もしもマンティスと宿屋店主が結ばれるルートがあったら
それは、ある日の昼下がりのことだった…
その日も変わらずに宿屋を開く準備をしていると、いつもはこの時間に会うことは少ない……あの子が俺の宿屋にやってきたんだ
デ「あれ……?セムちゃん?…今日はどうしたんです?」
目の前にいる、ジト目で俺を無言で見つめるマンティスの少女…セムちゃん
彼女は、ここフェルス興国の中でも、貴族…と呼んでもいいほどの名家のお嬢様だ。
家族構成は、エキドナの母親を筆頭に、長女エキドナ、次女ドラゴン、三女ミューカストード、四女ソルジャービートル、末っ子セムちゃんという構成になっていて、何故だか知らないけれど、俺は彼女になつかれているんだ
しかし……相手はいい家のいわばお嬢様だ…機嫌を損ねないようにしながら、会話をするというのは、なかなかに心が疲れるんだよな
セ「…………デメさん……聞きたいことがあるんです……」
デ「えっと……僕に応えられることだったら、いいけれど……」
セ「………デメさん……最近……他の魔物娘に……言い寄られてますよね…?」
えっ?……えぇ?
いや……そんな気配もフラグも、立ってないんだが……?
セムちゃんはいったい、何を勘違いしているんだ…?
デ「えっ……?そんなこと、無いと思うんだけど……」
セ「…………それ……嘘ですよね……私、知っているんです……聞いているんです……屋敷にいると……常に言い寄られているんじゃないかって心配なんです…………」
セムちゃんはそう言うと、ゆったりと俺の方に歩いてきたんだよ
そして、俺の首に腕を回すと………耳元でこう囁いてきたんだ
セ「デメさんはぁ………もう、私の……旦那様に……なるべき……なんです…でも、デメさんは…鈍いから……私の気持ちに気がついてくれない……でも、もう……もう耐えられないんです……抑えられないんです……」
デ「えっ………それってどういう……」
セ「んっ♥」
デ「っ!?」
なんだ……!?セムちゃんがいきなり口づけをしてきたかと思うと、口の中になにか錠剤を含まされたぞ……!?
俺は慌てて、その錠剤を口から出そうと舌を動かし、抵抗したんだが……
セムちゃんの舌が俺の舌に触れるたびにゾクっとした感覚が体を走り、そして、口の中で錠剤が軽く溶けたとき、俺の喉奥にその謎の錠剤は転がり落ちて行ったんだよ!!
なんだっ…!?いったい…なんの…薬……
あれ…っ!?地震かっ!?けっこう大きい……!?
頭が……揺さぶられる……!?眠い…?
あ…………あ……れ……?
俺の意識は、一気に闇の中に引きずり落とされたのだった……
デ「うっ……あれ…?体が…思うように動かせない……」
俺の意識がはっきりしてきたのは、それからいったいどれほどの時間がたった後なのか……
俺は、自分の手足を襲っている謎の違和感で目を覚ましたんだ
目を開けると、そこは一面純白な部屋だった
まるで、その部屋自体が汚してはいけないような……そんな雰囲気を醸し出していたんだよ!!
宿屋店主の観察眼から判断するに……この部屋にはスイートルーム並みの価値があると見た!!
でだ………
どうして俺の両手足に、この部屋に不釣り合いな黒い枷がついているんだ?
そう……俺の体は、両手両足を鎖と枷で縛られ、大の字にされてベッドの上にいたんだよ!!
この部屋がどんな部屋なのかとか、誰の部屋なのかもわからない状況で、こんな展開……俺的にも、かなり怖い状況だと思うね!!
セ「……あっ……デメさん………起きたんですか…?おはようです……」
デ「えっ……せ、セム…ちゃん?どうしたんだい?その格好は……」
セ「これは、私のパジャマ……のようなものですが……?」
デ「そ、そんなハレンチなっ!?だ、ダメだよ?そんな格好で人前に出たら…」
セ「………デメさんにしか……見せませんから……それに、デメさんだって…今は薄いシルクのシャツ一枚だけしか着てない……デメさんも…ハレンチ…だよ?でも……私は…そんなデメさん……好き…だから…」
おいおいおいおい……こ、これは…いったいどういう状況だ…!?
俺自身、けっこう厄介事には巻き込まれていると思うけれども……
こ、ここまで切羽詰まったのは久しぶりな気がする……
デ「じ、冗談は……」
セ「………デメさん、お腹すいてますよね……私…このときのために最高級の干し肉をお持ちしたんです……」
デ「えっ!?そ、それは非常に気になる……でも、そんなものどこに……」
セ「…………んっ…♥ここで……さらに深い味になるように……漬け込んで置いたんです……ほらぁ…もうすっかり味が染み込んでいると思いますよ…?」
なっ!?せ、セムさんっ!?ほ、干し肉をどこにしまっているんですか!!
ど、ど、ど、ど、ど、動揺なんて、し、してねぇけども……お、俺でも驚愕したね…本気で
デ「そ、そんなところに干し肉を入れるなんて…ダメですよ!!そこはいずれセムちゃんの旦那さんとセムちゃんが愛を育んで、こどもを作る場所……」
セ「…………食べて……?あっ……食べにくいですか?じゃあ……私が咀嚼して、口に流し込んであげます……あむっ…むぐむぐ……」
デ「そういう問題じゃないって!!それは問題じゃないんだって!!」
セ「食べて……ください…♥」
デ「んむーーーっ!?」
俺は必死に、セムちゃんが咀嚼したその干し肉を、食べまいと抵抗したんだが……ただの宿屋店主が魔物娘であるセムちゃんに対して、長時間抵抗するのは、非常に難しかったんだ
結局、俺はその干し肉を口に……喉奥に運ぶことになってしまった
口のなかに、干し肉の味と、少ししょっぱいような味と、甘い味が混ざって…なんだか、とても変な気分になった
セ「おいしかったですか…?そのお肉……とっても…いいものなんですよ?…これからは、毎日……食べることができます……デメさん………その……私と……結婚……して欲しい……です……!!」
えっ!?ちょっと、なんだよこの急展開!?
まてまて、待ってくれよ!!これは夢か…?幻か…?
と、とりあえず……どちらにせよ、その提案を受けるわけにはいかないな…
だって、セムちゃんと俺は、どう考えたって釣り合わないしね?
俺自身、臆病者でいざという時にはすぐに逃げてしまうし……セムちゃんにはちゃんといい相手がいると思うんだよなぁ
デ「せ、セムちゃん……ごめん、それは無理だよ……」
セ「…………………えっ?………」
デ「だって……セムちゃんはまだ16歳じゃないか、それにグロリア家のお嬢様だよ?きっと、君にふさわしい旦那様に出会えると思う……セムちゃんはまだまだ、若い…僕のような男より、もっと高い理想を抱いてもいいと思うよ?」
セ「デメさん……何言ってるんですか……?私はデメさんが好き……そう…言ったんですよ………?今の自分の状況……わかっているんですか……?冗談で、こんなことはしません……私は本気……本気です…」
セムちゃんがそう言いながら、俺の首筋に舌を這わせる……
その瞬間だった、俺はなぜか、セムちゃんに対して恐怖の感情を抱いたんだ
臆病者な俺だからこそ、この感情には従ったほうがいいとわかる……
セ「……でも、デメさんは優しいから……一回で結婚してくれないってわかってました……でも、デメさん……デメさんが私無しで生きられないようになったら、どうでしょうか?……デメさんは私に甘えていいんです……体も心も私色に……染め上げてあげます………」
セムちゃんがそう言いながら、手の鎌を振り下ろして、俺のシャツを切り裂く………
お、俺……まさかのキャスト・オフっ!!全裸状態になってしまった!!
デ「ま、待ってくれよセムちゃん………俺も、セムちゃんの気持ちには答えたいよ?でも…こう両手足を縛られていては、それもできないというか……まずは解いてくれないかな?」
俺はそう言って、この拘束を解いてくれることにかけたんだ
解放されたら、真っ先に近くにある扉から脱出……部屋から出てしまえば、あとは全力で逃げるだけ……運との勝負ってやつだ
セ「……デメさん……そうですね……鎖、解いてあげますね……」
ガチャリ…
デ「やったっ!!……セムちゃん、ごめんっ!!」
セ「きゃっ!?」
デ「よし……この扉から外に……」
ガチャ…ガチャガチャ…
えっ…………?
そ、そんな…嘘だろ!?ど、どうしてあかないんだ!?
見た感じ、鍵穴なんてないから、開かないはずが……
セ「……どうして?……逃げるんですかっ!!やっぱり、初めはデメさんを堕とすところから始めないといけないのかなぁ?頭の中身も心の中身も快楽でぐっちょぐちょにしないといけないのかなぁ?ねぇ……デメさん?」
デ「ひいぃぃぃっ!!ご、ご、ごめん…これは…そう、ほんの出来心だったんだよ……だ、だから…許して……許してくれ」
セ「……子供だと思って、愛が軽いなんて思わないでください!!許しません……デメさん……もう、子供作っちゃうまで許してあげませんから……デメさんの始めてを全て……私がいただきます……お覚悟を……」
なんて剣幕だ……
俺はセムちゃんの剣幕に恐怖すら感じ、部屋の隅のタンスのところまで、後ずさりする……
デ「た、助けて……誰でもいいから、俺をこの場所から一時的に助け出してくれ!!サリィでも…誰でもいいから……」
セ「………私の前で……他の女の名前……呼ぶんですね……もう、絶対に許しません……ほら……デメさん…捕まえましたよ……」
セムちゃんは俺を捕まえると、ものすごい速度で俺の両手を後ろに縛り付けたんだ。
そして、両足も縛られ……俺は芋虫のように床に押し倒されたんだよ!!
そんな俺をお姫様だっこして、ベッドに連れて行くセムちゃん……
だが、どうしてだ…!?どうして…どうしてあのベッドが処刑台に見えるんだ!?
これから……ものすごい恐ろしいことが待っているような……
そんな予感がする
セ「デメさん……いつも思っていたんですけど……どうして魔物娘を見ても、ここ……こんなに元気がないんですか?」
それは……先祖代々伝わる秘伝のお薬を飲んでごまかしているから……
なんて、そんなこと言える状況じゃないな……
セ「………あっ……ピクってしてる……デメさんのおちんちん……皮余ってるけど、なんか……いいですね」
デ「…………」
セ「反応しているってことは……興奮しないわけじゃないんですね……そうだ……」
セムちゃんはそういうと、いきなり俺のチンコを上下にしごきながら胸に顔をうずめ、舌で胸を舐め始めたんだよ!!
これがいったいどういう状況なのか……ただの宿屋店主である俺には見当もつかないぜ……
セ「これ……姉さまが教えてくれたテクニックなんです……姉さまほど、舌がいやらしくネトネトしてないですから、姉さまほど……上手ではないですが…男性でも、長時間かけて開発すれば……乳首でもイケるって姉さまは言っていました……そんな体になってしまったら、デメさんは私以外の女性と会おうなんて思わないはずです………ふふっ……うふふふふふふっ……」
セムちゃんはそう言いながら俺を攻めてきたが……俺はセムちゃんの胸に対する攻撃に対して、あまりダメージを感じていなかった
まぁ……いつものお薬を飲んでいないから、下半身はめちゃくちゃダメージを受けているんだけど……
セ「デメさん……あまり、初めは胸……感じてないですよね……安心してください…だんだんと気持ちよく…なっていきます……あぁっ……デメさんの分身はだんだんと…かちかちに…」
デ「ま、まだ…今ならまだ間に合うよセムちゃん!!これ以上はいけない!」
だが、俺の決死の訴えも虚しく…セムちゃんは俺のチンコをしごく速度を速めていく……
自慢じゃないけど……普段、そういった性欲を押さえつけてきている分……
俺はものすごい絶頂が早いんだ……
はっきりいうと……限界が近い…
セ「デメさん……なんだか、おちんちん……熱くなってきました…早いのですね……でも……大丈夫…その分たくさん、出してもらいますね?」
デ「だ…めだ……セムちゃん……かかっちゃう……」
このままでは、俺の汚い精子がセムちゃんの高そうな純白のパジャマを汚してしまう……
宿屋店主の俺程度に……弁償できるような値段の服じゃないだろうし……
何より、簡単に流されてしまっている自分の情けなさが…俺の罪悪感を加速させる
セ「ほら……ぎゅってしてあげます……」
デ「あっ!!だ、ダメ……っくっ!!あ……あぁ……」
どぷっ……
セ「凄い勢いですね……それだけ私に興奮してくれた…そういうこと……うれしいです………あっ……ちょっと小さくなってる……デメさん……」
セムちゃんは俺の名前を呼びながら、一回の射精で息も絶え絶えな俺に、何かを食べさせたんだ…
それはなんというか……変に甘く、栄養ドリンクのような味がしたんだ
そして、それを飲んだ途端、俺のチンコが復活………
ま、まさか…精力剤の類か…!?
セ「………大きくなりましたね……さて、次は……デメさん、少しこれをつけておいてください……スカニさんから頂いた……大人のおもちゃです…これを両乳首に……はい、これでいいですよ……」
スカニーーーーっ!!いったいセムちゃんに何を渡しているんだ!!
セムちゃんは、ピンク色の……よくわからない機械を俺の両乳首にテープで止めると、顔を舌に移動させていく……
セ「デメさんのここ……どんな味なんでしょうか……?あっ…味わう前に…ちょっとこれをつけさせてもらいますね?」
デ「な、なに…それ……?ゴム製の輪っか?それをいったい……」
セ「これをおちんちんにつけて、服従させるのが、愛を深めるのにいいって…一番上のお姉様がいってたんです……愛を深めて、心のそこから…幸せになって欲しいんです」
こんなゴムの輪っかで……俺が服従……?
いやいや…それはないだろう…セムちゃんには悪いけど、そうならない自信だってあるしね
それに……たとえどんな責めがあったとしても、心までは屈しないぞ!!
絶対セムちゃんの思い通りになったりしない!!
えっ?その根拠…??
そんなもの、あるわけないだろう!!
セ「それでは……いただきます……んっ♥ねぶりの果実より……おいひぃれふ、ここから出てくるものも、ねぶりの果実の果肉と同じぐらい甘くて美味しいものなんでしょうか………どうおもいますか?」
デ「た、食べたことないし……あれ、苦味があるって聞いたよ……?どちらにせよ、これ以上はダメだ…こんな汚いところをセムちゃんが舐めるなんてダメだよ!!そろそろ僕のいうことを聞いて……」
じゅぷっ!!じゅぷぷぅっ……
デ「あぅっ!!」
セ「じわじわっと…ひゃっき出てきた精子の味がします……あっ…この味、けっこう好き……きっと、デメさんのだからですね」
そう言いながら、凄い口のテクニックで俺のチンコをいじめてくるセムちゃんの、技量の高さに、俺はもう……何も言えないな…
っていうか、いったいどこでこの技を身につけたんだ……!?
まさか……グロリア家特有の練習法でもあるんだろうか……
練習…練習…ねぶり……果実…うっ…頭が……
それからも、繰り返されていくセムちゃんの無情な責めに、俺の限界はどんどんと近づいてきた……
はっきり言って、もう……少しの刺激でもダメかもしれない
デ「セムちゃん…だ、ダメだ……もぉ、俺は……」
セ「……わかってます……射精……したいんですよね?我慢しないで……出して……いいですよ…?」
そんなこと言われても、簡単に出すことなんてできない……
俺は自分の中にある責任感と理性で、射精感を必死に殺していた
セ「んっ……♥ちゅうっ……」
デ「あっ…す、吸っちゃダメだ!!吸っちゃ……っ!!」
俺は、セムちゃんの圧倒的吸引力に……責任感と理性を超えて肉体が降参したのを感じ取った……
そのまま、勢いよく射精して、あの倦怠感が襲って来るんだろう……
そう思っていたんだが……
デ「……あっ……れ……?この頭が真っ白になる感じは、射精してる…はずなのに、なんかもやもやする……というか、射精できてない……!?」
セ「あれ……出さない…ですか?」
デ「あっ……ひゃっ……どうして、なんで!?こ、これじゃ……」
セ「じゅぷっ……イって……ください……んっ…んっ…」
デ「イってるっ!!イキまくってるからぁっ!!セムちゃん、ちょっと待って……」
セ「デメさん……嘘ついてる……だって、射精してない……」
そんなこと言ったって!!出ないんだもんよ!!
あががががっ……快感の波が強すぎて……頭がおかしくなりそうだ…
セ「……デメさん……そうか……快感が弱いからダメなんですね?胸のおもちゃのスイッチも入れちゃいます………」
……そんなことしても、今の状態からひどくなる訳はないと思うけど……
そう思って油断している俺に、変な刺激が……
初めは……まったく気にならなかったんだけど、今は……気にしないではいられない
なんか、なんか乳首がやばい!!
どうして!?なんで!?すごくムズムズして…それでいて……
気を緩めると、一気に意識が飛びそうになる…
この感覚は危険だ!!
セ「……むぅ……こうなったら…この鎌の間の関節で挟み込んで……」
デ「やめてくれぇぇっ!!取れるっ!!切り取れちゃう!!」
セ「………デメさんは絶対に傷つけたりしません……私の旦那様を傷つけたりなんて、するわけないじゃないですか………」
そうはいっても、怖いものは怖い……
だけど、セムちゃんの鎌の関節部分はコリコリとした刺激が……
いつ間違ってチンコが切り落とされるかもしれないという恐怖から来る生存本能とも相まって、俺の限界を早めていた
ちなみに、俺は決してマゾヒストだとか、そんなことはないからな!!
両乳首におもちゃを付けられて、チンコを鎌に挟まれて興奮してるからって、マゾヒストじゃないんだからな!!
セ「………どうして…イってくれないの…?うっ…ぐすっ……」
デ「だぁかぁらぁっ!!イケないんだって!!このゴムを……」
セ「……お、お姉様に助けてもらおう……待ってて、デメさん……絶対に射精させてみせるから……」
デ「ま、待ってっ!!このゴムをとってくれたら………あぁっ……」
セムちゃん……せめて話は聞いてくれると……
やばいぞ……これからどんな入れ知恵されて、セムちゃんが戻ってくるのか…想像するだけでも恐ろしい……
それに、射精できなくてその精液が玉と先とを行ったり来たりしていて……
なんていうか、ヤバイ
くっそ……セムちゃんがいない間に、この胸のおもちゃだけでもどうにかしねぇと……そろそろ無視できるレベル以上の快感を与えてきてやがる……
だが、ただの宿屋店主である俺ができることなんて、物凄く少ない……
はっ……!?
この胸とおもちゃとを固定している物は……ただのテープだ
そして、今の俺は芋虫のような状態で布団の上……
体をくねらせながら床上に落下……その後、おもちゃを床にこすりつけて剥がしてしまえばいいんだ!!
なんて最高なアイデア……俺は自分自身の賢さに、思わず戦慄したね!!
さて…思いついたら即実行……俺は、体をくねらせて布団から落ちると、そのまま床におもちゃを押し付けて……
デ「ひっ!?し、し、振動が……だ、だ、ダイレクトにぃぃぃっ……」
し、しまった……こ、これは思わぬ誤算…
いったい誰がこんなことを予想できた!?
きっと誰もできていなかったに違いない……
そんな状態で床に這いつくばって悶えていると、セムちゃんが部屋に戻ってきたんだ
この体制ではあまり良く見えないが……なにか大きなものを持っているような
セ「………デメさん……もしかして、逃げようとしたのですか…?それとも…その胸についているおもちゃ……自分でのけようとしたのですか…?」
デ「い、いや……こ、こ、これは……そのっ……なんていうか……」
ヤバイ、非常にヤバイぞ……
この状況で、どんな言い訳をしたら、俺は安全に切り抜けることが……
俺は無い知恵で必死に考えたが、どうあがいても……
うん、無理だよね、これ……
セ「でも……デメさんは絶対に私から……離れたりいなくなったり……しないって信じてますから……これからやることも……受け入れてくれるって信じてますから……」
そう言いながら、セムちゃんは目隠しを手に俺に近づいてくる…
それを俺は、ただ見ているだけしかできなかった…
目の前はただ、真っ暗な闇……
俺にわかるのは、なにか木製の台座のようなものに、体が固定されているということだけだった
セ「えっと……これで…いいでしょうか……デメさん、これで逃げられませんよ……ふ、ふふふふっ……」
そう言いながら、セムちゃんがアイマスクをとってくれる……
視界がはっきりして、まずはじめに目に映ったのは鏡に映った自分の衝撃的な姿だったんだ。
俺は、顔と両手足を木製の台座で完璧に固定され、身動きが取れない状態にさせられていたんだよ!!
こ、これは……まるで断頭台の固定部じゃないか……
セ「……お姉様がいうには……男性の心をつかむには……お尻がてきめん…だそうです、デメさんは…どう思いますか?」
デ「く、狂ってやがる……さすがの僕も…これは理解できない……」
セ「理解してもらえたようで、うれしいです……ふ、ふふふふっ……」
えぇぇぇぇえぇっ!?
ま、まったく話を聞いてくれない……
男が……お尻……だと…?
まてまて、待ってくれ…
そんなイロモノな話、聞いたことがねぇぞ……
だが、セムちゃんはそんな俺の不安はよそに、喜々として何かの準備をしていたんだ。
目の前の鏡を通して、なにやら粘度の高い液体をグチュグチュしているのは見えるんだが……
いったい、なんだ…?あれ……
はっ…!?あれか…?湿布薬を水に浸して長時間おいていたら、染み出てくる粘っこい水か!?
セ「さてと……デメさん…少し、失礼しますね……」
デ「ひっ!?」
馬鹿な事を考えていると、セムちゃんがその粘っこい液体をそっと俺の背中に垂らしたんだよ!!
そして、その液体を体に引き伸ばしながらだんだんと手がお尻に近づいてきたんだよ!!
嫌悪感と同時に、変なくすぐったさが俺を襲う……
でも、これは気持ちよくて生殺しって今の状況が悪化するわけじゃないし…
むしろ、気持ち悪さで快感が半減されて、俺の体は少し楽になったぐらいだ
そう思い、少し油断した時だった……
セ「……えっと、お姉様の話では………お尻の中こそ、重点的に……まずは一本づつ慣らして………」
ずっ……ちゅっ………
デ「ふあぁっ!?ちょ……せ、せ、セムちゃんっ!!何をしてるんだ!!」
そう、こともあろうにセムちゃんは俺のお尻の穴にその液体がたっぷりついた指を差し込んできたんだよ!!
慌てて、俺はセムちゃんに質問したんだ
セ「えっ………デメさんが…好きなこと…です……」
デ「始めてだよっ!!こんなことされたの!!頼む、やめっ……」
セ「ぐにぐに……ぐにぐにぐに……」
デ「ひゃわっ!?な、なんか……変な声が出て……」
セ「やっぱり……好きなんですね……デメさん、Mですから……でも、私はそんなデメさんも……そんなデメさんだからこそ……大好きなんですよ……?うふふふっ……」
デ「俺はっ……えっ…むっ…なんかじゃあぁぁぁっ……」
俺は始めての出来事にも関わらず、快感を若干感じ始めていることに、困惑し始めていたんだ
こんなことで、快感を得てしまうなんて……お、俺はMだったのか……!?
そ、そ、そんな馬鹿な……嘘だっ……こんなの……
セム「ぐにぐに……ふふっ……なんだか、きゅっきゅってして……面白いです……けっこう、締め付けるんですね……でも、だんだんとその締めつけも弱くなってきてるような……」
そう言いながら、お尻の穴の中で指がくの字に曲がりながら、俺の何かを刺激する……
こ、この快感はまずい!!非常にまずいっ!!
そうして、快感の波がだんだんと強くなっているのを肌で感じ取っていた時、事件は起こった……
セム「………むっ……デメさんの弱点……私のマンティスとしての感が…ここかなって告げてます……失礼して……」
デ「マンティスの感って……何…っっ!!!!!???????」
ーーーーーっあっ…!!?
な、なんだっ!?今の…!?
い、い、いきなり頭の中が焼き付きそうなほどの快感が……
セ「当たり……ですか?」
デ「は…はははっ……なんのことか……」
セ「(じとー…)そうですか……では、この場所はっ!!」
デ「んほあぁっ!?」
セ「気持ちっ…よくっ…ないとっ!!」
デ「ひゃ、ひゃめてぇぇぇぇっ!!焼ける……真っ白になっちまうっ!!」
セ「言うんですねっ!?」
デ「ごめんなさいっ!!き、気持ちよすぎてぇ……お、おかしくなってしまいますぅぅっ!!せ、セム……様ぁっ!!」
セ「……っ!!(ゾクッ…)デメさん……その呼び方……私……けっこう好きかも……これから、二人…いや、三人で一生暮らすのですから………性行為のときは私のこと……そう……呼んで欲しいです……」
ぐっ………こ、このままでは……快感や何かで心が砕けてしまいそうだ……
セムちゃんが俺に好意を抱いているのは、ここまでの異常なアピールでわかったけど……
愛が……怖い……!!
まさか、セムちゃん……こんな裏の顔があったなんて……
おそらく、普段のセムちゃんの様子を見ている限りでは、誰もここまでは読めなかっただろうな……
セ「……えっと……お姉様がいうには……ある程度ほぐしたら…指の本数を増やして……」
ずにゅっ!!
デ「あがぁっ!?そ、そんな…容赦なくぅっ!!」
たかが、指が一本増えただけ……それなのに、快感はさっきの二倍…いや、三倍にも感じられたんだ
セムちゃんが指を動かすたびに、体の底から熱い何かが沸き上がってくる…
そして、それに身をあずけると、一気に快感に意識が塗り替えられる…
この快感は強すぎる……俺が思うに、危険だ
セ「デメさん……さっきよりもギチギチです……でも、私が指を抜こうとしたら、今まで以上のチカラで……ぎゅって……そんなに…私が愛おしいですか?私も、デメさんが愛おしいですよ……ふふっ…」
それから、数十分の時が流れ………
俺の頭の中は、脳までぐつぐつ煮えたぎっているようなぐらいに、快感を感じていたんだ
はっきり言ってもいいっ!!強すぎる快感は……人間の身にはきつすぎる!!
でも……だんだんと、この快感を楽しめている自分もいる……
本当に、人間という生き物は恐ろしいなぁ…
ぎぃっ……
不意に、この部屋の扉が開けられる……そこから、一人の女性がこっちの方に歩いてきたんだ
その女性はソルジャービートル……間違いなく、セムちゃんの姉の一人だ
??「セム………調子……どう…?」
セ「あっ……マヌカ姉さま……そ、それが……デメさん、気持ちいいかどうか…教えてくれないのです…………」
マ「大丈夫……私の…愛する人も……初めはそうだった……でも、だんだんと抵抗……弱く…なってる?」
セ「……はい、デメさん……飽きたのでしょうか…?ぐすっ…」
マ「…セム…ちょっと、抜いて…?確認……する…」
セムちゃんの姉がそう言うと、セムちゃんは素直に俺のお尻の穴から指を引き抜いたんだ
その直後、外骨格に覆われたセムちゃんの姉さんの指が、慎重に入れられる
一本だけなのに……なんて……うぅっ……
マ「……うん…ほぐれてる……セム…次が重要……これを、自分の秘部に……つける……」
セ「お姉様…これ……張り型…ですか?どうしてこんなものを……?私……デメさんに……入れてもらいたい……です……」
マ「…わかってる…でも、これ…してあげると…きっと…彼はセムに…夢中になる……信じて…?これを秘部に取り付けたら、反対側で…お尻に入れてあげる……これで……Mの男性は…イチコロ……」
だからっ!!俺はMじゃねぇってっ!!
なっ!?読者のみんなは信じてくれるよなっ!?なぁっ!?
いや……俺は男だぞ……っ!!
あんな偽物の男性器を模したおもちゃなんかに、好きにされるはずがない…
あんなおもちゃには、絶対に負けない!!
負けるはずがないんだぁぁぁぁぁっ!!
セ「……っ♥こんな…おもちゃで…こんなに気持いい…なら、デメさんのを受け入れたら…私…幸せで気絶しちゃうかも……しれません……えと…失礼します…デメさん…♥」
ずっ……ずっ…ちゅっ……
デ「んひぃぁぁっ!?何これっ!?なにこれえぇっ!?ダメだっ!!これはぁぁぁぁっ!!」
セ「んっ……キツい……です……でも、そんな抵抗が…私に伝わってきて……なんだか、ぽかぽかします…体が…」
ずちゅっ!!ぐちゅっ!!
デ「ふわぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁっ!!ぎぃぃっ!?あっ…がぁっ!!ら、らめてぇぇぇぇぇっ!!今までの蓄積した快感が…爆発しちゃうっ!!ダメっ!!あうっ……」
セ「……受け入れて…ください……私を…快感を…愛を……はぁぅっ♥デメさん……小動物みたいにピクピク反応して……私の……本能が……刺激されちゃいます………」
マ「セム……そのまま…ちょっと腰を下から上に突き上げるように……そこに…男の人の…弱点がある……そこを突かれると……」
セ「えっと……こう…ですか…?」
ずちゅぅぅっ……!!(コリコリ)
んひぃぃっ!?
だ、ダメ……なにか…なにか来るっ!!登ってくる……
ダメだっ!!俺……堕ちてしまうっ……!!
うっ……負けないぞ……
俺は宿屋の店主なんだ……こんなおもちゃなんかに…セムちゃんの責めなんかに絶対負けないっ!!
セ「うぅんっ♥……そろそろ…激しく……いきます……デメさん……堕ちていいですよ…?ふふっ…」
ぐちゅっ!!ぐちゅっ!!パンっ!!にゅぐぐぅっ……
パンッ!!パンッ!!
ずちゅっ!!ぐちゅぐちゅっ……
デ「んほあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁっ……♥っ!!ぐりゅっ……俺…なんでこんな……女…の人…みたいにぃぃっ!!犯されて……い…ぐぅぅっ!!」
これほどの快感を受けても、俺はあの忌々しいゴムのせいで、射精することができなかった……
それなのにも関わらず、俺は今…射精した瞬間のような快感に晒されている
しかも…その快感には終わりがないみたいな……
こんなの………始めてだった
まさか……負けない発言したその20秒後に……即効でイカされてしまうなんて……
だが、そんな俺の内心に気づいていないセムちゃんは、恍惚とした表情で、腰を振っている……
そんな姿を鏡越しにみて……俺の心のなかになにか…あったかい物が芽生えたのを感じたんだ
こんなに俺で気持ちよくなってくれているんだという、一種の自信のようなものまで、湧き上がってきてるね
はっきり言うと……今のセムちゃんの恍惚とした表情を見ていると…俺もうれしい……とっても、可愛いと思う……
はっ……!?この心の疼き……これが…愛…なのか…?
俺はこのセムちゃんの病的なまでの好意に……愛を感じ取ったのか…!?
セ「気持ちイィっ♥腰がっ♥あんっ……と、止まりません……デメさん……イキ顔がとても愛おしくて……見てるだけで……イっちゃいそうです……ラストスパートをかけてあげます………♥」
パンッ!!パンっ!!パンっ!!パンっ!!
セ「ふえぇぇっ……気持ち……いいですぅっ……」
デ「あがあぁぁぁっ!!んほあぁぁっ!!ひぐぅっああぁんっ♥はぁっ……あぁぁっ♥ぐりゅう…ぐりゅってしまうぅっ……」
セ「一緒に……狂って……しまいましょう…?デメさん……ふふっ…あっ♥イクッ……一緒に……イキたいですから、思いっきり……突き刺してあげます…その愛しいイキ顔をもっと気持ちいい物に染めて……ください……ねっ!!」
ずちゅぅぅぅぅっ!!
デ「ふわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
セ「イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ♥」
思わず、腰がガクガクと動きそうな錯覚に陥る……
台座に固定されていなかったら、きっとこの体制はずっとキープできていなかっただろう……そう思うね
そう思っていると、セムちゃんがまだ余韻も冷め切っていないうちに、俺の拘束を解いたんだよ!!
逃げるなら……今がチャンス……
そう思っても、体が動かない…というか、俺は……逃げたいのか…?
何から……俺は何から逃げたいと思っているんだ…?
………責任か?それとも、恐怖か?
なんだか、答えもないのにバカバカしく悩んでいるような…そんな予感が…
そう自問自答を繰り返していると、セムちゃんが俺の上にのしかかってきたんだ
そのままの勢いで、騎乗位に体勢を変えるセムちゃん……
すごく…嫌な予感が……
セ「デメさん……子供……欲しい……です……いいですよね?いいですよね?」
デ「まっ…それはダメだっ!!セムちゃんはまだ若すぎ……」
マ「……私が…許可する…デメトリオ…セムのこと…よろしく…」
セ「安心してください……私、さっきので…ここ…濡れちゃってますから、いきなりでも……大丈夫ですよ♥入れちゃいますね……」
デ「待ってくれっ!!もし…もしも子供ができてしまったらどうするんだ?セムちゃんにはおれよりもふさわしい男性が現れるかも知れない…それなのに、人生の相手を俺にしてしまっても……いいのかい?」
セ「……うるさい口ですね……んっ…♥……」
セムちゃんはそう言うと、前ぶりもなく俺にキスをしてきた
いきなりの行動に、なんの抵抗も俺はすることができなかった…
セ「ぷはっ……デメさん以外の人なんて…嫌です!!私はデメさんがいいんです!!いい加減、私の気持ちに……気づいてください!!」
ドキッ……って、心臓が跳ねる音が聞こえた
そうか…全ては俺の被害妄想だったのか…
セムちゃんは俺のこと…こんなに…思ってくれていたのか……
セ「デメさん……んっ……はぁっ……入ってきた……」
デ「う…うぅっ…セムちゃん…」
うぅうっ……凄い…キツい……
いや、セムちゃんがキツいのか、他の人のもこれぐらいキツいものなのか、俺は先程まで童貞だったから、判断なんてできねぇんだけども……
セ「はぁっ♥んっ…♥ゴム、切ります……中にいっぱい出して…ください!!」
ぷつっ………
デ「あうっ!?なにか、凄い大きな物が尿道を登ってきている…そんな感じがあぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!で、出るっ!!でちゃうっ!!」
ドクッ
セ「ふあぁぁぁぁっ♥凄いっ…あったかくて……お腹がポコッ♥ってなっちゃう……とろけちゃうよぉ……」
マ「……ふっ……デメトリオ…セム…幸せにな……私の役割…終わり…愛しい人……私もたぎってきた……今、行くぞ……ふっ……」
それから、俺はいったい、何度射精したのだろうか…?
普通の人間が出せる限界よりは、どっぷりと出したような気がする……
俺の隣には、放心しながらも俺の手を握って離さないセムちゃんがいたんだ
セ「デメさん……その…強引…でしたか?」
デ「あぁ…とてもね…?でも……セムちゃんの気持ちには気づいたよ…今まで気づかなくて、悪かったね」
セ「……いいんです、デメさん……その……私と結婚して…この屋敷に嫁いでくれますか?」
デ「それは……無理だよ…僕には宿屋があるからね……?この屋敷に嫁ぐことはできない……長い歴史を…僕の代で終わらせるわけにはいかないんだ」
セ「……そう…ですか……ぐすっ……」
デ「でもさ……セムちゃんが僕の宿屋に嫁いで来てくれるなら……その……セムちゃんさえよければ、僕と……結婚して……くれるだろうか…?」
セ「……っ!!はいっ!!はいぃっ!!よ、喜んで……ぐすっ…」
そんなに泣かなくても……
いつもは感情表現が少ないセムちゃんだけど、今日はなぜか、色々なセムちゃんの表情を見ることができたなぁ…なんて……
それから、数ヶ月後……ついにフェルス興国の唯一の独身男性が結婚したという一報が流れ、国はお祭り騒ぎになったという……
サ「……そっか、セムちゃんもデメさんのこと…好きだったんだ…あたしに勇気があれば、私もデメさんと……一緒になれたのかな……?」
セ「サリィ…さん…そんなところで……何ぼさっと立っているんですか?」
サ「あっ……セムちゃん……お、おめでとう!!いやぁ…デメさんもいい子を見つけたなぁ…なんて…はははっ…じゃあ…あたし配達あるから……」
セ「……そうやって、また逃げるんですか…?サリィさんだって…本当は私に負けないぐらい……デメさんのことが好きだったんじゃないんですか?」
サ「それは……昔は…ね?でも、今はセムちゃんがデメさんと一緒に暮らすから……なんかさ、吹っ切れちゃった…デメさんと幸せになってね?」
セ「……逃げないでください!!サリィさんはどうして、そうやってすぐに諦めるんですか!?私だったら……デメさんと多重婚してでも一緒になります!だって……それぐらい強い愛なんです!!同じ人を愛した恋敵だからこそ……自分の意思を貫き通して見せてくださいよ!!」
サ「あ、あたしだってっ!!デメさんのことが好きっ!!大好きだよっ!!でも、あたしはガサツだし、大雑把だし、気が利かないし………」
セ「愛する気持ちがあるなら、諦めないでください!!そんな綺麗事ではデメさんには伝わりません………」
サ「……綺麗事……?だったらっ!!あたしが今からデメさんの事を襲いに行ってもいいの!?嫌でしょっ!?セムちゃん、そんなことされて平常心でいられるの!?」
セ「いられませんよ……でも…私、デメさんに対する愛は誰にも負けてない自信があります、私と張り合えるのは……悔しいですが、サリィさん……あなたぐらいなんです……だから……デメさんの第二夫人になるつもり…ないですか?」
サ「本気…?あたし、突っ走ったら急には止まれないんだよ?デメさんのこと、ひぃひぃとよがらせて、あたしに釘付けにしてしまうかもしれないよ?」
セ「………えぇ…私の愛の方が…強いですけれど……ね?」
サ&セ「というわけで……デメさん……覚悟しておいてくださいね?」
デ「ひぃぃぃっ……ほんのり怖い……」
だが、少しだけ期待している俺がいるのは、二人には内緒にしておいて欲しい
そうして、俺に二人の奥さんができた
二人共、ひたむきな愛を俺に向けてきてくれているのは、とてもうれしい
そういえば、最近娘も生まれたんだ……
ハーピーとマンティスの娘なんだけど、これがもう可愛くてさ!!
デ「サリィ……この子の名前はどうする?」
サ「もう、決めているんです……デメさんの宿屋の初代店主であるハイネさんと、私たちの家では、とても由緒ある勇敢なご先祖様のシオン様の名前を文字って……シオネ…とか、どうでしょうか?」
デ「いい名前だね……シオネ…シオネかぁ……それじゃあ、セムちゃんは?もう、決めているのかな?」
セ「そう……ですね……あ、そうだ……それなら……」
それから、さらに半年が過ぎた……
娘たちは5歳……未だに、物凄く可愛い……毎日ちまちまと書いてきた日記も随分と古びてきた
実は、これが最後のページなんだ……
だから、ここに何を書くのか……真剣に悩んだんだけど……
結果、僕の願いを書いておくことにしたんだ
どうか、この幸せがいつまでも続き……拡散していきますように…ってね
さてと、そろそろ行かないと……他のみんなもまってるからな……
俺はそう書き込むと、日記をそっと閉じて机の上に置いた
そして、みんなが待っている宿屋の居間に向かったのだった……
END
その日も変わらずに宿屋を開く準備をしていると、いつもはこの時間に会うことは少ない……あの子が俺の宿屋にやってきたんだ
デ「あれ……?セムちゃん?…今日はどうしたんです?」
目の前にいる、ジト目で俺を無言で見つめるマンティスの少女…セムちゃん
彼女は、ここフェルス興国の中でも、貴族…と呼んでもいいほどの名家のお嬢様だ。
家族構成は、エキドナの母親を筆頭に、長女エキドナ、次女ドラゴン、三女ミューカストード、四女ソルジャービートル、末っ子セムちゃんという構成になっていて、何故だか知らないけれど、俺は彼女になつかれているんだ
しかし……相手はいい家のいわばお嬢様だ…機嫌を損ねないようにしながら、会話をするというのは、なかなかに心が疲れるんだよな
セ「…………デメさん……聞きたいことがあるんです……」
デ「えっと……僕に応えられることだったら、いいけれど……」
セ「………デメさん……最近……他の魔物娘に……言い寄られてますよね…?」
えっ?……えぇ?
いや……そんな気配もフラグも、立ってないんだが……?
セムちゃんはいったい、何を勘違いしているんだ…?
デ「えっ……?そんなこと、無いと思うんだけど……」
セ「…………それ……嘘ですよね……私、知っているんです……聞いているんです……屋敷にいると……常に言い寄られているんじゃないかって心配なんです…………」
セムちゃんはそう言うと、ゆったりと俺の方に歩いてきたんだよ
そして、俺の首に腕を回すと………耳元でこう囁いてきたんだ
セ「デメさんはぁ………もう、私の……旦那様に……なるべき……なんです…でも、デメさんは…鈍いから……私の気持ちに気がついてくれない……でも、もう……もう耐えられないんです……抑えられないんです……」
デ「えっ………それってどういう……」
セ「んっ♥」
デ「っ!?」
なんだ……!?セムちゃんがいきなり口づけをしてきたかと思うと、口の中になにか錠剤を含まされたぞ……!?
俺は慌てて、その錠剤を口から出そうと舌を動かし、抵抗したんだが……
セムちゃんの舌が俺の舌に触れるたびにゾクっとした感覚が体を走り、そして、口の中で錠剤が軽く溶けたとき、俺の喉奥にその謎の錠剤は転がり落ちて行ったんだよ!!
なんだっ…!?いったい…なんの…薬……
あれ…っ!?地震かっ!?けっこう大きい……!?
頭が……揺さぶられる……!?眠い…?
あ…………あ……れ……?
俺の意識は、一気に闇の中に引きずり落とされたのだった……
デ「うっ……あれ…?体が…思うように動かせない……」
俺の意識がはっきりしてきたのは、それからいったいどれほどの時間がたった後なのか……
俺は、自分の手足を襲っている謎の違和感で目を覚ましたんだ
目を開けると、そこは一面純白な部屋だった
まるで、その部屋自体が汚してはいけないような……そんな雰囲気を醸し出していたんだよ!!
宿屋店主の観察眼から判断するに……この部屋にはスイートルーム並みの価値があると見た!!
でだ………
どうして俺の両手足に、この部屋に不釣り合いな黒い枷がついているんだ?
そう……俺の体は、両手両足を鎖と枷で縛られ、大の字にされてベッドの上にいたんだよ!!
この部屋がどんな部屋なのかとか、誰の部屋なのかもわからない状況で、こんな展開……俺的にも、かなり怖い状況だと思うね!!
セ「……あっ……デメさん………起きたんですか…?おはようです……」
デ「えっ……せ、セム…ちゃん?どうしたんだい?その格好は……」
セ「これは、私のパジャマ……のようなものですが……?」
デ「そ、そんなハレンチなっ!?だ、ダメだよ?そんな格好で人前に出たら…」
セ「………デメさんにしか……見せませんから……それに、デメさんだって…今は薄いシルクのシャツ一枚だけしか着てない……デメさんも…ハレンチ…だよ?でも……私は…そんなデメさん……好き…だから…」
おいおいおいおい……こ、これは…いったいどういう状況だ…!?
俺自身、けっこう厄介事には巻き込まれていると思うけれども……
こ、ここまで切羽詰まったのは久しぶりな気がする……
デ「じ、冗談は……」
セ「………デメさん、お腹すいてますよね……私…このときのために最高級の干し肉をお持ちしたんです……」
デ「えっ!?そ、それは非常に気になる……でも、そんなものどこに……」
セ「…………んっ…♥ここで……さらに深い味になるように……漬け込んで置いたんです……ほらぁ…もうすっかり味が染み込んでいると思いますよ…?」
なっ!?せ、セムさんっ!?ほ、干し肉をどこにしまっているんですか!!
ど、ど、ど、ど、ど、動揺なんて、し、してねぇけども……お、俺でも驚愕したね…本気で
デ「そ、そんなところに干し肉を入れるなんて…ダメですよ!!そこはいずれセムちゃんの旦那さんとセムちゃんが愛を育んで、こどもを作る場所……」
セ「…………食べて……?あっ……食べにくいですか?じゃあ……私が咀嚼して、口に流し込んであげます……あむっ…むぐむぐ……」
デ「そういう問題じゃないって!!それは問題じゃないんだって!!」
セ「食べて……ください…♥」
デ「んむーーーっ!?」
俺は必死に、セムちゃんが咀嚼したその干し肉を、食べまいと抵抗したんだが……ただの宿屋店主が魔物娘であるセムちゃんに対して、長時間抵抗するのは、非常に難しかったんだ
結局、俺はその干し肉を口に……喉奥に運ぶことになってしまった
口のなかに、干し肉の味と、少ししょっぱいような味と、甘い味が混ざって…なんだか、とても変な気分になった
セ「おいしかったですか…?そのお肉……とっても…いいものなんですよ?…これからは、毎日……食べることができます……デメさん………その……私と……結婚……して欲しい……です……!!」
えっ!?ちょっと、なんだよこの急展開!?
まてまて、待ってくれよ!!これは夢か…?幻か…?
と、とりあえず……どちらにせよ、その提案を受けるわけにはいかないな…
だって、セムちゃんと俺は、どう考えたって釣り合わないしね?
俺自身、臆病者でいざという時にはすぐに逃げてしまうし……セムちゃんにはちゃんといい相手がいると思うんだよなぁ
デ「せ、セムちゃん……ごめん、それは無理だよ……」
セ「…………………えっ?………」
デ「だって……セムちゃんはまだ16歳じゃないか、それにグロリア家のお嬢様だよ?きっと、君にふさわしい旦那様に出会えると思う……セムちゃんはまだまだ、若い…僕のような男より、もっと高い理想を抱いてもいいと思うよ?」
セ「デメさん……何言ってるんですか……?私はデメさんが好き……そう…言ったんですよ………?今の自分の状況……わかっているんですか……?冗談で、こんなことはしません……私は本気……本気です…」
セムちゃんがそう言いながら、俺の首筋に舌を這わせる……
その瞬間だった、俺はなぜか、セムちゃんに対して恐怖の感情を抱いたんだ
臆病者な俺だからこそ、この感情には従ったほうがいいとわかる……
セ「……でも、デメさんは優しいから……一回で結婚してくれないってわかってました……でも、デメさん……デメさんが私無しで生きられないようになったら、どうでしょうか?……デメさんは私に甘えていいんです……体も心も私色に……染め上げてあげます………」
セムちゃんがそう言いながら、手の鎌を振り下ろして、俺のシャツを切り裂く………
お、俺……まさかのキャスト・オフっ!!全裸状態になってしまった!!
デ「ま、待ってくれよセムちゃん………俺も、セムちゃんの気持ちには答えたいよ?でも…こう両手足を縛られていては、それもできないというか……まずは解いてくれないかな?」
俺はそう言って、この拘束を解いてくれることにかけたんだ
解放されたら、真っ先に近くにある扉から脱出……部屋から出てしまえば、あとは全力で逃げるだけ……運との勝負ってやつだ
セ「……デメさん……そうですね……鎖、解いてあげますね……」
ガチャリ…
デ「やったっ!!……セムちゃん、ごめんっ!!」
セ「きゃっ!?」
デ「よし……この扉から外に……」
ガチャ…ガチャガチャ…
えっ…………?
そ、そんな…嘘だろ!?ど、どうしてあかないんだ!?
見た感じ、鍵穴なんてないから、開かないはずが……
セ「……どうして?……逃げるんですかっ!!やっぱり、初めはデメさんを堕とすところから始めないといけないのかなぁ?頭の中身も心の中身も快楽でぐっちょぐちょにしないといけないのかなぁ?ねぇ……デメさん?」
デ「ひいぃぃぃっ!!ご、ご、ごめん…これは…そう、ほんの出来心だったんだよ……だ、だから…許して……許してくれ」
セ「……子供だと思って、愛が軽いなんて思わないでください!!許しません……デメさん……もう、子供作っちゃうまで許してあげませんから……デメさんの始めてを全て……私がいただきます……お覚悟を……」
なんて剣幕だ……
俺はセムちゃんの剣幕に恐怖すら感じ、部屋の隅のタンスのところまで、後ずさりする……
デ「た、助けて……誰でもいいから、俺をこの場所から一時的に助け出してくれ!!サリィでも…誰でもいいから……」
セ「………私の前で……他の女の名前……呼ぶんですね……もう、絶対に許しません……ほら……デメさん…捕まえましたよ……」
セムちゃんは俺を捕まえると、ものすごい速度で俺の両手を後ろに縛り付けたんだ。
そして、両足も縛られ……俺は芋虫のように床に押し倒されたんだよ!!
そんな俺をお姫様だっこして、ベッドに連れて行くセムちゃん……
だが、どうしてだ…!?どうして…どうしてあのベッドが処刑台に見えるんだ!?
これから……ものすごい恐ろしいことが待っているような……
そんな予感がする
セ「デメさん……いつも思っていたんですけど……どうして魔物娘を見ても、ここ……こんなに元気がないんですか?」
それは……先祖代々伝わる秘伝のお薬を飲んでごまかしているから……
なんて、そんなこと言える状況じゃないな……
セ「………あっ……ピクってしてる……デメさんのおちんちん……皮余ってるけど、なんか……いいですね」
デ「…………」
セ「反応しているってことは……興奮しないわけじゃないんですね……そうだ……」
セムちゃんはそういうと、いきなり俺のチンコを上下にしごきながら胸に顔をうずめ、舌で胸を舐め始めたんだよ!!
これがいったいどういう状況なのか……ただの宿屋店主である俺には見当もつかないぜ……
セ「これ……姉さまが教えてくれたテクニックなんです……姉さまほど、舌がいやらしくネトネトしてないですから、姉さまほど……上手ではないですが…男性でも、長時間かけて開発すれば……乳首でもイケるって姉さまは言っていました……そんな体になってしまったら、デメさんは私以外の女性と会おうなんて思わないはずです………ふふっ……うふふふふふふっ……」
セムちゃんはそう言いながら俺を攻めてきたが……俺はセムちゃんの胸に対する攻撃に対して、あまりダメージを感じていなかった
まぁ……いつものお薬を飲んでいないから、下半身はめちゃくちゃダメージを受けているんだけど……
セ「デメさん……あまり、初めは胸……感じてないですよね……安心してください…だんだんと気持ちよく…なっていきます……あぁっ……デメさんの分身はだんだんと…かちかちに…」
デ「ま、まだ…今ならまだ間に合うよセムちゃん!!これ以上はいけない!」
だが、俺の決死の訴えも虚しく…セムちゃんは俺のチンコをしごく速度を速めていく……
自慢じゃないけど……普段、そういった性欲を押さえつけてきている分……
俺はものすごい絶頂が早いんだ……
はっきりいうと……限界が近い…
セ「デメさん……なんだか、おちんちん……熱くなってきました…早いのですね……でも……大丈夫…その分たくさん、出してもらいますね?」
デ「だ…めだ……セムちゃん……かかっちゃう……」
このままでは、俺の汚い精子がセムちゃんの高そうな純白のパジャマを汚してしまう……
宿屋店主の俺程度に……弁償できるような値段の服じゃないだろうし……
何より、簡単に流されてしまっている自分の情けなさが…俺の罪悪感を加速させる
セ「ほら……ぎゅってしてあげます……」
デ「あっ!!だ、ダメ……っくっ!!あ……あぁ……」
どぷっ……
セ「凄い勢いですね……それだけ私に興奮してくれた…そういうこと……うれしいです………あっ……ちょっと小さくなってる……デメさん……」
セムちゃんは俺の名前を呼びながら、一回の射精で息も絶え絶えな俺に、何かを食べさせたんだ…
それはなんというか……変に甘く、栄養ドリンクのような味がしたんだ
そして、それを飲んだ途端、俺のチンコが復活………
ま、まさか…精力剤の類か…!?
セ「………大きくなりましたね……さて、次は……デメさん、少しこれをつけておいてください……スカニさんから頂いた……大人のおもちゃです…これを両乳首に……はい、これでいいですよ……」
スカニーーーーっ!!いったいセムちゃんに何を渡しているんだ!!
セムちゃんは、ピンク色の……よくわからない機械を俺の両乳首にテープで止めると、顔を舌に移動させていく……
セ「デメさんのここ……どんな味なんでしょうか……?あっ…味わう前に…ちょっとこれをつけさせてもらいますね?」
デ「な、なに…それ……?ゴム製の輪っか?それをいったい……」
セ「これをおちんちんにつけて、服従させるのが、愛を深めるのにいいって…一番上のお姉様がいってたんです……愛を深めて、心のそこから…幸せになって欲しいんです」
こんなゴムの輪っかで……俺が服従……?
いやいや…それはないだろう…セムちゃんには悪いけど、そうならない自信だってあるしね
それに……たとえどんな責めがあったとしても、心までは屈しないぞ!!
絶対セムちゃんの思い通りになったりしない!!
えっ?その根拠…??
そんなもの、あるわけないだろう!!
セ「それでは……いただきます……んっ♥ねぶりの果実より……おいひぃれふ、ここから出てくるものも、ねぶりの果実の果肉と同じぐらい甘くて美味しいものなんでしょうか………どうおもいますか?」
デ「た、食べたことないし……あれ、苦味があるって聞いたよ……?どちらにせよ、これ以上はダメだ…こんな汚いところをセムちゃんが舐めるなんてダメだよ!!そろそろ僕のいうことを聞いて……」
じゅぷっ!!じゅぷぷぅっ……
デ「あぅっ!!」
セ「じわじわっと…ひゃっき出てきた精子の味がします……あっ…この味、けっこう好き……きっと、デメさんのだからですね」
そう言いながら、凄い口のテクニックで俺のチンコをいじめてくるセムちゃんの、技量の高さに、俺はもう……何も言えないな…
っていうか、いったいどこでこの技を身につけたんだ……!?
まさか……グロリア家特有の練習法でもあるんだろうか……
練習…練習…ねぶり……果実…うっ…頭が……
それからも、繰り返されていくセムちゃんの無情な責めに、俺の限界はどんどんと近づいてきた……
はっきり言って、もう……少しの刺激でもダメかもしれない
デ「セムちゃん…だ、ダメだ……もぉ、俺は……」
セ「……わかってます……射精……したいんですよね?我慢しないで……出して……いいですよ…?」
そんなこと言われても、簡単に出すことなんてできない……
俺は自分の中にある責任感と理性で、射精感を必死に殺していた
セ「んっ……♥ちゅうっ……」
デ「あっ…す、吸っちゃダメだ!!吸っちゃ……っ!!」
俺は、セムちゃんの圧倒的吸引力に……責任感と理性を超えて肉体が降参したのを感じ取った……
そのまま、勢いよく射精して、あの倦怠感が襲って来るんだろう……
そう思っていたんだが……
デ「……あっ……れ……?この頭が真っ白になる感じは、射精してる…はずなのに、なんかもやもやする……というか、射精できてない……!?」
セ「あれ……出さない…ですか?」
デ「あっ……ひゃっ……どうして、なんで!?こ、これじゃ……」
セ「じゅぷっ……イって……ください……んっ…んっ…」
デ「イってるっ!!イキまくってるからぁっ!!セムちゃん、ちょっと待って……」
セ「デメさん……嘘ついてる……だって、射精してない……」
そんなこと言ったって!!出ないんだもんよ!!
あががががっ……快感の波が強すぎて……頭がおかしくなりそうだ…
セ「……デメさん……そうか……快感が弱いからダメなんですね?胸のおもちゃのスイッチも入れちゃいます………」
……そんなことしても、今の状態からひどくなる訳はないと思うけど……
そう思って油断している俺に、変な刺激が……
初めは……まったく気にならなかったんだけど、今は……気にしないではいられない
なんか、なんか乳首がやばい!!
どうして!?なんで!?すごくムズムズして…それでいて……
気を緩めると、一気に意識が飛びそうになる…
この感覚は危険だ!!
セ「……むぅ……こうなったら…この鎌の間の関節で挟み込んで……」
デ「やめてくれぇぇっ!!取れるっ!!切り取れちゃう!!」
セ「………デメさんは絶対に傷つけたりしません……私の旦那様を傷つけたりなんて、するわけないじゃないですか………」
そうはいっても、怖いものは怖い……
だけど、セムちゃんの鎌の関節部分はコリコリとした刺激が……
いつ間違ってチンコが切り落とされるかもしれないという恐怖から来る生存本能とも相まって、俺の限界を早めていた
ちなみに、俺は決してマゾヒストだとか、そんなことはないからな!!
両乳首におもちゃを付けられて、チンコを鎌に挟まれて興奮してるからって、マゾヒストじゃないんだからな!!
セ「………どうして…イってくれないの…?うっ…ぐすっ……」
デ「だぁかぁらぁっ!!イケないんだって!!このゴムを……」
セ「……お、お姉様に助けてもらおう……待ってて、デメさん……絶対に射精させてみせるから……」
デ「ま、待ってっ!!このゴムをとってくれたら………あぁっ……」
セムちゃん……せめて話は聞いてくれると……
やばいぞ……これからどんな入れ知恵されて、セムちゃんが戻ってくるのか…想像するだけでも恐ろしい……
それに、射精できなくてその精液が玉と先とを行ったり来たりしていて……
なんていうか、ヤバイ
くっそ……セムちゃんがいない間に、この胸のおもちゃだけでもどうにかしねぇと……そろそろ無視できるレベル以上の快感を与えてきてやがる……
だが、ただの宿屋店主である俺ができることなんて、物凄く少ない……
はっ……!?
この胸とおもちゃとを固定している物は……ただのテープだ
そして、今の俺は芋虫のような状態で布団の上……
体をくねらせながら床上に落下……その後、おもちゃを床にこすりつけて剥がしてしまえばいいんだ!!
なんて最高なアイデア……俺は自分自身の賢さに、思わず戦慄したね!!
さて…思いついたら即実行……俺は、体をくねらせて布団から落ちると、そのまま床におもちゃを押し付けて……
デ「ひっ!?し、し、振動が……だ、だ、ダイレクトにぃぃぃっ……」
し、しまった……こ、これは思わぬ誤算…
いったい誰がこんなことを予想できた!?
きっと誰もできていなかったに違いない……
そんな状態で床に這いつくばって悶えていると、セムちゃんが部屋に戻ってきたんだ
この体制ではあまり良く見えないが……なにか大きなものを持っているような
セ「………デメさん……もしかして、逃げようとしたのですか…?それとも…その胸についているおもちゃ……自分でのけようとしたのですか…?」
デ「い、いや……こ、こ、これは……そのっ……なんていうか……」
ヤバイ、非常にヤバイぞ……
この状況で、どんな言い訳をしたら、俺は安全に切り抜けることが……
俺は無い知恵で必死に考えたが、どうあがいても……
うん、無理だよね、これ……
セ「でも……デメさんは絶対に私から……離れたりいなくなったり……しないって信じてますから……これからやることも……受け入れてくれるって信じてますから……」
そう言いながら、セムちゃんは目隠しを手に俺に近づいてくる…
それを俺は、ただ見ているだけしかできなかった…
目の前はただ、真っ暗な闇……
俺にわかるのは、なにか木製の台座のようなものに、体が固定されているということだけだった
セ「えっと……これで…いいでしょうか……デメさん、これで逃げられませんよ……ふ、ふふふふっ……」
そう言いながら、セムちゃんがアイマスクをとってくれる……
視界がはっきりして、まずはじめに目に映ったのは鏡に映った自分の衝撃的な姿だったんだ。
俺は、顔と両手足を木製の台座で完璧に固定され、身動きが取れない状態にさせられていたんだよ!!
こ、これは……まるで断頭台の固定部じゃないか……
セ「……お姉様がいうには……男性の心をつかむには……お尻がてきめん…だそうです、デメさんは…どう思いますか?」
デ「く、狂ってやがる……さすがの僕も…これは理解できない……」
セ「理解してもらえたようで、うれしいです……ふ、ふふふふっ……」
えぇぇぇぇえぇっ!?
ま、まったく話を聞いてくれない……
男が……お尻……だと…?
まてまて、待ってくれ…
そんなイロモノな話、聞いたことがねぇぞ……
だが、セムちゃんはそんな俺の不安はよそに、喜々として何かの準備をしていたんだ。
目の前の鏡を通して、なにやら粘度の高い液体をグチュグチュしているのは見えるんだが……
いったい、なんだ…?あれ……
はっ…!?あれか…?湿布薬を水に浸して長時間おいていたら、染み出てくる粘っこい水か!?
セ「さてと……デメさん…少し、失礼しますね……」
デ「ひっ!?」
馬鹿な事を考えていると、セムちゃんがその粘っこい液体をそっと俺の背中に垂らしたんだよ!!
そして、その液体を体に引き伸ばしながらだんだんと手がお尻に近づいてきたんだよ!!
嫌悪感と同時に、変なくすぐったさが俺を襲う……
でも、これは気持ちよくて生殺しって今の状況が悪化するわけじゃないし…
むしろ、気持ち悪さで快感が半減されて、俺の体は少し楽になったぐらいだ
そう思い、少し油断した時だった……
セ「……えっと、お姉様の話では………お尻の中こそ、重点的に……まずは一本づつ慣らして………」
ずっ……ちゅっ………
デ「ふあぁっ!?ちょ……せ、せ、セムちゃんっ!!何をしてるんだ!!」
そう、こともあろうにセムちゃんは俺のお尻の穴にその液体がたっぷりついた指を差し込んできたんだよ!!
慌てて、俺はセムちゃんに質問したんだ
セ「えっ………デメさんが…好きなこと…です……」
デ「始めてだよっ!!こんなことされたの!!頼む、やめっ……」
セ「ぐにぐに……ぐにぐにぐに……」
デ「ひゃわっ!?な、なんか……変な声が出て……」
セ「やっぱり……好きなんですね……デメさん、Mですから……でも、私はそんなデメさんも……そんなデメさんだからこそ……大好きなんですよ……?うふふふっ……」
デ「俺はっ……えっ…むっ…なんかじゃあぁぁぁっ……」
俺は始めての出来事にも関わらず、快感を若干感じ始めていることに、困惑し始めていたんだ
こんなことで、快感を得てしまうなんて……お、俺はMだったのか……!?
そ、そ、そんな馬鹿な……嘘だっ……こんなの……
セム「ぐにぐに……ふふっ……なんだか、きゅっきゅってして……面白いです……けっこう、締め付けるんですね……でも、だんだんとその締めつけも弱くなってきてるような……」
そう言いながら、お尻の穴の中で指がくの字に曲がりながら、俺の何かを刺激する……
こ、この快感はまずい!!非常にまずいっ!!
そうして、快感の波がだんだんと強くなっているのを肌で感じ取っていた時、事件は起こった……
セム「………むっ……デメさんの弱点……私のマンティスとしての感が…ここかなって告げてます……失礼して……」
デ「マンティスの感って……何…っっ!!!!!???????」
ーーーーーっあっ…!!?
な、なんだっ!?今の…!?
い、い、いきなり頭の中が焼き付きそうなほどの快感が……
セ「当たり……ですか?」
デ「は…はははっ……なんのことか……」
セ「(じとー…)そうですか……では、この場所はっ!!」
デ「んほあぁっ!?」
セ「気持ちっ…よくっ…ないとっ!!」
デ「ひゃ、ひゃめてぇぇぇぇっ!!焼ける……真っ白になっちまうっ!!」
セ「言うんですねっ!?」
デ「ごめんなさいっ!!き、気持ちよすぎてぇ……お、おかしくなってしまいますぅぅっ!!せ、セム……様ぁっ!!」
セ「……っ!!(ゾクッ…)デメさん……その呼び方……私……けっこう好きかも……これから、二人…いや、三人で一生暮らすのですから………性行為のときは私のこと……そう……呼んで欲しいです……」
ぐっ………こ、このままでは……快感や何かで心が砕けてしまいそうだ……
セムちゃんが俺に好意を抱いているのは、ここまでの異常なアピールでわかったけど……
愛が……怖い……!!
まさか、セムちゃん……こんな裏の顔があったなんて……
おそらく、普段のセムちゃんの様子を見ている限りでは、誰もここまでは読めなかっただろうな……
セ「……えっと……お姉様がいうには……ある程度ほぐしたら…指の本数を増やして……」
ずにゅっ!!
デ「あがぁっ!?そ、そんな…容赦なくぅっ!!」
たかが、指が一本増えただけ……それなのに、快感はさっきの二倍…いや、三倍にも感じられたんだ
セムちゃんが指を動かすたびに、体の底から熱い何かが沸き上がってくる…
そして、それに身をあずけると、一気に快感に意識が塗り替えられる…
この快感は強すぎる……俺が思うに、危険だ
セ「デメさん……さっきよりもギチギチです……でも、私が指を抜こうとしたら、今まで以上のチカラで……ぎゅって……そんなに…私が愛おしいですか?私も、デメさんが愛おしいですよ……ふふっ…」
それから、数十分の時が流れ………
俺の頭の中は、脳までぐつぐつ煮えたぎっているようなぐらいに、快感を感じていたんだ
はっきり言ってもいいっ!!強すぎる快感は……人間の身にはきつすぎる!!
でも……だんだんと、この快感を楽しめている自分もいる……
本当に、人間という生き物は恐ろしいなぁ…
ぎぃっ……
不意に、この部屋の扉が開けられる……そこから、一人の女性がこっちの方に歩いてきたんだ
その女性はソルジャービートル……間違いなく、セムちゃんの姉の一人だ
??「セム………調子……どう…?」
セ「あっ……マヌカ姉さま……そ、それが……デメさん、気持ちいいかどうか…教えてくれないのです…………」
マ「大丈夫……私の…愛する人も……初めはそうだった……でも、だんだんと抵抗……弱く…なってる?」
セ「……はい、デメさん……飽きたのでしょうか…?ぐすっ…」
マ「…セム…ちょっと、抜いて…?確認……する…」
セムちゃんの姉がそう言うと、セムちゃんは素直に俺のお尻の穴から指を引き抜いたんだ
その直後、外骨格に覆われたセムちゃんの姉さんの指が、慎重に入れられる
一本だけなのに……なんて……うぅっ……
マ「……うん…ほぐれてる……セム…次が重要……これを、自分の秘部に……つける……」
セ「お姉様…これ……張り型…ですか?どうしてこんなものを……?私……デメさんに……入れてもらいたい……です……」
マ「…わかってる…でも、これ…してあげると…きっと…彼はセムに…夢中になる……信じて…?これを秘部に取り付けたら、反対側で…お尻に入れてあげる……これで……Mの男性は…イチコロ……」
だからっ!!俺はMじゃねぇってっ!!
なっ!?読者のみんなは信じてくれるよなっ!?なぁっ!?
いや……俺は男だぞ……っ!!
あんな偽物の男性器を模したおもちゃなんかに、好きにされるはずがない…
あんなおもちゃには、絶対に負けない!!
負けるはずがないんだぁぁぁぁぁっ!!
セ「……っ♥こんな…おもちゃで…こんなに気持いい…なら、デメさんのを受け入れたら…私…幸せで気絶しちゃうかも……しれません……えと…失礼します…デメさん…♥」
ずっ……ずっ…ちゅっ……
デ「んひぃぁぁっ!?何これっ!?なにこれえぇっ!?ダメだっ!!これはぁぁぁぁっ!!」
セ「んっ……キツい……です……でも、そんな抵抗が…私に伝わってきて……なんだか、ぽかぽかします…体が…」
ずちゅっ!!ぐちゅっ!!
デ「ふわぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁっ!!ぎぃぃっ!?あっ…がぁっ!!ら、らめてぇぇぇぇぇっ!!今までの蓄積した快感が…爆発しちゃうっ!!ダメっ!!あうっ……」
セ「……受け入れて…ください……私を…快感を…愛を……はぁぅっ♥デメさん……小動物みたいにピクピク反応して……私の……本能が……刺激されちゃいます………」
マ「セム……そのまま…ちょっと腰を下から上に突き上げるように……そこに…男の人の…弱点がある……そこを突かれると……」
セ「えっと……こう…ですか…?」
ずちゅぅぅっ……!!(コリコリ)
んひぃぃっ!?
だ、ダメ……なにか…なにか来るっ!!登ってくる……
ダメだっ!!俺……堕ちてしまうっ……!!
うっ……負けないぞ……
俺は宿屋の店主なんだ……こんなおもちゃなんかに…セムちゃんの責めなんかに絶対負けないっ!!
セ「うぅんっ♥……そろそろ…激しく……いきます……デメさん……堕ちていいですよ…?ふふっ…」
ぐちゅっ!!ぐちゅっ!!パンっ!!にゅぐぐぅっ……
パンッ!!パンッ!!
ずちゅっ!!ぐちゅぐちゅっ……
デ「んほあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁっ……♥っ!!ぐりゅっ……俺…なんでこんな……女…の人…みたいにぃぃっ!!犯されて……い…ぐぅぅっ!!」
これほどの快感を受けても、俺はあの忌々しいゴムのせいで、射精することができなかった……
それなのにも関わらず、俺は今…射精した瞬間のような快感に晒されている
しかも…その快感には終わりがないみたいな……
こんなの………始めてだった
まさか……負けない発言したその20秒後に……即効でイカされてしまうなんて……
だが、そんな俺の内心に気づいていないセムちゃんは、恍惚とした表情で、腰を振っている……
そんな姿を鏡越しにみて……俺の心のなかになにか…あったかい物が芽生えたのを感じたんだ
こんなに俺で気持ちよくなってくれているんだという、一種の自信のようなものまで、湧き上がってきてるね
はっきり言うと……今のセムちゃんの恍惚とした表情を見ていると…俺もうれしい……とっても、可愛いと思う……
はっ……!?この心の疼き……これが…愛…なのか…?
俺はこのセムちゃんの病的なまでの好意に……愛を感じ取ったのか…!?
セ「気持ちイィっ♥腰がっ♥あんっ……と、止まりません……デメさん……イキ顔がとても愛おしくて……見てるだけで……イっちゃいそうです……ラストスパートをかけてあげます………♥」
パンッ!!パンっ!!パンっ!!パンっ!!
セ「ふえぇぇっ……気持ち……いいですぅっ……」
デ「あがあぁぁぁっ!!んほあぁぁっ!!ひぐぅっああぁんっ♥はぁっ……あぁぁっ♥ぐりゅう…ぐりゅってしまうぅっ……」
セ「一緒に……狂って……しまいましょう…?デメさん……ふふっ…あっ♥イクッ……一緒に……イキたいですから、思いっきり……突き刺してあげます…その愛しいイキ顔をもっと気持ちいい物に染めて……ください……ねっ!!」
ずちゅぅぅぅぅっ!!
デ「ふわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
セ「イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ♥」
思わず、腰がガクガクと動きそうな錯覚に陥る……
台座に固定されていなかったら、きっとこの体制はずっとキープできていなかっただろう……そう思うね
そう思っていると、セムちゃんがまだ余韻も冷め切っていないうちに、俺の拘束を解いたんだよ!!
逃げるなら……今がチャンス……
そう思っても、体が動かない…というか、俺は……逃げたいのか…?
何から……俺は何から逃げたいと思っているんだ…?
………責任か?それとも、恐怖か?
なんだか、答えもないのにバカバカしく悩んでいるような…そんな予感が…
そう自問自答を繰り返していると、セムちゃんが俺の上にのしかかってきたんだ
そのままの勢いで、騎乗位に体勢を変えるセムちゃん……
すごく…嫌な予感が……
セ「デメさん……子供……欲しい……です……いいですよね?いいですよね?」
デ「まっ…それはダメだっ!!セムちゃんはまだ若すぎ……」
マ「……私が…許可する…デメトリオ…セムのこと…よろしく…」
セ「安心してください……私、さっきので…ここ…濡れちゃってますから、いきなりでも……大丈夫ですよ♥入れちゃいますね……」
デ「待ってくれっ!!もし…もしも子供ができてしまったらどうするんだ?セムちゃんにはおれよりもふさわしい男性が現れるかも知れない…それなのに、人生の相手を俺にしてしまっても……いいのかい?」
セ「……うるさい口ですね……んっ…♥……」
セムちゃんはそう言うと、前ぶりもなく俺にキスをしてきた
いきなりの行動に、なんの抵抗も俺はすることができなかった…
セ「ぷはっ……デメさん以外の人なんて…嫌です!!私はデメさんがいいんです!!いい加減、私の気持ちに……気づいてください!!」
ドキッ……って、心臓が跳ねる音が聞こえた
そうか…全ては俺の被害妄想だったのか…
セムちゃんは俺のこと…こんなに…思ってくれていたのか……
セ「デメさん……んっ……はぁっ……入ってきた……」
デ「う…うぅっ…セムちゃん…」
うぅうっ……凄い…キツい……
いや、セムちゃんがキツいのか、他の人のもこれぐらいキツいものなのか、俺は先程まで童貞だったから、判断なんてできねぇんだけども……
セ「はぁっ♥んっ…♥ゴム、切ります……中にいっぱい出して…ください!!」
ぷつっ………
デ「あうっ!?なにか、凄い大きな物が尿道を登ってきている…そんな感じがあぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!で、出るっ!!でちゃうっ!!」
ドクッ
セ「ふあぁぁぁぁっ♥凄いっ…あったかくて……お腹がポコッ♥ってなっちゃう……とろけちゃうよぉ……」
マ「……ふっ……デメトリオ…セム…幸せにな……私の役割…終わり…愛しい人……私もたぎってきた……今、行くぞ……ふっ……」
それから、俺はいったい、何度射精したのだろうか…?
普通の人間が出せる限界よりは、どっぷりと出したような気がする……
俺の隣には、放心しながらも俺の手を握って離さないセムちゃんがいたんだ
セ「デメさん……その…強引…でしたか?」
デ「あぁ…とてもね…?でも……セムちゃんの気持ちには気づいたよ…今まで気づかなくて、悪かったね」
セ「……いいんです、デメさん……その……私と結婚して…この屋敷に嫁いでくれますか?」
デ「それは……無理だよ…僕には宿屋があるからね……?この屋敷に嫁ぐことはできない……長い歴史を…僕の代で終わらせるわけにはいかないんだ」
セ「……そう…ですか……ぐすっ……」
デ「でもさ……セムちゃんが僕の宿屋に嫁いで来てくれるなら……その……セムちゃんさえよければ、僕と……結婚して……くれるだろうか…?」
セ「……っ!!はいっ!!はいぃっ!!よ、喜んで……ぐすっ…」
そんなに泣かなくても……
いつもは感情表現が少ないセムちゃんだけど、今日はなぜか、色々なセムちゃんの表情を見ることができたなぁ…なんて……
それから、数ヶ月後……ついにフェルス興国の唯一の独身男性が結婚したという一報が流れ、国はお祭り騒ぎになったという……
サ「……そっか、セムちゃんもデメさんのこと…好きだったんだ…あたしに勇気があれば、私もデメさんと……一緒になれたのかな……?」
セ「サリィ…さん…そんなところで……何ぼさっと立っているんですか?」
サ「あっ……セムちゃん……お、おめでとう!!いやぁ…デメさんもいい子を見つけたなぁ…なんて…はははっ…じゃあ…あたし配達あるから……」
セ「……そうやって、また逃げるんですか…?サリィさんだって…本当は私に負けないぐらい……デメさんのことが好きだったんじゃないんですか?」
サ「それは……昔は…ね?でも、今はセムちゃんがデメさんと一緒に暮らすから……なんかさ、吹っ切れちゃった…デメさんと幸せになってね?」
セ「……逃げないでください!!サリィさんはどうして、そうやってすぐに諦めるんですか!?私だったら……デメさんと多重婚してでも一緒になります!だって……それぐらい強い愛なんです!!同じ人を愛した恋敵だからこそ……自分の意思を貫き通して見せてくださいよ!!」
サ「あ、あたしだってっ!!デメさんのことが好きっ!!大好きだよっ!!でも、あたしはガサツだし、大雑把だし、気が利かないし………」
セ「愛する気持ちがあるなら、諦めないでください!!そんな綺麗事ではデメさんには伝わりません………」
サ「……綺麗事……?だったらっ!!あたしが今からデメさんの事を襲いに行ってもいいの!?嫌でしょっ!?セムちゃん、そんなことされて平常心でいられるの!?」
セ「いられませんよ……でも…私、デメさんに対する愛は誰にも負けてない自信があります、私と張り合えるのは……悔しいですが、サリィさん……あなたぐらいなんです……だから……デメさんの第二夫人になるつもり…ないですか?」
サ「本気…?あたし、突っ走ったら急には止まれないんだよ?デメさんのこと、ひぃひぃとよがらせて、あたしに釘付けにしてしまうかもしれないよ?」
セ「………えぇ…私の愛の方が…強いですけれど……ね?」
サ&セ「というわけで……デメさん……覚悟しておいてくださいね?」
デ「ひぃぃぃっ……ほんのり怖い……」
だが、少しだけ期待している俺がいるのは、二人には内緒にしておいて欲しい
そうして、俺に二人の奥さんができた
二人共、ひたむきな愛を俺に向けてきてくれているのは、とてもうれしい
そういえば、最近娘も生まれたんだ……
ハーピーとマンティスの娘なんだけど、これがもう可愛くてさ!!
デ「サリィ……この子の名前はどうする?」
サ「もう、決めているんです……デメさんの宿屋の初代店主であるハイネさんと、私たちの家では、とても由緒ある勇敢なご先祖様のシオン様の名前を文字って……シオネ…とか、どうでしょうか?」
デ「いい名前だね……シオネ…シオネかぁ……それじゃあ、セムちゃんは?もう、決めているのかな?」
セ「そう……ですね……あ、そうだ……それなら……」
それから、さらに半年が過ぎた……
娘たちは5歳……未だに、物凄く可愛い……毎日ちまちまと書いてきた日記も随分と古びてきた
実は、これが最後のページなんだ……
だから、ここに何を書くのか……真剣に悩んだんだけど……
結果、僕の願いを書いておくことにしたんだ
どうか、この幸せがいつまでも続き……拡散していきますように…ってね
さてと、そろそろ行かないと……他のみんなもまってるからな……
俺はそう書き込むと、日記をそっと閉じて机の上に置いた
そして、みんなが待っている宿屋の居間に向かったのだった……
END
16/02/05 21:36更新 / デメトリオン mk-D