読切小説
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勝負!カジノの掟
私は突然の電撃的直感により行動した。「そうだ、カジノ行こう」と




ここはいつからあるかもわからないカジノである。
かなり規模の大きいカジノで全世界から客が集まる。
ここで破産した男は商品として扱われ買手がつくまで監禁される。という
うわさまである、が私の知り合いには幸いにもそうなった者はいない。
しかし婚期が遅れた男が自分から破産しに来るという阿呆な話もあるが、
それもこれも全てこのカジノの支配人が魔物娘だからついた根も葉もない話だ
と私は信じたい。しかし、このカジノには入場料と退場料があり、少し噂に現実感が存在している。

このカジノには様々なゲームがある。ゲームマシンやテーブルゲームに留まらず、果てはクレーンゲームまで存在していた。私はプレイしなかったのでよくはわからなかったが魔物娘数人がプレイしていたのを見た。なにやら景品を手に入れたようだったが、紙のようなものでありそれをもって 引換所に駆けていった。
カジノについてはこれくらいでいいだろう。

しかし私がカジノに来た理由は何も他人の観察をしに来たわけではない。私は一生に一度で良いのでカジノで本場のポーカーをしてみたいと考えていた。というわけでカジノでポーカースペースを見つけ適当に空いている席に座った。だがその時私が参加したテーブルはとんでもないモンスターが舌なめずりをしていた。

みると4人の人物が既にテーブルにいたが全ての人物が魔物娘であった。4人のうち2人は一般的な人型であったが残りの2人の人物を見たとき私は恐怖を覚えた。

まず一人は巨大であった。わたしの身長は170ほどだが倍は言い過ぎにしても1.5倍はあるだろう。その巨大さと特徴的な脚をみて、私はおそらく彼女がウシオニという種族だろうと推察した。   もう一人は最初は普通に見えたが首の取り外しを見たとき戦慄した。やはり魔物娘にもいろいろなのがいるらしい。

私が席に着いた瞬間4人全員がこちらを凝視した。3人はすぐに視線を逸らしたがウシオニだけはこちらをずっと見ていた。私は気恥ずかしさを覚え顔を背けた。  

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うふふ、アタイの好みのオスだ。これは破産させてお持ち帰りコースだな。
そんなことを考えながらアタイは邪魔になりそうな他の連中を確認した。2人は知り合いだが隣に座っているデュラハンが気になるな。まぁ勝負を始めてしまえばアタイのフィールドだ。

牛「ディーラー!5人でいいから始めてよ。」

デ「ほかの方々はよろしいですか?」

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どうやら始まるようだ。ウシオニが急かしている。どうやら私を含めたほかの人物たちも了承したようだ。

というわけでいよいよゲームが始まるわけだが、その前に簡単な説明を挟もうと思う。まず今から行われるポーカーは「テキサスホールデム」というルールで行われる。長いので略してテキサスと呼ばせてもらうが、このテキサスは各人に二枚づつカードが配られる。その後にディーラーがフィールドに5枚のカードを3枚、1枚、1枚の順番に公開する。そして最後に自分のカードとフィールドのカードを使い最も強い役を出したプレイヤーの勝ちというルールだ。
このゲームの真髄は心理戦であり、たとえ最弱の役であっても勝つ可能性があるゲームである。細かいルールはプレイしながら説明するとして大体の概要は上に述べたような感じだ。このゲームはカジノに初めて来た者にとって最初に撃沈するポイントらしい、しかし私はしっかりと勉強してきたのだ。簡単に呑まれはしないだろう。しかしそのような甘い考えでは乗り切れないことを私はこのあとまざまざと見せ付けられるのであった。

デ「それではゲームを始めます。」

そしてついに魔物たちの晩餐が始まったのであった。

まず私の手元に二枚のカードが滑り込んでくる。ダイヤのKとクローバーの2だ。その次に参加料を払わなければならない。まだ始まったばかりなので高くは無いが後半になるにつれ多くの参加料が必要になる。私は参加料として日本円にしておよそ千円を払った。さっきの手はあまりいいカードとは言えない。しかしそれもフィールドのカード次第だ。そう思い私はフィールドを見る。そこにはダイヤの4、ハートの7、ハートの9が尊大な態度で鎮座している。私の顔に少しの汗がにじむ。

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うはぁ!あのオス相当焦ってる。まだ最初なのに。初心者だろうね。うふふ、かわいい。ここはアタイが驚かせてあげようかな。

牛「レイズ!プラス千円ね!」

うわぁお!いい表情!ああっ!今すぐ襲いかかってしまいたい!でもここは我慢。ギャンブラーは簡単に表情を変えてはいけないのだ。そう、アタイはギャンブラーだから、ギャンブルでオスを手にするんだよぉ!デュラハンの子はどうかな?ありゃ、無難にコール。手堅いな。

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いきなり賭け金が倍になってしまった。私は今日のためにそこそこの額の資金を用意したがこの調子で進めばいずれは・・・。しかし私がここで引いてはわざわざ本場に来た意味がない。ならば、コールだ。

私「コール!」

コールとは相手と同じ額の賭け金を出すという事だ。しかしウシオニはどうも良い手札なのではないか?これは怖いな。他の二人もコールをする。首の取れた彼女の方を向くとどうやら彼女もコールしたようだ。すると新たに次のカードがフィールドに出るようだ。クローバーの5だ。どうやら運がないらしい。何一つ役ができない。クソ!

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その表情!いいカードじゃなかった様子!ふふふ、また賭け金を釣り上げてやる、と思ったけどもデュラハンの子の手が読めないな。全く表情が変わってない。なかなかの強敵の模様。まあここはチェックしますか。

牛「チェック!」

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新しいアクションが出たので説明するとチェックとは、何もせずに様子見ということだ。そんなチェックが出て安心したが、しかし、この勝負はフォールド(降参)してしまおうか?今なら傷も浅い。次のゲームで復帰もできるだろう。だが、しかし、よく考えればここで引かなければならないわけではない。貴重な体験もできるかもしれない。第一このゲームは心理戦。たとえ最弱でもハッタリで勝てるゲーム。ならば・・・

私「レイズ!プラス千円」

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レイズした!強気にでたな。さっきの表情がウソだったのか。それともレイズはただのハッタリか。まあ十中八九ハッタリだな。甘い甘い。ハッタリではこの私は気圧されないよ。ふふ、さらに追い詰めてみようか。・・・

デ「レイズ。プラス三千」

なに!デュラハンのやつ、これは強力な手か。表情からは何も読めない。これはなんだ、ハッタリか、それともか、何も読めない。これはコールしようか。

牛「コールする。」

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賭け金が跳ね上がった!これは降りるべきか・・・いや、これは・・・降りないぞ。私は降りない。

私「コールだ」

それにさっき首の人がレイズした時ウシオニも動揺したのだ。私は彼女の眉がほんの少し動いたのを見ていた。これは彼女にとっても予想外の出来事のはずだ。つまりいまゲームを動かしているのは、首の人だ。あっ!二人フォールド(降参)した!

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なんだよ!アオオニと妖狐のやつフォールドしちゃってさ!まあ邪魔者が減ったと考えればいいや。しかしてっきりあのオスもフォールドすると思ったけどなかなか思い切りがあるね。ますますアタイのものにしたくなった。だけどあのオスを相手にするより先にデュラハンを相手にしないといけないみたいだね。あっとここはチェックか・・・次のカードで勝負だね。

・・・

これは・・・勝った!

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そこにはとんでもない数字が出ていた

ダイヤの6

つまり今までのカード、ダイヤの4、ハートの7、9、クローバーの5と自分の手札の中で最強の役を作らなければならないわけだが私の手札には役さえできるカードが存在しておらず、私の負けず嫌いという名のかがり火は息を吹きかけられたロウソクの火のごとく消えてしまった。
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クソ!惜しい!あのデュラハン、アタイよりも強いストレートを持ってたなんてね!まあいいわ。まだファーストゲーム。まだこれから・・・え、なにアンタたち帰るの?ダンナを待たせてる?フン!さっさと帰っちまえ!どうせ独り身のアタイにはわかんないことだけどねぇ!今日こそは連れて帰るから!連れて帰ったら自慢してやるから!
                
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三回目のゲームがいま終わった。どうやら次のゲームをしたら私は完全に資金が無くなるようだ。しかし今のゲームでは私は完全にカモであった。元からそうだったかもしれないが、少なくとも私は自身の中に眠れる何かがいることを信じていた。だがどうやら眠っていたのはタカのフリをしたカモだったようだ。しかし私はこの戦いにすべてを賭けてみようと思っている。二人のギャンブラーを相手取ってこんなことを言うとは自惚れだと思うかもしれない。だが私はこの戦いを絶対に引けないものだと思ってしまったのだから仕方ない。

最後の足掻きを見せる・・・

私、デ、牛「NEXT GAME・・・」

三人だけの参加者たちが呟くと各々の目の前には二枚の未来への切符が運ばれてきた。私の未来への切符はどうやら2等車両のもののようだ。他の二人の手は読めない。しかし私は数回の勝負の内にずっと二人の観察をしていた。その数回の勝負は全て負けてしまったが、私は二人についてのある”癖”をみつけていた。まずウシオニさんだがおそらく自分に不利なカードや展開があると眉が一瞬だけ動く。かなり小さな動きだが彼女の負けたゲームでは確実に眉が動いていた。そして首の取れる彼女・・・いやウシオニさんが呟いていた名前が確かならデュラハンさんだが、彼女の”癖”、それは彼女自身の首の位置を調節するというものだ。彼女は数回のゲームで二度フォールドしたがそのゲームの序盤には二回とも首を調節していた。つまり、二人共が私を取るに足らない存在と思っているだろう・・・そのスキを突く!

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随分とあのデュラハンにしてやられた。ゆっくりあのオスを料理しようかと思ったがあのデュラハンのせいで動きづらい。でもあのオスは少しおバカだから自滅するね。たぶん。しかし今配られたカードは不味いかも・・・

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いま!確かに見えたぞ!ウシオニさんの眉がほんの少しだけだけど動いた!これなら狙えるかも知れない。はっ!いま確かにデュラハンさんも首を・・・!これなら勝ちを狙える!

参加料を三人が払う。そこに三枚の札が滑空しながら舞い降りる。ダイヤのK、Q、そして4。三人共息を呑む。そこにはとても危険なワナがあるようだ。一歩読み違えば深い底へと引きずり込まれそうなワナだ。同じマークが3つ揃っているこれはストレートより強いフラッシュが生まれる可能性が出ている。ここで強気に攻めてハッタリをかますか、それとも相手のフラッシュを警戒してチェックやコールでやり過ごすか、どちらにせよ私が非常に危ない場所に立っているのは明白である。全ては私の前にベット(賭ける)するウシオニさん次第といったところだ。

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なんてことだ!全然いいカードがない!しかもどういうことだ!フラッシュが出てしまいそうだ!怖いな・・・。しかし弱気にはなれないここは・・・あのオスを手に入れるために・・・攻める!

牛「レイズ!プラス8000!」

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攻めてきた!しかも私の残りの資金の半分以上の額をレイズしてきた!これはかなり強引に攻めてきている。だが私の予想では彼女の手札は良くない。つまりは今のレイズはハッタリ!しかし私の後のデュラハンさんの動向が気になる。ここは、様子見でコールだ。

私「コール」

その発言を聞いた二人、ウシオニは一瞬だけニヤリと笑い、デュラハンは驚いているようだ。この一つ前のゲームでデュラハンは読み違えなのかは分からないが、ウシオニに負けていた。その時に失った資金は決して少ないものではなかった。従ってデュラハンは・・・

デ「フォールド・・・」

勝負を降りた。

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やった!ついに邪魔ものも消えた!これでアタイは将来のダーリンを搾り取るだけ、うふふ、巣に戻ったら、どうしようかなぁ・・・

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どうやらウシオニは私の資金をこのゲームで終わらせようとしているらしい。このカジノで破産した後のことを少し考えてみた。噂を参考にすれば私は監禁されて魔物娘のための商品になるのだろう。断じてそのようなことにはなりたくない。

そんなことを考えていると次のカードが既にテーブルに置いてあった。

クローバーの10

これは・・・あまり嬉しいカードではない。

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むむぅ。このカードが来たか・・・どうしよう。今はもう最初ほど表情に焦りとかをあのオスも出さなくなってきた。完璧ではないにしろ、かなり手が読みにくい。うーん、どうしようか。アタイの手札も決して弱いわけではない。でも決定的な力がない。いけない。これ以上考えるとアタイが弱気だと思われる。それだとつけ込まれるスキが出てくる。ならば・・・

牛「レイズ!2000!」

激しく攻める!

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やはりかなり攻めてくる。デュラハンさんがいなくなって攻めやすくなったのか・・・。ここで引くわけには行かない。ノってやる!

私「コールだ」

その発言のあとに最後のピースがはまる。

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アタイの攻めに付き合ってくれるのね。嬉しい。ならここは一つ挑発でもしてみますか・・・

牛「ねぇ、アンタ」

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話しかけてきた!?

私「なんですか」

牛「アンタはこのカジノの掟を知ってるかい?」

私「知りませんが」

私の返答を聞いた彼女はニタリと気味の悪い笑みを浮かべて言った。

牛「ここのカジノはね、退場料を払えないものを捕まえてしまう。そしてそいつから最後のチップを奪った者の所有物にしてしまう。つまりここのスロットマシンなんかに負けた者はこのカジノの所有物、アタイみたいなのに負けるとアタイみたいなやつの所有物なってしまうのさ。」

私「つまり私はあなたに負けると?」

牛「そういうこと、アンタの今の残りじゃ退場料は払えない。そしてこの賭けでアンタはアタイに勝てない。」

私「なぜ言い切れるのですか。」

牛「初心者には負けられない。」

私の消えたはずの負けず嫌いのかがり火にタカのフリをしたカモが炎を注いだ

私「やってみなけりゃわからない。」

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ふふ、このオスはこの賭けを降りない!なかなか好戦的なオスだ!そして最後のカード!これでアタイの役は揃った!今すぐにぜぇんぶ搾り取ってやる!

牛「さあアンタの宣言が先だよ」

さぁ!さぁ!どうするんだ!

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さっきからウシオニがうるさくなってきた。どうやら興奮しているようだ。しかし私は冷静に相手を観察した。身振り手振りが激しい。どうやら早く勝負を終わらせたいと見える。つまり、緊張に耐えられていない。手札の役があまり強く無いからか、それとも魔物娘の単なる発情か・・・しかしさっきの発言から考えるとこのウシオニはどうも私を番にしたいようだ。つまりは、発情なのか・・・だとするとあの身振り手振りは手札を推測するには邪魔なだけだが、この際どうでもいい。私はついに人生を左右する勝負時というものに対面したらしい。この勝負に負けてこのウシオニと番になるか、勝負に勝って意気揚々としてカジノを去るか、二つに一つだが私にはこれしかないらしい。

私「オールインだ。全財産賭ける」

私のチップがフィールドで小気味の良い音を立てる。

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オールイン!素晴らしい響きだ!アタイの番にふさわしい決断だ!

牛「コールするよ!勝負と行こうかアンタとアタイでね!」

アタイは興奮を抑えきれないまま自分の手札を公開した。

牛「アタイの役は・・・9、10、J、Q、Kのストレート!さぁ、アンタの役を出しな!」

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私「KとQのトゥーペア・・・あなたの勝ちです。」

私はどうやらこのウシオニと番にならなければいけなくなってしまったらしい。しかし、長い戦いだった。ふぅーっと言いながら周りを見回してみると人だかりが出来ていた。どうやら私たちの戦いを観戦していたらしい。観客の内何人かの者が私に寄ってきて激励の言葉か罵倒なのかよくわからないことをまくし立てた。私の所有者になったウシオニの方を見るとあちらには私の方よりもさらに多い人数が寄っているようだ。しかし彼女はその観客を押しのけて私に近づいてきた。そして大声で・・・

牛「ダァりぃん!さぁアタイたちの愛の巣へ!」

と恥ずかしげもなく叫んでいた。そこまで言われるとまんざらではなくなってしまうのが男というものだ。私も少しノリ気になって「うむ!」とか偉そうに言っているとタキシードを着用した係員が数人が私を掴んだ。そしてそのうちの一人のタキシードがウシオニと会話していた。どうやら私を受け渡す手続きをするらしい。いつの間にか観客たちはどこかに行っており、この場には私とウシオニとタキシードたちだけが残っていた。どうやらオーナーのところに連れて行かれるらしい。関係者以外立ち入り禁止の扉をくぐってVIPルームを越えて、さらに奥にあったのはオーナーと書かれた表札のある扉であった。


ーオーナールームー

オーナーは非常に美人なたぬきであった。部屋に入ると私は半強制的に拇印を何枚かの書類に押すことになった。内容はよく見させてはもらえなかったが、私が拇印を押したことを確認したウシオニとたぬきは非常に満足そうであった。そして私は法的にも彼女の所有物になったのであった。

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ー数年後ー

とあるカジノで新たな噂が生まれた。

「一ヶ月に何日かの間だけ、ナゾの夫婦ギャンブラーが出没し散々荒稼ぎしては、周りにおアツイ姿をみせつけている」と、













13/12/08 03:15更新 / アカマさ

■作者メッセージ
はい、ギャンブルについての話でしたがいかがでしたでしょうか?
作者は一度も賭場にいったことがないので映画なんかを参考にして今回の
小説を書きました。
まぁある意味出し切った作品です。なんだか小説を書くのが楽しくなる作品
でした。

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