連載小説
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第六話 砂漠での暮らし
みなさんこんばんは、皐です
先ほどエナからピラミッドで居候するための三つの条件を出されてすぐに了承しました

あれしきのことで面倒をみてもらえるんだから少し悪い気もするのですが
せっかくなのでお言葉に甘えることにしました

今私はあてがわれた自分の部屋でくつろいでます
まだ異世界に来たという実感は特にないです

明日からはどんな生活が始まるのでしょうか
少し楽しみです

ではおやすみなさい・・・・・・





〜翌朝〜

「おい皐!いつまで寝ているつもりだ!!」
「・・・う〜ん、まだ寝てた・・・・ZZZZ」
「起きろーーー!!」

ガバッ!

エナに布団を無理やり剥がされてしまった
ああ、眠い・・・・

「おはよう、いい朝だな」
「すみません・・まだ眠いっす・・」
「呆れたことを言うな。ここで暮らすからには常に規則正しい生活を送ってもらう」
「うえ〜〜い・・・・」
「腑抜けた返事をするな!」
「・・・は〜い・・・」
「伸ばすな!」
「ハイ!」

正直まだかなり眠い
あんまり朝は強くないんだよね〜
ああ、眠くなって・・・ZZZ〜

「寝るなーー!!」



〜食堂〜

朝一番にエナに怒られてしまったがあんなに怒られてもなぁ・・・
睡眠は人間の三大欲求の一つなのだから簡単には振りほどけない

でも改善していくしかないのだろう
毎朝怒らせるのもあれだし、居候の身だし

「ニャハハハ〜ずいぶん怒られてたニャ?サツキ〜♪」
「うるさい・・・朝は苦手なんだよ・・・」

朝食を食べてたら前にスフィンクスのパーナが座ってきた

「おはよう、変t、じゃなくてパーナ」
「いまなにか言いかけニャかったかニャ?」
「さあ?気のせいじゃないのか?」

昨日の夜にエナが砂漠に住む魔物について教えてくれたので、
スフィンクスという魔物についても少し学んだ
最初に会った時のなぞなぞは呪いだったらしく、
下手すれば大変なことになっていたようだ

元の世界にいた時はあの友人には心底うんざりしていたが、
彼のおかげで助かったことになる

「まあいいニャ、そういえば午後からサツキとあたしで入り口の見張りね」
「へ〜い」
「あとご飯食べたらエナの部屋に来てだって」
「う〜い」
「・・・話聞いてるニャ?」
「いえ、まったく」
「聞いてニャいのかい!」
「冗談、聞いてるよ。・・・・1/5くらいは」
「全然だニャ!?」



とりあえず適当にだべりながら朝食を食べ、エナの部屋に行く
俺の異世界一日目(厳密にいうと二日目かもしれないが)の初仕事だ
とりあえずノック

「む、もう来たのか。10分前行動とは感心だな」

声が聞こえてドアが開く
(全部の部屋の入り口が木製ドアなのはちょっと驚いた。てっきり布とか石の扉かと)

「まあ、まずは入ってくれ」
「お邪魔しま〜す」

とりあえず中に入る俺

「さて、では早速始めてもらおうか」
「ん、それじゃ」

今から何をすんのだって?
それは・・・・



「きゅ〜ん♪もっとやってぇ♪」
「はいはい。ほれほれ」
「あ、そこっ、くおおぉぉん♪」
「うりうり」

初仕事がこれです
そうです、耳を揉むお仕事です
三つ目の条件にあったあれ
朝食後と夜寝る前の計二回

「エナ〜?そろそろ15分経つけど〜?」
「えっ!・・でも皐が10分早く来たからあと10分〜♪」
「はいはい、了解っと」
「くぅ〜ん♪」

ちなみに俺は1時間くらいなら余裕でできる
だって和むし癒されるしすき放題モフモフでき(以下略)


耳を揉んだら次はエナから護身用にと魔法を教わることになった

「じゃあまずは簡単な火の魔法からだな」
「火の魔法からって言われても・・・使い方まったくわかりません」
「ああ、まずはそこからか」

2時間くらい魔法の理論や仕組みを簡単に教わり、いざ挑戦

「それではやってみろ」
「よ〜し、やってやんぜ!」

手に火の玉を作るイメージで、魔力を集中させると・・・・

「・・・・・・」
「・・・・・・」

線香花火の火種みたいのが手のひらの上でパチパチ
しばらくすると消えてしまった

「・・・・・・」
「・・・まあ、魔法を知らなかった異世界人なら最初はこんなものだろう」
「慰めないで!余計に惨めになってくる!」

俺には魔法の素質はあまりないらしい





〜ピラミッド 入り口〜

「ニャ〜、ひ〜ま〜だ〜ニャ〜」
「・・・・・・」
「ひ〜ま〜ニャ〜」
「・・・・・・」
「ニャ〜・・・」
「・・・・・・」
「ヒマだニャ!!」
「知るか、問題でも考えてろ」
「つ〜め〜た〜い〜」

昼食後、パーナと一緒に入り口の見張り
確かにこれは暇になるな
日陰にいてもちょっと暑いし
ちなみに侵入者対策として  一 応  マイバディを装備なう

「あ〜・・・そうニャ!」

何か思いついたのだろうか

「サツキ!お前にリベンジするニャ!!」
「・・・・・はぁ?」
「昨日はやられたけど、今日はあたしが勝つニャ!」
「寝言は寝て言え」

正直、昨日の程度の問題ならリベンジにならない

「う〜・・・なら次はそっちが出すニャ!」

なぜそうなる

「しゃあない、付き合ってやっか」
「よっしゃあ!さあ、来いニャ!」

さて、どんな問題にしようか
・・・うん、あれでいっか。ちょっと意地悪な問題

「じゃあ、問題
ある町にパーナとエナという子がいました。二人は生まれた年も誕生日も親も同じです。
しかし、彼女たちは双子ではありません。いったいなぜでしょう?」

「パーナとエナは双子じゃニャいよ?」
「いや、考えんの面倒だから名前を借りただけ」
「え〜っと?う〜ん・・・?」

案の定考え込んでいるパーナ
閃く人はすぐに閃くこの問題
ちなみに俺は出されて15分後にわかった
理に適っているが、ちょっとうざい答えになっている

「双子じゃニャいの?」
「双子じゃないの」
「う〜?ニャ〜?」

パーナが考えている間にエナから借りた本を読むことにした
とりあえず魔物についての人間向けの本を借りた
(内容は魔物の種類とか性格・気性等の基礎的な本)
そういえば、異世界人には共通してこの世界の文字の読み書きができるようなっているらしい
世界と世界の間の空間を通った時の副作用とかなんとか、詳しい理屈は不明なようだ



〜数時間経過〜

本を読んでいたらいつの間にか日が暮れそうになっていた
パーナはというと、すでに考えることを放棄し寝ていた
・・・・しかも俺の膝を枕にして

「う〜ん・・・ふニャ〜ん・・・zzz」
「俺の膝はお前らの枕じゃないんだが・・・・」

エナの時もそうだったが、こうやって見ると本当に犬と猫にそっくりだ
ワーウルフとワ−キャットとかもこんな感じなのだろうか

「おい、そろそろ起きろ。中に帰るぞ」
「う〜ん・・・あとちょっと〜・・」
「んじゃ、置いてくわ」
「あ〜・・待って・・起きるから〜・・」

目を擦って渋々起きるパーナ

「で、結局問題は解けたのか?」
「う〜ん・・・・全然だニャ・・・」
「あっそ、んじゃいいや」
「え、答えは教えてくんニャいの?」
「教えんのタルいし、そもそも理解できるかわかんないし・・・」
「酷いニャ!?」

教えろ教えろと纏わりついてくるので教えることにした

「正解は“三つ子以上だったから”」
「はニャ?・・・・・ってええ!?」
「誰も人は“二人だけ”なんて言ってないだろう?二人以外にも兄弟や姉妹はいたってこと」
「ずるいニャ卑怯ニャ反則ニャ!!」
「でも理には適っているし、間違いでもないだろう?」
「うううぅぅぅぅ〜〜〜!!」
「なぞなぞは騙したり、嵌めたりしてこそナンボってことだ」

俺の友人がよく言った言葉だ
解けなかった時にはものすごくうざく聞こえる

「次こそは、次こそは・・・!」

期待せずに待つよ


12/08/19 22:13更新 / 野良猫
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■作者メッセージ
皆さんこんばんは、野良猫です

【迷い込んだ世界は】の六話目はいかがでしたでしょうか

皐は元の世界では二度寝常習犯でした
これからもたびたび二度寝するでしょう

異世界での読み書きはご都合主義です
だって一から勉強させるのも皐がかわいそうですし
なによりその方が書くの楽なんd(殴

誤字・脱字報告や感想をお待ちしています

PS.
近々読み切り作品を投下する予定です
ちょっとの息抜き&初エロ執筆な作品になっております
設定は現代・・・のつもりです
投下した時によろしければ読んでやって下さい

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