そのじゅうさん
石造りの天井からポタリポタリと水滴が落ち、濁った空気の流れる地下迷宮。
なぜか俺はそこにいた。
「はー………………まさか、魔物になってからも
ダンジョン探検するやなんて、夢にも思わへんかったわぁ……」
「うえ〜〜、じめじめしてて気持ち悪いね〜〜」
「……なんで俺まで付き合わなきゃならんのだろうな」
「あははは、もう一蓮托生だよ〜〜〜〜〜」
「その口をパッチワークしてやろうか?」
「まあまあ、ええやないの。マリナたちには気づかれてないんやし、
さっさと目的の物を見つけて戻れば、何の問題もあらへんよ」
――さて、どうして俺とミミルと今宵が三人パーティで
こんなところにいるのかということだが。話は数時間前にさかのぼる。
〜〜〜〜〜〜
「おいそこの二人、なにコソコソしてんだ?」
「あっ」
「あやや、見つかってしもた」
誤解が解けなかったため、いまだに頻繁に歯軋りをしながら殺気を撒き散らす
魔界勇者ウィルマリナさんをなだめていた俺と嫁達であったが、
『とりあえず今日のところは、各自、個室で休みましょう』
というサーシャ姉の妥協案に従い解散した。
…したのだが、なぜか今宵とミミルの二人が
自分達にあてがわれた部屋へと行かず、屋敷の裏口へと向かっていくので
俺はつい声をかけたのだ。
「…どないする?」
「そ〜だね〜〜………この際、おにいちゃんも引き込もうか?」
「おまえら、何の相談をしてるんだ?
なんとなく嫌な予感がするんだが」
と言うと、ミミルは一枚の羊皮紙を俺に突きつけてきた。
「なんだこりゃ」
「ウチらが察するに、どうやらこの都市の地下遺跡の地図…らしいんや」
俺たちの足元にそんな過去の遺物が眠ってるというのか。
「あのね〜〜〜可愛いミミルちゃんが暇つぶしに
ここの魔術学院の蔵書を読みふけってたら〜〜〜偶然見つけたんだ〜〜〜」
「可愛いとかいちいち言わなくてもいいだろ」
「そっかぁ。言わなくても見ればわかるもんね〜〜〜〜」
「ウザっ」
「俺はもう慣れたよ。……で、なんだ?
もしかしてそれに財宝の類でも記されているのか?」
「察しがええなぁ。さすが旦那様や。
この子の話じゃ、なんでも、今はもう使い手がおらんくなって久しい
古代の魔術に関わる書物があるとかなんとか…」
「ん〜〜〜〜、どんな魔術かまでは不明なんだけどね〜〜」
ほう。性欲しか頭になくなってるものかと思ったが、そうでもないのか。
さすがは魔術と符術のエキスパートたちだ。
「やらしいことに応用できたらラッキーかなって。えへへへへ〜〜〜」
「というより、できなかったら無駄骨やね。
ヤギの餌にするか燃やして暖をとるくらいしか使い道ないわ」
ああ、やっぱ性欲第一なんだな。感心して損した。
〜〜〜〜〜〜
というわけだ。ヤブヘビすぎる。
「そ〜いえばさ〜、結局、そのリリムさんってさ、なんでおにいちゃんに
チョッカイかけてきたの〜〜?」
「ああ、まだおまえらに言ってなかったな」
この件についてはサーシャ姉と教官にしか話していない。マリナをなだめるのに
手一杯で、全員に教えている暇が無かったからだ。
なので俺は二人にあのエロ喫茶での経緯を簡潔に説明することにした。
宿泊している屋敷に戻る道中で妄想嫉妬勇者にも一応は説明したのだが、
全く耳に入っていないようだったのでノーカンである。あの性格どうにかならんかな。
「……という感じの会話をしたんだ」
「うわぁ………………えらい厄介な頼み事やないですか」
「責任が増えるよ。やったねおにいちゃん!」
おいやめろ。
「当面の予定としては、基本は傍観。デルエラが本格的に動いたら
ヘリィか穏健派にでもリークするということでいく構えだ」
「ほな、レスカティエが攻められたら?」
「それは撃退せざるをえんな。あくまでも、魔物のほうから
積極的に攻めにいかない姿勢をとりたいんであって、別に非戦方針ではないし」
「中途半端な応対だね〜」
「俺の立ち位置がそもそも微妙なんだから仕方ないだろ。
板ばさみの状態で確固とした応対なんかできるか」
「強いんやから力にものを言わせればええんちゃうの?」
豪快というか乱暴な意見だな。
「旨みが全くないのにそこまでやりたくねーよ。だからといって
適当に流すには重大すぎる話だし…………困ったもんだ」
「よっ、苦労人〜〜」
「ははは、しばくぞガキ」
なんか疲れてきた。気分転換にカバンの中の酒ビンをラッパ飲みしよう。
「また飲んでるし……。そうやってすぐ酒に逃げるのはあきまへんよ?」
ドミノ倒しのごとく苦悩がやってくるのに飲まずにいれるか。
「んじゃ、ウチらも休憩がてら、旦那様のミルクでも飲みますか」
「わ〜〜〜〜、だいさんせい〜〜〜〜〜〜〜〜」
えっ。
ええっ。
「ぺろっ、れろれろ、ちゅっ。んあぁ、おいしい、ちんぽおいひいぃ」
「ちゅ、んちゅっ、おにいひゃんのおちんひん、くさくへ、ほいひぃよぉ」
ということで俺は流されるがまま、ひざまずいた二人に
左右からペニスをくわえられ賛辞の感想を聞かされていた。
「まったく困った奴らだ」
「んあっ!こ、今宵ったら、そこクリクリするの、らめだよぉ!」
「ひっ、お、おかえしされてもうたぁ!あ、ああっ!」
ミミルと今宵は、お互いの股間に手を伸ばし、隣が快感に身をよじっているうちに
ダブルフェラの主導権を握ろうと画策していた。せわしない奴らだ。
「……そうだ、面白いことを考えたぞ」
俺はこの状況を利用してあるゲームを主催することにした。嫌がらせともいう。
「相手をイカせたほうの口にたっぷり出してやる。濃いやつをな」
『!!!』
かくして闘いが始まった。
「は、はやく、イッちゃえ、はやっ、はひいいっ!」
ミミルが背をのけぞらせると、
「そ、そっちこそ、はよイッたらどないやっ、んひぃいい!」
今宵が潮を吹く。一進一退の攻防だ。
まあ実際にはどちらが先に絶頂したかわからないくらいイッてるのだが。
時間がかかりそうだったので、面白半分に俺が触手を生やして
二人の性器に突っ込んでやったのが原因である。
その足元には、愛液と汗と小便と、隠し味に唾液が少々ミックスされた
ひどい水溜まりができている有様だ。
「ミ、ミミルのっ、ミミルのおまんこ、おおっ。
おぐっ、んごおおおおおおおおっ……!」
「んっ、あっ、あそこがっ、ウチのあそこおかひくなるっ。
ひっいいいいいいっ!いいっいいよおぉ!」
精は流し込んでやってはいないので、二人はじらされながら浅い絶頂を繰り返し、
しまいには普段の余裕しゃくしゃくな表情をぶっ壊してアヘ顔を晒していた。
口の端からは涎どころか泡まで吹いている。
「おおぅ、んんっおおおおおおぉおおぉぉぉ!!」
「あひいいいいいいいいいいいい!!」
低いロリ声と少女の裏声が織り成す淫らなハーモニーを聞きながら
俺は射精の前兆がこみあげてくるのを感じていた。
「よしっ、引き分けということで、両方にご褒美だ。受け取れ…っ!」
二人の頭を掴み、頬と頬を密着させてから、その昂ぶりを亀頭から吐き出す。
『んきゃああああああぁ!』
子宮を触手の先でグリグリされながら待望のザーメンを顔射され、
ツイン嫁は腰を震えさせて大きく絶頂した。
「ミミルの、ロ、ロリまんこっ、いじめすぎだよおぉ……」
「し、子宮攻めは、ごっ、極悪やああぁ………旦那様の、オニいぃ……」
等と悪態をつきつつも、お互いの顔についた精液を舐め取るその様は
どうしようもないほど悦楽に満ちていた。
「――もうそろそろじゃないのか?」
さっきのエロ休憩タイムですっかり腰砕けのミミルに聞いてみる。
「そ、そうだと思うけど、この地図、文字がぼやけて読めない部分があって……。
あの人たちなら、く、詳しいかも、しれないけどさ……」
弱々しい口調で不可解なことを言いつつ、ミミルは前方を指差した。
キチキチキチ……
「オトコのニオイする」「精のニオイする」「魔物のニオイもする」
「あのオトコほしい」「ほしい」「ほしいほしいほしい」
「………デビルバグの住処に、な、なってたんやね。
あんたら、男に飢えとるみたいやけど、あっ、あいにくこの人は
ウチらの旦那さまなんで、諦めて、もらうで……」
酔ったかのようにとろけた瞳の今宵が何本もの尻尾を威嚇するように振ると
デビルバグ達が「コワイコワイ」といいながら散っていく。
「まあ待て。お前達、男が欲しいのか?」
「ほしい」「チョーほしい」「アタリマエだろ」
俺の問いかけにデビルバグ達はピタリと動きをやめ、口々に返答してきた。
「だったら、ここを案内してくれ」
確か、俺がこないだ一網打尽にした連中の残りがまだいたはずだ。
こいつらへの見返りはそれでいいだろう。
「わかった。アンナイする」「ヤクソク忘れるなよ」
はいはい。
「さて」
『……………………』
目的の場所である、封印された書庫。
その中で魔女と稲荷ペアはうつむいて黙り込んでいた。
「食わせるのか?それとも焼くのか?」
どこまでもこいつらの都合のいいようにうまく事が運ぶわけがない。
やっぱり真面目な書物だった。
「ま、俺たちには不要の物なんだし、この国の魔術学院関係者にでも
任せればいいさ。もう帰ろうぜ。こんな辛気臭い場所から離れて
外の新鮮な空気に触れたいよ、俺は」
がっかりしている二人の肩をポンポンと叩いて帰宅を促す。
「取らぬタヌキのなんとやら……やったなぁ」
「はかない夢だったね…」
人生なんてそんなもんさ。過度の期待は禁物だよ。
「オトコオトコ」「楽しみ楽しみ」
二人とは正反対にデビルバグ団は有頂天だった。
「はぁ……」
結局こいつらを得させただけか。典型的なくたびれ儲けだったな。
ということで、俺たち三人と脳天気なデビルバグご一行様は
最初に入ってきたときに通った隠し扉を抜け、地下水路から地上へと戻ったら
他の嫁たちが全員で仁王立ちしていてちょっと待て。
「精の臭いがするんですがどういうことかな。また私のことほったらかし?
仮にも私はあなたの妻で幼馴染なんですけどこの扱いは酷くない?」
鬼気迫るマリナ達。危機迫る俺と今宵とミミル。嬉々としているデビルバグたち。
本日二度目の修羅場が始まろうとしている。今、医の楽園が熱い。
灼熱地獄かここは。
なぜか俺はそこにいた。
「はー………………まさか、魔物になってからも
ダンジョン探検するやなんて、夢にも思わへんかったわぁ……」
「うえ〜〜、じめじめしてて気持ち悪いね〜〜」
「……なんで俺まで付き合わなきゃならんのだろうな」
「あははは、もう一蓮托生だよ〜〜〜〜〜」
「その口をパッチワークしてやろうか?」
「まあまあ、ええやないの。マリナたちには気づかれてないんやし、
さっさと目的の物を見つけて戻れば、何の問題もあらへんよ」
――さて、どうして俺とミミルと今宵が三人パーティで
こんなところにいるのかということだが。話は数時間前にさかのぼる。
〜〜〜〜〜〜
「おいそこの二人、なにコソコソしてんだ?」
「あっ」
「あやや、見つかってしもた」
誤解が解けなかったため、いまだに頻繁に歯軋りをしながら殺気を撒き散らす
魔界勇者ウィルマリナさんをなだめていた俺と嫁達であったが、
『とりあえず今日のところは、各自、個室で休みましょう』
というサーシャ姉の妥協案に従い解散した。
…したのだが、なぜか今宵とミミルの二人が
自分達にあてがわれた部屋へと行かず、屋敷の裏口へと向かっていくので
俺はつい声をかけたのだ。
「…どないする?」
「そ〜だね〜〜………この際、おにいちゃんも引き込もうか?」
「おまえら、何の相談をしてるんだ?
なんとなく嫌な予感がするんだが」
と言うと、ミミルは一枚の羊皮紙を俺に突きつけてきた。
「なんだこりゃ」
「ウチらが察するに、どうやらこの都市の地下遺跡の地図…らしいんや」
俺たちの足元にそんな過去の遺物が眠ってるというのか。
「あのね〜〜〜可愛いミミルちゃんが暇つぶしに
ここの魔術学院の蔵書を読みふけってたら〜〜〜偶然見つけたんだ〜〜〜」
「可愛いとかいちいち言わなくてもいいだろ」
「そっかぁ。言わなくても見ればわかるもんね〜〜〜〜」
「ウザっ」
「俺はもう慣れたよ。……で、なんだ?
もしかしてそれに財宝の類でも記されているのか?」
「察しがええなぁ。さすが旦那様や。
この子の話じゃ、なんでも、今はもう使い手がおらんくなって久しい
古代の魔術に関わる書物があるとかなんとか…」
「ん〜〜〜〜、どんな魔術かまでは不明なんだけどね〜〜」
ほう。性欲しか頭になくなってるものかと思ったが、そうでもないのか。
さすがは魔術と符術のエキスパートたちだ。
「やらしいことに応用できたらラッキーかなって。えへへへへ〜〜〜」
「というより、できなかったら無駄骨やね。
ヤギの餌にするか燃やして暖をとるくらいしか使い道ないわ」
ああ、やっぱ性欲第一なんだな。感心して損した。
〜〜〜〜〜〜
というわけだ。ヤブヘビすぎる。
「そ〜いえばさ〜、結局、そのリリムさんってさ、なんでおにいちゃんに
チョッカイかけてきたの〜〜?」
「ああ、まだおまえらに言ってなかったな」
この件についてはサーシャ姉と教官にしか話していない。マリナをなだめるのに
手一杯で、全員に教えている暇が無かったからだ。
なので俺は二人にあのエロ喫茶での経緯を簡潔に説明することにした。
宿泊している屋敷に戻る道中で妄想嫉妬勇者にも一応は説明したのだが、
全く耳に入っていないようだったのでノーカンである。あの性格どうにかならんかな。
「……という感じの会話をしたんだ」
「うわぁ………………えらい厄介な頼み事やないですか」
「責任が増えるよ。やったねおにいちゃん!」
おいやめろ。
「当面の予定としては、基本は傍観。デルエラが本格的に動いたら
ヘリィか穏健派にでもリークするということでいく構えだ」
「ほな、レスカティエが攻められたら?」
「それは撃退せざるをえんな。あくまでも、魔物のほうから
積極的に攻めにいかない姿勢をとりたいんであって、別に非戦方針ではないし」
「中途半端な応対だね〜」
「俺の立ち位置がそもそも微妙なんだから仕方ないだろ。
板ばさみの状態で確固とした応対なんかできるか」
「強いんやから力にものを言わせればええんちゃうの?」
豪快というか乱暴な意見だな。
「旨みが全くないのにそこまでやりたくねーよ。だからといって
適当に流すには重大すぎる話だし…………困ったもんだ」
「よっ、苦労人〜〜」
「ははは、しばくぞガキ」
なんか疲れてきた。気分転換にカバンの中の酒ビンをラッパ飲みしよう。
「また飲んでるし……。そうやってすぐ酒に逃げるのはあきまへんよ?」
ドミノ倒しのごとく苦悩がやってくるのに飲まずにいれるか。
「んじゃ、ウチらも休憩がてら、旦那様のミルクでも飲みますか」
「わ〜〜〜〜、だいさんせい〜〜〜〜〜〜〜〜」
えっ。
ええっ。
「ぺろっ、れろれろ、ちゅっ。んあぁ、おいしい、ちんぽおいひいぃ」
「ちゅ、んちゅっ、おにいひゃんのおちんひん、くさくへ、ほいひぃよぉ」
ということで俺は流されるがまま、ひざまずいた二人に
左右からペニスをくわえられ賛辞の感想を聞かされていた。
「まったく困った奴らだ」
「んあっ!こ、今宵ったら、そこクリクリするの、らめだよぉ!」
「ひっ、お、おかえしされてもうたぁ!あ、ああっ!」
ミミルと今宵は、お互いの股間に手を伸ばし、隣が快感に身をよじっているうちに
ダブルフェラの主導権を握ろうと画策していた。せわしない奴らだ。
「……そうだ、面白いことを考えたぞ」
俺はこの状況を利用してあるゲームを主催することにした。嫌がらせともいう。
「相手をイカせたほうの口にたっぷり出してやる。濃いやつをな」
『!!!』
かくして闘いが始まった。
「は、はやく、イッちゃえ、はやっ、はひいいっ!」
ミミルが背をのけぞらせると、
「そ、そっちこそ、はよイッたらどないやっ、んひぃいい!」
今宵が潮を吹く。一進一退の攻防だ。
まあ実際にはどちらが先に絶頂したかわからないくらいイッてるのだが。
時間がかかりそうだったので、面白半分に俺が触手を生やして
二人の性器に突っ込んでやったのが原因である。
その足元には、愛液と汗と小便と、隠し味に唾液が少々ミックスされた
ひどい水溜まりができている有様だ。
「ミ、ミミルのっ、ミミルのおまんこ、おおっ。
おぐっ、んごおおおおおおおおっ……!」
「んっ、あっ、あそこがっ、ウチのあそこおかひくなるっ。
ひっいいいいいいっ!いいっいいよおぉ!」
精は流し込んでやってはいないので、二人はじらされながら浅い絶頂を繰り返し、
しまいには普段の余裕しゃくしゃくな表情をぶっ壊してアヘ顔を晒していた。
口の端からは涎どころか泡まで吹いている。
「おおぅ、んんっおおおおおおぉおおぉぉぉ!!」
「あひいいいいいいいいいいいい!!」
低いロリ声と少女の裏声が織り成す淫らなハーモニーを聞きながら
俺は射精の前兆がこみあげてくるのを感じていた。
「よしっ、引き分けということで、両方にご褒美だ。受け取れ…っ!」
二人の頭を掴み、頬と頬を密着させてから、その昂ぶりを亀頭から吐き出す。
『んきゃああああああぁ!』
子宮を触手の先でグリグリされながら待望のザーメンを顔射され、
ツイン嫁は腰を震えさせて大きく絶頂した。
「ミミルの、ロ、ロリまんこっ、いじめすぎだよおぉ……」
「し、子宮攻めは、ごっ、極悪やああぁ………旦那様の、オニいぃ……」
等と悪態をつきつつも、お互いの顔についた精液を舐め取るその様は
どうしようもないほど悦楽に満ちていた。
「――もうそろそろじゃないのか?」
さっきのエロ休憩タイムですっかり腰砕けのミミルに聞いてみる。
「そ、そうだと思うけど、この地図、文字がぼやけて読めない部分があって……。
あの人たちなら、く、詳しいかも、しれないけどさ……」
弱々しい口調で不可解なことを言いつつ、ミミルは前方を指差した。
キチキチキチ……
「オトコのニオイする」「精のニオイする」「魔物のニオイもする」
「あのオトコほしい」「ほしい」「ほしいほしいほしい」
「………デビルバグの住処に、な、なってたんやね。
あんたら、男に飢えとるみたいやけど、あっ、あいにくこの人は
ウチらの旦那さまなんで、諦めて、もらうで……」
酔ったかのようにとろけた瞳の今宵が何本もの尻尾を威嚇するように振ると
デビルバグ達が「コワイコワイ」といいながら散っていく。
「まあ待て。お前達、男が欲しいのか?」
「ほしい」「チョーほしい」「アタリマエだろ」
俺の問いかけにデビルバグ達はピタリと動きをやめ、口々に返答してきた。
「だったら、ここを案内してくれ」
確か、俺がこないだ一網打尽にした連中の残りがまだいたはずだ。
こいつらへの見返りはそれでいいだろう。
「わかった。アンナイする」「ヤクソク忘れるなよ」
はいはい。
「さて」
『……………………』
目的の場所である、封印された書庫。
その中で魔女と稲荷ペアはうつむいて黙り込んでいた。
「食わせるのか?それとも焼くのか?」
どこまでもこいつらの都合のいいようにうまく事が運ぶわけがない。
やっぱり真面目な書物だった。
「ま、俺たちには不要の物なんだし、この国の魔術学院関係者にでも
任せればいいさ。もう帰ろうぜ。こんな辛気臭い場所から離れて
外の新鮮な空気に触れたいよ、俺は」
がっかりしている二人の肩をポンポンと叩いて帰宅を促す。
「取らぬタヌキのなんとやら……やったなぁ」
「はかない夢だったね…」
人生なんてそんなもんさ。過度の期待は禁物だよ。
「オトコオトコ」「楽しみ楽しみ」
二人とは正反対にデビルバグ団は有頂天だった。
「はぁ……」
結局こいつらを得させただけか。典型的なくたびれ儲けだったな。
ということで、俺たち三人と脳天気なデビルバグご一行様は
最初に入ってきたときに通った隠し扉を抜け、地下水路から地上へと戻ったら
他の嫁たちが全員で仁王立ちしていてちょっと待て。
「精の臭いがするんですがどういうことかな。また私のことほったらかし?
仮にも私はあなたの妻で幼馴染なんですけどこの扱いは酷くない?」
鬼気迫るマリナ達。危機迫る俺と今宵とミミル。嬉々としているデビルバグたち。
本日二度目の修羅場が始まろうとしている。今、医の楽園が熱い。
灼熱地獄かここは。
12/06/19 12:59更新 / だれか
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