「一人でおトイレ行けるかな?」「無理じゃ!(きっぱり)」
夜。
目を開くと宵闇に塗りつぶされた天井が目に入った。
窓から差し込むわずかばかりの月明かりが無ければ、つい先ほどまで瞑り続けていた両の目でも何も見えなかっただろう。
「……」
首をひねって横に向ければ、俺の横になっているベッドから少しだけ距離を置いてベッドがもう一台置いてあった。
その上にかけられた毛布には膨らみがあり、ゆっくりと上下していた。
「バフォ様?」
毛布の下の主を小声で呼びかけるが、返事はなく、毛布の上下に変化もなかった。
どうやら本当に眠っているようだ。
俺はゆっくりと身を起こすと、ベッドから降り足音を忍ばせて、隣のベッドに歩み寄った。
床に敷かれた柔らかな絨毯は床板の軋みを殺し、ベッドのクッションとスプリングが俺の体重を受け止める。
ゆっくりとした俺の動作と高級な家具によって、俺が毛布をめくり主の側に身を滑り込ませてもなお、彼女は目を覚ますどころか寝返り一つ打つ様子もなかった。
よほど深い夢の世界にいるのだろう。
昼間は精一杯の”威厳ある表情”を作っている顔が、外見相応の幼い表情に彩られている。
俺は身体を横向きにすると、寝間着のズボンと下着を下ろし、彼女の下半身に自分のそれを寄せた。
そして、僅かに唇を開き、薄い胸を上下させる彼女の顔を見ながら、俺は体内を渦巻いていた欲望を解き放った。
「うぐ…ぐす…」
「バフォ様、ここは俺が片づけておきますので、どうかシャワーを浴びてきてください」
「何でじゃ…何でなんじゃ…」
「泣いていても事態は解決しません。今は洗い物を片付けるのが先決です。反省と備えは、後からしましょう」
「ぐす…ひぐっ…うぅ…」
彼女はすすり泣きながらも一つ頷くと、のろのろとベッドの側から離れ、部屋に併設された専用の浴室へ向かっていった。
結果、後に残されたのは俺と黄色い染みのついたシーツだった。
「よし…」
俺はズボンの下で痛いほどに屹立した肉棒もそのままに、彼女が「おねしょ」したシーツをマットから剥がし始めた。
シーツと寝間着は洗濯し、マットに染みた分は乾いた布と濡れた布で交互に除去すればいい。
少々面倒だが、彼女の泣き顔を見られたのだからどうということはない。
俺は染みが見えないよう丸めたシーツを洗濯場に運びながら、先ほどの彼女の表情を反芻した。
目覚める直前の、穏やかな寝顔。
覚醒直後の、薄く目を開きつつも、やや呆けた顔。
湿った股間から伝わる不快感に、少しだけ顰められた表情。
意識の明瞭とともに、徐々に光が宿っていく瞳。
股間の不快感と、その原因を探ろうと半ば朦朧とした頭を働かせる、怪訝な顔。
湿り気と股間の不快感、そして思いつく限りの原因が結びつき、自分の状況を理解した瞬間の表情。
覚醒する意識に合わせ、膨れ上がる不快感と理解によって羞恥心に塗りつぶされていく表情。
そして、情けなさと悔しさと不快感がごちゃ混ぜになり、ついに涙があふれ出す。
見る見るうちに変わっていく彼女の表情は、愛らしくありながらも、劣情を催させるものだった。
幾人もの魔女たちを従えるサバトの威厳ある長としての顔は欠片も残っておらず、そこにあるのは年相応、いや見た目よりも幼い泣き顔を浮かべる女の子しかいなかった。
挑んできた身の程知らずな冒険者を睨み付け、部下の魔女を震え上がらせる双眸は涙で曇り、
大地を焼き払い海を割る呪言を紡ぎ、男を妖しく誘い魔女を心酔させる彼女の唇は中途半端に開いて嗚咽を漏らし、
身長に合わせて短いながらも細くすらりとした両の足は内股気味に曲げられ、股間の不快感に震えながらも彼女の体躯を支えていた。
言葉一つで地水火風を操り、指先ひとつで魔術の秘儀奥義を導き、視線ひとつで男女を籠絡させる。
強大で高貴な上級魔物のバフォメットであるはずの主が、ベッドの側に立ち尽くしてすすり泣き、失態の証である染みのついたシーツを晒しているのだ。
そして自らの威厳を保つため、俺に泣きついて助けを乞う。
これで興奮しない者がいるだろうか?
いつのことだったかはもう忘れてしまったが、初めて彼女が俺に助けを求めてきた日、俺の意識の中で彼女の表情と震える声が幾たびも反芻し、興奮のあまりシーツを洗いながら達してしまったほどである。
それ以来俺は彼女のおねしょとその片付けに病みつきになってしまったのだ。
彼女の身の回りの世話を俺にとって、彼女におねしょをさせるよう導くのは割と容易いことだった。
寝る前に水分を取らせる。
寝る直前に便所に行かせない。
たったこの二つだけで、彼女は必ずといっていいほど翌朝シーツに染みを作っていた。
無論、やたらと飲み物を勧めたり、トイレに行こうとするのを遮ってはいけない。
飲み物を求めない時は目の前で飲んで見せ、欲しがれば一言軽く窘める。
そして便所に行くときは引き止めず、行きたがらない時は穏やかに指摘する。
「小さいのに寝る前に水分取ると、あまりよくありませんよ」
「我慢できなくなりますよ?子供みたいに後から行きたいと言っても、付いて行きませんよ?」
小さいのに、子供が、といった単語を言葉に混ぜてやることで、彼女の反発心を煽って反対の行動へ導いてやるのだ。
おかげで、月に一度程度の割合で彼女はおねしょをするようになった。
これで彼女が人間ならば、身体の成長とともに膀胱の容量が増し、寝る前に水分を取った上に便所に行かずとも、朝まで耐えられるようになるのだろう。
しかし彼女はバフォメット。魔王の交代以降その姿は幼い少女のそれで、何年、いや何十年と経とうとも身体は成長せず、膀胱の容量も増えないのだ。
俺がぼろを出さない限り、彼女は月に一度のおねしょに悩み、俺は月に一度の楽しみを味わうことができる。
だが、慣れというのは恐ろしい物だ。
数年前から俺は月に一度のおねしょが待ちきれなくなってきたのだ。
おかげで彼女が飲み物を欲しがるようわざわざ大目に水を飲んだり、寝る間際まで用事を片付けて便所から意識を遠ざけたりと、工作に勤しむようになった。
だが俺の行動は彼女の不審を煽るばかりで、おねしょの発生ペースを上げるには至らなかった。
俺は築かれぬ程度に工作のペースを落としながら、次なる手段を考えた。
こうして思いついたのが実力行使、つまりは就寝中の彼女のベッドに忍び入り、俺が小便をすることだった。
重要なのは、目が覚めた後の彼女の表情の変化と、自尊心が粉々に打ち砕かれた姿だ。
シーツの染みと股間の不快感が彼女におねしょの自覚を与えるのであって、彼女自身が排尿したかどうかは問題ではないのだ。
この事実に思い至ってから、俺は毎晩毎晩訓練を重ねた。
彼女の就寝を見計らってから身を起こす。
身を起こしたら足音を立てぬようベッドに近づく。
そして振動腿の音も立てずにベッドに忍び入り、彼女自身が排尿した場合と見分けがつかない位置に排尿する。
数か月にわたるトレーニングと、ベッドに忍び込んで目を覚まされた時の「恐ろしい夢を見ました。そばにいてください」という言い訳の気恥ずかしさに耐え、どうにか俺は『強制おねしょ』の技術モノにしたのだ。
そして、その気になればいつでもおねしょをさせられるという精神的余裕のためか、月に一度の自然なおねしょが待てるようになったのだ。
だが、体得した技術をさびさせるのが忍びないため、俺は月一のペースから、三ヶ月で四回のペースに増加させた。
無論、ほんのわずかな発生率の増加のため、彼女は気づくどころか不審すら抱いていない。
もっとも、調子に乗れば容易に崩れ去る砂上の楼閣のようなものだ。
くれぐれも慎重にしなければ。
俺は内心のにやつきを表に出さぬよう表情をこわばらせたまま、洗い場へ向かって進んでいた。
十数日後。
彼女がいない隙にサイコロやあみだくじを駆使して定めた次のおねしょの日の夜。
俺は毎度のように宵闇の中で目を開いた。
顔を横に向ければ、薄暗い闇の中に上下する毛布の影が見えた。
「バフォ様?」
低いながらも通るように心がけて声をかけるが、反応はない。
今夜もぐっすり眠っているようだ。
眠る直前まで彼女は本を読んでおり、しかもそのさなかにホットミルクを所望していた。
俺の忠告を退けて彼女はホットミルクを飲み、しばしの間をおいてから便所に行くこともなくベッドに潜り込んだ。
まことに好都合だ。
俺はそっとベッドを抜けると、足音を殺して移動し、彼女のベッドに潜り込んだ。
いつものように彼女の体温を感じながら寝間着のズボンを下ろし、肉棒を取り出す。
そして、狙いを定めて工作を行おうとした瞬間、柔らかな俺の肉棒を小さな手が掴んだ。
「っ!?」
「何をしておる…?」
宵闇の中、閉ざされていた彼女の両の目が薄く開き、低く押し殺した声が響いた。
何の魔力も載せていない、呪言ですらない平言のはずの一言が、俺の心臓を鷲掴みにし、動きを封じ込める。
「ば、バフォ様…!」
「何をしておる、と聞いたんじゃ」
どうにか紡ぎ出した俺の言葉に彼女はそう再び問いかけると、言葉を連ねた。
「またいつかのように恐ろしい夢でも見て、添い寝してもらいたくなったのかの?いや、肉棒を出しているところを見ると、搾ってほしくなったのか?それとも…夜中に急に催して、小便でもしたくなったのか?」
闇の中、毛布から覗く彼女の口の端が吊り上った。
完全に気が付かれている。何もかも。
「な、なぜそれを…」
「簡単なことじゃ。夜尿に至る条件を満たしてもいないのに、夜尿する時がたまにあったからじゃ。この身体になったのは、お前を従えるよりはるか昔からだからよの。気が付くのは簡単じゃったよ」
小さな掌で俺の肉棒を弄びながら、彼女は種明かしでもするように答えた。
「あとは夜尿の条件を整えて、お前がやってくるのを待っとくだけじゃ。ここまで簡単に食いつくのなら、もっと早いうちから待ち構えておくんじゃったの」
「く…」
何もかもお見通しだった、という彼女の言葉に、俺は内心歯噛みした。
こんなことならば技術を錆びさせないように、などと勢いづかず、おとなしく自然発生を待っておくべきだった。
「さて、こうして捕えたことだし、ここで漏らさせてやろうかの。どうせ片づけるのはお前だからな」
彼女は闇の中で微笑むと、肉棒を撫でまわす手を加速させた。
温かく小さな掌が肉棒を擦り、そのぷにぷにとした感触に自然と屹立してくる。
腹の中にあった尿意が掻き消え、代わりに渦巻く情欲がその大きさを増していく。
「ふふふ、我慢せんでもよいぞ?」
毛布の中で彼女が仰向けから、こちらを向くように横臥の姿勢を取り、もう一方の手も肉棒に添えてきた。
片方が裏筋を中心とする竿の部分を撫でまわし、もう片方が亀頭を包み込んでぐりぐりと擦る。
肉棒の先から、先ほどまで出そうとしていたものとは別のものが滲み出し、彼女の掌と擦れてにちゃにちゃと音を立てる。
「くっ…ふっ…」
「ふふふ…細かく震え始めたぞ…ほれ、思い切り出すがいい」
股間から這い登る甘い快感を堪える俺にそう言うと、彼女は竿をしごきつつ濡れた掌でひときわ強く亀頭を擦った。
強い刺激が肉棒から腰と背筋を伝わり、歯を食いしばる俺の意識に叩き込まれる。
「っ!?」
瞬間、俺の屹立から熱く、粘ついたものが迸った。
びくんびくんと、竿を握る彼女の手の中で肉棒が脈打ち、脈動に合わせて白濁が噴出していく。
「くふふふ…」
彼女は掌を汚す粘液を、脈動と迸りが止まるまで、笑みを浮かべながら受け止めるた。
そして、射精が終わったところで彼女は竿を握ったまま亀頭から掌を離し、毛布の中から手を出した。
「おうおう、お前が出したかったのはこっちではないのだろう…?だというのにこんなに出しおって…」
闇の中で彼女はわずかに頬を上気させながらそういうと、白濁にまみれた掌を顔に寄せ、唇をまとわりつく粘液に当てた。
そして、ずるずると音を立てながら粘液を啜った。
「んっ…んふ、んじゅぢゅ…ぢゅ…ん…」
喉を鳴らし、啜り、嚥下し、吸い上げる。
一通りの粘液を飲み下したところで舌を這わせ、彼女は手をきれいにしていった。
「んは…ふふ、少しだけいつもよりしょっぱかったのう…?」
彼女は粘液まみれの掌を、己の唾まみれにし終えると、そう評しながら俺に目を向けた。
その瞳には明らかな興奮と情欲が浮かんでおり、このままでは終わらないことを示していた。
「さて、そろそろワシも欲しくなってきたが、お前は小便をしたかったのであろう?わしの中で出されても困るが、こうガチガチでは出るものも出ないだろう」
彼女は毛布の下で肉棒を握る手を上下させ、いまだ屹立しているそれを刺激した。
裏筋が圧迫され尿道に残る精液が滲み出し、甘く鋭い快感が生じる。
「んぐっ…!?」
「ふふ、このままでは小便が漏れてしまいそうじゃからの…ちょっと面白い物を使うとしようかの」
その言葉と同時に彼女の指が離れ、彼女が毛布をめくって上体を起こした。
そしてベッド脇の物入れの引き出しをあけると、小さな瓶を取り出した。
中には一口分ほどの白い液体が入っている。
「何か分かるかの?」
闇の中で、彼女がつまんだ瓶を軽く揺らしながら問いかけた。
だが、返答を期待していたわけではないらしく、彼女はすぐに答えを言った。
「ホルスタウロスの乳じゃ。ただし、特別な調合も施しておる…精力増進の強化と、感度向上、そして強精神作用じゃ」
彼女はニタリ、と笑みを浮かべると小瓶の蓋を取り、顔を寄せてスンスンと鼻を鳴らした。
「ふふ、分かるか?こいつを飲めば、精力絶倫になるうえ快感も増すが、何よりも恐ろしいのは達しにくくなるところじゃ…ビンビンに硬いままで達することもできず、延々地獄を味わうがよい…」
彼女は瓶の口に唇を寄せると、くいと顎を上げながらその中身を煽った。
もっとも、飲み下したわけではなく口に含んだだけらしく、彼女は眼もとに愉悦を浮かべながら、窄めた唇を俺の口に近づけてきた。
口移しで飲ませるつもりか。
俺の胸中に不安と期待が巻き起こる。彼女特製の薬剤を用いてのオシオキに対する不安と、その結果もたらされる苦痛めいた快感に対する期待だ。
だが同時に、俺の中で小さな囁きも生じていた。
これはチャンスだ。
俺はその囁きに従い、毛布の中から手を伸ばし、彼女の窄めた唇を軽く掌で打った。
「っ!?…っほ、けほっ、何をするか!」
口への衝撃に、彼女が口中の液体を反射的に飲み下し、せき込みながら抗議の声を上げた。
そしてその直後、彼女は言葉を断ち切り、自分が何をしてしまったかを悟ったようだった。
目を見開き、口が僅かに開いて驚愕の表情を浮かべる。ちょうど、水も飲まず便所にも行って就寝したのに、翌朝染みのついたシーツを見つけてしまった時のような表情だ。
「…っ!」
一瞬の硬直の後、彼女は口を開いて口中に指先を突っ込もうとした。
だが俺はその両手首をつかんでひねりあげ、ベッドに押し倒すようにしながらその動きを封じた。
「は、放さん…っ」
唇に唇をかぶせ、言葉を封じながら舌を捻じ込み、口腔を撫ぜる。
調合薬の味か、ほのかな甘みを帯びた彼女の口内を味わううちに、次第に抵抗する力が弱まり、彼女の体躯が熱を帯びていく。
そしてたっぷりの間をおいてから唇を離すと、そこにはとろんとした目で虚空を見つめながら、口を半開きにした彼女の顔があった。
「このぉ…ひひょうものぉ…」
呂律のまわらぬ口調で、彼女はそう漏らした。
良い具合だ。この調子ならば、強制おもらしの現場を押さえられたことをチャラにしたうえ、さらなる高みに食い込めるだろう。
俺は内心ほくそえみながら、彼女の寝間着のズボンを下着ごと引きおろした。
下着が糸を引いて彼女の股から離れた。
力なく寄せられる両脚を強引に押し開くと、しとどに濡れて僅かにひくつくつつましげな割れ目が露になる。
濡れているのは確実に調合薬のせいだろう。だが、このひくつきはそれが原因ばかりではないはずだ。
そう、彼女は就寝前にホットミルクを飲み、便所にも行っていない。
おねしょに必要な条件は整っており、膀胱にはそれなりの尿が蓄積されているのだろう。
身体が排尿を欲しているが、彼女はここではしたくないと考えている。
仮に、自分のベッドの上で意識のあるうちに漏らしてしまえば、それはそれは深い絶望をもたらすだろう。おねしょの比ではないくらいに。
俺は彼女の両足の付け根に顔を寄せると、大きく口を開いて覆いかぶさった。
「ひぐぅ!?」
調合薬の効能か、濡れそぼった割れ目に舌を這わせるだけで、彼女は背筋を逸らせながら声を上げた。
数度舌先を上下させるうちに、ゆるく閉じていた割れ目が左右に広がり、その奥の柔らかな肉を晒す。
まるで、舌先でもっとそこを刺激しろ、と求めるようにだ。
「ひぃ…ひや、やめんかぁ…!」
だが肉体とは裏腹に、彼女は震える拒絶の声を絞り出し、紅潮した顔を左右に揺すった。
俺の一舐め毎に刺激が伝わり、ふとした拍子に放尿しそうになっているのだ。
力を籠めれば搾り出され、力を緩めれば漏れてしまう。
そんなぎりぎりの力加減をしているところに、薬物によって強化された快感が伝わってくるのだ。
だが、俺は彼女の言葉に拘泥することなく、黙々と舌で割れ目を撫で上げ、秘肉を突き、覗いた突起を擦った。
舌の動きに合わせて、彼女が硬直させた全身をびくり、びくりと震わせる。
普段、彼女が主導を取り、俺をいい様に責めているのと真逆である。
以前サキュバスたちが、屈強な男を舌と指で手玉にとるのは実に楽しい、といっていたのを聞いたが、今ならわかる気がする。
窮屈な膣口に舌先を捻じ込み、軽く円を描くように動かしながら、俺は彼女の嬌声と痙攣する四肢を感じていた。
屹立する陰核の下ではさらけ出された尿道口が、先ほどから心臓の鼓動と呼応するような速度で痙攣しており、彼女の限界が近いことを示していた。
このまま絶頂に追いやれば、力加減をしそこなって放尿に至るだろう。
自分のベッドの上での、自分の手下による強制放尿。
彼女の表情がどこまで歪むか、期待が膨れ上がっていく。
「ぶは…」
俺は彼女の両足の付け根から顔を離すと、身を起こして彼女をひょいと抱え上げ、胡坐をかいた腿の上に座らせた。
そして左手で彼女の胴を支えながら、右手を股間に這わせる。
これで、彼女の表情と放尿の様子を同時に伺うことができる。
「やめろぉ…やめてくれぇ…」
「どうされたのですか、バフォ様?」
開いた女陰を指先で弄びながら、懇願する彼女に俺は問いかけた。
「もしかして、おしっこが漏れそうなのですか?」
「っ…!?」
左腕の中のあ彼女の身体に力が籠り、懇願の声が止む。
「まあ、俺を懲らしめようと待ち構えていたバフォ様に限って、そんなお子様めいたことはありませんよね。ですから安心して盛大にイってください。ちゃんとした大人なら、子供のように自分のベッドでお漏らしなんてしませんからね」
彼女の耳元で、羞恥を煽り自分がどのような立場にあるかを自覚させる言葉を紡ぐ。
紅潮した彼女の顔に緊張が宿り、蕩けた彼女の瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
そして一瞬の逡巡の後、彼女は口を開いた。
「おねがいじゃぁ…おしっこいかせておくれぇ…」
どうやら彼女は、俺に対しての自尊心を捨てて、真の絶望をから逃れる選択をしたらしい。
気位の高い彼女が、おしっこなどという単語を使って懇願するとは、意外だ。
俺は彼女のその態度に免じて、便所に行かせてやることにしました。
「分かりました。じゃあおしっこに行ってもいいですよ」
とろんと蕩けた彼女の瞳に、かすかな希望が宿る。だが、続く俺の言葉に光は潰えた。
「でもその前に、一回イってからですね」
「な、なんでじゃ…!」
薬剤のせいで力のこもらぬ四肢を、ゆるゆると抵抗するように動かしながら、彼女が声を上げる。
「だって、今すぐにおしっこに行ったら興ざめじゃないですか。ですからこのまま一度達して、休憩も兼ねたおしっこ休憩を取るんです」
「やじゃぁ…!いま、いまいきたいんじゃ…ぁ…」
変な力の込め方をして少しだけ尿が漏れたのか、彼女の言葉が断ち切られる。
その隙に俺はひとさし指を膣内に挿入し、親指で陰核を軽くこすった。
「…っ!」
彼女の全身が硬直し、限界が近いことを伝えてくる。
俺は彼女の膣に挿入した指を回しながら、親指の腹で屹立する突起を刺激し続けた。
びくん、びくんと痙攣が大きく、激しくなり、挿入された指を膣壁が締め上げてくる。
指の血流さえも止めるほどの締め付けに、彼女の快感の大きさを悟る。
「そろそろですね、バフォ様。つたない俺の指技ですが、どうかお受け取りください」
「い、いやじゃ…ひぐっ、いやじゃ…!」
全身を痙攣させながら、嫌々と顔を左右に振る彼女に構うことなく、俺は囁いた。
「さあ、ご遠慮なく、どうぞ」
膣内に入れた指を大きく回し、親指の腹で陰核を押しつぶすように圧迫する。
瞬間、彼女の全身が反り返り、ぶるぶると腕の中で大きく震えた。
「――!」
大きく開いた口から声にならない嬌声が迸る。
そして、それだけですべてが終わった。
「…?」
硬直する彼女の全身が弛緩しても、彼女の股間からは尿の迸りはおろか、滴すら漏れなかった。
「えへぇ…?らんれぇ…?」
舌足らずな口調で、彼女が戸惑いの声を上げる。
「なんれいけないんやあ…?」
何でイけないんじゃ?
調合薬の作用により、彼女は今の刺激では達せなかったということか。
お漏らしに至らなかった理由に、俺は内心納得がいっていた。
同時に、ノリノリだったつい先ほどまでの自分が、俺は急速に恥ずかしくなっていた。
「…すみませんバフォ様、いい気になって大口をたたいてしまいました。一度トイレに行ってから、再開としま…」
「いやじゃぁ…もっとぉ…」
とりあえずトイレに行かせようとした俺の言葉に、彼女は情欲に濁った瞳を向けてきた。
「いまイきたいんじゃぁ…」
「しかし、今のままではお漏らし…」
「いやじゃあ…せつなすぎて、しにそうなんじゃ…」
懇願するように彼女は俺の瞳を覗き込みながら、言葉を紡いだ。
「たのむ…だきしめておくれ…」
その瞬間、俺の鼻孔を淡く甘い彼女の香りがくすぐった。
闇の中だというのに、彼女の四肢がどこまでもまぶしく見え、胸の奥にぽっかりと穴が開いたような感覚が芽生える。
抱きしめたい、目の前の彼女を。
先ほど唇を重ねた際に、彼女の口腔に残っていた調合薬を俺も服用してしまったのだろうか。
だが、湧き起こる衝動に俺は勝てそうになかった。
「分かりました」
俺は彼女を再び抱え上げると、向かい合うような形に姿勢を変え、腰の上に彼女の軽い体躯を下ろした。
だが、それはつい先ほどの腿の上に座らせるようなものではなく、物欲しげに口を開く女陰に俺の屹立を挿入するという、対面座位のしせいだった。
「んぁああああ!」
身体の奥を押し開く肉棒の感触に、彼女が歓喜の声を上げる。
達し損ねたせいか、彼女の膣内は愛液に滑り、入り込んでくる肉棒を締め上げながらも迎えるように膣壁が蠢いた。
熱く、柔らかで、窮屈な感触が、痛いほどに俺を包み込んでいく。
「動かしますよ…バフォ様…!」
「おお!んぉおおお!」
了解を求める形を取った俺の一方的な宣言に、彼女は了解の返事の代わりに強制で返した。
膣壁のわずかな凹凸が、肉棒の出入りの合わせてその表面を削り取らんばかりに絡み付き、締め上げ、引き止めようとする。
俺はカリ首をぞりぞりと擦っていく肉の感触に腰の奥から何かを引き抜かれるような錯覚を覚えながらも、肉棒の半ばまでを引き抜き、再び挿入した。
きつい締め付けに埋没していく肉棒から、肉塊に直接突き刺そうとしているかのような錯覚が伝わる。
「もっと…!激しく…!」
ゆるゆると彼女の身体を上下に動かしていると、そんな注文が嬌声交じりに発せられた。
俺は注文に応えるべく、上下させる彼女の身体を加速させた。
「もっとぉ…!もっとぉ…!」
だが彼女は物足りないらしく、さらにさらにと催促する。
だが俺の両腕はそろそろ限界に達しており、これ以上の速さで彼女を揺らすことはおろか、この動きを維持することすら不可能になりつつあった。
そこで俺はひとたび彼女の身体を高く持ち上げ、膣口からカリ首がのぞく程度にまで肉棒を引き抜いた。
一瞬、彼女の表情に物足りなさげなものが浮かぶ。
だが不安と不満の色を帯びたその瞳は、直後の自由落下めいた勢いの挿入によって、快感に塗りつぶされた。
「んぐぉおおおお!?」
一息に肉棒が根元まで彼女の体奥に挿入され、膨れ上がった亀頭が最奥の膣壁越しに、子宮をごつんと打つ。
同時に彼女の口から、呼気と苦痛の絶叫を混ぜ合わせた嬌声が迸った。
だがこれで終わりではない。
俺はさらに彼女の背中に両腕を回して抱きかかえると、その姿勢で腰を突き上げた。
奥まで挿入された肉棒が、彼女のさらなる奥を突き上げ、膣壁を引き延ばして子宮や内臓を突く。
「ぐぉ!うごぉ!おご!んぉお!おぐぉ!」
一突きごとに濁った嬌声が彼女の喉から迸り、俺の下腹を生暖かい液体が濡らす。
突き上げに耐えきれず、尿が漏れだしているのだ。
無論俺は構うことなく、黙々と腰を突き上げた。これが彼女の淫気に当てられたからか、彼女の痴態に興奮の火が付いたによるものかはわからない。
だが、俺は彼女を絶頂に導くという目的の下、ただただつき続けていた。
やがて、彼女の四肢に再び硬直と微かな痙攣が宿り始め、彼女の絶頂が近いことを知る。
俺はうっかり射精しないよう注意しながら、深々と挿入したところで口を開いた。
「バフォ様…いかがですか…?」
「イけそうじゃあ…イけそうじゃあ…」
快感に震える声で、彼女は表情を蕩けさせながらそう答えた。
「でも、イったらお漏らししちゃうんでしょう?」
「かまわん…このままイくんじゃ…あ…!」
肉棒の脈動にすら悦びの声を上げる彼女に、俺は抱きしめていた両腕を解くと肩を握った。
そしてそのままぐるりと彼女の身体を、肉棒を軸に回転させる。
「ぐぉおお!」
「くっ…!」
反った肉棒が膣壁を抉りながら回転する感触に、彼女が嬌声を上げる。
一方肉棒にずるずると絡み付く粘膜に、俺は射精を堪えるため歯を食いしばりつつ低くうめいた。
程なくして、彼女の身体が半回転し、俺の胸板に背中を預けるような姿勢になった。
「さあバフォ様、これで絶頂と同時にお漏らしするところが見えますよ?」
「あっ、うん、わかっとる……じゃから、もう…!」
絶頂が待ち遠しいかのように、腰をゆるゆると揺すりながら、彼女が応えた。
「じゃあ、自分が絶頂と同時にお漏らしするお子様であると言ったら…」
「ワシはおしっこもらしながらイく変態じゃ!じゃから、早く…!」
よほどひっ迫しているのか、彼女は即答した。
俺は彼女を焦らすため、もう一つだけ意地悪をすることにした。
「よくできました。それではお披露目の練習も兼ねて、自分が誰なのか、さっきの自己紹介をあそこにいる魔女の皆さんにしてください」
「お披露目…あ、あ…!」
俺の言葉からベッドの向こう、未だ暗い部屋の中に配下の魔女たちの姿を思い描いたのだろう。彼女の膣が羞恥と興奮にきゅんと締まった。
「わ、わしは…」
震える声で自己紹介を始めると同時に、俺は姿勢を整え肉棒の角度を調整した。
「自分のベッドでお漏らしするのが大好きな…」
思い切り深々と突き上げてやるため、後ろから覆いかぶさるようにして、彼女の前面に腕を回す。
「変態の…」
すると俺の腕に彼女は指を添え、きゅっと握りながら言葉をつづけた。
「ば、ば…」
だが、俺は彼女の『自己紹介』の最中にも拘らず、思い切り腰を突き上げた。
みっちりと詰まった膣肉を肉棒が押し広げ、膣壁の粘膜越しに子宮をごづりと突く。
直後限界に達していた俺の肉棒がはじけ、その先端から過熱した白濁を迸らせた。
「バッフォぉぉおおおおおおおっっっ!?」
彼女の名前が引き伸ばされ、後半が嬌声と絶叫と混ざり合いながら、彼女の口から迸る。
同時に俺の腕の中で、彼女の四肢がぶるぶると痙攣し、背筋が俺を押し返すほどの力で反らされた。
内臓を突き上げられ、膣と子宮を灼く精液の熱に彼女が絶頂に達したのだ。
そして、一瞬の間をおいてから、彼女の両足の付け根から液体が迸った。
最初は滴、続いて飛沫。一滴一滴が大きくなり、連なり、ついには連続した液体の放物線を描く。
排尿の勢いは増し、弓なりの液体の筋道は大きく高くなっていく。
やがてベッドのシーツにとどまっていた尿のアーチは、ベッドの端へと達し、絨毯のひかれた床へ伸びていった。
布が一瞬だけ水音を吸収するが、直後限界に達して溢れた水分同氏がぶつかり合い、水音を立てる。
だが彼女は羞恥を煽るはずのその音を、俺の腕の中で表情を蕩けさせながら聞いていた。
やがて、液体の描く放物線が小さくなり、絨毯からベッドの縁に終端が昇り、彼女の両足の間へと戻っていく。
そして、僅かばかりの残りがベッドのシーツに染みを広げていった。
「んぁあああ…」
まるで湯につかっているかのような穏やかな声を、彼女は漏らした。
「……」
いつの間にか閉じていた目を開くと、窓から差し込む光に照らし出される天井が見えた。
木目の一本一本がよく見える。
どうやら先ほどまでのは夢だったらしい。
「…っ…!」
俺はベッドの上で身を起こすと、軽く伸びをした。
さわやかな朝だ。
視線を隣のベッドに向ければ、そこには大きく膨らんだ毛布が載っている。
俺は音をたてぬようベッドから抜け出ると、手早く着替えて部屋を出た。洗面所に向かい、身支度を整えるためだ。
そして、タオルと水を張った盥を手に、俺は部屋へ戻った。
「バフォ様、起床の時間です」
呼びかけるが、毛布の山はもぞりと身じろぎするだけで、自発的に起き上がる気配はない。
反応があるからには、すでに目は覚めているのだろう。
「失礼します」
俺は盥を床におろして一声そう掛けてから、毛布に手を掛けてめくった。
「んん…んぅ…」
鼻にかかった声を、ベッドに横たわる彼女が漏らした。
裾のところにフリルが付いた白のネグリジェを纏っており、その幼くなだらかな体つきと就寝中に皺の寄ったシーツが相まって、ある種倒錯的な色気を醸し出していた。
むき出しの脚がネグリジェの中に吸い込まれ、細い腕や肩の描く曲線はもはや芸術的と言ってもよいほどである。
ただ一点、彼女のネグリジェの下腹部のあたりが不自然に盛り上がっているのを除けばだが。
「おはようございます」
「ん…おはよう…」
目を覚ましていたとはいえ朝日が眩いのか、彼女が目を擦りながら答えた。
「よくお休みになれましたか?」
「うむ、よく眠れた。あまり眠りすぎて夢すら見なかったほどじゃ」
「それはよかったですね」
彼女の熟睡っぷりに内心羨ましく思いながらも、俺は本題を切りだすことにした。
「それではバフォ様、今朝はどうでしょう」
「うむ…」
俺の一言に彼女は僅かに顔を上気させ、ネグリジェの裾に手を伸ばした。
フリルをほっそりとした指がつまみ、引き上げられていく。
太ももが次第にあらわになっていき、ついに不自然に盛り上がっていた両脚の付け根までがさらけ出された。
そこにあったのは、彼女の腰を包むおむつだった。
「失礼します」
俺はおむつに手を伸ばすと、結び目を解いて開いた。
不格好な布に覆い隠されていた彼女の太ももから両脚の付け根までがあらわになる。
同時に、染みの付いたおむつの内布が俺の目に入った。
「また、お漏らしされたのですね…だから寝る前にトイレに行きましょう、って申しましたのに」
「うぅ…怖い話をしたお前のせいじゃよう…」
昨晩怖い話をせがんだ彼女が、羞恥と僅かな悦びを表情に滲ませながら、上気した顔でそう答えた。
「おとといは辛い料理で喉が渇いたと言って水を飲み、その前はスープが美味しかったと二杯もお代わりしてましたよね。このところ毎日じゃないですか」
俺は彼女の腰の下から汚れたおむつを取り去ると、盥の水に浸しておいたタオルを絞り、内股を拭い始めた。
「ワシをおねしょの片づけをしてもらうのが大好きな変態にしたお前がそれを言うかぁ…」
彼女はゆるく握った拳で、タオルを動かす俺の腕を軽く打った。
そう、今朝方夢でみたあの晩から、彼女も虜になってしまったのだ。
おかげであの夜から彼女は立て続けにシーツを濡らすようになり、洗濯や掃除の手間からおむつの着用を二人で決定したのだった。
「しかし、こんな姿を魔女たちが見たら、なんて言うでしょうねえ」
「…!」
両脚の付け根にタオルを覆いかぶせながら、俺は言葉をつなげる。
「サバトの威厳ある長、バフォメットがまさか人間の童女のように寝小便を繰り返している。それも、どうしようもない失敗ではなく自分の意思でしているなんて知れたら…魔女たちはどんな顔をするでしょうねえ」
「うぅ…んっ…ん…」
俺の言葉に心を抉られ、ぞくぞくするような興奮に体を震わせる彼女の序院を、柔らかいタオルの生地できれいにしていく。
そして、割れ目の内側までしっかり拭ったところで、俺はタオルを離した。
「さて、綺麗になりましたよ、お漏らしバフォ様」
「ううむ、貴様ぁ…今夜は覚えておれ…」
悦びに震える声で彼女はそう言った。
どちらの意味かは分からないが、今夜が楽しみだ。
「はい、肝に銘じて今夜を楽しみにしています」
俺はタオルとおむつを片づけながら、そう応じた。
目を開くと宵闇に塗りつぶされた天井が目に入った。
窓から差し込むわずかばかりの月明かりが無ければ、つい先ほどまで瞑り続けていた両の目でも何も見えなかっただろう。
「……」
首をひねって横に向ければ、俺の横になっているベッドから少しだけ距離を置いてベッドがもう一台置いてあった。
その上にかけられた毛布には膨らみがあり、ゆっくりと上下していた。
「バフォ様?」
毛布の下の主を小声で呼びかけるが、返事はなく、毛布の上下に変化もなかった。
どうやら本当に眠っているようだ。
俺はゆっくりと身を起こすと、ベッドから降り足音を忍ばせて、隣のベッドに歩み寄った。
床に敷かれた柔らかな絨毯は床板の軋みを殺し、ベッドのクッションとスプリングが俺の体重を受け止める。
ゆっくりとした俺の動作と高級な家具によって、俺が毛布をめくり主の側に身を滑り込ませてもなお、彼女は目を覚ますどころか寝返り一つ打つ様子もなかった。
よほど深い夢の世界にいるのだろう。
昼間は精一杯の”威厳ある表情”を作っている顔が、外見相応の幼い表情に彩られている。
俺は身体を横向きにすると、寝間着のズボンと下着を下ろし、彼女の下半身に自分のそれを寄せた。
そして、僅かに唇を開き、薄い胸を上下させる彼女の顔を見ながら、俺は体内を渦巻いていた欲望を解き放った。
「うぐ…ぐす…」
「バフォ様、ここは俺が片づけておきますので、どうかシャワーを浴びてきてください」
「何でじゃ…何でなんじゃ…」
「泣いていても事態は解決しません。今は洗い物を片付けるのが先決です。反省と備えは、後からしましょう」
「ぐす…ひぐっ…うぅ…」
彼女はすすり泣きながらも一つ頷くと、のろのろとベッドの側から離れ、部屋に併設された専用の浴室へ向かっていった。
結果、後に残されたのは俺と黄色い染みのついたシーツだった。
「よし…」
俺はズボンの下で痛いほどに屹立した肉棒もそのままに、彼女が「おねしょ」したシーツをマットから剥がし始めた。
シーツと寝間着は洗濯し、マットに染みた分は乾いた布と濡れた布で交互に除去すればいい。
少々面倒だが、彼女の泣き顔を見られたのだからどうということはない。
俺は染みが見えないよう丸めたシーツを洗濯場に運びながら、先ほどの彼女の表情を反芻した。
目覚める直前の、穏やかな寝顔。
覚醒直後の、薄く目を開きつつも、やや呆けた顔。
湿った股間から伝わる不快感に、少しだけ顰められた表情。
意識の明瞭とともに、徐々に光が宿っていく瞳。
股間の不快感と、その原因を探ろうと半ば朦朧とした頭を働かせる、怪訝な顔。
湿り気と股間の不快感、そして思いつく限りの原因が結びつき、自分の状況を理解した瞬間の表情。
覚醒する意識に合わせ、膨れ上がる不快感と理解によって羞恥心に塗りつぶされていく表情。
そして、情けなさと悔しさと不快感がごちゃ混ぜになり、ついに涙があふれ出す。
見る見るうちに変わっていく彼女の表情は、愛らしくありながらも、劣情を催させるものだった。
幾人もの魔女たちを従えるサバトの威厳ある長としての顔は欠片も残っておらず、そこにあるのは年相応、いや見た目よりも幼い泣き顔を浮かべる女の子しかいなかった。
挑んできた身の程知らずな冒険者を睨み付け、部下の魔女を震え上がらせる双眸は涙で曇り、
大地を焼き払い海を割る呪言を紡ぎ、男を妖しく誘い魔女を心酔させる彼女の唇は中途半端に開いて嗚咽を漏らし、
身長に合わせて短いながらも細くすらりとした両の足は内股気味に曲げられ、股間の不快感に震えながらも彼女の体躯を支えていた。
言葉一つで地水火風を操り、指先ひとつで魔術の秘儀奥義を導き、視線ひとつで男女を籠絡させる。
強大で高貴な上級魔物のバフォメットであるはずの主が、ベッドの側に立ち尽くしてすすり泣き、失態の証である染みのついたシーツを晒しているのだ。
そして自らの威厳を保つため、俺に泣きついて助けを乞う。
これで興奮しない者がいるだろうか?
いつのことだったかはもう忘れてしまったが、初めて彼女が俺に助けを求めてきた日、俺の意識の中で彼女の表情と震える声が幾たびも反芻し、興奮のあまりシーツを洗いながら達してしまったほどである。
それ以来俺は彼女のおねしょとその片付けに病みつきになってしまったのだ。
彼女の身の回りの世話を俺にとって、彼女におねしょをさせるよう導くのは割と容易いことだった。
寝る前に水分を取らせる。
寝る直前に便所に行かせない。
たったこの二つだけで、彼女は必ずといっていいほど翌朝シーツに染みを作っていた。
無論、やたらと飲み物を勧めたり、トイレに行こうとするのを遮ってはいけない。
飲み物を求めない時は目の前で飲んで見せ、欲しがれば一言軽く窘める。
そして便所に行くときは引き止めず、行きたがらない時は穏やかに指摘する。
「小さいのに寝る前に水分取ると、あまりよくありませんよ」
「我慢できなくなりますよ?子供みたいに後から行きたいと言っても、付いて行きませんよ?」
小さいのに、子供が、といった単語を言葉に混ぜてやることで、彼女の反発心を煽って反対の行動へ導いてやるのだ。
おかげで、月に一度程度の割合で彼女はおねしょをするようになった。
これで彼女が人間ならば、身体の成長とともに膀胱の容量が増し、寝る前に水分を取った上に便所に行かずとも、朝まで耐えられるようになるのだろう。
しかし彼女はバフォメット。魔王の交代以降その姿は幼い少女のそれで、何年、いや何十年と経とうとも身体は成長せず、膀胱の容量も増えないのだ。
俺がぼろを出さない限り、彼女は月に一度のおねしょに悩み、俺は月に一度の楽しみを味わうことができる。
だが、慣れというのは恐ろしい物だ。
数年前から俺は月に一度のおねしょが待ちきれなくなってきたのだ。
おかげで彼女が飲み物を欲しがるようわざわざ大目に水を飲んだり、寝る間際まで用事を片付けて便所から意識を遠ざけたりと、工作に勤しむようになった。
だが俺の行動は彼女の不審を煽るばかりで、おねしょの発生ペースを上げるには至らなかった。
俺は築かれぬ程度に工作のペースを落としながら、次なる手段を考えた。
こうして思いついたのが実力行使、つまりは就寝中の彼女のベッドに忍び入り、俺が小便をすることだった。
重要なのは、目が覚めた後の彼女の表情の変化と、自尊心が粉々に打ち砕かれた姿だ。
シーツの染みと股間の不快感が彼女におねしょの自覚を与えるのであって、彼女自身が排尿したかどうかは問題ではないのだ。
この事実に思い至ってから、俺は毎晩毎晩訓練を重ねた。
彼女の就寝を見計らってから身を起こす。
身を起こしたら足音を立てぬようベッドに近づく。
そして振動腿の音も立てずにベッドに忍び入り、彼女自身が排尿した場合と見分けがつかない位置に排尿する。
数か月にわたるトレーニングと、ベッドに忍び込んで目を覚まされた時の「恐ろしい夢を見ました。そばにいてください」という言い訳の気恥ずかしさに耐え、どうにか俺は『強制おねしょ』の技術モノにしたのだ。
そして、その気になればいつでもおねしょをさせられるという精神的余裕のためか、月に一度の自然なおねしょが待てるようになったのだ。
だが、体得した技術をさびさせるのが忍びないため、俺は月一のペースから、三ヶ月で四回のペースに増加させた。
無論、ほんのわずかな発生率の増加のため、彼女は気づくどころか不審すら抱いていない。
もっとも、調子に乗れば容易に崩れ去る砂上の楼閣のようなものだ。
くれぐれも慎重にしなければ。
俺は内心のにやつきを表に出さぬよう表情をこわばらせたまま、洗い場へ向かって進んでいた。
十数日後。
彼女がいない隙にサイコロやあみだくじを駆使して定めた次のおねしょの日の夜。
俺は毎度のように宵闇の中で目を開いた。
顔を横に向ければ、薄暗い闇の中に上下する毛布の影が見えた。
「バフォ様?」
低いながらも通るように心がけて声をかけるが、反応はない。
今夜もぐっすり眠っているようだ。
眠る直前まで彼女は本を読んでおり、しかもそのさなかにホットミルクを所望していた。
俺の忠告を退けて彼女はホットミルクを飲み、しばしの間をおいてから便所に行くこともなくベッドに潜り込んだ。
まことに好都合だ。
俺はそっとベッドを抜けると、足音を殺して移動し、彼女のベッドに潜り込んだ。
いつものように彼女の体温を感じながら寝間着のズボンを下ろし、肉棒を取り出す。
そして、狙いを定めて工作を行おうとした瞬間、柔らかな俺の肉棒を小さな手が掴んだ。
「っ!?」
「何をしておる…?」
宵闇の中、閉ざされていた彼女の両の目が薄く開き、低く押し殺した声が響いた。
何の魔力も載せていない、呪言ですらない平言のはずの一言が、俺の心臓を鷲掴みにし、動きを封じ込める。
「ば、バフォ様…!」
「何をしておる、と聞いたんじゃ」
どうにか紡ぎ出した俺の言葉に彼女はそう再び問いかけると、言葉を連ねた。
「またいつかのように恐ろしい夢でも見て、添い寝してもらいたくなったのかの?いや、肉棒を出しているところを見ると、搾ってほしくなったのか?それとも…夜中に急に催して、小便でもしたくなったのか?」
闇の中、毛布から覗く彼女の口の端が吊り上った。
完全に気が付かれている。何もかも。
「な、なぜそれを…」
「簡単なことじゃ。夜尿に至る条件を満たしてもいないのに、夜尿する時がたまにあったからじゃ。この身体になったのは、お前を従えるよりはるか昔からだからよの。気が付くのは簡単じゃったよ」
小さな掌で俺の肉棒を弄びながら、彼女は種明かしでもするように答えた。
「あとは夜尿の条件を整えて、お前がやってくるのを待っとくだけじゃ。ここまで簡単に食いつくのなら、もっと早いうちから待ち構えておくんじゃったの」
「く…」
何もかもお見通しだった、という彼女の言葉に、俺は内心歯噛みした。
こんなことならば技術を錆びさせないように、などと勢いづかず、おとなしく自然発生を待っておくべきだった。
「さて、こうして捕えたことだし、ここで漏らさせてやろうかの。どうせ片づけるのはお前だからな」
彼女は闇の中で微笑むと、肉棒を撫でまわす手を加速させた。
温かく小さな掌が肉棒を擦り、そのぷにぷにとした感触に自然と屹立してくる。
腹の中にあった尿意が掻き消え、代わりに渦巻く情欲がその大きさを増していく。
「ふふふ、我慢せんでもよいぞ?」
毛布の中で彼女が仰向けから、こちらを向くように横臥の姿勢を取り、もう一方の手も肉棒に添えてきた。
片方が裏筋を中心とする竿の部分を撫でまわし、もう片方が亀頭を包み込んでぐりぐりと擦る。
肉棒の先から、先ほどまで出そうとしていたものとは別のものが滲み出し、彼女の掌と擦れてにちゃにちゃと音を立てる。
「くっ…ふっ…」
「ふふふ…細かく震え始めたぞ…ほれ、思い切り出すがいい」
股間から這い登る甘い快感を堪える俺にそう言うと、彼女は竿をしごきつつ濡れた掌でひときわ強く亀頭を擦った。
強い刺激が肉棒から腰と背筋を伝わり、歯を食いしばる俺の意識に叩き込まれる。
「っ!?」
瞬間、俺の屹立から熱く、粘ついたものが迸った。
びくんびくんと、竿を握る彼女の手の中で肉棒が脈打ち、脈動に合わせて白濁が噴出していく。
「くふふふ…」
彼女は掌を汚す粘液を、脈動と迸りが止まるまで、笑みを浮かべながら受け止めるた。
そして、射精が終わったところで彼女は竿を握ったまま亀頭から掌を離し、毛布の中から手を出した。
「おうおう、お前が出したかったのはこっちではないのだろう…?だというのにこんなに出しおって…」
闇の中で彼女はわずかに頬を上気させながらそういうと、白濁にまみれた掌を顔に寄せ、唇をまとわりつく粘液に当てた。
そして、ずるずると音を立てながら粘液を啜った。
「んっ…んふ、んじゅぢゅ…ぢゅ…ん…」
喉を鳴らし、啜り、嚥下し、吸い上げる。
一通りの粘液を飲み下したところで舌を這わせ、彼女は手をきれいにしていった。
「んは…ふふ、少しだけいつもよりしょっぱかったのう…?」
彼女は粘液まみれの掌を、己の唾まみれにし終えると、そう評しながら俺に目を向けた。
その瞳には明らかな興奮と情欲が浮かんでおり、このままでは終わらないことを示していた。
「さて、そろそろワシも欲しくなってきたが、お前は小便をしたかったのであろう?わしの中で出されても困るが、こうガチガチでは出るものも出ないだろう」
彼女は毛布の下で肉棒を握る手を上下させ、いまだ屹立しているそれを刺激した。
裏筋が圧迫され尿道に残る精液が滲み出し、甘く鋭い快感が生じる。
「んぐっ…!?」
「ふふ、このままでは小便が漏れてしまいそうじゃからの…ちょっと面白い物を使うとしようかの」
その言葉と同時に彼女の指が離れ、彼女が毛布をめくって上体を起こした。
そしてベッド脇の物入れの引き出しをあけると、小さな瓶を取り出した。
中には一口分ほどの白い液体が入っている。
「何か分かるかの?」
闇の中で、彼女がつまんだ瓶を軽く揺らしながら問いかけた。
だが、返答を期待していたわけではないらしく、彼女はすぐに答えを言った。
「ホルスタウロスの乳じゃ。ただし、特別な調合も施しておる…精力増進の強化と、感度向上、そして強精神作用じゃ」
彼女はニタリ、と笑みを浮かべると小瓶の蓋を取り、顔を寄せてスンスンと鼻を鳴らした。
「ふふ、分かるか?こいつを飲めば、精力絶倫になるうえ快感も増すが、何よりも恐ろしいのは達しにくくなるところじゃ…ビンビンに硬いままで達することもできず、延々地獄を味わうがよい…」
彼女は瓶の口に唇を寄せると、くいと顎を上げながらその中身を煽った。
もっとも、飲み下したわけではなく口に含んだだけらしく、彼女は眼もとに愉悦を浮かべながら、窄めた唇を俺の口に近づけてきた。
口移しで飲ませるつもりか。
俺の胸中に不安と期待が巻き起こる。彼女特製の薬剤を用いてのオシオキに対する不安と、その結果もたらされる苦痛めいた快感に対する期待だ。
だが同時に、俺の中で小さな囁きも生じていた。
これはチャンスだ。
俺はその囁きに従い、毛布の中から手を伸ばし、彼女の窄めた唇を軽く掌で打った。
「っ!?…っほ、けほっ、何をするか!」
口への衝撃に、彼女が口中の液体を反射的に飲み下し、せき込みながら抗議の声を上げた。
そしてその直後、彼女は言葉を断ち切り、自分が何をしてしまったかを悟ったようだった。
目を見開き、口が僅かに開いて驚愕の表情を浮かべる。ちょうど、水も飲まず便所にも行って就寝したのに、翌朝染みのついたシーツを見つけてしまった時のような表情だ。
「…っ!」
一瞬の硬直の後、彼女は口を開いて口中に指先を突っ込もうとした。
だが俺はその両手首をつかんでひねりあげ、ベッドに押し倒すようにしながらその動きを封じた。
「は、放さん…っ」
唇に唇をかぶせ、言葉を封じながら舌を捻じ込み、口腔を撫ぜる。
調合薬の味か、ほのかな甘みを帯びた彼女の口内を味わううちに、次第に抵抗する力が弱まり、彼女の体躯が熱を帯びていく。
そしてたっぷりの間をおいてから唇を離すと、そこにはとろんとした目で虚空を見つめながら、口を半開きにした彼女の顔があった。
「このぉ…ひひょうものぉ…」
呂律のまわらぬ口調で、彼女はそう漏らした。
良い具合だ。この調子ならば、強制おもらしの現場を押さえられたことをチャラにしたうえ、さらなる高みに食い込めるだろう。
俺は内心ほくそえみながら、彼女の寝間着のズボンを下着ごと引きおろした。
下着が糸を引いて彼女の股から離れた。
力なく寄せられる両脚を強引に押し開くと、しとどに濡れて僅かにひくつくつつましげな割れ目が露になる。
濡れているのは確実に調合薬のせいだろう。だが、このひくつきはそれが原因ばかりではないはずだ。
そう、彼女は就寝前にホットミルクを飲み、便所にも行っていない。
おねしょに必要な条件は整っており、膀胱にはそれなりの尿が蓄積されているのだろう。
身体が排尿を欲しているが、彼女はここではしたくないと考えている。
仮に、自分のベッドの上で意識のあるうちに漏らしてしまえば、それはそれは深い絶望をもたらすだろう。おねしょの比ではないくらいに。
俺は彼女の両足の付け根に顔を寄せると、大きく口を開いて覆いかぶさった。
「ひぐぅ!?」
調合薬の効能か、濡れそぼった割れ目に舌を這わせるだけで、彼女は背筋を逸らせながら声を上げた。
数度舌先を上下させるうちに、ゆるく閉じていた割れ目が左右に広がり、その奥の柔らかな肉を晒す。
まるで、舌先でもっとそこを刺激しろ、と求めるようにだ。
「ひぃ…ひや、やめんかぁ…!」
だが肉体とは裏腹に、彼女は震える拒絶の声を絞り出し、紅潮した顔を左右に揺すった。
俺の一舐め毎に刺激が伝わり、ふとした拍子に放尿しそうになっているのだ。
力を籠めれば搾り出され、力を緩めれば漏れてしまう。
そんなぎりぎりの力加減をしているところに、薬物によって強化された快感が伝わってくるのだ。
だが、俺は彼女の言葉に拘泥することなく、黙々と舌で割れ目を撫で上げ、秘肉を突き、覗いた突起を擦った。
舌の動きに合わせて、彼女が硬直させた全身をびくり、びくりと震わせる。
普段、彼女が主導を取り、俺をいい様に責めているのと真逆である。
以前サキュバスたちが、屈強な男を舌と指で手玉にとるのは実に楽しい、といっていたのを聞いたが、今ならわかる気がする。
窮屈な膣口に舌先を捻じ込み、軽く円を描くように動かしながら、俺は彼女の嬌声と痙攣する四肢を感じていた。
屹立する陰核の下ではさらけ出された尿道口が、先ほどから心臓の鼓動と呼応するような速度で痙攣しており、彼女の限界が近いことを示していた。
このまま絶頂に追いやれば、力加減をしそこなって放尿に至るだろう。
自分のベッドの上での、自分の手下による強制放尿。
彼女の表情がどこまで歪むか、期待が膨れ上がっていく。
「ぶは…」
俺は彼女の両足の付け根から顔を離すと、身を起こして彼女をひょいと抱え上げ、胡坐をかいた腿の上に座らせた。
そして左手で彼女の胴を支えながら、右手を股間に這わせる。
これで、彼女の表情と放尿の様子を同時に伺うことができる。
「やめろぉ…やめてくれぇ…」
「どうされたのですか、バフォ様?」
開いた女陰を指先で弄びながら、懇願する彼女に俺は問いかけた。
「もしかして、おしっこが漏れそうなのですか?」
「っ…!?」
左腕の中のあ彼女の身体に力が籠り、懇願の声が止む。
「まあ、俺を懲らしめようと待ち構えていたバフォ様に限って、そんなお子様めいたことはありませんよね。ですから安心して盛大にイってください。ちゃんとした大人なら、子供のように自分のベッドでお漏らしなんてしませんからね」
彼女の耳元で、羞恥を煽り自分がどのような立場にあるかを自覚させる言葉を紡ぐ。
紅潮した彼女の顔に緊張が宿り、蕩けた彼女の瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
そして一瞬の逡巡の後、彼女は口を開いた。
「おねがいじゃぁ…おしっこいかせておくれぇ…」
どうやら彼女は、俺に対しての自尊心を捨てて、真の絶望をから逃れる選択をしたらしい。
気位の高い彼女が、おしっこなどという単語を使って懇願するとは、意外だ。
俺は彼女のその態度に免じて、便所に行かせてやることにしました。
「分かりました。じゃあおしっこに行ってもいいですよ」
とろんと蕩けた彼女の瞳に、かすかな希望が宿る。だが、続く俺の言葉に光は潰えた。
「でもその前に、一回イってからですね」
「な、なんでじゃ…!」
薬剤のせいで力のこもらぬ四肢を、ゆるゆると抵抗するように動かしながら、彼女が声を上げる。
「だって、今すぐにおしっこに行ったら興ざめじゃないですか。ですからこのまま一度達して、休憩も兼ねたおしっこ休憩を取るんです」
「やじゃぁ…!いま、いまいきたいんじゃ…ぁ…」
変な力の込め方をして少しだけ尿が漏れたのか、彼女の言葉が断ち切られる。
その隙に俺はひとさし指を膣内に挿入し、親指で陰核を軽くこすった。
「…っ!」
彼女の全身が硬直し、限界が近いことを伝えてくる。
俺は彼女の膣に挿入した指を回しながら、親指の腹で屹立する突起を刺激し続けた。
びくん、びくんと痙攣が大きく、激しくなり、挿入された指を膣壁が締め上げてくる。
指の血流さえも止めるほどの締め付けに、彼女の快感の大きさを悟る。
「そろそろですね、バフォ様。つたない俺の指技ですが、どうかお受け取りください」
「い、いやじゃ…ひぐっ、いやじゃ…!」
全身を痙攣させながら、嫌々と顔を左右に振る彼女に構うことなく、俺は囁いた。
「さあ、ご遠慮なく、どうぞ」
膣内に入れた指を大きく回し、親指の腹で陰核を押しつぶすように圧迫する。
瞬間、彼女の全身が反り返り、ぶるぶると腕の中で大きく震えた。
「――!」
大きく開いた口から声にならない嬌声が迸る。
そして、それだけですべてが終わった。
「…?」
硬直する彼女の全身が弛緩しても、彼女の股間からは尿の迸りはおろか、滴すら漏れなかった。
「えへぇ…?らんれぇ…?」
舌足らずな口調で、彼女が戸惑いの声を上げる。
「なんれいけないんやあ…?」
何でイけないんじゃ?
調合薬の作用により、彼女は今の刺激では達せなかったということか。
お漏らしに至らなかった理由に、俺は内心納得がいっていた。
同時に、ノリノリだったつい先ほどまでの自分が、俺は急速に恥ずかしくなっていた。
「…すみませんバフォ様、いい気になって大口をたたいてしまいました。一度トイレに行ってから、再開としま…」
「いやじゃぁ…もっとぉ…」
とりあえずトイレに行かせようとした俺の言葉に、彼女は情欲に濁った瞳を向けてきた。
「いまイきたいんじゃぁ…」
「しかし、今のままではお漏らし…」
「いやじゃあ…せつなすぎて、しにそうなんじゃ…」
懇願するように彼女は俺の瞳を覗き込みながら、言葉を紡いだ。
「たのむ…だきしめておくれ…」
その瞬間、俺の鼻孔を淡く甘い彼女の香りがくすぐった。
闇の中だというのに、彼女の四肢がどこまでもまぶしく見え、胸の奥にぽっかりと穴が開いたような感覚が芽生える。
抱きしめたい、目の前の彼女を。
先ほど唇を重ねた際に、彼女の口腔に残っていた調合薬を俺も服用してしまったのだろうか。
だが、湧き起こる衝動に俺は勝てそうになかった。
「分かりました」
俺は彼女を再び抱え上げると、向かい合うような形に姿勢を変え、腰の上に彼女の軽い体躯を下ろした。
だが、それはつい先ほどの腿の上に座らせるようなものではなく、物欲しげに口を開く女陰に俺の屹立を挿入するという、対面座位のしせいだった。
「んぁああああ!」
身体の奥を押し開く肉棒の感触に、彼女が歓喜の声を上げる。
達し損ねたせいか、彼女の膣内は愛液に滑り、入り込んでくる肉棒を締め上げながらも迎えるように膣壁が蠢いた。
熱く、柔らかで、窮屈な感触が、痛いほどに俺を包み込んでいく。
「動かしますよ…バフォ様…!」
「おお!んぉおおお!」
了解を求める形を取った俺の一方的な宣言に、彼女は了解の返事の代わりに強制で返した。
膣壁のわずかな凹凸が、肉棒の出入りの合わせてその表面を削り取らんばかりに絡み付き、締め上げ、引き止めようとする。
俺はカリ首をぞりぞりと擦っていく肉の感触に腰の奥から何かを引き抜かれるような錯覚を覚えながらも、肉棒の半ばまでを引き抜き、再び挿入した。
きつい締め付けに埋没していく肉棒から、肉塊に直接突き刺そうとしているかのような錯覚が伝わる。
「もっと…!激しく…!」
ゆるゆると彼女の身体を上下に動かしていると、そんな注文が嬌声交じりに発せられた。
俺は注文に応えるべく、上下させる彼女の身体を加速させた。
「もっとぉ…!もっとぉ…!」
だが彼女は物足りないらしく、さらにさらにと催促する。
だが俺の両腕はそろそろ限界に達しており、これ以上の速さで彼女を揺らすことはおろか、この動きを維持することすら不可能になりつつあった。
そこで俺はひとたび彼女の身体を高く持ち上げ、膣口からカリ首がのぞく程度にまで肉棒を引き抜いた。
一瞬、彼女の表情に物足りなさげなものが浮かぶ。
だが不安と不満の色を帯びたその瞳は、直後の自由落下めいた勢いの挿入によって、快感に塗りつぶされた。
「んぐぉおおおお!?」
一息に肉棒が根元まで彼女の体奥に挿入され、膨れ上がった亀頭が最奥の膣壁越しに、子宮をごつんと打つ。
同時に彼女の口から、呼気と苦痛の絶叫を混ぜ合わせた嬌声が迸った。
だがこれで終わりではない。
俺はさらに彼女の背中に両腕を回して抱きかかえると、その姿勢で腰を突き上げた。
奥まで挿入された肉棒が、彼女のさらなる奥を突き上げ、膣壁を引き延ばして子宮や内臓を突く。
「ぐぉ!うごぉ!おご!んぉお!おぐぉ!」
一突きごとに濁った嬌声が彼女の喉から迸り、俺の下腹を生暖かい液体が濡らす。
突き上げに耐えきれず、尿が漏れだしているのだ。
無論俺は構うことなく、黙々と腰を突き上げた。これが彼女の淫気に当てられたからか、彼女の痴態に興奮の火が付いたによるものかはわからない。
だが、俺は彼女を絶頂に導くという目的の下、ただただつき続けていた。
やがて、彼女の四肢に再び硬直と微かな痙攣が宿り始め、彼女の絶頂が近いことを知る。
俺はうっかり射精しないよう注意しながら、深々と挿入したところで口を開いた。
「バフォ様…いかがですか…?」
「イけそうじゃあ…イけそうじゃあ…」
快感に震える声で、彼女は表情を蕩けさせながらそう答えた。
「でも、イったらお漏らししちゃうんでしょう?」
「かまわん…このままイくんじゃ…あ…!」
肉棒の脈動にすら悦びの声を上げる彼女に、俺は抱きしめていた両腕を解くと肩を握った。
そしてそのままぐるりと彼女の身体を、肉棒を軸に回転させる。
「ぐぉおお!」
「くっ…!」
反った肉棒が膣壁を抉りながら回転する感触に、彼女が嬌声を上げる。
一方肉棒にずるずると絡み付く粘膜に、俺は射精を堪えるため歯を食いしばりつつ低くうめいた。
程なくして、彼女の身体が半回転し、俺の胸板に背中を預けるような姿勢になった。
「さあバフォ様、これで絶頂と同時にお漏らしするところが見えますよ?」
「あっ、うん、わかっとる……じゃから、もう…!」
絶頂が待ち遠しいかのように、腰をゆるゆると揺すりながら、彼女が応えた。
「じゃあ、自分が絶頂と同時にお漏らしするお子様であると言ったら…」
「ワシはおしっこもらしながらイく変態じゃ!じゃから、早く…!」
よほどひっ迫しているのか、彼女は即答した。
俺は彼女を焦らすため、もう一つだけ意地悪をすることにした。
「よくできました。それではお披露目の練習も兼ねて、自分が誰なのか、さっきの自己紹介をあそこにいる魔女の皆さんにしてください」
「お披露目…あ、あ…!」
俺の言葉からベッドの向こう、未だ暗い部屋の中に配下の魔女たちの姿を思い描いたのだろう。彼女の膣が羞恥と興奮にきゅんと締まった。
「わ、わしは…」
震える声で自己紹介を始めると同時に、俺は姿勢を整え肉棒の角度を調整した。
「自分のベッドでお漏らしするのが大好きな…」
思い切り深々と突き上げてやるため、後ろから覆いかぶさるようにして、彼女の前面に腕を回す。
「変態の…」
すると俺の腕に彼女は指を添え、きゅっと握りながら言葉をつづけた。
「ば、ば…」
だが、俺は彼女の『自己紹介』の最中にも拘らず、思い切り腰を突き上げた。
みっちりと詰まった膣肉を肉棒が押し広げ、膣壁の粘膜越しに子宮をごづりと突く。
直後限界に達していた俺の肉棒がはじけ、その先端から過熱した白濁を迸らせた。
「バッフォぉぉおおおおおおおっっっ!?」
彼女の名前が引き伸ばされ、後半が嬌声と絶叫と混ざり合いながら、彼女の口から迸る。
同時に俺の腕の中で、彼女の四肢がぶるぶると痙攣し、背筋が俺を押し返すほどの力で反らされた。
内臓を突き上げられ、膣と子宮を灼く精液の熱に彼女が絶頂に達したのだ。
そして、一瞬の間をおいてから、彼女の両足の付け根から液体が迸った。
最初は滴、続いて飛沫。一滴一滴が大きくなり、連なり、ついには連続した液体の放物線を描く。
排尿の勢いは増し、弓なりの液体の筋道は大きく高くなっていく。
やがてベッドのシーツにとどまっていた尿のアーチは、ベッドの端へと達し、絨毯のひかれた床へ伸びていった。
布が一瞬だけ水音を吸収するが、直後限界に達して溢れた水分同氏がぶつかり合い、水音を立てる。
だが彼女は羞恥を煽るはずのその音を、俺の腕の中で表情を蕩けさせながら聞いていた。
やがて、液体の描く放物線が小さくなり、絨毯からベッドの縁に終端が昇り、彼女の両足の間へと戻っていく。
そして、僅かばかりの残りがベッドのシーツに染みを広げていった。
「んぁあああ…」
まるで湯につかっているかのような穏やかな声を、彼女は漏らした。
「……」
いつの間にか閉じていた目を開くと、窓から差し込む光に照らし出される天井が見えた。
木目の一本一本がよく見える。
どうやら先ほどまでのは夢だったらしい。
「…っ…!」
俺はベッドの上で身を起こすと、軽く伸びをした。
さわやかな朝だ。
視線を隣のベッドに向ければ、そこには大きく膨らんだ毛布が載っている。
俺は音をたてぬようベッドから抜け出ると、手早く着替えて部屋を出た。洗面所に向かい、身支度を整えるためだ。
そして、タオルと水を張った盥を手に、俺は部屋へ戻った。
「バフォ様、起床の時間です」
呼びかけるが、毛布の山はもぞりと身じろぎするだけで、自発的に起き上がる気配はない。
反応があるからには、すでに目は覚めているのだろう。
「失礼します」
俺は盥を床におろして一声そう掛けてから、毛布に手を掛けてめくった。
「んん…んぅ…」
鼻にかかった声を、ベッドに横たわる彼女が漏らした。
裾のところにフリルが付いた白のネグリジェを纏っており、その幼くなだらかな体つきと就寝中に皺の寄ったシーツが相まって、ある種倒錯的な色気を醸し出していた。
むき出しの脚がネグリジェの中に吸い込まれ、細い腕や肩の描く曲線はもはや芸術的と言ってもよいほどである。
ただ一点、彼女のネグリジェの下腹部のあたりが不自然に盛り上がっているのを除けばだが。
「おはようございます」
「ん…おはよう…」
目を覚ましていたとはいえ朝日が眩いのか、彼女が目を擦りながら答えた。
「よくお休みになれましたか?」
「うむ、よく眠れた。あまり眠りすぎて夢すら見なかったほどじゃ」
「それはよかったですね」
彼女の熟睡っぷりに内心羨ましく思いながらも、俺は本題を切りだすことにした。
「それではバフォ様、今朝はどうでしょう」
「うむ…」
俺の一言に彼女は僅かに顔を上気させ、ネグリジェの裾に手を伸ばした。
フリルをほっそりとした指がつまみ、引き上げられていく。
太ももが次第にあらわになっていき、ついに不自然に盛り上がっていた両脚の付け根までがさらけ出された。
そこにあったのは、彼女の腰を包むおむつだった。
「失礼します」
俺はおむつに手を伸ばすと、結び目を解いて開いた。
不格好な布に覆い隠されていた彼女の太ももから両脚の付け根までがあらわになる。
同時に、染みの付いたおむつの内布が俺の目に入った。
「また、お漏らしされたのですね…だから寝る前にトイレに行きましょう、って申しましたのに」
「うぅ…怖い話をしたお前のせいじゃよう…」
昨晩怖い話をせがんだ彼女が、羞恥と僅かな悦びを表情に滲ませながら、上気した顔でそう答えた。
「おとといは辛い料理で喉が渇いたと言って水を飲み、その前はスープが美味しかったと二杯もお代わりしてましたよね。このところ毎日じゃないですか」
俺は彼女の腰の下から汚れたおむつを取り去ると、盥の水に浸しておいたタオルを絞り、内股を拭い始めた。
「ワシをおねしょの片づけをしてもらうのが大好きな変態にしたお前がそれを言うかぁ…」
彼女はゆるく握った拳で、タオルを動かす俺の腕を軽く打った。
そう、今朝方夢でみたあの晩から、彼女も虜になってしまったのだ。
おかげであの夜から彼女は立て続けにシーツを濡らすようになり、洗濯や掃除の手間からおむつの着用を二人で決定したのだった。
「しかし、こんな姿を魔女たちが見たら、なんて言うでしょうねえ」
「…!」
両脚の付け根にタオルを覆いかぶせながら、俺は言葉をつなげる。
「サバトの威厳ある長、バフォメットがまさか人間の童女のように寝小便を繰り返している。それも、どうしようもない失敗ではなく自分の意思でしているなんて知れたら…魔女たちはどんな顔をするでしょうねえ」
「うぅ…んっ…ん…」
俺の言葉に心を抉られ、ぞくぞくするような興奮に体を震わせる彼女の序院を、柔らかいタオルの生地できれいにしていく。
そして、割れ目の内側までしっかり拭ったところで、俺はタオルを離した。
「さて、綺麗になりましたよ、お漏らしバフォ様」
「ううむ、貴様ぁ…今夜は覚えておれ…」
悦びに震える声で彼女はそう言った。
どちらの意味かは分からないが、今夜が楽しみだ。
「はい、肝に銘じて今夜を楽しみにしています」
俺はタオルとおむつを片づけながら、そう応じた。
11/01/24 17:45更新 / 十二屋月蝕