1
小さな頃から空を見上げるのが好きだった。
流れる雲、天高く舞う鳥たち、空の果てをゆく航空機。
思えばあの頃から追いかけているのだ。
あの空を駆けるものを――。
目の前にはなにもかもを吸い込んでしまいそうな蒼穹が広がっている。
仰向けになりただただそれを見つめる。
そろそろ太陽が中天にさしかかった頃だろうか、風切り音、羽ばたく音が聞こえたと思うと頭の向こうに何者かが降り立った。
「おい、お前!」
「……」
「聴こえてんだろっ!お前だよっ!お・ま・え!」
「……」
視線を頭上へと向ける。
そこには金髪に深い碧色のメッシュ、肘から先と膝
から先が鳥のような異形の少女が立っている。
「へへ、やっとこっちを向いたなっ!」
肘から先の翼は髪と同じ色からメッシュと同じ碧色へのグラデ―ション、膝から先の鉤爪は鉄のような黒色。
一見シャギーのかかったショートヘア、しかし両側頭部の髪留めから後ろに向かってヤツデの葉っぱようにした金髪が飛び出している。
「う〜ん、なんか顔色もよくねぇし、ここいらじゃ見かけない服だな。話せないのか?」
露出はかなりのもので胸の先だけを隠す雷形のレザーのヌーブラ?と股下数センチの
同じくレザーのミニスカート。
見た目はアレだが贅沢は言っていられないっ。
「お……」
「お?」
「おなか減った……」
落ちていく意識の中、なにか暖かいものに包まれた気がした。
暗闇を漂っている。
ふと暖かく包みこまれたと感じた瞬間口の中に電流が走った。
「〜〜っ!」
「んっ、起きたか?」
近い。目の前に先ほどの少女が仰向けになった僕の腰のあたりに屈み翼で僕を抱き起している。僕は少女に運ばれベッドで寝かされていたようだ。
そして暖かいものの正体はこの少女の翼だったらしい。
「助かりました、ありがとうございます。」
「気にすんなよ、なんたって今からおまえはワタシに食べられるんだからなっ!」
上気した頬に満面の笑み、全身に走る電流。電流の正体もこの少女だったらしい。
僕は少女に食べられ再び意識を失ったのだった。
流れる雲、天高く舞う鳥たち、空の果てをゆく航空機。
思えばあの頃から追いかけているのだ。
あの空を駆けるものを――。
目の前にはなにもかもを吸い込んでしまいそうな蒼穹が広がっている。
仰向けになりただただそれを見つめる。
そろそろ太陽が中天にさしかかった頃だろうか、風切り音、羽ばたく音が聞こえたと思うと頭の向こうに何者かが降り立った。
「おい、お前!」
「……」
「聴こえてんだろっ!お前だよっ!お・ま・え!」
「……」
視線を頭上へと向ける。
そこには金髪に深い碧色のメッシュ、肘から先と膝
から先が鳥のような異形の少女が立っている。
「へへ、やっとこっちを向いたなっ!」
肘から先の翼は髪と同じ色からメッシュと同じ碧色へのグラデ―ション、膝から先の鉤爪は鉄のような黒色。
一見シャギーのかかったショートヘア、しかし両側頭部の髪留めから後ろに向かってヤツデの葉っぱようにした金髪が飛び出している。
「う〜ん、なんか顔色もよくねぇし、ここいらじゃ見かけない服だな。話せないのか?」
露出はかなりのもので胸の先だけを隠す雷形のレザーのヌーブラ?と股下数センチの
同じくレザーのミニスカート。
見た目はアレだが贅沢は言っていられないっ。
「お……」
「お?」
「おなか減った……」
落ちていく意識の中、なにか暖かいものに包まれた気がした。
暗闇を漂っている。
ふと暖かく包みこまれたと感じた瞬間口の中に電流が走った。
「〜〜っ!」
「んっ、起きたか?」
近い。目の前に先ほどの少女が仰向けになった僕の腰のあたりに屈み翼で僕を抱き起している。僕は少女に運ばれベッドで寝かされていたようだ。
そして暖かいものの正体はこの少女の翼だったらしい。
「助かりました、ありがとうございます。」
「気にすんなよ、なんたって今からおまえはワタシに食べられるんだからなっ!」
上気した頬に満面の笑み、全身に走る電流。電流の正体もこの少女だったらしい。
僕は少女に食べられ再び意識を失ったのだった。
17/03/29 05:13更新 / はばたきひこうきかい
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