二話目
むにゅ♥
妙な感触がする。
エドは、なにか暖かくて柔らかいものが腕に当たる感触がして目が覚めた。
「んっ…なんだ…って、うおっ!?」
まだ赤い色の朝日がカーテンの隙間から部屋を薄明かりに染めている。ぼやっと明るい部屋の中、エルザがいつの間にかエドのベッドに潜り込んでいた。
服装は昨日の晩見たピッチリとしたレオタードのようなものではなく、どこから持ってきたのかパジャマ代わりに大きめのワイシャツを着ているのが、毛布の隙間からちらりと見えた。そんな状態で、エルザはエドの腕を抱きしめるようにしてすぅすぅと寝息を立てている。
あまりにも安らかに眠っているから、エドは混乱するよりも先にエルザを起こさないことを優先した。
「えへー…お兄ちゃん…」
だが、エドがどうしたものか考えていると、エルザが幸せそうに緩んだ口から可愛らしく寝言を漏らした。と、同時に、抱きしめる力が強くなったかと思うと、腕がぐいとエルザに引っ張られた。
むぎゅっ♥
「!?」
エドの手が、なにか柔らかい部分に触れた。毛布に隠れてどうなっているかは見えなかったが、その感触でおおよその見当はついた。
しなやかな筋肉の上に柔らかさを持った物体が、エドの右手を圧迫している。エルザは丁度抱きまくらにしがみつくように、エドの右手を太ももで挟み込んでいるに違いなかった。だが、問題はそれ以上だった。
──まさかエルザ、下に何も着てない!?──
子供特有の高めの体温に、すべすべしたハリのある肌。それが眠っていたからだろうか、わずかに汗でしっとりと湿っている。その感触が、何の障害もなくストレートにエドの右手に伝わった。
エドは、流石にマズいと思ったからエルザから無理やりにでも離れようとして身をよじった。だが、その次の瞬間だった。
「あ…んぅ…ダメ…」
眠っているはずのエルザが、更に力を強めた。ぎゅっ、と、エドの右手をより深く抱き込むようにだ。
ふにっ♥
「!!!????!」
エドの指先が、今までと違う感触に触れた。そこは今まで以上に熱く、しかも肌とは異なる触り心地だった。おそらくズボンを穿いていないだろうエルザが、下半身に何かを着けているとしたなら、それは一つしか無かった。
「ちょっ、これエルザ、ぱ、ぱん──」
「んぅ…なあに?お兄ちゃん」
エドは思い出したように左手でエルザの肩を掴んで揺すり起こした。しばらくもぞもぞと身体を捩った後で、ツインテールを解いたからところどころぼさっと寝癖のついた長い髪をストレートにした少女が、眠たそうに目を擦った。
「何って…それは…」
「?…変なお兄ちゃん」
まさか、エルザのパンツに触ってしまった、なんてことを本人に向かって言えるはずも無かったから、エドは説明しようとして口ごもる。それを見て、エルザは不思議そうに首を傾げた。
ばつが悪くて、エドはなんとか言葉を絞り出した。
「そ、そうだ。なんでエルザが僕のベッドに?」
「なんで、って…昨日、説明したじゃない。あたしがお兄ちゃんを鍛えるには、できるだけ近くで、長い間一緒にいる事が必要だって。だから、こうしてお兄ちゃんが寝てる時にあたしも一緒に寝れば、寝てる間にもお兄ちゃんを強くしてあげられるの」
「説明…したっけ…?」
エドは、どうも昨日の夜の記憶が曖昧だった。エルザに会ったことと、人助けがどうこう言っていた事は思い出せるのだが、その後が記憶にモヤがかかったようで判然としなかった。
「したよー。しっかりしてよね、お兄ちゃん」
「ああ、ごめんごめん」
だが、エルザはしたと言っている。ならば説明したんだろう。エドはそう納得した。
「それよりも、おはよ、お兄ちゃん♪」
「ああ、おはよう、エルザ」
少し遅れた朝の挨拶は、二人とも笑顔だった。赤かった朝日が少しだけ黄色くなっていた。
「今日の訓練は中止だ!中止!」
今日は号令が掛かる前にと部屋から出てきていたエドは、あり得ない事を聞いた。
いつもならば、例え嵐が来ようが地震が起きようが、それどころか校舎で火事が起きた時でさえ訓練はあったのに。
「どういうことですか教官!」
「やかましい!中止と言ったら中止だ!各自、適当に自主練でもしていろ!」
問い詰めるエドに、教官は構わず自主練だと言い残して早足で去ってしまった。周りを見れば、何人か出て来ていた生徒も戸惑っている。
「なんなんだよ…」
どうしようも無かったから、エドは取り敢えず食堂に向かった。
食堂にも人は殆ど居なかったが、食事は用意されていた。久しぶりにゆっくり食事ができると思ったが、部屋にエルザが居ることを思い出して、エドは持ち帰れそうな食べ物を見繕って部屋に持ち帰ることにした。
「えへへー♥」
「…」
部屋に帰って今日の訓練が無くなった事を伝えるなり飛びついてきたエルザをなんとか押しとどめて朝食を食べてから、エルザはずっとニコニコしてエドにぴったりくっついていた。どうにも座りが悪かったが、かといってエドは離れることも出来なかった。離れようとすると、エルザがやっぱり泣くからだ。
だが、ずっとこうしてもいられないから、エドはエルザに尋ねた。
「なあ、エルザ…その、特訓的なものはしないでいいの?」
「これが特訓なんだよ♪」
エルザはこうしていれば強くなれる、と言っているが、エドはイマイチ納得出来なかった。エルザの言うことを信じていない訳ではないが、だからといって何もせずくっついているというのは、それだけでは退屈だった。今日は朝のランニングさえ無かったのだ。
エドが不満に思っているのを感じてか、エルザが一つ提案した。
「もう…しょうがないなぁ…それじゃ、精神修行っぽいことでもしようか?」
「お、何かあるの?」
「うん。それじゃお兄ちゃん、少し目をつぶって?」
言われたとおりに、エドは目をつぶった。何も疑問に思わなかった。
「うん、ありがと。それじゃ、いっくよー♪」
エルザの声にエドが僅かに身構えた。その次の瞬間だ。
ちゅっ♥
「!?」
エドの頬に、柔らかい感触が触れた。ぷるぷるとしたゼリーのような水気をたたえた温かい何かが、一瞬くっついて離れたのだ。
驚いて目を開けようとすると、エルザの手がエドの目隠しになってしまった。
そしてそのまま、耳元で囁かれる。
「ダメだよぉ…?しっかり目はつぶってなきゃ…」
息がかかるという表現の通りに、エルザの呼吸も、湿って熱い吐息も感じられるほど近くで。
侵入してきたエルザの声が、エドの脳内で反響した。
「目をつぶるとね、色んな感覚がとってもビンカンになるんだって…」
「だからね…そんなビンカンな状態を我慢して、我慢して、一杯溜め…じゃなくて耐え切れたら、きっとすごく気持ち良…でもなくて、とにかく、すごい事だと思うの…」
既にエルザが何を言っているのかよく分からなかったが、エドはとにかく、必死に目をつぶることだけを続けた。エルザが喋っていないと、自分自身の犬のような間隔の短い呼吸だけが聞こえた。
れろぉ♥
「ひぃぁっ…っ」
耳穴をなぞるように舐められて、エドの口から声が漏れた。自分の声とは思えなかった。
「あはぁっ…♥お兄ちゃん、耳、弱いんだ…♥」
エドの漏らした声を聞いて、エルザが嬉しそうな声を上げる。目をつぶっていなかったら、獲物を見つけた猫のような瞳のエルザが見えただろう。
「なら、ココはどうかな…?」
ちゅうっ♥
「!?」
今度は首に吸い付かれた。
まるでわざと跡を残そうとしているかのように、強く、何度も、何箇所も啄まれる。その度にエドの身体がビクンと震えて、その反応にエルザがより一層強い吸い付きで返す。
直接的な快感があるわけでは無かったが、吸い付かれる程に、エルザのものにされていくように感じた。
「ふふ…一杯キスマーク付けちゃった…♥」
しばらく吸い続けた後で、満足気な声を出してエルザはやっと首筋から離れてくれた。エドは首のどこも、じんじんと甘く疼いてしょうがなかった。
「ん〜、でも…ちょっと反応悪いかな…?それじゃあ…」
はむっ♥
「ふあっ!」
エドの指先が、ぬるりとした温かいものに包まれた。
「んふ…♥はむ、ちゅぴ…どうしたの…お兄ちゃん?指舐められただけで、ヘンな声出しちゃって…」
指先を真っ赤な舌先でチロチロ舐め上げながら、エルザがクスクスと笑う。
元々、指先は人体でも特に感覚が鋭い場所だが、目をつぶった事で触覚が何倍にも増幅されて、信じられない程の快感がエドを襲った。
「ぴちゃ、ぴちゅ、ちゅぅっ…じゅるっ…ねぇ、あたしはただこうして指を舐めてるだけなのに、どうしてそんな声出してるの?」
いたぶるような質問を投げかけてくるエルザに、エドはなにも答えられない。
ただ、荒く浅い呼吸を繰り返すだけだ。
「あっはぁ…そんな喋らないでハァハァ言ってると、お兄ちゃん、ワンちゃんみたいで可愛い…♥」
殆ど朦朧とした意識の中、エドは何故自分が目をつぶっているのかも忘れて、ただエルザの声と、エルザの与える快感だけを感じていた。
「そんなに舌を出してるなら…そうだ♪お兄ちゃん、もっと舌出して♥」
俄にエルザが指を舐めしゃぶるのを止めて、ギシッとベッドのスプリングが軋む音がした。
エドは言われるがままに、限界まで舌を突き出す。
「ん、えらいえらい…それじゃあ、よく狙って…んぁ」
ぴちゃり。
「あんぁ…」
言われたとおりに舌を出していると、舌の先で水が弾けたのを感じた。
更に、そこを起点に甘みが広がり、次いで快感がやってきた。まるで、液体が染み込んだところが性感帯になってしまったようだった。
「ふふ…おいしい?あたしのよだれ…」
頭上から声が降ってくる。
エドは夢中になって頷いた。
「うふふ、だんだん素直になってきたね、お兄ちゃん♪素直ないい子には、ご褒美をあげる♥」
またギシッと音がして、トンっと軽い音がした。どうやら、エルザがベッドから飛び降りたようだ。
さわっ。
「ひゃんっ♥」
電流が走った。エドは比喩なしにそう感じた。
何をされたのかは分かる。エルザに、ズボンの上から股間を撫でられたのだ。
直接的な接触でもない、たったそれだけでエドは嬌声に近い悲鳴を上げた。
「あれ〜?お兄ちゃん、こんなので女の子みたいな声出しちゃうんだ…とっても、ビンカンさんなんだね♥」
エルザの言葉が自分を詰っているように感じて、エドは羞恥に身体を縮こませる。
しかし、そんなか弱い抵抗もむなしく、エルザは強引にエドの脚を開かせてしまう。
「大丈夫だよ…気持ちいいのは怖くないからね…」
そうエルザが囁く。ズボン越しなのに、吐息の熱さを感じるようだった。
「お兄ちゃんの、出すね…」
宣言してから、エルザがズボンのチャックに手をかける。
押し込められていたエドのモノが、ひんやりとした外気の感触に触れた。
「…っ!」
「わぁ…これが…」
熱っぽい、陶酔した声のエルザ。
もしもエドが目を開けていれば、男性器を前にうっとりとして、トロンとした目の少女が見られただろう。
「それじゃあ早速…」
呟いて、エルザは目の前の男性器に軽く口付けをする。
そして。
「いただきまぁす…♥」
「ふぁぁ…♥」
亀頭が、熱くぬめったもの、つまりはエルザの口内に包まれた。
粘膜と唾液でぬるぬるになった熱い肉が、じゅぷじゅぷと下品な水音を立てる。
「んっ…じゅぷ、はぷ、はむっ♥はぁっ、ちゅぷ、ちゅる…ずじゅるっ♥」
情熱的なエルザのフェラチオに、エドが腰ごとビクッと浮かせて反応する。
はじめは亀頭までを口に含み、口腔内で舌を縦横に這い回して、鈴口、カリ首を責め上げる。
異常なくらいに溢れ出て止まらない高粘度の先走りが、ローションのように滑りを良くする。
「ふぅぅ…♥はぁ、あむぅ…ちゅっ、ちゅぷるっ♥じゅるっ、んふ、れろぉ…♥」
ついには小さな口いっぱいにエドの肉棒を頬張り、時には喉の奥まで引き込んで奉仕する。
子供にしか見えない身体のどこにこんな技巧があるのかと思う程、巧みな口淫だった。
「ん、ぷはっ…どう?」
ようやく解放されたペニスの先端からは今もなおとくとくと先走りが漏れだしているのが分かる。
触れているすべすべとした温かいものは、おそらくエルザが頬ずりしているのだろうと思った。
エルザの呼びかけに答えようとしたが、体中の力が抜けきって、舌さえ満足に動かせずに白痴のような意味のない息が漏れる。
「はぁ…うぁぁ…♥」
「えへへ…その様子だと、すっかりとろけきっちゃったみたいだね…お馬鹿さんになっちゃったお兄ちゃんもカワイイ…♥」
エルザの甘い声が心地よい。
「じゃあ、そろそろ、イっちゃおっか…♥」
「あぁぁ…♥」
宣言通りに、ペニスが再びエルザの口内に捕らえられた。
今度は最初から口の全てを使って、強く吸い付きながら大きくストロークする、射精を促す動きだ。
エルザの口がまるで女性器のように感じられる。
「んふぁ、んちゅ、じゅるる…♥はむぅ、ちゅぱっ、ちゅぱっ♥」
だんだんとストロークの速度が早く、そしてより一層深くなっていく。
少女に口から快感を流し込まれ、射精するように責め立てられる。
「あぁ…、エルザぁ♥」
「じゅぷ、ぴちゃ、ぴちゃ…れろ、んっ♥ふむっ、ちゅぴ、ちゅっ、ずじゅぅ…♥」
ペニスがビクビクと震えて、亀頭が一層膨らむ。射精の前兆を感じて、口淫が激しさを増した。
そして。
「ひぁっ!あっ、あぁっ♥♥♥」
「んっ♥ん…こくっ、うんっ…んっ♥ごくっ」
エドの口から甲高い声が漏れて、ペニスから熱い精液の塊が噴出した。
エルザは吐き出される欲望を小さな口で一滴も漏らすまいと必死に吸い付き、こくこくと嚥下する。
「こくっ、ごくっ…♥ん、ぷはっ♥ふふ…ごちそうさま…♥お兄ちゃんの精液、とっても美味しかったよ…♥」
長い射精を終えると、急激に眠気が襲ってきた。
「おやすみ、おにーいちゃん…♥」
エルザの声の遠くから、いくつもの嬌声が聞こえた気がしたが、それを考える事もなく、エドの意識は闇に落ちた。
妙な感触がする。
エドは、なにか暖かくて柔らかいものが腕に当たる感触がして目が覚めた。
「んっ…なんだ…って、うおっ!?」
まだ赤い色の朝日がカーテンの隙間から部屋を薄明かりに染めている。ぼやっと明るい部屋の中、エルザがいつの間にかエドのベッドに潜り込んでいた。
服装は昨日の晩見たピッチリとしたレオタードのようなものではなく、どこから持ってきたのかパジャマ代わりに大きめのワイシャツを着ているのが、毛布の隙間からちらりと見えた。そんな状態で、エルザはエドの腕を抱きしめるようにしてすぅすぅと寝息を立てている。
あまりにも安らかに眠っているから、エドは混乱するよりも先にエルザを起こさないことを優先した。
「えへー…お兄ちゃん…」
だが、エドがどうしたものか考えていると、エルザが幸せそうに緩んだ口から可愛らしく寝言を漏らした。と、同時に、抱きしめる力が強くなったかと思うと、腕がぐいとエルザに引っ張られた。
むぎゅっ♥
「!?」
エドの手が、なにか柔らかい部分に触れた。毛布に隠れてどうなっているかは見えなかったが、その感触でおおよその見当はついた。
しなやかな筋肉の上に柔らかさを持った物体が、エドの右手を圧迫している。エルザは丁度抱きまくらにしがみつくように、エドの右手を太ももで挟み込んでいるに違いなかった。だが、問題はそれ以上だった。
──まさかエルザ、下に何も着てない!?──
子供特有の高めの体温に、すべすべしたハリのある肌。それが眠っていたからだろうか、わずかに汗でしっとりと湿っている。その感触が、何の障害もなくストレートにエドの右手に伝わった。
エドは、流石にマズいと思ったからエルザから無理やりにでも離れようとして身をよじった。だが、その次の瞬間だった。
「あ…んぅ…ダメ…」
眠っているはずのエルザが、更に力を強めた。ぎゅっ、と、エドの右手をより深く抱き込むようにだ。
ふにっ♥
「!!!????!」
エドの指先が、今までと違う感触に触れた。そこは今まで以上に熱く、しかも肌とは異なる触り心地だった。おそらくズボンを穿いていないだろうエルザが、下半身に何かを着けているとしたなら、それは一つしか無かった。
「ちょっ、これエルザ、ぱ、ぱん──」
「んぅ…なあに?お兄ちゃん」
エドは思い出したように左手でエルザの肩を掴んで揺すり起こした。しばらくもぞもぞと身体を捩った後で、ツインテールを解いたからところどころぼさっと寝癖のついた長い髪をストレートにした少女が、眠たそうに目を擦った。
「何って…それは…」
「?…変なお兄ちゃん」
まさか、エルザのパンツに触ってしまった、なんてことを本人に向かって言えるはずも無かったから、エドは説明しようとして口ごもる。それを見て、エルザは不思議そうに首を傾げた。
ばつが悪くて、エドはなんとか言葉を絞り出した。
「そ、そうだ。なんでエルザが僕のベッドに?」
「なんで、って…昨日、説明したじゃない。あたしがお兄ちゃんを鍛えるには、できるだけ近くで、長い間一緒にいる事が必要だって。だから、こうしてお兄ちゃんが寝てる時にあたしも一緒に寝れば、寝てる間にもお兄ちゃんを強くしてあげられるの」
「説明…したっけ…?」
エドは、どうも昨日の夜の記憶が曖昧だった。エルザに会ったことと、人助けがどうこう言っていた事は思い出せるのだが、その後が記憶にモヤがかかったようで判然としなかった。
「したよー。しっかりしてよね、お兄ちゃん」
「ああ、ごめんごめん」
だが、エルザはしたと言っている。ならば説明したんだろう。エドはそう納得した。
「それよりも、おはよ、お兄ちゃん♪」
「ああ、おはよう、エルザ」
少し遅れた朝の挨拶は、二人とも笑顔だった。赤かった朝日が少しだけ黄色くなっていた。
「今日の訓練は中止だ!中止!」
今日は号令が掛かる前にと部屋から出てきていたエドは、あり得ない事を聞いた。
いつもならば、例え嵐が来ようが地震が起きようが、それどころか校舎で火事が起きた時でさえ訓練はあったのに。
「どういうことですか教官!」
「やかましい!中止と言ったら中止だ!各自、適当に自主練でもしていろ!」
問い詰めるエドに、教官は構わず自主練だと言い残して早足で去ってしまった。周りを見れば、何人か出て来ていた生徒も戸惑っている。
「なんなんだよ…」
どうしようも無かったから、エドは取り敢えず食堂に向かった。
食堂にも人は殆ど居なかったが、食事は用意されていた。久しぶりにゆっくり食事ができると思ったが、部屋にエルザが居ることを思い出して、エドは持ち帰れそうな食べ物を見繕って部屋に持ち帰ることにした。
「えへへー♥」
「…」
部屋に帰って今日の訓練が無くなった事を伝えるなり飛びついてきたエルザをなんとか押しとどめて朝食を食べてから、エルザはずっとニコニコしてエドにぴったりくっついていた。どうにも座りが悪かったが、かといってエドは離れることも出来なかった。離れようとすると、エルザがやっぱり泣くからだ。
だが、ずっとこうしてもいられないから、エドはエルザに尋ねた。
「なあ、エルザ…その、特訓的なものはしないでいいの?」
「これが特訓なんだよ♪」
エルザはこうしていれば強くなれる、と言っているが、エドはイマイチ納得出来なかった。エルザの言うことを信じていない訳ではないが、だからといって何もせずくっついているというのは、それだけでは退屈だった。今日は朝のランニングさえ無かったのだ。
エドが不満に思っているのを感じてか、エルザが一つ提案した。
「もう…しょうがないなぁ…それじゃ、精神修行っぽいことでもしようか?」
「お、何かあるの?」
「うん。それじゃお兄ちゃん、少し目をつぶって?」
言われたとおりに、エドは目をつぶった。何も疑問に思わなかった。
「うん、ありがと。それじゃ、いっくよー♪」
エルザの声にエドが僅かに身構えた。その次の瞬間だ。
ちゅっ♥
「!?」
エドの頬に、柔らかい感触が触れた。ぷるぷるとしたゼリーのような水気をたたえた温かい何かが、一瞬くっついて離れたのだ。
驚いて目を開けようとすると、エルザの手がエドの目隠しになってしまった。
そしてそのまま、耳元で囁かれる。
「ダメだよぉ…?しっかり目はつぶってなきゃ…」
息がかかるという表現の通りに、エルザの呼吸も、湿って熱い吐息も感じられるほど近くで。
侵入してきたエルザの声が、エドの脳内で反響した。
「目をつぶるとね、色んな感覚がとってもビンカンになるんだって…」
「だからね…そんなビンカンな状態を我慢して、我慢して、一杯溜め…じゃなくて耐え切れたら、きっとすごく気持ち良…でもなくて、とにかく、すごい事だと思うの…」
既にエルザが何を言っているのかよく分からなかったが、エドはとにかく、必死に目をつぶることだけを続けた。エルザが喋っていないと、自分自身の犬のような間隔の短い呼吸だけが聞こえた。
れろぉ♥
「ひぃぁっ…っ」
耳穴をなぞるように舐められて、エドの口から声が漏れた。自分の声とは思えなかった。
「あはぁっ…♥お兄ちゃん、耳、弱いんだ…♥」
エドの漏らした声を聞いて、エルザが嬉しそうな声を上げる。目をつぶっていなかったら、獲物を見つけた猫のような瞳のエルザが見えただろう。
「なら、ココはどうかな…?」
ちゅうっ♥
「!?」
今度は首に吸い付かれた。
まるでわざと跡を残そうとしているかのように、強く、何度も、何箇所も啄まれる。その度にエドの身体がビクンと震えて、その反応にエルザがより一層強い吸い付きで返す。
直接的な快感があるわけでは無かったが、吸い付かれる程に、エルザのものにされていくように感じた。
「ふふ…一杯キスマーク付けちゃった…♥」
しばらく吸い続けた後で、満足気な声を出してエルザはやっと首筋から離れてくれた。エドは首のどこも、じんじんと甘く疼いてしょうがなかった。
「ん〜、でも…ちょっと反応悪いかな…?それじゃあ…」
はむっ♥
「ふあっ!」
エドの指先が、ぬるりとした温かいものに包まれた。
「んふ…♥はむ、ちゅぴ…どうしたの…お兄ちゃん?指舐められただけで、ヘンな声出しちゃって…」
指先を真っ赤な舌先でチロチロ舐め上げながら、エルザがクスクスと笑う。
元々、指先は人体でも特に感覚が鋭い場所だが、目をつぶった事で触覚が何倍にも増幅されて、信じられない程の快感がエドを襲った。
「ぴちゃ、ぴちゅ、ちゅぅっ…じゅるっ…ねぇ、あたしはただこうして指を舐めてるだけなのに、どうしてそんな声出してるの?」
いたぶるような質問を投げかけてくるエルザに、エドはなにも答えられない。
ただ、荒く浅い呼吸を繰り返すだけだ。
「あっはぁ…そんな喋らないでハァハァ言ってると、お兄ちゃん、ワンちゃんみたいで可愛い…♥」
殆ど朦朧とした意識の中、エドは何故自分が目をつぶっているのかも忘れて、ただエルザの声と、エルザの与える快感だけを感じていた。
「そんなに舌を出してるなら…そうだ♪お兄ちゃん、もっと舌出して♥」
俄にエルザが指を舐めしゃぶるのを止めて、ギシッとベッドのスプリングが軋む音がした。
エドは言われるがままに、限界まで舌を突き出す。
「ん、えらいえらい…それじゃあ、よく狙って…んぁ」
ぴちゃり。
「あんぁ…」
言われたとおりに舌を出していると、舌の先で水が弾けたのを感じた。
更に、そこを起点に甘みが広がり、次いで快感がやってきた。まるで、液体が染み込んだところが性感帯になってしまったようだった。
「ふふ…おいしい?あたしのよだれ…」
頭上から声が降ってくる。
エドは夢中になって頷いた。
「うふふ、だんだん素直になってきたね、お兄ちゃん♪素直ないい子には、ご褒美をあげる♥」
またギシッと音がして、トンっと軽い音がした。どうやら、エルザがベッドから飛び降りたようだ。
さわっ。
「ひゃんっ♥」
電流が走った。エドは比喩なしにそう感じた。
何をされたのかは分かる。エルザに、ズボンの上から股間を撫でられたのだ。
直接的な接触でもない、たったそれだけでエドは嬌声に近い悲鳴を上げた。
「あれ〜?お兄ちゃん、こんなので女の子みたいな声出しちゃうんだ…とっても、ビンカンさんなんだね♥」
エルザの言葉が自分を詰っているように感じて、エドは羞恥に身体を縮こませる。
しかし、そんなか弱い抵抗もむなしく、エルザは強引にエドの脚を開かせてしまう。
「大丈夫だよ…気持ちいいのは怖くないからね…」
そうエルザが囁く。ズボン越しなのに、吐息の熱さを感じるようだった。
「お兄ちゃんの、出すね…」
宣言してから、エルザがズボンのチャックに手をかける。
押し込められていたエドのモノが、ひんやりとした外気の感触に触れた。
「…っ!」
「わぁ…これが…」
熱っぽい、陶酔した声のエルザ。
もしもエドが目を開けていれば、男性器を前にうっとりとして、トロンとした目の少女が見られただろう。
「それじゃあ早速…」
呟いて、エルザは目の前の男性器に軽く口付けをする。
そして。
「いただきまぁす…♥」
「ふぁぁ…♥」
亀頭が、熱くぬめったもの、つまりはエルザの口内に包まれた。
粘膜と唾液でぬるぬるになった熱い肉が、じゅぷじゅぷと下品な水音を立てる。
「んっ…じゅぷ、はぷ、はむっ♥はぁっ、ちゅぷ、ちゅる…ずじゅるっ♥」
情熱的なエルザのフェラチオに、エドが腰ごとビクッと浮かせて反応する。
はじめは亀頭までを口に含み、口腔内で舌を縦横に這い回して、鈴口、カリ首を責め上げる。
異常なくらいに溢れ出て止まらない高粘度の先走りが、ローションのように滑りを良くする。
「ふぅぅ…♥はぁ、あむぅ…ちゅっ、ちゅぷるっ♥じゅるっ、んふ、れろぉ…♥」
ついには小さな口いっぱいにエドの肉棒を頬張り、時には喉の奥まで引き込んで奉仕する。
子供にしか見えない身体のどこにこんな技巧があるのかと思う程、巧みな口淫だった。
「ん、ぷはっ…どう?」
ようやく解放されたペニスの先端からは今もなおとくとくと先走りが漏れだしているのが分かる。
触れているすべすべとした温かいものは、おそらくエルザが頬ずりしているのだろうと思った。
エルザの呼びかけに答えようとしたが、体中の力が抜けきって、舌さえ満足に動かせずに白痴のような意味のない息が漏れる。
「はぁ…うぁぁ…♥」
「えへへ…その様子だと、すっかりとろけきっちゃったみたいだね…お馬鹿さんになっちゃったお兄ちゃんもカワイイ…♥」
エルザの甘い声が心地よい。
「じゃあ、そろそろ、イっちゃおっか…♥」
「あぁぁ…♥」
宣言通りに、ペニスが再びエルザの口内に捕らえられた。
今度は最初から口の全てを使って、強く吸い付きながら大きくストロークする、射精を促す動きだ。
エルザの口がまるで女性器のように感じられる。
「んふぁ、んちゅ、じゅるる…♥はむぅ、ちゅぱっ、ちゅぱっ♥」
だんだんとストロークの速度が早く、そしてより一層深くなっていく。
少女に口から快感を流し込まれ、射精するように責め立てられる。
「あぁ…、エルザぁ♥」
「じゅぷ、ぴちゃ、ぴちゃ…れろ、んっ♥ふむっ、ちゅぴ、ちゅっ、ずじゅぅ…♥」
ペニスがビクビクと震えて、亀頭が一層膨らむ。射精の前兆を感じて、口淫が激しさを増した。
そして。
「ひぁっ!あっ、あぁっ♥♥♥」
「んっ♥ん…こくっ、うんっ…んっ♥ごくっ」
エドの口から甲高い声が漏れて、ペニスから熱い精液の塊が噴出した。
エルザは吐き出される欲望を小さな口で一滴も漏らすまいと必死に吸い付き、こくこくと嚥下する。
「こくっ、ごくっ…♥ん、ぷはっ♥ふふ…ごちそうさま…♥お兄ちゃんの精液、とっても美味しかったよ…♥」
長い射精を終えると、急激に眠気が襲ってきた。
「おやすみ、おにーいちゃん…♥」
エルザの声の遠くから、いくつもの嬌声が聞こえた気がしたが、それを考える事もなく、エドの意識は闇に落ちた。
14/08/05 19:42更新 / 地獄大帝
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