ある悪魔の失態



とある反魔物領の村 そこの村人は主神の教えを忠実に守り 慎ましくも平和に暮らしていた

その村には教団兵士の若者がいた



僕の名前はマリオ 今はまだ このちっぽけな村の一兵士さ
だけど いつか都会に行って偉くなってやるんだ！
僕はこの村で一番の強さなんだ！

よっ！ ほっ！ はっ！

この強さ！この剣捌き！ 絶対に都会でも通じるぜっ
そして偉くなって…

「フフフッ ハーッハッハッハ！」



「マリオ君…？」

こっこの声は！！

後ろを振り向くと優しく温和そうな美しい女性

「おふぅ！ フランさんっ！」

うひゃぁ〜 フランさんっ！ふらんさんだぁ！
この村の教会のシスターでとても優しくて とても可愛らしくって とてもいい匂いがして とても美しくて とても清楚かつとてもおっぱいが大きいんだ

「マリオ君… 急に剣を振り回したり 笑い出したりどうしたの？」

ぎゃぁああ 見られてたー！！

「あっ いえ！ どんな状況下でもフランさんを守れる様に特訓をしてました！」

「あらあら そうなの？ うふふ マリオ君も頼もしくなったわね 今日は宜しくね」

「はいっ！ フランさんには誰一人として指一本触れさせません！」

ドンッ と胸を叩を叩く
そう、そうなのだ 今日は隣村の教会の手伝いに行く フランさんの護衛を任されているのである！

しかも… 二人っきりだ！！
村の皆の憧れのフランさんを今日は独り占めできるのだ うわは うわはうわははっー
ここはいい所を見せて…






ポワンポワンポワン

フランさん
『きゃーモンスターよぉっ！怖いわぁ！』

モンスター
『ぎっぎっぎ うまそうな人間だぜ』

フランさん
『きゃー』

ぼく
『フランさん 僕の後ろに下がってください なあにすぐ終わりますよ』

モンスター
『生意気な人間め！ 死ねっ！』

ぼく
『フランさんを怯えさせる 悪いモンスターめ！ 成敗してくれる！』

『マリオ神速ファイナルエターナルフューチャリングプリズムクラウディセイバースラッシュアタック！』

圧倒的かつ 美しく流麗かつ荘厳で力強いオーラ溢れるパワーでしなやかにかつ滑らかに とめどなく味気なくモンスターを倒す僕

モンスター
『ぎゃー』

ぼく
『もう大丈夫ですよ フランさん』

フランさん
『マリオ君…すき…』



ポワンポワンポワン


なーんてっ

「うふうふうふふふふ」

「マリオ君…どこかに行ってなかった？」

「いえっ！イメージトレーニングです！」

まぁこんな平和な村に魔物なんていないけどね

「それじゃあフラン気をつけて行ってくるんじゃぞ マリオ頼んだよ」

「はいっ！神父様行ってまいります！」

うおっ！神父様…いたのか…
ふふふ神父様 僕とフランさんが結婚する時はこちらこそ頼むぞ うふふ ふへへへへ
「はいっ！ 行ってきます！」

こうして僕とフランさんの二人きりのラブラブの旅が始まった


…だが








「うわぁあああぁあ！！」

「マリオ君っ！」

地面をゴロゴロと不様に転がる僕
心配そうに声をかける フランさん…

くそぅ！こんな…こんなはずじゃあ…


「キャハ♩ 弱い…弱いねぇキャハハハ♩」

隣村に行く道中でこんなに強いモンスターが現れるなんて…
子供の姿だから 大丈夫って油断したらボッコボコにされたぜ くそっ！
フランさんにいい所見せようとしたのに！

「うおおおおお」
全力でモンスターに剣を振るが

ひょい

「あったらないよ〜ん♩」

軽く避けられ モンスターはそのままふわりと飛び上がるとフランさんを後ろから捉えた

「あぁっ！ くぅ マッ マリオ君っ…」

フランさんが！

「くそっ！ フランさんから離れろ！」

バチィ

「ぐあっ！」

モンスターに向かっていくも 見えない壁のようなもので弾き飛ばされる

そしてモンスターはフランさんに襲いかかる

「キャハハ おねーさん とってもキレイだね でも心の中に色々溜まってるんじゃない？ 大好きな人の想いとか？」

「くぅ！やめなさいっ！ モンスターー！ あぁっ主神様っ この悪魔に天罰を… 」

「キャハハ 祈ったってなんにもなんにも起きやしないよ そんな事よりも気持ち良くなろうよ？ねぇ？おねーさん♩」

「やぁん♥」

モンスターはフランさんの服に手を突っ込み凌辱しはじめる

くそくそっ！

「やめろぉおおおぉ！！」

「やめないよ うるさいなぁ今いいとこなんだから 大人しく待ってな そぉら」

モンスターの手がフランさんの色々な所を弄りまくった

「そらそぉら」

「あんっ ひゃあん♥」

「ほらほら」

「あうっ くぅん♥やめ…」

「おねーさんいい声で鳴くねぇ 私も興奮してきたよ」
クチュクチュ

「わおっ おねーさんほんとに人間？とってもいい具合の身体じゃないか 旦那になる人は幸せだねぇ くっくっく」


「あぁ フランさんが あんなことやこんなこと それにあんな声出すんだぁ」

僕は そんな場合ではないのに見とれてしまった そして勃ってしまって立てなくなった


「キャハハ 坊やもあんたの事みてこうふんしてるよぉ〜よかったねぇ そうら 最後の仕上げだ！」

モンスターの手が激しく動き

「はぅっ うぁっ うぁああああああ〜♥」

ぷしゅ しゃあぁぁぁああ

「うわぁっ！！」

フランさんが目を開けられなくなるほどピンク色に輝きだした

そして、光が収まった

そこにはフランさんがいた

ただし 異形の姿で


「はぁん♥ はぁはぁ♥」

「あららデビルじゃなくてレッサーサキュバスになっちゃったか まあいいかキャハ 生まれ変わった気分はどうかな？おねぇさん 」

フランさんはかわってしまった 頭に角を 悪魔の羽と尻尾をもったモンスターに

「はぁはぁはぁ♥」
フランさんは頬を赤らめ息を荒くし 目は いつもの清楚な感じは一切抜け落ち どこか色っぽい目つきをしている

「うそだ うそだ… フランさんが人を喰らう魔物になるなんて嘘だ…」

主神の教えではモンスターは絶対悪 モンスターになったものは人を喰らう、だから殺さなければならない…
でも
「そんな…フランさんを殺すなんて…できない」
突如突きつけられた現実、ぼくは周りの人達が魔物になるなんて考えたこともなかった ぼくは…ぼくは…


そして悪魔は言った
「さぁ 愛し合いなさい キャハキャハキャハハ！」

？ 愛？ あの悪魔はいったい何を言っているんだ？

「愛し合うってどういうことだ！」

悪魔はニヤニヤ笑いながら言った

「そのまんまの意味さ！ 今の魔物は人間を愛してるのさ！そして魔物になった女は愛する男のもとへまっしぐらさ！くっくっく覚悟おしよ 魔物の愛は山より高く海より深いよ」

「そんな…そんな…」

マジか！じゃあ フランさんも ぼくのこと…

「はぁはぁ はぁん♥」

ゆっくりゆっくりと僕に近づいてくるフランさん

「えへへ い、いいのかなぁ…」

「キャハ やっぱりいいねぇ！ 人間が魔に堕ちて 愛し合う様を見るのは キャハハキャハハ」

「はぁはぁはぁ♥」

そして、 フランさんは ぼくの胸に飛び込ー


「神父さまぁぁぁあぁぁぁああぁああ〜〜〜〜〜〜♥♥♥」

ドギュオオォォオオオォオオオオン！！！！！


「えっ」

「えっ」










「「……………………………………………
…………………………………………………
…………………………………………………
…………………………………………………
…………………………………………………
………………………………………………」」



「…あ、あの…」

「…せよ」

「えっ？」

「…せよ！ こ〜ろせよ〜！ もう〜ころせよ〜！ころして〜」

「ああぁっ、ごめんね ごめんね 二人は好き同士なもんだと思って…」

「ぴえぇええええ もうい〜いっ もうや〜だ もう ころせよ〜 魔物だろ〜 おまえら〜」

「いやだから 魔物は人を殺さない…」

「ぴえぇええええ ぴゃああぁああん」

「あぁ どうしましょ… あっ！ほらアメだよ」

「いらないよっ もういいからしぬの〜 もうー！かまうなっ しぬのっ！ あぁ恥ずかしい 自分だなんて勘違いしてさーだってあの状況であぁ言われたらだれだって期待しちゃうじゃんよー それで… ひいいいいはずかしぃいいいい ピエロじゃないかー ぴええぇええぇええええええん」
ジタバタジタバタ

「あぁ もうそんな顔しないで… デビルムラムラしちゃう」

「ぴえぇええええん」









「その後 魔生をかけて堕としたのが あなたのパパよ」

「へぇ〜」


悪魔の失態〜こんな出会いもあるでしょう〜

完

■作者メッセージ
ちょっと思いついたお話をお送りしました

フランさんはその後、神父のじいさんとイチャエロです

※デビルムラムラ 悲しい顔した人間を淫らな顔にさせたいと思う気持ち



ここまで読んで下さいまして本当にありがとうございました！