待つしかないから･･･
私は物心がついた頃にはここにいた。ここは静かで、暗くて、そして寒い。何時からここにいるのか、何故ここにいるのか、そもそもここはどこかなのも分からない。その中で私がわかるのは、私の体は動かないことと私の首にかけられている首飾りが私の動作を完全に封印しているというだけだった。
私が物思いに耽っているとき、古びた屋敷の玄関が軋む音を立てながら一人のボロ雑巾のような衣服を着る少年が入ってきた。
（また来てくれたんだね。）
その少年は中性的な顔立ちを持ち、年は十四,五で背は恐らく私より少し低い。ここで恐らくと思ったのは私の体は座っている状態から動かすことができず、そのため私の直立した時の身長が自分でも分からないからだ。外から来た少年はゆっくりと私に近づいて私を正面から抱きしめる。冷たい石像の体が彼からの温もりを感じ取り私に何ともいえない心地よさが私を包み込む。その温もりに触れながら私は始めて彼とであった頃のことを思い出す。
私と彼が初めて出会ったのは彼がもっと幼いとき、多分四,五才ぐらいのときだった。幼い彼は何かから逃げるようにこの屋敷の中に入り、私の姿を見るなり小さな悲鳴を上げ目に涙を浮かべ、ぺたりと尻餅をつく。
（私ってそんなに怖いのかな？ ちょっと傷つくな……）
だが、しばらくして私が動かない(正確には動けない)ことを理解すると、何を思ったのか私に近づき、私を抱きしめる。当時の彼の体は今の彼ほど大きくはなく、抱きしめると言うより縋り付くと言ったほうが正しい。
「……んっ……」
彼はそう呟くと硬い私の体に顔を埋め、静かに泣き始めた。先ほどの私の姿に怯えた時に見せた涙と違い、明らかに誰かを思うような涙であり気がついたときには一人で誰とも触れ合うこともなかった私にとっては羨ましく感じるものだった。結局、彼はどこかから聞こえる鐘の音が聞こえるまで泣き続け、鐘が鳴った後、目を赤く腫らしながらもこの屋敷を去り、それを見守る私は再び一人でここに佇むこととなった。
（また、いつか来てくれるかな……）
だが、彼はその後も間を空けながらも私の元へやってきては甘えるように泣き、鐘の音と共に屋敷から去る。その周期は彼が大きくなるにつれ短くなっていきやがて毎日来るようになった。
毎日来るようになっても彼は私を腕を回し抱きしめる。しかし彼の成長に伴って彼の行動は変化し始めていた。ある日、彼は何を思ったのか石像である私の胸をしゃぶる様に咥える。その様子は赤子が母から母乳をねだるような動作で、不思議と悪い気はしなかった。
（少し恥ずかしいけどね。）
いくら強く吸ったところで母乳は出ないと悟った彼は次第に胸全体に舌を這わせ、荒い息を吐きかけながらも彼は私を自分のものにするかのように唾液を塗りたくる。当然その快楽は私にメスの本能を植え付けるのには十二分すぎる効果を持っており、この時間がいつまでも続くように祈り続けたこともあった。だが、現実と言うのは非情らしく、いつも彼は鐘の音を聞けばすぐにその動作をやめ屋敷から出てしまう。
（あ……）
本当はもっと温もりを感じていたかった。本当は彼を追いかけたかっし、せめて別れの挨拶くらいは言いたかった。いつも彼が去る時自分の動かない身体が恨めしく思う。
それからしばらくして、現在、彼はどこからか性の知識を得たらしく、いつものように私を抱きしめた後、大きくなった手で私の体を滑るように触っていく。石の体である私の肌は明らかに生物の感触はなく、滑らかでありながら冷たい無機質な感触を彼に与える。一方、私はというと彼に触ってもらうことは動かない体を持つ私にとって唯一の快楽を得る手段であり、至福の時を感じ取ることのできる数少ない時間である。
（段々上手になってきてるなぁ……）
彼の愛撫が一通り終わると彼は決まって私の唇にキスをする。当然、私の唇は開くことが無くただ彼の唇が押し付けられているだけになるのだが。それでも彼は自らの唇を私のと重ね合わせ続ける。やがて彼は唇を離し、幼さを未だ残す顔はいつの間にか赤く染まっており、その瞳は恐らく彼の唾液が付着した私の唇をジッと見ていた。
（やっぱり君にじっと見られるのも恥ずかしいな。）
やがて、見ることをやめた彼は自分のぼろぼろのズボンを脱ぎ捨て、彼の股間を外気に晒す。彼のものは既にそそり立っており、辺りに幼いながらもオスの匂いを発している。もし、私が生身の体であれば、犯してもらうこともできたはずなのに、石のように硬い私の体は彼のものを受け入れることもできない。そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は私の胸を舌を使って唾液まみれにすると彼のモノを私の胸に押し当てる。彼が性器を当てるときは必ずと言っていいほど胸を選ぶ。
（相変わらず君はおっぱいが大好きなんだね。）
彼の体温よりもずっと熱いそれは冷たい私の身体を興奮させ、石像であるはずの自分の体が生を受けたかのように熱を帯びる錯覚に見舞われてゆく。彼は私の胸に押し付けた彼自身の分身をゆっくりと前後に擦り付けていく。自分の匂いを私の体にしみこませるかのように。
（ああ、熱くて、いい匂い……♥）
私は彼のイチモツからの熱に火傷しそうな感覚に襲われながらも心と身体がそれを求めており、彼が擦り付けるたびに強くなっていく匂いに期待を隠せずには居られなかった。彼は一度も見せたことのないような必死にこらえる顔を見て私の本能が彼が射精すると言うことを教える。今まで彼が行ってきた抱きしめると言う行為も胸を唾液まみれにする行為よりも私の硬い殻の中に眠る鼓動は高鳴っていく。魔物としての本能が彼の射精を渇望している。
（あと君の必死な顔も可愛いんだよね。）
一心不乱にこすり続けた彼の欲望はついに限界に達し、熱い鼓動と共に精を吐き出し私の身体という身体を白く塗っていき、辺りにオスの匂いを撒き散らす。その後、彼は荒い息を吐きながら精液まみれの私をまっすぐな瞳で見続けた。
（ご馳走様♪）
そして、一旦台座から降りて私の後ろに回りこみそのまま私を後ろからのしかかる。彼の幼い頃に比べて体重は重く、背が高くなったため首筋に当たる彼の吐息が私に幸せを運んでくれる。まるで私と彼が恋仲であるかのような、この時間が長く続けばと願う、そんな幸せ。そんな幸せも結局は鐘の音とともに終わりを告げる。その鐘の音を聞いた彼は脱ぎ捨てたぼろぼろの衣装を身に纏い慌ててこの屋敷の外へと駆け出し、黄昏色の世界へと消えていってしまった。
彼が去った後、私はただ一人静か過ぎる屋敷に取り残された。彼が毎日私の元に来るようになってもこの一人の時間と言うのは慣れない。むしろ、来る頻度が上がったせいでより一層孤独感を感じてしまう。
（さっきのあの子、可愛かったな……）
そんな夜に私が考えるのはいつも彼のことばかりだ。何時もボロ雑巾のような服を身に付け、どこか寂しそうな目で何かを求めるように私に縋り付き、来る度に私に性的な悪戯をする名前も知らない少年。誰にも気付かれないような場所にいる私をただ一人見つけ、求めてくれる彼を恋しく思うのは当然のことであり、何度私が自らの体を動かすことができたなら、彼を抱きしめることができたなら、彼と交わる事ができたならば、彼と淫らな性活することができたならと願い続けてきたのだろう。
（これさえなければ今頃は……）
もし、誰かが私を縛るこの首飾りを引きちぎってくれるのであれば私は今すぐにでも彼の元へと羽ばたいていくだろう。だが、そんなことすらも叶わずただただ時間は過ぎ去っていくだけだった。
次の日も彼は私の元へとやって来た。外には雪が降っているらしく彼の頭や肩には僅かだが白い粉のようなものが積もっており、薄汚れた衣装で寒そうに震え縮こまる彼は実に可愛らしく、今すぐにでも何とかしてあげたくなるような姿だった。もちろん、石像の体を持つ私にできることなど皆無だが。
その寒さは彼にとっても実に耐え難いものらしく、私の方へと寄らず屋敷の中を歩き何かを物色し始めた。しばらくしても彼は戻ってこない。
（早く戻ってきてくれないかな……）
結局一人っきりになった私はただ彼が鐘の音が来るまでに戻ってくることを願わずにはいられなかった。そんな私の祈りが届いたのか彼は私がいる玄関広間に戻ってきた。その時彼は今まで着ていたボロ雑巾のような服ではなく恐らくこの屋敷の主が着ていた服と思われる服を何枚も重ね着をしていた。残念ながらその服の尺は彼に合っておらず手足が袖口から出ていないためより返って彼の子供っぽさがにじみ出てしまっている。
（なんだかとっても転びそうだなー）
彼が身に付けている重ね着は彼が体温を奪われるのを防いでおり、今の彼にとって必要不可欠なものであっが、彼を暖めると言う行為を服に横取りされた気分になってしまったのは否めないが、私の体では彼の体温を暖めるどころか奪ってしまうため実に恨めしくも思う。もっとも、体温を確保した彼がやることは結局は一つなのでゆっくりと私の方へと足を向けた。
相変わらず私の体に欲情した彼は私を白濁で濁したあと、私を後ろから抱きめようとしたがうっかりバランスを崩し、台座から落ちてしまう。そのとき、彼は何かを掴もうとして手を伸ばし掴んだが、その掴んだものは私の首に掛かっている首飾りであったが、彼の体重を支えることはできず引きちぎれてしまった。彼は床にぶつけたところをさすりながら、自らの手に握っているものに気がつき、私の首に再びかけようとするが全く上手くいかず、鐘の音が鳴っても彼はそばにとどまり続けた。
「……どうしよう……」
彼が漏らした弱気な言葉は静かな屋敷の中を響かせすぐさま消えていく。彼の顔は実に不安に満ち溢れており、一向に首飾りが元に戻る気配は無いまま時間が過ぎていく。そんな彼とは反対に私は期待に心を躍らせる。ついに私を縛り続けていた封印が解かれた。しかも、偶然とはいえ彼のによってだ。あとは夜になるまでひたすら待ち続けた。そして、どこかで狼のような遠吠えが聞こえると体に変化が起き始める。体の硬化が解け、自由に動かせる範囲が広がっていく。当然私の顔も動くようになり、私の心にある期待と高鳴りが表情に表れるようになっていく。その変化に彼も気がついたのだろう。驚きの余りに再び台座から転げ落ちた。
「ふふふ……」
初めての私が発したのは彼のおかしさと彼とついに交われる時が来たことによる喜びを表す笑いであったが、彼は別のものに見えたらしくその表情は恐怖で引きつっている。
「う……うわぁぁぁぁぁぁぁ！！」
彼は叫びながら逃げ出し玄関の方へと向かっていく。彼が身に付けているズボンは尺があっておらず何度も転びそうになりながらも玄関まで辿りつき必死に扉を押すが、思うように開かない。僅かに開けた隙間から見える外の光景は雪で満たされたものであり、恐らくは雪が扉の向こうに積もっているのだろう。勿論そんな隙を私が見逃すわけも無く。
「捕まえた♥」
「あ……あぁぁ……」
ようやく動くようになった体を存分に使い彼を捕らえる。思っていた通り彼の身長は私よりも低く、私の体で包み込むには十分な大きさだった。
「いけない子だね。私が動かないことをいいことに色んなことをしてくれたわね。今度は私が可愛がってあげる。」
私ができるとびっきりの笑顔を彼に向けたが彼にはそれが怖いらしい。必死に抵抗して私から逃れようとしているが、それを許す私ではない。より一層彼のことを強く抱きしめ彼が逃げないように確保する。しかし彼が着ている厚着のせいで些か彼を感じ取ることができない。
「服邪魔だから破っちゃうね。」
私は彼が私の首飾りを引きちぎったように彼が来ている服を思いっきり引き裂いていく。引き裂いていくごとに彼の素肌が見え始め彼の胴体とイチモツが見えるように引き裂いき、再び彼を強く抱きしめる。彼の匂い、温もり、鼓動その全てを感じ取れるようになり、当然のことながら私は発情してしまう。私の口も秘所からも、だらしなく涎があふれ出てくる。
「お願いだから食べないでぇぇぇ……」
彼はついに泣き出してしまい、泣きながら懇願する。その泣き顔は久しく見ていなかったが彼の悲壮漂う顔がその泣き顔を芸術の粋まで引き立てより私を狂わせる。だが、彼のものはしんなりとしておりこのままでは交わろうにも交わることもできない。そんな彼に対して用いる手段と言うのは勿論押し倒すの一択だろう。彼のほうへ自分の体重をかける。案の定、体力が余り無い彼は容易く床に仰向けになるように倒れこむ。
「ひ……ひぃぃぃ……」
倒された彼の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃで私の嗜虐心を存分に刺激する。他の魔物娘が手を出さなくて良かったと思いながら、口角を上げ彼をからかうことにする。
「君って何時も私に悪戯したでしょ？ だから私もあなたに悪戯して……その後じっくり食べてあげる♥」
彼がこれから来る未来を予測し、全力で首を左右にぶんぶん振ることでその未来を回避しようとするがそんなことでやめる私でもない。まず、彼の何時もすることのうちの抱きしめることは既にやっているため、今度は彼の体を思う存分愛撫することにする。私は二つの腕で彼の胴体のわき腹を思いっきり指を動かす。大分前に彼にされたことだが何ともいえないくすぐったさで、苦しいはずなのにどこか楽しい気分になる。尤も私の顔動かなかったから笑うことも無かったが。
（でも、だからってやり返さない手は無いけどね。）
最初は彼はくすぐったさにはじめは我慢していたが、最後まで我慢できず大きな声で笑い声を上げる。涙と鼻水が塗られている顔が口を見せて笑うのという不思議な顔に思わず私は噴き出してしまった。面白おかしい顔を堪能した私は指を動かすのをやめ、次は彼の肉棒を触り始める。やけにしんなりした彼のものは私の体を汚した時に比べ明らかに小さい。ここで本能の赴くまま激しく嬲れば再び白濁を出すだろうがあえてせず軽くいじるだけにする。愛撫が一通り終わると次にすることは勿論決まっている。
「ふふふ……まだまだいくね♥」
さっきの元気はどこへ行ったのか彼は荒い息を吐き出すだけになっていた、そんな彼にお構い無しに荒い息をつきながらも私は可愛い彼の頭をガッシリと掴むとそのまま顔を近づけ唇と唇を重ね合わせる。彼は塞がれた口で何かを言おうとしているみたいだが私の舌は彼の口内に侵入し、その場で暴れまわる。
（君の唾液もとってもおいしい♥）
彼の唾液を舌で思う存分味わい甘美な行為できるようにしてくれた彼にただただ感謝するばかりであった。やがて、私の下半身に何か当たっていることに気付き、同時にそれが何なのかはすぐに予想できた。まだまだ彼の口内に居座りたかったが、まだまだやることがあるので名残惜しくもゆっくりと唇を離す。
「ふふふっ おちんちんをこんなのしっちゃって。そんなに良かったの？」
何時の間にか彼の股間は大きく反り返っており、いやらしい匂いを辺りに撒き散らしている。愛しい人の欲望がこんな状態になれば如何なる魔物娘であれ貪るはずだ。私の本能は雄たけびを上げ、すぐに精を寄越せを喚く。当然私の理性もそのつもりだが。私はゆっくりと体を動かし彼の股間のほうに頭を向け、自らの秘所は彼の顔の前に当たるようにする。
「今から君のおちんちん食べちゃうね♥」
私は彼にそう言い放ち彼のものを自分の胸で挟み込む。勃った彼のものは体のどの箇所よりも熱く、雄の匂いを漂わせていた。私の胸に挟みこまれた彼の肉棒は嬉しそうに脈動し、すぐにでも射精してしまうのではないかと思うほどであった。
「本当においしそうね♥ あなたのって♥」
胸から僅かにはみ出ている亀頭を私は咥えると彼の雄の匂いが口いっぱいに広がり興奮で頭がくらくらしていくが、そんなことお構い無しに彼のものを貪っていく。頭を動かすにつれ彼のイチモツの鼓動は早くなっていき、このままスパートかけようとしたとき、私の陰部に強烈な刺激が襲う。陰部のほうを見ると彼が必死ではあるがなれない様子で私の陰部を弄り回している。多分、彼のなりにムキになってのことなのだろう。
（私は勿論大歓迎なんだけどね。）
私としてはそれが嬉しくて口内で彼のカリを集中して嘗め回してしまった。結果、元から限界が近かったのかすぐに彼は自分の欲望を私の口内に吐き出してしまう。彼の亀頭から吐き出してくる子種を私は難なく飲み干していく。尿道に残っている分まで飲み干すとゆっくりと顔を上げ、体を動かし彼の顔を見下す。
「あは〜♥ いっぱいでっちゃったね。」
彼の瞳は潤んでいていて私の声が聞こえているかも疑わしい。彼の股間もまた今の彼と同じようにしんなりしている。さすがに今から彼と交わるのは無理と思ったが、いきなり本能がいきなりビックアイディアを私に授けてきた。今まで動かしてきた体の中で最も使われてない尻尾を彼の肛門に挿し込んでいく。彼の可愛らしい悲鳴を聞きながら私は尻尾で彼の前立腺を刺激し無理やり彼の肉棒を奮い勃たせる。
「そろそろメインディッシュにしましょうか♥」
私の秘所の奥を見えるように広げ彼にそれを見せる。体が動くようになってからずっと発情しぱなっしのそれは見るからに獲物を前にした野獣の口に涎が垂れるように愛液が滴り落ちている。彼のモノに自分の女性器を当てこれから起こることを彼に予測させた。
「いっただきま〜す♪」
そう言うと同時に私はゆっくり腰を下ろし彼の肉棒を呑み込んでいく。彼のモノが膣内を進むにつれ彼は小さな悲鳴を上げ続ける。彼のモノが私の処女膜に当たりそこで一旦腰を下ろすのを中断する。
「いい？ これから私の始めてをあげるから責任とってね♥」
「あ……ぁぁ……」
さっきから彼を苛めすぎたせいかまともに返事を返さなくなった彼にお構いなく、私は腰を一気に下ろす。彼の肉棒を全て呑み込んだ瞬間にそれは大きく脈動したがさすがに無理をさせ過ぎたためか、全く精がでなかったが、彼と一つになれたことが非常に嬉しく腰を上下に動かそうとしたが彼が意識を手放していることに気がついた。
（ごめんね。）
苦笑いを浮かべながら私は彼と一つになったまま抱きしめ、私の台座の前まで移動し腰を下ろす。今日は私にとって最高の宝物ができた記念すべき日になった。眠っている彼を強く抱きしめ彼の全てを感じ取っていく。私を見つけてくれた彼は私にとって恩人であり生涯の伴侶である。そんな彼は私は絶対に手放さないと心に堅く誓うのであった。
「あ……名前聞くの忘れてた。」
私が物思いに耽っているとき、古びた屋敷の玄関が軋む音を立てながら一人のボロ雑巾のような衣服を着る少年が入ってきた。
（また来てくれたんだね。）
その少年は中性的な顔立ちを持ち、年は十四,五で背は恐らく私より少し低い。ここで恐らくと思ったのは私の体は座っている状態から動かすことができず、そのため私の直立した時の身長が自分でも分からないからだ。外から来た少年はゆっくりと私に近づいて私を正面から抱きしめる。冷たい石像の体が彼からの温もりを感じ取り私に何ともいえない心地よさが私を包み込む。その温もりに触れながら私は始めて彼とであった頃のことを思い出す。
私と彼が初めて出会ったのは彼がもっと幼いとき、多分四,五才ぐらいのときだった。幼い彼は何かから逃げるようにこの屋敷の中に入り、私の姿を見るなり小さな悲鳴を上げ目に涙を浮かべ、ぺたりと尻餅をつく。
（私ってそんなに怖いのかな？ ちょっと傷つくな……）
だが、しばらくして私が動かない(正確には動けない)ことを理解すると、何を思ったのか私に近づき、私を抱きしめる。当時の彼の体は今の彼ほど大きくはなく、抱きしめると言うより縋り付くと言ったほうが正しい。
「……んっ……」
彼はそう呟くと硬い私の体に顔を埋め、静かに泣き始めた。先ほどの私の姿に怯えた時に見せた涙と違い、明らかに誰かを思うような涙であり気がついたときには一人で誰とも触れ合うこともなかった私にとっては羨ましく感じるものだった。結局、彼はどこかから聞こえる鐘の音が聞こえるまで泣き続け、鐘が鳴った後、目を赤く腫らしながらもこの屋敷を去り、それを見守る私は再び一人でここに佇むこととなった。
（また、いつか来てくれるかな……）
だが、彼はその後も間を空けながらも私の元へやってきては甘えるように泣き、鐘の音と共に屋敷から去る。その周期は彼が大きくなるにつれ短くなっていきやがて毎日来るようになった。
毎日来るようになっても彼は私を腕を回し抱きしめる。しかし彼の成長に伴って彼の行動は変化し始めていた。ある日、彼は何を思ったのか石像である私の胸をしゃぶる様に咥える。その様子は赤子が母から母乳をねだるような動作で、不思議と悪い気はしなかった。
（少し恥ずかしいけどね。）
いくら強く吸ったところで母乳は出ないと悟った彼は次第に胸全体に舌を這わせ、荒い息を吐きかけながらも彼は私を自分のものにするかのように唾液を塗りたくる。当然その快楽は私にメスの本能を植え付けるのには十二分すぎる効果を持っており、この時間がいつまでも続くように祈り続けたこともあった。だが、現実と言うのは非情らしく、いつも彼は鐘の音を聞けばすぐにその動作をやめ屋敷から出てしまう。
（あ……）
本当はもっと温もりを感じていたかった。本当は彼を追いかけたかっし、せめて別れの挨拶くらいは言いたかった。いつも彼が去る時自分の動かない身体が恨めしく思う。
それからしばらくして、現在、彼はどこからか性の知識を得たらしく、いつものように私を抱きしめた後、大きくなった手で私の体を滑るように触っていく。石の体である私の肌は明らかに生物の感触はなく、滑らかでありながら冷たい無機質な感触を彼に与える。一方、私はというと彼に触ってもらうことは動かない体を持つ私にとって唯一の快楽を得る手段であり、至福の時を感じ取ることのできる数少ない時間である。
（段々上手になってきてるなぁ……）
彼の愛撫が一通り終わると彼は決まって私の唇にキスをする。当然、私の唇は開くことが無くただ彼の唇が押し付けられているだけになるのだが。それでも彼は自らの唇を私のと重ね合わせ続ける。やがて彼は唇を離し、幼さを未だ残す顔はいつの間にか赤く染まっており、その瞳は恐らく彼の唾液が付着した私の唇をジッと見ていた。
（やっぱり君にじっと見られるのも恥ずかしいな。）
やがて、見ることをやめた彼は自分のぼろぼろのズボンを脱ぎ捨て、彼の股間を外気に晒す。彼のものは既にそそり立っており、辺りに幼いながらもオスの匂いを発している。もし、私が生身の体であれば、犯してもらうこともできたはずなのに、石のように硬い私の体は彼のものを受け入れることもできない。そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は私の胸を舌を使って唾液まみれにすると彼のモノを私の胸に押し当てる。彼が性器を当てるときは必ずと言っていいほど胸を選ぶ。
（相変わらず君はおっぱいが大好きなんだね。）
彼の体温よりもずっと熱いそれは冷たい私の身体を興奮させ、石像であるはずの自分の体が生を受けたかのように熱を帯びる錯覚に見舞われてゆく。彼は私の胸に押し付けた彼自身の分身をゆっくりと前後に擦り付けていく。自分の匂いを私の体にしみこませるかのように。
（ああ、熱くて、いい匂い……♥）
私は彼のイチモツからの熱に火傷しそうな感覚に襲われながらも心と身体がそれを求めており、彼が擦り付けるたびに強くなっていく匂いに期待を隠せずには居られなかった。彼は一度も見せたことのないような必死にこらえる顔を見て私の本能が彼が射精すると言うことを教える。今まで彼が行ってきた抱きしめると言う行為も胸を唾液まみれにする行為よりも私の硬い殻の中に眠る鼓動は高鳴っていく。魔物としての本能が彼の射精を渇望している。
（あと君の必死な顔も可愛いんだよね。）
一心不乱にこすり続けた彼の欲望はついに限界に達し、熱い鼓動と共に精を吐き出し私の身体という身体を白く塗っていき、辺りにオスの匂いを撒き散らす。その後、彼は荒い息を吐きながら精液まみれの私をまっすぐな瞳で見続けた。
（ご馳走様♪）
そして、一旦台座から降りて私の後ろに回りこみそのまま私を後ろからのしかかる。彼の幼い頃に比べて体重は重く、背が高くなったため首筋に当たる彼の吐息が私に幸せを運んでくれる。まるで私と彼が恋仲であるかのような、この時間が長く続けばと願う、そんな幸せ。そんな幸せも結局は鐘の音とともに終わりを告げる。その鐘の音を聞いた彼は脱ぎ捨てたぼろぼろの衣装を身に纏い慌ててこの屋敷の外へと駆け出し、黄昏色の世界へと消えていってしまった。
彼が去った後、私はただ一人静か過ぎる屋敷に取り残された。彼が毎日私の元に来るようになってもこの一人の時間と言うのは慣れない。むしろ、来る頻度が上がったせいでより一層孤独感を感じてしまう。
（さっきのあの子、可愛かったな……）
そんな夜に私が考えるのはいつも彼のことばかりだ。何時もボロ雑巾のような服を身に付け、どこか寂しそうな目で何かを求めるように私に縋り付き、来る度に私に性的な悪戯をする名前も知らない少年。誰にも気付かれないような場所にいる私をただ一人見つけ、求めてくれる彼を恋しく思うのは当然のことであり、何度私が自らの体を動かすことができたなら、彼を抱きしめることができたなら、彼と交わる事ができたならば、彼と淫らな性活することができたならと願い続けてきたのだろう。
（これさえなければ今頃は……）
もし、誰かが私を縛るこの首飾りを引きちぎってくれるのであれば私は今すぐにでも彼の元へと羽ばたいていくだろう。だが、そんなことすらも叶わずただただ時間は過ぎ去っていくだけだった。
次の日も彼は私の元へとやって来た。外には雪が降っているらしく彼の頭や肩には僅かだが白い粉のようなものが積もっており、薄汚れた衣装で寒そうに震え縮こまる彼は実に可愛らしく、今すぐにでも何とかしてあげたくなるような姿だった。もちろん、石像の体を持つ私にできることなど皆無だが。
その寒さは彼にとっても実に耐え難いものらしく、私の方へと寄らず屋敷の中を歩き何かを物色し始めた。しばらくしても彼は戻ってこない。
（早く戻ってきてくれないかな……）
結局一人っきりになった私はただ彼が鐘の音が来るまでに戻ってくることを願わずにはいられなかった。そんな私の祈りが届いたのか彼は私がいる玄関広間に戻ってきた。その時彼は今まで着ていたボロ雑巾のような服ではなく恐らくこの屋敷の主が着ていた服と思われる服を何枚も重ね着をしていた。残念ながらその服の尺は彼に合っておらず手足が袖口から出ていないためより返って彼の子供っぽさがにじみ出てしまっている。
（なんだかとっても転びそうだなー）
彼が身に付けている重ね着は彼が体温を奪われるのを防いでおり、今の彼にとって必要不可欠なものであっが、彼を暖めると言う行為を服に横取りされた気分になってしまったのは否めないが、私の体では彼の体温を暖めるどころか奪ってしまうため実に恨めしくも思う。もっとも、体温を確保した彼がやることは結局は一つなのでゆっくりと私の方へと足を向けた。
相変わらず私の体に欲情した彼は私を白濁で濁したあと、私を後ろから抱きめようとしたがうっかりバランスを崩し、台座から落ちてしまう。そのとき、彼は何かを掴もうとして手を伸ばし掴んだが、その掴んだものは私の首に掛かっている首飾りであったが、彼の体重を支えることはできず引きちぎれてしまった。彼は床にぶつけたところをさすりながら、自らの手に握っているものに気がつき、私の首に再びかけようとするが全く上手くいかず、鐘の音が鳴っても彼はそばにとどまり続けた。
「……どうしよう……」
彼が漏らした弱気な言葉は静かな屋敷の中を響かせすぐさま消えていく。彼の顔は実に不安に満ち溢れており、一向に首飾りが元に戻る気配は無いまま時間が過ぎていく。そんな彼とは反対に私は期待に心を躍らせる。ついに私を縛り続けていた封印が解かれた。しかも、偶然とはいえ彼のによってだ。あとは夜になるまでひたすら待ち続けた。そして、どこかで狼のような遠吠えが聞こえると体に変化が起き始める。体の硬化が解け、自由に動かせる範囲が広がっていく。当然私の顔も動くようになり、私の心にある期待と高鳴りが表情に表れるようになっていく。その変化に彼も気がついたのだろう。驚きの余りに再び台座から転げ落ちた。
「ふふふ……」
初めての私が発したのは彼のおかしさと彼とついに交われる時が来たことによる喜びを表す笑いであったが、彼は別のものに見えたらしくその表情は恐怖で引きつっている。
「う……うわぁぁぁぁぁぁぁ！！」
彼は叫びながら逃げ出し玄関の方へと向かっていく。彼が身に付けているズボンは尺があっておらず何度も転びそうになりながらも玄関まで辿りつき必死に扉を押すが、思うように開かない。僅かに開けた隙間から見える外の光景は雪で満たされたものであり、恐らくは雪が扉の向こうに積もっているのだろう。勿論そんな隙を私が見逃すわけも無く。
「捕まえた♥」
「あ……あぁぁ……」
ようやく動くようになった体を存分に使い彼を捕らえる。思っていた通り彼の身長は私よりも低く、私の体で包み込むには十分な大きさだった。
「いけない子だね。私が動かないことをいいことに色んなことをしてくれたわね。今度は私が可愛がってあげる。」
私ができるとびっきりの笑顔を彼に向けたが彼にはそれが怖いらしい。必死に抵抗して私から逃れようとしているが、それを許す私ではない。より一層彼のことを強く抱きしめ彼が逃げないように確保する。しかし彼が着ている厚着のせいで些か彼を感じ取ることができない。
「服邪魔だから破っちゃうね。」
私は彼が私の首飾りを引きちぎったように彼が来ている服を思いっきり引き裂いていく。引き裂いていくごとに彼の素肌が見え始め彼の胴体とイチモツが見えるように引き裂いき、再び彼を強く抱きしめる。彼の匂い、温もり、鼓動その全てを感じ取れるようになり、当然のことながら私は発情してしまう。私の口も秘所からも、だらしなく涎があふれ出てくる。
「お願いだから食べないでぇぇぇ……」
彼はついに泣き出してしまい、泣きながら懇願する。その泣き顔は久しく見ていなかったが彼の悲壮漂う顔がその泣き顔を芸術の粋まで引き立てより私を狂わせる。だが、彼のものはしんなりとしておりこのままでは交わろうにも交わることもできない。そんな彼に対して用いる手段と言うのは勿論押し倒すの一択だろう。彼のほうへ自分の体重をかける。案の定、体力が余り無い彼は容易く床に仰向けになるように倒れこむ。
「ひ……ひぃぃぃ……」
倒された彼の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃで私の嗜虐心を存分に刺激する。他の魔物娘が手を出さなくて良かったと思いながら、口角を上げ彼をからかうことにする。
「君って何時も私に悪戯したでしょ？ だから私もあなたに悪戯して……その後じっくり食べてあげる♥」
彼がこれから来る未来を予測し、全力で首を左右にぶんぶん振ることでその未来を回避しようとするがそんなことでやめる私でもない。まず、彼の何時もすることのうちの抱きしめることは既にやっているため、今度は彼の体を思う存分愛撫することにする。私は二つの腕で彼の胴体のわき腹を思いっきり指を動かす。大分前に彼にされたことだが何ともいえないくすぐったさで、苦しいはずなのにどこか楽しい気分になる。尤も私の顔動かなかったから笑うことも無かったが。
（でも、だからってやり返さない手は無いけどね。）
最初は彼はくすぐったさにはじめは我慢していたが、最後まで我慢できず大きな声で笑い声を上げる。涙と鼻水が塗られている顔が口を見せて笑うのという不思議な顔に思わず私は噴き出してしまった。面白おかしい顔を堪能した私は指を動かすのをやめ、次は彼の肉棒を触り始める。やけにしんなりした彼のものは私の体を汚した時に比べ明らかに小さい。ここで本能の赴くまま激しく嬲れば再び白濁を出すだろうがあえてせず軽くいじるだけにする。愛撫が一通り終わると次にすることは勿論決まっている。
「ふふふ……まだまだいくね♥」
さっきの元気はどこへ行ったのか彼は荒い息を吐き出すだけになっていた、そんな彼にお構い無しに荒い息をつきながらも私は可愛い彼の頭をガッシリと掴むとそのまま顔を近づけ唇と唇を重ね合わせる。彼は塞がれた口で何かを言おうとしているみたいだが私の舌は彼の口内に侵入し、その場で暴れまわる。
（君の唾液もとってもおいしい♥）
彼の唾液を舌で思う存分味わい甘美な行為できるようにしてくれた彼にただただ感謝するばかりであった。やがて、私の下半身に何か当たっていることに気付き、同時にそれが何なのかはすぐに予想できた。まだまだ彼の口内に居座りたかったが、まだまだやることがあるので名残惜しくもゆっくりと唇を離す。
「ふふふっ おちんちんをこんなのしっちゃって。そんなに良かったの？」
何時の間にか彼の股間は大きく反り返っており、いやらしい匂いを辺りに撒き散らしている。愛しい人の欲望がこんな状態になれば如何なる魔物娘であれ貪るはずだ。私の本能は雄たけびを上げ、すぐに精を寄越せを喚く。当然私の理性もそのつもりだが。私はゆっくりと体を動かし彼の股間のほうに頭を向け、自らの秘所は彼の顔の前に当たるようにする。
「今から君のおちんちん食べちゃうね♥」
私は彼にそう言い放ち彼のものを自分の胸で挟み込む。勃った彼のものは体のどの箇所よりも熱く、雄の匂いを漂わせていた。私の胸に挟みこまれた彼の肉棒は嬉しそうに脈動し、すぐにでも射精してしまうのではないかと思うほどであった。
「本当においしそうね♥ あなたのって♥」
胸から僅かにはみ出ている亀頭を私は咥えると彼の雄の匂いが口いっぱいに広がり興奮で頭がくらくらしていくが、そんなことお構い無しに彼のものを貪っていく。頭を動かすにつれ彼のイチモツの鼓動は早くなっていき、このままスパートかけようとしたとき、私の陰部に強烈な刺激が襲う。陰部のほうを見ると彼が必死ではあるがなれない様子で私の陰部を弄り回している。多分、彼のなりにムキになってのことなのだろう。
（私は勿論大歓迎なんだけどね。）
私としてはそれが嬉しくて口内で彼のカリを集中して嘗め回してしまった。結果、元から限界が近かったのかすぐに彼は自分の欲望を私の口内に吐き出してしまう。彼の亀頭から吐き出してくる子種を私は難なく飲み干していく。尿道に残っている分まで飲み干すとゆっくりと顔を上げ、体を動かし彼の顔を見下す。
「あは〜♥ いっぱいでっちゃったね。」
彼の瞳は潤んでいていて私の声が聞こえているかも疑わしい。彼の股間もまた今の彼と同じようにしんなりしている。さすがに今から彼と交わるのは無理と思ったが、いきなり本能がいきなりビックアイディアを私に授けてきた。今まで動かしてきた体の中で最も使われてない尻尾を彼の肛門に挿し込んでいく。彼の可愛らしい悲鳴を聞きながら私は尻尾で彼の前立腺を刺激し無理やり彼の肉棒を奮い勃たせる。
「そろそろメインディッシュにしましょうか♥」
私の秘所の奥を見えるように広げ彼にそれを見せる。体が動くようになってからずっと発情しぱなっしのそれは見るからに獲物を前にした野獣の口に涎が垂れるように愛液が滴り落ちている。彼のモノに自分の女性器を当てこれから起こることを彼に予測させた。
「いっただきま〜す♪」
そう言うと同時に私はゆっくり腰を下ろし彼の肉棒を呑み込んでいく。彼のモノが膣内を進むにつれ彼は小さな悲鳴を上げ続ける。彼のモノが私の処女膜に当たりそこで一旦腰を下ろすのを中断する。
「いい？ これから私の始めてをあげるから責任とってね♥」
「あ……ぁぁ……」
さっきから彼を苛めすぎたせいかまともに返事を返さなくなった彼にお構いなく、私は腰を一気に下ろす。彼の肉棒を全て呑み込んだ瞬間にそれは大きく脈動したがさすがに無理をさせ過ぎたためか、全く精がでなかったが、彼と一つになれたことが非常に嬉しく腰を上下に動かそうとしたが彼が意識を手放していることに気がついた。
（ごめんね。）
苦笑いを浮かべながら私は彼と一つになったまま抱きしめ、私の台座の前まで移動し腰を下ろす。今日は私にとって最高の宝物ができた記念すべき日になった。眠っている彼を強く抱きしめ彼の全てを感じ取っていく。私を見つけてくれた彼は私にとって恩人であり生涯の伴侶である。そんな彼は私は絶対に手放さないと心に堅く誓うのであった。
「あ……名前聞くの忘れてた。」
12/03/16 01:49更新 / のり