎に宛てがう。片手に余る、という表現がしっくり来る、それはまさに爆乳であった。
ただ大きいだけでなく、柔らかさと靭やかさ、そして肉棒にぴったりと張りつく瑞々しさを兼ね備えた妻の巨乳に挟まれると、それだけでもうジェンスは快感に溺れ何もできなくなる。
アイファは唾液を継ぎ足しつつ、左右の乳房を動かし責める。乳肉の間から顔を出す亀頭に、時折長細い蛇の舌で刺激を与える。爆乳パイズリ奉仕の快感に溺れる愛妻家は、もう限界が近いようだった。
「うっ……アイファ、もう……」
そう言われても、アイファはおっぱい遊びをやめようとはしない。名目上、これは「洗浄」なのだから。旦那様を気持ちよくイかせるためにしているのではないのだから、などと苦しい言い訳を心の中で繰り返しつつも、愛する夫の射精を待ち望む。早く、自分の胸で気持ちよくなって欲しい。おっぱいに精液を思う存分ぶっ掛けて汚して欲しい。そんな思いが彼女の奉仕をより激しくさせ、ジェンスを追い込む。
「ああ、アイファ、で……出るっ!」
言った直後、今日一日溜め込まれた白濁液が、アイファの胸に降り注いだ。間欠泉の如く、断続的に精液を吹き上げ、巨乳の谷間を白く染めていく。
一瞬、精液の青臭い臭いに意識を奪われていたアイファだったが、すぐに自我を取り戻した。
「おちんちん、汚してしまいましたね……きれいにしてあげると、言っておいたのに……
また一から洗いなおしじゃないですか。今度はちゃんと最後まで我慢してくださいね」
アイファは昂った口調でそう告げると、精液のおかげで更に滑りが良くなった陰茎に再びパイズリ奉仕を始めた。
きっと、あと一回では終わらないだろう。脱力しつつも、ジェンスはこの女を嫁として迎えられたことに限りない幸福を感じていた。
風呂から上がり夕食を終え、しばらくするとアイファはゆっくりとジェンスをベッドへと押し倒した。結婚前からずっと欠かしたことのない、大切な夫婦の時間が今日も始まるのだ。
「他の女の匂いはお風呂で消したので……今度は、私の匂いをすり込んであげます」
瞬く間にお互いの衣服を剥ぎ取り、全裸となって向かい合う。先程の風呂場での交歓を含め、今までなんども見てきた妻の裸身ではあるが、初めてみた時と同じくジェンスは、綺麗だ、と思った。
ベッドに仰向けで横たわったジェンスの両脚に、アイファの下半身が巻きつき、拘束していく。痛みを感じたり、血行が止まったりすることこそ無いが、自分の意志で足を動かすことも拘束を解くこともできない、そんなかたい抱擁。これから自分は、妻の気の済むまで犯されるのだ。そう考えると、風呂場で散々出したにもかかわらずまた自分の陰茎が回復していくのを、ジェンスは感じていた。
「あら、もうこんなにお元気。そんなに締め付けられるのがいいんですの?旦那様、もしかして変態?」
「締め付けられるのがいいというか、アイファにくっつかれるのが良いんだよ。それに、愛妻料理も食べられたしな」
「女房口説くのもいい加減になさいな」
そっけない言葉とは裏腹に顔満面に気色を湛えたアイファは、前戯の必要もないほど濡れそぼった女陰を、既に臨戦状態へ復帰したジェンスの肉棒へゆっくりと降ろしていった。
いや、今からの交わりが前戯となるのか。愛液と精液に塗れるほど、アイファの肉筒はより一層夫を喜ばせるのだから。
既に何度も男性器を迎え入れているのにもかかわらず依然としてきつさとしまりを失わないアイファの女性器が、じわじわとジェンス自身を飲み込んでいく。その動きは獲物をまず飲み込み、しかるのちにゆっくり消化する蛇そのもの。脚を縛られ、腰を使うことすら満足にできないジェンスは、今宵も妻の望むままに啼くことになるのだ。
「ああん、おっきくて、カタいおちんちん……いい、いいの……」
「アイファ……キス、したい……」
「はい、いいですよ……ちゅ……」
アイファとのキスは、見た目は唇同士が触れ合う軽いものだが、実際には蛇の舌が相手の口内を思うがままに蹂躙する、暴力的なものである。ジェンスは、アイファがこうして自分の口の中を「きれい」にしているのだと知っていた。
その舌技に酔い痴れる間も無く、腰を激しく動かしだしたアイファによってジェンスはまた快楽を強制された。挿入前から愛液を分泌していたアイファの膣は、その狭さとは裏腹に滑らかな動きでジェンスのものを責める。蛇舌で口を犯されながら激しい腰使いで搾精され、ジェンスはもう、妻に膣内射精する他無くなっていた。
「んっ……ん、ん!」
「…………」
唇を吸われながら、精液を搾り取られるこの感覚は、何度味わっても失神しそうなほど気持ちいい。アイファもまた、胎内で愛する夫の精液を受け止められて陶酔状態にあるらしい。しかしそれでも、ジェンスの下半身を縛った蛇は解けることがない。夫婦共に、まだまだ夜が始まったばかりだと、理解しているのだ。
欲情に蕩けた眼をしたアイファは、ものも言わずにまた激しく腰を使い出した。
後二回あるいは三回中出しさせて、ジェンスに自分の匂いを「すり込む」まで、貪欲な蛇妖は決して満足しないのだ。
翌朝。アイファが自分より一足早く起床して作ってくれた朝食を食べながら、ジェンスは言った。
「アイファは、俺にはもったいないほど料理が上手だな。昔からやってたのか?」
「いいえ。本格的に習い始めたのは、最近のことです」
「にしては、お前の作る料理は何もかも旨いな。天性の才能か」
「あまり無粋なことを言わないでください。料理を美味しくできるのは、愛情だけですよ」
小っ恥ずかしい台詞を言われてジェンスの顔が赤らむ。アイファの顔も上気しているが、ジェンスの浮かべる表情とは少し異なるようにも見える。
「そういえば、俺がお前の料理を食べてる時、お前はいつも嬉しそうだな」
「それは、愛する人が自分の……、自分の料理を美味しく食べてくれれば、妻としては最高に嬉しいですよ」
一瞬口ごもった妻に微かに引っかかるものを感じたが、ジェンスは特に気にしないことにした。料理が上手くて、床上手で、美人の妻がいる。それだけで、自分のような者には過ぎた幸せなのだ。ただ今は、その幸せを享受しよう。
「じゃあ、そろそろ時間だし、行ってくるよ」
「はい。今日も、早く帰ってきて下さいね。余所の女について行ったりしたら駄目ですよ」
軽い調子でありながらも真剣味のあるそんな言葉を背に、ジェンスは家を出る。
確かに、アイファが自分に向ける愛情に少し異常な点を感じなくはない。食事の度に妻が自分に向ける満面の笑みに不信を感じたことが無いわけでもない。
しかし、妻が自分を愛し、自分が妻を愛していることに揺るぎは無いのだ。ならば、多少のことには目をつぶろう。自分が妻を愛する限り、妻も自分を愛してくれる。ジェンスにはそんな確信があったからだ。
ジェンスはある一人の魔物娘と結婚して以来、常々そう思っていた。人生の墓場などと言う奴には言わせておけばよい。妻と共に居られるのならば、墓場だろうが地獄だろうが一向に構わない。そう言い切れるほど、ジェンスは妻に惚れ込んでいた。何より彼にとって嬉しいのは、妻の方もまた夫たる自分に惚れ込んでくれているという事実である。
自宅の扉を開けると、彼の予想に違わず、愛する妻、人間の上半身と蛇の下半身を持つ魔物娘、ラミアのアイファが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ。旦那様」
「ああ。ただいま」
端から見れば何ということのないやりとりだが、新婚夫婦にとってはこれから二人だけの甘い時間が始まる、その合図のようなものである。家に入り後ろ手にドアを閉めながら、ジェンスは今日は何分くらいアイファを待たせてしまっただろうか、帰宅時間を予め告げられる方法があればな、などと考えた。
「それでは、お風呂にしましょうね」
「もう湧いてるのか?」
「ええ。良い湯加減ですよ」
この家の風呂は、購入当初には備え付けられていなかったものを、アイファのたっての希望により増築したものである。多少の出費は強いられたが、これはこれでなかなかいいものであると、ジェンスは妻ともども満足していた。
脱衣所で服を脱ぎ、妻と共に風呂場へ入る。二人で浴槽に浸かり、一頻り体を温め合った後、毎日の儀式が始まる。
「それでは旦那様、今日一日の汚れを私が洗い落として差し上げますね」
そうアイファが言うと、石鹸を泡立て、お互いの下半身に塗り込め始めた。いい感じに泡だった後、アイファはジェンスの脚に自身の蛇を絡みつかせた。
同時に、両手でも石鹸を泡立て、ジェンスの上半身を丹念に洗浄する。乳首や項、耳たぶといった敏感な部位も容赦なく責め立て、愛撫する。
「今日、お外で浴びた他の女どもの臭い、全部こうやって消し去ってあげます」
きれい好きな彼女は下半身の洗浄も怠らない。自身の蛇部をスポンジのように使い、愛する夫の太もも、脹脛、足裏に至るまで余さず磨き上げる。鱗の向きに配慮し、動きを吟味することでジェンスにはほとんど痛みを与えず、さながら垢擦りのような奉仕を可能としていた。
心より愛する美しい妻に密着され、こうまで献身的にされては、ジェンスのものがいきり立つまでにそう時間は要らない。いつもの通り硬くなったジェンスの陰茎を見たアイファは、淫靡に微笑むと、しかし
「まだ駄目ですよ、旦那様。ここは最後に、じっくり洗ってあげます。下品な女どもの嗅覚を刺激してしまわないように、ね」
と、少し焦らしてみせるのだった。
手、脚、胴、頭と湯浴み奉仕が一通り終わり、未だ萎えていないジェンスの肉棒を見ると、アイファは嬉しげに微笑んだ。
「いつもいつも、こんなに硬くして……あなたを綺麗にするためにやっていることですと、ちゃんと言っているのに」
「そう言われても、お前みたいな美人にくっつかれたら、誰だってこうなる」
「まあ、お上手。じゃあ今日は……旦那様の好きな、このおっぱいでおちんちん洗ってあげます」
アイファが片手で乳房を下から掲げ、その大きさと深い谷間を強調するようにすると、ジェンスはより一層興奮した。洗われている間、アイファは股間にほとんど触れてくれなかったので、彼の辛抱ももう限界に達していた。
「それでは、失礼して」
潤滑油がわりの唾液をたっぷりと垂らし、両手で胸乳を夫の陰茎に宛てがう。片手に余る、という表現がしっくり来る、それはまさに爆乳であった。
ただ大きいだけでなく、柔らかさと靭やかさ、そして肉棒にぴったりと張りつく瑞々しさを兼ね備えた妻の巨乳に挟まれると、それだけでもうジェンスは快感に溺れ何もできなくなる。
アイファは唾液を継ぎ足しつつ、左右の乳房を動かし責める。乳肉の間から顔を出す亀頭に、時折長細い蛇の舌で刺激を与える。爆乳パイズリ奉仕の快感に溺れる愛妻家は、もう限界が近いようだった。
「うっ……アイファ、もう……」
そう言われても、アイファはおっぱい遊びをやめようとはしない。名目上、これは「洗浄」なのだから。旦那様を気持ちよくイかせるためにしているのではないのだから、などと苦しい言い訳を心の中で繰り返しつつも、愛する夫の射精を待ち望む。早く、自分の胸で気持ちよくなって欲しい。おっぱいに精液を思う存分ぶっ掛けて汚して欲しい。そんな思いが彼女の奉仕をより激しくさせ、ジェンスを追い込む。
「ああ、アイファ、で……出るっ!」
言った直後、今日一日溜め込まれた白濁液が、アイファの胸に降り注いだ。間欠泉の如く、断続的に精液を吹き上げ、巨乳の谷間を白く染めていく。
一瞬、精液の青臭い臭いに意識を奪われていたアイファだったが、すぐに自我を取り戻した。
「おちんちん、汚してしまいましたね……きれいにしてあげると、言っておいたのに……
また一から洗いなおしじゃないですか。今度はちゃんと最後まで我慢してくださいね」
アイファは昂った口調でそう告げると、精液のおかげで更に滑りが良くなった陰茎に再びパイズリ奉仕を始めた。
きっと、あと一回では終わらないだろう。脱力しつつも、ジェンスはこの女を嫁として迎えられたことに限りない幸福を感じていた。
風呂から上がり夕食を終え、しばらくするとアイファはゆっくりとジェンスをベッドへと押し倒した。結婚前からずっと欠かしたことのない、大切な夫婦の時間が今日も始まるのだ。
「他の女の匂いはお風呂で消したので……今度は、私の匂いをすり込んであげます」
瞬く間にお互いの衣服を剥ぎ取り、全裸となって向かい合う。先程の風呂場での交歓を含め、今までなんども見てきた妻の裸身ではあるが、初めてみた時と同じくジェンスは、綺麗だ、と思った。
ベッドに仰向けで横たわったジェンスの両脚に、アイファの下半身が巻きつき、拘束していく。痛みを感じたり、血行が止まったりすることこそ無いが、自分の意志で足を動かすことも拘束を解くこともできない、そんなかたい抱擁。これから自分は、妻の気の済むまで犯されるのだ。そう考えると、風呂場で散々出したにもかかわらずまた自分の陰茎が回復していくのを、ジェンスは感じていた。
「あら、もうこんなにお元気。そんなに締め付けられるのがいいんですの?旦那様、もしかして変態?」
「締め付けられるのがいいというか、アイファにくっつかれるのが良いんだよ。それに、愛妻料理も食べられたしな」
「女房口説くのもいい加減になさいな」
そっけない言葉とは裏腹に顔満面に気色を湛えたアイファは、前戯の必要もないほど濡れそぼった女陰を、既に臨戦状態へ復帰したジェンスの肉棒へゆっくりと降ろしていった。
いや、今からの交わりが前戯となるのか。愛液と精液に塗れるほど、アイファの肉筒はより一層夫を喜ばせるのだから。
既に何度も男性器を迎え入れているのにもかかわらず依然としてきつさとしまりを失わないアイファの女性器が、じわじわとジェンス自身を飲み込んでいく。その動きは獲物をまず飲み込み、しかるのちにゆっくり消化する蛇そのもの。脚を縛られ、腰を使うことすら満足にできないジェンスは、今宵も妻の望むままに啼くことになるのだ。
「ああん、おっきくて、カタいおちんちん……いい、いいの……」
「アイファ……キス、したい……」
「はい、いいですよ……ちゅ……」
アイファとのキスは、見た目は唇同士が触れ合う軽いものだが、実際には蛇の舌が相手の口内を思うがままに蹂躙する、暴力的なものである。ジェンスは、アイファがこうして自分の口の中を「きれい」にしているのだと知っていた。
その舌技に酔い痴れる間も無く、腰を激しく動かしだしたアイファによってジェンスはまた快楽を強制された。挿入前から愛液を分泌していたアイファの膣は、その狭さとは裏腹に滑らかな動きでジェンスのものを責める。蛇舌で口を犯されながら激しい腰使いで搾精され、ジェンスはもう、妻に膣内射精する他無くなっていた。
「んっ……ん、ん!」
「…………」
唇を吸われながら、精液を搾り取られるこの感覚は、何度味わっても失神しそうなほど気持ちいい。アイファもまた、胎内で愛する夫の精液を受け止められて陶酔状態にあるらしい。しかしそれでも、ジェンスの下半身を縛った蛇は解けることがない。夫婦共に、まだまだ夜が始まったばかりだと、理解しているのだ。
欲情に蕩けた眼をしたアイファは、ものも言わずにまた激しく腰を使い出した。
後二回あるいは三回中出しさせて、ジェンスに自分の匂いを「すり込む」まで、貪欲な蛇妖は決して満足しないのだ。
翌朝。アイファが自分より一足早く起床して作ってくれた朝食を食べながら、ジェンスは言った。
「アイファは、俺にはもったいないほど料理が上手だな。昔からやってたのか?」
「いいえ。本格的に習い始めたのは、最近のことです」
「にしては、お前の作る料理は何もかも旨いな。天性の才能か」
「あまり無粋なことを言わないでください。料理を美味しくできるのは、愛情だけですよ」
小っ恥ずかしい台詞を言われてジェンスの顔が赤らむ。アイファの顔も上気しているが、ジェンスの浮かべる表情とは少し異なるようにも見える。
「そういえば、俺がお前の料理を食べてる時、お前はいつも嬉しそうだな」
「それは、愛する人が自分の……、自分の料理を美味しく食べてくれれば、妻としては最高に嬉しいですよ」
一瞬口ごもった妻に微かに引っかかるものを感じたが、ジェンスは特に気にしないことにした。料理が上手くて、床上手で、美人の妻がいる。それだけで、自分のような者には過ぎた幸せなのだ。ただ今は、その幸せを享受しよう。
「じゃあ、そろそろ時間だし、行ってくるよ」
「はい。今日も、早く帰ってきて下さいね。余所の女について行ったりしたら駄目ですよ」
軽い調子でありながらも真剣味のあるそんな言葉を背に、ジェンスは家を出る。
確かに、アイファが自分に向ける愛情に少し異常な点を感じなくはない。食事の度に妻が自分に向ける満面の笑みに不信を感じたことが無いわけでもない。
しかし、妻が自分を愛し、自分が妻を愛していることに揺るぎは無いのだ。ならば、多少のことには目をつぶろう。自分が妻を愛する限り、妻も自分を愛してくれる。ジェンスにはそんな確信があったからだ。
11/05/19 08:50更新 / ナシ・アジフ