連載小説
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ちょっと肩慣らしに ワーウルフ
薄暗い部屋に男女二人、なにも起きないはずもなく…
「早速で悪いのだけれど、」
「ああ」
会心のネタをスルーし、本題にはいるこの女は“魔王”である。
目の前にいるのは分身であり、本体は魔王城で勇者としっぽりしているのだろう。
昔パーティーを組んだ仲間でもあるが、今はオレの雇い主兼情報屋である。
ちなみに今年⚫⚫⚫⚫歳のBBーー

「なんか考えてる?♥️」

「イヤーナンデモナイヨー」

「ま、いいわ。それよりも最近起きた連続行方不明事件。お願いできるかしら。」

「行方不明なんてザラにあんだろ。」

「最初の事件から1ヶ月たったのに婚姻届が出されてないの、現場は同じ都内の公園、そこで魔力じゃない血液が検出された。被害者はこの一月で5名。」

「ふーん…ま、わかったよ。金はいつもの口座で。」

「ちゃっかりしてるわね…気を付けてね。」

「人妻に言われても嬉しくねーよ。」

バタン、とドアを閉め、『取調室』から出て、銃を受け取って仕事に向かう。
“警察庁” かつて日本の警察の中心だった建物を出て、
鼻で笑って。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


拝啓、ご両親へ。
被害地域を捜査していたら謎の森にいました。
何をいってるのかわからねーと思うが(以下略)
仕方なく歩いていると後ろから声がする。

「おにーさん。どうしたの?」

きれいな金髪を揺らして不思議そうに頭を傾けるあどけない美女。 アリスである。

「いや〜そこら辺を散歩してたら迷っちゃってサー、案内してくれるとうれしーなー。」

「そう!じゃあついてきて!」
そうして彼女についていく。隠せない森からの気配。
“見られている”ことを自覚しながら。

やがて一つのあばら家につき、少し休もう。と彼女が言う。

なかは暗く、嫌な臭いがする。具体的に言うと鉄錆び臭い。ーーーーうまく隠したつもりだろうが傷つけられた足や手が見えている。
幸いまだ五体満足で息がある。
じわじわ追い詰めて食べるタイプで本当に良かった。

「むーーーー❗むーーーー❗❗」

縛られている人の一人がオレの後ろを見ている。
ジタバタと動きながらオレに“何か”を伝えるように。
オレは後ろを振り向かず、影を見て、言った。


「ねえ、アリスちゃん。」
「なあに?」
「どうしてキミの腕はそんなに太くて毛むくじゃらなの?」
「愛しい人を抱いて離さないためよ」

ごきっ

「ねえ、アリスちゃん。」
「なあに?」
「キミの足はどうしてそんなに爪が伸びてそんなに長いんだい?」
「貴方が逃げてもすぐに捕まえられるように」

ばきっ

「なあ…アリスちゃん。」
「な あ に ?」
「どうして、きみのお顔はそんなに長くてお口が大きいんだい?」


「あなたたちをたべるためにきまっているじゃない」

べきり

人狼。
たまにいるのだ。魔物娘のカッコした魔物が。
そのまま後ろを向き、バックステップで距離をとる。
腰から銃を取り出すーードラムマガジンのスコーピオン
慌てず騒がず全弾クソオオカミにぶちこむ。

印魔弾。
魔物を魔物娘に変える弾丸
弾はいつも百発以上は持ち歩く。ちなみに男に当たっても気絶するだけなので安心してばらまける。
…女の人に当てるとサキュバスになったりするけど。

リロードをし終えた瞬間にあばら家の壁から追加のワーウルフがダイナミック入店。
薬莢が飛び散る。火を吹く銃口、火薬の臭い、倒れて幸せそうに“変化”する魔物。
オレは魚をさばく板前のように正確かつ迅速に“始末”を終わらせた。


「おっ♥️おっ♥️あっ♥️」「お幸せに〜」
終わったあとに30対5の大乱交なったのはお約束。
危うくオレも巻き込まれかけたのはナイショである。
20/06/23 12:59更新 / ぐだぐだ
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■作者メッセージ
ちょっとホラーかも
大丈夫ですこれからも誰も死んだりしません!

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