龍に睨まれた白蛇のように
「んしょ、うんしょ」
「マイさん、頑張って!」
「も、もう少しで全部行けそう…… ひぁっ!」
快感に悶えながら蛇の下半身を一生懸命こするマイ。
すると人間と蛇の体の境目から抜け殻が浮き出てきた。
「カザミ君、尻尾の先掴んでっ」
「うんっ!」
マイはカザミのサポートを受けてそのままラストスパートに入る。
全力で蛇体を震わし一気に古くなった皮膚をはがしにかかった。
「マイさんいくよ!」
カザミは尻尾の皮膚を掴み全力で引っ張る、するとヌルっとした音と共に蛇体の抜け殻が剥がれ落ちた。
「……!!」
かつてない刺激に声にならない悲鳴を上げるマイ。
そのままグッタリと床に崩れ落ち肩で荒い呼吸をしながらカザミを見てほほ笑んだ。
「はー、はー、 脱皮手伝ってもらうの凄かった……」
「うん、お疲れマイさん」
そう、マイの脱皮をカザミが手伝っていたのである。
白蛇であるマイも当然ラミア属の例外ではなく敏感になった蛇体に耐えながら脱皮を行っていた。
そして脱皮直後のラミア属は強い発情状態となる。
「ねぇ、カザミ君……」
潤んだ瞳でカザミを見つめるマイ、色々とスイッチが入ってることは一目瞭然だった。
勿論こうなることは分かっていたため事前に多めの食料、水分等などしばらく外に出なくてもいいよう準備は万全にしてある。
「マイさん僕も、もう……」
脱皮の手伝いとはいえ異性の体を触り続けていたカザミもまた興奮の臨界点へと到達していた。
こうなってしまうと今後の展開は一つだけ、どちらからとも分からないまま二人は衣服を脱がせながら抱き付き合う。
ただ抱き合うだけで強い快感がマイの全身を駆け巡るがカザミは追い打ちをかけるようにマイの蛇体を指先で触れるか否かの力加減で撫でた。
「カザミ君、それ凄く気持ちいいっ」
マイは興奮と快感を更に得ようとするのか、両腕でカザミの胴体に強くしがみ付き蛇体を隙間なく巻き付ける。
テラテラと光る蛇体、カザミは綺麗だと思いながらも滅茶苦茶にしたいという欲望が際限なく湧き出てきた。
唯一自由に動かせる両腕を存分に使い蛇体を揉んだり撫でたり摩ったりしながらマイを快楽の頂点へと導く。
「ああっ、いっちゃう!」
マイが嬌声を上げるがカザミは気にすることなく激しい愛撫を続ける。
脱皮したての蛇体はまるでローションを塗りたくったようにヌルヌルしているためカザミの手による刺激はいつも以上に敏感になっていた。
「もっと、もっと欲しいの!」
そんなマイの反応が楽しく感じるため蛇体の先、尻尾の先端に舌を這わせる。
「ひゃうぅっ」
初めて蛇体を舐められた刺激に不意を突かれたのか強すぎる快感に言葉にならない嬌声を上げた。
そのままカザミは両手で尻尾を掴むとアイスキャンデーを舐めるかのように尻尾をしゃぶり、吸い、そして甘噛みする。
「……っ!」
もはや言葉にならないほどの快感をマイは全身に刻み込まれた。
カザミは自分の股間部にマイの愛液がまとわりつくことに気づく。
マイの陰部は既に受け入れの準備ができていた。
「そろそろ、いいよねっ」
カザミはマイの返事を待たずに腰を動かす。
普段ならしっかりと拘束されているのだけど今回はぬるっとした感覚があるため比較的自由に腰を動かしマイの陰部へと肉棒を突き入れることができた。
「あああっ!」
マイは最後の力を振り絞るかのような嬌声を上げ上半身を全力でのけ反らせる。
そんな最高の時間はマイの意識が飛ぶのと同時に終わりを告げ、カザミもまた全てを吐き出した。
そして二人が眠りに落ち、目を覚ましてからしばらくした後。
「もー、馬鹿ばかバカぁ!!」
マイは駄々っ子のように両手でカザミをポカポカと叩いている。
「痛い痛いって、やりすぎて反省してるからさ」
「それは気持ちよかったからいいんだけど、私はカザミ君を気持ちよくさせる側でいたいの!」
確かに今までマイは攻めの側だった。
しかし今回はほぼ一方的にカザミからの攻めでいかされてしまっていたのだ。
「でもマイさんをいかせる僕も大したものだと思わない?」
その言葉にマイの顔は恥じらいによって見る見るうちに赤くなっていく。
そして更に強い力でカザミをポカポカと叩き始めた。
「いやホントに痛いから、もう調子に乗らないからゴメンて!」
「もう、攻守逆転なんて時たまだけだからね」
マイはそう言うとようやくカザミを叩く手を止める。
「ふー、ところでこの抜け殻どうしようか?」
カザミは部屋の隅に脱ぎ捨てられた抜け殻に目をやりながら尋ねる。
白蛇の抜け殻は縁起のいいものとして有名だ。
しかしそれがマイの場合……
「そうね、確かに私の抜け殻も金運強いけど幸せにはなれないから本当に困っちゃう」
そんなマイの返答にカザミは頭に?マークを一つ浮かべる。
「だから水神様の神社に毎回納めに行くの」
確かに白蛇であるマイは水神の巫女である。
とはいえ『幸せになれない』という言葉がいつまでも引っかかるカザミは思い切って理由を聞いてみた。
「理由や原因は分からないんだけど私生まれつき変な運を持っててね」
どうやら昔脱皮した際に抜け殻を取っておいて金運を招こうと試みたらしい。
そして金運のおかげでまとまった額のお年玉を手に入れ嬉々としてプレミア価格のついたゲームを何本か買った。
しかし恐ろしいのはここからで購入したゲームが全て最恐クラスに酷いものだったようだ。
「なるほど、金運が良くてもお金までは幸せを運んでくれなかったんだ」
カザミが理解するとマイはしおしおとなり両手の人差し指同士をツンツンとした。
「だったら水神様の所へ持って行こうよ」
「そ、そうよね」
そうカザミが言うとマイは一瞬固まるが意を決したように頷く。
またもカザミは頭上に?マークを浮かべ左右に揺らした。
そして学生寮のそば、裏山に構える水神様の神社にて。
カザミはコンコンと水神様の部屋をノックする。
しばらくして中から一人の龍が出てくるがその姿にカザミは素っ頓狂な声を上げてしまった。
「シ、シズク校長!?」
「あらあらカザミちゃんじゃない、マイちゃんもいるわよねぇ?」
カザミはその言葉で隣にマイの姿がないことに気づく、しかしすぐ後ろにある柱に隠れるようフルフルと震えている様子を見てマイとシズクの力関係を一瞬で悟ってしまった。
「そんな蛇に睨まれた蛙みたいに縮こまってどうしたの?」
シズクはスッとマイのもとに向かい大事そうに抱える抜け殻へと目をやる。
「そういえば脱皮の時期だったわね、今回もご苦労様」
そのまま抜け殻をマイから受け取ると何を思ったか抜け殻に顔を埋め匂いを嗅ぎはじめた。
何故か真っ青になるマイ、そして何が起きているのか分からないまま呆然とするカザミ。
「ふうん、二人とも随分楽しんだわねぇ?」
その言葉に二人の心身が大きく跳ねる。
「別にエッチするなとは言わないけどカザミちゃんの事はもう少し大事にしてあげてもいいんじゃない?」
今度はカザミのもとに寄るシズク、そのままカザミが纏う服の胸元をはだけさせるとそこには数々の蛇体による締め付けられた跡が残っていた。
「マイちゃぁん? カザミちゃんの事守ってあげたいという気持ちどこ行ったのかなぁ?」
シズクは長い龍の体でマイを絡め捕るとそのまま自室へと連行しようとする。
「まってシズク様、これは色々あって…… カザミ君助けっ」
ピシャリと戸が閉まる音と共に静寂な空間が作られた。
どうやらシズクの部屋には強力な防音結界が張られてるようで中の様子をうかがうことはできない。
そしてカザミには神通力が働いているのか彼の意志とは関係なく神社の庭へと勝手に足が動いていた。
そんなやり取りが始まって数十分。
カザミは庭に立て掛けられていたほうきで庭掃除をしていた。
勝手に動く足が止まり目の前にほうきがあったため本能的に掃除を始めたカザミ、そんな彼の前にまたも意外な人物が姿を現す。
「カザミじゃないか、何でここの掃除しているんだ?」
「サクラ先生、これは…… 多分僕の意志じゃないです」
サクラは『んー』と言わんばかりにカザミを見ると軽くため息をついた。
「まったくシズクの奴ときたら」
「先生、校長とはどういう関係なのですか?」
普通なら校長であるシズクの方が立場的には上である。
しかしシズク校長を『奴』と言い放ってしまうサクラ先生に疑問を抱いてしまったのだ。
「ただの幼馴染さ、今はマイを助けないとな」
何か軽く流されてしまったような気がするがマイの事も心配である。
そう彼が考えてるうちにサクラはシズクの部屋をドラゴン特有の剛腕で、かつ壊さないギリギリの力加減でドンドンとノックした。
「おいシズク、その辺で許してやれ!」
サクラの気配を感じたのか戸がゆっくりと開く。
そこにはだらしなく舌を出しながらグッタリとしているマイと虚無の笑顔を浮かべるシズクの姿があった。
「あら、サクちゃんじゃない」
「まったく今どき体罰なんて先生らしくないぞ」
「先生じゃなくて水神としてなのに?」
「同じことだ!!」
そうサクラとシズクがやり取りをしている間にカザミはマイのもとに駆け寄る。
そこには龍の長い胴体で締め上げられたような跡が白蛇の体から人間の体までびっしりと刻み込まれていた。
「はー、はー、カザミ君……」
「マイさん、大丈夫?」
どう見ても大丈夫では無いがカザミにはこれ以外にかける言葉が思いつかない。
そんなカザミを見てマイは少し笑顔になった。
「カザミ君…… これからもよろしくお願いします」
すっかりしおしおになったマイ、何をされたのか想像するのもカザミにはできなかった。
そしてマイが起き上がれる様になるまで回復し、サクラとシズクの口論が終わった頃。
「カザミちゃんには迷惑かけちゃったわね、これ庭掃除のお駄賃ね」
シズクは小さながま口をカザミに渡す。
「……また厄介な物を」
その様子をサクラは不安そうな表情で見て、そして言い放った。
「カザミ、それとの向き合い方は宿題という事にしておこうか」
「えっ?」
頭上に?マークを三つ浮かべ無造作に揺らす。
「とりあえず今日は解散だ、寄り道せずに帰るように」
そうサクラが言うと大きな翼を広げ何処へと飛び去って行った。
「それじゃ、マイちゃんの事よろしくねぇ」
シズクも続けて自室へと戻っていく。
「私たちも帰ろっか」
声の方を向くカザミ、そこには先ほどの締め付けられた跡がほとんど残っていないマイの姿があった。
「……回復力凄いんだね」
夕暮れの中苦笑いしながらカザミはマイと二人で帰路に就くのであった。
「マイさん、頑張って!」
「も、もう少しで全部行けそう…… ひぁっ!」
快感に悶えながら蛇の下半身を一生懸命こするマイ。
すると人間と蛇の体の境目から抜け殻が浮き出てきた。
「カザミ君、尻尾の先掴んでっ」
「うんっ!」
マイはカザミのサポートを受けてそのままラストスパートに入る。
全力で蛇体を震わし一気に古くなった皮膚をはがしにかかった。
「マイさんいくよ!」
カザミは尻尾の皮膚を掴み全力で引っ張る、するとヌルっとした音と共に蛇体の抜け殻が剥がれ落ちた。
「……!!」
かつてない刺激に声にならない悲鳴を上げるマイ。
そのままグッタリと床に崩れ落ち肩で荒い呼吸をしながらカザミを見てほほ笑んだ。
「はー、はー、 脱皮手伝ってもらうの凄かった……」
「うん、お疲れマイさん」
そう、マイの脱皮をカザミが手伝っていたのである。
白蛇であるマイも当然ラミア属の例外ではなく敏感になった蛇体に耐えながら脱皮を行っていた。
そして脱皮直後のラミア属は強い発情状態となる。
「ねぇ、カザミ君……」
潤んだ瞳でカザミを見つめるマイ、色々とスイッチが入ってることは一目瞭然だった。
勿論こうなることは分かっていたため事前に多めの食料、水分等などしばらく外に出なくてもいいよう準備は万全にしてある。
「マイさん僕も、もう……」
脱皮の手伝いとはいえ異性の体を触り続けていたカザミもまた興奮の臨界点へと到達していた。
こうなってしまうと今後の展開は一つだけ、どちらからとも分からないまま二人は衣服を脱がせながら抱き付き合う。
ただ抱き合うだけで強い快感がマイの全身を駆け巡るがカザミは追い打ちをかけるようにマイの蛇体を指先で触れるか否かの力加減で撫でた。
「カザミ君、それ凄く気持ちいいっ」
マイは興奮と快感を更に得ようとするのか、両腕でカザミの胴体に強くしがみ付き蛇体を隙間なく巻き付ける。
テラテラと光る蛇体、カザミは綺麗だと思いながらも滅茶苦茶にしたいという欲望が際限なく湧き出てきた。
唯一自由に動かせる両腕を存分に使い蛇体を揉んだり撫でたり摩ったりしながらマイを快楽の頂点へと導く。
「ああっ、いっちゃう!」
マイが嬌声を上げるがカザミは気にすることなく激しい愛撫を続ける。
脱皮したての蛇体はまるでローションを塗りたくったようにヌルヌルしているためカザミの手による刺激はいつも以上に敏感になっていた。
「もっと、もっと欲しいの!」
そんなマイの反応が楽しく感じるため蛇体の先、尻尾の先端に舌を這わせる。
「ひゃうぅっ」
初めて蛇体を舐められた刺激に不意を突かれたのか強すぎる快感に言葉にならない嬌声を上げた。
そのままカザミは両手で尻尾を掴むとアイスキャンデーを舐めるかのように尻尾をしゃぶり、吸い、そして甘噛みする。
「……っ!」
もはや言葉にならないほどの快感をマイは全身に刻み込まれた。
カザミは自分の股間部にマイの愛液がまとわりつくことに気づく。
マイの陰部は既に受け入れの準備ができていた。
「そろそろ、いいよねっ」
カザミはマイの返事を待たずに腰を動かす。
普段ならしっかりと拘束されているのだけど今回はぬるっとした感覚があるため比較的自由に腰を動かしマイの陰部へと肉棒を突き入れることができた。
「あああっ!」
マイは最後の力を振り絞るかのような嬌声を上げ上半身を全力でのけ反らせる。
そんな最高の時間はマイの意識が飛ぶのと同時に終わりを告げ、カザミもまた全てを吐き出した。
そして二人が眠りに落ち、目を覚ましてからしばらくした後。
「もー、馬鹿ばかバカぁ!!」
マイは駄々っ子のように両手でカザミをポカポカと叩いている。
「痛い痛いって、やりすぎて反省してるからさ」
「それは気持ちよかったからいいんだけど、私はカザミ君を気持ちよくさせる側でいたいの!」
確かに今までマイは攻めの側だった。
しかし今回はほぼ一方的にカザミからの攻めでいかされてしまっていたのだ。
「でもマイさんをいかせる僕も大したものだと思わない?」
その言葉にマイの顔は恥じらいによって見る見るうちに赤くなっていく。
そして更に強い力でカザミをポカポカと叩き始めた。
「いやホントに痛いから、もう調子に乗らないからゴメンて!」
「もう、攻守逆転なんて時たまだけだからね」
マイはそう言うとようやくカザミを叩く手を止める。
「ふー、ところでこの抜け殻どうしようか?」
カザミは部屋の隅に脱ぎ捨てられた抜け殻に目をやりながら尋ねる。
白蛇の抜け殻は縁起のいいものとして有名だ。
しかしそれがマイの場合……
「そうね、確かに私の抜け殻も金運強いけど幸せにはなれないから本当に困っちゃう」
そんなマイの返答にカザミは頭に?マークを一つ浮かべる。
「だから水神様の神社に毎回納めに行くの」
確かに白蛇であるマイは水神の巫女である。
とはいえ『幸せになれない』という言葉がいつまでも引っかかるカザミは思い切って理由を聞いてみた。
「理由や原因は分からないんだけど私生まれつき変な運を持っててね」
どうやら昔脱皮した際に抜け殻を取っておいて金運を招こうと試みたらしい。
そして金運のおかげでまとまった額のお年玉を手に入れ嬉々としてプレミア価格のついたゲームを何本か買った。
しかし恐ろしいのはここからで購入したゲームが全て最恐クラスに酷いものだったようだ。
「なるほど、金運が良くてもお金までは幸せを運んでくれなかったんだ」
カザミが理解するとマイはしおしおとなり両手の人差し指同士をツンツンとした。
「だったら水神様の所へ持って行こうよ」
「そ、そうよね」
そうカザミが言うとマイは一瞬固まるが意を決したように頷く。
またもカザミは頭上に?マークを浮かべ左右に揺らした。
そして学生寮のそば、裏山に構える水神様の神社にて。
カザミはコンコンと水神様の部屋をノックする。
しばらくして中から一人の龍が出てくるがその姿にカザミは素っ頓狂な声を上げてしまった。
「シ、シズク校長!?」
「あらあらカザミちゃんじゃない、マイちゃんもいるわよねぇ?」
カザミはその言葉で隣にマイの姿がないことに気づく、しかしすぐ後ろにある柱に隠れるようフルフルと震えている様子を見てマイとシズクの力関係を一瞬で悟ってしまった。
「そんな蛇に睨まれた蛙みたいに縮こまってどうしたの?」
シズクはスッとマイのもとに向かい大事そうに抱える抜け殻へと目をやる。
「そういえば脱皮の時期だったわね、今回もご苦労様」
そのまま抜け殻をマイから受け取ると何を思ったか抜け殻に顔を埋め匂いを嗅ぎはじめた。
何故か真っ青になるマイ、そして何が起きているのか分からないまま呆然とするカザミ。
「ふうん、二人とも随分楽しんだわねぇ?」
その言葉に二人の心身が大きく跳ねる。
「別にエッチするなとは言わないけどカザミちゃんの事はもう少し大事にしてあげてもいいんじゃない?」
今度はカザミのもとに寄るシズク、そのままカザミが纏う服の胸元をはだけさせるとそこには数々の蛇体による締め付けられた跡が残っていた。
「マイちゃぁん? カザミちゃんの事守ってあげたいという気持ちどこ行ったのかなぁ?」
シズクは長い龍の体でマイを絡め捕るとそのまま自室へと連行しようとする。
「まってシズク様、これは色々あって…… カザミ君助けっ」
ピシャリと戸が閉まる音と共に静寂な空間が作られた。
どうやらシズクの部屋には強力な防音結界が張られてるようで中の様子をうかがうことはできない。
そしてカザミには神通力が働いているのか彼の意志とは関係なく神社の庭へと勝手に足が動いていた。
そんなやり取りが始まって数十分。
カザミは庭に立て掛けられていたほうきで庭掃除をしていた。
勝手に動く足が止まり目の前にほうきがあったため本能的に掃除を始めたカザミ、そんな彼の前にまたも意外な人物が姿を現す。
「カザミじゃないか、何でここの掃除しているんだ?」
「サクラ先生、これは…… 多分僕の意志じゃないです」
サクラは『んー』と言わんばかりにカザミを見ると軽くため息をついた。
「まったくシズクの奴ときたら」
「先生、校長とはどういう関係なのですか?」
普通なら校長であるシズクの方が立場的には上である。
しかしシズク校長を『奴』と言い放ってしまうサクラ先生に疑問を抱いてしまったのだ。
「ただの幼馴染さ、今はマイを助けないとな」
何か軽く流されてしまったような気がするがマイの事も心配である。
そう彼が考えてるうちにサクラはシズクの部屋をドラゴン特有の剛腕で、かつ壊さないギリギリの力加減でドンドンとノックした。
「おいシズク、その辺で許してやれ!」
サクラの気配を感じたのか戸がゆっくりと開く。
そこにはだらしなく舌を出しながらグッタリとしているマイと虚無の笑顔を浮かべるシズクの姿があった。
「あら、サクちゃんじゃない」
「まったく今どき体罰なんて先生らしくないぞ」
「先生じゃなくて水神としてなのに?」
「同じことだ!!」
そうサクラとシズクがやり取りをしている間にカザミはマイのもとに駆け寄る。
そこには龍の長い胴体で締め上げられたような跡が白蛇の体から人間の体までびっしりと刻み込まれていた。
「はー、はー、カザミ君……」
「マイさん、大丈夫?」
どう見ても大丈夫では無いがカザミにはこれ以外にかける言葉が思いつかない。
そんなカザミを見てマイは少し笑顔になった。
「カザミ君…… これからもよろしくお願いします」
すっかりしおしおになったマイ、何をされたのか想像するのもカザミにはできなかった。
そしてマイが起き上がれる様になるまで回復し、サクラとシズクの口論が終わった頃。
「カザミちゃんには迷惑かけちゃったわね、これ庭掃除のお駄賃ね」
シズクは小さながま口をカザミに渡す。
「……また厄介な物を」
その様子をサクラは不安そうな表情で見て、そして言い放った。
「カザミ、それとの向き合い方は宿題という事にしておこうか」
「えっ?」
頭上に?マークを三つ浮かべ無造作に揺らす。
「とりあえず今日は解散だ、寄り道せずに帰るように」
そうサクラが言うと大きな翼を広げ何処へと飛び去って行った。
「それじゃ、マイちゃんの事よろしくねぇ」
シズクも続けて自室へと戻っていく。
「私たちも帰ろっか」
声の方を向くカザミ、そこには先ほどの締め付けられた跡がほとんど残っていないマイの姿があった。
「……回復力凄いんだね」
夕暮れの中苦笑いしながらカザミはマイと二人で帰路に就くのであった。
25/12/21 20:58更新 / まぐろのえら
戻る
次へ