第十九話 いろんな愛の形
一体…どうなってる?
目の前に現れた二人目のローラ。
そのローラは俺が連れてきたローラと瓜二つの”人間”の女性だった。
ムンドはそんな事情も知らず話を続けた。
「どういう訳かは知りませんが…ローラは生きていてくれたんです、これほど嬉しいことは今までにありませんよアレスさん!!」
「だ、だがムンド―」
「私がここでもう寝ようかっていう時に扉のノックする音が聞こえたんですよ、そして開けてみたら彼女が立っていたんです、それはもう嬉しくて嬉しくて…。」
ムンドは興奮した状態でも事細かに丁寧に話してくれた。
普通なら俺だって疑いはしないしこんなことも言いたくない。
…普通ならな。
「ムンド、落ち着いて聞いてくれ…お前は今興奮してて状況が分からなくなっているだけだ。」
「何を言っているんですか…私はいたって冷静ですよ、そりゃ長年探していた愛する妻を見つければ少しは興奮もしますけど、そんなことよりアレスさん!!」
ムンドは急に俺の手を引いて部屋の中へと迎え入れてくれた。
「長旅で疲れたでしょう?ローラの作る料理は最高なんですよ、なんでしたら今日は泊まっていって下さい!!アレスさんの旅の話でも―」
「いい加減にしろムンドっ!!!!」
俺はそのムンドの手を振り払って怒鳴りつけた。
「お前は気づいているはずだ、ローラの死ぬところを見たお前なら分かっているはずだろ!!」
俺が怒鳴りつけたことに対してムンドは驚きとも焦りとも見える表情を見せた。
「やめて下さい、あれは私の見間違いだったのです…ローラは死んでなどいなかった、現に今ここにこうしているじゃないですか!!」
「一度死んだ人間は”人間として”蘇ったりなどしない、そこにいるローラは偽物だ。」
俺がローラを指差して叫ぶと当のローラはひどく怯えたようにこちらを見ていた。
ムンドはそのローラを庇うように前へと出て俺を睨んだ。
「アレスさん、いくらあなたでも言って良いことと悪いことがありますよ!!」
「俺はお前の為を思って言っているんだ、大事な指輪を託してくれた以上…俺は約束は守る。」
「じゃあ証拠を見せてください、ここにいるローラが本物じゃないという証拠を!!」
「良いだろう…ローラ、出てきてやれ!!」
「…?!」
俺が叫んだあと、玄関の方からゆっくりと歩いてくる足音が聞こえた。
そして部屋へと入ってきた姿を見てムンドは仰天する。
「ひ、ひぃ?!!ま、魔物!!?」
「ムンド落ち着けっ、よく姿を見てみろ!!」
「え…?!」
一瞬慌てたムンドだったが恐る恐る彼女の顔を見た。
そして表情からでも分かるほどの驚きと感嘆が見て取れた。
「ろ、ローラ…ローラなのかい?」
「あなた…。」
ローラは俺に言われた通りに守って、こんな状況になっても笑って会ってくれた。
「そ、そんな…じゃあローラが…二人…?!」
思わず混乱し、腰を抜かしたムンドは信じられないという目で二人を見比べた。
まったく同じではないが同じ二人が目の前にいる。
ありえない状況にムンドは頭を抱えた。
「ちょ、ちょっと待ってください…頭が…おかしくなりそうです。」
自分を落ち着かせるためにムンドは状況を把握しようと必死だった。
そして落ち着いた後に一つの疑問が彼には残った。
「どっちが…本物なんだ?」
「あなた…。」
「…。」
魔物か、人間か…その二つの選択をムンドは今選ぶことになる。
俺はそんな混乱したムンドを立ち上がらせた。
「いいかムンド、ここからはお前が決めるんだ。」
「わ、私がですか…?」
「俺は確かに本物を連れてきた、だから向こうが偽物だとも言ったが最後に決めるのはお前だ、これはお前の人生の選択だからな。」
「し、しかし…私にはそんなこと…。」
「お前にしかできないんだ、長年連れ添った妻なんだろ…だったら今見つけてやれ。」
「…。」
「男だろ、しっかりしろ!!」
「…!!」
俺は彼を勇気づけるように背中にバンッっと張り手をかました。
その一打もあってかムンドは決心したかのように顔を上げ、二人と対峙した。
「ローラ…。」
「「あなた…。」」
二人が同時にムンドを見つめ、ムンドは二人を見つめた。
そしてムンドはつぶやくように口を開いた。
「一つだけ聞かせて欲しいんだ…。」
「…。」
「君は、こんな私を…恨んでいるかい?」
「恨む…?」
こくりと頷いたあと、ムンドは話を続けた。
「私は君がいなくなってから懸命に店を開きながら探し続けた…何日も何日も。」
「…。」
「一時諦めようとした、いやむしろアレスさんに託した時には諦めてしまっていた…そして無様にもアレスさんに託してここで待ち続けた私を…君は恨むかい?」
「…。」
ムンドの話を聞いて二人とも押し黙っていた。
だが最初に沈黙を破ったのは人間の方のローラだった。
「…恨むわけないじゃない。」
ローラはそんなムンドに優しい微笑みを浮かべた。
「あなたは私を思ってくれて探してくれたんでしょう?…私も待ったけど今こうして会うことができた…もうそれでいいじゃない?」
「ローラ…。」
思いを告げたムンドに人間のローラが寄り添おうとした時だった。
「…恨んでいるわ。」
「え…?!」
「…!!」
魔物のローラが後ろからムンドにそう言った。
思いもかけない言葉にムンドはもちろん、人間のローラも振り返った。
魔物のローラは静かに囁くように話し続けた。
「ここについてからも私はずっと考えていた…私はアレスさんに見つけてもらうまで記憶を失っていたけど戻った今ならわかる…私はどこかでずっとあなたを待ってた。」
「…。」
「でもあなたは来なかった…どれだけ待ってもあなたは来なかった…そしてやっと会えたと思えば私と瓜二つの他人に私の名を呼んでいた…だから…恨んでる。」
「…。」
「でもね―」
叱られた子供のようにうなだれるムンドに魔物のローラはそっと抱きしめた。
「今はあなたに会えて嬉しい、それが一番大きいわ…。」
「…!!」
「あなた…会いたかった…!!」
「ローラっ!!!」
ムンドは大粒の涙を流しながらローラを抱きしめた。
二人してえんえんと泣きながら会えなかった”穴”を埋め合わせていく。
「すまない…私には耐えられなかったんだ…君を失ってから…私は…!!」
「えぇ…だからその分…私を愛して…これからもずっと…。」
「ローラ…!」
二人は口づけを交わし、深く愛しあった。
それこそ長年連れ添った夫婦としての形。
そして二人はそのまま服を―
「俺がいること忘れてないか?」
「あっ?!」
「きゃっ?!」
二人には申し訳なかったが俺はふたりの間に入って声をかけさせてもらった。
流石にあのまま始められたら俺も困るからな…色々と。
「も、申し訳ありません…アレスさん。」
「ご、ごめんなさい…!」
「いやいいさ、だが続きは違うところでやってもらいたい。」
「…違うところですか?」
「ムンド、ここがどういうところか覚えているか?」
「…あっ!!」
そう、いろいろあって忘れていたがここは反魔物勢力の街だ、といってもそれ以外の街なんて今は数える程しかないが。
つまりは、ここにローラがいたらまずいってことだ。
「ど、どうしましょうアレスさん!?」
「落ち着け、それぐらい考えてあるよ、だがお前には一つ説明しときたいことがある。」
「な、なんでしょう?」
「魔物について、だ。」
俺はムンドに俺が旅をする理由、魔王のこと、そして魔物の本当の事を話した。
話で魔王が生きていた件では流石にムンドも驚いていたが魔物に関してはそこまで驚いてはいなかった。
「意外だな、もっと驚くかと思っていたが。」
「驚きましたよ、まさか魔王が生きていたとは…それにアレスさんがそんなことをなされていたなんて…まさかあの時も?!」
「そうだ、最初のスライムはスラミー、そしてリザとレイ…俺の妻だ。」
「通りであの時に一人で入っていったわけですね…ですが教団はどうしてそんな嘘を?」
「詳しい話は向こうでしてもらえ、今はもう時間がない…お前達さえよければ今からでも送るが…どうだ?」
「私はここに未練はありませんが…ローラは?」
「私はあなたが行くところに付いていく、いつもそうでしょ?」
「そうだったね…アレスさん、いつでもいけます。」
「向こうは俺の妻、つまりほとんどが魔物だが…それでもいいんだな?」
「今の話を聞いた以上怖くなんてありませんよ、それにアレスさんがそこまでして下さるのです…無碍になんてできません。」
「よし、じゃあちょっと待っててくれ。」
俺はヴェンにイヤリングを通して念じた。
「ヴェン、聞こえるか?」
「おぉ、アレス…先ほど君の仲間を部屋に案内したところだぞ。」
「それは良かった、で…今から二人送る、ロイスと同じで夫婦で送るぞ。」
「おぉ、夫婦か…私たちの同志も沢山いたものだ、後で部屋も用意しておこう…よし、送ってくれ。」
「あぁ、それと後もう一人送るかも知れない…一応用意しておいてくれ。」
「…?わかった、やっておこう。」
「頼むぞ?」
交信を終えると懐から札を取り出し、いつもと同じように念じた。
しばらくして、ムンドとローラに光が溢れ出した。
「ではアレスさん、お気を付けて!」
「本当にありがとうございました!!」
消え行く間も二人はずっと俺に礼を言い続け、そして光がはじけた。
静かになった部屋で、俺は一人呟いた。
「さて。」
俺は誰もいない家から玄関へ出て、外へと向かった。
そしてすぐ横の路地に入り隅の方の暗がりに向かって声をかけた。
「いつまで隠れてるつもりだ?」
「ひっ?!」
黒い影がぴくりと動いたかと思うとそこから怯えるように赤い二つの目が俺を見ていた。
予想していた通りの姿に俺は少しだけ安堵した。
まさかとは思うが本当にそっくりさんだったらどうしようかと思っていたところだ。
「あ、あの、わ、私はただ…。」
「わかってるよ、それにお前の正体もわかっている…ドッペルゲンガー。」
「?!」
またも驚いたように目を見開かせる少女、そこにいたのは紛れもなくドッペルゲンガーだった。
黒い影のような服に赤い瞳の少女、どこか寂しさを思わせるこの魔物は言わば姿を変えることで相手を見つける。
俺も噂しか聞いたことがなかったがここまで変われると思わなかった、本物のローラを連れてなければ俺も騙されていたかもしれない。
ま、最初会ったときは気がつかなかったしな。
(詳しくは図鑑参照)
「だがどうしてここに?ここはお前たちが入れる場所ではないぞ?」
「ここ以外に他になかったから…その…ちょうどいい相手が…。」
「まぁ、お前たちの相手は特殊だからな…だがここは危険すぎる、それに悪気はなかったとしてもお前を見過ごすわけには行かない。」
「そ、それはちゃんと謝ります…。」
「だったら本人にちゃんと謝るべきだ、だが当の本人は少し遠いところに俺が送ってしまった。」
「じゃあ…いったいどうすれば?」
「心配するな、会わせることはできる…だがその前に一つ確かめたいことがあるんだ。」
「…なんですか?」
「お前の能力は確か…相手の好きな人に変われるんだよな?」
「せ、正確には…片思いの相手に変われるだけ…です、あるいはムンドさんみたいに…相手が死んでしまった人だけ…。」
「全く変われないのか?」
俺が顔を近づけて言うと、彼女は少し顔を赤らめながらぼそぼそといった。
「す…少しならその、その人の頭を読んで…変わることもできますけど…。」
「よし、なら俺の頭を読んで『俺の一番愛している人』に変わって見せてくれ。」
「あなたの…一番愛している人?」
「そうだ、出来るか?」
「できますけど…どうして、そんなこと?」
「やってから話す…頼むよ?」
「わ、分かりました、その前に…名前を教えてもらえませんか?」
「あぁ…アレスだ、お前は?」
「私は…ユリです。」
変な自己紹介も済ませたあと、ようやくユリは俺の頼みを承諾してくれた。
「で、では…いきます。」
彼女は目を瞑り、意識を集中させた。
…。
……。
………。
…………。
しばらく経っても彼女の姿は何も変わらず、なんの変化もなかった。
だが当の本人は難しい顔をしており、額に汗を流していた。
そして彼女が目を開いたかと思うと、俺に尋ねた。
「どうして…?」
「ん?」
「どうしてそんなことが…出来るんですか…?」
彼女は信じられないという目で俺を見ていた。
「何がだ?」
「アレスさんの中には…たくさんの愛する妻が見えました、でもその中で、一番はいない…いえ…皆一番なんです。」
「だから変われなかったと?」
俺の問いにユリはゆっくりと頷き、話を続けた。
「アレスさんは一片の大差なく皆を愛している…でもそんなことありえない…今までの人間は何処かで必ず順位をつけていた…それは本人には気づかないにしてもあることです…
でもアレスさんは違った。」
「そうか…。」
それを聞いて俺は心底安心した。
自信はあったがどうしても確かめたかった、俺が皆をちゃんと愛しているかどうか。
彼女が言うんだ…間違いないだろう。
これで胸を張って…帰れるな。
「あっ?!!」
ユリは俺を見つめていたかと思うと急に声を上げた。
何事かと思っているとみるみる顔を赤くしながら呟いた。
「どうして…その中に…私もいるんですか…?」
「え?」
ユリは顔を真っ赤にさせて顔をふるふると横に振ってありえないといった表情をした。
しまった…こんなに早くバレるとは思わなかった。
俺も流石に少し恥ずかしくなってきた。
「い、いや、これはだな…。」
「嘘…こんな私の姿でもそんなに…とても…嬉しい…。」
「し、仕方ないだろ…そこまで可愛いと思わなかったからな。」
「か、可愛い…私が…ですか?」
「ああ、そうだ、お前は可愛らしいよ。」
「…嬉しいです…でもホントに私なんかで…?」
「あとはお前次第だな…お前さえよければ妻にして送ろう。」
「魔王城にですね?」
「あ、そっか…頭の中見たんだったな…で、どうする?」
「ムンドさんにも謝らないといけないですし…それにアレスさんのことを好きになってしまいました…断る理由はないです。」
「良かった、じゃあ…いいな?」
「…はい、その…優しくしてください。」
俺が目を瞑るユリをそっと抱きしめ、そっと口づけを交わした。
「ん、んん。」
彼女の唇はとても柔らかく、そして幼さが少し残る少女の香りがした気がした。
ユリは緊張したように身体を強ばらせ俺に身体を預けてくれた。
そして俺は彼女の身体を押し倒す―
「…。」
「…アレスさん?」
―はずだったが、俺は彼女を身体から離した。
「すまない、続きは向こうでしよう。」
「ど、どうしてですか…?わ、私に魅力なかったですか?!」
「そういうわけじゃない…それは安心してくれ、ただ少し厄介なことになった、大丈夫、すぐに戻るよ。」
「本当ですか…?」
「お前を愛しているからな。」
「…///」
そう言うとユリはまた顔を赤らめて下を向いてしまった。
まったく…本当にかわいいやつだ。
「じゃあ悪いな、送るぞ。」
「はい…。」
一枚の札を取り、先ほどと同じように魔王城を念じた。
しばらくして光が出てきたので俺は少し離れユリを見送った。
「アレスさん…待っています…!!」
「あぁ!!」
そうして光が弾け、後には暗い路地に一人俺が残された。
「…。」
いや、一人じゃないことぐらい分かっているさ、何のためにユリを送ったと思っている。
「そうやって人の行為を覗くのが”忍”ってやつなのか?」
シュッ!!
言い終わるとどこからともなく何かが飛んでくる音がし、俺は難なくそれを掴んだ。
それは鉄でできたナイフのようなもの、たしかジパングではクナイと呼んでいたな。
「ほぅ、今回は気合入ってるんだな?」
「くっ!!」
そして無駄だとわかったのか暗がりから彼女は勢いよく俺に飛び込んできた。
「覚悟!!」
彼女は逆手に持ったクナイで俺を切りつけてきた。
「…。」
が、寸前でかわし俺は逆に彼女に抱きついた。
「きゃあ?!!」
思いがけない攻撃に彼女は硬直してしまい、俺はそのまま彼女を押し倒した。
「だが相変わらず、詰めが甘いな…クノイチ?」
「くっ!!」
月明かりに照らされた彼女の顔を見て、俺はそう言った。
といっても口は布で隠されているから半分だけだが。
「一体どういうつもりだ…お前まだ諦めてなかったのか?」
「うるさいっ、お前に敗れてから私がどれだけ惨めな思いをしたと思っているんだ!!」
「アレを戦いと呼ぶのか?…それでリベンジに来たと?」
「もう私には後がないんだ、今はお前を生け捕りにして主様に捧げるんだ!」
「魔王を生け捕りにするんじゃなかったのか?」
「それは後でもできるっ、問題は私のプライドだ!!…このままじゃ私の気が済まないのよ!!」
「やれやれ…といっても、その状態じゃ説得力無いがな。」
その状態とは俺が彼女を暗い路地で押し倒しているという状態だ。
彼女がどれだけ果敢なことを言おうとこれじゃ勢いがない。
…というより傍から見ればこの状況はまずいんじゃないか?
そんな考えも知らず、彼女はじたばたともがいた。
「くっ…私をどうするつもりだ…離せ、離せぇっ!!」
「馬鹿っ、こんなところで大きい声出すな、人がきたらまずいのはお前だろう!!」
「バカはお前だっ、そんなこと私が考えていなかったとでも思っていたのか?」
「何、どういう事だ?」
「ふふん。」
俺が聞くと彼女は得意げに鼻を鳴らして説明し始めた。
「ここが反魔物派の街ぐらいはとうに知っている、貴様が叫んでもして仲間を呼ばれても困るからな、我が忍法『人よけの術』でここら一帯の人間を遠ざけてやったのだ。」
「ほぅ…。」
「どうだ、忍法とはこういう事もできるのだっ、私を恐れ入ったか!!」
「…。」
「ふふん、驚いて声も出まい。」
自分の得意分野なのか彼女はさらに調子づいて鼻を鳴らした。
今までコケにされた分、やっと自分をアピールできてよっぽど嬉しかったんだろうな。
だが…―
俺はそんな得意げな彼女に笑みを浮かべた。
「それは良いことを聞いたな…。」
「え?」
俺の言葉と不敵な笑みに彼女はえも知れぬ恐怖に少し青ざめた。
「つまりだ…裏を返せばお前がどれだけ叫ぼうが喘ごうが誰も来ないっていうことだ。」
「え、えぇ?!」
「お前、前に俺に無理やり犯されてみたい…って言ってたよな?」
そう言って俺は彼女のこぼれそうなほど空いた大きい胸元の服に手をかけた。
「ひっ?!」
「最近色々あって俺もご無沙汰だったんだ…少しがっつくぞ?」
そこから服を思いきり引っ張り彼女の豊満な乳房がたゆんと現れた。
「ひゃぁ?!!!そんな…恥ずかし…ぁあん!!」
胸を隠そうとする彼女の手を振り払い、彼女の乳房を強く揉み下した。
吸い付くような弾力とすべすべした肌触りが俺の手から感触で伝わった。
「どうした、クノイチはこういう訓練も怠らないとアサギから聞いていたが?」
「だ、だって私は…落ちこぼれで…んんっ!!!」
「そうか、じゃあこれからちゃんと稽古してやらないとな。」
「え、そんな嬉し…じゃないっ、そんなひどいことを…あ、そこは?!!」
そっと彼女の太ももをなぞりながら手を下の方にへと滑らせた。
前掛けをめくり、そこにあるであろう彼女の秘部を少し触れた時だった。
ビチャビチャッ…!!
「ん?」
「ひぐっ!?」
少し触れただけなのに彼女の秘部は洪水のように愛液で溢れていた。
彼女たちであればおかしいことではないがいくらなんでも早すぎる、それにやたらとクノイチは敏感に反応していた。
少し考えた結果…結論が出た。
「お前さては…。」
「ふぇ?」
「俺がユリとしようしてたところを盗み見てやがったな?!」
「ギクッ!!」
俺の言葉に彼女は見て分かるほどに反応した。
その後、彼女はあたふたと弁解した。
「ちち、違う、ぬ、盗み見てたわけじゃないっ、ただ私は…あんんっ?!!!」
言い訳する彼女に俺は秘部に指を入れ、そのまま掻き回した。
「こんなに濡らしておいて何が見てないだっ…ほら、ほんとのことを言え!!」
「あん、ひぃっ…は、はいぃ!!み、見てましたっ!!見ながら自分のっ、アソコ弄ってましたぁっ!!」
「この…変態クノイチ!!」
「はぅぅ…、んんっ、私は、変態クノイチの『シノブ』ですぅ…!!」
「じゃあ変態クノイチのシノブ、お前ならこういうのも好きだよな?」
「ひゃぶぅ?!」
そう言って俺は彼女の豊満な胸の谷間に自分の肉棒を挟ませた。
先端が丁度シノブの口に届き、彼女は訳も分からず俺の肉棒の先端を咥えた。
そのまま胸の柔らかい感触を味わいながら腰を前後に振った。
「おぶぅ…んんっ…!!」
「おぉ…。」
シノブの胸の弾力と舌でチロチロと舐められる快感に俺は激しく興奮した。
腰を振りながらさらに彼女の胸の硬くなった突起物を摘まみ上げた。
「ひうぅっ、んぶうぅ…んんっー!!」
「おぉ。す、すごい…イキそうだっ…!?」
摘み上げた瞬間に驚いてシノブは口の吸引を強めて先端から精子を吸い上げるように咥えた。
その快感は俺に耐えられるものではなく、勢いよく彼女の口の中に射精した。
「んんっ…?!!……んく…んく。」
射精した時、彼女は一瞬驚いて目を見開かせていたが口に流れ出た精子を一滴残らず飲み干した。
俺が胸から肉棒を引き抜くと彼女は物欲しげな目で俺を見つめていた。
「ん…ぷはぁ…美味しい…。」
「…もう満足か?」
「次は…ここに欲しいです…主様ぁ…。」
そう言って彼女は股を開いて自分のアソコを開き、秘部の口を開いた。
堕ちた上に主従関係まで逆転したか…まぁ、そのほうが都合がいいな。
「良いだろう…俺もまだまだ元気だからな、すぐに挿れるぞ。」
「あはぁ…嬉しい♪」
俺はシノブにのしかかり、自分の肉棒を彼女の秘部へとつけた。
それだけで彼女の秘部からは愛液が溢れ、クチュリと音を立てた。
「は、早く、ください…。」
「じゃあ…行くぞ?」
俺は興奮を抑えきれぬまま彼女に自分の肉棒を挿入した。
「あ、あぁん!!!」
柔らかく包んでくれる彼女の蜜壷は愛液に溢れ、奥まで挿れると俺を離さないと言わんばかりにきゅぅっと締め付けた。
「ん、ふ、ふふふ…とうとう貴様も…隙を、見せたな?」
「な、何がだ?」
腰を振ろうとした矢先、シノブは突かれながら不敵な笑みを浮かべた。
「私の言葉巧みな誘導で…んっ貴様をここまで、あんっ、誘うことが、でき、た、これで貴様は、んあぁ…私の虜になったも、同然だっ!!」
「そう…なのか?」(その割には随分と本気のように見えたが)
「私とて、んっ腐ろうがクノイチだ…この時のために、んあ…特訓したのだ…。」
「なるほどな…確かに、男の気持ち良いところを…良くわかってるよ。」
「このまま、貴様をんんっ、骨抜きにして、主様に…自分の夫として…あんっ、紹介してくれるわぁんっ…!!」
「おぉ…主従関係はまだ狂ってなかったか…だがな―」
「ひうっ?!」
俺は彼女を抱きしめ、そのまま上へと持ち上げた。
外から見れば抱っこしている形で、そのまま壁へと押し当て上下に腰を揺らした。
「ひゃぁっ…それダメぇっ、奥に直接ひびいちゃうのぉ…、感じすぎておかしくなっちゃうよぉっ!!!」
急に肉棒を強く膣へと突かれ、シノブは今までにない快楽を味わったのか舌を出して嬉しそうによがった。
「ほらっどうした、お前のテクニックもすごいが俺は体力には自信はある、今まで何人も相手にしてきたからな…これぐらいじゃ終わらないぞ?!」
「そそ、そんなのむりですぅぅっ、これ以上されたらすぐにイっちゃうのぉ…!!」
シノブの蜜壷からはもう洪水のように愛液が溢れ、そこら中を濡らしまくっていた。
時折、乳房に吸い付いたりもして彼女をより絶頂へと駆り立てる。
「ひぎゅうっ…胸も、ぼっきしちゃって…気持ちいようぅ…イク…イっちゃうのぉっ!!」
「良いだろう…俺も…中へと出すぞ?」
「出してぇ、あなたの…ご主人様の…お精子くだしゃいぃぃぃ!!!!」
腰の振りの勢いを一気に強め、彼女が絶頂に達した瞬間に俺は彼女の中へとぶちまけた。
「うぅっ!!!」
「あぁあああっ!!!」
中出しされたシノブは俺の肉棒と脈打ってビクッビクッっと震えた。
肉棒を抜くと、彼女の秘部からは愛液と白い精子が混じりあったいやらしい物が流れ出ていた。
「ふへ…えへへ…。」
シノブは快感に耐え切れなかったようで、薄ら笑いを浮かべながらまだ余韻を味わっていた。
俺はその間にイヤリングを通してヴェンに交信した。
「ヴェン…聞こえるか…?」
「おぉアレス、先ほどの二人…いや三人だな、無事にこっちへと到着したぞ。」
「そりゃよかった…ついでで悪いんだがもう一人送りたい。」
「それは構わないが…どうしたのだ?…やけに疲れた声をしているが。」
「…気にするな、大丈夫さ。」
心配して聞くヴェンに気を使わせないように俺は少し元気を込めて返した。
原因で言えば…腐ってもクノイチだった、てことだ。
あぁは言ったものの、彼女は並みの男を骨抜きにするぐらいなら十分すぎるほどの名器だった。
無論…今までの俺の妻たちがそうじゃなかったというわけではない、彼女の言う特訓が功を成してると言ったところだ、正直なところ俺も危なかった。
そういう面では間違いなく彼女は努力家だ…それもエリート級でな。
俺は心の中で彼女をそう認めることにした、もっとも…本人には言わないが。
「よし、出来たぞ…いつでも送ってくれて構わない。」
「いや待て…その送った奴なんだが…着いた瞬間にそっちで縛り上げて欲しいんだ。」
「なんだって?…アレス、それはどういう意味だ、彼女達ではないのか?」
「いいや、俺の妻さ…ただこいつはちょっと違う。」
「と、言うと?」
「俺を誘拐した奴といえばわかるか?」
「!!…なるほど、しかし君もすごいな…自分を誘拐した輩を妻にしてしまうとは…。」
「向こうもまんざらじゃなかったみたいだがな…そういうわけだ、やり方はそっちで任せるから頼んだぞ?」
「わかった、いつでも送ってくれていいぞ?」
「それと、もう少ししたら俺もそっちに行こう、用意していてくれ。」
「それは良いっ、分かった準備しておこう……おーい、誰かいるか―」
最後にヴェンが誰かを呼ぶの聞いたと同時に交信が切れてしまった。
一瞬だけ嫌な予感がしたが、まぁ…心配するだけ無駄だろう。
俺はそう思い、改めて札を手に取り念じた。
「ふわぁ…あれぇ?」
わけもわからない状態のまま、俺はシノブをヴェンのもとへと送った。
本来なら妻になってくれというのだがあいつには情報を吐いてもらわないとな。
告白はその後でも遅くはないだろう。
そして俺はまた一人になった。
「流石に…疲れたな、少し休憩したら行くか。」
俺は壁にもたれながら、そのまま座り込んだ。
辺りには物音一つせず、暗い街並みが広がっていた。
俺はそのまま目を閉じ、軽いまどろみの中へと落ちていった―。
――――――。
「ん、んん…ここは?」
シノブが目を覚ますとそこは部屋の中だった。
「ちょ、ちょっと…なにこれ?」
辺りを見回しても最低限の家具があるだけで普通のなんの変哲もない部屋だった。
彼女はその中央で椅子に縛り付けられた状態でいた、しかも下着姿で。
「ようやく気がついたようね。」
「?!だ、誰だ?!」
声が聞こえたかと思うと、シノブの後ろからいくつかの足音が聞こえてきた。
そして彼女の前へと現れたのは三人の魔物だった。
「初めまして…誘拐犯さん?」
その魔物の一人であるサキュバスのサラは不敵な笑みを浮かべながらシノブへと近づいた。
シノブは縛られた身体をよじりながら、必死に逃げようと抵抗する。
「く、来るな…なんだお前たちは?!!」
「私たち?…私たちはね、貴方が誘拐した人の妻よ?」
「つ、妻?!!まさかやつのか…?だ、誰がだ?」
「三人ともよ、といっても私たち以外にもまだたくさんいるけどね?」
「ど、どういう意味だ…それよりもここはどこだ、私は奴とセッ…じゃない戦っていたはずだ、それがなぜこんなことに?!!」
「まとめて答えてあげるとね…ここは魔王城、貴方は私たちの夫…アレスに敗れてここへと送られてきたの…まぁその格好だからナニしてたかは予想はつくけどね。」
(ドキッ)「そ、それは…。」
「あぁ、いいのいいの、ここに送られてる時点で貴方も私たちと一緒だから…それは気にしないわ。」
「ひっ?!」
そう言ってスキュラのユラは触手を伸ばして彼女の頬をなぞった。
ヌルッとした感触にシノブは一瞬、ビクッと身体を震わせた。
「さぁ、質問は終わりね…今度はこちらが聞かせてもらう番よ。」
改めて向き直ったサラがシノブに顔を近づけて話した。
シノブは少し怯えたように答える。
「な、何をだ、私は何も知らないぞ?!!」
「とぼけないでよ、貴方がどうしてアレス…いえ魔王様を誘拐しようとしたか、それを教えて欲しいわ。」
「そ、それは言えない!!…我が主様のことは言えない!!」(今や元主様だけど)
「どうしても?」
「どうしてもだ、私は拷問されたって言わないぞ!!」
「だとさ、どうするアサギ?」
「彼女たちは隠密のエキスパートよ、ちょっとやそっとじゃ多分無理よ。」
「ふふん。」
女郎蜘蛛のアサギはお手上げといった調子でそう答えた。
それを他所にエキスパートと呼ばれて誇らしげに鼻を鳴らすシノブもいた。
…自分が今置かれている状況も知らずに。
「じゃあ…ちょっとやそっとじゃないことをすればいいんじゃない?」
「私たちしかできないことを、ね?」
「そのために私たち三人が呼ばれたのよね〜。」
「え”?」
そう言いながら彼女たち三人が不気味な笑みを浮かべながら一斉に縛られているシノブを見た。
その眼差しにシノブは背筋が凍る思いをしたと言う。
「な、なにをする気だ…やめ…ひゃあ?!!」
「あなた…さっきからずぅぅぅぅっと思ってたんだけどね?」
急にサラは彼女の座らされている太ももの上に上半身を乗せた。
傍から見れば彼女がシノブの股に顔をうずめるようにも見える。
「あなたのアソコからね、アレスのとっても濃い精の臭いがするのよね〜、それも新鮮なままの臭いがね〜?」
「なな、なな何をっ?」
「もしかしたらちょっと残ってるかもしれないわね…ちょっと見せてね♪」
「えっ…ひゃあ?!!」
そう言ってサラは彼女の股を開いて下着の秘部の部分を横へとずらした。
すると、さっき出したばかりのアレスの精がトロリと流れ出ているのが見えた。
「や、やだぁ…みるなぁ!!」
「あぁ…アレスの生の精…、これじゃもったいないわ。」
そう言ってサラは彼女の秘部に口をつけたかと思うとそのまま一気に精を吸い出した。
じゅるじゅるじゅりゅじゅりゅっ!!!!!
「ひゃあっぁああああ!!??」
思いもかけない行動と快感にシノブは一瞬で頭が真っ白になり秘部から残っていたアレスの精とは別の液体まで吹き出してしまった。
「あぁ?!!ちょっとサラ!!」
「ずるいわっ、あたしも飲ませてよ!!」
「は〜、やっぱり生の精はいいわ〜。」
サラは顔中を愛液まみれにしながらもアレスの生の精を得てうっとりとした表情を見せた。
「っとと、それよりも…と。」
「ふえ?」
アレスの精を堪能したサラは気持ちを切り替え、またシノブへと詰め寄った。
シノブはまだ余韻が残っているらしくとろんとした目でサラを捉えた。
「これから起こることはこんなものじゃすまないわよ、ねぇユラ?」
「そうね、あなた…触手で弄られたことはあるかしらね?」
「束縛は任して、あたしの糸でいやらしく縛ってあげるから。」
「その後は私の尻尾で貴方の秘部をズポズポしてあげるわ…どう、素敵でしょう?」
「ふわぁ。」
三人の不敵な笑みと言葉にシノブは逆にゾクゾクっと身体を快感で震わせた。
今から自分がどんなことをされるのか、どんな快感と恥辱を味合わされるのか。
それを想像しただけで彼女の秘部からはヨダレが絶え間なく流れ出していた。
「あら、あなたリザと一緒でそっちの趣味があるみたいね?」
「ふふふ…これは虐めがいがありそうね。」
「話は堕ちた時にでも聞きましょうか、誘拐犯さん?」
「は、はい〜。」
「「「ふふふふふ…。」」」
それから数時間…その部屋から喘ぎ声が耐えることはなかった。
13/11/13 23:03更新 / ひげ親父
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