奥様はお悩み中

朝。

私は湿り気がするベッドの中で目を覚ました。隣にいるのは、一か月前ほどに結婚した私の愛しい旦那だ。髪は黒く、鳥の巣のように髪はあちこちを向いているが、顔たちは怖いくらいの冷たい美貌だ。昨夜もこの冷たい顔で私を睨み据え、それだけで私の足腰はもう

(んっ…もう一回だけ… …はっ!?)

いけない今日は平日。魔物に理解がある職場に夫が務めているとはいえ、遅刻が許されるわけではない。それに… 

(そろそろ朝ごはんの支度をしないと…!カズマ君が遅刻!)

カズマ君は私の義理の息子であり、夫の連れ子である。
元ジパング人である我が夫は実はバツイチ。ジパングにいたころにデキていた元奥さんとの間の子だったのだが、元奥さんが愛人がどーとか、不倫がどーとかで離婚。
元奥さんの愛人の仕事が小指を(自主規制)するとか、債券回収のために(自主規制)でなんと男の尻の穴に(自主規制)するとかで。

かくして愛しい旦那様はジパングからやってきた。
無論、元奥さんに預けたらカズマ君は(穴瑠上等)とかいう旗を掲げつつ盗んだ馬で走り出すかもしれない(←注、ありません)。
夫は息子がそんな恥づべき成長するのを止めるべく、ジパングから逃げてきたのです。(←敬語なのはノリ)

文化の違いとかを薙ぎ払ってようやくゴールした私たち。カズマ君にも認められたい新妻心、がんばって距離を縮めたい。しかし、そこにとある壁が。

それは…

「あ、お・・おはよう…ございます。」
「ヒィ!?」
「あぁ、すみません!」
「えっ?い、いえっ!痛っ!」
「あっ、ゆ、指!すいません!失礼します!」
「気にしないで。ん?失r?」
はぷっ
「ひゃ!?ちょっ、カズマ君!?や、、、やぁ・・でゃめぇ、傷口はぁぁ。そこっ!  感覚がっ・・しゃぶられてるみたぁい」
「えっ、どうしました!?腰が急に引けてますよ?」
「イ、いえ!なんでもにゃいわ!自分で何とかするからええっっと〜 そう、お皿!お皿出しといて速く!」
「えっ、は、はい!」

パタパタパタ

はぁはぁはぁっ

これだ。
同居から三日後あたりからこの問題は出始めていた。
すなわち、
息子への発情。
…いっ いえ!?私だって「なんじゃそりゃそら」とか、「ムスコ違いだろjk」とか思うわ!?でも、だって…してるものはしょうがないでしょ!?夜まで我慢して夫に解消してもらってるわ!?おかげでインキュバスになった夫をして、「ちょ、ま、マテ!?」とか言われるほどギンギンよ!?

コホン。

カズマ君
年齢 11歳
現在 町の学園初等部で5年生
外見 黒髪で美少年 ぶっちゃけなんでこの父親からと思うほどかわぇぇ
悩み 隣の席のワーキャットの目がまるで獲物を狙うような目なこと。


年齢 ピーッ
現在 専業主婦
外見 金髪 碧眼 胸のサイズ=息子の頭 試してみたらきゅうり三本挟めた。
備考 自慰回数は日に日に増加。ヤり過ぎで睡眠時間はカツカツ。夫はもうだめかもしれない。

よし、対策を「ただいまーっ」たてよキャァァァ!?
気が付けばもう3時。ワーキャット対策に寄り道せずにはよ帰れと言っといたが裏目にっ!

「あっ、お、お帰りなさい。」
「まだ、内股じゃないですか!?ほんとに大丈夫だったんですか!?」
「えっ、ええ全然だいじょうヒャッ!?」
「このソファに座っていて下さい!あとは僕がやっときますから!」
「やっ、ちょ、腰! あとおしり!」
「あ、す、すいません!」
「いいから!ちょっと休むから!自分の部屋へ自力で行くから!」
「そ、そうですか。」
「そう!だから、…ね?離して?」
「え、あっ、は、はい」

私の足はガクガクだった。
階段から落ちないように必死だった。

だから

私はカズマ君から目を離した。



4時。

自慰を一通り終え、階下に降りた私を待っていたのは

『すいません。』

置き手紙だった。

5時。

「何、、してんのよっ。」
近所の河原で発見した彼は、目が暗かった。なのに目元は赤い。
所詮、子供の足、まして男の子だ。サキュバスからは逃げられない。
しかし、彼は今なお捕まらない。目の前にいても。
「…。」
ダッ  ずざっ
「何してるのって聞いてるのよ。」
彼は一歩ずつ近づく。そして…
「ンッ…」
この期に及んでっ…こんなっ…

「ほら、やっぱり」

目を上げると虚ろな笑み。

「僕はいないほうがいいんじゃないですか?」

気づかれていた。
そして、わかってなかった。そう私は感じた。
どうする。事実をいうわけには、断じていかッ…
思考がまとまらない。動くことも、考えることも、まともにできない。
(くっそ…)
「知ってますよね?父の人生を。僕はずっと見てきましたから知っています。母さんはあんな人で、それでも、僕のことを真っ先に考えて、言葉を勉強して、仕事見つけて、そして…あなたに出会って。」
(そんなこと…百も!!)
「もう、父は幸せになる権利がある。誰にも横やりを入れさせない。そう決めた。でも…」
「あなたの不幸は、父の不幸だ。そしてあなたは僕がいるといつも、苦しそうにしていて、そんなの、僕、もお耐えられないんですよ。だから」

「うるっさい!!」

私はもう、考えられなかった。だから、
何も考えず。ただしがみついた。傍から見れば子供をあやしているように見えるだろう。逆だ。
不安でたまらないのは私だ。
しがみつきたいのは私だ。
サキュバスの本能をこの子への思いで押し込める。太ももから何かが流れるが、自分の体に起きているようには思えなかった。
「見ろ!私と君の距離は0だ!苦しそうにみえるのか!?」
「えっ、ちょ、何いt」
「ええそうよ、苦しいわよ!カズマがどっか行って!!カズマを不幸にして!!!その原因は、全部この私で!!!!狂いそうよ!…こんなに苦しいのは!不幸なのは!あなたのせいよ!」
「……」
「だからぁ‥だからぁ…」

「私と、一緒にいてよぉ」

「…!」
私は何を言っているんだろう。もうわかんない。カズマ君も泣いている。でも

目はひだまりのように暖かかった。


夜。
私は初めてカズマ君とキッチンに並んだ。






11/08/30 22:46 蒼い舌


初めまして。
初投稿なので、正統派を書いてみようかと(←何もって正統派?)
最初で最後の作品にならないようにデキたらなぁと思っとります
どうかよろしくお願いします。
…ってかこれでおk?
[エロ魔物娘図鑑・SS投稿所]
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33