連載小説
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2話 漁港の町
「カラントまで3km。もう少しか、これだったら昼ごろには着けるな」

「そうだね。そしたら宿とって、朝の続きを・・」

「やりません。 というか、魔物であるリニアが入るのは危険だから」

看板の前で俺と彼女ははこれからの事を話しだす。 まずはここまでの事を説明しよう。
昨日の晩、俺とリニア(呼び名が無いと聞かされたので元カノの名前をさしだす)は、お互いをぶつけ合いそのまま寝入ってしまった。 そして今朝、先に起きたリニアが生理現象中の俺の性器に飛びつき、俺はレイプまがいな事をされながら起床。2,3発おこなってから旅を開始して今に至る。

「カラントは、まだ魔物に侵略されていないはずだから魔物が変化した事に気づいてないはず。それに、この町は俺の村に連絡を入れるために寄るだけだから泊まる気は無いよ」


「ぶー、だったら用を済ませて早く帰ってきてよ。そして、朝の続きをしよう。それだったら、許す」

何を?と言いたい所だったが、俺もそこまで馬鹿ではない。仕方なくその案に承諾の意思を見せながらも歩き出す。









「ようこそカラントへ。 ん?この町に何故魔物が居るのかだと? 昨日の朝に攻められてな、それでこの町は親魔物領になったのさ」

「魔物が憎くないのかだと? お前さんは馬鹿だな。こんないい女なかなか居ないぜ。それじゃな、家に帰って嫁を抱かなきゃなんないんだ」

「お兄さん一人? 私、旦那さんが居ないんだけど、 ・・・・そう、スライムの子が居るのね」

正直驚いて何も言えない。情報も無かったからだが町がこんなになってしまうなんて、至る所に魔物の姿が見られる。 この事を村長に伝えなくてはいけないだろう。 俺は急いで電話を借りる事にした。




「あっ、お帰り。用済んだんでしょ。・・・どうしたの?」

「あぁ、もうちょっとこの町に居る事になったからさ宿を取ったんだ。だから、呼びにきた」

「宿?だったら、朝の続きできる?」

「・・・まだやる事があるから、夜になったらやってやるよ。それまで待ってな」

俺の言葉で盛大に喜ぶリニア。その光景に恐怖の面が見当たらない。だけど、彼は言ったんだ。魔物は恐怖の象徴だと。

村長に連絡を入れた。魔物が女性に変貌した事。食料が人間の精である事。カラントが堕ちてしまった事をそして、俺が魔物と交わった事を言う前に村長は述べた。


"・・・悪いがケイト。カラントの役所に行って魚の仕入れを止めるよう頼んでくれないか。それと君もそこに居るのは危険だ。早急にその場を離れなさい"




「と、言われたのは良いが生憎、役所がやってなかったからなぁ」

宿にあるベットの上で胡坐をかきながら思考を巡り回す。 どうして村長はあんな事を・・

「・・イト、ケイト。大丈夫?なんかさっきから、ボーっとしてるけど」

「ん? あぁ、大丈夫。ちょっと考え事をしていただけだよ」

そういうとリニアは、不思議そうな顔をしながら俺に寄り添ってくる。どうやら今朝の事を実行するらしいので、仕方なく彼女に抱きついた。


















夜、突然にして目が覚めてしまった。寝ようにもなかなか寝付けないので仕方ないから外にでて散歩でもしようと思った。外に出ると、辺りは暗く俺以外の人・魔物は見当たらない。昼の風景を目にした俺にとって意外な一面を目にした気がした。 


・・・・・・・・・・


不意に誰かに呼ばれた気がする。辺りを見渡していても誰も居ない、どうやら気のせいだったようだ。


・・・かれ・・・・・ろせ・・


今度は、微かだが誰かが喋っているのを感じた。これはもう気のせいなんて言えはしない。俺は、耳に集中して周りの音を掻き集めた。


全員・・・・かかれ・・・・魔物・・・・殺せ


言葉の意味を理解したとき、俺は宿に向かって全速力で走った。後ろの方からバンッと、何かが開くを音が聞こえると威勢の良い者達が乗り込んで来るのが見える。至る所で爆発が起こり建物が崩れる音がした。 
宿に着くと、布団の中にいるリニアを起こす。寝ぼけているが今はそれどころじゃないので、荷物を掻き集め彼女の手を引・・・けなかった。

何故なら、俺は街に乗り込んできた男共の一人に馬乗りにされて首を絞められているのだから。抗いながらも俺は自分の出身を述べるがその手が緩まる事はなかった。苦しさで我を忘れてしまいそこで俺は気を失った。









「やめろぉぉ・・お?」

気が付くと、俺はまだベットの上にいた。正確には、ベットとリニアの間だがこの際どうでも良い。俺は急いで宿の外に出る。そこには昨日みた景色と変わらない家が並んでおり、壊れて崩れている姿などなかった。





「ケイト、大丈夫?なんか昨日より元気ないよ」

用事を済ませ、旅立ちの準備をしている最中リニアに声を掛けられる。そんな事は無いと粋がるも今朝の夢がどうしても忘れられない。
夢の中、気を失いかけている俺の横でリニアは別の男に犯されていた。その顔には涙が流れていたのだ。

不思議な体験をした俺は、街の町長に夢の事を告げてからカラントを後にした。
14/06/08 10:17更新 / kirisaki
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■作者メッセージ
お疲れ様です。
時間かかってしまいすいませんでした。

次回も頑張っていきますので、それでは

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