「はぁ〜。」

パソコンの前で大好きなコーラとマヨネーズを入れたツナ缶を食べながら悶絶する。

「…。」

クリスマスだというのにまるっきりいい話が書けない。
クリスマスイベントだから小説を書こうとは思ったものの書けずじまい。
何にも浮かんで来ない。
みんな期待して待ってくれてるのに…。

「ああ、何も浮かばねえ!!止めだ止めだ。」

パソコンの回る椅子を突き飛ばして髪をくしゃくしゃにする。
と、その時。

「あ…。」

その床には衝撃で落ち、新たなコーラトッピングされたツナ缶がぶちまけられていた。

「〜!!!」

イライラする気持ちを抑えて俺は着の身着のまま外へと飛び出した。
黒い上下の使い古したジャージ、ここ最近洗濯し忘れてたからすこし汗臭い。
しかも最近仕事ばかりで風呂もろくに入ってない…最悪の状態だ。

「くそ…、いいさ、どうせ俺にクリスマス過ごす彼女なんて居ないんだから。」

気持ちを切り替えて深夜の散歩へと向かう。
行き先はいつもの公園だ。


―――――――。


「…。」

ただ一言、…来なきゃ良かった。
そこら中に見えるのはいちゃつくカップル。
その気になっちゃって茂みに入っていくカップル。
人の目なんか気にせずキスするカップル。
カップルカップル…。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

っと思わず叫んでしまいそうになる光景。
こっちが独り身だからっていい気に乳繰りやがって…。

わかってるよ…どうせ俺はクリスマスでもひとりだよ。
小説だけが俺の生きがいだ、いい思いするのは小説だけでいいってんだちくしょう。

なるべく早足でその場を立ち去る、インスピレーションを働かせるためには一人が一番だ。
…なんか変な汁が目から出てきて止まらない。
…。
……。

やっと人気が無くなってきた。
外灯に照らされたベンチに腰掛けて一息つける。

「はぁ〜。」

またため息が出てきた。
自然と気持ちが沈んでいく、こんな気持ちで本当に甘い小説が書けるんだろうか？
…いや待てよ？
小説ならこんなとき―。

「隣り、いいかしら？」

と、突然俺の目の前に誰かが現れる。
黒い翼に白く靡かせた長い髪、そして表現もできない程の美しい女性。
赤い瞳でこちらを誘惑するリリムが俺の隣に座った!!

「え、なんで?!」
「そんなこと良いじゃない、ねぇ…貴方って魅力的ね？」

そうして俺のベルトを緩ませていき、

「ちょっと？」

あ、ダメだ…まだ心の準備が―

「お兄さん、大丈夫？」

はっ?!
思わず陶酔してしまっていた。

顔を上げると目の前には黒い姿。
ま、まさか?!

「お兄さん、酔ってるの？」

黒いコートを着たお巡りさんだった。
ですよね〜。

「い、いえ…ちょっと散歩ついでに。」
「そう？なんかニヤついてる男がいるって通報があったんだけどお兄さんのこと？」

ピキッ!!

俺の額にヒビが入ったような音がした。

「ああっ?!ニヤついていようがこっちの勝手だろうが、どうしてそんなんで通報されなきゃなんねぇんだよ、通報したやつどうせそこらへんのカップルだろうが!!そいつらにまず職質かけてこいやこのすっとこどっこい!!!」

っと言いたいのを抑え小さく。

「いえ…違います、さっき来たばかりなんで。」
「そう？クリスマス近いからってあんまり遅く居ちゃダメだよ？」
「はーい。」

お決まりの文句を付けてお巡りさんは自転車へどこかへ行ってしまった。
その背中に中指を立てて「Fuck!!」っと心の中で叫ぶ。
…どいつもこいつも邪魔しやがって。

「さて…続き続き。」

あともうちょいで良いのが浮かびそうなんだ。
いや、むしろクリスマスに関係ないけど良いかなとか思ってしまっているほどだ。
ゆっくりと目を閉じて妄想し始める。

「さぁ…私を求めて？」
「はい…。」

そのまま彼女の唇が近づいていき…。

ブーンブーン。

あ、そんな舌を入れて卑猥な…。

ブーンブンブン。

…。

ブーンブーンブーン。

「うるせぇっっ!!」

腕を振り回して飛んでいる奴を追い払う。
すると…。

「きゃっ?!」

手の先に何か柔らかいものが当たり、それは近くに落ちた。

「えっ?!」

やべっ、誰かに当たったか?!
驚いて目を開けるとそこにいたのは…。

「…。」
「痛ったーい、何すんのよ…もう。」

背中にはドクロマークが描かれた羽、虫のような触覚が生えた頭(ついでに王冠)、そして今の時期には考えられない程の露出をした少女。

「嘘だろ…。」

ついに俺の頭は可笑しくなったのかそれとも現実か？
そこには図鑑で見たままの姿、ベルゼブブだった。

「ちょっと、何ボーッと見てんのよ？」
「えっ?」

目の前のベルゼブブはペタンと座り込んでこっちを睨みつけている。

「こんな可愛い私を叩き落としといて謝罪の一言もないの？」
「あ、ああ…ごめん。」
「それと…早く起こしてよ、お尻冷たいじゃない。」
「あ、そ、そうだったな。」

なるべく肌を見ないように彼女の手を取って起き上がらせた。
…手は以外にもゴムみたいにプニプニとした感触だった。

「まったく…いい臭いがしてたから飛んできたのに最悪だわ。」
「…。」
「そこらへんの奴は洗剤や石鹸の香りばっかだし、それに比べてあんたはいい臭いだし顔も悪くないわね。」
「…。」
「って、あんた聞いてるの？私が話してるんだから返事しなさいよ。」

その頃俺は頭の中で一人論争をしていた。

やはり幻覚だ、俺の前にいる少女は妄想の住人だ。
現実と妄想の区別ができなかったらダメだ、自分を保て!!

いや現実だ、手の感触といい紛れも無く現実だ、運命を受け入れよ!
目の前にいるのは本物のベルゼブブの少女だ!!

うるさい、どうせこれも夢なんだ!!お巡りの次はDQNに声を掛けられているに決まっている!!そして一発腹にきついのを…。

「無視すんなっ!!」
「ごはっ!!」

彼女は俺の腹にローキックをかましてきた。
鳩尾に入って洒落にならないぐらい痛い。

「お、おお…。」
「ふん、人間の癖に私の言うことを聞かないからよ、良い気味―」
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」

思わずそのまま叫び声を上げた。

「な、何よ急に?!」

別に痛かったから怒ってるのではない、断じてそうではない。
俺は嬉しい限りだった、勿論そっちの気があるわけでもない。
この喜びは…。

「本当に…現実なんだっ!!!」

ヒャッハーっ!!!っと雄叫びを上げて小躍りするかのように回り始めた。
この痛みが何よりの証拠、彼女が現実に存在するという何よりの証拠。

「あんた…一体？」
「夢じゃない、妄想でもない、ほんとに魔物娘は存在したんだ!!」
「ちょっと何言って…ひゃ?!」

彼女の手を取ってくるくると回り始める。
俺の長年の夢が現実になったんだ、これほど嬉しいことはない。
だが、

「…私を置いて勝手に盛り上がるな!!」
「ぐほぉ!!」

彼女は嬉しくなかったようだ。

「まったく、とんだ奴と出会っちゃったわね…。」
「い、今のは痛い。」

くの字になりながら息を整えなんとか持ち直す。
でもまだ喜びは収まらない。
これ以上の無いクリスマスプレゼントだ。
また叫びたくなる。

「Merry☆Chrism―」
「だからうるさいわよ!!」
「あべしっ!!？」

今度は彼女の尻尾？で叩かれてしまい吹っ飛ばされた。
わかりました、もう叫びませんから痛いのはやめて。

「…あんたとこんなところでグズグズしてられないの、私はとっても忙しいのよ。」
「忙しい？」

見た感じ全然忙しそうには見えないけど？

「私は今凄くお腹が空いてるの、だから何か食べさせて。」
「…何かって？」
「気が効かないわね…なんでも良いの、こっちはお腹すいてて早く何か食べたいの!!」

あ、なるほど…ベルゼブブは確か暴食の魔物だったな。
機嫌が悪いのもお腹空いているからだろう。
助けたいのは山々だが…。

「えーっと…俺、金ないし―」
「もう使えないわね…いいわ、私がついてれば問題ないから。」
「ついてればって…その格好で行くのか？！」
「そうよ、何か文句あるの？」
「どう考えてもやばいだろそれは。」

ただでさえ寒いのに変な格好で露出までしてたら周囲の格好の的だ。
職質されて面倒になるのは目に見えている。
どうしたもんか…。
っと自分が着ている物に目を向ける。

「これぐらいしかないか…。」

自分の着ているジャージの上を彼女に渡した。

「なによこれ？」
「その格好じゃまずいからこれ着といて。」
「嫌よ、こんな地味な服。」
「我慢しろ、じゃないとご飯食べれないぞ？」

ご飯というフレーズに反応する彼女。
渋々といった感じに俺のジャージに袖を通していく。
…あ、あの羽畳めるんだ。

「ちょ、ちょっとこれ…。」
「ん？…あ?!」

しまった、洗ってないこと忘れてた!!
そんなものを女の子に渡すなんて…なんで俺はこんなに阿保なんだよ!!

「ご、ごめん、すぐに脱い―。」
「はぁ…良い…堪らない。」

えっ？と固まる俺。
見ると彼女は見事にヘヴン状態と化していた。

「はっ?!いけない…思わずトリップしてしまったわ、でもあんたの服すごいわね…こんな素敵な臭い初めてよ？」
「あ、ありがとう。」

思わずお礼を言ってしまう。
そういえばベルゼブブの好物は汗とかの臭いだったな。
俺はそんなに臭かったのか…。
ジャージを着て嬉しそうにはしゃぐ彼女と裏腹に俺は少しどんよりした様子で店が並ぶ大通りへとやってきた。

……。

「ムグムグ…ムグ。」
「はぁ〜。」

横でガツガツと食べる彼女を見て俺はため息をついた。
胸焼けが半分、もう半分は彼女の大丈夫と言った意味についてだ。
…彼女がここまでの力の持ち主だとは思わなかったからだ。

数刻前…。

「あれが食べたい。」

彼女が指さしたのはワンホールのクリスマスケーキ。

「待て、あんなもん明らかに高いだろ？手が届くわけ…。」
「いいから黙って見てなさいよ。」
「へいへい。」

どうせ買えないだろうと半ば諦めて店内へ入ったところ、それは起きた。

パンッ!!、パンッパンッ!!。

「「おめでとうございますっ!!」」

急にサンタの格好をした店員数人がクラッカーを鳴らして俺たちを出迎えた。

「な、なんだ？」
「おめでとうございます、お客様は当店ご来店500組目のカップルでございます!!」

500…カップル?!
いやいや俺たちはまだ会ったばかりだしそんな―

「お客様には当店自慢のクリスマスケーキを無料で差し上げます。」
「む、無料だって?!」

そんな…こんな偶然が―。

「実に美味しそうなケーキ…さ、次に行くわよ？」
「ちょ、ちょっとおま―」
「ありがとうございました、メリークリスマス!!」

彼女に連れられてその二分後。

「ぶわっ?!なんだ…？」

急に風で薄っぺらい何かが俺の顔に張り付いてきた。
剥がしてみるとそれは何かの券のようだった。

「何々…福引き券？」

すこし嫌な予感が過ぎった。
まさかそんなベタなモノは無いだろう…。
でもここからそんなに遠くないのでとりあえず行ってみることにした。

「さあさあ、クリスマスに素敵なプレゼント!!…一等は正月にハワイ!!二等は紅白をプラズマテレビでどうぞ？」

会場に向かうと店員らしき人がベルを鳴らしながら客引きをしていた。
景品内容を見て俺は少しだけホッとした。

「どうやら、今回は宛が外れたな…今日はもうこのへんで―。」

と、言い切る前に券をひったくって彼女は福引き会場へと行ってしまった。
…マジで話聞かない奴だな。

「おい、お前の幸運は尽きたんだって？」
「これ、私にやらせて？」
「お、お嬢ちゃんやってみるかい？運が良ければハワイだぞ?!」

今時珍しいガラガラと回すタイプの福引きだった。
彼女はただゆっくりと手を掛け回していく。

ガラガラガラガラ…。

いやありえないって…今回は食いもんゼロなんだぞ？
当たったとしてどうするんだ？

周囲が見守る中、穴から球が出てきた。

「?!」

こ、これは…。

「…真っ黒？」

いや、これどう見てもハズ―

「お、大当りっ!!!特別賞が当たりましたっ!!!!」

ギャグ漫画顔負けで俺はずっこけた。
そ、そんなことが或わけ…というか特別賞って？

「おめでとうございます、特別賞は焼き立てプリップリの七面鳥の丸焼き―」
「ちょっと、ちょっとまてぇぇいっ!!!!」

あまりの展開に俺は叫び上げる。

「ど、どういたしました…お客様？」
「どういたしました？じゃねぇ!!…なんで福引きの景品が七面鳥なんだよ?!」
「こちらの特別賞は一品限りとなって大変貴重な―」
「だからってなんで焼きたてなんだ?!どう考えても狙ってただろう!!もし今すぐ食いきれなかったらどうする気…？」

勢い余って隣を見やるといつの間にか七面鳥は消えていてその前には満足げの彼女がいた。

そしてその二分後。

「今度は屋台か…。」

クリスマスに屋台っていうのも可笑しな話だが通りには沢山屋台が並んでいた。
もうちょっとやそっとじゃ驚かない。

「色々あるな…で、何を食べ―」
「こっち。」

彼女は急に俺の手を引いて奥へと先々歩きだした。
一瞬ドキッとしたが彼女は気にしてないようだ。
そして着いたのは…。

「…なんだここ？」

やたら濃い連中が集まった屋台が並ぶ通り。
そのせいで不思議と人が少ない、いや近寄らない。
だって屋台がおかしいんだもん。

「兄貴の炒飯…炎のおにぎり…そして焼きそば。」

最後の焼きそばは…名前はおかしくないが店員がおかしい。
…なんで屋台のお姉さんに羽根とか狐の尻尾とか生えてるの？
どうみても図鑑のサキュバスと妖狐に見えるんだけど…。
魔物娘は嬉しいけど何か違う、俺の求めてたのとだいぶ違う。
しかもどっかで見たような風体だな、小説とかで。

兄貴の炒飯

ガチムチ兄「ああん、お客さん？クリスマスにお腹空かせてるとか最近だらしねぃな?!」
ガチムチ弟「兄貴の海老臭いホイホイチャーハンを美味そうに食えっ!!」

炎のおにぎり

暑苦しい男「お腹空かせてないか?!…ダメダメそんなんじゃ、いっぱい食べて富士山みたいにでっかくなれっ!!!お米食べろっ!!!!!!」

そして焼きそば。

ベルゼブブ「…あんた達、どっかで会ったことない？」
アヤ「き、気のせいですよ…ねえセラさん？」
セラ「あら、ベルゼブブなんて珍しいわね…どっから迷い込んで―」
アヤ「あっー!!!あっー!!!セラさん、新しい焼きそば持ってきてくださいっ!!!」
セラ「ちょ、ちょっと、押さないでよアヤ?!」

なんなんだ？
色々とやばい奴が居すぎてむしろ関わりたくない。
そんな中を彼女は我が物顔で押し切っていく。

ベルゼブブ「ちょっとあんた、そこの餡掛け炒飯も寄越しなさいよっ!!」
ガチムチ兄「あぁん、ひどぅい!!」
ガチムチ弟「ビビるわぁ!!!」

暑苦しい男「もっと、熱くなれ―」
ベルゼブブ「うっさい!!!私が食べてるんだから黙ってオニギリ作りなさいよっ!!」
暑苦しい男「あはぁん…。」

セラ「まったく、なんであのヒゲの企画の為にあたしらがせっせと働かなきゃなんないのよ?」
船長「やかましいっ、喋ってる暇があったらもっとキリキリ働きやがれ！」
ムンド「はい、焼きそば焼けましたよ？」
アヤ「は〜い、…それにしてもこの娘よく食べますね…もう八皿目ですよ？」

彼女の食べっぷりは人間離れして化け物だ。
…いや、人間じゃないんだけどね。



そしてとどめの出来事。

アレス「あ、いたいた。」

家路に帰る所で思いがけない人物と出会う。
ありえない…。
なんでお前がここにいる？

「あら、私に何か用？」
「頼まれごとだ、こいつを渡せばわかるって言われた。」

袋包みにされた大量の食料を彼女へと渡す。
俺はあまりの出来事に口をパクパクさせていた。

「あのヒゲめ…今向かってやるからな。」

恨み言を残して足早に去っていった。
もう知らない、この世界がどうなっても俺は知らない。


…。

そして家に帰ってきて現在に至る。
…一部変なところが二箇所ほどあったが各自で省いてもらって構わない。
イメージは大切だからな。

「ほんと…食ってばかりだな？」
「んぐ？…だってお腹が空くんだもん。」
「太らないのか？」
「全部魔力に変えられるからね。」

すげえ消化力…。
いや、そんなことじゃなくて…。

「その、あのさ…。」
「…ん、なによ？」

少し改まって彼女に聞いてみる。

「俺…役に立ったか？」

俺の言葉に彼女はすこし驚いた顔をしていた。

「…急にどうしたのよ？」
「いや…なんかお前だけでも良かったんじゃないのかなって。」

あんな能力を見せつけられればこんなことも思ってしまう。
寧ろ俺は空気だった訳で…。

「…あんた、そんなバカなこと考えてたの？」
「そりゃ俺だって男だから…その…。」
「生意気ね、あんたみたいな人間が役に立つわけないじゃない。」

ははは…、そりゃそうか。
俺みたいな奴がちょっと調子に乗りすぎたな。
…やっぱり小説みたいにはいかないか…。

「でも…。」
「？」

彼女はにこりと笑って答えてくれた。

「あんたのこと、私は気に入ってる。」
「えっ？」

それって…まさか…。

「だってこんな素敵な臭いなんだものっ!!」
「ぶわっ!？」

急に抱きついてきて彼女は俺の身体をスハスハしてきた。

「はぁ〜、堪んない…。」
「…やっぱこうなるのか。」

やれやれ…俺には甘いシナリオは向いてないらしい。
でも…そういうのも、悪くないかな？

「ねぇ？」
「ん？」

彼女は真剣な顔で聞いてくる。

「その…ここで、暮らしてもいい？」
「え…。」
「良いじゃない、どうせあんたも一人なんでしょう？…今はあんた以外頼れる奴いないし。」
「だってさっき役に立たないって―」
「それとこれとは別、あんたも男なら私を幸せにしなさいよ？」
「ふぐっ?!」

思わず吹き出してしまった。
唾液が彼女の顔に掛かってしまう。

「あ…。」
「…。」

ヤバイと気づく間も無く彼女がにやりと笑う。

「…こんな美味しい液体をかけてくれるなんて、よっぽど私が好きみたいね？」
「…い、いやちが―」
「いいわっ、全部吸い尽くしてあげるっ!!」
「ちょ、おま」

その日、俺の部屋は性的な意味でのホワイトクリスマスになった。泣
でも、今までで一番楽しかったクリスマスだった…。
これからも…たのしくなりそうだな。

■作者メッセージ

はい、すいませんでした。
クリスマスだからってかなり調子に乗りました。
酒を飲んで書いた結果がこれだよっ!!
ちなみにこの作品の半分は作者の事実話です。


ところどころ出てくる私の作品のキャラは次回の伏線です。
その予告をちょこっとだけ言うと…。

「ひげ親父、キャラを集めてパーティ!!こんな企画でいいのか？スペシャル!!」

次回作は殆どギャグで占めますね。

それとここで感謝の言葉。
なんとエンプティ様とネームレス様がコラボを書いてくださいました!!!
本当にありがとうございますっ!!
お二人方とも素晴らしい作品を書いてらっしゃるので是非ご観覧を!!
…そしてそれを見たあとのひげ親父のこの作品…。
だらしねぇな!？

次回から本気出す。
ここまで見ていただいて、ありがとうございました!!!