読切小説
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幸せな彼女
私は好きな人がいました。それはそれはとても素敵で大好きな人でした。

私は彼に話します。

「どう?今日はあなたの好きなアップルパイにしてみたわ」

私お手製のアップルパイを彼に見せます。

「うふふ、喜んで貰えて嬉しいわ♪」

彼の手が私の頭を撫でてくれました。心が満たされていくのがわかります。

「もう!私の頭を気安く触らないでよ!・・・アリガト」

彼は椅子に座って待ってくれてる。

「待っててね!もう少しで出来るから!」

彼はこちらを見て微笑みを掛けました。そんな彼を見ると私は頑張っておいしいパイを作ります。

「・・・できた!」

パイを彼の所へ持って行き、一緒に食べます。おいしそうに食べてくれると作ったかいがあります。

日課である散歩へ行きます。彼と一緒に歩くと心が和やかになります。

「あそこで休みましょう」

公園に入り、椅子に座ります。そこはとてものどかで気持ちよく眠れそうな場所でした。

「・・・ん?ちょっ!どこ見てるのよ!」

彼は私の胸をじっと見ています。なんだか恥ずかしいですが、悪い気はしません。

「もう!・・・や、やるなら家で」

彼は私をお姫様抱っこで家に連れて行きます。

「ちょっと!?もう・・・」

でも、私は彼のそんなところも大好きです。

家に帰ると、私は布団を敷いておきます。因みに彼はお風呂に入ってるわ。

すると、後ろの戸が開いて彼が入ってきます。

「ほら、きて」

私の顔が赤くなるのがわかります。そんな私を見てどう思ったのか、直ぐに組み敷いて私を愛します。それに、気持ちよすぎて気絶しちゃいました。

・・・・・・

「ふあ〜・・・」

私は欠伸をひとつして起きます。今日もいい天気です。

「・・・?」

何か忘れているような気がしますが。忘れるくらいなら思い出さなくても良いことだと思います。

体を起こして台所へと向かいます。

「ん〜今日は彼の好きなアップルパイにしましょう!」

そう考えた私はアップルパイを作ります。すると、彼が起きてきました。

「待っていてね、今あなたの好きなものを作ってるからね」

うふふ、きっと彼は驚くだろうなー。後は盛りつけて終わり。そろそろ教えておきましょうか。

「どう?今日はあなたの好きなアップルパイにしてみたわ」

彼は喜んでくれました。嬉しいです。


・・・・・・

「あの人…また空に向かって話しかけてるな…」

あのエルフは患者だ。ん?病気は何かって?それは“愛”という病気に掛かってしまった魔物娘なんだ。

「ああ、僕かい?僕はこの病院の医者だよ、もちろん精神科のね」

彼女は昔にはとても幸せに暮らしていた人だったんだけど、彼女の留守中に夫が強盗に遭って死んでしまってから、ああなったのだ。

「彼女には幸せになってほしいけど・・・多分立ち直れないかな、あれは」

彼女はニンマリと幸せそうな笑みを浮かべている。

「あれも幸せの一つなのかな」

僕はそう思ってしまった。

仮初めの幸せを見ている彼女を見るとそう思ってしまう自分は異常なのだろうか。

それは誰にもわからない。





終わり
15/06/27 21:11更新 / 真面目な男?

■作者メッセージ
楽しめれましたでしょうか?楽しめれたのであれば幸いです。

※作者の精神はガラスで出来ています。扱いには注意して下さい。

ついでにこれはかなり適当、真面目の6:3:1でできています。

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