村一番のおしどり夫婦が、おしどり(けだもの)夫婦になってしまうまで
その二人は村一番と評判のおしどり夫婦だった。
夫の名前はいくま。大柄で体毛も濃い熊のような容姿だが、優しく気のいい男。
妻の名前はふうか。細い体つきと大人しい見目の、料理も旨く気立ての良い女。
生活は決して裕福ではなかったが、お互いがいるだけで二人は幸せだった。
そんなある日。
「それじゃあ、オラは山へ狩りにいってくるだ」
「私は買い出しにいってきますね。今日はお鍋の予定です」
「おぉ、楽しみにしてるだ」
山へ狩りに行くいくまを見送った後、村の商店で二人分の食材を買っていたふうかは不意に声をかけられた。
「そこのお嬢さん」
「え、私ですか?」
「はい」
声をかけてきたのは、商店によく通っているふうかでも見慣れない相手だった。店と店の間の地面にござを敷いて座り、そこに様々な品を並べている。
「行商人の方、ですか?」
「ええ。この村には、昨日着いたばかりなんです」
「そうなんですか」
「はい。ところで、買い出しにしてはずいぶん多いですけど、その量お一人で食べるんですか?」
「いえ、旦那様がいるので、二人分です」
「結婚していらっしゃるんですか?」
「はい。とても優しい旦那様です」
そう言って幸せそうに笑うふうかの笑顔を見て、行商人は感激したように声を漏らした。
「ふふ、すごく幸せそうですね。……よければ、そんな幸せな夫婦にぴったりな商品があるのですが、いかがです?」
「ありがたいのですが、あまり持ち合わせが」
「大丈夫、安くしておきます。ひとまず見てみてください」
「はあ……」
勧められるまま、ふうかは行商人に差し出された品を見る。それは銀色に光る、質素だが上品な造りをした一組の指輪だった。
「これはエンゲージリング、というものです。ジパングではあまり馴染みがないでしょうけれど、外国だと夫婦が永遠の愛を誓って互いの左手の薬指につけるんです」
「永遠の、愛……」
「ええ。よければどうですか?」
行商人に提示された値段は、ふうかでも充分買えるほど安かった。何より、『永遠の愛』という言葉に心を惹かれていた。
「……いいんですか?」
「いいです」
「じゃあ、いただきます」
「はい、ありがとう」
ふうかは指輪を受け取り、嬉しそうに眺めている。
「旦那様によろしく」
「はい」
機嫌よく去っていくふうかの背を見て、行商人の女は笑みを深めていた。
*
「いくまさん」
「ん?」
夕食の後、夫婦の布団を用意していたいくまに、ふうかは指輪を見せる。
「これは?」
「エンゲージリング、というそうです。外国では、結婚のときに夫婦が永遠の愛を誓って互いの左手薬指につけるそうです」
ふうかは話しながら、指輪の片方をいくまに手渡した。
「あの、それで……私に、つけてくれませんか?」
「……もちろんだ」
愛する妻からのお願いに、快く頷くいくま。太い指で指輪を掴み、もう片方の手でふうかの左手をとり、指輪を細い薬指に通していく。
「愛してるだ、ふうかさん」
「はい。私も、いくまさんを愛しています」
そう言って、ふうかももう片方の指輪をいくまの左手薬指に通していく。彼の太くゴツゴツした指にも、不思議とぴったりと合う大きさだった。
「……ふふ」
「ははは」
互いの指輪を見つめ合い、照れくさそうに、しかし幸せそうに二人は笑う。
「これからも、よろしくお願いしますね、旦那様」
「こちらこそ、末永くよろしくお願いします」
微笑み合い、二人は同じ布団に入る。軽く口づけ合ってから、眠りについた。
そして、深夜。ふと違和感を感じ、いくまは目を覚ました。
「ん、ふ……」
「ふうかさん?」
いくまの腕の中で眠っていたふうかが、顔を赤くして熱い息を吐いていた。寝苦しかったのか、寝間着の襦袢が乱れて胸元が露わになっている。
「ど、どうしただ、気分悪いだか?」
「なん、だか、体が熱くて……」
頬を紅潮させ、瞳を潤わせて上目遣いしているふうかの艶めかしい雰囲気にあてられ、いくまも顔を赤くし、同時に股間の肉棒が硬くなる。
「あ、いくま、さん……」
「す、すまねぇだ」
抱き合って寝ているため、今にも襦袢を突き破りそうなほど勃起しているいくまの肉棒が、ふうかのふとももに当たっている。
「いくまさん、私、熱い、です……」
ふとももを擦り合わせながら、乳房を押し当てているふうか。細い体に見合う程度の大きさしかなかったはずの乳房は、今にも零れ落ちそうなほど大きくなっていた。
ふうかの急激な変化にいくまが戸惑っているうちに、押し倒されて跨られる。見たことのないその煽情的な姿に圧倒され、いくまは自らの上で衣服を脱いでいく妻の姿をただ眺めるしかできなかった。
「からだが、熱くてたまらないんです、抱いて、ください……!」
「ふ、ふうかさ、んぅ」
止めきれず、ふうかに口づけられるいくま。体をすり寄せられながら、口内に舌をねじ込まれて貪られる。
「いれ、ます……!」
「お、ぉぉっ……!」
いつの間にかいくまは襦袢の下を脱がされ、雄々しく勃起している太く硬い肉棒を取り出される。ふうかはその肉棒を自らの秘所にあてがうと、一気に腰を落として挿入する。
「あんっ、あ、んんっ!」
「くおぉぉ、おっ……!」
肉棒が挿入された瞬間、二人は獣のような喘ぎ声を放つ。今までしてきた夫婦の交わりと比べ物にならないほどの快感と多幸感と愛しさが襲い掛かっていた。
その強烈な快感に辛抱堪らず、衝動的にいくまは自らの上に跨っているふうかを抱きしめて激しく突き上げた。
「あはぁん、いくまさん、はげしい、ですっ!」
「す、すまねぇだ、でも、我慢できねぇっ!」
「んん、いいです、我慢なんてしなくていいですから、もっと、もっと愛してください!」
いくまの激しい腰遣いに応えるように、ふうかも激しく腰を振りながら抱き返し、甘えるようにその肢体を擦り寄せ、襦袢が乱れて露わになった夫の剛毛の胸板を撫で回しながら互いに舌を絡め合う濃厚な口づけを交わす。互いの唾液が混ざり合い貪り合う水音が響く。
「ん、きもちいい、きもちいいです、もっとぉっ!」
「うお、ぉぉぉっ!」
求められるがまま、いくまは腰を振って肉棒で子宮を突き上げる。その動きに合わせるかのようにふうかの秘所内は蠢き、肉棒を的確に包み込みながら締まっていく。
そのあまりに絶妙な動きと刺激に、いくまは耐えきれずに声を上げた。
「うぉぉ、すまねぇ、こんなの、我慢できねぇ、もう、出るだ……!」
「はい、出して、出してください、私の子宮にたくさん……!」
子宮を突き上げた瞬間、またも肉棒を締め付けられ、ついにいくまも限界を迎えて射精し、そのまま大量の濃厚な精液を注ぎ込んでいく。精液が子宮内を満たしていく快感に、ふうかも身震いしながら絶頂していた。
しばらくの間、あまりの快感とその余韻に両者とも痙攣が止まらなかった。
「あ、お、は、あ……」
「く、お、ぉぉぉ……」
いくまが息を整えていると、ふうかがさらに腰を艶めかしく動かし始めた。
「ふ、ふうかさん……!?」
「ごめんなさい、でも、体が、疼いて、止まらないんです……!」
けだもののように、激しく腰を振っていくまの上で上下しているふうか。そんな彼女の本性を表すかのように、頭部と臀部に狐の耳と尻尾が生えていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、はしたない妻でごめんなさい……!」
「ふうか、さん……!」
「でも、もっと、してほしいんです、もっと、激しく抱いて、めちゃくちゃに愛してください……!」
泣きながら懇願してくるふうかの姿に、いくまのかろうじて保っていた理性がぷつりと切れ、目の前の雌を貪りつくすという雄の本能が完全に解き放たれた。
「ふうかぁ!」
「んん、あああん!」
いくまは強引に体を入れ替えふうかに圧し掛かると、自らの肉棒を容赦なくその子宮へと叩きつけるかのように力強く腰を振り始めた。
「ん゛っ、ぁ、ぉんぅっ!」
「オラもだ、オラもずっと、こうしてめちゃくちゃに抱きたかった!」
「あ、ん、うれしい、ですっ!」
体重をかけて強く肉棒をふうかの最奥へと押し込んだ後、いくまはそのままぐりぐりとほじくるように動いて子宮口を刺激する。
「んん、ぁ゛、そ、こぉっ!」
「どうだ、きもちいいかぁ!?」
「はい、ん、きもちいいです、もっとしてくださいっ!」
言いつつ、ふうかは夫がより的確に自らの最奥を責められるよう、ごちゅごちゅと強く肉棒を打ち付けてくるいくまの腰に足を絡めてがっちりと固定する。
「んあ゛っ、あ、イク、イきます……!」
「ああ、ガンガン突いてやるから、そのままイけ!」
「は、い、ん゛っ、んんんっ!」
激しい腰遣いを受け止めたふうかは、ぷしゅぅ、と秘所から潮を吹いて絶頂するが、いくまは止まることなく肉棒を抽送し続ける。
「あ、まだ、イッた余韻、が、あ、あ、また、すぐにイきますぅ……!」
「何度でもイけばいいだ、いくらでもしてやる……!」
「あ、はぁ、あ、んく……!」
即座に絶頂寸前まで昂りながらも、ふうかはいくまの耳元に唇を寄せて囁く。
「いくま、さんも、出して、くださ、い……!」
「ああ、もちろん、何度でも出すだ……!」
「あ、は、お願い、します……!」
貪り合うように口づけ舌を絡ませながら交わる二人は、同時に限界を迎えた。
「んぉ、ぉぉんっ!」
「おっ、ぉぉぉぉ!」
絶頂と射精を迎え、けだものの咆哮のような声で喘ぐ二人。
射精しきった後いくまが肉棒を引き抜くと、カリに引っかって大量の精液も一緒に掻き出された。
「あ、せっかくの、だんなさまの、せいえき……」
「心配ないだ、まだまだ出せる」
そういって、いくまは依然逞しい太さと硬さを保っている雄々しい肉棒を見せつける。それを見たふうかも、生唾を呑み込みながら恍惚とした笑みを浮かべた。
「ん、さすがです、旦那様……」
「ふふ、まだまだ休ませるつもりはないだ」
「はい。今度は、後ろからお願いします」
「よっしっ!」
四つん這いになったふうかの尻を鷲掴み、いくまは肉棒を一気に挿入するとそのまま激しく抽送し始める。
「ああん、ふっとぉぃ、大きい……!」
「ふうかのこっちも、大きいだ……!」
突き上げるたびに振り子のように前後に揺れるふうかの巨乳を鷲掴みして、いくまは丹念に揉みしだいていく。
「あん、もっと、おっぱいめちゃくちゃに揉みしだいてください……!」
「へへ、ほうらっ!」
「あんっ!」
柔らかく張りのある乳房はたっぷり揉みしだき、淡い桃色をした乳首は摘まんで引っ張ったりと、いくまに好き放題に巨乳を愛撫していた。
そしてそのたびに、ふうかは甘い嬌声を漏らす。
「あはぁん、いい、いいです……!」
「オラも気持ちいいだ……!」
「あっ、あっ、あっ、んっ!」
「ほ、ほ、ほ、ほぉっ」
いくまが肉棒を抜ける寸前まで腰を引き、一気に押し込んで最奥を突きあげてやると、ふうかの体は一際高く嬌声をあげた。
肉棒を締め付けながら快感で震えている感触とふうかの反応に、いくまは満足そうに笑みを浮かべる。
「これが、いいだかっ?」
「はぃっ、一気に一番奥突かれるの、気持ちよすぎて……!」
「なら、もっとしてやるだっ!」
「あひぃ、んあっ、おっほぉぁんっ!」
勢いよく幾度も最奥を突き上げる。ふうかの巨乳が揺れ、耳や尻尾も震える。
「ここ、感覚どうなってるだ?」
「あっ、耳は、あぁ……!」
いくまが狐耳に息を吹きかけると、それだけでふうかの体が快感で跳ねた。
「結構、弱いんだなぁ」
「あ、だめ、もう、イク……!」
「くぅ、オラもまた出すだ……!」
「はい、中に、子宮にたくさん注いでください……!」
「お、おぉぉぉ!」
いくまは雄叫びを上げながら射精し、子宮内に精液を大量に注ぎ込みながらも興奮が止まらずに腰を打ち付け続けていた。
ふうかも子宮内が精液で満たされていく歓喜と快感に絶頂しつつも、いくまの動きに応えるように懸命に肉棒を締め付ける。
「ああ、腰止まらねぇだ……堪えられねぇ……!」
「こらえなくていいです、ぜんぶ、ぜんぶぶつけてください……!」
「く、ぉぉぉぉぉ!」
いくまは雄叫びをあげると、ふうかの体を抱きかかえたまま立ち上がり、下から強烈な一突きを幾度もぶちかます。ふうかの自重もあって、肉槍はより深く強く突き刺さり、愛液と精液の混じった液体を周囲に撒き散らす。
「あ、おっ、ん、それ、はぁ、おっ……!」
「ふん、ぬぅ!」
「あひぃ、お、あ、これ、あ、だめ、イグ……!」
乱暴な交わりによってゴリゴリと秘所内をえぐられる被虐的な快感に、ふうかの体ががくがくと痙攣し始めた。
一方のいくまも、まるで妻を物の様に扱っている酷く乱暴な交わりに嗜虐的な快感と征服感が迸り、興奮がより一層激しくなっていく。
「お、ぉぉぉぉぉ、出すだぁぁぁぁ!」
「おっ、ほぉ、ぁぁぁぉぁぁぁぁ!」
今日最も濃厚で最大量の精液を子宮に射精され、ふうかは体を大きくのけ反らせ秘所からは潮を噴きながら激しく絶頂し、今日一番の嬌声と雄叫びが村中へと響き渡った。
*
「……やりすぎたでしょうか……?」
昼間、ふうかに指輪を渡した行商人が、そうぼやきながらいくまたちの自宅を眺めていた。
狐の耳と九本もの大きな尻尾をもつ魔物娘の稲荷である彼女は、腕を組んで考え始める。
「……なんだか色々無理我慢している気配があったから、指輪に強めに魔力を込めただけだったのですが。想像以上にあの夫婦の素質が高かったようですね」
夫婦の交わりはいまだ終わっておらず、嬌声や雄叫びがあがるたびに狐火が形を為して、家屋から村へと飛んでいく。
「この様子だと、この村はいずれ狐火や狐憑きだらけの村になっていそうですね」
言いつつ、狐火が別の家に入っていくのを見送る。
「まあ、この様子だと数日は出てこないでしょうし。頃合いをみて、また来ましょう。小道具も用意して」
そう独りごちると彼女はふわりと飛び上がり、そのまま夜空へと姿を消した。
その後、その村では一週間ほど、村中でけだものの嬌声が絶え間なくずっと響き続けていたそうだ。
「いくまさん、愛してます、もっともっと抱いてください、孕ませてください!」
「オラも愛してるだふうか、種付けしまくって孕ませてやるからな!」
「はい、あ、んっ、んんんんんんんっ!」
夫の名前はいくま。大柄で体毛も濃い熊のような容姿だが、優しく気のいい男。
妻の名前はふうか。細い体つきと大人しい見目の、料理も旨く気立ての良い女。
生活は決して裕福ではなかったが、お互いがいるだけで二人は幸せだった。
そんなある日。
「それじゃあ、オラは山へ狩りにいってくるだ」
「私は買い出しにいってきますね。今日はお鍋の予定です」
「おぉ、楽しみにしてるだ」
山へ狩りに行くいくまを見送った後、村の商店で二人分の食材を買っていたふうかは不意に声をかけられた。
「そこのお嬢さん」
「え、私ですか?」
「はい」
声をかけてきたのは、商店によく通っているふうかでも見慣れない相手だった。店と店の間の地面にござを敷いて座り、そこに様々な品を並べている。
「行商人の方、ですか?」
「ええ。この村には、昨日着いたばかりなんです」
「そうなんですか」
「はい。ところで、買い出しにしてはずいぶん多いですけど、その量お一人で食べるんですか?」
「いえ、旦那様がいるので、二人分です」
「結婚していらっしゃるんですか?」
「はい。とても優しい旦那様です」
そう言って幸せそうに笑うふうかの笑顔を見て、行商人は感激したように声を漏らした。
「ふふ、すごく幸せそうですね。……よければ、そんな幸せな夫婦にぴったりな商品があるのですが、いかがです?」
「ありがたいのですが、あまり持ち合わせが」
「大丈夫、安くしておきます。ひとまず見てみてください」
「はあ……」
勧められるまま、ふうかは行商人に差し出された品を見る。それは銀色に光る、質素だが上品な造りをした一組の指輪だった。
「これはエンゲージリング、というものです。ジパングではあまり馴染みがないでしょうけれど、外国だと夫婦が永遠の愛を誓って互いの左手の薬指につけるんです」
「永遠の、愛……」
「ええ。よければどうですか?」
行商人に提示された値段は、ふうかでも充分買えるほど安かった。何より、『永遠の愛』という言葉に心を惹かれていた。
「……いいんですか?」
「いいです」
「じゃあ、いただきます」
「はい、ありがとう」
ふうかは指輪を受け取り、嬉しそうに眺めている。
「旦那様によろしく」
「はい」
機嫌よく去っていくふうかの背を見て、行商人の女は笑みを深めていた。
*
「いくまさん」
「ん?」
夕食の後、夫婦の布団を用意していたいくまに、ふうかは指輪を見せる。
「これは?」
「エンゲージリング、というそうです。外国では、結婚のときに夫婦が永遠の愛を誓って互いの左手薬指につけるそうです」
ふうかは話しながら、指輪の片方をいくまに手渡した。
「あの、それで……私に、つけてくれませんか?」
「……もちろんだ」
愛する妻からのお願いに、快く頷くいくま。太い指で指輪を掴み、もう片方の手でふうかの左手をとり、指輪を細い薬指に通していく。
「愛してるだ、ふうかさん」
「はい。私も、いくまさんを愛しています」
そう言って、ふうかももう片方の指輪をいくまの左手薬指に通していく。彼の太くゴツゴツした指にも、不思議とぴったりと合う大きさだった。
「……ふふ」
「ははは」
互いの指輪を見つめ合い、照れくさそうに、しかし幸せそうに二人は笑う。
「これからも、よろしくお願いしますね、旦那様」
「こちらこそ、末永くよろしくお願いします」
微笑み合い、二人は同じ布団に入る。軽く口づけ合ってから、眠りについた。
そして、深夜。ふと違和感を感じ、いくまは目を覚ました。
「ん、ふ……」
「ふうかさん?」
いくまの腕の中で眠っていたふうかが、顔を赤くして熱い息を吐いていた。寝苦しかったのか、寝間着の襦袢が乱れて胸元が露わになっている。
「ど、どうしただ、気分悪いだか?」
「なん、だか、体が熱くて……」
頬を紅潮させ、瞳を潤わせて上目遣いしているふうかの艶めかしい雰囲気にあてられ、いくまも顔を赤くし、同時に股間の肉棒が硬くなる。
「あ、いくま、さん……」
「す、すまねぇだ」
抱き合って寝ているため、今にも襦袢を突き破りそうなほど勃起しているいくまの肉棒が、ふうかのふとももに当たっている。
「いくまさん、私、熱い、です……」
ふとももを擦り合わせながら、乳房を押し当てているふうか。細い体に見合う程度の大きさしかなかったはずの乳房は、今にも零れ落ちそうなほど大きくなっていた。
ふうかの急激な変化にいくまが戸惑っているうちに、押し倒されて跨られる。見たことのないその煽情的な姿に圧倒され、いくまは自らの上で衣服を脱いでいく妻の姿をただ眺めるしかできなかった。
「からだが、熱くてたまらないんです、抱いて、ください……!」
「ふ、ふうかさ、んぅ」
止めきれず、ふうかに口づけられるいくま。体をすり寄せられながら、口内に舌をねじ込まれて貪られる。
「いれ、ます……!」
「お、ぉぉっ……!」
いつの間にかいくまは襦袢の下を脱がされ、雄々しく勃起している太く硬い肉棒を取り出される。ふうかはその肉棒を自らの秘所にあてがうと、一気に腰を落として挿入する。
「あんっ、あ、んんっ!」
「くおぉぉ、おっ……!」
肉棒が挿入された瞬間、二人は獣のような喘ぎ声を放つ。今までしてきた夫婦の交わりと比べ物にならないほどの快感と多幸感と愛しさが襲い掛かっていた。
その強烈な快感に辛抱堪らず、衝動的にいくまは自らの上に跨っているふうかを抱きしめて激しく突き上げた。
「あはぁん、いくまさん、はげしい、ですっ!」
「す、すまねぇだ、でも、我慢できねぇっ!」
「んん、いいです、我慢なんてしなくていいですから、もっと、もっと愛してください!」
いくまの激しい腰遣いに応えるように、ふうかも激しく腰を振りながら抱き返し、甘えるようにその肢体を擦り寄せ、襦袢が乱れて露わになった夫の剛毛の胸板を撫で回しながら互いに舌を絡め合う濃厚な口づけを交わす。互いの唾液が混ざり合い貪り合う水音が響く。
「ん、きもちいい、きもちいいです、もっとぉっ!」
「うお、ぉぉぉっ!」
求められるがまま、いくまは腰を振って肉棒で子宮を突き上げる。その動きに合わせるかのようにふうかの秘所内は蠢き、肉棒を的確に包み込みながら締まっていく。
そのあまりに絶妙な動きと刺激に、いくまは耐えきれずに声を上げた。
「うぉぉ、すまねぇ、こんなの、我慢できねぇ、もう、出るだ……!」
「はい、出して、出してください、私の子宮にたくさん……!」
子宮を突き上げた瞬間、またも肉棒を締め付けられ、ついにいくまも限界を迎えて射精し、そのまま大量の濃厚な精液を注ぎ込んでいく。精液が子宮内を満たしていく快感に、ふうかも身震いしながら絶頂していた。
しばらくの間、あまりの快感とその余韻に両者とも痙攣が止まらなかった。
「あ、お、は、あ……」
「く、お、ぉぉぉ……」
いくまが息を整えていると、ふうかがさらに腰を艶めかしく動かし始めた。
「ふ、ふうかさん……!?」
「ごめんなさい、でも、体が、疼いて、止まらないんです……!」
けだもののように、激しく腰を振っていくまの上で上下しているふうか。そんな彼女の本性を表すかのように、頭部と臀部に狐の耳と尻尾が生えていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、はしたない妻でごめんなさい……!」
「ふうか、さん……!」
「でも、もっと、してほしいんです、もっと、激しく抱いて、めちゃくちゃに愛してください……!」
泣きながら懇願してくるふうかの姿に、いくまのかろうじて保っていた理性がぷつりと切れ、目の前の雌を貪りつくすという雄の本能が完全に解き放たれた。
「ふうかぁ!」
「んん、あああん!」
いくまは強引に体を入れ替えふうかに圧し掛かると、自らの肉棒を容赦なくその子宮へと叩きつけるかのように力強く腰を振り始めた。
「ん゛っ、ぁ、ぉんぅっ!」
「オラもだ、オラもずっと、こうしてめちゃくちゃに抱きたかった!」
「あ、ん、うれしい、ですっ!」
体重をかけて強く肉棒をふうかの最奥へと押し込んだ後、いくまはそのままぐりぐりとほじくるように動いて子宮口を刺激する。
「んん、ぁ゛、そ、こぉっ!」
「どうだ、きもちいいかぁ!?」
「はい、ん、きもちいいです、もっとしてくださいっ!」
言いつつ、ふうかは夫がより的確に自らの最奥を責められるよう、ごちゅごちゅと強く肉棒を打ち付けてくるいくまの腰に足を絡めてがっちりと固定する。
「んあ゛っ、あ、イク、イきます……!」
「ああ、ガンガン突いてやるから、そのままイけ!」
「は、い、ん゛っ、んんんっ!」
激しい腰遣いを受け止めたふうかは、ぷしゅぅ、と秘所から潮を吹いて絶頂するが、いくまは止まることなく肉棒を抽送し続ける。
「あ、まだ、イッた余韻、が、あ、あ、また、すぐにイきますぅ……!」
「何度でもイけばいいだ、いくらでもしてやる……!」
「あ、はぁ、あ、んく……!」
即座に絶頂寸前まで昂りながらも、ふうかはいくまの耳元に唇を寄せて囁く。
「いくま、さんも、出して、くださ、い……!」
「ああ、もちろん、何度でも出すだ……!」
「あ、は、お願い、します……!」
貪り合うように口づけ舌を絡ませながら交わる二人は、同時に限界を迎えた。
「んぉ、ぉぉんっ!」
「おっ、ぉぉぉぉ!」
絶頂と射精を迎え、けだものの咆哮のような声で喘ぐ二人。
射精しきった後いくまが肉棒を引き抜くと、カリに引っかって大量の精液も一緒に掻き出された。
「あ、せっかくの、だんなさまの、せいえき……」
「心配ないだ、まだまだ出せる」
そういって、いくまは依然逞しい太さと硬さを保っている雄々しい肉棒を見せつける。それを見たふうかも、生唾を呑み込みながら恍惚とした笑みを浮かべた。
「ん、さすがです、旦那様……」
「ふふ、まだまだ休ませるつもりはないだ」
「はい。今度は、後ろからお願いします」
「よっしっ!」
四つん這いになったふうかの尻を鷲掴み、いくまは肉棒を一気に挿入するとそのまま激しく抽送し始める。
「ああん、ふっとぉぃ、大きい……!」
「ふうかのこっちも、大きいだ……!」
突き上げるたびに振り子のように前後に揺れるふうかの巨乳を鷲掴みして、いくまは丹念に揉みしだいていく。
「あん、もっと、おっぱいめちゃくちゃに揉みしだいてください……!」
「へへ、ほうらっ!」
「あんっ!」
柔らかく張りのある乳房はたっぷり揉みしだき、淡い桃色をした乳首は摘まんで引っ張ったりと、いくまに好き放題に巨乳を愛撫していた。
そしてそのたびに、ふうかは甘い嬌声を漏らす。
「あはぁん、いい、いいです……!」
「オラも気持ちいいだ……!」
「あっ、あっ、あっ、んっ!」
「ほ、ほ、ほ、ほぉっ」
いくまが肉棒を抜ける寸前まで腰を引き、一気に押し込んで最奥を突きあげてやると、ふうかの体は一際高く嬌声をあげた。
肉棒を締め付けながら快感で震えている感触とふうかの反応に、いくまは満足そうに笑みを浮かべる。
「これが、いいだかっ?」
「はぃっ、一気に一番奥突かれるの、気持ちよすぎて……!」
「なら、もっとしてやるだっ!」
「あひぃ、んあっ、おっほぉぁんっ!」
勢いよく幾度も最奥を突き上げる。ふうかの巨乳が揺れ、耳や尻尾も震える。
「ここ、感覚どうなってるだ?」
「あっ、耳は、あぁ……!」
いくまが狐耳に息を吹きかけると、それだけでふうかの体が快感で跳ねた。
「結構、弱いんだなぁ」
「あ、だめ、もう、イク……!」
「くぅ、オラもまた出すだ……!」
「はい、中に、子宮にたくさん注いでください……!」
「お、おぉぉぉ!」
いくまは雄叫びを上げながら射精し、子宮内に精液を大量に注ぎ込みながらも興奮が止まらずに腰を打ち付け続けていた。
ふうかも子宮内が精液で満たされていく歓喜と快感に絶頂しつつも、いくまの動きに応えるように懸命に肉棒を締め付ける。
「ああ、腰止まらねぇだ……堪えられねぇ……!」
「こらえなくていいです、ぜんぶ、ぜんぶぶつけてください……!」
「く、ぉぉぉぉぉ!」
いくまは雄叫びをあげると、ふうかの体を抱きかかえたまま立ち上がり、下から強烈な一突きを幾度もぶちかます。ふうかの自重もあって、肉槍はより深く強く突き刺さり、愛液と精液の混じった液体を周囲に撒き散らす。
「あ、おっ、ん、それ、はぁ、おっ……!」
「ふん、ぬぅ!」
「あひぃ、お、あ、これ、あ、だめ、イグ……!」
乱暴な交わりによってゴリゴリと秘所内をえぐられる被虐的な快感に、ふうかの体ががくがくと痙攣し始めた。
一方のいくまも、まるで妻を物の様に扱っている酷く乱暴な交わりに嗜虐的な快感と征服感が迸り、興奮がより一層激しくなっていく。
「お、ぉぉぉぉぉ、出すだぁぁぁぁ!」
「おっ、ほぉ、ぁぁぁぉぁぁぁぁ!」
今日最も濃厚で最大量の精液を子宮に射精され、ふうかは体を大きくのけ反らせ秘所からは潮を噴きながら激しく絶頂し、今日一番の嬌声と雄叫びが村中へと響き渡った。
*
「……やりすぎたでしょうか……?」
昼間、ふうかに指輪を渡した行商人が、そうぼやきながらいくまたちの自宅を眺めていた。
狐の耳と九本もの大きな尻尾をもつ魔物娘の稲荷である彼女は、腕を組んで考え始める。
「……なんだか色々無理我慢している気配があったから、指輪に強めに魔力を込めただけだったのですが。想像以上にあの夫婦の素質が高かったようですね」
夫婦の交わりはいまだ終わっておらず、嬌声や雄叫びがあがるたびに狐火が形を為して、家屋から村へと飛んでいく。
「この様子だと、この村はいずれ狐火や狐憑きだらけの村になっていそうですね」
言いつつ、狐火が別の家に入っていくのを見送る。
「まあ、この様子だと数日は出てこないでしょうし。頃合いをみて、また来ましょう。小道具も用意して」
そう独りごちると彼女はふわりと飛び上がり、そのまま夜空へと姿を消した。
その後、その村では一週間ほど、村中でけだものの嬌声が絶え間なくずっと響き続けていたそうだ。
「いくまさん、愛してます、もっともっと抱いてください、孕ませてください!」
「オラも愛してるだふうか、種付けしまくって孕ませてやるからな!」
「はい、あ、んっ、んんんんんんんっ!」
24/06/06 09:43更新 / フォロン・ジクシー