読切小説
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取立て屋(気にしないでね)
「もしもーし、こんばんはー。このみさん居るんでしょ?家賃払ってくださーい」

現在夜の8時。貸家にいるオークの姉妹から家賃をとりたてる日である。
まずは、姉妹の中で大雑把な性格の長女。このみの貸家である藁の家にて作業を開始している。・・・のだが、いくら呼んでも返事がない。
仕方無いので強行にむかうとしよう。

「・・・・・・・・何してんの?」
「・・・お仕置き」

合鍵でドアを開けると、下着を身に着けていないこのみがいた。 しかも彼女の前には鞭とローターが置かれている。

「前回の"アレ"が忘れられ無くて、今月も滞納したらお仕置きしてくれるかなって思ってさ」

そんなことを言いながら身体をくねくねと動かす。どうやら妄想して発情したようだ。
仕方がない。そう思って鞭とローターを手に取り彼女に寄り添った。



それから数十分後、俺は支払われたお金と共に藁の家を出た。その奥では、全身に鞭の跡がついているこのみがいて、下半身からは白い液体。そして彼女の表情は蕩けきっていた。
次に向かうは木の家。次女のこはくが住んでおり、姉に比べると以外と素直である。

「やぁ、毎回ご苦労だね。・・・はい、今回の分だ」

何も言わない俺に対して彼女は速やかに家賃を渡してくる。・・・こうするのは、訳ありである。

「確かに丁度だ。それで? 今回はどういう感じを?」
「知り合いに借りたこれなんだけど・・・・」

彼女が渡してきたのは寝とられ系のDVD。・・・どうして姉妹揃ってやられ役がしたいのだろうか。溜め息をついた後、俺は彼女の家に招かれた。


「えっと、"じゃあな奥さん。後で旦那に可愛がってもらいな"」

家を出たと同時に俺の中のなにかが崩れていった気がした。・・・毎回毎回、こんなのに付き合わされたら俺が俺でなくなる気がしてきた。

そんなことを考えながら目の前には煉瓦の家があった。俺は何もないようにしてドアを開いた。

「ただいまぁ」
「お帰りなさーい」

中に入ると、姉妹の末っ子であり俺の妻である、かおるがエプロン姿で迎えてくれた。

「ただいま、良い子にしていたか?」
「うん、姉さん達はどうだった?」
「まぁ、元気だったよ。・・・ある意味ね」

俺の言葉にかおるが申し訳無さそうに笑う。その表情に少しだけムラっときた。

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・
・・
・・


「それで、その後滅茶苦茶子作りに励んだと。 若いって良いわね」
「姉さん、僻んじゃ駄目だよ。ラブラブ担当はかおるなんだから」
「担当って・・・姉さんたちも、普通にしてみたら?」


「「絶対いや」」

後日、そんなことを話していることを俺は知らない
15/08/27 00:32更新 / kirisaki

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