世界のパン祭りinアールデー・イグニス(後編)
世界のパン祭りが開催宣言の元、一般来場者達が会場内へと列をなしてやってきた。それぞれお目当てのパンへまっしぐらな者、案内図とにらめっこしている者、目につくすべてのパンに見惚れて思考停止している者・・・人々はそれぞれ魅惑のパンたちと向き合い・・・選択を迫られていた。
―――――ママ!どれもこれも美味しそうだよ!どれにしようか迷っちゃうね!
―――――ドリンクコーナーも無料とは・・・それに紅茶やコーヒーの一つに至るまで最高級な者ばかりじゃないか
―――――うう・・・どれも美味しそう・・・迷うなあ・・・
様々な出店テントへ列が出来始めるもまだブラウンの・・・アンバー・ベーカリーはまだ一人のお客様も訪れてはいなかった。
・・・まだ焦るときではない、そう自分へ言い聞かせる。全力を尽くしたのだから後は天命を待つのみだ。
―――――すいません、パンを1つくださいな。
初めてのお客様はここらで見ないデザインの学生服を身に纏ったキャンドルガイストの女性だった。パッと顔がほころんでしまいそうになるのをぐっと堪えながらハート形のちぎりパンを1つ包み紙にくるんで手渡す。
「どうぞ!おまたせいたしました!」
「ふむ・・・これはまさか黄金の豊穣・・・?それになんて濃厚なホルスタウロスミルクの香り・・・間違いなくこのパン祭りで一番良い材料を使ったパン・・・これは見立て通り・・・愛しき私の素敵な旦那様と共に味わうことにしましょう」
見た目と香りだけで材料を見抜かれるとは・・・このお客様・・・なかなか出来ると舌を巻いていたところに後ろから元気そうな声が響いた。
―――――おーい!コーデリア!こっちこっち!
どうやら名を呼ばれたようだ・・・優雅に一礼したのち去ってゆくお客様、その行く先をついつい目で追ってしまう。どうやら学生さんのカップルらしい、パートナーの男の子がイートスペースを先に押さえているようだ。
そのカップルがちぎりパンを二人で食べさせ合い始める、熱々でラブラブなカップルの様子が周りの目を引き・・・そして切っ掛けとなった。
―――――ねえ先輩・・・じゃなかった旦那様!私もあーんしてほしいな・・・なんちゃって。
―――――むむ・・・エルヴィスを膝枕で甘やかしながら食べさせるのに丁度よさそうなパンがあるでありますね。
―――――あ、あのパン屋のパンがちょうど食べさせあいっこに丁度よさそうだよアリシアちゃん!並んでみようよ。
切っ掛けが出来れば後は早かった。あっという間にアンバー・ベーカリーのテントの前には列がぞろぞろと並び始めたのだ。そうなれば一気に忙しさが増す、ショーケースのパンがみるみる減ってゆく中で伸びた列の対応のために最後尾と書かれた看板を手に持ったスタッフさんの穴埋めにブラウンも接客に回ってお客様にパンを渡す。
「だいせいきょーだねお兄ちゃん!そんなバレバレな変装?してる理由は分からないけど・・・」
「あ、もしかして君は・・・」
「昨日はどうもありがとう!友達のみんなもお兄ちゃんのパンをまた食べたいってすっかりメロメロなんだ!4つくださいな!」
昨日の幼稚園の子供がわざわざ来てくれたのだ。嬉しそうにパンの包みを持って去ろうとした子が振り返ってこう叫んだ。
―――――友達もお兄ちゃんのお店に投票するからね!
元気よく手を振りながら走り去っていく、何だかこちらまで元気をもらえた気がした。
アンバー・ベーカリーの出店テントへ並ぶ列はとどまる所を知らなかった。もはや列は
ショーケースの残りのパンをもってしても足りない程・・・アンバー・ベーカリーがこの世界のパン祭りで一番早く売り切れ宣言を轟かせたのだった。
「参ったな・・・思った以上に大盛況しすぎて並んでるお客様全員へパンを配れなくて申し訳ないや・・・」
追加のパンを焼きたくとも流石にこれ以上の材料は用意できない・・・勝敗関係なくパン職人からくる申し訳なさにブラウンがひとり呟いた瞬間の事だった。
―――――はい、よろしければ半分どうぞ
―――――私からも、半分こしましょう?
―――――こんなにも美味しそうなんだ、おすそ分け!
列に並んでも貰えなかったお客様達にパンをもらえたお客様達が自らパンを半分ちぎって手渡してくれたのだ。
それを見て慌ててスタッフ全員で包み紙を配って回る。
まるでお伽噺のような奇跡が起こる・・・自然と生まれた幸福のおすそ分けが辺りを包み、なんと列に並んだ皆にパンが行き届いたのだ。
―――――いただきます!
自然と重なった食物への感謝の祈り、ブラウンの焼いたパンをほうばった皆の心が・・・人間や魔物娘といった種族を超えて一つになった。
―――――美味しい・・・と
ブラウンの焼いたパンをほうばる皆が一様に美味しい、美味しいと微笑んでいる。
こんなにも美味しいものだから貴方にも分けてあげよう・・・共にいるパートナーへパンを一口ちぎって食べさせてあげる。他の誰かを大切に想う気持ちをブラウンのパンは強く思い起こさせる・・・そんな不思議な力を持っていた。
パンは売り切れなのですから後片付けはお任せを、投票の結果発表までお祭りをお楽しみくださいませ・・・というスタッフさんのお言葉に甘えてブラウンは会場をぐるりと巡ることにした。
他のテントに負けず列も長く盛況しているベーカー・ベーカリーの出店テントへ顔を出すと姉さんと親父に驚かれた。
「あらブラウン・・・こんなところで道草食っていて・・・まさかもう売り切れたの?!」
「あはは・・・おかげさまでね」
「あんなに沢山あったのに凄いわねえ・・・あ、こっちの手伝いは大丈夫よ人手は何とかなりそうだから、せっかくだからこのあたりのパンでも食べ歩いてきなさいな」
姉さんの言葉に甘えることにしたブラウンはテントを後にした。見渡す限りの強豪ぞろいのパン職人たちのパンだ・・・せっかくだから学ばせてもらおう。この期に及んでなおブラウンは自分自身を磨くために手当たり次第のパンを食べるのだった。
来場者もブラウンの胃袋もパンパンに膨れ上がったお昼過ぎ、世界のパン祭りも出店テントが売り切れの看板を掲げている所が増えた頃・・・
―――――え〜これより世界のパン祭りinアールデー・イグニスの人気投票を開封を開始いたします!結果が分かり次第表彰式へ移行しますので出店テントの代表者様はメインステージ前にお集まりくださいませ!
「いよいよか・・・」
メインステージ前に人だかりができている、その中へ加わるブラウンに不思議と恐怖は無かった。もう少しビビるものかと思っていたのに・・・どうして自分はこんなにも落ち着いているのだろうか・・・ステージ上のアーデントは顔をあんなにこわばらせているというのに。
―――――トップ10形式で発表いたしますが表彰いたしますのは上位3位となります!
アーデントと目が合った。不安そうな顔を見られたのに気が付いたようで頬を叩いて引き締め直した・・・一気に凛々しい顔つきに戻るアーデントを抱きしめたい。
―――――第三位は・・・ベーカー・ベーカリーです!
一瞬こわばるアーデント、まだ僕は呼ばれていないから安心してほしい・・・そう囁きながら抱きしめたい。
―――――第二位は・・・
胸ポケットにある小さな箱を探るように確かめる・・・大丈夫、忘れてはいない。僕がここまで来れた理由、あの輝きを手に掴むまでの理由を。アーデントの隣へ立って何処までも一緒に行けると証明して見せることを。
――――――え〜それでは世界のパン祭りinアールデー・イグニスにて最多票となった第一位のパン屋は・・・・・・
ドラムロールが続く、司会のお姉さんが発表までタメる・・・待ちきれないから早く結果を告げてほしい。早くアーデントの元へ行きたいのに。
焦れるブラウンと緊張した顔付きのアーデントに・・・いま、勝敗の結果が告げられた。
―――――第一位はアンバー・ベーカリー!アンバー・ベーカリーです!
第二位をぶっちぎりで超える票数がメインステージのモニターへ表示されている。ブラウンの焼いたパンが最上級の美味しさを誇るパンであることも間違いなかったが、ちぎりパン故に簡単に行えるお裾分けの輪が・・・ブラウンの焼いたパンを食べた全員の心を掴み、メロメロにしたことが勝敗を分けたのだ。
あれだけ待ちきれないと焦れていたのにパイプ椅子に崩れ落ちるブラウン、まだすぐには実感がわいていなかった。
やった!・・・とすぐに勝鬨をあげることはできなかった。
やった・・・やったのだと、少しずつ現実を受け止めかみ砕きながら自分は遂に世界で一番のパン職人になれたのだと、成し遂げたのだと少し遅れて歓喜が体中に満ち溢れた。
「やったじゃないブラウン!あなたってばホント最高の弟よ!」
ステージ上、第三位だったブルネット姉さんが涙ぐみながら祝福してくれている、隣で親父も男泣きしている。
―――――え〜アンバーさん、メインステージへお上がりください
そうだ、まだ僕はやらねばならない大切なことが残っている。盛大な拍手の中でメインステージの壇上へと上がる。表彰されている姉さんと第二位の代表者へとアーデントがそれぞれ銅と銀のメダルをかけているのが目の端に映る・・・そして僕の番、金のメダルを手に持つアーデントが目の前へやってきた。
「アンバー・・・いえ、ブラウン・ベーカーさん、貴方が今回の世界のパン祭りのナンバーワンへと輝きました、おめでとう!」
金のメダルを首にかけてくれるアーデント、いままさに・・・ブラウン・ベーカーは世界一のパン職人としての栄誉を手にした。
―――――以上をもって世界のパン祭りは終了いたしますが・・・まだ会場ではほかにも沢山のプログラムが組まれて・・・
「アーデント・グルナ・アールデー・イグニスさん!!」
「はい、なんでしょうか?世界一のパン職人さん?」
なんだなんだと会場中の視線が二人へ注がれる。跪いてアーデントの左手を取る。会場中があっと息をのむ。
もう片手には黒い小さな箱が開かれて・・・中身にきらりと輝く指輪・・・きっかりベーカー・ベーカリーの給料3か月分の指輪がステージライトに照らされている。
「私はブラウン・ベーカー!パン屋の次男坊でヒラのスタッフの身分です、しかし貴女のために最上級のパンを焼けるようになりました!これからは貴女のためにパンを焼いて差し上げましょう!ですから僕と・・・結婚してください!!!」
「ええ、喜んで!私の・・・想像なんかをはるかに超えて見せた旦那様!」
左手の薬指に指輪がはまる。腰に手を当て抱き寄せる。少しだけ上を向きながら目を閉じるアーデントの唇に・・・ブラウンがキスをした瞬間・・・魔炎の都市アールデー・イグニスに一組の夫婦が生まれた瞬間・・・都市は莫大な祝福と拍手の音で包まれるのだった。
拍手と祝福の声がひとしきり落ち着いた後・・・アーデントが都市の皆へ語り始めた。
「え〜ご来場の皆様!お手元の会場案内図をご覧ください!私たちの結婚披露宴の招待状へと変わっていますね!?これから3時間後にこの会場で私アーデント・グルナ・アールデー・イグニスとブラウン・ベーカーとの結婚披露宴を開催いたします!ご都合等よろしければご参加くださいませ!」
盛り上がる会場、手でそれを制するアーデント・・・まだ言うべきことが残っているからだ。
「では我が夫たるブラウン・ベーカーへ1つお願いをします・・・一緒に結婚披露宴のパンを焼いてくださるかしら?皆のほっぺが落ちちゃうようなとびっきりの・・・最上級のパンを!」
「もちろん喜んで!一緒に作ろうアーデント、夫婦初めての共同作業をしよう!」
再び湧き上がる会場、メインステージ上にたちまち即席のキッチンが出来上がる。姉さんから手渡された僕とアーデントの分のベーカー・ベーカリーのエプロンを巻いたら・・・まずは一番最初の工程、丁寧に手を洗おう・・・すべてはここから始まるのだから。
――――――――
結果から言えば僕とアーデントの結婚披露宴は盛大に・・・皆に祝福されながらつつがなく終わりを告げた。
―――――そして時刻は午後10時過ぎ、アーデントの屋敷にブラウンは居た。着なれぬタキシードでアーデントの寝室へ向かう。ドキドキとうるさい心臓と呼吸を落ち着けるように深呼吸してから扉をノックすると入ってとアーデントの声・・・扉を開けて中に入ると・・・純白のウエディングドレスを身に纏ったアーデントがベッドサイドに座って待っていた。
「こんばんはアーデント・・・いい夜だね」
「こんばんはブラウン、いい夜ね・・・あれほど盛り上がった余韻が都市を包んで・・・まだまだ熱が冷めないの・・・皆が愛し合っているのが伝わってくるようだわ」
「ああ、まだ都市が眠るには早い時間だ・・・」
二人の目線が交わる・・・アーデントの熱っぽく潤んだ瞳に僕が映っていることがとてもうれしかった。
「抱いて・・・ブラウン・・・」
もうお互いにこれ以上の言葉は必要なかった。柔らかな唇を重ねあいながら手入れの行き届いた指通りの良い髪を撫でさする。
チャックを降ろし、下着の前布からヒクヒクと震える肉棒を散りだす。まだそれは半立ち程度の硬さでヒクヒクと震え、更なる刺激を待ちわびているようで・・・アーデントの指先が包み込むようにして擦りたて始める。
「ふふ・・・可愛いブラウン・・・しこしこ・・・♥しこしこ・・・♥大きくなあれってね」
「あぐっ・・・ぁぁ・・・気持ち良い・・・」
柔らかな指先で心地よく擦りたてられグングンと硬さと力を増し、反り返ってゆく肉棒・・・溜まりに溜まった情欲は甘い快楽を火種にボルテージを増してゆく。
「私のも・・・触ってブラウン、貴方の指先で・・・私を・・・」
言われるまでもなく、ブラウンはウエディングドレスのスカートの中へと指先を滑り込ませる。ちょうど花園の谷間、フカフカで柔らかな感触の中でコリッとした肉の核を指の腹の部分がとらえた。そのまま優しく撫で摩り上げるとグッと快楽に顔を歪めるアーデントの顔つきに思わずSっ気の心が燃え上がる。
「あんっ・・・そこ・・・♥コリコリされると・・・♥んぅん・・・ほどほどにしてね・・・ウチも・・・随分とご無沙汰だから・・・今夜はブラウンのおちんちんで・・・ね♥」
ほんの少し擦っただけなのに下着の布地が温かく湿った感触を感じる。下着を横にずらし花園の中心へ人差し指を突き入れてみるとニュルリといとも簡単に飲み込まれてゆく・・・もう、二人ともはやる心を押さえられなかった。
ガバリとアーデントの両股を左右に広げて捲れ上がったスカートの奧、高級そうな青の下着が横にずらされ、ピンク色の・・・何度見ても刺激的なおまんこがヒクヒクと震え、旦那様を魅惑的に誘うようだった。
「アーデント・・・挿れるよ・・・」
「うん・・・来て・・・ブラウン・・・」
にゅぷぷぷ・・・♥ずにゅるるっ・・・♥にゅる・・・ぱちゅっ・・・♥
「うぁぁぁぁっ・・・熱い・・・あ・・・アーデントっ・・・うぁぁぁ・・・」
「あぁぁ・・・ブラウンのが挿ってる♥久しぶりの・・・うぁぁぁ・・・♥」
まるで童貞を卒業した時のあの夜のようだ・・・熱い肉窟の中でおちんちんがヒクヒクと震え、今にも暴発してしまいそうな性感を押し殺すように必死に堪える・・・アーデントに再会するまではと自慰行為もせずに欲求不満を貯め込んでいたのだ。それを極上の名器たるアーデントのおまんこへ突き込めば堪らなかった。
凄まじい快楽に翻弄されてほんの少しも動けない。ただ一つあの時と違うのはアーデントは余裕顔で快楽を享受しながら僕をリードするようなセックスをしていた事。それが今夜は蕩け切った恍惚とした美しくも淫らな表情を浮かべている事だった。
「アー・・・デント・・・大丈夫かい・・・?」
「ぁぁぁ・・・♥なぁにブラウン・・・私幸せいっぱい良い気持ちよ・・・?」
なんてエロくて淫らで煽情的で・・・それでいて高貴なオーラを放っているのだろうか。そんな女性が今自分自身に全てを委ねてくれている。狂おしいほどの表現できない感情が胸を貫く。
もっと・・・もっとこの愛しい人を乱れた顔を見たい、気持ち良くさせたい。
―――――僕の奧さんであり最上級の女を・・・思いっきり抱きたい。
・・・ぱちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥凄いっ♥あぁぁぁぁ・・・♥凄いぃぃっ♥」
「うぁぁっっ・・・アーデント・・・アーデント・・・っっ」
限界寸前で今にも暴発しそうなおちんちんを、心持だけで抑える。熱く絡みつくヒダヒダが・・・膣内の感触で肉棒が蕩けて感覚がなくなってゆく。ぎゅうぎゅう締め付ける膣内がアーデントが既に絶頂へ至っていると訴えかけてくる。
「あっ♥あっ♥ブラウンっ♥ブラウンっ♥もうイってるっ♥イってるってばっ♥イってるってばぁぁぁぁっっ♥」
アーデントが頭を左右に振りしきり、甘ったるい声で僕に訴えかける。なんて可愛くてエロくて美しくて・・・やっぱりアーデントはこんな時でも最上級の女性だと思い知らされる。
それでもまだ腰は緩めない・・・今日はただの絶頂で終わらせるつもりはなかった。アーデントを最高に気持ち良くさせるために・・・最高の夜にするためにブラウンはなお逞しく力強い腰使いを緩めようとしなかった。
ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥もうダメっ♥もうダメったらっっ♥もう許してブラウンっっ♥ウチっっ♥もうダメっってばぁぁ♥許してぇぇっ♥」
「ぐっ・・・あぁっっ・・・あぐっ・・・あぁっっ・・・も・・・もう・・・」
アーデントは一足先に絶頂のそのさらなる高みへ至っているようだ。愛しき伴侶のおちんちんでメロメロにされたおまんこは次は貴方の番だよと甘く絡みつき、締め付け・・・ブラウンの射精をねだるように蠢き続ける。
それがブラウンにトドメを刺した。肉棒が激しく脈打ち始める。精巣が激しく収縮して震える・・・奥底から込み上げてくる熱をもうブラウンは堪えることができなかった。
どくっ・・♥どくどくっ・・・♥びゅるびゅる・・・♥びゅるるるっ・・・♥
遺伝子に刻まれた原初の欲求。おまんこの一番奥、子宮口へ押し付けながらブラウンは遂に溜めに溜め込んだ白濁を・・・吐き出し始めた。重たく濃ゆく粘ついた精液がどくどくと肉棒をたっぷりと時間をかけて飛び出してゆく目もくらみそうな気持ち良さ。
もはや二人とも声が出なかった・・・いや、正しくは言葉にならない声で悲鳴を上げていた。
どれほどの時間そのままでいたか分からない、気が付けばブラウンは完全にアーデントの上に覆いかぶさるように脱力していた。慌てて身体をのけようとするもアーデントの腕が・・・脚がブラウンへと絡みつき離そうとしなかったのだ。
「あっ・・・重たくないのかいアーデント・・・?」
「ふふふ・・・平気よ・・・むしろ心地良いくらいの重さ・・・貴方ってばもうちょっと食べたほうがいいかもしれないわね・・・瘦せすぎかも」
「ははは・・・パンを捏ねるのって案外重労働だからね・・・アーデントこそ・・・身体中柔らかくていい心地だよ・・・あ!太ってるって言いたいんじゃないからな!?」
「分かってるわよブラウン・・・ふふ・・・まだまだ夜はこれからよブラウン・・・♥」
「ああ、今夜こそ・・・寝かせないからな!」
アーデントのナカでぐぐぐっっと力を取り戻した肉棒を再び抽挿するためにブラウンは腰を引き、叩きつけ始めるのだった。
――――――――――
世界のパン祭り兼アーデントとの結婚披露宴から2か月後・・・
「やはり評判は嘘をつかないな・・・美味しいパンに香り高いコーヒー・・・互いが互いを高め合って美味しさを引き立て合っている・・・」
ブラウンとアーデントは駅前のカフェテリアでクロワッサンとエスプレッソを堪能していた。
そう・・・ブラウンとアーデントはアールデー・イグニスを再び飛び出し旅に出ていた。新婚旅行もちろんのこと、まだ見ぬ世界のパンを知るために・・・世界一のパン職人となってなおブラウンは自分を磨くために世界を旅していた。
ただ依然と違う点がいくつかあった。
まずブラウンはパンの修行だけに飽き足らず、そのパンに合わせる飲み物までも最上級の物を用意できるように学び始めたのだ。
そしてアーデントは今までは対面の席に座り、僕の顔つきを眺めながら微笑んでいたのだが・・・今やアーデントは僕の右腕に抱き着いて頬ズリしている所か・・・。
「んふふふ〜ブラウン〜次の列車まであと3分みたいよ・・・でも貴方の腕から離れたくないんだけど困ったわねえ・・・」
「ちょっ?!そう言って昨日も列車を逃したからここで一泊したんじゃないか!急ごうアーデント!!!」
お代をコーヒーソーサーに挟み、離さないでとごねるアーデントを片手でお姫様抱っこして、もう片手で荷物を抱えて走り出す。ブラウンは既にインキュバスへと変貌しており、愛しい人と二人分の荷物を抱えてなお走れるほど逞しい体をしていたのだ。
切符を取ってとアーデントに叫び、愛おしそうに自分の胸板を撫でさするアーデントが胸ポケットから乗車切符を取り出すついでに乳首をコリコリ虐めてくる・・・
甘い快楽にもたつきそうになる足をなんとか修正し、駅のホームへ飛び込んだ。乗るべき列車の発車ベルが鳴り響く中なんとか二人は乗るべき列車へと飛び込めたのだった。
「はぁ・・・はぁ・・・アーデント、僕らの客室は何号車の何番だっけ・・・?」
「ええ〜ブラウンの顔から眼をそむけたくないんだけど・・・どうしても見なきゃダメ?」
「はぁ・・・ふう・・・じゃあ切符を見せてくれるかな」
「チューしてくれたらいいよブラウン・・・はい、チュー!」
何よりも変わった点として、アーデントは・・・僕の奧さんは甘えん坊になった。片時たりとも僕の傍を離れることなく、抱き着き、愛の言葉を囁き続けるようになったのだ。
キスをねだるアーデントに熱く口づけする・・・首の後ろに手を回されてしまった・・・このキスは長くなるだろうなあと他人事のように思いながらブラウンは口内へと入り込んできたアーデントの舌先を絡め合うようにディープキスを楽しむ。
―――――あの・・・切符を・・・拝見したいのですが・・・
困った様子の駅員さんに仕方なしに唇を離し、アーデントが切符を駅員さんに見せる。ちらりと見えた客室は3号車の10番室だった。
―――――はい、切符をお返しします。ここの帳簿にお二人分の名前を記載願いますか?
アーデントが先にサラサラと優雅な筆跡で名前を・・・アーデント・B・グルナ・アールデー・イグニスと書き、ペンを手渡してくる。
僕の名前・・・ブラウン・B・グルナ・アールデー・イグニスと帳簿へしっかりと書き込んだ。最初は随分と長い名前になったなあと思っていたが、いまやすっかり慣れたものでアーデントと同じ姓を名乗れるのもこれはまた幸せなことだと楽しんですらいた。
・・・駅員さんに軽く会釈をしてからようやくブラウンは2人部屋の一等客室へとたどり着き、荷物を降ろすことができた。
「ふふふ・・・ブラウンったら素敵だったわよ・・・ウチを抱えたまま列車に向けて走って間に合わせるなんて」
「はは・・・前までは一緒に走ってたのに・・・今やいつも僕がお姫様抱っこして走ってるじゃないか・・・」
「でも嫌じゃないくせに・・・♥」
「・・・まあね」
したり顔のアーデント・・・この可愛らしい顔つきを見るとどうしたって怒る気にもなれない・・・惚れた弱み、痘痕も靨、本当に愛おしい僕の奧さんだ。
さてと、夕食のパンを焼きに行こう。アーデントはもう僕が焼いたパン以外を口にする気は無いと高らかに宣言しているのだから。
「じゃあアーデント・・・行ってくるよ」
「ええ・・・行ってらっしゃい、私の愛しの旦那様っ♥」
ほっぺに熱く口づけをもらってから、ブラウンは愛しのアーデントのために今日もまた・・・最上級のパンを焼くのだった。
―――――ママ!どれもこれも美味しそうだよ!どれにしようか迷っちゃうね!
―――――ドリンクコーナーも無料とは・・・それに紅茶やコーヒーの一つに至るまで最高級な者ばかりじゃないか
―――――うう・・・どれも美味しそう・・・迷うなあ・・・
様々な出店テントへ列が出来始めるもまだブラウンの・・・アンバー・ベーカリーはまだ一人のお客様も訪れてはいなかった。
・・・まだ焦るときではない、そう自分へ言い聞かせる。全力を尽くしたのだから後は天命を待つのみだ。
―――――すいません、パンを1つくださいな。
初めてのお客様はここらで見ないデザインの学生服を身に纏ったキャンドルガイストの女性だった。パッと顔がほころんでしまいそうになるのをぐっと堪えながらハート形のちぎりパンを1つ包み紙にくるんで手渡す。
「どうぞ!おまたせいたしました!」
「ふむ・・・これはまさか黄金の豊穣・・・?それになんて濃厚なホルスタウロスミルクの香り・・・間違いなくこのパン祭りで一番良い材料を使ったパン・・・これは見立て通り・・・愛しき私の素敵な旦那様と共に味わうことにしましょう」
見た目と香りだけで材料を見抜かれるとは・・・このお客様・・・なかなか出来ると舌を巻いていたところに後ろから元気そうな声が響いた。
―――――おーい!コーデリア!こっちこっち!
どうやら名を呼ばれたようだ・・・優雅に一礼したのち去ってゆくお客様、その行く先をついつい目で追ってしまう。どうやら学生さんのカップルらしい、パートナーの男の子がイートスペースを先に押さえているようだ。
そのカップルがちぎりパンを二人で食べさせ合い始める、熱々でラブラブなカップルの様子が周りの目を引き・・・そして切っ掛けとなった。
―――――ねえ先輩・・・じゃなかった旦那様!私もあーんしてほしいな・・・なんちゃって。
―――――むむ・・・エルヴィスを膝枕で甘やかしながら食べさせるのに丁度よさそうなパンがあるでありますね。
―――――あ、あのパン屋のパンがちょうど食べさせあいっこに丁度よさそうだよアリシアちゃん!並んでみようよ。
切っ掛けが出来れば後は早かった。あっという間にアンバー・ベーカリーのテントの前には列がぞろぞろと並び始めたのだ。そうなれば一気に忙しさが増す、ショーケースのパンがみるみる減ってゆく中で伸びた列の対応のために最後尾と書かれた看板を手に持ったスタッフさんの穴埋めにブラウンも接客に回ってお客様にパンを渡す。
「だいせいきょーだねお兄ちゃん!そんなバレバレな変装?してる理由は分からないけど・・・」
「あ、もしかして君は・・・」
「昨日はどうもありがとう!友達のみんなもお兄ちゃんのパンをまた食べたいってすっかりメロメロなんだ!4つくださいな!」
昨日の幼稚園の子供がわざわざ来てくれたのだ。嬉しそうにパンの包みを持って去ろうとした子が振り返ってこう叫んだ。
―――――友達もお兄ちゃんのお店に投票するからね!
元気よく手を振りながら走り去っていく、何だかこちらまで元気をもらえた気がした。
アンバー・ベーカリーの出店テントへ並ぶ列はとどまる所を知らなかった。もはや列は
ショーケースの残りのパンをもってしても足りない程・・・アンバー・ベーカリーがこの世界のパン祭りで一番早く売り切れ宣言を轟かせたのだった。
「参ったな・・・思った以上に大盛況しすぎて並んでるお客様全員へパンを配れなくて申し訳ないや・・・」
追加のパンを焼きたくとも流石にこれ以上の材料は用意できない・・・勝敗関係なくパン職人からくる申し訳なさにブラウンがひとり呟いた瞬間の事だった。
―――――はい、よろしければ半分どうぞ
―――――私からも、半分こしましょう?
―――――こんなにも美味しそうなんだ、おすそ分け!
列に並んでも貰えなかったお客様達にパンをもらえたお客様達が自らパンを半分ちぎって手渡してくれたのだ。
それを見て慌ててスタッフ全員で包み紙を配って回る。
まるでお伽噺のような奇跡が起こる・・・自然と生まれた幸福のおすそ分けが辺りを包み、なんと列に並んだ皆にパンが行き届いたのだ。
―――――いただきます!
自然と重なった食物への感謝の祈り、ブラウンの焼いたパンをほうばった皆の心が・・・人間や魔物娘といった種族を超えて一つになった。
―――――美味しい・・・と
ブラウンの焼いたパンをほうばる皆が一様に美味しい、美味しいと微笑んでいる。
こんなにも美味しいものだから貴方にも分けてあげよう・・・共にいるパートナーへパンを一口ちぎって食べさせてあげる。他の誰かを大切に想う気持ちをブラウンのパンは強く思い起こさせる・・・そんな不思議な力を持っていた。
パンは売り切れなのですから後片付けはお任せを、投票の結果発表までお祭りをお楽しみくださいませ・・・というスタッフさんのお言葉に甘えてブラウンは会場をぐるりと巡ることにした。
他のテントに負けず列も長く盛況しているベーカー・ベーカリーの出店テントへ顔を出すと姉さんと親父に驚かれた。
「あらブラウン・・・こんなところで道草食っていて・・・まさかもう売り切れたの?!」
「あはは・・・おかげさまでね」
「あんなに沢山あったのに凄いわねえ・・・あ、こっちの手伝いは大丈夫よ人手は何とかなりそうだから、せっかくだからこのあたりのパンでも食べ歩いてきなさいな」
姉さんの言葉に甘えることにしたブラウンはテントを後にした。見渡す限りの強豪ぞろいのパン職人たちのパンだ・・・せっかくだから学ばせてもらおう。この期に及んでなおブラウンは自分自身を磨くために手当たり次第のパンを食べるのだった。
来場者もブラウンの胃袋もパンパンに膨れ上がったお昼過ぎ、世界のパン祭りも出店テントが売り切れの看板を掲げている所が増えた頃・・・
―――――え〜これより世界のパン祭りinアールデー・イグニスの人気投票を開封を開始いたします!結果が分かり次第表彰式へ移行しますので出店テントの代表者様はメインステージ前にお集まりくださいませ!
「いよいよか・・・」
メインステージ前に人だかりができている、その中へ加わるブラウンに不思議と恐怖は無かった。もう少しビビるものかと思っていたのに・・・どうして自分はこんなにも落ち着いているのだろうか・・・ステージ上のアーデントは顔をあんなにこわばらせているというのに。
―――――トップ10形式で発表いたしますが表彰いたしますのは上位3位となります!
アーデントと目が合った。不安そうな顔を見られたのに気が付いたようで頬を叩いて引き締め直した・・・一気に凛々しい顔つきに戻るアーデントを抱きしめたい。
―――――第三位は・・・ベーカー・ベーカリーです!
一瞬こわばるアーデント、まだ僕は呼ばれていないから安心してほしい・・・そう囁きながら抱きしめたい。
―――――第二位は・・・
胸ポケットにある小さな箱を探るように確かめる・・・大丈夫、忘れてはいない。僕がここまで来れた理由、あの輝きを手に掴むまでの理由を。アーデントの隣へ立って何処までも一緒に行けると証明して見せることを。
――――――え〜それでは世界のパン祭りinアールデー・イグニスにて最多票となった第一位のパン屋は・・・・・・
ドラムロールが続く、司会のお姉さんが発表までタメる・・・待ちきれないから早く結果を告げてほしい。早くアーデントの元へ行きたいのに。
焦れるブラウンと緊張した顔付きのアーデントに・・・いま、勝敗の結果が告げられた。
―――――第一位はアンバー・ベーカリー!アンバー・ベーカリーです!
第二位をぶっちぎりで超える票数がメインステージのモニターへ表示されている。ブラウンの焼いたパンが最上級の美味しさを誇るパンであることも間違いなかったが、ちぎりパン故に簡単に行えるお裾分けの輪が・・・ブラウンの焼いたパンを食べた全員の心を掴み、メロメロにしたことが勝敗を分けたのだ。
あれだけ待ちきれないと焦れていたのにパイプ椅子に崩れ落ちるブラウン、まだすぐには実感がわいていなかった。
やった!・・・とすぐに勝鬨をあげることはできなかった。
やった・・・やったのだと、少しずつ現実を受け止めかみ砕きながら自分は遂に世界で一番のパン職人になれたのだと、成し遂げたのだと少し遅れて歓喜が体中に満ち溢れた。
「やったじゃないブラウン!あなたってばホント最高の弟よ!」
ステージ上、第三位だったブルネット姉さんが涙ぐみながら祝福してくれている、隣で親父も男泣きしている。
―――――え〜アンバーさん、メインステージへお上がりください
そうだ、まだ僕はやらねばならない大切なことが残っている。盛大な拍手の中でメインステージの壇上へと上がる。表彰されている姉さんと第二位の代表者へとアーデントがそれぞれ銅と銀のメダルをかけているのが目の端に映る・・・そして僕の番、金のメダルを手に持つアーデントが目の前へやってきた。
「アンバー・・・いえ、ブラウン・ベーカーさん、貴方が今回の世界のパン祭りのナンバーワンへと輝きました、おめでとう!」
金のメダルを首にかけてくれるアーデント、いままさに・・・ブラウン・ベーカーは世界一のパン職人としての栄誉を手にした。
―――――以上をもって世界のパン祭りは終了いたしますが・・・まだ会場ではほかにも沢山のプログラムが組まれて・・・
「アーデント・グルナ・アールデー・イグニスさん!!」
「はい、なんでしょうか?世界一のパン職人さん?」
なんだなんだと会場中の視線が二人へ注がれる。跪いてアーデントの左手を取る。会場中があっと息をのむ。
もう片手には黒い小さな箱が開かれて・・・中身にきらりと輝く指輪・・・きっかりベーカー・ベーカリーの給料3か月分の指輪がステージライトに照らされている。
「私はブラウン・ベーカー!パン屋の次男坊でヒラのスタッフの身分です、しかし貴女のために最上級のパンを焼けるようになりました!これからは貴女のためにパンを焼いて差し上げましょう!ですから僕と・・・結婚してください!!!」
「ええ、喜んで!私の・・・想像なんかをはるかに超えて見せた旦那様!」
左手の薬指に指輪がはまる。腰に手を当て抱き寄せる。少しだけ上を向きながら目を閉じるアーデントの唇に・・・ブラウンがキスをした瞬間・・・魔炎の都市アールデー・イグニスに一組の夫婦が生まれた瞬間・・・都市は莫大な祝福と拍手の音で包まれるのだった。
拍手と祝福の声がひとしきり落ち着いた後・・・アーデントが都市の皆へ語り始めた。
「え〜ご来場の皆様!お手元の会場案内図をご覧ください!私たちの結婚披露宴の招待状へと変わっていますね!?これから3時間後にこの会場で私アーデント・グルナ・アールデー・イグニスとブラウン・ベーカーとの結婚披露宴を開催いたします!ご都合等よろしければご参加くださいませ!」
盛り上がる会場、手でそれを制するアーデント・・・まだ言うべきことが残っているからだ。
「では我が夫たるブラウン・ベーカーへ1つお願いをします・・・一緒に結婚披露宴のパンを焼いてくださるかしら?皆のほっぺが落ちちゃうようなとびっきりの・・・最上級のパンを!」
「もちろん喜んで!一緒に作ろうアーデント、夫婦初めての共同作業をしよう!」
再び湧き上がる会場、メインステージ上にたちまち即席のキッチンが出来上がる。姉さんから手渡された僕とアーデントの分のベーカー・ベーカリーのエプロンを巻いたら・・・まずは一番最初の工程、丁寧に手を洗おう・・・すべてはここから始まるのだから。
――――――――
結果から言えば僕とアーデントの結婚披露宴は盛大に・・・皆に祝福されながらつつがなく終わりを告げた。
―――――そして時刻は午後10時過ぎ、アーデントの屋敷にブラウンは居た。着なれぬタキシードでアーデントの寝室へ向かう。ドキドキとうるさい心臓と呼吸を落ち着けるように深呼吸してから扉をノックすると入ってとアーデントの声・・・扉を開けて中に入ると・・・純白のウエディングドレスを身に纏ったアーデントがベッドサイドに座って待っていた。
「こんばんはアーデント・・・いい夜だね」
「こんばんはブラウン、いい夜ね・・・あれほど盛り上がった余韻が都市を包んで・・・まだまだ熱が冷めないの・・・皆が愛し合っているのが伝わってくるようだわ」
「ああ、まだ都市が眠るには早い時間だ・・・」
二人の目線が交わる・・・アーデントの熱っぽく潤んだ瞳に僕が映っていることがとてもうれしかった。
「抱いて・・・ブラウン・・・」
もうお互いにこれ以上の言葉は必要なかった。柔らかな唇を重ねあいながら手入れの行き届いた指通りの良い髪を撫でさする。
チャックを降ろし、下着の前布からヒクヒクと震える肉棒を散りだす。まだそれは半立ち程度の硬さでヒクヒクと震え、更なる刺激を待ちわびているようで・・・アーデントの指先が包み込むようにして擦りたて始める。
「ふふ・・・可愛いブラウン・・・しこしこ・・・♥しこしこ・・・♥大きくなあれってね」
「あぐっ・・・ぁぁ・・・気持ち良い・・・」
柔らかな指先で心地よく擦りたてられグングンと硬さと力を増し、反り返ってゆく肉棒・・・溜まりに溜まった情欲は甘い快楽を火種にボルテージを増してゆく。
「私のも・・・触ってブラウン、貴方の指先で・・・私を・・・」
言われるまでもなく、ブラウンはウエディングドレスのスカートの中へと指先を滑り込ませる。ちょうど花園の谷間、フカフカで柔らかな感触の中でコリッとした肉の核を指の腹の部分がとらえた。そのまま優しく撫で摩り上げるとグッと快楽に顔を歪めるアーデントの顔つきに思わずSっ気の心が燃え上がる。
「あんっ・・・そこ・・・♥コリコリされると・・・♥んぅん・・・ほどほどにしてね・・・ウチも・・・随分とご無沙汰だから・・・今夜はブラウンのおちんちんで・・・ね♥」
ほんの少し擦っただけなのに下着の布地が温かく湿った感触を感じる。下着を横にずらし花園の中心へ人差し指を突き入れてみるとニュルリといとも簡単に飲み込まれてゆく・・・もう、二人ともはやる心を押さえられなかった。
ガバリとアーデントの両股を左右に広げて捲れ上がったスカートの奧、高級そうな青の下着が横にずらされ、ピンク色の・・・何度見ても刺激的なおまんこがヒクヒクと震え、旦那様を魅惑的に誘うようだった。
「アーデント・・・挿れるよ・・・」
「うん・・・来て・・・ブラウン・・・」
にゅぷぷぷ・・・♥ずにゅるるっ・・・♥にゅる・・・ぱちゅっ・・・♥
「うぁぁぁぁっ・・・熱い・・・あ・・・アーデントっ・・・うぁぁぁ・・・」
「あぁぁ・・・ブラウンのが挿ってる♥久しぶりの・・・うぁぁぁ・・・♥」
まるで童貞を卒業した時のあの夜のようだ・・・熱い肉窟の中でおちんちんがヒクヒクと震え、今にも暴発してしまいそうな性感を押し殺すように必死に堪える・・・アーデントに再会するまではと自慰行為もせずに欲求不満を貯め込んでいたのだ。それを極上の名器たるアーデントのおまんこへ突き込めば堪らなかった。
凄まじい快楽に翻弄されてほんの少しも動けない。ただ一つあの時と違うのはアーデントは余裕顔で快楽を享受しながら僕をリードするようなセックスをしていた事。それが今夜は蕩け切った恍惚とした美しくも淫らな表情を浮かべている事だった。
「アー・・・デント・・・大丈夫かい・・・?」
「ぁぁぁ・・・♥なぁにブラウン・・・私幸せいっぱい良い気持ちよ・・・?」
なんてエロくて淫らで煽情的で・・・それでいて高貴なオーラを放っているのだろうか。そんな女性が今自分自身に全てを委ねてくれている。狂おしいほどの表現できない感情が胸を貫く。
もっと・・・もっとこの愛しい人を乱れた顔を見たい、気持ち良くさせたい。
―――――僕の奧さんであり最上級の女を・・・思いっきり抱きたい。
・・・ぱちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥凄いっ♥あぁぁぁぁ・・・♥凄いぃぃっ♥」
「うぁぁっっ・・・アーデント・・・アーデント・・・っっ」
限界寸前で今にも暴発しそうなおちんちんを、心持だけで抑える。熱く絡みつくヒダヒダが・・・膣内の感触で肉棒が蕩けて感覚がなくなってゆく。ぎゅうぎゅう締め付ける膣内がアーデントが既に絶頂へ至っていると訴えかけてくる。
「あっ♥あっ♥ブラウンっ♥ブラウンっ♥もうイってるっ♥イってるってばっ♥イってるってばぁぁぁぁっっ♥」
アーデントが頭を左右に振りしきり、甘ったるい声で僕に訴えかける。なんて可愛くてエロくて美しくて・・・やっぱりアーデントはこんな時でも最上級の女性だと思い知らされる。
それでもまだ腰は緩めない・・・今日はただの絶頂で終わらせるつもりはなかった。アーデントを最高に気持ち良くさせるために・・・最高の夜にするためにブラウンはなお逞しく力強い腰使いを緩めようとしなかった。
ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぬちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぐちゅんっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥ぱちゅんっ♥ぱちゅっ♥ぬちゅっ♥
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥もうダメっ♥もうダメったらっっ♥もう許してブラウンっっ♥ウチっっ♥もうダメっってばぁぁ♥許してぇぇっ♥」
「ぐっ・・・あぁっっ・・・あぐっ・・・あぁっっ・・・も・・・もう・・・」
アーデントは一足先に絶頂のそのさらなる高みへ至っているようだ。愛しき伴侶のおちんちんでメロメロにされたおまんこは次は貴方の番だよと甘く絡みつき、締め付け・・・ブラウンの射精をねだるように蠢き続ける。
それがブラウンにトドメを刺した。肉棒が激しく脈打ち始める。精巣が激しく収縮して震える・・・奥底から込み上げてくる熱をもうブラウンは堪えることができなかった。
どくっ・・♥どくどくっ・・・♥びゅるびゅる・・・♥びゅるるるっ・・・♥
遺伝子に刻まれた原初の欲求。おまんこの一番奥、子宮口へ押し付けながらブラウンは遂に溜めに溜め込んだ白濁を・・・吐き出し始めた。重たく濃ゆく粘ついた精液がどくどくと肉棒をたっぷりと時間をかけて飛び出してゆく目もくらみそうな気持ち良さ。
もはや二人とも声が出なかった・・・いや、正しくは言葉にならない声で悲鳴を上げていた。
どれほどの時間そのままでいたか分からない、気が付けばブラウンは完全にアーデントの上に覆いかぶさるように脱力していた。慌てて身体をのけようとするもアーデントの腕が・・・脚がブラウンへと絡みつき離そうとしなかったのだ。
「あっ・・・重たくないのかいアーデント・・・?」
「ふふふ・・・平気よ・・・むしろ心地良いくらいの重さ・・・貴方ってばもうちょっと食べたほうがいいかもしれないわね・・・瘦せすぎかも」
「ははは・・・パンを捏ねるのって案外重労働だからね・・・アーデントこそ・・・身体中柔らかくていい心地だよ・・・あ!太ってるって言いたいんじゃないからな!?」
「分かってるわよブラウン・・・ふふ・・・まだまだ夜はこれからよブラウン・・・♥」
「ああ、今夜こそ・・・寝かせないからな!」
アーデントのナカでぐぐぐっっと力を取り戻した肉棒を再び抽挿するためにブラウンは腰を引き、叩きつけ始めるのだった。
――――――――――
世界のパン祭り兼アーデントとの結婚披露宴から2か月後・・・
「やはり評判は嘘をつかないな・・・美味しいパンに香り高いコーヒー・・・互いが互いを高め合って美味しさを引き立て合っている・・・」
ブラウンとアーデントは駅前のカフェテリアでクロワッサンとエスプレッソを堪能していた。
そう・・・ブラウンとアーデントはアールデー・イグニスを再び飛び出し旅に出ていた。新婚旅行もちろんのこと、まだ見ぬ世界のパンを知るために・・・世界一のパン職人となってなおブラウンは自分を磨くために世界を旅していた。
ただ依然と違う点がいくつかあった。
まずブラウンはパンの修行だけに飽き足らず、そのパンに合わせる飲み物までも最上級の物を用意できるように学び始めたのだ。
そしてアーデントは今までは対面の席に座り、僕の顔つきを眺めながら微笑んでいたのだが・・・今やアーデントは僕の右腕に抱き着いて頬ズリしている所か・・・。
「んふふふ〜ブラウン〜次の列車まであと3分みたいよ・・・でも貴方の腕から離れたくないんだけど困ったわねえ・・・」
「ちょっ?!そう言って昨日も列車を逃したからここで一泊したんじゃないか!急ごうアーデント!!!」
お代をコーヒーソーサーに挟み、離さないでとごねるアーデントを片手でお姫様抱っこして、もう片手で荷物を抱えて走り出す。ブラウンは既にインキュバスへと変貌しており、愛しい人と二人分の荷物を抱えてなお走れるほど逞しい体をしていたのだ。
切符を取ってとアーデントに叫び、愛おしそうに自分の胸板を撫でさするアーデントが胸ポケットから乗車切符を取り出すついでに乳首をコリコリ虐めてくる・・・
甘い快楽にもたつきそうになる足をなんとか修正し、駅のホームへ飛び込んだ。乗るべき列車の発車ベルが鳴り響く中なんとか二人は乗るべき列車へと飛び込めたのだった。
「はぁ・・・はぁ・・・アーデント、僕らの客室は何号車の何番だっけ・・・?」
「ええ〜ブラウンの顔から眼をそむけたくないんだけど・・・どうしても見なきゃダメ?」
「はぁ・・・ふう・・・じゃあ切符を見せてくれるかな」
「チューしてくれたらいいよブラウン・・・はい、チュー!」
何よりも変わった点として、アーデントは・・・僕の奧さんは甘えん坊になった。片時たりとも僕の傍を離れることなく、抱き着き、愛の言葉を囁き続けるようになったのだ。
キスをねだるアーデントに熱く口づけする・・・首の後ろに手を回されてしまった・・・このキスは長くなるだろうなあと他人事のように思いながらブラウンは口内へと入り込んできたアーデントの舌先を絡め合うようにディープキスを楽しむ。
―――――あの・・・切符を・・・拝見したいのですが・・・
困った様子の駅員さんに仕方なしに唇を離し、アーデントが切符を駅員さんに見せる。ちらりと見えた客室は3号車の10番室だった。
―――――はい、切符をお返しします。ここの帳簿にお二人分の名前を記載願いますか?
アーデントが先にサラサラと優雅な筆跡で名前を・・・アーデント・B・グルナ・アールデー・イグニスと書き、ペンを手渡してくる。
僕の名前・・・ブラウン・B・グルナ・アールデー・イグニスと帳簿へしっかりと書き込んだ。最初は随分と長い名前になったなあと思っていたが、いまやすっかり慣れたものでアーデントと同じ姓を名乗れるのもこれはまた幸せなことだと楽しんですらいた。
・・・駅員さんに軽く会釈をしてからようやくブラウンは2人部屋の一等客室へとたどり着き、荷物を降ろすことができた。
「ふふふ・・・ブラウンったら素敵だったわよ・・・ウチを抱えたまま列車に向けて走って間に合わせるなんて」
「はは・・・前までは一緒に走ってたのに・・・今やいつも僕がお姫様抱っこして走ってるじゃないか・・・」
「でも嫌じゃないくせに・・・♥」
「・・・まあね」
したり顔のアーデント・・・この可愛らしい顔つきを見るとどうしたって怒る気にもなれない・・・惚れた弱み、痘痕も靨、本当に愛おしい僕の奧さんだ。
さてと、夕食のパンを焼きに行こう。アーデントはもう僕が焼いたパン以外を口にする気は無いと高らかに宣言しているのだから。
「じゃあアーデント・・・行ってくるよ」
「ええ・・・行ってらっしゃい、私の愛しの旦那様っ♥」
ほっぺに熱く口づけをもらってから、ブラウンは愛しのアーデントのために今日もまた・・・最上級のパンを焼くのだった。
24/09/24 00:24更新 / たっぷりとしたクリーム
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