連載小説
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第一話 ここはどこ?
どうも皆さん、こんにちは。
自分は倉田皐といいます。
五月に生まれたから皐と名づけられたらしいです。単純ですよね。


さて皆さん、私はいまどこにいると思いますか?







砂漠です。


さっきまで図書館にいて、普通に帰ってて
気がつけば一見して日本ではないとわかる様な砂漠にいます



辺り一面に広がる砂!
容赦なく照りつく太陽!
焼かれる肌!


・・・・いや暑いんだけど、ガチで



「なんでこんな所に・・・」

こんな反応しかできない
だって砂漠だよ!?砂漠!!desert!!
一般的な高校生が同じ目にあったら間違いなく似た反応するって





と、とりあえず状況を確認しよう

@さっき、20分前ぐらいまでは間違いなく図書館にいた

これは大丈夫、OK。知り合いと会って少し雑談したから覚えてる。
そろそろ帰ろっかなーって思った時に話しかけられた。

A10分ぐらい雑談した後に帰り道が逆だから別れた

うん、問題ない。正反対なんだもん、あいつん家。
日常的だわ、普通だわ、ノーマル万歳

Bその後、人通りの少ない路地を歩いてて、気づいたらここにいた

ハイ、ここだねおかしいですね
どこをどう歩いたら砂漠へワープするのでしょうか
いつから俺は空間移動ができる超能力者になった?
そして俺は何言ってるの?


「・・・・とりあえず歩こっか」

立ち止まってても仕方ない。じっとしてるのは性に合わないし
ちょっとした冒険だ、そう思えばいい









〜1時間後〜

 
「暑いぃぃ〜」

自然とそう言ってしまう
頭上にはギラギラと輝く太陽
足元は歩き慣れたコンクリートや砂利道ではなくただの砂
いつもより体力を使う。このダブルパンチはかなりキツイ


「水飲も・・」

カバンに入ってる水筒を取り出す
二本入ってるけど、片方は空になってしまった
今日は暑くなるって天気予報でやってたから二本持ってきていたが
これは幸運だった。ありがとう天気予報のおじさん








〜それからさらに1時間後〜


「お〜?、なんか見える〜」

遠くのほうに何か大きな物が見えた
なんだろうか、町か何かかな?
あ、でも町にしては小さいかな

「とりあえずあそこに行こう」

人間って明確な目標があるとがんばれるってよく聞くけど、
あれって本当だったんだ
実際にさっきよりもテンションが上がった気がする
気がするだけだけど


でも俺は忘れていた
ここがどこなのかを
ここは砂漠
砂漠には危険な“アレ”がいることを






しばらく歩いていて、ちょっとご機嫌な(気がする)俺は一つ気づいた

「そういえば携帯あるじゃんか・・・・」

これがあればいろいろできるのに、何故気づかなかった少し前の俺

「そんじゃ早速・・ってどこにしまってたっけ?」

普段あんまり使わないからな〜
・・・・あ、そうだカバンの奥の方だ


ゴソゴソ
おっ、発見

「よいしょっと、あっ」

落としちゃった、不覚。
携帯を拾おうとして後ろを向いたら

「・・・・・・」

・・・・なんかいらっしゃる
状況を詳しく説明すると、露出度の高い格好の女の人が目の前にいて、
その手にはナイフを握っている

ここまででもちょっと近づき難い
だってナイフ持ってる人には近づきたくないでしょ?




でもここからが大事
下半身が、なんというか、その
・・・・サソリっぽい
サソリといえば尻尾の毒が強力なことで有名だ
あれ?これってかなり危ない状況?

「・・・・・」

彼女は無言だ。でも尻尾がゆらゆらと動いてる
ちょっと怖い、いやちょっとじゃない。マジ怖い

とりあえずそっと距離をとり、俺はカバンからある物を取り出した



「・・・・・・」

「・・・・・・」

取り出したのは、太極拳の練習用の剣
5年前ぐらいにバザーでおばちゃんが売っていた物で
売れ残りだったらしく、値札の半額で売ってくれた

それ以来、一応防犯用としてカバンで眠っていたが
喜べ売れ残った剣(マイバディ)、ついに役に立つ時が来たぜ。
ちなみにこの剣は折りたたみ式で、伸ばすと約90cmだが
折りたたんだ時は約30cmになるので持ち運びに大変便利


「・・・・・」

「・・・・・」

お互いに無言。向こうはこちらの隙を狙っていたのだろうか
そうならば音もたてず、声も出さずに背後にいたのも頷ける

とりあえず剣を最大まで伸ばして柄を強く握った
 




ドラマとかでよくあるような静寂の睨み合い
しかし、この静寂を破ったのは彼女からの一言だった

「・・・・違った」

「・・・えっ?」

何が違ったのだろうか
俺の安そうな剣(バディ)の取り出し方?

「男が来たから追いかけたけど・・・あんまりタイプじゃない」

「・・・・・」

・・・・・初対面の人からの最初の一言がタイプじゃないって
なにこれ地味に傷つくよ

「・・・私の探してるのは少し幼い感じの男の子。・・・あなたはそんな感じじゃない」

そんじゃあ俺は論外だわ。
生まれてから年相応に見られたことは、ほんの僅かだし
いつもいつも年上に見られてたし・・・・
小学・中学までは別になんとも思わなかったけど
最近は老けてるの?と本気で思ってしまったりする

まあ彼女はショタk・・・もとい子供が好きなようだ
俺みたいな高校生には興味がないのだろう
背を向けて立ち去ろうとしていた
・・・・あ、そうだ

「あの〜、ちょっと訊きたいことがあるんですけどいいですか?」

ちょうどいい所に人(?)がいるのでちょっと訊こう

「・・・何?」

「向こうの方ににあるのって町か何かですか?」

「・・・町じゃない。・・・建物」

「じゃあここから歩きでどれぐらいかかるかわかります?」

「・・・人間の足なら30分もあれば着くと思う」

「そうですか、ありがとうございます」

そうか、あれ建物だったか〜
うん、じゃあこのまま進もうか

見た目は怖いけど、見ず知らずの男の質問に答えてくれたし
案外いい人(?)なのかもしれない。そう思いながら頭を下げた。

「・・・でもあそこには行かない方がいいかも」

「?、どうしてですか?」

何かまずい建物なのだろうか

「だってあそこって・・・・ピラミッドだよ?」



12/08/18 12:21更新 / 野良猫
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■作者メッセージ
皆様はじめまして、野良猫です。

【迷い込んだ世界は】の一話目はいかがでしたでしょうか?

感想をいただけたら幸いです。幸いと言うより喜びます。

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