読切小説
[TOP]
男子学生によるラブホで王様ゲーム
とあるラブホ

俺はモテない男友達(俺もモテないが)に誘われて合コンに参加した。
しかし、予定の時刻になるも相手がなかなか現れず仕舞いにはドタキャンという最悪な結果で終わってしまった。

友達含め俺は内にあるモヤモヤを忘れる為、憂さ晴らしで近くにあったラブホに入ることにしたのであった。


A(俺)「しかし、世の中の女性は冷たいよな。こんなに可哀想な野郎共が居るってのによぉ」

B「仕方ねぇべ、男は外見と財布の中身が大事って聞いたことあるし」

C「はん、そんなの知ったこっちゃないね。俺は俺なんだからどうしようもねぇし」

D「だな。それよりさぁちょっと遊ばねぇか?」

酒を飲みながら汚れきった毒を吐いていると、Dが提案をしてきた。酒が回った俺等は何も考えずにしてその提案に同意した。それを確認したDは何処からか持ってきた割り箸を裂いて準備し始める。

D「さて、これで完成だ」

出来上がったのは4本の割り箸。1本は端に赤い印、残りの3本は数字が書かれていた。
それは飲み会の中では定番になっているらしいゲームの1つ【王様ゲーム】に使われる物である。


B「こんなもん作ってどうすんのさ」

D「もちろん王様ゲームをするのさ。しかも、[大人の]方をね」

C「うわぁお、顔が怖いよD君。相変わらず悪どい事するね、でも俺参加する」

Cの行動を見て俺とBも参加した。


D「それじゃあ、初めの命令はどうする?」

Dの発言に俺は酔った頭を動かす。どうもこれと言った物が出てこない。そんな中Cが手を挙げる。内容は《女性を連れてくる》であった。

『王様だーれだ』

全員が目を瞑り、掌で棒の端を隠すようにするこうして相手に見つからないように出来る。そして俺は2を引いた。

B「俺、王様」

Bが赤い印の付いた棒を振っている。これでBが数字者を指定して引く前に決めた事をやらせるのだ。しかし、今日の俺は運勢が星座占いで1位だっt・・「2の者に命じる」・あるぇぇ?

一瞬混乱に陥っていたが、王様率いる他の者が俺を囃し立てる。その顔は正に悪魔と言うものだろう。




「しかし、女性を連れてこいって言われてもねぇ」

フロントで立っている俺はこれからの事を考える。どこに行けば良いのやら解らず先程からこんな感じであった。

「ちょっとお客さん、さっきからそこに居るけどどうかしたのかい?」

気付くと後ろの方で声を掛けられたので振り向くと俺よりも背が高い緑色の肌をした女性が立っていた。どうやらずっと立っている俺に不審を抱いて声を掛けて来たらしい。
俺は謝るとこれまでの事を説明した。すると女性が笑いながら俺に待ってろと言ってスタッフルームに消えていった。



C「・・・話は解った。今後は無闇に女性を呼べって言わない」

今、俺たちが居る部屋には俺はを除いて5名の女性が微笑みながら立っている。彼女らは先程の女性が電話で呼び出した娘達で際どい服装をしている。その光景に男友達は引きつった笑顔をしている。

「あんたの話じゃ何人って指定がなかったんでね、彼氏、旦那が居ない娘達を呼んだのさ」

緑色の女性、翠(すい)さんが笑いながらこの部屋の鍵を締め、手に持っている棒を俺らの前にある棒の入ったマグカップの中に入れた。

「さぁ、始めようか」







《2の人が8の人に熱いキスをする》
『王様だーれだ』

その掛け声によりどうやら2を引いたBは身体が強ばる。それに対して1人ガッツポーズをした女性が目に入った。見た目は犬で毛並みが焦げ茶色の娘であった。

「王様は私でーす。 2と8の者に告ぐ、真ん中に来てブチューとやっちゃって下さい」と幼い子供じみた娘が言う。

王様の命令は絶対、Bは立つと前に・・・・・進まなかった。
気付くと俺の後ろで犬の娘に押し倒されながらキスを行っている。助けが必要と思い動こうとすると「邪魔しちゃ悪いから、続きやろうぜ」と言われて止められた。




《6の人と1の人がお風呂に入ってくる》
「王様だーれだ」

棒を引いた瞬間隣のDが、ひゃあっ、と気の抜けた叫びを放ち、それを確認したかのように着物を着た女性がにっこりと微笑んでいるのが目に写った。

「私が王様です。6と1の者に告ぐ、お風呂に行ってらっしゃい」

サングラスをした女性の言葉が終わったと同時に着物の女性がDの手を取り一緒にお風呂の方に連れていった。因みにB達は未だに濃厚なキスを繰り広げている。




《4の人と5の人はみつめ合う》
『王様だーれだ』

棒を引いた瞬間にCは布団に棒を投げつけて臨戦体制を取った。なんとも分かりやすい奴である。それに対して王様は翠さんらしく少し安堵した顔を見せていた。

「4と5の者に告ぐ、すぐに行動に移せ」

するとサングラスをした女性が、すすすっとCの横に歩み寄ってきた。それに対してのファイティングポーズのCは今だ警戒が溶けていない。しかし、女性がサングラスを取った瞬間Cは吸い込まれるようにサングラスの女性の方に近付いていった。




「まだ続けるかい?」

翠さんが俺に対してそんな言葉を投げ掛けてくる。回りを見てもゲームの続行は不可能だろう。しかし、俺は目の前にある3本の内1本を掴み出す。その光景を見た翠さんと幼い子供のような娘は残った棒を掴む。

「王様の命令は、王が残った2人を愛するにしましょうか」

俺の発言に翠さん達は驚いたような顔をする、どうせ俺が王様を引く確率は3ぶんの1だ。男は度胸だ、どんとこい。

『王様だーれだ』






翌日、目を覚ますと俺は自分の部屋で目を覚ました。 身体を起こすと、両脇に見知った女性が可愛い寝息をたてて眠っている。
結論から言うと俺は結局、王様を引いてしまった。まぁ、2人の恋人が出来たんだから結果的には良かったんだろう。 そうして俺はもう一度夢の中に潜る為彼女達の中に入っていった。







《後日談》

A「あれから何があったの?」

B「ワーウルフの彼女との一緒に夜の公園で月見SEXだよ。遠吠えが喘ぎ声になったのは正直焦った」

C「気付いたら椅子になっていたあの娘、ゲイザーらしくてさ俺に暗示を掛けながら楽しんでるだよ」

D「俺は彼女と風呂に入ってそのままSEXした。それからはコスプレエッチを励んでいる」


A(・・・皆、意外と満足してるんだな)
17/07/31 01:26更新 / kirisaki

■作者メッセージ
お久しぶりです、リハビリ作品でした

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33