連載小説
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旅人達の物語
……とある戦場、その端の方に、四人の男達が座って戦を眺めていた。
四人は全員18〜20歳程。まだ若い。

「……はぁ、全く、人は馬鹿だよね……なんでこんな無駄なことしてるんだろね?」
「さぁ、知らん。興味もない」
「いや、一応言っとくがお前らもその人間なんだからな?あと、少なくとも片方は戦争なんてする気は……」
「知ってますよ……あ、智也、もうそろそろ決着つく?」
「……三人とも、僕の邪魔するくらいなら戦場で遊んできてよ」
「いや、そしたらお前の邪魔になるだろう?」
「……少なくとも圭一は間違えた振りして人形に襲わせるから問題ないよ」
「それワザとだよな!」
「……へぇ、もう半分は減らしたんだ」
「うん。やっぱり弱過ぎ。ただの土塊でこんなに押されるなんてね」
「……おい、智也、竜司、お前らワザと話しそらしたよな?」

そんなことを言いながら、青年達は戦場を見る。
戦場では、人が戦っていた。
……しかし、人が戦っているのは、人でも、ましてや魔物でもない。
土塊人形と戦っているのだ。
最初は人と人や魔物……教会側と魔物側が戦っていたのだが、その内魔物側は撤退し、代わりに四桁にも及ぶ土塊で出来た人形が教会側と戦い始めたのだ。

「……で、智也、いったいあとどれくらいで決着がつくんだ?」
「大丈夫だよ治樹。こんな奴ら、“あと三十分で終わらせるから”」
「智也、わかってると思うけど……」
「大丈夫。まだ……我慢できる」
「しかし、いい天気だな……」
「あー、そろそろ服を洗濯したいな……」


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その日、教会側は戦争に負けた。
戦争での死者は0名。
重症者0名。
軽症者5024名。
教会派は知らなかった。
この被害が全て、たった四人で構成されたグループが引き起こしたことを。


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「なぁ竜司、次はどこに行く?」
「うーん……いつものように適当に旅してればいいでしょ?」
「でも、そろそろ“ライン”に帰った方がいいと思うよ?」
「うーん……そうだね。いろいろなとこに寄りながら帰ろっか」
人形遣いと若き竜・上11/11/19 23:31
人形遣いと若き竜・中11/11/26 18:17
人形遣いと若き竜・下11/12/03 16:22

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