シナリオ2・・・初の街、細目の狸
『とりあえず平野を歩く。誰か通りがかれば声をかけるし、道があるんだからまっすぐ歩けばどこかにつくだろう』
ふむ。ではどれだけの時間歩いたか、ダイスで決めましょうか。
1d100をお願いします。1d100の値の時間歩いたとしましょう。あ、単位はminです。
[ダイス目→68]
[結果:68min]
一時間弱ですか。どうします?その道中、黙って歩きますか?
『いや、何かしらの話をエルフから聞けるかもしれない。話しかけるぞ』
ではロールプレイどうぞ。あ、歩き始めているものとしてください。
「なぁ、リリ」
「なによ、ニンゲン」
「アンタが知ってることはなにかないのか?この近くに町があることは知ってるんだろう?どういうところとか、知らないのか?」
・・・では、ここでリリの知識ロール入ります。
[GMダイス目→36]
[リリ、知識判定→30]
[失敗・・・]
リリはそう聞かれて顎に指を当てながらうーんと唸った。
「う〜ん・・・う〜と・・・ちゃ、ちゃばどら?って町で、甘いお菓子を売ってるはずよ」
「・・・で?」
「た、たしか、お菓子を売ってたゴブリンから聞いたのよ。ゴブリンは嘘はつかないって言ってたから確かなはずよ」
うんうんとリリはドヤ顔で頷き、勝手に自己完結してしまった。ちなみに知識判定で失敗しましたので、近辺の街についてはこれ以上聞き出せず、しかもチャバドラなる町が本当に近くにあるのかさえわかりません。
『役に立たねぇ・・・町以外の事なら多少聞き出せるか?』
まだそんな時間も経ってないでしょうから構いませんよ。
「・・・ところで別の話になるんだが、なんでリリは町に行くんだ?」
その言葉を聞いた途端、リリはドキリとしたリアクションをして口早に返した。
「べっ、別にアンタに関係ないでしょなんでアンタなんかに話さなきゃいけないわけそんな権利アンタにないしアンタに話す事情なんかもないしアンタに関係ないし!」
そして喋りながら何故か怒り、ミハイルの前をスタスタ歩き始めた。
『・・・GM、これ以上話は・・・』
ミハイルが何を言っても、リリは無視してスタスタ先を歩くばかりだ。
『チィッ!地雷踏んだかよ!リアル知識で判断するが、こいつ絶対里追放されたクチだろ!』
さぁ?どうでしょう?
『うわこのGMのニッコリした顔がムカつく』
では時間が経ちます。
森から出て一時間ほど歩いた頃、ミハイルとリリの歩いたところで、道に立札があるのを見つけた。
立札には矢印とミハイルの見たことない文字が刻んであった。
『GM、リリに読ませらんないか?』
ふむ・・・ちょっとお待ちを
[GMダイス目→14]
[リリ、知識判定→30]
[成功!]
その看板を見るなり、リリの顔はぱっと明るくなってはしゃぎ始めた。
「やったぁ!『この先、ジョルムの町』ですって!なによやっぱりアンタ町への道知ってるんじゃない!・・・ちゃばどらじゃないけど」
リリは最後に不満そうに呟いたが、すぐさまそちらの方へ歩き始めた。その足取りはウキウキしているように見える。
『GMー。街まではどんくらいかかる?』
まぁ看板が立っているわけですし、めちゃくちゃに遠いのもおかしいですから1〜2kmくらいにしましょう。まぁ20分くらいかな?
『んじゃまた変にへそ曲げられても困るし、そのまま歩くぜ。町まで』
了解。では、場面が飛びます。
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ミハイルが到達したジョルムの町は、周りの野原の緑とうって代わり灰色と赤茶が基調の町だった。地面は石畳できっちりと整備され、家々は赤レンガで作られている。二人が立っているメインロードには人々がいて活気がある。現代で例えるならヨーロッパの観光地のような、そんな光景をミハイルは目の前にしていた。
ただし、ちょっと、いや、だいぶ現代と違う点があった。
看板の文字が読めない、馬車のようなモノがある、街の人々の服がなんというか世代が古い、えらく若い人しかいない。
それはまだよかったが、往来を歩く人々の多くが、犬や猫のような耳、牛や羊のような角、極めつけは腕から翼が生えていたり、もはや服を着ているのか怪しい女性だったことだ。
「・・・ここは、どこだよ。というか、なんだよ」
『ポカーンとしたまま、そうつぶやく・・・というかGM、魔物娘が多いと思っていいのか?』
はい。右を見ても左を見ても、魔物娘と男・・・あ、肌の色は普通の人と、色がちょっとおかしい人もいます。
『オーケー、リアル知識でインキュバスもいると確認・・・あ、リリは?』
リリはミハイルを置いてどっか行ってしまったようだ。走り去る直前に「甘い匂いがする!」と叫んでいたような気がした。
『あの駄エルフ・・・』
さて、PL、どうする?
『どうするもこうするも・・・看板の文字が読めないから何がなんの店か分からんだろうし、何をすりゃいいんだろうな・・・』
ふむ、では助け舟を出そうかな・・・
[GMダイス目→17]
[ミハイル、幸運→30]
[成功!]
幸運成功・・・では、『幸運な』出会いをあげましょう。
困り果てていたミハイルに、後ろから声がかかった。
「おにーさん、おにーさん。困ってはるなら相談にのりまっせー」
ミハイルが後ろを振り向くと、とても親切そうにニッコリ笑う女の子がいた。
背は低く、パッと見150ほどしかない。髪は黒茶のショートボブで、薄緑と茶色の混じった着物を着て背中に大きな木箱を背負っていた。顔は童顔、糸のように細い目でニコニコ笑う顔はとても愛らしく自然と手を頭においてしまいそうだ。
ただし、その頭には丸い狸のような耳が覗いてピコピコ動いており、狸のアップリケをつけた前掛けより下はもっふもふしてそうな薄茶の毛に覆われていた。
『・・・いきなりで怪しいし、軽く断りを入れておこう』
「いや、結構だ・・・なんとかする」
「えー?でもおにーさん、文字もわからへんのになんとかできるん?」
「・・・え?」
『といいつつ、眉をひそめてその子を見る』
ミハイルが女の子を見ると、女の子は目を薄くあけて、にや〜と笑っていた。
「こないな大通りのド真ん中で看板見て落胆するような人は『文字が読めない』か『探してる店がない』、『銭がない』かのどれかや。けど銭がない場合は財布と値段表を見合わせるはず、やから違う。探してる店があるんやったらすぐそこにある『町案内のバンバーニ』で聞けばいいのにそこに入ろうともしない、つまり、店を探してるわけでもない。つまり、文字が読めない人や。おまけにおにーさんの服、これはジパングでも霧の大陸でも見ないようなシロモノや・・・それらから考えたら・・・おにーさん、『別世界から来たおにーさん』とちゃいますのん?」
微笑みながら細目で女の子はミハイルにつらつらと話す。その目は細目でありながら、ミハイルをしっかり捉え出方を伺っているように見えた。
「別世界からって・・・君、なにか知ってるのか?」
『女の子と書かれてるから紳士的な態度をとるぜ』
「うちはヴォンパルドを・・・えーと、この国だけでなくたくさんの国を練り歩く商人や。色んなとこでいろんな話を聞く。魔王様の直轄地で聞いた話で、最近の少男化政策として別世界から男を引っ張ってくるっちゅう話を聞いたことあるんや。それくらいやね・・・ほんで、おにーさん、相談に、のりましょか?」
懐から葉っぱを出した彼女はそれをパンと両手ではさみ、開いた手の中にあった『文福渡来商人、茶葉乃。売り舛、買い舛、相談乗り舛』と、日本語らしき字で書かれた名刺らしいものを差し出した。
『・・・GM?俺、外人キャラなんだが』
じゃあ読めません。
『シッツファッキュー!』
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・・・さて、新しい娘が出ましたが。
果たして信頼できる味方なのか、それとも・・・?
さてPL(読者様方)、どうします?
1、とりあえずなにか知ってそうだ。いろいろ聞こう!
2、なんだか怪しい・・・とりあえずリリを探そうか?
3、信じれるのは我が身のみ!ヒャッハー探索だァ!
それでは次のシナリオで・・・
15/03/15 22:13更新 / ganota-Ez8
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