囚われの王子様
あたりから聞こえる寝言が聞こえる。ぼんやりとした意識の中で感じるのは前後からの圧迫感と体温。次は汗と精液と濃厚な雌の匂い。同じような感覚で目覚めて、意識がハッキリしてすぐ目に入るのは女体。付け加えるなら無駄のない範囲で肉付きがいい女性の胸の谷間が視界いっぱいに広がっている。少し前の暮らしでは到底考えられない事柄ではあったが、今ではもう慣れてしまった。自身の順応ぶりに呆れてため息を漏らしてしまう。
「……んん……」
ため息がくすぐったかったのか、目の前にいる谷間の持ち主が目を開けて頭の上にある豚の耳をパタパタを動かしながら眠そうな眼をこする。この光景も何度見たことか。いちいち数えるのも面倒になるほどだ。起きてすぐソイツは笑みを浮かべ僕の顔を見て舌なめずりをする。
「今日も逃げなかったじゃねぇか」
「お前たちが僕を逃がす気なんてないだろ」
コイツはそれもそうかと言いながら僕の後ろに回していた腕を動かして背中を撫で回す。僕は前後からこいつ等オークに抱き付かれており、勇者どころか戦士ですらない貧弱な子供が抜け出せるはずもない。もっとも、僕は逃げるつもりなど毛頭にもないが。
「今日も早速お楽しみといこうか」
僕の陰茎は目の前にいるオークの膣内に朝勃ちして収まっていた。すぐさまにも彼女の責めが始まるのは目に見えている。嗜虐的な笑顔とともに響く嬌声で周りのオーク達も目覚めて犯されるだろう。そこまで予測を立てた上で僕は彼女たちとの出会いに思いを馳せた。
僕は簡単に言えば小国の王子であり、母は生まれてすぐ亡くなり、他に跡継ぎもいないことから次の国王になることが約束されていた。だが、物心つく頃には父である国王が逝去した。
そのときからだろう。僕が野心的な貴族たちから王権を得るための道具として見られるようになったのは。
最初の頃は父に親しい者たちが守ってくれたが、金か権力に目が眩んだのか一人また一人と守ってくれる者は僕の元を離れていった。12歳になる頃には利用する眼差しを隠すことすらしない貴族たちだけになり、僕が心を閉ざすのには十分すぎた。
このまま、道具として生きることになる人生に不快感を感じ、僕は必死に抜け出す算段立て続けた。数年経ったある日、夜に警備兵の隙をつき城を抜け出して近くの森の中に駆け出した。
城から出たのは初めてではないが、腐肉に集まるハエのようにうるさい連中がいないためか、あるいは夜だったからのかとても静かだった。城から抜け出す際に持ち出したひとつかみの金貨と護身用の短刀の重みを感じ、生まれ故郷を背に不安に圧し潰されそうな足を進めた。
しばらく歩いた僕は疲れか眠気のためか、足がおぼつかなくなったので、寝やすそうな木の根元に身を寄せる。まともな外套も焚き火もないこの身に想像以上の肌寒さを感じて明日は風邪をひくかもと呑気に考えていた。
きっと僕はこの時から心のどこかは晴れやかで浮かれて気が抜けていたんだと思う。守る力がない子供なぞ奴らにとって格好の餌であることを理解したのは微睡に委ねて意識を手放した後だった。
体が揺れる感覚に眠りを妨げられ、ゆっくりと目を覚ます。寝ぼけた頭は状況をうまく飲み込めず、自分が何者かに脇に抱えられくらい場所を洞窟を進んでいると理解した。運んでいるそいつはずんずんと進んで行き、目的地に着いたのか僕を脇に抱えていたそいつは投げ出す。わずかな浮遊感と着地と同時に感じた柔らかな草の感触はモヤがかかっていた思考に異常を伝える。
どうやら眠っている間に誘拐されてしまったようだ。城を抜け出したその日のうちに捕まるという運のなさに恨めしい思いを抱きつつも、この状況を打破する何かを求めるようにあたりを見渡す。その仕草でソイツは僕が起きたことを分かったのか、近づいて目を合わせるために目の前にしゃがみ込む。
「やっと、目が覚めたか」
女の声。乱雑な口調とは裏腹に親しみやすそうな矛盾する声色に惹きつけられるように顔を見る。声の主は若く、粗野な言動とは裏腹に美しい顔立ちだった。もっとも、声色と同じように親しみやすそうな顔が、口角を大きく吊り上げた笑みで歪んでたが。
同時に豚のような耳が女の頭の上から生えているのが見えた。
この世に豚の耳を生やした人間はいない。城にいた時は本の中での存在と思い込んで忘れていた。目の前にいるのは人間を食らう僕らの天敵である魔物だ。生まれ始めて感じる死の予感が恐怖で体が震え、逃げ出すことも助けを呼ぶこともままならない。
それどころか、複数の豚の耳を持つ魔物達に囲まれていた。僕が逃げられないのは誰の目から見ても明らかなのだろう。せめての抵抗に懐にしまっていた短刀を取り出そうとしたが、すでに抜き取られたのか懐を探っても触れることはなかった。
僕の足掻きが全て無駄だとわかっていたのか、魔物達はただ舌なめずりをしながら僕に迫り寄ってくる。包囲が狭まるにつれ、僕の呼吸は荒くなり、手を伸ばせば触れられる距離まで近づく頃には僕の心臓の音は周囲に漏れていると錯覚してしまうほど早く大きく動いていた。
「よぉし！！コイツは全員でｐｒｐｒだ！！好きに舐めろ！！」
「さっすがお頭〜！ 話がわっかる〜」
「ただしチ○ポはわたしな！！」
最初に声をかけた魔物の言葉と共に周囲の魔物どもは歓喜の声を挙げ、腕を足を胴を頭を掴んで僕の服を素手で紙くずのように千切っている。すぐに全裸にされた僕の股間以外の肌を飴のように舌を這わせていく。
それぞれの舌は全く異なる軌道を描き未知の快感と恐怖を与える。必死に抜け出そうとするが、自分の筋力を大きく超える複数の腕に掴まれているためまともに身動きが出来ない。
「はっ……はなせぇ……」
勿論、獲物を得たケモノみすみす手放すわけもなく、ある者は唾液と荒い息を出しながらも一心不乱に豚のような貪欲さをもって舐め、またある者は僕の腕を全身で抱きつき肉付きの良いやわらかい感触を与える。全身から与えられる未知の快感に僕の陰茎は容易く反応し、触れられていないのにもかかわらず鎌首を上げいった。
「へへへ…… そろそろか？」
魔物に舐められるというだけでも僕にとっては異常事態なのにさらに追い打ちをかけるかのようにさっき命令した頭目らしき魔物が歯を剥き出しにしながらゆっくりと近づき、そのまま僕の陰茎を豊満な胸で挟み乱暴に上下に動かしていく。強烈な刺激に状況の理解が追いつかなくなり、僕が情けない声を上げながらも陰茎は硬度を増していき、射精の準備を始める。
「や……めろぉ……」
「ああ？ 聞こえねぇなぁ？」
乱暴に扱く頭目の魔物は嗜虐的な笑みを浮かべながら急かすように口から唾液を垂らし、胸をより強く挟み動きを早めて、さらなる刺激を与えてくる。汗と唾液まみれた僕は押し寄せる強烈な性の感覚に抗うことができず、睾丸から精液が尿道に通るのを感じた。なけなしの理性で射精をこらえるも、暴力的な陰茎への強烈な刺激と全身へのこそばゆい快感は容易く理性を吹き飛ばす。
情けない声を上げて亀頭の先端から白い液状のものが吹き出して頭目を白い液体で汚していた後、脱力感が襲ってくる。この光景に僕の周りにいる魔物たちは一斉に歓喜の声をあげ、僕は魔物に射精させられたという屈辱にただ恥じ入るばかりだった。
「くぅ……」
手足が動かせないのならと、精一杯の抵抗に頭目の顔を睨みつける。視線を向けたところで状況が変わるはずもない。頭目が勢い良く胸を上に引き上げ陰茎を開放すると陰茎から残った子種が漏れ出る。
魔物たちは射精したばかりの陰茎に群がって舌を這わせる。まるで子種を一滴もこぼさないとでも言わんばかりだ。全身に分散された快楽が一番敏感な箇所に集中してたちまち陰茎は硬さを取り戻していく様子に頭目は満足そうに頷く。
「ん〜、いい感じに盛り上がってきたなー」
頭目の魔物は震えながらもそそり立っ陰茎を手で触れ、自身の腰の、秘所にピタリと付ける。頭目の秘所から漏れ出た愛液は陰茎を伝って真下に落ちていいく。これから何をされるか、わかりきった答えしか浮かばない。この時すでに魔物たちへの恐怖よりも更なる快楽への期待が心を占めていた。きっと、頭目もそのことが分かっていたのだろう。ニンマリと口を歪ませ耳元で囁く。
「お前にはこれからアタシの膣内に種付け、してもらうぜ」
初めにずぶりと湿った音が響き、間髪入れずに僕と頭目の体がぶつかってはじける音が続く。目の前に頭目の肉付きの良い身体がぶるりと揺れ踊り、遅れて陰茎からは何かを裂いた感触と温かさと優しさに包まれ、先端に硬い感触が伝わる。頭目は僕の背に腕を回し倒れこんで肌を密着させる。先ほどまで陰茎を虐めていた胸の谷間が顔面に押し付けられ、柔らかな触感と強烈な臭いは僕を狂わせるには十二分すぎるものだ。
その瞬間に先ほどの囁きと合わせて僕の中に押し込めていた性への欲望が理性の鎖を引きちぎっていく。睾丸が再び子種を作り始め、陰茎の熱が強くなり、僕は性欲に身を委ね始める。
頭目もまた、ゆっくり腰を左右に動かして膣内は陰茎の形に合わせていく。僕も頭目も荒い息と吐き、頬を紅潮させ、鼓動は次第に速くなる。そこにあるのは隠しきれないの快楽への期待。
緩やかな刺激でお互いに昂りきったことが合図になったのだろうか、頭目は腰を左右から上下に、回数を重ねるごとに速く。肌がぶつかりあう音と水がはじける音が大きくなり、併せて得られる快感は大きくなっていく。僕と頭目は交尾するケモノへと変貌した。
「ああ、射精る！射精る！！」
「いいぞ！ずいぶんと！正直になったな！射精しちまえ！！」
頭目はとどめと言わんばかりに腰を大きく上げてたたきつけるかのように落とし、限界を迎えた陰茎の先を膣内の最奥へと当てる。気持ちよくなることしか考えられなくなった僕は思い切って子種を吐き出す。
頭目はそれを逃すまいと子宮口は亀頭と口づけて飲み干していし、尿道にわずかに残っていた最後の一滴も膣の動きで汲み取られる。見えずとも感じる膣内の状況を倣うかのように頭目は背を丸めて僕と口づけを交わし、舌を突き出し僕のものと絡ませていく。
肌が触れ合う面積が減った代わりに強く結び付けられる心地よさが僕の頭を蕩かしていく。射精しきった余韻と彼女が与えてくる快楽に頭が痺れて思考が止まり、僕の時間が止まっていくような錯覚に陥った。
しばらくお互いに余韻に浸っていたが、頭目が唇を離して腰を上げていく。陰茎を加える膣内は腰を引き上げる本人とは逆に逃がすまいと必死に食いつき、それに引きずられるように陰茎は陰茎は硬さを取り戻す。
頭目が腰を上げ切り、僕と彼女をつながる箇所がなくなると同時にゆっくりと時間の感覚と麻痺していた思考が返ってくる。
僕の心には魔物に対する恐ろしさや嫌悪感はすでに消え失せ、ただ気持ちよくなりたいという感覚だけだった。その心に従い乞食のように次を求める視線を頭目に投げかけていた。
「物足りなさそうな顔してんなぁ、 安心しろよ。まだ終わりじゃねぇぞ？」
頭目が言い終えると同時に周りにいた魔物たちが立ち上がる。彼女たち全員が股から愛液を垂れ流していた。その光景は僕という獲物を前にした飢えたケモノそのものだった。
頭目の言う通り、この淫らな宴はまだ終わりではないのだ。剥き出しの性の欲望は僕が意識を失うまで続いた。
その日以降、正確には目が覚めてからは常にオークと名乗る彼女たちに抱き着かれた状態で僕の一日が始まり、代わる代わる交わって眠って終わるようになった。
僕は味方がいない城を抜け出した代わりに肉の牢獄に囚われた。自由がないのは変わらないが、肉欲の鎖で結ばれた僕はもう逃げられない。何より、僕も彼女らと同じケモノなのだから何も嘆くこともないのだ。
「……んん……」
ため息がくすぐったかったのか、目の前にいる谷間の持ち主が目を開けて頭の上にある豚の耳をパタパタを動かしながら眠そうな眼をこする。この光景も何度見たことか。いちいち数えるのも面倒になるほどだ。起きてすぐソイツは笑みを浮かべ僕の顔を見て舌なめずりをする。
「今日も逃げなかったじゃねぇか」
「お前たちが僕を逃がす気なんてないだろ」
コイツはそれもそうかと言いながら僕の後ろに回していた腕を動かして背中を撫で回す。僕は前後からこいつ等オークに抱き付かれており、勇者どころか戦士ですらない貧弱な子供が抜け出せるはずもない。もっとも、僕は逃げるつもりなど毛頭にもないが。
「今日も早速お楽しみといこうか」
僕の陰茎は目の前にいるオークの膣内に朝勃ちして収まっていた。すぐさまにも彼女の責めが始まるのは目に見えている。嗜虐的な笑顔とともに響く嬌声で周りのオーク達も目覚めて犯されるだろう。そこまで予測を立てた上で僕は彼女たちとの出会いに思いを馳せた。
僕は簡単に言えば小国の王子であり、母は生まれてすぐ亡くなり、他に跡継ぎもいないことから次の国王になることが約束されていた。だが、物心つく頃には父である国王が逝去した。
そのときからだろう。僕が野心的な貴族たちから王権を得るための道具として見られるようになったのは。
最初の頃は父に親しい者たちが守ってくれたが、金か権力に目が眩んだのか一人また一人と守ってくれる者は僕の元を離れていった。12歳になる頃には利用する眼差しを隠すことすらしない貴族たちだけになり、僕が心を閉ざすのには十分すぎた。
このまま、道具として生きることになる人生に不快感を感じ、僕は必死に抜け出す算段立て続けた。数年経ったある日、夜に警備兵の隙をつき城を抜け出して近くの森の中に駆け出した。
城から出たのは初めてではないが、腐肉に集まるハエのようにうるさい連中がいないためか、あるいは夜だったからのかとても静かだった。城から抜け出す際に持ち出したひとつかみの金貨と護身用の短刀の重みを感じ、生まれ故郷を背に不安に圧し潰されそうな足を進めた。
しばらく歩いた僕は疲れか眠気のためか、足がおぼつかなくなったので、寝やすそうな木の根元に身を寄せる。まともな外套も焚き火もないこの身に想像以上の肌寒さを感じて明日は風邪をひくかもと呑気に考えていた。
きっと僕はこの時から心のどこかは晴れやかで浮かれて気が抜けていたんだと思う。守る力がない子供なぞ奴らにとって格好の餌であることを理解したのは微睡に委ねて意識を手放した後だった。
体が揺れる感覚に眠りを妨げられ、ゆっくりと目を覚ます。寝ぼけた頭は状況をうまく飲み込めず、自分が何者かに脇に抱えられくらい場所を洞窟を進んでいると理解した。運んでいるそいつはずんずんと進んで行き、目的地に着いたのか僕を脇に抱えていたそいつは投げ出す。わずかな浮遊感と着地と同時に感じた柔らかな草の感触はモヤがかかっていた思考に異常を伝える。
どうやら眠っている間に誘拐されてしまったようだ。城を抜け出したその日のうちに捕まるという運のなさに恨めしい思いを抱きつつも、この状況を打破する何かを求めるようにあたりを見渡す。その仕草でソイツは僕が起きたことを分かったのか、近づいて目を合わせるために目の前にしゃがみ込む。
「やっと、目が覚めたか」
女の声。乱雑な口調とは裏腹に親しみやすそうな矛盾する声色に惹きつけられるように顔を見る。声の主は若く、粗野な言動とは裏腹に美しい顔立ちだった。もっとも、声色と同じように親しみやすそうな顔が、口角を大きく吊り上げた笑みで歪んでたが。
同時に豚のような耳が女の頭の上から生えているのが見えた。
この世に豚の耳を生やした人間はいない。城にいた時は本の中での存在と思い込んで忘れていた。目の前にいるのは人間を食らう僕らの天敵である魔物だ。生まれ始めて感じる死の予感が恐怖で体が震え、逃げ出すことも助けを呼ぶこともままならない。
それどころか、複数の豚の耳を持つ魔物達に囲まれていた。僕が逃げられないのは誰の目から見ても明らかなのだろう。せめての抵抗に懐にしまっていた短刀を取り出そうとしたが、すでに抜き取られたのか懐を探っても触れることはなかった。
僕の足掻きが全て無駄だとわかっていたのか、魔物達はただ舌なめずりをしながら僕に迫り寄ってくる。包囲が狭まるにつれ、僕の呼吸は荒くなり、手を伸ばせば触れられる距離まで近づく頃には僕の心臓の音は周囲に漏れていると錯覚してしまうほど早く大きく動いていた。
「よぉし！！コイツは全員でｐｒｐｒだ！！好きに舐めろ！！」
「さっすがお頭〜！ 話がわっかる〜」
「ただしチ○ポはわたしな！！」
最初に声をかけた魔物の言葉と共に周囲の魔物どもは歓喜の声を挙げ、腕を足を胴を頭を掴んで僕の服を素手で紙くずのように千切っている。すぐに全裸にされた僕の股間以外の肌を飴のように舌を這わせていく。
それぞれの舌は全く異なる軌道を描き未知の快感と恐怖を与える。必死に抜け出そうとするが、自分の筋力を大きく超える複数の腕に掴まれているためまともに身動きが出来ない。
「はっ……はなせぇ……」
勿論、獲物を得たケモノみすみす手放すわけもなく、ある者は唾液と荒い息を出しながらも一心不乱に豚のような貪欲さをもって舐め、またある者は僕の腕を全身で抱きつき肉付きの良いやわらかい感触を与える。全身から与えられる未知の快感に僕の陰茎は容易く反応し、触れられていないのにもかかわらず鎌首を上げいった。
「へへへ…… そろそろか？」
魔物に舐められるというだけでも僕にとっては異常事態なのにさらに追い打ちをかけるかのようにさっき命令した頭目らしき魔物が歯を剥き出しにしながらゆっくりと近づき、そのまま僕の陰茎を豊満な胸で挟み乱暴に上下に動かしていく。強烈な刺激に状況の理解が追いつかなくなり、僕が情けない声を上げながらも陰茎は硬度を増していき、射精の準備を始める。
「や……めろぉ……」
「ああ？ 聞こえねぇなぁ？」
乱暴に扱く頭目の魔物は嗜虐的な笑みを浮かべながら急かすように口から唾液を垂らし、胸をより強く挟み動きを早めて、さらなる刺激を与えてくる。汗と唾液まみれた僕は押し寄せる強烈な性の感覚に抗うことができず、睾丸から精液が尿道に通るのを感じた。なけなしの理性で射精をこらえるも、暴力的な陰茎への強烈な刺激と全身へのこそばゆい快感は容易く理性を吹き飛ばす。
情けない声を上げて亀頭の先端から白い液状のものが吹き出して頭目を白い液体で汚していた後、脱力感が襲ってくる。この光景に僕の周りにいる魔物たちは一斉に歓喜の声をあげ、僕は魔物に射精させられたという屈辱にただ恥じ入るばかりだった。
「くぅ……」
手足が動かせないのならと、精一杯の抵抗に頭目の顔を睨みつける。視線を向けたところで状況が変わるはずもない。頭目が勢い良く胸を上に引き上げ陰茎を開放すると陰茎から残った子種が漏れ出る。
魔物たちは射精したばかりの陰茎に群がって舌を這わせる。まるで子種を一滴もこぼさないとでも言わんばかりだ。全身に分散された快楽が一番敏感な箇所に集中してたちまち陰茎は硬さを取り戻していく様子に頭目は満足そうに頷く。
「ん〜、いい感じに盛り上がってきたなー」
頭目の魔物は震えながらもそそり立っ陰茎を手で触れ、自身の腰の、秘所にピタリと付ける。頭目の秘所から漏れ出た愛液は陰茎を伝って真下に落ちていいく。これから何をされるか、わかりきった答えしか浮かばない。この時すでに魔物たちへの恐怖よりも更なる快楽への期待が心を占めていた。きっと、頭目もそのことが分かっていたのだろう。ニンマリと口を歪ませ耳元で囁く。
「お前にはこれからアタシの膣内に種付け、してもらうぜ」
初めにずぶりと湿った音が響き、間髪入れずに僕と頭目の体がぶつかってはじける音が続く。目の前に頭目の肉付きの良い身体がぶるりと揺れ踊り、遅れて陰茎からは何かを裂いた感触と温かさと優しさに包まれ、先端に硬い感触が伝わる。頭目は僕の背に腕を回し倒れこんで肌を密着させる。先ほどまで陰茎を虐めていた胸の谷間が顔面に押し付けられ、柔らかな触感と強烈な臭いは僕を狂わせるには十二分すぎるものだ。
その瞬間に先ほどの囁きと合わせて僕の中に押し込めていた性への欲望が理性の鎖を引きちぎっていく。睾丸が再び子種を作り始め、陰茎の熱が強くなり、僕は性欲に身を委ね始める。
頭目もまた、ゆっくり腰を左右に動かして膣内は陰茎の形に合わせていく。僕も頭目も荒い息と吐き、頬を紅潮させ、鼓動は次第に速くなる。そこにあるのは隠しきれないの快楽への期待。
緩やかな刺激でお互いに昂りきったことが合図になったのだろうか、頭目は腰を左右から上下に、回数を重ねるごとに速く。肌がぶつかりあう音と水がはじける音が大きくなり、併せて得られる快感は大きくなっていく。僕と頭目は交尾するケモノへと変貌した。
「ああ、射精る！射精る！！」
「いいぞ！ずいぶんと！正直になったな！射精しちまえ！！」
頭目はとどめと言わんばかりに腰を大きく上げてたたきつけるかのように落とし、限界を迎えた陰茎の先を膣内の最奥へと当てる。気持ちよくなることしか考えられなくなった僕は思い切って子種を吐き出す。
頭目はそれを逃すまいと子宮口は亀頭と口づけて飲み干していし、尿道にわずかに残っていた最後の一滴も膣の動きで汲み取られる。見えずとも感じる膣内の状況を倣うかのように頭目は背を丸めて僕と口づけを交わし、舌を突き出し僕のものと絡ませていく。
肌が触れ合う面積が減った代わりに強く結び付けられる心地よさが僕の頭を蕩かしていく。射精しきった余韻と彼女が与えてくる快楽に頭が痺れて思考が止まり、僕の時間が止まっていくような錯覚に陥った。
しばらくお互いに余韻に浸っていたが、頭目が唇を離して腰を上げていく。陰茎を加える膣内は腰を引き上げる本人とは逆に逃がすまいと必死に食いつき、それに引きずられるように陰茎は陰茎は硬さを取り戻す。
頭目が腰を上げ切り、僕と彼女をつながる箇所がなくなると同時にゆっくりと時間の感覚と麻痺していた思考が返ってくる。
僕の心には魔物に対する恐ろしさや嫌悪感はすでに消え失せ、ただ気持ちよくなりたいという感覚だけだった。その心に従い乞食のように次を求める視線を頭目に投げかけていた。
「物足りなさそうな顔してんなぁ、 安心しろよ。まだ終わりじゃねぇぞ？」
頭目が言い終えると同時に周りにいた魔物たちが立ち上がる。彼女たち全員が股から愛液を垂れ流していた。その光景は僕という獲物を前にした飢えたケモノそのものだった。
頭目の言う通り、この淫らな宴はまだ終わりではないのだ。剥き出しの性の欲望は僕が意識を失うまで続いた。
その日以降、正確には目が覚めてからは常にオークと名乗る彼女たちに抱き着かれた状態で僕の一日が始まり、代わる代わる交わって眠って終わるようになった。
僕は味方がいない城を抜け出した代わりに肉の牢獄に囚われた。自由がないのは変わらないが、肉欲の鎖で結ばれた僕はもう逃げられない。何より、僕も彼女らと同じケモノなのだから何も嘆くこともないのだ。
18/11/09 23:09更新 / のり