卓斗の断章〖終わる日常、始まる非日常〗
夕日差し込む帰り道。
俺は今はもう使われてない廃墟の前を通ろうとしていた。
何か視線を感じる。
俺は廃墟の三階見上げた。
俺の高校の制服を着た金髪で赤い瞳の女性が俺の方へ見下ろしていた。
変な感じがした俺は少しだけ早足で帰った。
それから次の日の放課後。
鞄を持ち、帰ろうとした時。
バァン!!
教室のドアが勢いよく開いた。
開けたのは昨日の金髪の女性だった。
不機嫌そうな顔で辺りをキョロキョロ見て、俺と目が合い、金髪女は俺のもとへ向かってきた。
「貴方に用があるの……来なさい!」
金髪女は俺の手首を強く握り、思いっきり引っ張られた。
俺は引きずられるように屋上に連れてこられた。
「俺……なんかしたか?」
「………」
彼女は何も答えない。
彼女は俺の頭から足までを何か品定めするかのように見ていた。
そして、彼女は口を開いた。
「昨日…貴方、私のことジロジロ見てたでしょ?」
「はぁ?」
「とぼけても無駄よ、貴方が私のことジロジロ見てたの見てるのよ、なんで私のこと見てたの?」
俺は今、面倒な金髪女に絡まれてしまったのだろう。
そう思っていたら、彼女は怒ってたかと思えば不敵な笑みを浮かべた。
「もしかして、私に興味があるとか?」
「いや、単純に視界に映っただけだ。」
そう答えると彼女は呆れた。
「はぁ……つまらないわ。」
「俺から質問だ、昨日、なぜ廃墟に居たんだ?」
「理由は簡単よ、あの時は私の執事か奴隷か食料になってくれる男性を探してたのよ。」
「なるほどな…………ん?」
この金髪の口から、とんでもない単語が出てきた。
執事?奴隷?食料?
今の季節は春ではない、変な頭をした人が増える季節ではあるまいし、言葉の真意について聞こう。
「おい、食料やら奴隷やらと意味分からない言ってるが、お前は人間じゃないのか?」
「そうよ、私は人間ではないわ、ヴァンパイアよ。」
「ヴァンパイアって、血を吸う魔物の事か…」
「ふぅん、私の正体を知っても冷静でいられるのね。」
「驚くのがめんどくさいだけだ。」
金髪女は俺の目を覗いた。
三十秒ほど見つめ、何故か納得したらしい。
「なら貴方、私の執事になりなさい。」
「なんでだ、理由を言え。」
「貴方のこと、気に入ったからよ。」
「気に入った理由は?」
「貴方は根っからの忠犬タイプね、真に主と認めた者には忠誠を誓い、たとえ主の危機が迫ろうとも命を代えても守り抜く、そして、超が付くほどのお人好しと言ったところかしら。」
「どうして、そう思う?」
「私はね、〖対象の深層心理に潜り込み対象の関係者が対象の事をどう思っているか探る能力〗を持っているからよ、その証拠に貴方には姉と妹の三人暮らしで母は水難事故で亡くなって、父は焼身自殺ね。」
何故、この女はそのことを知っている。
それはクラスメートは知らない、教師達は知っているが内密になっている。
「もし、俺がお前の誘いを断ったらどうするつもりだ。」
「貴方は断れないわ、何故なら貴方に会う前に貴方のお姉さんと話してきたからよ、それにお姉さんとは中学の時から仲がいいから交換条件出したら快く了承してもらえたわ。」
こいつ、姉貴には逆らえないことも知ってやがる。
俺の姉貴は生徒会長で優しくてはおっとりとしているけど、姉貴の言うことは全て聞いてしまう。
「もう一度言うわ、私の執事になりなさい。」
「チッ………分かったよ、執事になってやる。」
「あら、利口で助かったわ、これからはよろしくね。」
「あぁ、よろしくな……ところでお前の名前はなんだ?」
「そういえば名前を言ってなかったわね、私の名前はルビー・ブラッドシュガーよ。」
「俺の名前は真神卓斗だ。」
こうして俺はルビーの執事になってしまった。
ルビーと別れたあと、俺は自宅に戻った。
「あっ、お兄ちゃんお帰り、さっきメイドさんが大勢来て、お兄ちゃんの荷物を全部持っていっちゃったよ、なにがあったの?」
「なんだと!」
俺は二階に急いで上がり、俺の部屋に入ったが住所が書かれた紙が一枚あるだけでそれ以外は何もなかった。
俺はその紙に書かれていた名前を見て頭痛が起きそうになる。
「ね、ねぇお兄ちゃん大丈夫?」
「あぁ、なんとかな。」
そこに姉貴が部屋に入ってきた。
「あらあら、ルビちゃんったら、もう始めたのね〜。」
「姉貴、どうしてルビーの交換条件を呑んだんだよ。」
「だってぇ〜、あのルビちゃんが頭を下げてまでお願いされたら断れるわけないじゃない〜。」
「なら交換条件の内容を教えてくれ。」
「それは駄目よ〜、女の子同士の約束だからぁ〜」
姉貴にこれ以上、問いただしても無理だろうと判断し、紙に書かれた住所に向かいたどり着いたがかなり大きな屋敷だった。
門にはインターホンが無く、幽霊屋敷じゃないのかと思うほど寂れていた。
俺は門の前に立ったら、勝手に開いた。
「入れって事か?」
俺は門をくぐり、屋敷の玄関の前まで来た、俺は扉を叩いた。
「真神だ、開けてくれないか!」
そしたら扉は開き、中に入った。
「「「「「いらっしゃいませ卓斗さん」」」」」
クラッカーの音が鳴り響き、ルビーと三人の魔物娘とたくさんの魔物娘メイド達が歓迎してくれた。
「ようこそ煉獄館へ、此処の魔物娘達は卓斗君を歓迎するわ。」
これが俺と四人の魔物娘達の邂逅。
俺はみんなの欠けたモノを埋めることが出来るだろうか。
これから待ち受ける運命が過酷であることをまだ知らないまま一日が過ぎていく。
俺は今はもう使われてない廃墟の前を通ろうとしていた。
何か視線を感じる。
俺は廃墟の三階見上げた。
俺の高校の制服を着た金髪で赤い瞳の女性が俺の方へ見下ろしていた。
変な感じがした俺は少しだけ早足で帰った。
それから次の日の放課後。
鞄を持ち、帰ろうとした時。
バァン!!
教室のドアが勢いよく開いた。
開けたのは昨日の金髪の女性だった。
不機嫌そうな顔で辺りをキョロキョロ見て、俺と目が合い、金髪女は俺のもとへ向かってきた。
「貴方に用があるの……来なさい!」
金髪女は俺の手首を強く握り、思いっきり引っ張られた。
俺は引きずられるように屋上に連れてこられた。
「俺……なんかしたか?」
「………」
彼女は何も答えない。
彼女は俺の頭から足までを何か品定めするかのように見ていた。
そして、彼女は口を開いた。
「昨日…貴方、私のことジロジロ見てたでしょ?」
「はぁ?」
「とぼけても無駄よ、貴方が私のことジロジロ見てたの見てるのよ、なんで私のこと見てたの?」
俺は今、面倒な金髪女に絡まれてしまったのだろう。
そう思っていたら、彼女は怒ってたかと思えば不敵な笑みを浮かべた。
「もしかして、私に興味があるとか?」
「いや、単純に視界に映っただけだ。」
そう答えると彼女は呆れた。
「はぁ……つまらないわ。」
「俺から質問だ、昨日、なぜ廃墟に居たんだ?」
「理由は簡単よ、あの時は私の執事か奴隷か食料になってくれる男性を探してたのよ。」
「なるほどな…………ん?」
この金髪の口から、とんでもない単語が出てきた。
執事?奴隷?食料?
今の季節は春ではない、変な頭をした人が増える季節ではあるまいし、言葉の真意について聞こう。
「おい、食料やら奴隷やらと意味分からない言ってるが、お前は人間じゃないのか?」
「そうよ、私は人間ではないわ、ヴァンパイアよ。」
「ヴァンパイアって、血を吸う魔物の事か…」
「ふぅん、私の正体を知っても冷静でいられるのね。」
「驚くのがめんどくさいだけだ。」
金髪女は俺の目を覗いた。
三十秒ほど見つめ、何故か納得したらしい。
「なら貴方、私の執事になりなさい。」
「なんでだ、理由を言え。」
「貴方のこと、気に入ったからよ。」
「気に入った理由は?」
「貴方は根っからの忠犬タイプね、真に主と認めた者には忠誠を誓い、たとえ主の危機が迫ろうとも命を代えても守り抜く、そして、超が付くほどのお人好しと言ったところかしら。」
「どうして、そう思う?」
「私はね、〖対象の深層心理に潜り込み対象の関係者が対象の事をどう思っているか探る能力〗を持っているからよ、その証拠に貴方には姉と妹の三人暮らしで母は水難事故で亡くなって、父は焼身自殺ね。」
何故、この女はそのことを知っている。
それはクラスメートは知らない、教師達は知っているが内密になっている。
「もし、俺がお前の誘いを断ったらどうするつもりだ。」
「貴方は断れないわ、何故なら貴方に会う前に貴方のお姉さんと話してきたからよ、それにお姉さんとは中学の時から仲がいいから交換条件出したら快く了承してもらえたわ。」
こいつ、姉貴には逆らえないことも知ってやがる。
俺の姉貴は生徒会長で優しくてはおっとりとしているけど、姉貴の言うことは全て聞いてしまう。
「もう一度言うわ、私の執事になりなさい。」
「チッ………分かったよ、執事になってやる。」
「あら、利口で助かったわ、これからはよろしくね。」
「あぁ、よろしくな……ところでお前の名前はなんだ?」
「そういえば名前を言ってなかったわね、私の名前はルビー・ブラッドシュガーよ。」
「俺の名前は真神卓斗だ。」
こうして俺はルビーの執事になってしまった。
ルビーと別れたあと、俺は自宅に戻った。
「あっ、お兄ちゃんお帰り、さっきメイドさんが大勢来て、お兄ちゃんの荷物を全部持っていっちゃったよ、なにがあったの?」
「なんだと!」
俺は二階に急いで上がり、俺の部屋に入ったが住所が書かれた紙が一枚あるだけでそれ以外は何もなかった。
俺はその紙に書かれていた名前を見て頭痛が起きそうになる。
「ね、ねぇお兄ちゃん大丈夫?」
「あぁ、なんとかな。」
そこに姉貴が部屋に入ってきた。
「あらあら、ルビちゃんったら、もう始めたのね〜。」
「姉貴、どうしてルビーの交換条件を呑んだんだよ。」
「だってぇ〜、あのルビちゃんが頭を下げてまでお願いされたら断れるわけないじゃない〜。」
「なら交換条件の内容を教えてくれ。」
「それは駄目よ〜、女の子同士の約束だからぁ〜」
姉貴にこれ以上、問いただしても無理だろうと判断し、紙に書かれた住所に向かいたどり着いたがかなり大きな屋敷だった。
門にはインターホンが無く、幽霊屋敷じゃないのかと思うほど寂れていた。
俺は門の前に立ったら、勝手に開いた。
「入れって事か?」
俺は門をくぐり、屋敷の玄関の前まで来た、俺は扉を叩いた。
「真神だ、開けてくれないか!」
そしたら扉は開き、中に入った。
「「「「「いらっしゃいませ卓斗さん」」」」」
クラッカーの音が鳴り響き、ルビーと三人の魔物娘とたくさんの魔物娘メイド達が歓迎してくれた。
「ようこそ煉獄館へ、此処の魔物娘達は卓斗君を歓迎するわ。」
これが俺と四人の魔物娘達の邂逅。
俺はみんなの欠けたモノを埋めることが出来るだろうか。
これから待ち受ける運命が過酷であることをまだ知らないまま一日が過ぎていく。
14/09/16 18:21更新 / 福餅 桜
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