獣欲のお話。それと外出。
お父さん、お母さん。
日ごとに暑さが厳しくなってまいりましたが、お変わりありませんでしょうか?
お二人が明緑魔界に越してはや数年、こちらは自分を含め姉妹一同、それはもうたいへん仲良くヤっております。
先日送ってもらった、とれたて新鮮の魔界野菜はとても美味しかったです。もちろん姉妹達にも大好評で、どうやっても美味しい魔界野菜を使った献立を考えていた自分は、それはそれは楽しかったです。そのあまりの美味しさに、食後の姉妹達は興奮しきりで、自分のことをますます激しく賞味するようになりましたが、はたして狙い通りでしょうか?
同封されていた手紙の、お礼はいいからはやく孫を見せろの一文と、誰が最初に初孫うんぬんの文面は、どんな媚薬にも勝る劇薬となっております。本当に、ありがとうございました。
P.S. 本気で死にそうです、勘弁してください。
下手をすれば届くことのない両親へのたよりを、牝獣と化した姉妹達に貪られながらコウはぼんやりと考えていた。当然のことながら、自身の身体のあちらこちらには姉妹の母乳やら涎やら愛液やらでべったりとしている。
「あぁぁぁッーー♥んぅ、あっああぁ♥はぁぁ、あぁっーーーー♥♥」
現在進行形でコウに跨って、声にもならない艶声を上げているのが次女のラリスである。
いつも以上に激しく巨尻を上下に振りしだき、褐色の双乳を大胆に揺らして乱れる今の痴態には、普段の凛とした面影はどこにも見当たらない。純粋に快楽だけを求め、雄の象徴で膣壁を擦りつづけ、己が雌である喜びを享受しようと躍起になっていた。
姉妹の発情には差異がある。差異というよりは傾向というべきか。
発情時のラリスは快楽に対して非常に貪欲となり、羞恥心をかなぐり捨てて、雄を求めるだけの牝獣となる。ラリスは日常生活を含め、性交においても実兄のコウに対して優位性を保つべく、全てを押し潰す濁流のような絶頂の渦中にも自我をとどめようとし、無意識に快感を抑制しがちであった。そんな薄皮一枚でできている理性の堤防も、知らず知らずに溜まっていく欲求不満によってある日たやすく決壊してしまうと、快楽に向かって突進しつづける、止まることを忘れた暴れ牛となりはてる。
―トク、トクン……ビュル、ビュルッ……ピュル、ピュルルゥ……
弱々しく肉棒が律動する。されど、牝獣は飛び跳ねる。
ゆうに二桁を超える膣内射精をコウが行えど、ラリスの抽送運動には一向に衰えが見受けられない。射精中であろうが容赦なく腰を振り回し、狂ったように声をよがらせて行為に耽っていた。
「んんん〜〜〜〜〜♥♥♥」
唇を奪われたかと思えば、すぐさま、コウの口一杯に甘い母乳が染みわたる。とろけるような母乳の持ち主は、長姉のレゼ姉だった。
さきほどから幾度となく、レゼ姉に口移しでご自慢の母乳を飲まされていた。甘ったらしく口付けを交わしながら、ゆったりと舌を絡ませ、甘い母乳を舌伝いに受け渡す。互いの口内から母乳が綺麗さっぱり無くなった後も惰性のように唾液を混ぜあい、最後に一度、レゼ姉が強く唇を吸ってから名残惜しそうに離れていく。そのたびに、二人の唇にはねっとりとした透明の糸が紡がれていった。
汚らしくも、淫らな情景にレゼ姉が恍惚の表情を浮かべる。そのまま慣れた手つきで自身の巨大なお乳のうち、片側の先端を口に含むと、両手ですら持てあます自らの豊乳を搾りあげ、丹念に母乳を吸い上げていく。
発情したホルスタウロスの母乳は普段のモノよりも非常に濃厚な味わいで、数段甘く、栄養価にも優れており、なによりも強力な精力剤となりえる。その有用性から他の魔物娘にも非常に重宝されているが、なにぶん市場に出回る量が少なく、希少な存在となっていた。
理由としては明白である。いつもより濃密な交尾をするべく、昂ぶったホルスタウロスは有無を言わさずに愛する者へと母乳を飲ませ、欲望のままに交わること以外は考えられなくなるため、搾乳などという煩わしいことは頭の中から消え去ってしまうからだ。
「んっく♥んっく♥……ん〜〜〜〜〜♥」
またしてもレゼ姉と唇同士で重なり合う。やはり、コウの味覚が甘味で満たされると、肉棒は否応なしにもその硬度を増し、貪るラリスをますます悦ばせていく。
落ち着いているようにみえるが、むろんレゼ姉も発情している。それでも我を見失わずに献身的に奉仕することができるのは、あくまでもコウが身を粉にしてレゼ姉の子宮に子種をしこたま注ぎ込んだからにほかならない。ひとまずで、多少の理性を取り戻したレゼ姉は、愛しい雄の子を孕むべく、口移しによる授乳を熱心に行っていた。おそらくは本能的に発情時の母乳の効能に気付いているのだろう。
「あ〜あ〜♥ぃやらし〜〜♥……鼻の下、伸びまくってるよ〜♥」
コウを見下しながら無邪気に笑い、心底嬉しそうにだべっているのは末妹のリブである。二人の姉たちと等しく、まるまると実っている爆乳の片方にコウの手元を押し当てて、もみくちゃにさせていた。
一見するといつものリブに見えなくもない。しかし、その口元は不自然なくらい上向きに歪んでいる。魔性の快楽に悶える実兄のありさまに悦を見いだし、愛おしくてたまらないのだ。
発情時のリブはいつにもまして嗜虐性が強くなる。言い知れぬ焦燥感が煽り、じりじりと脳髄を焦がすドス黒い感情が彼女を支配するのだ。心身を苛立たせるような疼きに、リブはその全てをコウへと向け、自らの渇望を満たすべく突き動く。
幼きころから日夜、二人の姉達が恋慕する兄と交わる様子を家族に隠れて盗み見していたリブ。はじめて家族の営みを目の当たりにした衝撃は凄まじく、心身には文字通り稲妻が走り抜けた。否、男女の営みと表わすにはあまりにも一方的かつ過激な魔の情景がそこにはあった。あれほど優しいはずの姉達が、情けなく制止を懇願する兄を嬉々として嫐る姿に、怖れや嫌悪は微塵もなく、幼いながらも抱いた感情のすべては狂おしいほどの嫉妬と情欲だけであった。
以来、リブが雌として目覚めた兄への想いは、未熟ゆえに女として認めてもらえない周囲への苛立ちと共に、日ごとに高まっていった。長々と抑圧されつづけてきた想いは、ある種の怨念となってリブの奥底に刻まれ、発情時には淫欲で満たされた底なし沼から這い上がるようにして、鬼の顔を覗かせるのであった。
おもむろにリブが横になると、コウのすぐ傍に寄り添うようにして寝ころがる。ついでのように顔の側面に鼻息をそよがせると、片方の耳を柔らかな唇で蓋をする。
(……私のこと、好き……?……好きなら、姉貴のおっぱい揉んで……♥)
唐突な内容の耳打ちに、コウは困惑するも言われたとおりにするしかない。
巨大すぎるがゆえ、たいして手を伸ばさずとも届いてしまう褐色の果実に触れると、ゆっさゆっさと重厚に揺れ動く、正面の爆乳を両手で持ち上げるようにして支えてみる。
結果、下半身に馬乗りしている、ラリスの腰使いのペースが一気に上がった。本人の自慢であるのと同時、騎乗の重しとなっていた乳房の重量から解放され、愛しい雄の胸揉みによる愛のムチを入れてもらったのだ。これで興奮するなと言うほうが無理な話だろう。無人の野を駆けるが如く、ラリスは自由気ままにベッドで愛馬を駆ける。
(姉貴がイクまで、モミモミしてね……♥お漏らしはNGだよ〜♥)
さらなる追い討ちをかけるリブに、快感に悶えていたコウの眉が絶望でさらに寄る。
すでに下半身は飽くなき射精と挿入運動でドロドロに溶かされきっており、感覚としては限りなく液状化していた。身体の自由はおろか、踏ん張ることすらかなわない状況下において、獣欲の化身となっているラリスの乱雑な上下運動を耐え忍ぶことなど不可能である。
事実、コウには依然として肉棒に残りつづける、強烈な射精感が脈打つたびに呼び起こされ、先端からタラタラと精液を垂れ流す始末だった。もはやコウ自身、どこからが射精による律動なのかは曖昧すぎて区別がつかず、このままずーっと射精が止まらないのではと不安を覚えるほどだ。
「フッーーー♥フッーーー♥っーーー…………♥♥♥」
突如、我が物顔で騎乗していたラリスの動きがピタリと止まる。
どうやら腰を抜かしてしまったようで、先ほどまでの勢いが嘘のように消え、打ちのめされたように丸尻を細かく痙攣させるだけだった。
魔物娘とはいえ、体力には限界はある。長時間の交合に加え、快感で蕩けきっていた状態でスパートをかけたことで、本人の想像以上に消耗していた肉体がついに限界を振り切ったようだ。もはや気力だけではどうしようもなくなってしまったが、なおも魔性の肉膣は肉棒を撫で回し、子宮口は口惜しそうに新鮮な子種を啜るべく蠕動をつづけている。
「んもぉ〜……ちょっと、姉貴〜?今、イイところなんだからさぁ〜?」
しょうがないな〜と愚痴ると、いったんコウの傍から離れ、微動だにしないラリスの元にリブが寄り添う。見事なまでの小麦色な肉体になんとか肩を貸して支えると、胸元にある巨大な球体に唇を押し当てて吸い付く。ついでのように、スケベにも爆乳を掴んでいた兄貴の片手を両手で覆うと、力任せに姉貴のお乳を搾りはじめる。
みるみると溢れだす母乳の存在を、表裏をしっかりと押しつぶされた片手の感触からコウは感じ取っていた。心地よい弾力と、艶やかな柔らかさを合わせ持つ爆乳の深くにメチメチと指が食い込めば、爆乳全体がプルプルと震え、球体の真っただ中を母乳が駆け巡る。乳内を巡りめぐった母乳は外気に晒されることなく、仮宿としてリブの咥内へと乳先から直行する。しばし、リブが両頬を膨らませて母乳をたっぷりと貯め込むと、だるそうに元の持ち主へと送り返した。
何度か移送を繰り返すうち、どこか虚ろだったラリスの瞳の奥に光がともりだし、ついには搾られていない反対側の乳塊に俄然と喰らいつく。ラリスの体力ならび、精神的にもある程度余裕を取り戻すや、リブの顎を引き、濃厚な口付けをおみまいする。悠々と妹から母乳を汲み取ってみせると、まんざらでもない様子のリブが髪をかきあげ、騎乗する姉貴の両頬に手を添えることで応えてみせる。
下半身に跨ったまま行われている、妹達の痴態にコウは思わず生唾を飲み込む。性懲りもなく肉壺に捕まっていた肉棒を力強く隆起させ、脈動のおりに、こっそりと子宮内に子種を仕込んでいた、そのとき―
「たぶん、次でラリスちゃんが限界だろうし……その後は、"私達"で頑張ろうね♥」
さらりと死刑宣告にも等しい言葉を添え、レゼ姉が熱烈なキスによる激励で追撃する。
そう、姉妹達にとってはひたすら待ち遠しい順番ゆえの情交であろうとも、コウにしてみれば必然で、お預けを喰らいつづけて焦れに焦れきった牝獣達との本気の交尾になるのである。いつの間にかレゼ姉が口に含んでいたはずの母乳は綺麗さっぱり無くなっており、甘い香りだけが口内にただよう。本人が愛飲したであろう特濃のミルクは、この後の子作りに存分に役立つことだろう。
「いや〜ッ♥姉貴のキッス、やばいね〜♥……アレ、兄貴の仕込み〜?」
ひとしきり唇をねぶると、満足したレゼ姉が身を起こす。すると、入れ替わるようにリブがごろんと隣に倒れこんできた。目を爛々と輝かせ、コウが視認できなかった状況を息を荒くさせたまま語り、上下に重ねた若い爆乳を揺らしてみせる。
無念にも、二人の妹達による情熱的な絡みは眼前にいたレゼ姉に阻まれてしまい、想像でしか愉しめなかった。とはいえ、悲しいかな。コウの頭によぎっていたのは、子種に飢えたレゼ姉との激しすぎる子作りで、ひたすら搾精されつづける哀れな自分の姿だけであった。(ちなみに、当のレゼ姉は自前のミルクをせっせと吸引しはじめている。)
「そんでさ〜、話は変わるけど…………ぶっちゃけ、漏らしてるよね♥」
ぼそりと、それでいて致命的な一言をリブがつぶやく。
弁解をしようとコウが口を開く、それよりも先に、どこからかスマホを取り出していたリブがヒラヒラと振ってみせる。
「兄貴〜?言い訳するのはいいんだけどさ〜……ウソついたら即、"ドカン"だからね〜♥」
愕然としてしまった兄貴を、リブはニヤニヤと笑いながら眺める。あいにく、コウの視線はリブが握っているスマホに釘付けで、それどころではないが。
「……もう一回聞くよ〜♥お漏らし、気持ちよかった〜?」
悪意しか感じられない質問に、コウは唸るように頷くことでしか返事ができなかった。
こうなってしまった以上、質問に対する正当性を訴えるよりも、理不尽でも質問者が望む回答を優先させるべきだからだ。
「だよね〜♥兄貴漏らすとき、ガチでおっぱい掴むから、ソッコーでバレバレ〜♥♥♥」
ゲラゲラと顔を上げて笑い、スマホを手にしていない反対の手でお腹を抱えむと、リブは底からこみ上げてくるものを愉快そうに堪える。狂気じみた反応に、コウは戦々恐々としながら次のリアクションを静かに待つ。
「もぉ〜♥そんな、イジメたくなる顔しないでよ♥……とりあえず、キスしよっか♥」
言い終わるや、スマホを背後に追いやってからリブが目を閉じると、恥ずかしげもなく唇を兄貴に差し出す。それを受け、コウは一瞬たじろぐも、同じく瞳を閉ざし、妹と唇同士を重ね合わせた。初めは軽く触れ合う程度の接触から、大胆にも唇で入り口をこじ開けて舌をねじ込むと、せめてもの抵抗にと、鬱憤を晴らすようにリブの口内を蹂躙してやる。
短くも濃密な交遊の途中、コウの下半身に存在する分身から、狂暴なくすぐったさと振動を感じた。口吸いは決して止めず、騎乗したままのラリスをちらりと確認すれば、だらしなくも口を開き、涎を垂らしながら今までにない勢いで腰を振りしだく、褐色の性獣がそこにいた。
「んん〜♥悪くはない……けど、ちょ〜っと、必死すぎるかな〜♥」
知らないうちに離れていたリブが己の唇に指を当て、率直な感想を述べる。評価した内容とはうらはらに、頬は上気しており、尻尾が嬉しそうに振れていた。
「まっ、いっか♥チャンスあげるね〜♥お情けだけどぉ……♥
ルールは、いたってシンプル〜♥
姉貴がぶっ飛んじゃう前に……私からミルクを吸いだせたら、"お仕置き"はナシにしちゃいま〜す♥♥♥」
独り、イェーイと盛り上がるリブとは対照的に、コウは冷や汗をかいたまま硬直する。
十中八九、否、万が一よりもありえない無理難題に、他にとるべき態度があろうものか。
「はやくシないと、ゲームオーバーだよ〜♥……あっ、両手はナシで、そのまま姉貴のデカパイでも揉んどいてね〜♥もち、兄貴が追加で漏らしても"アウト"でぇ〜す♥」
まくしたてるように縛りを追加して無理ゲーを加速させると、ほらほら〜と、豊満すぎる胸元を兄貴の目の前にドンと見せつける。これほどまでにも、態度も胸もでかいというのに、なぜ母乳だけはでないのだろうか。希望を抱くことすらおこがましい状況のなか、それでも一縷の望みにかけ、捨て体で絶望へと立ち向かっていく。(とはいえ、透き通るような白い丸乳の先っぽに、顔をうずめるだけなのだが……)
搾乳をするに当たり、なんといっても外せないのは、やはり両手を使ったお乳全体へのマッサージであろう。少々乱暴な説明になるが、要するに乳首先端へと乳房を圧迫してやって搾りだしてやればいい。しかし、両手は別の牝牛の胸を揉まされおり、手のひらに広がる幸せな感触に悩まされていた。両手の行き先である、褐色のお乳からは騎乗による反動だけで甘い乳汁が溢れだし、ほんの少し力でも指先に力を込めてやれば、たちどころに純白のミルクがベットに新たな模様を装飾していく。同じホルスタウロスでありながらも、こうも母乳の出に差があるのは不思議でしかたがないが、今は嘆いても仕方がない。口を窄ませて爆乳に吸いつくと、コウは舌先で乳首を素早く転がすことで懸命に刺激を与え、垂涎ものの母乳を求め、がむしゃらにしゃぶりつく。
「あんっ♥いいよ〜、兄貴♥マジ、でちゃいそぉっ♥」
母乳を吸いだそうと必死な兄貴の姿に、リブはひどく酔いしれると、頭を抱え込んでヨシヨシと撫ではじめる。しかしながら、その瞳は慈しみ深い聖母のものとは程遠く、我が身の肥大化した乳房を走り抜ける、こそばゆい快感に別の意味で身を震わせていた。
「あっ、あっーーー♥あっあっ、あぁっ、あああぁっーーー♥♥♥」
ラリスの正真正銘、渾身のラストスパートがついに始まった。
コウの両手首を捕まえ、前身の胸中に強く引き込んで固定すると、膝立ちの状態で猛烈なグラインドを行う。体力の都合上、激しい上下運動を行えなくなったための選択であったが、その速度は驚異的で、ベッド全体に大きな横揺れを引き起こすほど力強いものだった。その上でラリスは股をキツく締めており、特にお腹周りに力をこめて肉棒の先端部分に意識を集中させていた。途端、コウは肉棒の先端にギチギチとした圧迫感を感じながら、無理矢理にも亀頭を前後に素早く振らされてしまう。
これで仕舞いと魔膣も悟ったのか、有終の美を飾るべく、コウの分身に熱烈な歓迎を開始する。まずは子宮口が口火を切るようにパックリと開いて亀頭のくびれを咥え込むと、カリより上部を引っこ抜かん勢いでバキュームをかます。尿道にまでせり上がっていた子種はつぶさに吸い取られ、無情にも次々と滑りぬけていく子種の感触に、コウは身震いを禁じえない。さらには肉棒部分へ執拗にまとわりついていた肉ヒダより、ねっとりとした熱い愛液が分泌され、荒々しい摩擦運動も合わさったことで膣内内部の温度が急上昇する。異常ともいえる高熱は肉棒の根元より身体全体へと広がりはじめると、ついにはコウの顔面にまで到達した―
―ビュッビュルッ!ドクッ、ビュルル……ドビュルル……!!
射精の直前、かぶりつくように吸っていたリブのお乳から離れ、首を持ち上げたままコウは精を撃ち放つ。
本能が故の衝動か、膣奥に打ち込むように腰を突き上げると、とっておきの子種を子宮に送りはじめる。ドクドクと精子をほとぼらせている間、コウは両手に力を込め、乳塊を鷲掴みにすることで射精の快感を紛らわせようとするが、むしろ心地よすぎる乳触りに射精の勢いをますます加速させてしまう。
「ありゃ?姉貴より先に、兄貴が逝っちゃっうか〜……♥」
熱い子種を放ち続ける兄貴を呆れ半分、愉悦倍増で見つめる末女のリブ。
一方で、いまだ昇り詰めていないラリスは大慌てで腰を振りまくる。腹部に流れ込んでくる熱気と、締め付けに反発するような雄々しい脈動から、一足先にコウが射精してしまったことを身をもって体感しているからだ。褐色の牝獣が目指す終着地はあくまで自我の桃源郷にあり、種馬の昇天など二の次である。問題なのは、目的のための手段である種馬が役に立たなくなる、その可能性が極めて高くなっていることだ。
なんとしても肉棒の硬度を保つべく、下半身の筋肉をフル稼働し、吐精中の肉棒を痛烈に圧搾する。小刻みに振っていた腰使いも今だけはブランコのように長く、大きく揺らし、なおかつ真っ直ぐには往復せず、左右の変化と艶やかな蛇行を織り交ぜることで射精を穏やかなものへと力ずくで変えていく。強烈な締め付けは生半可な吐精を封じることで半ば寸止めとし、緩慢かつ不規則な腰の動きは肉棒への過度な刺激を和らげ、放出後の持続性を期待しての判断であった。結果、暴発気味の射精は爆発的なものにはいたらず、先端をビクつくかせるたび、重くて鈍い快楽の塊を、窮屈そうにラリスの膣奥へと送りこむ程度にとどまった。
「ミルクのほうはっ、と……まぁ〜、でてない、よね〜……」
本人が自ら揉んで母乳の有無を確認すると、抑揚のない声で認定する。
わずかばかりの沈黙、その後、ゆら〜りとリブがスマホを取り出すと、いまだ射精を止めれないでいた兄貴に向けて宣告した。
「そんじゃ、罰ゲームだね〜♥次に姉貴が逝ったら……もうわかるよね♥♥♥」
リブはにんまりとほくそ笑み、舌をねぶりながら最後の刻を待ちわびる。
その言葉に呼応するように、跨っていた褐色の性獣が胸元に押しつけていた両手を放りだすと、代わりのように種馬の片足を掴み、自身も腰を浮かせることで互いの足を交差させる。身体の前面にまで持ち上げた片足をなんなく豊乳の奥へと仕舞い込むと、さらに爆乳の上下からはみ出た種馬の足に両腕を巻きつけることで完璧に固定してしまう。
(ぁっ……これ、ヤバイやつ……)
混濁した意識のなかでさえも芽生えたコウの危機感のもと、固定した片足を支えに、発情した牝獣が一心不乱に腰を叩きつけだす。先と同じく、腰を前後にスイングさせる動きだが、先と違い、反り立つ肉棒をねじ伏せることで抜き差しできる形をなしていた。
「がっ!!…………っぐぁ!!」
低い声でコウが呻くが、ラリスは止まらない。
種馬の片足を掲げたことで腰の動きに自由度が増し、より深くで種馬と繋がることができるのだ。あとは心が尽きるまで、腰を振りつけるだけである。
故に、ラリスが止まるわけがなかった。
「コウくぅ〜ん♥逝くときは、私のオッパイ揉んでぇ♥」
「兄貴〜♥私のも、揉んで、揉んで〜♥♥♥」
頭を抱えていたコウの両手は引っ剝がされ、姉妹がそれぞれ誇りにしている乳球を掴ませられる。右手と左手で異なる弾力と柔らかな感触は、肉棒を張大させる後押しとしては過剰であり、両乳が唯一として共通する暴力的なまでの巨大さも、両手がムチムチと沈みこむ深さに応じて肉棒の昂奮を高めるだけの、ありがた迷惑の実物でしかない。
かたや、股間を叩きつけていた牝獣の動きが、ますます激しいものとなっていく。両者の恥部がぶつかるたび、ラリスの股間周りの厭らしい柔肉が持ち上げられていたコウの太ももにぶちあたり、心地よい感触と快音を部屋に響かせた。寝転んだままになっている逆側の太ももは、ラリスが股間部分が沿うためのレール代わりとなっており、高速で滑っていく恥部肉の擦れ具合は、コウの分身が許可なく精子を放り飛ばす言い訳としては十分であった。
何度となく貪っていた淫獣が今日一番の動きをみせ、荒々しくも鋭さを伴った腰使いで、種馬を悶えさせる。コウの身体自体もこれからおとずれであろう極楽浄土に、期待感と緊張感でその身を震えさせていた。そんななか、コウの薄弱な意識だけが自己の射精と目前の淫獣に、待ったをかけていた。なんとか両手でラリスを捕まえようとするが、幸せな乳感だけが伝わってくる。思い出したかのように、重い頭を持ち上げてみれば、左右にはそれぞれ別の淫獣が、歓喜の表情に満ちていた―
「「ツッ−−−−−−−−−−−−−−−−−−!!」」
あれからしばらく、褐色の牝獣と哀れな種馬は、声なき嬌声を放ちつづけた。
ラリスがごり押すようにして最後の仕上げに入ると、コウとつがいとなり、気も精も放った瞬間、スマホのとある画面を操作したリブによって、現在の状態が延々とつづいている。
末妹が操作した結果は、実兄の睾丸に装着されたローターに反映されていた。
ローターの形状自体は人間界に出回っているものと遜色はない。ただし、魔界特有の性具としての確固たる隔たりは、やはりその機能にあった。通常の振動による性感帯への刺激はもちろんのこと、特筆すべく機能として、電流による性感帯内部への快感的電撃機能である。本ローターは動力に魔力を要しており、サンダーバードの電撃を模した電流を放電することができる。本物には及ぶべくもないが、その効果は尋常ではなく、使用者が未体験であるならばなおのことであった。あわせて、製作会社より提供されているアプリをスマホに導入することで、ローターの遠隔操作がスマホにて可能となり、電流の強弱、放電時間、その他、さまざまな内容を各人がお好みで調整できる。
接合の邪魔にならぬよう、睾丸の底面、裏面、側面に各1個ずつ、それが両方の睾丸に装着されているため、都合6個のローターがコウの睾丸に纏わりついている。その全てが、リブの指先一つで同時に動作し、かつ全力で放電を行っていた。
コウは感電中、無意識で射精を止めようと脳より微弱な信号が送られるが、局部より直接通電させられている圧倒的な電撃の前には無に等しく、逆に、コウの無意識の深層にまで快感信号が怒涛の勢いでなだれ込み、射精の勢いを強めるばかりだ。電撃の直撃を受けていた睾丸は強制的にも活性化を促され、兄妹の感電が長々と続く間、ひっきりなしに精子を量産しつづけ、痙攣による収縮運動で次から次へと堅く締め付けたままの膣内に精子をほとぼらせ、尽きることも、休むことも許されない。
交接していたラリスも同様、自身の最も敏感な秘部を、愛する雄の獲物で貫かれた状態で、堂々と感電していた。間接的とはいえ、肉棒を電極とした電撃は発情した牝獣にも絶大のようで、見事なまでに体を弓なりにそらし、腰を突き出したまま硬直している。
「もういいじゃない?いい加減、止めてあげたら?」
「えぇ〜?もうちょっと、よくな〜い?コレ、めっちゃオモシロいし〜♥」
「もうちょっと、って……それって、どれくらいなの?」
「もちろん♥ローターの魔力が切れるまで〜♥」
「……リブちゃん?」
「……はぁ〜い」
リブが渋々といった感じで、悶絶の極みにある二人を電撃から解放してやる。
されど、二人にこれといった反応はなく、感電したときの姿勢のまま、ピクリとも動かない。世話役と主犯がやりすぎを心配して顔を見合わせようとすると、ついに褐色の牝獣がゆるゆると崩れ落ちはじめた。
「っと!?……ラリスちゃん、大丈夫?」
「あっ!おい、コラ、兄貴ッ!ちんぽ萎えさすのは、ナシだかんな〜!!」
長姉としてラリスを優しく受け止めているかたわら、ずるりと抜け落ちてしまった肉棒の先端を、末妹が親の仇のようにシゴきまくる。これには目をチカらせていたコウも意識を呆れ返したが、あいにく、局部への甘すぎる衝撃が残っている現状では、固まったままで凄絶なくすぐったさにその身を捧げるしかない。
「……それじゃ♥"私達"の赤ちゃん♥作っちゃお♥♥♥」
無事にラリスを寝かしつけたレゼ姉が、満を持して、今なお動けないでいたコウに跨る。
察したリブが兄貴の股の間に陣取ると、ビクンビクンと痺れていた肉棒を次なる天国へとエスコートする。ヌプヌプと肉棒が天国への門をくぐり抜けていく有り様を、リブが悦楽の表情を浮かべ、しっかりと見送っていく。
発情時のレゼ姉は普段以上に母性と母乳を溢れさせ、さらには形ある母性の成就をコウに求める。つまるところ、母性の究極系ともいえる、母になることを目的とした、真の意味での子作りにほかならない。乳児だった頃より授乳させてきたレゼ姉にとって、もはやコウは我が子も同然であり、雄として立派に成長した今となっても、昔と変わらず、自らのお乳を女として求められる喜びは至福であった。そんなコウの赤ん坊をその身に宿す未来を思い描けば………想像するだけで果てることだろう。そんな夢物語を現実のものとするため、コウに多少の無理強いをできるのもまた、発情して極まったレゼ姉の母性がなせる、数少ない業なのかもしれない。
―…♥ ……♥♥ ………♥♥♥ あっ♥あっ♥あっ♥あふぅ〜〜♥♥♥
1回1回、落差のある弾みをつけ、リズミカルにレゼ姉が舞う。
野生的だったラリスとは違い、レゼ姉はどこまでもゆったりとしたマイペースを保ち、やんわりとコウを導いていく。最初から長期戦で望んでいるレゼ姉は、スタミナを過度に消耗するような動きを極力避けており、自身もしくはコウの我慢が効かなくなった時すら頑なにペースを守り続けていた。ひとえに、コウの子種を一滴でも多く、赤ちゃんを宿す子宮へと送るためであった。こうなってしまった以上、本人が妊娠できたと確信できるまで、子作りに終わりが迎えることはないだろう。
「コウっ♥……コウ♥っ〜〜〜、コウ〜〜〜〜♥♥ん〜〜〜〜〜♥♥」
目を覚ました直後から、ラリスは愛しい兄の名を何度も口にし、息をする間を惜しんでは激情にまみれた口付けを繰り返していた。快楽に素直になるということ、それはすなわち、なにかと甘えられないでいたコウに対しても素直になれるということだった。そんな折、宙で褐色の巨尻をカクカクと縦に振っては、底なしである獣欲の片鱗をコウに見せつけ、つい先ほどまでの情交を思い出していた。
「え〜〜っと、『振動検知』を選んでから、次に感度の調整、っと。
電撃の強さは……レゼ姉ちゃんの邪魔にならなようにしないとね〜♥」
スマホを片手に、リブは魔製ローターの調整に余念がない。
睾丸に触れるようにして指を乗せ、レゼ姉が腰が沈むことで流れる、電流の強さに神経を尖らせていた。本人が理想とする電撃の強さに近づけるため、こまめにスマホをいじっては、電撃で打ち震える睾丸に真剣な眼差しを送り、時折聞こえる、兄貴の情けない呻き声に顔をニヤつかせていた。
「コウ、ぅん♥つかれ、たら、いって、ねッ♥おっぱい♥まだ、でる、から♥ぁんっ♥」
「っはぁ♥おっぱいなら、私のを飲め、コウ……♥〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥」
「兄貴はキンタマの底の、底からでも精子出してもらうよ〜♥あとで、キンタマの底を削ってでも、私が搾り出すんだから〜〜〜♥♥♥」
かくしてコウは、ラリスの全力スプリントで足腰を立てなくされた後、レゼ姉との二人三脚によるフルマラソンを完走した暁に、リブによる情け無用の残党狩りのようなフィニッシュを決める運びとなった。(もっとも、深夜遅くにまで及んだ性交でコウの体力が尽きてから、姉妹によるリレー騎乗位が開始されたことを、最後に付け加えておく……)
「んっ?起きたか……どうだ?具合のほうは?」
「ラリス、か…………ここは?」
「車のなかだ。今日は出かける準備をする、そう決めたろ?」
「そう、なんだけどさ……」
なら、前夜に三人がかりであそこまで搾るのはありえないだろうと内心で思い、口には出さない。言えば最悪、今からでも昨晩以上に搾り取られかねないからだ。
姉妹の発情期は種族としての特有なものと、個々の状態に依存して発情するものの、二種類に分けられる。前者は、周期的かつ姉妹が一斉に発情し、後者は突発的かつ姉妹が別々に発情する。いずれの場合も、姉妹がそれぞれの性質で発情する傾向にあるが、傾向ということもあり、必ずしも本人が有している発情状態になるとは限らない。また、姉妹の一人が単独で発情した場合、発情していない他の姉妹は、発情した姉妹の性質に感化された発情状態となる。(例としてあげれば、前話の最後、出来上がっていたリブが跨ったことで発情した際、その発情の性質はラリスが有するものであり、発情していなかった姉妹もリブを起点とした同性質の発情状態に突入していた。)今後、姉妹の発情状態が互いに影響を与える事実を鑑みれば、その性質自体も互いの影響下で変質・合併することは大いにあり得る話だろう。
「兄貴、おっはよ〜♥……昨晩はお楽しみでしたね〜♥」
助手席より身を乗り出したリブが、スマホを片手に、兄貴に決まり文句で煽りたてる。
ただそれだけの行為に、コウはひどくビクつくと、たまらず自分の急所を弄ろうとする、が、かろうじで堪えることができた。というより、そもそも手足に力が入らないでいた。
「からかうのもほどほどにね、リブちゃん?コウ君も、おはようさん♥」
リブを軽くたしなめると、バックミラー越しに寝起きのコウに挨拶をするレゼ姉。
コウがそれとなく姉妹の様子を確認すると、全員が全員、よそ行きの装いでおめかしに力を入れているのが分かる。コウ自身もいつの間にか服を着せられており、身体中から感じる清涼感からシャワーないし、お風呂に入れられたことを感じた。
「ちなみに、お前のコーディネートは私がしておいた。感謝しろよ?」
「そりゃ、ど〜も……」
どうりでいつもなら自分が選びそうもない、服装のチョイスになっていたわけだ。
次女のセンスに脱帽しつつも、コウの趣味ではないのは、嫌がらせによるものかと思えてしまうが、単純に感性の違いによるものだろうと判断する。まぁ、上機嫌に膝枕をしてくれているラリスに、それを言うのは薮蛇にしかならない。
「朝はどこかの喫茶店にでも入ろうと思うけど……皆もそれでいい?」
「私はお昼に、最近見つけたお店に行けたら、後はどこでもいいよ〜」
「私も問題ない。コーヒーでもしばきながら、今後の予定でも立てるとしよう……」
例のごとく、コウを抜きにして、姉妹が話を進めていく。
慣れたもので、コウも深くは考えず、ラリスの太ももに沈みこむことで、その感触を愉しむ余裕さえできていた。
「しっかし、楽しみだね〜、明緑魔界♥パパとママに会うのも久しぶりだし〜」
「手紙によると、夏にはうってつけの場所みたいよ?なんでも、海も川も湖も近くにあるみたいで……」
「なら、3つは新しい水着がいるな。お前もそう思うだろ?」
「あぁ、うん、ソウダネー……」
最低でも三箇所、下手すればそれ以上の場所で、水着姿の姉妹達と青姦するハメになるのかな〜、と想像するには容易い未来を思い描けば…………率直に言って、興奮しないかといえば嘘になるだろう。今から、非常に楽しみである。
「なんだ、その気のない返事は?水着のお披露目は、今日する予定なんだぞ?
…………例のホテルでな♥」
「……それって、まさか!?」
「ご明察♥……あの、『真紅の魔』だ♥」
「私が予約しといたよ〜♥4名様、ご宿泊で♥気が利くでしょ〜♥♥♥」
「んも〜、二人とも、ネタバレさせちゃって〜……まっ、そういうことだから、今夜も頑張ってね♥コウ君♥♥♥」
「ははっ……」
乾いた笑いが自然と出た。しかし、下の本体からは何も出る気がしない。
コウが諦観していると、自慢の胸を揉んでくれないことに苛立ちを覚えたラリスが、コウの手を取って強引に自身の胸元に押しつけだす。それを見たリブが、ラリスをからかい、レゼ姉もそれに同調しながら車を走らせる。
八方塞がりならぬ、乳塞がり。手詰まりなぬ、乳詰まり。
手足はおろか、胃袋までも姉妹の母乳で満たされる日常で、コウは今晩も愛する姉妹達に参らされることになりそうだった。
日ごとに暑さが厳しくなってまいりましたが、お変わりありませんでしょうか?
お二人が明緑魔界に越してはや数年、こちらは自分を含め姉妹一同、それはもうたいへん仲良くヤっております。
先日送ってもらった、とれたて新鮮の魔界野菜はとても美味しかったです。もちろん姉妹達にも大好評で、どうやっても美味しい魔界野菜を使った献立を考えていた自分は、それはそれは楽しかったです。そのあまりの美味しさに、食後の姉妹達は興奮しきりで、自分のことをますます激しく賞味するようになりましたが、はたして狙い通りでしょうか?
同封されていた手紙の、お礼はいいからはやく孫を見せろの一文と、誰が最初に初孫うんぬんの文面は、どんな媚薬にも勝る劇薬となっております。本当に、ありがとうございました。
P.S. 本気で死にそうです、勘弁してください。
下手をすれば届くことのない両親へのたよりを、牝獣と化した姉妹達に貪られながらコウはぼんやりと考えていた。当然のことながら、自身の身体のあちらこちらには姉妹の母乳やら涎やら愛液やらでべったりとしている。
「あぁぁぁッーー♥んぅ、あっああぁ♥はぁぁ、あぁっーーーー♥♥」
現在進行形でコウに跨って、声にもならない艶声を上げているのが次女のラリスである。
いつも以上に激しく巨尻を上下に振りしだき、褐色の双乳を大胆に揺らして乱れる今の痴態には、普段の凛とした面影はどこにも見当たらない。純粋に快楽だけを求め、雄の象徴で膣壁を擦りつづけ、己が雌である喜びを享受しようと躍起になっていた。
姉妹の発情には差異がある。差異というよりは傾向というべきか。
発情時のラリスは快楽に対して非常に貪欲となり、羞恥心をかなぐり捨てて、雄を求めるだけの牝獣となる。ラリスは日常生活を含め、性交においても実兄のコウに対して優位性を保つべく、全てを押し潰す濁流のような絶頂の渦中にも自我をとどめようとし、無意識に快感を抑制しがちであった。そんな薄皮一枚でできている理性の堤防も、知らず知らずに溜まっていく欲求不満によってある日たやすく決壊してしまうと、快楽に向かって突進しつづける、止まることを忘れた暴れ牛となりはてる。
―トク、トクン……ビュル、ビュルッ……ピュル、ピュルルゥ……
弱々しく肉棒が律動する。されど、牝獣は飛び跳ねる。
ゆうに二桁を超える膣内射精をコウが行えど、ラリスの抽送運動には一向に衰えが見受けられない。射精中であろうが容赦なく腰を振り回し、狂ったように声をよがらせて行為に耽っていた。
「んんん〜〜〜〜〜♥♥♥」
唇を奪われたかと思えば、すぐさま、コウの口一杯に甘い母乳が染みわたる。とろけるような母乳の持ち主は、長姉のレゼ姉だった。
さきほどから幾度となく、レゼ姉に口移しでご自慢の母乳を飲まされていた。甘ったらしく口付けを交わしながら、ゆったりと舌を絡ませ、甘い母乳を舌伝いに受け渡す。互いの口内から母乳が綺麗さっぱり無くなった後も惰性のように唾液を混ぜあい、最後に一度、レゼ姉が強く唇を吸ってから名残惜しそうに離れていく。そのたびに、二人の唇にはねっとりとした透明の糸が紡がれていった。
汚らしくも、淫らな情景にレゼ姉が恍惚の表情を浮かべる。そのまま慣れた手つきで自身の巨大なお乳のうち、片側の先端を口に含むと、両手ですら持てあます自らの豊乳を搾りあげ、丹念に母乳を吸い上げていく。
発情したホルスタウロスの母乳は普段のモノよりも非常に濃厚な味わいで、数段甘く、栄養価にも優れており、なによりも強力な精力剤となりえる。その有用性から他の魔物娘にも非常に重宝されているが、なにぶん市場に出回る量が少なく、希少な存在となっていた。
理由としては明白である。いつもより濃密な交尾をするべく、昂ぶったホルスタウロスは有無を言わさずに愛する者へと母乳を飲ませ、欲望のままに交わること以外は考えられなくなるため、搾乳などという煩わしいことは頭の中から消え去ってしまうからだ。
「んっく♥んっく♥……ん〜〜〜〜〜♥」
またしてもレゼ姉と唇同士で重なり合う。やはり、コウの味覚が甘味で満たされると、肉棒は否応なしにもその硬度を増し、貪るラリスをますます悦ばせていく。
落ち着いているようにみえるが、むろんレゼ姉も発情している。それでも我を見失わずに献身的に奉仕することができるのは、あくまでもコウが身を粉にしてレゼ姉の子宮に子種をしこたま注ぎ込んだからにほかならない。ひとまずで、多少の理性を取り戻したレゼ姉は、愛しい雄の子を孕むべく、口移しによる授乳を熱心に行っていた。おそらくは本能的に発情時の母乳の効能に気付いているのだろう。
「あ〜あ〜♥ぃやらし〜〜♥……鼻の下、伸びまくってるよ〜♥」
コウを見下しながら無邪気に笑い、心底嬉しそうにだべっているのは末妹のリブである。二人の姉たちと等しく、まるまると実っている爆乳の片方にコウの手元を押し当てて、もみくちゃにさせていた。
一見するといつものリブに見えなくもない。しかし、その口元は不自然なくらい上向きに歪んでいる。魔性の快楽に悶える実兄のありさまに悦を見いだし、愛おしくてたまらないのだ。
発情時のリブはいつにもまして嗜虐性が強くなる。言い知れぬ焦燥感が煽り、じりじりと脳髄を焦がすドス黒い感情が彼女を支配するのだ。心身を苛立たせるような疼きに、リブはその全てをコウへと向け、自らの渇望を満たすべく突き動く。
幼きころから日夜、二人の姉達が恋慕する兄と交わる様子を家族に隠れて盗み見していたリブ。はじめて家族の営みを目の当たりにした衝撃は凄まじく、心身には文字通り稲妻が走り抜けた。否、男女の営みと表わすにはあまりにも一方的かつ過激な魔の情景がそこにはあった。あれほど優しいはずの姉達が、情けなく制止を懇願する兄を嬉々として嫐る姿に、怖れや嫌悪は微塵もなく、幼いながらも抱いた感情のすべては狂おしいほどの嫉妬と情欲だけであった。
以来、リブが雌として目覚めた兄への想いは、未熟ゆえに女として認めてもらえない周囲への苛立ちと共に、日ごとに高まっていった。長々と抑圧されつづけてきた想いは、ある種の怨念となってリブの奥底に刻まれ、発情時には淫欲で満たされた底なし沼から這い上がるようにして、鬼の顔を覗かせるのであった。
おもむろにリブが横になると、コウのすぐ傍に寄り添うようにして寝ころがる。ついでのように顔の側面に鼻息をそよがせると、片方の耳を柔らかな唇で蓋をする。
(……私のこと、好き……?……好きなら、姉貴のおっぱい揉んで……♥)
唐突な内容の耳打ちに、コウは困惑するも言われたとおりにするしかない。
巨大すぎるがゆえ、たいして手を伸ばさずとも届いてしまう褐色の果実に触れると、ゆっさゆっさと重厚に揺れ動く、正面の爆乳を両手で持ち上げるようにして支えてみる。
結果、下半身に馬乗りしている、ラリスの腰使いのペースが一気に上がった。本人の自慢であるのと同時、騎乗の重しとなっていた乳房の重量から解放され、愛しい雄の胸揉みによる愛のムチを入れてもらったのだ。これで興奮するなと言うほうが無理な話だろう。無人の野を駆けるが如く、ラリスは自由気ままにベッドで愛馬を駆ける。
(姉貴がイクまで、モミモミしてね……♥お漏らしはNGだよ〜♥)
さらなる追い討ちをかけるリブに、快感に悶えていたコウの眉が絶望でさらに寄る。
すでに下半身は飽くなき射精と挿入運動でドロドロに溶かされきっており、感覚としては限りなく液状化していた。身体の自由はおろか、踏ん張ることすらかなわない状況下において、獣欲の化身となっているラリスの乱雑な上下運動を耐え忍ぶことなど不可能である。
事実、コウには依然として肉棒に残りつづける、強烈な射精感が脈打つたびに呼び起こされ、先端からタラタラと精液を垂れ流す始末だった。もはやコウ自身、どこからが射精による律動なのかは曖昧すぎて区別がつかず、このままずーっと射精が止まらないのではと不安を覚えるほどだ。
「フッーーー♥フッーーー♥っーーー…………♥♥♥」
突如、我が物顔で騎乗していたラリスの動きがピタリと止まる。
どうやら腰を抜かしてしまったようで、先ほどまでの勢いが嘘のように消え、打ちのめされたように丸尻を細かく痙攣させるだけだった。
魔物娘とはいえ、体力には限界はある。長時間の交合に加え、快感で蕩けきっていた状態でスパートをかけたことで、本人の想像以上に消耗していた肉体がついに限界を振り切ったようだ。もはや気力だけではどうしようもなくなってしまったが、なおも魔性の肉膣は肉棒を撫で回し、子宮口は口惜しそうに新鮮な子種を啜るべく蠕動をつづけている。
「んもぉ〜……ちょっと、姉貴〜?今、イイところなんだからさぁ〜?」
しょうがないな〜と愚痴ると、いったんコウの傍から離れ、微動だにしないラリスの元にリブが寄り添う。見事なまでの小麦色な肉体になんとか肩を貸して支えると、胸元にある巨大な球体に唇を押し当てて吸い付く。ついでのように、スケベにも爆乳を掴んでいた兄貴の片手を両手で覆うと、力任せに姉貴のお乳を搾りはじめる。
みるみると溢れだす母乳の存在を、表裏をしっかりと押しつぶされた片手の感触からコウは感じ取っていた。心地よい弾力と、艶やかな柔らかさを合わせ持つ爆乳の深くにメチメチと指が食い込めば、爆乳全体がプルプルと震え、球体の真っただ中を母乳が駆け巡る。乳内を巡りめぐった母乳は外気に晒されることなく、仮宿としてリブの咥内へと乳先から直行する。しばし、リブが両頬を膨らませて母乳をたっぷりと貯め込むと、だるそうに元の持ち主へと送り返した。
何度か移送を繰り返すうち、どこか虚ろだったラリスの瞳の奥に光がともりだし、ついには搾られていない反対側の乳塊に俄然と喰らいつく。ラリスの体力ならび、精神的にもある程度余裕を取り戻すや、リブの顎を引き、濃厚な口付けをおみまいする。悠々と妹から母乳を汲み取ってみせると、まんざらでもない様子のリブが髪をかきあげ、騎乗する姉貴の両頬に手を添えることで応えてみせる。
下半身に跨ったまま行われている、妹達の痴態にコウは思わず生唾を飲み込む。性懲りもなく肉壺に捕まっていた肉棒を力強く隆起させ、脈動のおりに、こっそりと子宮内に子種を仕込んでいた、そのとき―
「たぶん、次でラリスちゃんが限界だろうし……その後は、"私達"で頑張ろうね♥」
さらりと死刑宣告にも等しい言葉を添え、レゼ姉が熱烈なキスによる激励で追撃する。
そう、姉妹達にとってはひたすら待ち遠しい順番ゆえの情交であろうとも、コウにしてみれば必然で、お預けを喰らいつづけて焦れに焦れきった牝獣達との本気の交尾になるのである。いつの間にかレゼ姉が口に含んでいたはずの母乳は綺麗さっぱり無くなっており、甘い香りだけが口内にただよう。本人が愛飲したであろう特濃のミルクは、この後の子作りに存分に役立つことだろう。
「いや〜ッ♥姉貴のキッス、やばいね〜♥……アレ、兄貴の仕込み〜?」
ひとしきり唇をねぶると、満足したレゼ姉が身を起こす。すると、入れ替わるようにリブがごろんと隣に倒れこんできた。目を爛々と輝かせ、コウが視認できなかった状況を息を荒くさせたまま語り、上下に重ねた若い爆乳を揺らしてみせる。
無念にも、二人の妹達による情熱的な絡みは眼前にいたレゼ姉に阻まれてしまい、想像でしか愉しめなかった。とはいえ、悲しいかな。コウの頭によぎっていたのは、子種に飢えたレゼ姉との激しすぎる子作りで、ひたすら搾精されつづける哀れな自分の姿だけであった。(ちなみに、当のレゼ姉は自前のミルクをせっせと吸引しはじめている。)
「そんでさ〜、話は変わるけど…………ぶっちゃけ、漏らしてるよね♥」
ぼそりと、それでいて致命的な一言をリブがつぶやく。
弁解をしようとコウが口を開く、それよりも先に、どこからかスマホを取り出していたリブがヒラヒラと振ってみせる。
「兄貴〜?言い訳するのはいいんだけどさ〜……ウソついたら即、"ドカン"だからね〜♥」
愕然としてしまった兄貴を、リブはニヤニヤと笑いながら眺める。あいにく、コウの視線はリブが握っているスマホに釘付けで、それどころではないが。
「……もう一回聞くよ〜♥お漏らし、気持ちよかった〜?」
悪意しか感じられない質問に、コウは唸るように頷くことでしか返事ができなかった。
こうなってしまった以上、質問に対する正当性を訴えるよりも、理不尽でも質問者が望む回答を優先させるべきだからだ。
「だよね〜♥兄貴漏らすとき、ガチでおっぱい掴むから、ソッコーでバレバレ〜♥♥♥」
ゲラゲラと顔を上げて笑い、スマホを手にしていない反対の手でお腹を抱えむと、リブは底からこみ上げてくるものを愉快そうに堪える。狂気じみた反応に、コウは戦々恐々としながら次のリアクションを静かに待つ。
「もぉ〜♥そんな、イジメたくなる顔しないでよ♥……とりあえず、キスしよっか♥」
言い終わるや、スマホを背後に追いやってからリブが目を閉じると、恥ずかしげもなく唇を兄貴に差し出す。それを受け、コウは一瞬たじろぐも、同じく瞳を閉ざし、妹と唇同士を重ね合わせた。初めは軽く触れ合う程度の接触から、大胆にも唇で入り口をこじ開けて舌をねじ込むと、せめてもの抵抗にと、鬱憤を晴らすようにリブの口内を蹂躙してやる。
短くも濃密な交遊の途中、コウの下半身に存在する分身から、狂暴なくすぐったさと振動を感じた。口吸いは決して止めず、騎乗したままのラリスをちらりと確認すれば、だらしなくも口を開き、涎を垂らしながら今までにない勢いで腰を振りしだく、褐色の性獣がそこにいた。
「んん〜♥悪くはない……けど、ちょ〜っと、必死すぎるかな〜♥」
知らないうちに離れていたリブが己の唇に指を当て、率直な感想を述べる。評価した内容とはうらはらに、頬は上気しており、尻尾が嬉しそうに振れていた。
「まっ、いっか♥チャンスあげるね〜♥お情けだけどぉ……♥
ルールは、いたってシンプル〜♥
姉貴がぶっ飛んじゃう前に……私からミルクを吸いだせたら、"お仕置き"はナシにしちゃいま〜す♥♥♥」
独り、イェーイと盛り上がるリブとは対照的に、コウは冷や汗をかいたまま硬直する。
十中八九、否、万が一よりもありえない無理難題に、他にとるべき態度があろうものか。
「はやくシないと、ゲームオーバーだよ〜♥……あっ、両手はナシで、そのまま姉貴のデカパイでも揉んどいてね〜♥もち、兄貴が追加で漏らしても"アウト"でぇ〜す♥」
まくしたてるように縛りを追加して無理ゲーを加速させると、ほらほら〜と、豊満すぎる胸元を兄貴の目の前にドンと見せつける。これほどまでにも、態度も胸もでかいというのに、なぜ母乳だけはでないのだろうか。希望を抱くことすらおこがましい状況のなか、それでも一縷の望みにかけ、捨て体で絶望へと立ち向かっていく。(とはいえ、透き通るような白い丸乳の先っぽに、顔をうずめるだけなのだが……)
搾乳をするに当たり、なんといっても外せないのは、やはり両手を使ったお乳全体へのマッサージであろう。少々乱暴な説明になるが、要するに乳首先端へと乳房を圧迫してやって搾りだしてやればいい。しかし、両手は別の牝牛の胸を揉まされおり、手のひらに広がる幸せな感触に悩まされていた。両手の行き先である、褐色のお乳からは騎乗による反動だけで甘い乳汁が溢れだし、ほんの少し力でも指先に力を込めてやれば、たちどころに純白のミルクがベットに新たな模様を装飾していく。同じホルスタウロスでありながらも、こうも母乳の出に差があるのは不思議でしかたがないが、今は嘆いても仕方がない。口を窄ませて爆乳に吸いつくと、コウは舌先で乳首を素早く転がすことで懸命に刺激を与え、垂涎ものの母乳を求め、がむしゃらにしゃぶりつく。
「あんっ♥いいよ〜、兄貴♥マジ、でちゃいそぉっ♥」
母乳を吸いだそうと必死な兄貴の姿に、リブはひどく酔いしれると、頭を抱え込んでヨシヨシと撫ではじめる。しかしながら、その瞳は慈しみ深い聖母のものとは程遠く、我が身の肥大化した乳房を走り抜ける、こそばゆい快感に別の意味で身を震わせていた。
「あっ、あっーーー♥あっあっ、あぁっ、あああぁっーーー♥♥♥」
ラリスの正真正銘、渾身のラストスパートがついに始まった。
コウの両手首を捕まえ、前身の胸中に強く引き込んで固定すると、膝立ちの状態で猛烈なグラインドを行う。体力の都合上、激しい上下運動を行えなくなったための選択であったが、その速度は驚異的で、ベッド全体に大きな横揺れを引き起こすほど力強いものだった。その上でラリスは股をキツく締めており、特にお腹周りに力をこめて肉棒の先端部分に意識を集中させていた。途端、コウは肉棒の先端にギチギチとした圧迫感を感じながら、無理矢理にも亀頭を前後に素早く振らされてしまう。
これで仕舞いと魔膣も悟ったのか、有終の美を飾るべく、コウの分身に熱烈な歓迎を開始する。まずは子宮口が口火を切るようにパックリと開いて亀頭のくびれを咥え込むと、カリより上部を引っこ抜かん勢いでバキュームをかます。尿道にまでせり上がっていた子種はつぶさに吸い取られ、無情にも次々と滑りぬけていく子種の感触に、コウは身震いを禁じえない。さらには肉棒部分へ執拗にまとわりついていた肉ヒダより、ねっとりとした熱い愛液が分泌され、荒々しい摩擦運動も合わさったことで膣内内部の温度が急上昇する。異常ともいえる高熱は肉棒の根元より身体全体へと広がりはじめると、ついにはコウの顔面にまで到達した―
―ビュッビュルッ!ドクッ、ビュルル……ドビュルル……!!
射精の直前、かぶりつくように吸っていたリブのお乳から離れ、首を持ち上げたままコウは精を撃ち放つ。
本能が故の衝動か、膣奥に打ち込むように腰を突き上げると、とっておきの子種を子宮に送りはじめる。ドクドクと精子をほとぼらせている間、コウは両手に力を込め、乳塊を鷲掴みにすることで射精の快感を紛らわせようとするが、むしろ心地よすぎる乳触りに射精の勢いをますます加速させてしまう。
「ありゃ?姉貴より先に、兄貴が逝っちゃっうか〜……♥」
熱い子種を放ち続ける兄貴を呆れ半分、愉悦倍増で見つめる末女のリブ。
一方で、いまだ昇り詰めていないラリスは大慌てで腰を振りまくる。腹部に流れ込んでくる熱気と、締め付けに反発するような雄々しい脈動から、一足先にコウが射精してしまったことを身をもって体感しているからだ。褐色の牝獣が目指す終着地はあくまで自我の桃源郷にあり、種馬の昇天など二の次である。問題なのは、目的のための手段である種馬が役に立たなくなる、その可能性が極めて高くなっていることだ。
なんとしても肉棒の硬度を保つべく、下半身の筋肉をフル稼働し、吐精中の肉棒を痛烈に圧搾する。小刻みに振っていた腰使いも今だけはブランコのように長く、大きく揺らし、なおかつ真っ直ぐには往復せず、左右の変化と艶やかな蛇行を織り交ぜることで射精を穏やかなものへと力ずくで変えていく。強烈な締め付けは生半可な吐精を封じることで半ば寸止めとし、緩慢かつ不規則な腰の動きは肉棒への過度な刺激を和らげ、放出後の持続性を期待しての判断であった。結果、暴発気味の射精は爆発的なものにはいたらず、先端をビクつくかせるたび、重くて鈍い快楽の塊を、窮屈そうにラリスの膣奥へと送りこむ程度にとどまった。
「ミルクのほうはっ、と……まぁ〜、でてない、よね〜……」
本人が自ら揉んで母乳の有無を確認すると、抑揚のない声で認定する。
わずかばかりの沈黙、その後、ゆら〜りとリブがスマホを取り出すと、いまだ射精を止めれないでいた兄貴に向けて宣告した。
「そんじゃ、罰ゲームだね〜♥次に姉貴が逝ったら……もうわかるよね♥♥♥」
リブはにんまりとほくそ笑み、舌をねぶりながら最後の刻を待ちわびる。
その言葉に呼応するように、跨っていた褐色の性獣が胸元に押しつけていた両手を放りだすと、代わりのように種馬の片足を掴み、自身も腰を浮かせることで互いの足を交差させる。身体の前面にまで持ち上げた片足をなんなく豊乳の奥へと仕舞い込むと、さらに爆乳の上下からはみ出た種馬の足に両腕を巻きつけることで完璧に固定してしまう。
(ぁっ……これ、ヤバイやつ……)
混濁した意識のなかでさえも芽生えたコウの危機感のもと、固定した片足を支えに、発情した牝獣が一心不乱に腰を叩きつけだす。先と同じく、腰を前後にスイングさせる動きだが、先と違い、反り立つ肉棒をねじ伏せることで抜き差しできる形をなしていた。
「がっ!!…………っぐぁ!!」
低い声でコウが呻くが、ラリスは止まらない。
種馬の片足を掲げたことで腰の動きに自由度が増し、より深くで種馬と繋がることができるのだ。あとは心が尽きるまで、腰を振りつけるだけである。
故に、ラリスが止まるわけがなかった。
「コウくぅ〜ん♥逝くときは、私のオッパイ揉んでぇ♥」
「兄貴〜♥私のも、揉んで、揉んで〜♥♥♥」
頭を抱えていたコウの両手は引っ剝がされ、姉妹がそれぞれ誇りにしている乳球を掴ませられる。右手と左手で異なる弾力と柔らかな感触は、肉棒を張大させる後押しとしては過剰であり、両乳が唯一として共通する暴力的なまでの巨大さも、両手がムチムチと沈みこむ深さに応じて肉棒の昂奮を高めるだけの、ありがた迷惑の実物でしかない。
かたや、股間を叩きつけていた牝獣の動きが、ますます激しいものとなっていく。両者の恥部がぶつかるたび、ラリスの股間周りの厭らしい柔肉が持ち上げられていたコウの太ももにぶちあたり、心地よい感触と快音を部屋に響かせた。寝転んだままになっている逆側の太ももは、ラリスが股間部分が沿うためのレール代わりとなっており、高速で滑っていく恥部肉の擦れ具合は、コウの分身が許可なく精子を放り飛ばす言い訳としては十分であった。
何度となく貪っていた淫獣が今日一番の動きをみせ、荒々しくも鋭さを伴った腰使いで、種馬を悶えさせる。コウの身体自体もこれからおとずれであろう極楽浄土に、期待感と緊張感でその身を震えさせていた。そんななか、コウの薄弱な意識だけが自己の射精と目前の淫獣に、待ったをかけていた。なんとか両手でラリスを捕まえようとするが、幸せな乳感だけが伝わってくる。思い出したかのように、重い頭を持ち上げてみれば、左右にはそれぞれ別の淫獣が、歓喜の表情に満ちていた―
「「ツッ−−−−−−−−−−−−−−−−−−!!」」
あれからしばらく、褐色の牝獣と哀れな種馬は、声なき嬌声を放ちつづけた。
ラリスがごり押すようにして最後の仕上げに入ると、コウとつがいとなり、気も精も放った瞬間、スマホのとある画面を操作したリブによって、現在の状態が延々とつづいている。
末妹が操作した結果は、実兄の睾丸に装着されたローターに反映されていた。
ローターの形状自体は人間界に出回っているものと遜色はない。ただし、魔界特有の性具としての確固たる隔たりは、やはりその機能にあった。通常の振動による性感帯への刺激はもちろんのこと、特筆すべく機能として、電流による性感帯内部への快感的電撃機能である。本ローターは動力に魔力を要しており、サンダーバードの電撃を模した電流を放電することができる。本物には及ぶべくもないが、その効果は尋常ではなく、使用者が未体験であるならばなおのことであった。あわせて、製作会社より提供されているアプリをスマホに導入することで、ローターの遠隔操作がスマホにて可能となり、電流の強弱、放電時間、その他、さまざまな内容を各人がお好みで調整できる。
接合の邪魔にならぬよう、睾丸の底面、裏面、側面に各1個ずつ、それが両方の睾丸に装着されているため、都合6個のローターがコウの睾丸に纏わりついている。その全てが、リブの指先一つで同時に動作し、かつ全力で放電を行っていた。
コウは感電中、無意識で射精を止めようと脳より微弱な信号が送られるが、局部より直接通電させられている圧倒的な電撃の前には無に等しく、逆に、コウの無意識の深層にまで快感信号が怒涛の勢いでなだれ込み、射精の勢いを強めるばかりだ。電撃の直撃を受けていた睾丸は強制的にも活性化を促され、兄妹の感電が長々と続く間、ひっきりなしに精子を量産しつづけ、痙攣による収縮運動で次から次へと堅く締め付けたままの膣内に精子をほとぼらせ、尽きることも、休むことも許されない。
交接していたラリスも同様、自身の最も敏感な秘部を、愛する雄の獲物で貫かれた状態で、堂々と感電していた。間接的とはいえ、肉棒を電極とした電撃は発情した牝獣にも絶大のようで、見事なまでに体を弓なりにそらし、腰を突き出したまま硬直している。
「もういいじゃない?いい加減、止めてあげたら?」
「えぇ〜?もうちょっと、よくな〜い?コレ、めっちゃオモシロいし〜♥」
「もうちょっと、って……それって、どれくらいなの?」
「もちろん♥ローターの魔力が切れるまで〜♥」
「……リブちゃん?」
「……はぁ〜い」
リブが渋々といった感じで、悶絶の極みにある二人を電撃から解放してやる。
されど、二人にこれといった反応はなく、感電したときの姿勢のまま、ピクリとも動かない。世話役と主犯がやりすぎを心配して顔を見合わせようとすると、ついに褐色の牝獣がゆるゆると崩れ落ちはじめた。
「っと!?……ラリスちゃん、大丈夫?」
「あっ!おい、コラ、兄貴ッ!ちんぽ萎えさすのは、ナシだかんな〜!!」
長姉としてラリスを優しく受け止めているかたわら、ずるりと抜け落ちてしまった肉棒の先端を、末妹が親の仇のようにシゴきまくる。これには目をチカらせていたコウも意識を呆れ返したが、あいにく、局部への甘すぎる衝撃が残っている現状では、固まったままで凄絶なくすぐったさにその身を捧げるしかない。
「……それじゃ♥"私達"の赤ちゃん♥作っちゃお♥♥♥」
無事にラリスを寝かしつけたレゼ姉が、満を持して、今なお動けないでいたコウに跨る。
察したリブが兄貴の股の間に陣取ると、ビクンビクンと痺れていた肉棒を次なる天国へとエスコートする。ヌプヌプと肉棒が天国への門をくぐり抜けていく有り様を、リブが悦楽の表情を浮かべ、しっかりと見送っていく。
発情時のレゼ姉は普段以上に母性と母乳を溢れさせ、さらには形ある母性の成就をコウに求める。つまるところ、母性の究極系ともいえる、母になることを目的とした、真の意味での子作りにほかならない。乳児だった頃より授乳させてきたレゼ姉にとって、もはやコウは我が子も同然であり、雄として立派に成長した今となっても、昔と変わらず、自らのお乳を女として求められる喜びは至福であった。そんなコウの赤ん坊をその身に宿す未来を思い描けば………想像するだけで果てることだろう。そんな夢物語を現実のものとするため、コウに多少の無理強いをできるのもまた、発情して極まったレゼ姉の母性がなせる、数少ない業なのかもしれない。
―…♥ ……♥♥ ………♥♥♥ あっ♥あっ♥あっ♥あふぅ〜〜♥♥♥
1回1回、落差のある弾みをつけ、リズミカルにレゼ姉が舞う。
野生的だったラリスとは違い、レゼ姉はどこまでもゆったりとしたマイペースを保ち、やんわりとコウを導いていく。最初から長期戦で望んでいるレゼ姉は、スタミナを過度に消耗するような動きを極力避けており、自身もしくはコウの我慢が効かなくなった時すら頑なにペースを守り続けていた。ひとえに、コウの子種を一滴でも多く、赤ちゃんを宿す子宮へと送るためであった。こうなってしまった以上、本人が妊娠できたと確信できるまで、子作りに終わりが迎えることはないだろう。
「コウっ♥……コウ♥っ〜〜〜、コウ〜〜〜〜♥♥ん〜〜〜〜〜♥♥」
目を覚ました直後から、ラリスは愛しい兄の名を何度も口にし、息をする間を惜しんでは激情にまみれた口付けを繰り返していた。快楽に素直になるということ、それはすなわち、なにかと甘えられないでいたコウに対しても素直になれるということだった。そんな折、宙で褐色の巨尻をカクカクと縦に振っては、底なしである獣欲の片鱗をコウに見せつけ、つい先ほどまでの情交を思い出していた。
「え〜〜っと、『振動検知』を選んでから、次に感度の調整、っと。
電撃の強さは……レゼ姉ちゃんの邪魔にならなようにしないとね〜♥」
スマホを片手に、リブは魔製ローターの調整に余念がない。
睾丸に触れるようにして指を乗せ、レゼ姉が腰が沈むことで流れる、電流の強さに神経を尖らせていた。本人が理想とする電撃の強さに近づけるため、こまめにスマホをいじっては、電撃で打ち震える睾丸に真剣な眼差しを送り、時折聞こえる、兄貴の情けない呻き声に顔をニヤつかせていた。
「コウ、ぅん♥つかれ、たら、いって、ねッ♥おっぱい♥まだ、でる、から♥ぁんっ♥」
「っはぁ♥おっぱいなら、私のを飲め、コウ……♥〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥」
「兄貴はキンタマの底の、底からでも精子出してもらうよ〜♥あとで、キンタマの底を削ってでも、私が搾り出すんだから〜〜〜♥♥♥」
かくしてコウは、ラリスの全力スプリントで足腰を立てなくされた後、レゼ姉との二人三脚によるフルマラソンを完走した暁に、リブによる情け無用の残党狩りのようなフィニッシュを決める運びとなった。(もっとも、深夜遅くにまで及んだ性交でコウの体力が尽きてから、姉妹によるリレー騎乗位が開始されたことを、最後に付け加えておく……)
「んっ?起きたか……どうだ?具合のほうは?」
「ラリス、か…………ここは?」
「車のなかだ。今日は出かける準備をする、そう決めたろ?」
「そう、なんだけどさ……」
なら、前夜に三人がかりであそこまで搾るのはありえないだろうと内心で思い、口には出さない。言えば最悪、今からでも昨晩以上に搾り取られかねないからだ。
姉妹の発情期は種族としての特有なものと、個々の状態に依存して発情するものの、二種類に分けられる。前者は、周期的かつ姉妹が一斉に発情し、後者は突発的かつ姉妹が別々に発情する。いずれの場合も、姉妹がそれぞれの性質で発情する傾向にあるが、傾向ということもあり、必ずしも本人が有している発情状態になるとは限らない。また、姉妹の一人が単独で発情した場合、発情していない他の姉妹は、発情した姉妹の性質に感化された発情状態となる。(例としてあげれば、前話の最後、出来上がっていたリブが跨ったことで発情した際、その発情の性質はラリスが有するものであり、発情していなかった姉妹もリブを起点とした同性質の発情状態に突入していた。)今後、姉妹の発情状態が互いに影響を与える事実を鑑みれば、その性質自体も互いの影響下で変質・合併することは大いにあり得る話だろう。
「兄貴、おっはよ〜♥……昨晩はお楽しみでしたね〜♥」
助手席より身を乗り出したリブが、スマホを片手に、兄貴に決まり文句で煽りたてる。
ただそれだけの行為に、コウはひどくビクつくと、たまらず自分の急所を弄ろうとする、が、かろうじで堪えることができた。というより、そもそも手足に力が入らないでいた。
「からかうのもほどほどにね、リブちゃん?コウ君も、おはようさん♥」
リブを軽くたしなめると、バックミラー越しに寝起きのコウに挨拶をするレゼ姉。
コウがそれとなく姉妹の様子を確認すると、全員が全員、よそ行きの装いでおめかしに力を入れているのが分かる。コウ自身もいつの間にか服を着せられており、身体中から感じる清涼感からシャワーないし、お風呂に入れられたことを感じた。
「ちなみに、お前のコーディネートは私がしておいた。感謝しろよ?」
「そりゃ、ど〜も……」
どうりでいつもなら自分が選びそうもない、服装のチョイスになっていたわけだ。
次女のセンスに脱帽しつつも、コウの趣味ではないのは、嫌がらせによるものかと思えてしまうが、単純に感性の違いによるものだろうと判断する。まぁ、上機嫌に膝枕をしてくれているラリスに、それを言うのは薮蛇にしかならない。
「朝はどこかの喫茶店にでも入ろうと思うけど……皆もそれでいい?」
「私はお昼に、最近見つけたお店に行けたら、後はどこでもいいよ〜」
「私も問題ない。コーヒーでもしばきながら、今後の予定でも立てるとしよう……」
例のごとく、コウを抜きにして、姉妹が話を進めていく。
慣れたもので、コウも深くは考えず、ラリスの太ももに沈みこむことで、その感触を愉しむ余裕さえできていた。
「しっかし、楽しみだね〜、明緑魔界♥パパとママに会うのも久しぶりだし〜」
「手紙によると、夏にはうってつけの場所みたいよ?なんでも、海も川も湖も近くにあるみたいで……」
「なら、3つは新しい水着がいるな。お前もそう思うだろ?」
「あぁ、うん、ソウダネー……」
最低でも三箇所、下手すればそれ以上の場所で、水着姿の姉妹達と青姦するハメになるのかな〜、と想像するには容易い未来を思い描けば…………率直に言って、興奮しないかといえば嘘になるだろう。今から、非常に楽しみである。
「なんだ、その気のない返事は?水着のお披露目は、今日する予定なんだぞ?
…………例のホテルでな♥」
「……それって、まさか!?」
「ご明察♥……あの、『真紅の魔』だ♥」
「私が予約しといたよ〜♥4名様、ご宿泊で♥気が利くでしょ〜♥♥♥」
「んも〜、二人とも、ネタバレさせちゃって〜……まっ、そういうことだから、今夜も頑張ってね♥コウ君♥♥♥」
「ははっ……」
乾いた笑いが自然と出た。しかし、下の本体からは何も出る気がしない。
コウが諦観していると、自慢の胸を揉んでくれないことに苛立ちを覚えたラリスが、コウの手を取って強引に自身の胸元に押しつけだす。それを見たリブが、ラリスをからかい、レゼ姉もそれに同調しながら車を走らせる。
八方塞がりならぬ、乳塞がり。手詰まりなぬ、乳詰まり。
手足はおろか、胃袋までも姉妹の母乳で満たされる日常で、コウは今晩も愛する姉妹達に参らされることになりそうだった。
19/08/18 20:16更新 / 眠猫
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