2日目
…♪〜♪〜
深い眠りの合間に下手な子守唄が聞こえたが、押し当てられた胸元を通して聞こえる独特な優しい声の響きと暖かく居心地の良い柔らかな胸に埋もれて少年は更に深い眠りへと落ちていった…
「ん…」薄っすらと眠りから覚め、目を開ける前に一気に覚醒する。
昨日の現実に限り無く近いリアルな悪夢を思い返しながら目を閉じたまま考えに耽る。
悪夢にうなされ汗まみれになった自分の体を落ち着かせながら「よくよく考えればそんな馬鹿なことをするハズ無いよな…」とゆっくりと落ち着かせながら自分を納得させる。
徐々に昨日のことは夢だったのか!と言う喜びにいっぱいになりながら汗が引き、泣き止んだ後の清清しさにも似た余韻に浸りながらゆっくりと目を開ける
「ヒィッ!!!」天井も壁も紛れも無く赤土色の土壁で昨日の夢だと思い込んでいた風景そのままだった…
悪夢でも何でもないそこは昨日の絶望の続きだった。日が照らないのでまるで時間も判らず自分の状況も把握できない
既にその部屋の主は出て行った後のようで部屋の真ん中には甘い匂いのするパンのようなモノが置かれていた。
「なんで…!」自分の迂闊さに思わず意味も無く一言が漏れてしまうが、虚しく部屋に響くだけだった…
何もする事がない少年、部屋の中央には明らかに甘い芳醇な香りのするパン…
「罠かも…」と思いながらもやはり空腹には勝てず、「まぁ殺すならもう死んでるよな…」と一種の自己弁論を唱えながらパクッと一口
「うんイケるイケる」その優しい味に心が満たされたのか、薄っすらと子守唄を唄ってくれたあの声の主を思い浮かべた。
「優しい…魔物だったのかな?」
一方その頃
アント1「昨日はどうだったの?」
?「うん!すっごく可愛いの!こう…胸元で抱いて一緒に寝てあげると擦り寄って来て無意識に甘えて来るんだよぉ!」
アント2「え〜だったら若すぎてツガイにはなれないね〜」
?「いいの!あの子は私の天使様だもん!」
アント1「あちゃ〜そりゃ重傷だ、ツガイになって出すもの出してもらうためにつれて来るのに何のための人間のオスだよ…」
?「いいもん!それだけで何か…空腹感とかそう言うのじゃない何かが凄い満たされるから…いいの!あの子が待ってるから先に帰ってるね!」
アント1「はぁ…判ったよ(全然判らんけど)」
数分後
アント2「どう思う〜?」
アント1「オスがアレじゃどうにもねぇ…一肌脱いであげますか?」
アント2「お〜!アレを使いますか?ニヒヒ…」
?「ただいま〜起きてる?」
少年「あっ!ゴ、ゴメンなさい勝手に食べて!その上のパンみたいな」
?「あ、怖がらないで?食べてもらうために置いて行ったんだから…ゴメンねこんなところに勝手に連れて来ちゃって…」
?「…」
少年「…」
会話が続かず、しばらくすると自分の使った食器の後片付けをしてくれるアントを見ながら予想以上に優しい魔物にすっかり安心しきった少年
少年「僕ってずっとココで暮らすの?」
?「ダメ…かな?も、もちろんどうしてもイヤで家に帰りたいって言うんだったら…その…」
少年「べ、別にイヤ…じゃない…けど、村に帰っても誰も待ってくれてる訳じゃないし…その…少しまだ怖いだけなのかも…?」
少し泣き顔だったジャイアントアントの顔がパァっと晴れて嬉し泣きの様な顔になり少年を無意識にギュッと抱きしめながら
?「じゃ、じゃあココに居てくれるの!?良かった〜!これからはもっとウンと頑張るね!」
少年「う…く、苦しい…」
?「あ、あ、ゴメンね!大丈夫!?」
少年「い、いや…そんなに痛くないよ…そ、それよりもっと……してもいいかも…」
?「??!!! ぎゅ〜〜〜〜〜!」
少年「あ〜死ぬかと思った」
?「ゴ、ゴメン…あんな可愛いこと言われるからつい…」
少年「僕はマルコ、君は?名前とかあるの?」
?「あ〜私達には名前とか無いんだよ、フェロモンの匂いで誰か判るからそう言うのが要らないの」
マルコ「でも僕が呼べないよ、じゃあ…(アリンコだから)リンコ!」
リンコ「リンコ?うん!リンコね!えへ〜リンコか〜えへへ…」
マルコ「でも優しくて良かった〜僕、安心したら眠たくなっちゃったよ…」
リンコ「あ、ゴメンねもう寝ようか?向こうに藁を敷いてもらったけどそっちで寝る?」
マルコ「え?あ…うん…そっちで寝るよ…おやすみ…リンコ」
リンコ「おやすみなさい…マルコ」
数分後
………
マルコ「ねぇ起きてる?」
リンコ「…うん?…ふわぁ…起きてるよ?どうしたの?」
マルコ「そっち行ってもいい?」
リンコ「!!!う、うん!」
ゴソゴソと移動しリンコの胸と腕の中にスッポリと納まるマルコ
マルコ「クンクン…スゥ〜、少しお母ちゃんの匂いがする気がする…」
リンコはゾクゾクする満足感と、えも言われぬ得体の知れない幸福感で胸がいっぱいになるのを肌で感じ、自分でもわかるほどにやけている表情を必死に押し殺すのに苦心した…
深い眠りの合間に下手な子守唄が聞こえたが、押し当てられた胸元を通して聞こえる独特な優しい声の響きと暖かく居心地の良い柔らかな胸に埋もれて少年は更に深い眠りへと落ちていった…
「ん…」薄っすらと眠りから覚め、目を開ける前に一気に覚醒する。
昨日の現実に限り無く近いリアルな悪夢を思い返しながら目を閉じたまま考えに耽る。
悪夢にうなされ汗まみれになった自分の体を落ち着かせながら「よくよく考えればそんな馬鹿なことをするハズ無いよな…」とゆっくりと落ち着かせながら自分を納得させる。
徐々に昨日のことは夢だったのか!と言う喜びにいっぱいになりながら汗が引き、泣き止んだ後の清清しさにも似た余韻に浸りながらゆっくりと目を開ける
「ヒィッ!!!」天井も壁も紛れも無く赤土色の土壁で昨日の夢だと思い込んでいた風景そのままだった…
悪夢でも何でもないそこは昨日の絶望の続きだった。日が照らないのでまるで時間も判らず自分の状況も把握できない
既にその部屋の主は出て行った後のようで部屋の真ん中には甘い匂いのするパンのようなモノが置かれていた。
「なんで…!」自分の迂闊さに思わず意味も無く一言が漏れてしまうが、虚しく部屋に響くだけだった…
何もする事がない少年、部屋の中央には明らかに甘い芳醇な香りのするパン…
「罠かも…」と思いながらもやはり空腹には勝てず、「まぁ殺すならもう死んでるよな…」と一種の自己弁論を唱えながらパクッと一口
「うんイケるイケる」その優しい味に心が満たされたのか、薄っすらと子守唄を唄ってくれたあの声の主を思い浮かべた。
「優しい…魔物だったのかな?」
一方その頃
アント1「昨日はどうだったの?」
?「うん!すっごく可愛いの!こう…胸元で抱いて一緒に寝てあげると擦り寄って来て無意識に甘えて来るんだよぉ!」
アント2「え〜だったら若すぎてツガイにはなれないね〜」
?「いいの!あの子は私の天使様だもん!」
アント1「あちゃ〜そりゃ重傷だ、ツガイになって出すもの出してもらうためにつれて来るのに何のための人間のオスだよ…」
?「いいもん!それだけで何か…空腹感とかそう言うのじゃない何かが凄い満たされるから…いいの!あの子が待ってるから先に帰ってるね!」
アント1「はぁ…判ったよ(全然判らんけど)」
数分後
アント2「どう思う〜?」
アント1「オスがアレじゃどうにもねぇ…一肌脱いであげますか?」
アント2「お〜!アレを使いますか?ニヒヒ…」
?「ただいま〜起きてる?」
少年「あっ!ゴ、ゴメンなさい勝手に食べて!その上のパンみたいな」
?「あ、怖がらないで?食べてもらうために置いて行ったんだから…ゴメンねこんなところに勝手に連れて来ちゃって…」
?「…」
少年「…」
会話が続かず、しばらくすると自分の使った食器の後片付けをしてくれるアントを見ながら予想以上に優しい魔物にすっかり安心しきった少年
少年「僕ってずっとココで暮らすの?」
?「ダメ…かな?も、もちろんどうしてもイヤで家に帰りたいって言うんだったら…その…」
少年「べ、別にイヤ…じゃない…けど、村に帰っても誰も待ってくれてる訳じゃないし…その…少しまだ怖いだけなのかも…?」
少し泣き顔だったジャイアントアントの顔がパァっと晴れて嬉し泣きの様な顔になり少年を無意識にギュッと抱きしめながら
?「じゃ、じゃあココに居てくれるの!?良かった〜!これからはもっとウンと頑張るね!」
少年「う…く、苦しい…」
?「あ、あ、ゴメンね!大丈夫!?」
少年「い、いや…そんなに痛くないよ…そ、それよりもっと……してもいいかも…」
?「??!!! ぎゅ〜〜〜〜〜!」
少年「あ〜死ぬかと思った」
?「ゴ、ゴメン…あんな可愛いこと言われるからつい…」
少年「僕はマルコ、君は?名前とかあるの?」
?「あ〜私達には名前とか無いんだよ、フェロモンの匂いで誰か判るからそう言うのが要らないの」
マルコ「でも僕が呼べないよ、じゃあ…(アリンコだから)リンコ!」
リンコ「リンコ?うん!リンコね!えへ〜リンコか〜えへへ…」
マルコ「でも優しくて良かった〜僕、安心したら眠たくなっちゃったよ…」
リンコ「あ、ゴメンねもう寝ようか?向こうに藁を敷いてもらったけどそっちで寝る?」
マルコ「え?あ…うん…そっちで寝るよ…おやすみ…リンコ」
リンコ「おやすみなさい…マルコ」
数分後
………
マルコ「ねぇ起きてる?」
リンコ「…うん?…ふわぁ…起きてるよ?どうしたの?」
マルコ「そっち行ってもいい?」
リンコ「!!!う、うん!」
ゴソゴソと移動しリンコの胸と腕の中にスッポリと納まるマルコ
マルコ「クンクン…スゥ〜、少しお母ちゃんの匂いがする気がする…」
リンコはゾクゾクする満足感と、えも言われぬ得体の知れない幸福感で胸がいっぱいになるのを肌で感じ、自分でもわかるほどにやけている表情を必死に押し殺すのに苦心した…
10/03/26 03:21更新 / ごんべえ
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