読切小説
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魔物使いと世界の変革
はぁ ひとりぼっちでつまんないなぁ 誰かいないかなぁ

ガサッガサガサ

ねぇ誰かいるの?

ガサガサ

ねぇ僕と一緒にサンドイッチ食べない?!

――
―――




森の中を青年が歩いていました
年は24、5くらいで、旅人らしくマントを羽織り、手には杖が握られていた

勇者でもなければ魔法使いでもない一見普通の青年 しかし彼には主神ですらわからない、不思議な力をもっていました

「さぁて、みんなそろそろ休憩にしようか」

青年が振り返ったその先には

『ブモォー!』

『キィキィ』

『ピキィー!』

『ワカリマシタゼ、主人』
ミノタウロス、ワーバット、スライム、ゲイザー等、何種類もの不気味なモンスター達が後ろを歩いていました

旧魔王時代そんな光景を見れば、普通の人間ならば恐怖で逃げ出そうとするか諦めるか、勇者であれば即殲滅しようとするでしょう

しかし、彼は違いました

「は〜いみんなご飯だよぉ ♥ 」

彼は朝早く起きて作ったサンドイッチを魔物たちに配っていきました

『ピキィーピキィー ♥ 』

『ブモォーォォン ♥ 』

『キィーキィ ♥ 』

『今日モ、イイ味ツケシテマスゼ!主人!♪』

喜ぶ魔物達の顔をホクホク顔で嬉しそうに眺める青年

「やっぱりみんなで仲良くご飯を食べてる時は一番幸せだねぇ」


青年にはある力を持っていました
それは幼い頃から魔物の言葉がわかり、心を通わせることができたのです

なぜ彼にそんな力があるのかわかりません
そして、青年はこう思うのでした

「お互い殺し、殺される、こんな悲しいのはもうごめんだ!人間と魔物が仲良く暮らせるようになるように、その為僕は生まれてきたんだ!!」

青年は志を一緒にしてくれる仲間を探し色んな場所を旅をして今、魔王と話をする為に魔王城目指して王魔界まであと一歩手前という所まで来ました

「うーん、美味しいサンドイッチを知ったらきっと魔王も争いなんてしないとおもうんだよねぇ」

ゲイザー
『主人、サスガニソレハネェッテ…今ノ魔王ハ人間ヲ滅ボスコトシカ考エテネェ昔ノ俺モソウダッタシ』

「じゃあ大丈夫じゃないか♪君は今ここにいてくれてる」

ゲイザー
『ウグッ!イヤ、イツカ主人ノ甘サガ命取リニナルンジャナイカッテ心配デ…』

「きゃーーーーー!!!」
その時、遠くで女の人の悲鳴が聞こえました

「今のは!急がないと!!!」
青年は風のように声のする方へ走って行きました


ゲイザー
『アッ!主人、待ッテ!一人ジャ危ナイ!ッテ速ェェエ!!オイ、オマエラ!イツマデ食ッテンダ!追ウゾ!』

『『『グオォォン!』』』

青年の後を追い魔物たちもまた走り去っていきました




森の奥で若い女の人が魔物に襲われていました

背は人間より低く頭から角を生やし醜い顔をしたゴブリンが二匹 さらに体格がよく角が大きいホブゴブリンが女の人を囲んでいました

『ゴブッ!ゴブゴブ!人間ダァ殺セ、人間喰ウ!』

ホブゴブリン達は、ジリジリと女の人に近づいていきます

「ひっ!ひぃ!だ、誰かぁーー!!」

女の人が悲鳴を上げたその時!青年が風のような速さでホブゴブリン達の前に立ちふさがります

そして、

「君達!やめるんだ、お腹が空いてるなら、ほらサンドイッチをお食べ!」

と、力強く優しくホブゴブリン達にサンドイッチを差し出します

ホブゴブリン達は目を点にした後、しばらくして立ち直り

『ゴブゴブ!ナニ訳ノワカラネェコト言ッテヤガル、ヘヘッ餌ガ増エヤガッタ♪ラッキー♪ゲゲゲ!』


ホブゴブリンは青年に襲いかかろうと近づきます

「しょうがない、言ってわからないなら…」

『ゴブゥ?親分、俺コイツノ言ッテル言葉ワカルンダケド?ソレニコイツモ俺達ノ言ッテルコトガ…』


手下のゴブリンが言い終わる前に

ガン! ゴン! バキッ!
青年は杖でホブゴブリン達の頭を叩きノックアウトしてしまいました

『ゴブゥ…』

恐怖で震えていた女の人は青年の手を取り涙を浮かべながらお礼をいいます

「ありがとう!本当にありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか!」

「いっいえっ! とっ当然の事をしたたまでですよ、えっと人間と魔物の―」

『ゴ、ゴブゥ…』
気絶していたゴブリンの一匹がうめき声を上げました

「!!あっ!モンスターがまだ生きてますよ!早くっ!早く殺さないと!穢らわしい!」

女の人はヒステリックに喚きます

「い、いや、あのですねっ!魔物相手でも命を奪うのは…あのっ!人間と魔物いつか仲良く暮らせるようになりますからっ!あ、あのっえぇと」

青年はしどろもどろ女の人をなだめようとしますが

「はぁ?何言ってんの!?魔物は敵よ!人間を食べるのよ!仲良くできるわけないじゃない!」
女の人は更にエスカレートした時

ゲイザー
『オーイ!主人、ヤット追イツイタ 無事デスカー?』
と魔物達が青年に追いつきました

「ひいっいやあー!!!」
魔物達を見た女の人は青年の手を離し逃げようとしますが、木の根につまづいて転んでしまいます

「わかったわ!あなたは命惜しさに魔物に寝返った裏切りものね! 私を油断させといてそこの魔物の餌にしようとしていたのね!この鬼畜!人でなし!近寄らないで!いやぁぁ!」
女の人は近くにあった石を青年に投げつけました

ヒュンッ   ゴッ!

青年の頭に石が当たり、血が流れました

ゲイザー
『主人!血ガ…オノレェ人間!ソノ頭、噛ミ砕イテヤロウカ!!』
他の魔物も騒ぎますが

「いいんだ…やめて…」
青年は哀しい笑顔を魔物達に向け制しました

ゲイザー
『シカシ、主人…』

「誰かーっ!!誰かきてぇーっ!!!!」
女の人は叫び続けます

すると
「大丈夫ですか?」
と、たまたま近くにいた勇者と教団兵士達が駆けつけました

「あそこに、魔物と主神様を裏切った不届き者がいます!早く退治してください!」

「なんだと、皆の者!主神に仇なす者共を制裁を加えよ!」

「「「うおぉおおお!」」」

勇者と兵士達が青年と魔物達に向かってきます

ゲイザー
『ヘッ!人間共ガッ!!主人ニ手ヲダシテ、タダデスムト思ウナヨ!』
魔物達は主人に害をなす愚か者共に逆に制裁を加えようと張り切りますが

「ゲイザーやめるんだ…」

ゲイザー
『うっ!主人…しかし…』 

「ゲイザーお願いだ、いつものを頼む……」

ゲイザー
『……ワカリマシタ…』


青年が申し訳なさそうに頼むとゲイザーの目から光が放たれます

すると、それを見た勇者や兵士達、女の人は眠ってしまいました

「ありがとうゲイザー」

そしてさらに転移魔法で女の人と勇者達を近くの村まで転送しました

「人間って弱くってさ、どうしても自分より強くてよくわからないものを怖がってしまうんだよ…だからごめんね、みんな」

ゲイザー
『主人…』

『ウゥッ』

ホブゴブリン
『アレ?オレ人間ニヤラレテ?ナンデ生キテル?』

みんなで話しているとホブゴブリン達が起きました

ゲイザー
『主人ノ温情ニ感謝シロヨ、タダシ変ナマネシタラ殺ス』
ゲイザーは目玉の触手を向け脅します

ホブゴブリン
『ナンデ殺サナカッタ?人間ハオレタチ魔物殺ス、オレタチモ人間殺ス、世界ハソウイウモノ、ゴブリンダッテワカル』

「僕は思うんだ、人間と魔物はきっと仲良くなれる!魔物の言葉がわかる僕がその橋渡しになるんだ!魔王ともきっと話せば分かりあえるはずなんだ!」

ホブゴブリン
『バカナ、殺サレルダケダゾ』

「大丈夫!愛があれば」

ゲイザー
『フンッ!俺達ガ殺サセネェヨ!主人!コンナヤツ無視シテ行キマショウゼ!』

「できたら、もう人間は食べないでくれ」

青年はサンドイッチをホブゴブリン達に渡し、魔物達と森の奥に進んで行きました


ホブゴブリン
『………』

ゴブリン
『馬鹿ナヤツデスネ!アンナコトスレバ、人間カラモ魔物カラモ狙ワレルッテノニ』

ホブゴブリン
『……パクッ』

ホブゴブリンはサンドイッチを一口食べました
『ウメェ…』

ゴブリン
『ホントダ…』

サンドイッチを食べて、ホブゴブリン達の心に暖かい何かが染み渡りました
ホブゴブリンはスクッと立ち上がりました

ホブゴブリン
『俺達ハ、アイツニ命を救ワレタ、借リハ必ズ返スノガゴブリン族ノ掟!』

ゴブリン
『ソンナ掟アリマシタカ?』

ホブゴブリン
『ウルサイ!今作ッタンダ!イイカラ行クゾ』

『『ヘイ!親分!』』

ホブゴブリン
『待ッテー!!』





こうして、青年に新しい仲間が増えました

その他にもいろんな魔物達が青年に付き従います


邪悪な魔物として封印されていた 一つ目の魔物ゲイザー

青年と一番付き合いが長いスライム

気弱すぎて仲間から殺されかけていたミノタウロス

教団に棲みかを追われたイエティ

青年の命を狙い、返り討ちにあった人虎

悪い魔法使いに酷い扱いを受けていたゴーレムとインプ

森で襲ってきた体長3mの蟷螂 マンティス 得意技は烈風剣

狩人に両親を殺されたチビドラゴン

歌うことが大好きな陽気なワーバット

人間嫌い (食べ物的な意味)でヒョロヒョロだったオーガ

元人間で心を無くしていたリッチ

食いしん坊で青年のサンドイッチにつられたオーク

ジパングで恐れられていたが、今では一番甘えん坊の大百足

アポピスに遺跡を襲われ、一人生き残って生きる意味を失っていたアヌビス

いつのまにか わいたデビルバグ


様々な魔物が青年の元へ集まりました

そして、その夜森の中で魔物達が集まり話し合いを始めます



※魔物言語

ゲイザー
「えーこれより、第666回魔物会議を始める、っと主人は寝たか?」

ミノタウロス
「うん、スライムさんの分体が見ていてくれてるよ、ぐっすりと眠ってるみたい」

ゲイザー
「よし!スライムさんはこの中で一番の古株だからな、安心して任せられる ほんと主人は一度寝たら朝まで絶対起きないからなぁ」

ワーバット
「でも、主人はとても偉大な人だキィ 主人がいなければ こんないろんな種類の魔物は集まらないキィ 普通殺しあいしてるキィ」

ゲイザー
「ふむ、そうだなぁ、しかし何故人間どもには主人の偉大さがわからないのか?結局仲間になった奴なんて魔物ばっかりじゃねぇか!」

ミノタウロス
「今日も主人が哀しい笑顔になった…主人はあんなに優しい人なのに…あの人間のメス大嫌い…」

オーガ
「主人、人間のメスに酷い事を言われるのとても傷つく」

オーク
「主人は人間のメスが苦手だからな、スライムさんに聞いたらずっとそうらしい、赤くなってアワアワしてるって、だからメスとそういうことしたことないって」

ゲイザー
「なんで、主人の良さがわからねんだろうなぁ、あんな人間他にいねぇぜ、勇者でもないのに上位の魔物にも勝てるし、俺一回暗示かけようとしたことあるんだ でもあの眼を見たら、つい逸らしちゃって汚しちゃいけないって思ったんだよなぁ」

ミノタウロス
「とっても優しい人間だよね、僕の命を救ってくれた」

イエティ
「棲みかを追われたワシの居場所になってくれた」

リッチ
「人を捨て魔になり果てた私に人間の温かさを思い出させてくれた…」

ドラゴン
「人間はキライ!でも、父様は好きぃ♥ 父様いなかったら今頃ドラゴンほかの魔物の餌だった」

ワーバット
「おれっちの歌を素敵だって言ってくれたキィ  いいセンスしてるキィ」

アヌビス
「自暴自棄になっていた私にまた生きる意味を与えてくれた 今度こそ主を守り通す…!」

ゴーレム
「ゴーレム・主人の事を考えると胸のパーツ・温かくなる」

インプ
「あの腐れ魔法使いぶっ飛ばして オイラ達を解放してくれたんだ オイラ達のために怒る主人も格好良かったなぁ」

人虎
「我は別に馴れ合うつもりはない!奴を倒すのは我だ!だから…その…いつでもやれるように近くにいるだけだ!」

オーク
「主人の作る飯めちゃくちゃうめぇなぁ」

オーガ
「うんうん、主人のごはんのおかげでヒョロヒョロだったおで、こんなに大きくなった」

ゲイザー
「それだけじゃなくてさぁ こいつら見てみ」



大百足
「ギチギチ」

マンティス
「キシュー キシュー」

デビルバグ
「カサカサカサカサ」

ゲイザー
「…っていう魔物同士でもなに考えてるかわからない虫系の魔物でも主人に心を開いてるってスゴいことだぜ」

ワーバット
「そんな主人が何故嫌われるんだキィ?」

ミノタウロス
「まぁあの〜普通に僕らの存在が人間を遠ざけてるんじゃ…」

「「「「「………」」」」」

ゲイザー
「そうだなぁ、俺らもせめてこんな化け物みたいな姿じゃなく、もうちょっと人間に近い姿だったらなぁ」

ミノタウロス
「そうだねぇ サキュバスとかうらやましいよ、ピンポイントで人間のメスじゃん、僕がサキュバスだったら主人を癒してあげられるのになぁ…」

リッチ
「なるほど!サキュバスか!同じ魔物であるからな、人間になるよりまだ可能性があるかもしれん!よし! 今から研究を始めよう」

オーガ
「おで、サキュバスになりたい…」

ゴーレム
「ゴーレムも・なりたい」

ワーバット
「おれっちもなりたいキィ!」

インプ
「なりたい!なりたい!」

人虎
「ゴホン!修行の一環でなるのも良いか」

スライム
「ピキィーピキィー」

デビルバグ
「バサッバササササッ!」

やいのやいの



そこから、魔物達はサキュバスになりたいと大騒ぎ

ゲイザー
「うるせー!なれるか馬鹿共!!お前ら自分達の種族の誇りはないのか?
  あと飛ぶんじゃねぇデビルバグ! 怖いから!」



???
「ぷっ!ククッあはははは♪」

そんな時、闇夜の森の奥から女の笑い声が聞こえてきました

ゲイザー
「だれだ!?」

そして闇夜からあらわれたのは 悪魔の角と羽、尻尾を持った妖艶なる女の魔物
サキュバスでした

ゲイザー
「サキュバス!何の用だ!? 主人を狙いに来たのか!?」

魔物達は一斉に攻撃体制になりました

しかし、サキュバスは大勢の殺気をものともせず 答えます

サキュバス
「うーん、まぁあなた達のご主人様にもちょっと興味があるけど、今夜は魔王を裏切り人間についた魔物がどんな事考えてるか気になったの」

ゲイザー
「俺達は人間についたのではない!主人についたのだ!!!」

サキュバス
「ウフフ同じ事よ♥ まぁいいわ、でもフフッまさかサキュバスになりたいなんて思ってたなんて、 私とっても嬉しいわウフフ♥」

人虎
「淫魔風情が…我々を愚弄するか!!」

サキュバス
「まぁこわい!なりたいって言ってたくせにぃ…でもあなた逹がご主人様に向ける愛の深さがわかったわ うん!とっても素敵!♥ うん!私のやろうとしてる事は間違いじゃないわ!

ゲイザー
「あぁ!?いまなんて?」

サキュバス
「いいえなんでも、じゃ貴重なご意見ありがとう! 楽しみにしててねー♥ 」

そう言うとサキュバスは闇の中へ消えて行きました

ゲイザー
「まて!くそっ!淫魔め!興醒めだ、今日はもう解散!!!」

ぞろぞろと寝床に帰る魔物達、しかしゲイザーは、いまだ闇の中を見つめています

(妙なサキュバスだったな…これから先は王魔界だ何があるかわからん 魔王直属の魔物達との戦闘にもなるだろう それに……)

(魔王城に強力な勇者の気が向かっている しかも主人よりも強い!… 魔王はどうでもいいが、主人に剣を向けてきたのなら俺たち魔物全員、命を捨ててでも主人を守らなければならねぇな…)



ーー
ーーー







そして数日後ー世界はサキュバスの魔力に覆われた

ゲイザー
「ハァハァいまから、魔物会議を……あぐあぁ!ぐぉおぉ!」

くそっ!いったいどうなってやがるんだ!急に魔王城から魔力の波動がひろがってきやがった! それに飲み込まれた瞬間コレだ

「あぁ!ぐあぁ!か、体が…熱い!」
全身が熱くなり どこか体を中から作り替えられてるような感覚! そしてこれは…この感覚は……?主人に触手の根元を撫でられているような、しかしどこか物足りないような なんだコレは? 魔王の裏切り者に対する呪い?
通常は頑丈な魔物が全員やられてやがる

「ブモオォォ…」
 物理攻撃につよいオーガやミノタウロスも

「アァアァーウァアアァー」
 圧倒的魔法防御をもったリッチも

「ピクピク ピクピク」
さらに生命力だけは上級魔族以上のデビルバグでさえピクピクしてやがる

「畜生…!主人…主人は無事か…?」
千里眼の術で主人の寝床をのぞくとそこには安らかに眠る主人の寝顔があった

「よかった 主人は無事か」
どうやら魔物にしか効かない呪いだったようだな

安心するが、さらにゲイザー達の襲いかかる熱と謎の感覚は更に強くなっていく

主人 あぁ主人 主人ーーー

体の熱さと比例するように主人に対する想いも高まっていく

「主人、俺たちはもうダメだろうけど どうか悲しまないで 人間のメスとどうか幸せにー」
ゲイザーの大きな瞳から涙がこぼれます

そして魔物達の体が光に包まれました




ーー
ーーー


オーク
「うわっ!なんだそれ?お前、人間のメスみたいになってるぞ!」

ワーバット
「そういうお前だってキィ!ほら鏡見てみるキィ?」

オーク
「なっなんじゃこりゃあ〜???」

ドラゴン
「わぁっ!すごいすごい!この体とっても柔い!プニプニしてるよ!特にこの胸についた人間のメスみたいな膨らみ!えへへ」

オーガ
「へへっ!どうやら俺の胸の膨らみが一番でかいみたいだな!俺一番〜♪」

イエティ
「なに言ってんだワシの膨らみが一番に決まってんだ」

ゴブリン
「あぁ!おめえらの目は節穴か?うちの親分のが一番すげえに決まってんだろが!ねぇ親分」

ホブゴブリン
「へへ〜♪」

ミノタウロス
「あのぅ僕、膨らみからなんか白いの出てきたんだけど」

「「「「「MA☆JI☆DE☆!?」」」」」

インプ
「馬鹿なやつら!大きければいいってもんじゃないのにねーゴーレム?この小さい体がとても可愛いのに」

ゴーレム
「うん!ゴーレム・インプの事・とても可愛く思う」ムチボイ〜ん

インプ
「ゴーレム…裏切ったね?…」

人虎
「ふむぅこの体がどこまでアイツに通用するか早く試したい物だ♥ ペロリ」

アヌビス
「えっ!えっ!!なにこれなにこれ、ワカンナイ!ワカンナイ!キャインキャイン!主人!主人!どこ〜!クゥンクゥン♥ 」

マンティス
「……………主人……ポッ♥ 」

大百足
「主様あぁ主様やっと、あぁやっと主様に私の本当の気持ちを伝える事ができまする〜主様ぁ〜お慕い申していますぅ〜♥ 」

デビルバグ
「主人!アイシテル!繁殖!繁殖!」

リッチ
「これは…以前の魔物化した時とは違う…ふぅむ色々研究したいものだが、その前にやることがあるな、主人、君の事がさらに知りたくなったよ♥ 」


ゲイザー
「みんな人間のメスみたいな体になってるみたいだな、ふふっしかし、上級魔族である俺が一番の美人に違いない!どれ見てみるか鏡、鏡と………………えっ?……」

こうして、魔物逹はそれぞれ新しい体になったことを喜び、大好きな主人のもとへ一斉に向かいました


――
―――

「…て」

「…きて」

「…起きて…」

「起きて!主人!」

「ふにゃあ!うーんおはよぅ、スライム…???」

いつもの様に目を覚ました青年の前にはいつもと違う光景が目にうつりました

そこには自分の寝床を囲う、色んなタイプの美女、美少女逹

「はひっ?えっ?どちら様でしょうか?」
青年はあまりの突然な事に大慌て

スライム
「スライムだよ、ずぅっと一緒にいた そしてみんなもずっと主人の事が大好きで大好きでしかたなかった魔物逹、 何でかは知らないけど、みんなこの姿になったんだよ♥ 」

「えっ?スライム?そしてみんな!?あっどことなくみんな種族の面影が…でもなんで?」

スライム
「わからない、でもこの姿になっても私たちは前と変わらず主人のことが愛しく、ずっと近くにいたいって思ってる」

「えっ!あっ!たははは」青年は照れました

スライム
「それでみんなで話し合ったんだけどね、じゃあいくよ、せーの!」


「「「「「「「「私たちをお嫁さんにしてください!!! 」」」」」」」」」


「えっ!お嫁さん!?いっいやあのそのエエッ!?あわわわ@#?%$:*/」

(((主人、あわあわしてる 可愛ええ グヘへ)))

「いや!そのみんなみたいな可愛い子は大歓迎なんだけど、…その全員ってのは僕、節操ないっていうか不貞っていうかいけないことじゃあ…いいのかなぁ?」

スライム
「主人、あなたが血に飢えた魔物だった私達に愛を教えてくれました 誰一人として主人の愛がなければ生きていけません そのようにしてしまった責任をとってください!! 一人を選ぶなど残酷なことをなさらず、全員ちゃんと愛してください!!」

青年はほんの少し考え
「……よし!わかった!僕も男なんで腹をくくるよ!こちらこそ こ、こんなぼくだけどずっと一緒にい、いいいてください!」

「「「「「「「「よろこんで!!!♥ 」」」」」」」」

魔物達は大喜び!!青年は嬉しそうな魔物達を見て喜んでいましたが、誰かががいないことに気がつきました

「ところで、ゲイザーは?」



スライム
「彼女なら…」

スライムが指差した方向に木の陰からこちらの様子を見ている布切れを頭から深く被った少女がいました

「おーいゲイザーなんだろ?どうしたの?こっちおいでよ」

ゲイザー
「こないで!!」
青年が近寄ろうとすると、ゲイザーは止めました
ゲイザーは涙声で言いました

ゲイザー
「主人のこと、愛してるけどみんなが人間っぽくなってるのに、俺だけずっと化け物なんだ!主人だってこんな女、愛せるわけないんだもん!うわぁーん!」

泣き出したゲイザーを見かねたミノタウロスはゲイザーのそばに行き

ミノタウロス
「まったく、主人はそんなの気にしないってあれだけ言ったのに!おーい行くよ!」

ゲイザー
「!やめろよ!おい、やめてって!」

ミノタウロスは嫌がるゲイザーの腕を引っ張り青年の前に連れていきました

ゲイザー
「うぅっぐすん」

「ゲイザー僕がゲイザーを嫌うわけないじゃないか、よく顔を見せて」

「ううっ」
青年に言われてゲイザーはしぶしぶ布切れを取り去り、
そこには綺麗な赤い単眼の美少女がうつ向いていました

ゲイザー
「ううっみんな人間みたいなのに私だけこんな…化け物のまんまで…ぐすん」

「ゲイザー顔をあげて」

ゲイザー
「ふぁい」
青年の目とゲイザー大きな目が合います

「うん、出会った時と変わらない僕の大好きな綺麗な瞳だよゲイザー、僕は君の事嫌ったりしないから、もし良かったらこれからも僕と一緒にいてくれる?」

青年は優しくゲイザーの頭を撫でてあげます

ゲイザー
「うっ…うわぁん!しゅじんーー !!!」

ゲイザーは主人の胸に飛び込みます すると

ドラゴン
「あっ!ずるーい!私もー♥ 」

イエティ
「あっ!ワシも」

大百足
「きぃー!抜け駆けー!!」
他の魔物娘逹も一斉に青年に抱きつきました

「はぇあわわわわわ」

ブシュー

オーク
「おーい!主人が鼻血吹いて倒れたぞー!!」

ワーバット
「誰かー!回復魔法をー!!」

リッチ
「だから言ったろう!主人はウブなんだから、ゆっくりいけって!!」

ゲイザー
「主人…ごめんねごめんね」


――
―――



魔王が代替わりして、魔物逹はみんな女の子の姿になり、言葉を交わせるようになった それは僕が今までもっている力が失われると言うことでもあった でもまったく喪失感はない、むしろまた新しい使命の始まりなんだなと思う

まだまだ時代は変わったばかり、人間と魔物は話ができるようになったけど、魔物逹も変化に戸惑ってるだろうし、人間も魔物逹への恐怖が残ってる

これからも、誤解による人間と魔物の争いは続いていくんだと思う
だから僕は急接近した人と魔、それぞれが本当に仲良くできるように みんなの手助けをしたいんだ それが今までずっと魔物逹と仲良くしてきた僕の役割なんだと思う

「みんな、ついてきてくれるかな?」


「「「「「「「「おーーー!!!」」」」」」」

それから、青年と魔物逹は各地を旅をして、魔物と人が仲良く生きられるように力を尽くしました
教団と戦ったり、過激派の魔物と話し合ったり人魔に関わる色々な問題を解決していきました

そして、青年は魔物のお嫁さん逹といつまでも仲良く過ごしました

余談であるが青年と魔物達の子供達やその子孫はみんな種族を問わず 人間に対して従順で献身的であったという






魔物使いと時代の変革〜魔物の花嫁逹〜








ゲイザー
「新しい魔王はサキュバスになったんだな…」

(…あのサキュバス…まさかな…)
13/11/19 00:46更新 /

■作者メッセージ
お久しぶりです
まぁ忘れられてもしょうがないですけど

というわけで魔王時代の世代交代あたりの話を書きたかったんです
そしてあのRPGのXが好きです
旧時代はこんな生温くねぇよって言う人、すいませんでした
ジパングは旧時代でも共生していたと言いますし、こんな主神にとってイレギュラー的な魔物もいてもいいかなぁと…
図鑑世界に魔物使いがいたらこうなんじゃないかなって思いました 新魔王時代にはいなくなる職業ですけど

そして気づいたことは自分はハーレムが好きなんだなということ
みんな幸せになれるよね
そんな語れるほど深くないですけども

ここまで読んでくれて 本当にありがとうございました!

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