0話 はじまり
『あん♥ あっ イイッ♥イクッ 』
太陽が高く昇るお昼頃、朝から見ているビデオがやっと終わりそうになる。 ここん所家の手伝いでなかなか観れなかったから満足。
「ケイト。 村長さんから電話よ」
ケイトとは、俺の名前である。今日まで恋人居ない歴24年。
それよりも人が楽しんでいるときに、何の用なんだあの村長。 特に用無かったら縛り上げとこう。 そんなこんなで、仕方なく村長の電話にでた。
「おぉ、ケイトよくぞ来てくれた」
電話で家に来いと呼ばれた俺は、言い訳を発するも呆気なく反され仕方なく村長の家に行くことにした。 家に着くと、村長が歓迎の意味で抱き付こうとしたが生憎男に抱かれる気にはならないため避けて転ばした。
転がる村長は置いといて、何でこの家に20人ぐらいの男女、しかも俺とさほど変わらない年齢の奴等が居るのかが不思議である。
「全員、私が呼んだんだ」
気がつくといつの間にか起き上がっていた村長。 俺はその言葉の意味を聞こうと思ったが、すぐに前の方に向かってしまった。
「いきなり集まって貰い感謝する。君たちも知っていると思うが先日、隣の村に魔物が現れたとの報告が届いた。内容は住民・家畜の被害、建物の損傷が殆んどだ。このままではこの村にも危険が及ぶ可能性が高い。そこで君達を3組に分かれて行動して貰いたい」
村長の言葉が終わった時、ざわめきが起きた。 自分がどの組に入るか話し合う為だろう、俺だったら一番楽なやつを選ばせて貰うことにしようと考えた。
「それじゃ、分かれて貰う役割を説明する。1つ目は隣村の救援組、これは隣村まで物資の運搬及び援助をしてもらう。 2つ目はこの村の護衛組、いつ魔物が襲って来るかも解らん状況にある村を守ってもらう。 3つ目は、・・・魔王討伐組だ」
村長の口から出た言葉に俺を含め全員が驚いただろう、ざわめきが先程よりも強くなった。
「危険なのは充分承知している。しかし元を絶たねば次から次へと押し寄せて来るかも知れない。 私だってこんな事は頼みたくはないか仕方無いのだ」
その言葉を放つ村長の表情が歪む。 しかし、誰も村長を攻めたりはしない。こういった決め事は村の長老たちが決めるからだ。前に長老の無理な決め事を課せられた時、村長が異を発してくれたが、村長は言い難い仕打ちを受けている。だから、誰も村長を攻めたりはしない。
「3つ目は気にするな。 人が足りずに無理だったとでも伝えとくから」
村長は先ほどの表情を払うように話しだす。たぶん、俺たちを気遣っているからだろう。 そうして、俺たちは各自役割を希望しその場から離れていき、そして、最後には俺がその場に残った。
「ケイト、最後になってしまったが救援か援護のどちらかを選んでくれ」
台の上に3つに分かれた紙が置かれておりその紙に名前が書かれている。予想通り魔王退治の欄には一人も記入されていない。
(楽なのを選びたいのにどれも難しい。・・・人生楽じゃないな)
そんなこと思いながら名前を書き綴った。
翌日、誰もいない村の門の前で重い荷物を持ちながら朝日を眺めていた。
俺がいなくても気づくのは何人かだろうがそれも暫くすれば忘れさられるだろう。
「待ってろよ村長。魔王を倒してジジイ共を見返してやろうぜ」
そう言って俺は、最初の一歩を踏みしめた。
太陽が高く昇るお昼頃、朝から見ているビデオがやっと終わりそうになる。 ここん所家の手伝いでなかなか観れなかったから満足。
「ケイト。 村長さんから電話よ」
ケイトとは、俺の名前である。今日まで恋人居ない歴24年。
それよりも人が楽しんでいるときに、何の用なんだあの村長。 特に用無かったら縛り上げとこう。 そんなこんなで、仕方なく村長の電話にでた。
「おぉ、ケイトよくぞ来てくれた」
電話で家に来いと呼ばれた俺は、言い訳を発するも呆気なく反され仕方なく村長の家に行くことにした。 家に着くと、村長が歓迎の意味で抱き付こうとしたが生憎男に抱かれる気にはならないため避けて転ばした。
転がる村長は置いといて、何でこの家に20人ぐらいの男女、しかも俺とさほど変わらない年齢の奴等が居るのかが不思議である。
「全員、私が呼んだんだ」
気がつくといつの間にか起き上がっていた村長。 俺はその言葉の意味を聞こうと思ったが、すぐに前の方に向かってしまった。
「いきなり集まって貰い感謝する。君たちも知っていると思うが先日、隣の村に魔物が現れたとの報告が届いた。内容は住民・家畜の被害、建物の損傷が殆んどだ。このままではこの村にも危険が及ぶ可能性が高い。そこで君達を3組に分かれて行動して貰いたい」
村長の言葉が終わった時、ざわめきが起きた。 自分がどの組に入るか話し合う為だろう、俺だったら一番楽なやつを選ばせて貰うことにしようと考えた。
「それじゃ、分かれて貰う役割を説明する。1つ目は隣村の救援組、これは隣村まで物資の運搬及び援助をしてもらう。 2つ目はこの村の護衛組、いつ魔物が襲って来るかも解らん状況にある村を守ってもらう。 3つ目は、・・・魔王討伐組だ」
村長の口から出た言葉に俺を含め全員が驚いただろう、ざわめきが先程よりも強くなった。
「危険なのは充分承知している。しかし元を絶たねば次から次へと押し寄せて来るかも知れない。 私だってこんな事は頼みたくはないか仕方無いのだ」
その言葉を放つ村長の表情が歪む。 しかし、誰も村長を攻めたりはしない。こういった決め事は村の長老たちが決めるからだ。前に長老の無理な決め事を課せられた時、村長が異を発してくれたが、村長は言い難い仕打ちを受けている。だから、誰も村長を攻めたりはしない。
「3つ目は気にするな。 人が足りずに無理だったとでも伝えとくから」
村長は先ほどの表情を払うように話しだす。たぶん、俺たちを気遣っているからだろう。 そうして、俺たちは各自役割を希望しその場から離れていき、そして、最後には俺がその場に残った。
「ケイト、最後になってしまったが救援か援護のどちらかを選んでくれ」
台の上に3つに分かれた紙が置かれておりその紙に名前が書かれている。予想通り魔王退治の欄には一人も記入されていない。
(楽なのを選びたいのにどれも難しい。・・・人生楽じゃないな)
そんなこと思いながら名前を書き綴った。
翌日、誰もいない村の門の前で重い荷物を持ちながら朝日を眺めていた。
俺がいなくても気づくのは何人かだろうがそれも暫くすれば忘れさられるだろう。
「待ってろよ村長。魔王を倒してジジイ共を見返してやろうぜ」
そう言って俺は、最初の一歩を踏みしめた。
14/05/20 22:48更新 / kirisaki
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