君を身に付けているとなんでも出来る気がしてな
―――――シャランッ・・・シャランッ・・・
人里と人里の間の山道に鈴の音が響き渡る。それはキャラバン本隊の鳴らす鈴の音だ。
「ねぇねぇカークス、わざわざ鈴の音を響かせると野盗なんかに私達の場所を知らせているようなものじゃないの？止めさせた方がいいように思えるけれど・・・」
純白の鎧を身に纏うカークス・オルトランドは小声でリビング・アーマーたる伴侶のリリィ・オルトランドに話しかけられる。
純白の鎧の中は外見からは想像もつかないが大きな寝袋のようになっており、それでいてカークスの動きにピッタリとフィットして動かせるという何とも都合の良い代物だ。
その広い内部は夜の時間、こっそりと2人がセックスするのに重宝しているが、日中歩く時は流石に邪魔なのでリリィはエネルギー体ではなく鎧として今は引っ込んでいるが会話程度は造作もないとの事だ。
「まぁ確かに一理あるが、悪いことばかりじゃないって事と昔からの習慣というもの、あとはジンクスって奴もあるから鈴は鳴らしているのさ」
カークスは語り始める・・・魔除け、獣避けなど古来より悪しきものを祓うのは清浄なる音だと信じられてきた。
旅をする者たちは皆一様にランタンと鈴を取り付けた杖を突きながら道を歩く。何時しか鈴の音で自らの身分を示すようにもなり、一際高い音で鳴る鈴を使うのは商人だと決まっていた。
諸説ありながら、遠くまで響く高い音で鳴る鈴の音に導かれるように旅の者が駆け込みで商人から買い物をしたのが切っ掛けだったとか・・・何時しかそれは商売繁盛の祈願となり、旅をする商人達は今も鈴を鳴らし続けているという訳だ。
「なるほど・・・あ、だから商人達だけを狙う野盗の事を鈴玉狩りって呼ぶんだね！」
「その通り、流石リリィだ」
「えっへん！私ってば天才かも！？」
リリィの言う通りその高い音の鈴は客だけでなく悪しきもの・・・野盗も誘き寄せることにはなる。
商人達は売り物になる価値ある物や元手となる沢山のお金を持って旅をするからタダの旅人を襲うよりも実入りが多くなるのは明確だ。だから商人達は傭兵を雇う、どうしても鈴玉狩りは避けられないからだ。
「なぁなぁカークス、それにしても最近鈴玉狩りの連中の数が多すぎやしないか？」
「あぁ、俺もそう思ってた所だ・・・一言でいえば何から何まで普通じゃないことが多すぎる」
「ああ、どういう訳か分からねぇが奴ら装備も一丁前だし数も多い・・・挙句の果てには勝機がなくなったと見えるや一人残らず逃げて見せるんだから捕虜もとれやしない・・・ほんと、ただの鈴玉狩りじゃねえってことは確かだな」
同じ傭兵仲間から愚痴のように話しかけられる。それもそのはず今日の朝出発直後に1度、昼休憩前に1度と今日だけで2度もこのキャラバン隊は鈴玉狩りに襲撃されているのだ。
野盗というものは忌み嫌われる存在、例え1度でも手配書などが出回れば今後一生マトモに町で買い物なども出来ないはみ出し者達の集まりだ。
だから襲う者たち一人一人の装備は折れた剣に鋭く削った木の槍や刃こぼれした鉈、有り合わせの木の板をくっつけた盾など武器と呼ぶのも悲しい程に粗雑な事が多い。
それなのにこのキャラバン隊を襲う鈴玉狩り達の装備は刻印こそ削り取られていたが何処かの王国の兵士達に支給されるような物ばかりだったのだ。
それはカークスにも気が付いている事だったが、どうもキナ臭いのはそれだけでは無かった。
鈴玉狩りの連中の狙いがお金を載せた馬車ではなく、商品を乗せた・・・それも武具を乗せた馬車だと聞かされているが、とにかくその馬車を最優先で狙おうとしてくるのだ。
普通に考えても例え価値ある武具達を首尾よく奪い取れたとしてもそれだけでは意味が無い。街で売り払うなりして換金しなければならない手間を・・・ましてや盗品を売りさばく苦労を考えれば最初からお金の入った馬車を狙わない理由が分からない。
全く一体あの馬車はどんな煌びやかな武具かいわく付きの何かが入っているのやら・・・カークスは少しだけ溜め息をついた。
「カークス、敵が来るよ」
―――――ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ
リリィがそう告げた瞬間に赤、赤、赤の照明弾が空に打ち上げられた。それは敵襲を示す色、それも最大級の警戒を促す3色とも赤の知らせにカークス達護衛の傭兵たちは一気に慌ただしくなる。
後方からは青、青、青の信号弾・・・後方からの敵は確認されずの合図だ。
「カークス！手筈通りだ！お姫様を頼む！ほかの野郎共は前に出るぞ！ヤツら火矢だって持ち出して来かねない！急げ！」
カークスと直援担当の戦力を残し、他の仲間たちはキャラバン隊の前方へと駆け出してゆく。
お姫様を頼む、それは最重要防衛対象に専念しろとの合図だ。
カークスの無敵の強さが敵にも知れ渡ったのか、何時しかカークスは敵から明確に避けられるようになった。
前線に出て、戦力の角になりそうな者へ挑みかかろうとするも純白の鎧を見られる度に戦う素振りも見せずに全力で逃げられ、辺りの野盗たちですら物陰に隠れてカークスをやり過ごそうとするのだ。
そして隙あらば武具の入った馬車を狙いに行こうとする。
だからカークスは前線に出る代わりにこのキャラバン隊で1番狙われる場所で待機をするようになったのだ。勝てない強敵を無理に相手することは無い、敵も徒党を組んだ野盗の群れではないのだろうと仲間たちと事前に打ち合わせた結果だった。
案の定以前の襲撃の際、その読み通り伏兵たちが武具入り馬車を狙って奇襲を仕掛けてきたのをカークスは単騎で全員を撃退してみせたのだが・・・そうすれば敵はカークスではなくもっと簡単に襲える相手を選ぶわけで・・・
「カークス、微かに焦げ臭い油の匂いがする・・・火矢が来るかも！」
「分かった」
リリィが感じ取った危険を即座に受け止めたカークスは武具の入った馬車の天幕の上に飛び上がる。
重い鎧を身にまとっているとは思えない軽やかな身のこなしだが、リリィを身につけた今ではこの程度は造作もない事だった。
腰から長剣を引き抜いた直後、風を切る音へカークスは咄嗟に剣を横薙ぎに振るった。ｷﾝｯという金属同士のぶつかる音の少しあとに焦げ臭い油の焼けた匂い・・・案の定、鈴玉狩りの連中は火矢までも持ち出してきたようだ。
火矢なんて専用の矢と油を用意出来なければ運用できない代物・・・仲間達もキナ臭いとは話していたが少なくともカークス達の敵はどこかの街か国の兵士達・・・そんじょそこらの野盗では無いことだけはコレではっきりとした。
しかも厄介な事に武具入り馬車を明確に狙い撃ちにされている、訓練された弓兵の技だ・・・敵は何処かの高台で此方を見ているに違いない。
カークスは辺りを見渡すが・・・先に見つけてくれたのはリリィだった。
「・・・あ！右の丘の上！火矢を構えた敵が2人！」
「助かるよリリィ！火矢だけは最優先で撃破しないといけないからな！」
火矢なんてテントの天幕に当たればあっという間に火ダルマになる。そうすれば中の商品やら何やらを逃がすために大慌ての大混乱になり、敵はそこを付け入るに違いなかった。
よって右の丘の上に小さく炎が揺らめいたのをリリィが見逃さなかったのは勲章ものだと言っても良い。
単眼鏡で見ると2人が火矢を構えているのが小さくも確かに見えた。
すかさずカークスは右手に剣持ちながら左手に発射器を持ち替え、紫の信号弾を装填して右の丘の上へ目掛けて撃ち出す。
紫色の信号弾は高脅威目標を示す色、仲間達が火矢の存在に気が付き、排除すべく駆け出してゆくのが遠目に見えた。
再び空を裂く音に合わせてカークスは剣を振るい、第2波たる火矢を弾く。
何気なく行われるそれは傍から見れば達人技、物陰に隠れている商人の連中から唸るような感嘆の声が漏れる。
第3波の火矢を弾いたカークスはその直後に右の丘の上から紫と緑の信号弾が撃ち上げられるのを見た。高脅威目標の排除を示す組み合わせだ。
「もう火矢はなさそうだよカークス、それに敵も撤退していくみたい！」
「全く・・・野盗にしては随分と統率の取れた動き・・・まるで何処か軍隊だな」
程なくして前方から青、緑、赤の信号弾が撃ち上げられる。敵影なし、戦闘終了を示し本隊へと帰還する合図の組み合わせだ。
天幕の上からキャラバン隊を見渡す限り、今回の襲撃による物的被害は無さそうだった。
「何とか凌げたな・・・ありがとうリリィ、君が火矢の場所をあんなに早く見つけ出してくれたおかげだ」
「んふふ〜カークスだって飛んでくる火矢を剣で弾くなんて・・・惚れ直しちゃうんだから！」
天幕から飛び降りると商人連中が手を叩いて今回の戦闘を称えてくれた。カークス的には前線を張った連中の方が称えられるべきだと思うのだが、まぁいちいち気にしないことにした。
そしてキャラバン隊は今日の野営地点へとたどり着き、慌ただしく野営の準備を始める中、キャラバン隊の隊長様がカークスへ声をかけてきた。
「やぁ、初めましての顔合わせ以来だったか・・・本キャラバン隊の隊長を務めているコーウェンだ」
この仕事を請け負った際の顔合わせの時にも思ったが、商人の割には鍛えられた体付きに伸ばした髭が威厳ある風貌を見せている。その目つきはまるで此方の心の奥まで見透かされていそうな鋭さまでもカークスへ感じさせた。
「それにしても今日は大活躍だったねカークス君・・・飛んでくる火矢を剣で弾くなんて随分と芸達者じゃないか」
「いえ、そんな大したことでは・・・」
面当てを下ろしたままなのに純白の鎧だと言うことだけでカークスだと認識されているが・・・そんなに目立つものなのだろうか。
「その強さを今後もアテにさせてもらうよ・・・それではな」
コーウェンは言うだけ言ってそのまま去って行ってしまった。カークスも無自覚に緊張していたのか思わずほっと息がこぼれてしまった。
「・・・すごい迫力の人だったねカークス・・・もしかして私の事にも気がついてたかな？」
「かもしれない・・・そんな気がするほど鋭い目をしていた・・・まぁキャラバン隊自体は反魔物を謳ってはいないようだからバレてもすぐに追い出されるということは無いだろうが・・・」
キャラバン隊は人里と人里のちょうど中間地点にいた。今ここで追い出されても腰にあるのは小さな飴が2個と水筒の水だけ、飯抜きで夜どうし歩いて人里まで辿り着くのは勘弁願いたかった。
ーーーーーお〜いカークス！メシの時間だぞ！
食いしん坊な仲間が大声で知らせてくれたのを肩を竦めながら炊事テントへと向かう。
今夜の献立は大振りなリブステーキ二切れに硬焼きパンと乾燥野菜がたっぷりと浮かんだスープだった。
「・・・今夜は随分と豪勢だな」
「今日だけで3回も襲撃を無傷で防いだからって事らしいぞ？」
「聞いたぜカークス！お前が天幕の上に乗って飛んでくる火矢を弾いてくれたんだってな！」
「マジかよ！火矢が隊に向かってまっしぐらに飛んでいくのだけは皆見えてたから、あぁもうダメだっ！って覚悟してたのに無傷なんだからなぁ・・・全部外れたっていう幸運じゃなかったとは・・・さすがカークスだぜ」
「お褒めいただき光栄です・・・でも赤3つだったんだ、前線も苛烈だったんじゃないのか？」
「そうなんだよカークス！聞いてくれよ俺の武勇伝をさぁ！」
仲間と今日も生き延びることが出来たことをお互いに称え合いながら肉に食らいつき、パンを貪る。
皆この仕事に色々と思うところはあっても今はただ、腹ぺこの胃袋に美味いメシが堪らなかった。
そして就寝時間、仲間達も今日は流石に疲れていたのか言葉数も少なく直ぐに眠りに着いたようだが・・・カークスとリリィにとってはこれからがお楽しみの時間だった。
「カークスも疲れているだろうから今日は私が御奉仕するね♥」
「よろしく頼むよリリィ・・・」
温かくヌメつく肉の花園へカークスのそそり立つ肉棒が余す所なく飲み込まれてゆく。何度味わっても一向に慣れる気配のない極上の快楽にカークスは翻弄されるばかりだった。
「カークスっ♥今日の活躍カッコよかったよ♥涼しい顔してるけど♥飛んでくる矢を剣で弾くなんてそう簡単に出来ないのに♥」
「うぁっ・・・リリィの力のおかげ様だよ・・・君を身に付けているとなんでも出来る気がしてな・・・気が付いたら矢を弾いてたんだ」
「・・・もうっ！カークスったら他のリビングアーマーの子に同じこと言ったらダメだからね！私達に対する口説き文句としては最高の物なんだから♥」
自覚無き口説き文句はリリィの心の琴線を狂おしく擽ったようだ。
その言葉に焚き付けられたリリィは腰使いが細かく、それでいて激しいものになる・・・そんな淫靡な蜜壷で掻き回されるカークスは堪らなかった。
タダでさえ気持ちよすぎる蛸壺型の名器はカリ首の溝から先までをミッチリと包み込んでヒダヒダやらツブツブやらぎゅうぎゅうと締め付けるように蠢き、カークスはもはや口の端から涎を零しながら恍惚とするだけだった。
狭く締まりの良い蜜壷の中で男が最も蕩けてしまう部位を入念に揉み解されるように、幾重にも絡みつくヒダヒダでおちんちんを磨き上げるように、過剰な快楽を堪えるかのようにカチカチに血流の集まる肉棒をツブツブが擽って、甘く蕩けさせるように。
「あぁ・・・リリィ・・・出る・・・」
「えへへ、何時でもどうぞ♥私のおまんこにびゅるびゅるお漏らししちゃえ♥」
頭の髄まで快楽に蕩けさせられたカークスはリリィに屈服の一言を告げるのが精一杯だった。
その直後にリリィの腟内でカークスは快楽の絶頂へと至り、果てた。
温かな人肌の腟内へ吐精する最上級の満足感にカークスは最高の美酒を飲んだかのように酔いしれて、吐き出す精液が濃ゆく、粘付いているからか何度も何度もしゃっくりをあげるように脈動が止まらない。
「あっ・・・あぁ・・・♥すっ・・・凄いよカークスっ・・・こんなにも・・・濃ゆいの・・・お腹いっぱいにっ・・・♥」
「あぁ・・・リリィ・・・リリィ・・・俺も気持ちよすぎて・・・あぁ・・・最高だ・・・」
たっぷりと時間をかけてようやくカークスの射精が終わる頃、リリィは子宮へ飲み干せないほどの大量の精液に溺れていた。
「えへ・・・えへへ・・・お腹いっぱい♥カークスの精子が・・・こんなにも濃ゆくて・・・なかなか魔力に変換しきれないよぉ♥溢れちゃいそうだからカークスのおちんちんで栓をしておいて欲しいな・・・♥」
「お易い御用だが・・・あまり締め付けられると・・・次の射精までに飲み干せないぞ？」
「わぁ・・・♥あんなに出したのにまだ出せるなんて・・・♥カークスったら素敵過ぎるっ・・・♥」
「リリィだって言葉に出来ない程素敵さ・・・さて、リリィが飲み干せるまで胸でも揉ませてもらおうかな」
「もうカークスったらいちいち許可なんて必要無いのに♥あぁんっカークスのスケベッ♥おっぱいの揉み方まで上手っ♥」
鎧の中で2人きり、セックスの幸せに2人で酔いしれる。なんだかキナ臭い護衛の仕事になってきたが今だけは・・・愛しき伴侶との営みの間だけは全てを忘れて快楽に溺れていよう。
もにゅもにゅと柔らかく若々しいハリと弾力が心地良いリリィのロリ爆乳を揉みしだくたびに甘い喘ぎ声と締め付ける膣内がカークスを攻め立て、びゅるりと少しだけ暴発してしまったり・・・さんざん淫靡な邪魔をされたリリィは息も絶え絶えで吐き出された大量の精を己が物へと受け止め切ったのだった。
「はっ・・・はへぇ・・・♥お待たせカークスっ♥何とか変換できたよ♥もう1回セックスしよ♥もう1回・・・満タンに・・・私の奥までびゅるびゅる満たして・・・♥」
「全く仕方ない鎧だ・・・良いだろう・・・今夜は寝かせないからな？リリィ・・・覚悟しろよ？」
結局夜明けまでカークスとリリィの交わりは終わることなく繰り返され、お互いが眠ったのはほんの少しだけ。
それでも眠気もなければ体調も絶好調なのはカークスがインキュバス化を遂げたから。
リリィの鎧の中は濃ゆい魔力に四六時中包み込まれているのだから当然のことだったが・・・そんなことを知る由もなければ興味もなかったカークスはただ、リリィとのセックスをたっぷり楽しめる事だけに夢中だった。
キャラバン隊の旅路も残り4分の1を切ってからしばらく経つ。
この調子で行けばもう何回か・・・さすがに2桁までは襲撃されないことを祈りながらカークスはリリィを強く抱きしめると・・・
「もう1回する？朝ごはんまでには間に合いそうだよ？」
「・・・よろしく頼むよ」
結局、朝ごはんだと呼びに来た食いしん坊な仲間が来るまでカークスとリリィは鎧の中でセックスに励むのだった。
人里と人里の間の山道に鈴の音が響き渡る。それはキャラバン本隊の鳴らす鈴の音だ。
「ねぇねぇカークス、わざわざ鈴の音を響かせると野盗なんかに私達の場所を知らせているようなものじゃないの？止めさせた方がいいように思えるけれど・・・」
純白の鎧を身に纏うカークス・オルトランドは小声でリビング・アーマーたる伴侶のリリィ・オルトランドに話しかけられる。
純白の鎧の中は外見からは想像もつかないが大きな寝袋のようになっており、それでいてカークスの動きにピッタリとフィットして動かせるという何とも都合の良い代物だ。
その広い内部は夜の時間、こっそりと2人がセックスするのに重宝しているが、日中歩く時は流石に邪魔なのでリリィはエネルギー体ではなく鎧として今は引っ込んでいるが会話程度は造作もないとの事だ。
「まぁ確かに一理あるが、悪いことばかりじゃないって事と昔からの習慣というもの、あとはジンクスって奴もあるから鈴は鳴らしているのさ」
カークスは語り始める・・・魔除け、獣避けなど古来より悪しきものを祓うのは清浄なる音だと信じられてきた。
旅をする者たちは皆一様にランタンと鈴を取り付けた杖を突きながら道を歩く。何時しか鈴の音で自らの身分を示すようにもなり、一際高い音で鳴る鈴を使うのは商人だと決まっていた。
諸説ありながら、遠くまで響く高い音で鳴る鈴の音に導かれるように旅の者が駆け込みで商人から買い物をしたのが切っ掛けだったとか・・・何時しかそれは商売繁盛の祈願となり、旅をする商人達は今も鈴を鳴らし続けているという訳だ。
「なるほど・・・あ、だから商人達だけを狙う野盗の事を鈴玉狩りって呼ぶんだね！」
「その通り、流石リリィだ」
「えっへん！私ってば天才かも！？」
リリィの言う通りその高い音の鈴は客だけでなく悪しきもの・・・野盗も誘き寄せることにはなる。
商人達は売り物になる価値ある物や元手となる沢山のお金を持って旅をするからタダの旅人を襲うよりも実入りが多くなるのは明確だ。だから商人達は傭兵を雇う、どうしても鈴玉狩りは避けられないからだ。
「なぁなぁカークス、それにしても最近鈴玉狩りの連中の数が多すぎやしないか？」
「あぁ、俺もそう思ってた所だ・・・一言でいえば何から何まで普通じゃないことが多すぎる」
「ああ、どういう訳か分からねぇが奴ら装備も一丁前だし数も多い・・・挙句の果てには勝機がなくなったと見えるや一人残らず逃げて見せるんだから捕虜もとれやしない・・・ほんと、ただの鈴玉狩りじゃねえってことは確かだな」
同じ傭兵仲間から愚痴のように話しかけられる。それもそのはず今日の朝出発直後に1度、昼休憩前に1度と今日だけで2度もこのキャラバン隊は鈴玉狩りに襲撃されているのだ。
野盗というものは忌み嫌われる存在、例え1度でも手配書などが出回れば今後一生マトモに町で買い物なども出来ないはみ出し者達の集まりだ。
だから襲う者たち一人一人の装備は折れた剣に鋭く削った木の槍や刃こぼれした鉈、有り合わせの木の板をくっつけた盾など武器と呼ぶのも悲しい程に粗雑な事が多い。
それなのにこのキャラバン隊を襲う鈴玉狩り達の装備は刻印こそ削り取られていたが何処かの王国の兵士達に支給されるような物ばかりだったのだ。
それはカークスにも気が付いている事だったが、どうもキナ臭いのはそれだけでは無かった。
鈴玉狩りの連中の狙いがお金を載せた馬車ではなく、商品を乗せた・・・それも武具を乗せた馬車だと聞かされているが、とにかくその馬車を最優先で狙おうとしてくるのだ。
普通に考えても例え価値ある武具達を首尾よく奪い取れたとしてもそれだけでは意味が無い。街で売り払うなりして換金しなければならない手間を・・・ましてや盗品を売りさばく苦労を考えれば最初からお金の入った馬車を狙わない理由が分からない。
全く一体あの馬車はどんな煌びやかな武具かいわく付きの何かが入っているのやら・・・カークスは少しだけ溜め息をついた。
「カークス、敵が来るよ」
―――――ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ
リリィがそう告げた瞬間に赤、赤、赤の照明弾が空に打ち上げられた。それは敵襲を示す色、それも最大級の警戒を促す3色とも赤の知らせにカークス達護衛の傭兵たちは一気に慌ただしくなる。
後方からは青、青、青の信号弾・・・後方からの敵は確認されずの合図だ。
「カークス！手筈通りだ！お姫様を頼む！ほかの野郎共は前に出るぞ！ヤツら火矢だって持ち出して来かねない！急げ！」
カークスと直援担当の戦力を残し、他の仲間たちはキャラバン隊の前方へと駆け出してゆく。
お姫様を頼む、それは最重要防衛対象に専念しろとの合図だ。
カークスの無敵の強さが敵にも知れ渡ったのか、何時しかカークスは敵から明確に避けられるようになった。
前線に出て、戦力の角になりそうな者へ挑みかかろうとするも純白の鎧を見られる度に戦う素振りも見せずに全力で逃げられ、辺りの野盗たちですら物陰に隠れてカークスをやり過ごそうとするのだ。
そして隙あらば武具の入った馬車を狙いに行こうとする。
だからカークスは前線に出る代わりにこのキャラバン隊で1番狙われる場所で待機をするようになったのだ。勝てない強敵を無理に相手することは無い、敵も徒党を組んだ野盗の群れではないのだろうと仲間たちと事前に打ち合わせた結果だった。
案の定以前の襲撃の際、その読み通り伏兵たちが武具入り馬車を狙って奇襲を仕掛けてきたのをカークスは単騎で全員を撃退してみせたのだが・・・そうすれば敵はカークスではなくもっと簡単に襲える相手を選ぶわけで・・・
「カークス、微かに焦げ臭い油の匂いがする・・・火矢が来るかも！」
「分かった」
リリィが感じ取った危険を即座に受け止めたカークスは武具の入った馬車の天幕の上に飛び上がる。
重い鎧を身にまとっているとは思えない軽やかな身のこなしだが、リリィを身につけた今ではこの程度は造作もない事だった。
腰から長剣を引き抜いた直後、風を切る音へカークスは咄嗟に剣を横薙ぎに振るった。ｷﾝｯという金属同士のぶつかる音の少しあとに焦げ臭い油の焼けた匂い・・・案の定、鈴玉狩りの連中は火矢までも持ち出してきたようだ。
火矢なんて専用の矢と油を用意出来なければ運用できない代物・・・仲間達もキナ臭いとは話していたが少なくともカークス達の敵はどこかの街か国の兵士達・・・そんじょそこらの野盗では無いことだけはコレではっきりとした。
しかも厄介な事に武具入り馬車を明確に狙い撃ちにされている、訓練された弓兵の技だ・・・敵は何処かの高台で此方を見ているに違いない。
カークスは辺りを見渡すが・・・先に見つけてくれたのはリリィだった。
「・・・あ！右の丘の上！火矢を構えた敵が2人！」
「助かるよリリィ！火矢だけは最優先で撃破しないといけないからな！」
火矢なんてテントの天幕に当たればあっという間に火ダルマになる。そうすれば中の商品やら何やらを逃がすために大慌ての大混乱になり、敵はそこを付け入るに違いなかった。
よって右の丘の上に小さく炎が揺らめいたのをリリィが見逃さなかったのは勲章ものだと言っても良い。
単眼鏡で見ると2人が火矢を構えているのが小さくも確かに見えた。
すかさずカークスは右手に剣持ちながら左手に発射器を持ち替え、紫の信号弾を装填して右の丘の上へ目掛けて撃ち出す。
紫色の信号弾は高脅威目標を示す色、仲間達が火矢の存在に気が付き、排除すべく駆け出してゆくのが遠目に見えた。
再び空を裂く音に合わせてカークスは剣を振るい、第2波たる火矢を弾く。
何気なく行われるそれは傍から見れば達人技、物陰に隠れている商人の連中から唸るような感嘆の声が漏れる。
第3波の火矢を弾いたカークスはその直後に右の丘の上から紫と緑の信号弾が撃ち上げられるのを見た。高脅威目標の排除を示す組み合わせだ。
「もう火矢はなさそうだよカークス、それに敵も撤退していくみたい！」
「全く・・・野盗にしては随分と統率の取れた動き・・・まるで何処か軍隊だな」
程なくして前方から青、緑、赤の信号弾が撃ち上げられる。敵影なし、戦闘終了を示し本隊へと帰還する合図の組み合わせだ。
天幕の上からキャラバン隊を見渡す限り、今回の襲撃による物的被害は無さそうだった。
「何とか凌げたな・・・ありがとうリリィ、君が火矢の場所をあんなに早く見つけ出してくれたおかげだ」
「んふふ〜カークスだって飛んでくる火矢を剣で弾くなんて・・・惚れ直しちゃうんだから！」
天幕から飛び降りると商人連中が手を叩いて今回の戦闘を称えてくれた。カークス的には前線を張った連中の方が称えられるべきだと思うのだが、まぁいちいち気にしないことにした。
そしてキャラバン隊は今日の野営地点へとたどり着き、慌ただしく野営の準備を始める中、キャラバン隊の隊長様がカークスへ声をかけてきた。
「やぁ、初めましての顔合わせ以来だったか・・・本キャラバン隊の隊長を務めているコーウェンだ」
この仕事を請け負った際の顔合わせの時にも思ったが、商人の割には鍛えられた体付きに伸ばした髭が威厳ある風貌を見せている。その目つきはまるで此方の心の奥まで見透かされていそうな鋭さまでもカークスへ感じさせた。
「それにしても今日は大活躍だったねカークス君・・・飛んでくる火矢を剣で弾くなんて随分と芸達者じゃないか」
「いえ、そんな大したことでは・・・」
面当てを下ろしたままなのに純白の鎧だと言うことだけでカークスだと認識されているが・・・そんなに目立つものなのだろうか。
「その強さを今後もアテにさせてもらうよ・・・それではな」
コーウェンは言うだけ言ってそのまま去って行ってしまった。カークスも無自覚に緊張していたのか思わずほっと息がこぼれてしまった。
「・・・すごい迫力の人だったねカークス・・・もしかして私の事にも気がついてたかな？」
「かもしれない・・・そんな気がするほど鋭い目をしていた・・・まぁキャラバン隊自体は反魔物を謳ってはいないようだからバレてもすぐに追い出されるということは無いだろうが・・・」
キャラバン隊は人里と人里のちょうど中間地点にいた。今ここで追い出されても腰にあるのは小さな飴が2個と水筒の水だけ、飯抜きで夜どうし歩いて人里まで辿り着くのは勘弁願いたかった。
ーーーーーお〜いカークス！メシの時間だぞ！
食いしん坊な仲間が大声で知らせてくれたのを肩を竦めながら炊事テントへと向かう。
今夜の献立は大振りなリブステーキ二切れに硬焼きパンと乾燥野菜がたっぷりと浮かんだスープだった。
「・・・今夜は随分と豪勢だな」
「今日だけで3回も襲撃を無傷で防いだからって事らしいぞ？」
「聞いたぜカークス！お前が天幕の上に乗って飛んでくる火矢を弾いてくれたんだってな！」
「マジかよ！火矢が隊に向かってまっしぐらに飛んでいくのだけは皆見えてたから、あぁもうダメだっ！って覚悟してたのに無傷なんだからなぁ・・・全部外れたっていう幸運じゃなかったとは・・・さすがカークスだぜ」
「お褒めいただき光栄です・・・でも赤3つだったんだ、前線も苛烈だったんじゃないのか？」
「そうなんだよカークス！聞いてくれよ俺の武勇伝をさぁ！」
仲間と今日も生き延びることが出来たことをお互いに称え合いながら肉に食らいつき、パンを貪る。
皆この仕事に色々と思うところはあっても今はただ、腹ぺこの胃袋に美味いメシが堪らなかった。
そして就寝時間、仲間達も今日は流石に疲れていたのか言葉数も少なく直ぐに眠りに着いたようだが・・・カークスとリリィにとってはこれからがお楽しみの時間だった。
「カークスも疲れているだろうから今日は私が御奉仕するね♥」
「よろしく頼むよリリィ・・・」
温かくヌメつく肉の花園へカークスのそそり立つ肉棒が余す所なく飲み込まれてゆく。何度味わっても一向に慣れる気配のない極上の快楽にカークスは翻弄されるばかりだった。
「カークスっ♥今日の活躍カッコよかったよ♥涼しい顔してるけど♥飛んでくる矢を剣で弾くなんてそう簡単に出来ないのに♥」
「うぁっ・・・リリィの力のおかげ様だよ・・・君を身に付けているとなんでも出来る気がしてな・・・気が付いたら矢を弾いてたんだ」
「・・・もうっ！カークスったら他のリビングアーマーの子に同じこと言ったらダメだからね！私達に対する口説き文句としては最高の物なんだから♥」
自覚無き口説き文句はリリィの心の琴線を狂おしく擽ったようだ。
その言葉に焚き付けられたリリィは腰使いが細かく、それでいて激しいものになる・・・そんな淫靡な蜜壷で掻き回されるカークスは堪らなかった。
タダでさえ気持ちよすぎる蛸壺型の名器はカリ首の溝から先までをミッチリと包み込んでヒダヒダやらツブツブやらぎゅうぎゅうと締め付けるように蠢き、カークスはもはや口の端から涎を零しながら恍惚とするだけだった。
狭く締まりの良い蜜壷の中で男が最も蕩けてしまう部位を入念に揉み解されるように、幾重にも絡みつくヒダヒダでおちんちんを磨き上げるように、過剰な快楽を堪えるかのようにカチカチに血流の集まる肉棒をツブツブが擽って、甘く蕩けさせるように。
「あぁ・・・リリィ・・・出る・・・」
「えへへ、何時でもどうぞ♥私のおまんこにびゅるびゅるお漏らししちゃえ♥」
頭の髄まで快楽に蕩けさせられたカークスはリリィに屈服の一言を告げるのが精一杯だった。
その直後にリリィの腟内でカークスは快楽の絶頂へと至り、果てた。
温かな人肌の腟内へ吐精する最上級の満足感にカークスは最高の美酒を飲んだかのように酔いしれて、吐き出す精液が濃ゆく、粘付いているからか何度も何度もしゃっくりをあげるように脈動が止まらない。
「あっ・・・あぁ・・・♥すっ・・・凄いよカークスっ・・・こんなにも・・・濃ゆいの・・・お腹いっぱいにっ・・・♥」
「あぁ・・・リリィ・・・リリィ・・・俺も気持ちよすぎて・・・あぁ・・・最高だ・・・」
たっぷりと時間をかけてようやくカークスの射精が終わる頃、リリィは子宮へ飲み干せないほどの大量の精液に溺れていた。
「えへ・・・えへへ・・・お腹いっぱい♥カークスの精子が・・・こんなにも濃ゆくて・・・なかなか魔力に変換しきれないよぉ♥溢れちゃいそうだからカークスのおちんちんで栓をしておいて欲しいな・・・♥」
「お易い御用だが・・・あまり締め付けられると・・・次の射精までに飲み干せないぞ？」
「わぁ・・・♥あんなに出したのにまだ出せるなんて・・・♥カークスったら素敵過ぎるっ・・・♥」
「リリィだって言葉に出来ない程素敵さ・・・さて、リリィが飲み干せるまで胸でも揉ませてもらおうかな」
「もうカークスったらいちいち許可なんて必要無いのに♥あぁんっカークスのスケベッ♥おっぱいの揉み方まで上手っ♥」
鎧の中で2人きり、セックスの幸せに2人で酔いしれる。なんだかキナ臭い護衛の仕事になってきたが今だけは・・・愛しき伴侶との営みの間だけは全てを忘れて快楽に溺れていよう。
もにゅもにゅと柔らかく若々しいハリと弾力が心地良いリリィのロリ爆乳を揉みしだくたびに甘い喘ぎ声と締め付ける膣内がカークスを攻め立て、びゅるりと少しだけ暴発してしまったり・・・さんざん淫靡な邪魔をされたリリィは息も絶え絶えで吐き出された大量の精を己が物へと受け止め切ったのだった。
「はっ・・・はへぇ・・・♥お待たせカークスっ♥何とか変換できたよ♥もう1回セックスしよ♥もう1回・・・満タンに・・・私の奥までびゅるびゅる満たして・・・♥」
「全く仕方ない鎧だ・・・良いだろう・・・今夜は寝かせないからな？リリィ・・・覚悟しろよ？」
結局夜明けまでカークスとリリィの交わりは終わることなく繰り返され、お互いが眠ったのはほんの少しだけ。
それでも眠気もなければ体調も絶好調なのはカークスがインキュバス化を遂げたから。
リリィの鎧の中は濃ゆい魔力に四六時中包み込まれているのだから当然のことだったが・・・そんなことを知る由もなければ興味もなかったカークスはただ、リリィとのセックスをたっぷり楽しめる事だけに夢中だった。
キャラバン隊の旅路も残り4分の1を切ってからしばらく経つ。
この調子で行けばもう何回か・・・さすがに2桁までは襲撃されないことを祈りながらカークスはリリィを強く抱きしめると・・・
「もう1回する？朝ごはんまでには間に合いそうだよ？」
「・・・よろしく頼むよ」
結局、朝ごはんだと呼びに来た食いしん坊な仲間が来るまでカークスとリリィは鎧の中でセックスに励むのだった。
24/10/15 01:52更新 / たっぷりとしたクリーム
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