泥パック
仕事帰りの夜の街、居酒屋の灯りやコンビニの照明が照らされている中で俺は疲れた身体で家路へと向かっていた。
「・・あーぁ、残業があるせいでもうこんな時間かよ。次からは断ろう」
軽く愚痴を言いながらも帰って寝たい俺は重い足を動かして歩く。はたから見たら変人と思われても可笑しくないだろう。
「そこのお兄さん。お疲れみたいですね、ちょっと寄っていきませんか?」
そんな俺に誰かが声を掛けてきた。声の方を見るとそこには獣耳の女の子が立っている。俺は辺りを見て、呼ばれたのが自分なのかと指を自分に向ける。
「そうそう、なんかゾンビみたいで可笑しかったから思わず声をかけちゃった」
「ははっ・・、それよりお姉さんは飲み屋の人? それか倶楽部の人?」
今の俺に飲み食いなんて意味がないので、もしそうだったら丁重にお断りしておこうと思い彼女に質問をした。そして彼女の答えはどちらでもなく最近新しく出来たメンズエステの声掛けらしい。エステならば身体の疲れも取れるだろうと思い、お店の方へと歩みだした。
「いらっしゃいませ。魔娘スパへようこそ」
フロントで色々と手続きをし、コースメニューを眺める。最近は疲れもそうだが寒さで肌も荒れてきているので泥パックコースにして部屋へと向かった。
部屋は何故か完全防音タイプの個室で部屋の扉にはこれまた何故か鍵が掛けられるようになっている。怪しさを感じるが疲れに負けてそのまま椅子に腰かけていた。
「失礼します」
椅子に腰かけて暫くすると女性が入ってきた、手には飲み物が乗ったお盆があり俺の前に差し出された。なにやらエステ前のドリンクらしく発汗作用が出て良いらしい。俺は言われるがままにそれを飲み込み始まるのを待った。
「それでは始めていきます」
それから、数十分ぐらい掛けて身体のこりを少しずつほぐして貰った。それが気持ち良いのと疲れがあったせいか急激に眠気に襲われてしまい、気付けば意識が遠退いてしまっていた。
そして、気が付き目を開けると俺はバスタブの中に入れられていた。
「お客様、お目覚めになられましたか?これから泥パックを行わせて頂きます」
その言葉に、寝起きの俺の脳が疑問をぶつけてくる。・・・どうしてバスタブに居るんだ?と。
「ちょ、・まっt」
「それではぁー、はじめまーす」
俺が話している最中にも関わらずバスタブの蛇口から勢い良く泥が出てきた。
蛇口から落ちる度、ボコボコと音をたてる泥に本当にこれがパックか?と思うもどうしようもないと感じ我慢することにした。
暫くすると腹部まで泥に浸かってしまう、しかし嫌ではなくむしろ温かく居心地が良い。下手したらまたしても眠ってしまいそうになる。そう思いながらも瞼が徐々に下がり始めていた。
ふにゅん
「・・今、何かに触られた?」
眠りに落ちる寸前に、俺の足に何かが触れた感覚がした。泥?いや、それよりも柔らかかった。まるで・・・
「なにやってんの?君は」
「私、ドロームって言いますぅ。お兄さんの泥パック担当になりましたぁ」
「担当って、・・・まさか!!」
「もちろん、スッキリさせるためですよぉ。・・・一緒に気持ち良くなりましょ❤」
そう言いながら彼女は徐々に俺の方へと向かってくる。俺は逃げようと思うも身体が動かせずただこれから起こることを思うしかなかった。
それからしばらくの事、俺はまた残業をしてまたあの道を歩いている。しかし疲れているのにも関わらず足は確実に目的地を目指している。
「やぁ、お兄さん。今日も残業かい? お疲れ様だね。今日も泥パック?」
声掛けの女の子にからかわれながらも、目的の場所まで辿り着き意気揚々に中に入っていく。
「・・あーぁ、残業があるせいでもうこんな時間かよ。次からは断ろう」
軽く愚痴を言いながらも帰って寝たい俺は重い足を動かして歩く。はたから見たら変人と思われても可笑しくないだろう。
「そこのお兄さん。お疲れみたいですね、ちょっと寄っていきませんか?」
そんな俺に誰かが声を掛けてきた。声の方を見るとそこには獣耳の女の子が立っている。俺は辺りを見て、呼ばれたのが自分なのかと指を自分に向ける。
「そうそう、なんかゾンビみたいで可笑しかったから思わず声をかけちゃった」
「ははっ・・、それよりお姉さんは飲み屋の人? それか倶楽部の人?」
今の俺に飲み食いなんて意味がないので、もしそうだったら丁重にお断りしておこうと思い彼女に質問をした。そして彼女の答えはどちらでもなく最近新しく出来たメンズエステの声掛けらしい。エステならば身体の疲れも取れるだろうと思い、お店の方へと歩みだした。
「いらっしゃいませ。魔娘スパへようこそ」
フロントで色々と手続きをし、コースメニューを眺める。最近は疲れもそうだが寒さで肌も荒れてきているので泥パックコースにして部屋へと向かった。
部屋は何故か完全防音タイプの個室で部屋の扉にはこれまた何故か鍵が掛けられるようになっている。怪しさを感じるが疲れに負けてそのまま椅子に腰かけていた。
「失礼します」
椅子に腰かけて暫くすると女性が入ってきた、手には飲み物が乗ったお盆があり俺の前に差し出された。なにやらエステ前のドリンクらしく発汗作用が出て良いらしい。俺は言われるがままにそれを飲み込み始まるのを待った。
「それでは始めていきます」
それから、数十分ぐらい掛けて身体のこりを少しずつほぐして貰った。それが気持ち良いのと疲れがあったせいか急激に眠気に襲われてしまい、気付けば意識が遠退いてしまっていた。
そして、気が付き目を開けると俺はバスタブの中に入れられていた。
「お客様、お目覚めになられましたか?これから泥パックを行わせて頂きます」
その言葉に、寝起きの俺の脳が疑問をぶつけてくる。・・・どうしてバスタブに居るんだ?と。
「ちょ、・まっt」
「それではぁー、はじめまーす」
俺が話している最中にも関わらずバスタブの蛇口から勢い良く泥が出てきた。
蛇口から落ちる度、ボコボコと音をたてる泥に本当にこれがパックか?と思うもどうしようもないと感じ我慢することにした。
暫くすると腹部まで泥に浸かってしまう、しかし嫌ではなくむしろ温かく居心地が良い。下手したらまたしても眠ってしまいそうになる。そう思いながらも瞼が徐々に下がり始めていた。
ふにゅん
「・・今、何かに触られた?」
眠りに落ちる寸前に、俺の足に何かが触れた感覚がした。泥?いや、それよりも柔らかかった。まるで・・・
「なにやってんの?君は」
「私、ドロームって言いますぅ。お兄さんの泥パック担当になりましたぁ」
「担当って、・・・まさか!!」
「もちろん、スッキリさせるためですよぉ。・・・一緒に気持ち良くなりましょ❤」
そう言いながら彼女は徐々に俺の方へと向かってくる。俺は逃げようと思うも身体が動かせずただこれから起こることを思うしかなかった。
それからしばらくの事、俺はまた残業をしてまたあの道を歩いている。しかし疲れているのにも関わらず足は確実に目的地を目指している。
「やぁ、お兄さん。今日も残業かい? お疲れ様だね。今日も泥パック?」
声掛けの女の子にからかわれながらも、目的の場所まで辿り着き意気揚々に中に入っていく。
17/03/25 16:09更新 / kirisaki